JP6721974B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は車輪用軸受装置に関する。詳しくは耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現した車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、外方部材の内側に内方部材が配置され、外方部材と内方部材の間に転動体を介装している。そのため、車輪用軸受装置は、内部に砂塵等(砂塵のほかに雨水や泥水等を含む)が侵入すると、転動体が損傷して軸受寿命が短くなる。従って、車輪用軸受装置は、砂塵等の侵入を防止すべく、外方部材と内方部材の間に形成された環状空間の両端に一対のシール部材を装着している。
ところで、このような車輪用軸受装置は、複列アンギュラ玉軸受を構成している。具体的に説明すると、車輪用軸受装置は、複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列によって複列アンギュラ玉軸受を構成している。また、車輪用軸受装置は、外方部材と内方部材の間に形成された環状空間にグリースが封入されている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、外方部材と、内方部材と、外方部材と内方部材の間に介装される転動体と、外方部材と内方部材の間に形成された環状空間の両端に装着される一対のシール部材と、を具備する。また、特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、インナー側のボール列とアウター側のボール列の間に壁部材が配置されている。壁部材は、略円筒形状となっており、外方部材と内方部材の間に形成された環状空間の一部を占める。そのため、かかる車輪用軸受装置は、環状空間に封入されるグリース量を削減することができる。また、かかる車輪用軸受装置は、グリースの攪拌抵抗を低減することもできる。
しかしながら、車輪用軸受装置は、特許文献2(段落(0007))に記載の如くインナー側の各ボールの転走面とその内外輪の軌道面に強い荷重が掛かるため、インナー側の各ボールの転走面や内外輪の軌道面がアウター側に比べ高面圧になる性質がある。そのため、高面圧でも油膜切れを起こしにくい高粘度のグリースを封入する必要があるが、高粘度のグリースは撹拌抵抗が高く、そのため依然としてグリースの攪拌抵抗に起因してトルクが大きいという問題があった。そこで、インナー側の各ボールとその転走面の摩耗を防ぎつつ、グリースの攪拌抵抗を低減した車輪用軸受装置が求められていた。つまり、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現した車輪用軸受装置が求められていたのである。
特開2010−127324号公報 特開平11−091308号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現した車輪用軸受装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装された複列の転動体と、前記外方部材と前記内方部材の間に形成される環状空間の両端に装着された一対のシール部材と、を備える車輪用軸受装置において、前記複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列の間に壁部材が配置され、前記壁部材よりもインナー側の前記環状空間に封入されるグリースの特性と前記壁部材よりもアウター側の前記環状空間に封入されるグリースの特性が異なる、ものである。
本発明は、前記壁部材よりもインナー側の前記環状空間に高粘度のグリースが封入され、前記壁部材よりもアウター側の前記環状空間に低粘度のグリースが封入される、ものである。
本発明は、前記壁部材が前記ハブ輪に形成された壁面と前記内輪の端面に挟まれた状態で固定される、ものである。
本発明は、前記壁部材が前記ハブ輪の外周に圧入された状態で固定される、ものである。
本発明は、前記壁部材が前記外方部材の内周に圧入された状態で固定される、ものである。
本発明は、前記壁部材にシールリップを設け、このシールリップによって前記壁部材よりもインナー側の前記環状空間と前記壁部材よりもアウター側の前記環状空間をつなぐ隙間通路を遮蔽する、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置は、複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列の間に壁部材が配置されている。そして、壁部材よりもインナー側の環状空間に封入されるグリースの特性と壁部材よりもアウター側の環状空間に封入されるグリースの特性が異なる。これにより、本車輪用軸受装置は、インナー側のボール列とアウター側のボール列のそれぞれに適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、壁部材よりもインナー側の環状空間に高粘度のグリースが封入され、壁部材よりもアウター側の環状空間に低粘度のグリースが封入される。これにより、本車輪用軸受装置は、インナー側の各ボールとその転走面の保護に適した潤滑環境を実現できる。同時に、本車輪用軸受装置は、アウター側の各ボールが転動することによるグリースの攪拌抵抗の低減に適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、壁部材がハブ輪に形成された壁面と内輪の端面に挟まれた状態で固定される。これにより、本車輪用軸受装置は、簡素な構造でありながら確実に壁部材を固定することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、壁部材がハブ輪の外周に圧入された状態で固定される。これにより、本車輪用軸受装置は、簡素な構造でありながら確実に壁部材を固定することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、壁部材が外方部材の内周に圧入された状態で固定される。これにより、本車輪用軸受装置は、簡素な構造でありながら確実に壁部材を固定することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、壁部材にシールリップを設けている。そして、このシールリップによって壁部材よりもインナー側の環状空間と壁部材よりもアウター側の環状空間をつなぐ隙間通路を遮蔽する。これにより、本車輪用軸受装置は、壁部材よりもインナー側の環状空間に封入されたグリースと壁部材よりもアウター側の環状空間に封入されたグリースの混合を抑えることができる。
