JP6718694B2 - マススペクトル解析装置、マススペクトル解析方法、および質量分析装置 - Google Patents

マススペクトル解析装置、マススペクトル解析方法、および質量分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、マススペクトル解析装置、マススペクトル解析方法、質量分析装置、およびプログラムに関する。
質量分析装置では、試料成分をイオン化し、イオン化された試料成分を質量分離することで、イオン化された試料成分の質量電荷比(m/z)を横軸、検出強度を縦軸としたマススペクトルが得られる。マススペクトル上に現れるピークの位置(質量電荷比)と強度を正確に求めることで、試料成分の精密質量と相対的な存在量の情報を得ることができる。マススペクトルから得られた精密質量に対して、当該精密質量と近しい質量をもつ元素の組み合わせ(元素組成)を割り出す処理が元素組成の推定処理である。この元素組成の推定処理の結果として割り出された元素組成の候補から、試料成分の同定を行うことができる。
一般的な元素は、複数の同位体を持っている。そのため、単一成分であっても、マススペクトル上では、複数のピーク(同位体ピーク群)が検出される。同位体ピーク群は、天然存在比が最大の同位体で構成されるモノアイソトピックピークと、同位体ピークと、に大別できる。
マススペクトルを解析して元素組成の推定処理を行う場合、一般的に、モノアイソトピックピークを対象として行う。元素組成の推定処理で同位体ピークを対象とすることも可能であるが、この場合、モノアイソトピック元素だけでなく同位体元素も考慮しなければならない。そのため、元素の組み合わせの数が膨大となってしまい処理が複雑化してしまう。
例えば、特許文献1には、LC/MSのように多価イオンが観測される質量分析計において、モノアイソトピックイオンを特定し、元素組成の推定処理を行う手法が開示されている。
特開2013−231715号公報
マススペクトル解析装置において、マススペクトルを解析して元素組成の推定処理を行う場合、一般的に、マススペクトル上のピークを検出し、解析対象となるピークを選択する処理を行った後、選択されたピークの精密質量から元素組成の推定処理を行う。マススペクトル上に複数のピークが検出された場合、検出された全てのピークに対して、順次、元素組成の推定処理を行う。
このマススペクトルの解析方法では、解析対象となるピークとしてモノアイソトピックピークだけでなく、同位体ピークも選択される。同位体ピークが選択されると、同位体ピークをモノアイソトピックピークとして元素組成の推定処理を行うことになり、誤った元素組成が出力されてしまう。また、モノアイソトピックピークに加えて同位体ピークも処理しなければならないため、処理時間が長くなってしまう。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、マススペクトルを効率よく解析することができるマススペクトル解析装置、マススペクトル解析方法、およびプログラムを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記マススペクトル解析装置を含む質量分析装置を提供することにある。
(1)本発明に係るマススペクトル解析装置は、
試料に対して質量分析を行うことにより取得されたマススペクトルデータから元素組成の推定を行うマススペクトル解析装置であって、
前記マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成するピークリスト作成部と、
前記ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択するピーク選択部と、
前記解析対象ピークから元素組成を推定する組成推定部と、
前記解析対象ピークに基づいて前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範
囲を設定し、前記ピークリストを更新するピークリスト更新部と、
を含み、
前記ピークリスト更新部は、
前記解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の下限を設定し、
前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の大きさが、あらかじめ設定された大きさとなるように、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の上限を設定し、
設定された質量電荷比の範囲に含まれるすべてのピークを前記ピークリストから削除する
このようなマススペクトル解析装置では、ピークリスト更新部が解析対象ピークに基づいてピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、ピークリストを更新するため、ピークリストから同位体ピークの少なくとも一部を削除することができる。したがって、このようなマススペクトル解析装置では、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
(2)本発明に係るマススペクトル解析装置において、
前記ピークリスト更新部は、前記解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を、前記解析対象ピークと関連する同位体ピークの少なくとも一部を含む範囲に設定してもよい。
このようなマススペクトル解析装置では、ピークリストから同位体ピークの少なくとも一部を削除することができるため、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
(3)本発明に係るマススペクトル解析装置において、
前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の大きさは、3Daに相当する質量電荷比であってもよい。
(4)本発明に係るマススペクトル解析装置において、
前記ピーク選択部は、前記ピークリストが更新された場合に、更新された前記ピークリストから、前記解析対象ピークを選択してもよい。
このようなマススペクトル解析装置では、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
(5)本発明に係るマススペクトル解析方法は、
試料に対して質量分析を行うことにより取得されたマススペクトルデータから元素組成の推定を行うマススペクトル解析方法であって、
前記マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成するピークリスト作成工程と、
前記ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択するピーク選択工程と、
前記解析対象ピークから元素組成を推定する組成推定工程と、
前記解析対象ピークに基づいて前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、前記ピークリストを更新するピークリスト更新工程と、
を含み、
前記ピークリスト更新工程では、
前記解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の下限を設定し、