車輪用軸受装置の全体構成を示す斜視図。 車輪用軸受装置の全体構成を示す断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。 第一実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第二実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第二実施形態である車輪用軸受装置に適用し得る壁部材を用いた要部構造を示す拡大断面図。 第三実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第三実施形態である車輪用軸受装置に適用し得る壁部材を用いた要部構造を示す拡大断面図。 第三実施形態である車輪用軸受装置に適用し得る壁部材を用いた要部構造を示す拡大断面図。
以下に、図1から図4を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置の第一実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。なお、図2は、図1におけるA−A断面図である。図3および図4は、図2における一部領域の拡大図である。
車輪用軸受装置1は、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)、転動体6、シール部材7(以降「一側シール部材7」とする)、シール部材10(以降「他側シール部材10」とする)を具備する。なお、以下において、「一側」とは、車輪用軸受装置1の車体側、即ち、インナー側を表す。また、「他側」とは、車輪用軸受装置1の車輪側、即ち、アウター側を表す。
外方部材2は、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)を支持するものである。外方部材2は、略円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外方部材2の一側端部には、拡径部2aが形成されている。外方部材2の他側端部には、拡径部2bが形成されている。外方部材2の内周には、環状に外側転走面2cと外側転走面2dとが互いに平行となるように形成されている。外側転走面2cと外側転走面2dには、高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。なお、外方部材2の外周には、懸架装置を構成するナックルに取り付けるためのナックル取り付けフランジ2eが一体に形成されている。
内方部材3は、図示しない車輪を回転自在に支持するものである。内方部材3は、ハブ輪4と内輪5で構成されている。
ハブ輪4は、有底円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪4の一側端部には、小径段部4aが形成されている。小径段部4aには、内輪5が圧入されている。ハブ輪4の他側端部には、車輪取り付けフランジ4bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ4bには、円周等配位置にハブボルト4dが設けられている。また、ハブ輪4の外周には、環状に内側転走面4cが形成されている。ハブ輪4は、小径段部4aから内側転走面4cまで高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。これにより、ハブ輪4は、車輪取り付けフランジ4bに付加される回転曲げ荷重に対して十分な機械的強度と耐久性を有している。なお、内側転走面4cは、外方部材2の外側転走面2dに対向する。
内輪5は、略円筒形状に形成されたSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。内輪5の外周には、環状に内側転走面5aが形成されている。つまり、内輪5は、ハブ輪4の小径段部4aに嵌め込まれ、小径段部4aの外周に内側転走面5aを構成している。内輪5は、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。これにより、内輪5は、車輪取り付けフランジ4bに付加される回転曲げ荷重に対して十分な機械的強度と耐久性を有している。なお、内側転走面5aは、外方部材2の外側転走面2cに対向する。
転動体6は、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4と内輪5)の間に介装されるものである。転動体6は、インナー側のボール列(以降「一側ボール列6a」とする)とアウター側のボール列(以降「他側ボール列6b」とする)を有している。一側ボール列6aと他側ボール列6bは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。一側ボール列6aと他側ボール列6bには、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。一側ボール列6aは、転動体である複数のボールが保持器によって環状に保持されている。一側ボール列6aは、内輪5に形成されている内側転走面5aと、それに対向する外方部材2の外側転走面2cとの間に転動自在に収容されている。他側ボール列6bは、転動体である複数のボールが保持器によって環状に保持されている。他側ボール列6bは、ハブ輪4に形成されている内側転走面4cと、それに対向する外方部材2の外側転走面2dとの間に転動自在に収容されている。このようにして、一側ボール列6aと他側ボール列6bは、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4と内輪5)とで複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、車輪用軸受装置1は、複列アンギュラ玉軸受を構成したものであるが、これに限定するものではない。例えば、複列円錐ころ軸受等を構成したものであっても良い。また、車輪用軸受装置1は、ハブ輪4の外周に他側ボール列6bの内側転走面4cが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置であるがこれに限定するものではなく、ハブ輪4に一対の内輪5が圧入固定された第2世代構造や、ハブ輪4を備えずに外方部材2である外輪と内方部材である内輪5とから構成される第1世代構造であっても良い。
一側シール部材7は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Aのインナー側端部に装着されるものである。一側シール部材7は、円環状のシールリング8と円環状のスリンガ9で構成されている。
シールリング8は、外方部材2の拡径部2aに嵌合されて外方部材2と一体的に構成される。シールリング8は、芯金81と弾性部材であるシールゴム82とを有する。
芯金81は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金81は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されている。これにより、芯金81は、円筒状の嵌合部81aと、その一端から内方部材3(内輪5)に向かって延びる円板状の側板部81bとが形成されている。嵌合部81aと側板部81bは、互いに略垂直に交わっており、嵌合部81aは、後述するスリンガ9の嵌合部9aに対向する。また、側板部81bは、後述するスリンガ9の側板部9bに対向する。なお、嵌合部81aと側板部81bには、弾性部材であるシールゴム82が加硫接着されている。
シールゴム82は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム82には、シールリップであるラジアルリップ82a、内側アキシアルリップ82bおよび外側アキシアルリップ82cが形成されている。
スリンガ9は、内方部材3の外周(内輪5の外周)に嵌合されて内方部材3と一体的に構成される。
スリンガ9は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。スリンガ9は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されている。これにより、スリンガ9は、円筒状の嵌合部9aと、その端部から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部9bとが形成されている。嵌合部9aと側板部9bは、互いに垂直に交わっており、嵌合部9aは、前述したシールリング8の嵌合部81aに対向する。また、側板部9bは、前述したシールリング8の側板部81bに対向する。なお、側板部9bには、磁気エンコーダ9cが設けられている。
一側シール部材7は、シールリング8とスリンガ9とが対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ82aは、油膜を介してスリンガ9の嵌合部9aに接触する。また、アキシアルリップ82bは、油膜を介してスリンガ9の側板部9bに接触する。そして、外側アキシアルリップ82cも、油膜を介してスリンガ9の側板部9bに接触する。このようにして、一側シール部材7は、いわゆるパックシールを構成し、グリースGの漏れを防止するとともに砂塵等の侵入を防止するのである。
他側シール部材10は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Aのアウター側端部に装着されるものである。他側シール部材10は、円環状のシールリング11で構成されている。
他側シール部材10は、外方部材2の拡径部2bに嵌合されて外方部材2と一体的に構成される。シールリング11は、芯金111と弾性部材であるシールゴム112とを有する。
芯金111は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金111は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略C字状に形成されている。これにより、芯金111は、円筒状の嵌合部111aと、その一端から内方部材3(ハブ輪4)に向かって延びる円板状の側板部111bとが形成されている。嵌合部111aと側板部111bは、互いに湾曲しながら交わっており、嵌合部111aは、ハブ輪4の軸面部4eに対向する。また、側板部111bは、ハブ輪4の曲面部4fおよび側面部4g(車輪取り付けフランジ4bの端面を指す)に対向する。なお、側板部111bには、弾性部材であるシールゴム112が加硫接着されている。
シールゴム112は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム112には、シールリップであるラジアルリップ112a、内側アキシアルリップ112bおよび外側アキシアルリップ112cが形成されている。
他側シール部材10は、シールリング11とハブ輪4とが対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ112aは、油膜を介してハブ輪4の軸面部4gに接触する。また、アキシアルリップ112bは、油膜を介してハブ輪4の曲面部4fに接触する。そして、外側アキシアルリップ112cも、油膜を介してハブ輪4の側面部4eに接触する。このようにして、他側シール部材10は、グリースGの漏れを防止するとともに砂塵等の侵入を防止するのである。
次に、図5を用いて、第一実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図5は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図5における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第一実施形態である車輪用軸受装置1は、複列の転動体6のうち一側ボール列6aと他側ボール列6bの間に壁部材12が配置されている。壁部材12は、内方部材3の回転軸C(図1および図2参照)を中心とする略円筒形状となっている。そして、壁部材12は、その長さ寸法Laが嵌合部4hの軸方向寸法Lbと同じ若しくはやや大きい値となっている。そのため、本車輪用軸受装置1は、壁部材12がハブ輪4に形成された壁面4fと内輪5の端面5fに挟まれた状態で固定される。なお、壁部材12は、その外径寸法Raが外方部材2の内径寸法Rbよりも小さい値となっている。そのため、本車輪用軸受装置1は、壁部材12の外周面と外方部材2の内周面に挟まれた隙間通路Pが形成される。
加えて、本車輪用軸受装置1は、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに封入されるグリースGiの特性と壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに封入されるグリースGoの特性が異なる。そのため、本車輪用軸受装置1は、インナー側のボール列(一側ボール列6a)とアウター側のボール列(他側ボール列6b)のそれぞれに適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置1は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
具体的に説明すると、本発明に係る車輪用軸受装置1は、インナー側の各ボールの転走面や内外輪の軌道面がアウター側に比べ高面圧になるため、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに高面圧でも油膜切れを起こしにくい高粘度のグリースGiが封入され、壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに低粘度のグリースGoが封入される。これにより、本車輪用軸受装置1は、インナー側の各ボール(一側ボール列6aの各ボール)とその転走面(内側転走面5a・外側転走面2c)の保護に適した潤滑環境を実現できる。同時に、本車輪用軸受装置1は、アウター側の各ボール(他側ボール列6bの各ボール)が転動することによるグリースの攪拌抵抗の低減に適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置1は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
更に、本発明に係る車輪用軸受装置1は、壁部材12がハブ輪4に形成された壁面4fと内輪5の端面5fに挟まれた状態で固定される。これにより、本車輪用軸受装置1は、簡素な構造でありながら確実に壁部材12を固定することができる。
次に、図6を用いて、第二実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図6は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図6における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第二実施形態である車輪用軸受装置1においても、複列の転動体6のうち一側ボール列6aと他側ボール列6bの間に壁部材12が配置されている。壁部材12は、内方部材3の回転軸C(図1および図2参照)を中心とする略円筒形状となっている。そして、壁部材12は、その内径寸法raが嵌合部4hの外径寸法rbと同じ若しくはやや小さい値となっている。そのため、本車輪用軸受装置1は、壁部材12がハブ輪4の外周に圧入された状態で固定される。なお、壁部材12は、その外径寸法Raが外方部材2の内径寸法Rbよりも小さい値となっている。そのため、本車輪用軸受装置1は、壁部材12の外周面と外方部材2の内周面に挟まれた隙間通路Pが形成される。
加えて、本車輪用軸受装置1は、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに封入されるグリースGiの特性と壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに封入されるグリースGoの特性が異なる。そのため、本車輪用軸受装置1は、インナー側のボール列(一側ボール列6a)とアウター側のボール列(他側ボール列6b)のそれぞれに適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置1は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
具体的に説明すると、本発明に係る車輪用軸受装置1は、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに高粘度のグリースGiが封入され、壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに低粘度のグリースGoが封入される。これにより、本車輪用軸受装置1は、インナー側の各ボール(一側ボール列6aの各ボール)とその転走面(内側転走面5a・外側転走面2c)の保護に適した潤滑環境を実現できる。同時に、本車輪用軸受装置1は、アウター側の各ボール(他側ボール列6bの各ボール)が転動することによるグリースの攪拌抵抗の低減に適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置1は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
更に、本発明に係る車輪用軸受装置1は、壁部材12がハブ輪4の外周に圧入された状態で固定される。これにより、本車輪用軸受装置1は、簡素な構造でありながら確実に壁部材12を固定することができる。
なお、壁部材12は、図7に示すように形成されていても良い。即ち、壁部材12は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されていても良い。この場合、壁部材12は、円筒状の嵌合部12aと、その一端から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部12bとが形成される。このような構造とした場合であっても、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。また、軽量化を実現することもできる。ひいては、慣性モーメントが小さくなる。
次に、図8を用いて、第三実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図8は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図8における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第三実施形態である車輪用軸受装置1においても、複列の転動体6のうち一側ボール列6aと他側ボール列6bの間に壁部材12が配置されている。壁部材12は、内方部材3の回転軸C(図1および図2参照)を中心とする略円筒形状となっている。そして、壁部材12は、その外径寸法Raが嵌合部2hの内径寸法Rbと同じ若しくはやや大きい値となっている。そのため、本車輪用軸受装置1は、壁部材12が外方部材2の内周に圧入された状態で固定される。なお、壁部材12は、その内径寸法raがハブ輪4の外径寸法rbよりも大きい値となっている。そのため、本車輪用軸受装置1は、壁部材12の内周面と内方部材3(ハブ輪4)の外周面に挟まれた隙間通路Pが形成される。
加えて、本車輪用軸受装置1は、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに封入されるグリースGiの特性と壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに封入されるグリースGoの特性が異なる。そのため、本車輪用軸受装置1は、インナー側のボール列(一側ボール列6a)とアウター側のボール列(他側ボール列6b)のそれぞれに適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置1は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
具体的に説明すると、本発明に係る車輪用軸受装置1は、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに高粘度のグリースGiが封入され、壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに低粘度のグリースGoが封入される。これにより、本車輪用軸受装置1は、インナー側の各ボール(一側ボール列6aの各ボール)とその転走面(内側転走面5a・外側転走面2c)の保護に適した潤滑環境を実現できる。同時に、本車輪用軸受装置1は、アウター側の各ボール(他側ボール列6bの各ボール)が転動することによるグリースの攪拌抵抗の低減に適した潤滑環境を実現できる。従って、本車輪用軸受装置1は、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。
更に、本発明に係る車輪用軸受装置1は、壁部材12が外方部材2の内周に圧入された状態で固定される。これにより、本車輪用軸受装置1は、簡素な構造でありながら確実に壁部材12を固定することができる。なお、本車輪用軸受装置1は、回転部品である内方部材3(ハブ輪4)ではなく、固定部品である外方部材2に壁部材12を固定するため、慣性モーメントが小さいという有利な効果を奏する。
なお、壁部材12は、図9に示すように形成されていても良い。即ち、壁部材12は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されていても良い。この場合、壁部材12は、円筒状の嵌合部12aと、その一端から内方部材3(ハブ輪4)に向かって延びる円板状の側板部12bとが形成される。このような構造とした場合であっても、耐久性の向上と低抵抗性の向上を実現できる。また、軽量化を実現することもできる。
次に、図10を用いて、上述した各実施形態の車輪用軸受装置1に適用し得る構造について説明する。図10は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図10における(A)は、領域Rを拡大した図である。
本実施形態に係る車輪用軸受装置1は、第三実施形態である車輪用軸受装置1に技術的思想を付加したものである。本車輪用軸受装置1は、壁部材12の側板部12bに弾性部材であるシールゴム13が加硫接着されている。
シールゴム13は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム13には、シールリップであるラジアルリップ13aが形成されている。そして、ラジアルリップ13aは、ハブ輪4の外周面4iに近接する。
このように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、壁部材12にシールリップ(ラジアルリップ13a)を設けている。そして、このシールリップ(ラジアルリップ13a)によって壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiと壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoをつなぐ隙間通路Pを遮蔽する。これにより、本車輪用軸受装置1は、壁部材12よりもインナー側の環状空間Aiに封入されたグリースGiと壁部材12よりもアウター側の環状空間Aoに封入されたグリースGoの混合を抑えることができる。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
3 内方部材
4 ハブ輪
5 内輪
6 転動体
6a ボール列(一側ボール列)
6b ボール列(他側ボール列)
7 シール部材(一側シール部材)
8 シールリング
81 芯金
82 シールゴム
9 スリンガ
10 シール部材(他側シール部材)
11 シールリング
111 芯金
112 シールゴム
12 壁部材
A 環状空間
Ai 環状空間
Ao 環状空間
C 回転軸
G グリース
Gi グリース
Go グリース

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装された複列の転動体と、
    前記外方部材と前記内方部材の間に形成される環状空間の両端に装着された一対のシール部材と、を備える車輪用軸受装置において、
    前記複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列の間に壁部材が配置され、
    前記壁部材よりもインナー側の前記環状空間に高粘度のグリースが封入され、前記壁部材よりもアウター側の前記環状空間に低粘度のグリースが封入される、車輪用軸受装置。
  2. 前記壁部材が前記ハブ輪に形成された壁面と前記内輪の端面に挟まれた状態で固定される、請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記壁部材が前記ハブ輪の外周に圧入された状態で固定される、請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記壁部材が前記外方部材の内周に圧入された状態で固定される、請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記壁部材にシールリップを設け、このシールリップによって前記壁部材よりもインナー側の前記環状空間と前記壁部材よりもアウター側の前記環状空間をつなぐ隙間通路を遮蔽する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
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