前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の大きさが、あらかじめ設定された大きさとなるように、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の
上限を設定し、
設定された質量電荷比の範囲に含まれるすべてのピークを前記ピークリストから削除する
このようなマススペクトル解析方法では、ピークリスト更新工程において解析対象ピークに基づいてピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、ピークリストを更新するため、ピークリストから同位体ピークの少なくとも一部を削除することができる。したがって、このようなマススペクトル解析装置では、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
(6)本発明に係る質量分析装置は、
本発明に係るマススペクトル解析装置を含む。
このような質量分析装置では、本発明に係るマススペクトル解析装置を含むため、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
(7)本発明に係るマススペクトル解析装置において、
更新された前記ピークリストにピークが有るか否かを判定する判定部を含み、
前記判定部が更新された前記ピークリストにピークが有ると判定した場合、前記ピーク選択部は、更新された前記ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択してもよい。
本実施形態に係る質量分析装置を模式的に示す図。 マススペクトル解析装置におけるマススペクトルを解析する処理の一例を示すフローチャート。 解析対象となるマススペクトルの一例を模式的に示す図。 ピークリストから解析対象ピークを選択する処理を説明するための図。 ピークリストを更新する処理を説明するための図。 更新されたピークリストから解析対象ピークを選択する処理を説明するための図。 ピークリストを、再度、更新する処理を説明するための図。 ピークリスト更新部におけるピークリストを更新する処理の変形例を説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 質量分析装置
まず、本実施形態に係る質量分析装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る質量分析装置100を模式的に示す図である。
質量分析装置100は、質量分析を行うための装置である。質量分析装置100では、試料に対して質量分析を行うことによりマススペクトルデータを取得することができる。ここでは、質量分析装置100が、ガスクロマトグラフ(GC)と、質量分析計(MS)と、を接続したガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)である場合について説明する。
質量分析装置100は、本発明に係るマススペクトル解析装置を含む。ここでは、質量分析装置100が、本発明に係るマススペクトル解析装置として、マススペクトル解析装置40を含む場合について説明する。
質量分析装置100は、さらに、ガスクロマトグラフ部10と、質量分析部20と、インターフェース部30と、を含んで構成されている。
ガスクロマトグラフ部10は、試料注入部102と、分離カラム部104と、を有している。試料注入部102には、測定対象となる試料(試料ガス)が注入される。試料注入部102に注入された試料は、キャリアガスによって、分離カラム部104に移動する。
分離カラム部104は、試料に含まれる各成分を時間軸で分離する。分離された試料は、インターフェース部30を介して質量分析部20に導入される。
インターフェース部30は、ガスクロマトグラフ部10と質量分析部20とを接続している。
質量分析部20は、ガスクロマトグラフ部10で分離された試料の各成分をイオン化し、生成されたイオンを質量電荷比に応じて分離し検出する。質量分析部20におけるイオン化の手法としては、例えば、EI(Electron Ionization)法や、CI(Chemical Ionization)法などを用いることができる。質量分析部20における質量分離は、例えば、飛行時間型質量分析計や、四重極型質量分析計などを用いて行うことができる。なお、イオン化の手法および質量分離の手法は、これらの例に限定されない。
質量分析部20で質量分離されたイオンの検出結果は、マススペクトル解析装置40に送られ、マススペクトル解析装置40においてマススペクトルデータが作成される。作成されたマススペクトルデータは、記憶部440に記憶される。マススペクトルデータから、横軸を質量電荷比とし、縦軸をイオン強度とするマススペクトルを作成することができる。
マススペクトル解析装置40は、試料に対する質量分析を行うことで取得されたマススペクトルデータから、試料に含まれる成分の元素組成を推定する処理を行う。
マススペクトル解析装置40は、処理部410と、操作部420と、表示部430と、記憶部440と、情報記憶媒体450と、を含んで構成されている。マススペクトル解析
装置40は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)などで実現することができる。
操作部420は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部410に送る処理を行う。操作部420は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。操作部420は、例えば、マススペクトルの解析条件の入力を行うために用いられる。
表示部430は、処理部410によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。
記憶部440は、処理部410が各種の計算処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部440は、処理部410の作業領域として用いられ、処理部410が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
情報記憶媒体450は、コンピューターにより読み取り可能な媒体である。情報記憶媒体450は、プログラムやデータなどを格納するものである。情報記憶媒体450の機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部410は、情報記憶媒体450に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。すなわち、情報記憶媒体450には、処理部410の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
処理部410は、マススペクトルを取得する処理や、マススペクトルデータから元素組成を推定する処理、マススペクトルの解析結果等を表示部430に表示させる処理などの処理を行う。処理部410の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)でプログラムを実行することにより実現することができる。なお、処理部410の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。処理部410は、ピークリスト作成部412と、ピーク選択部414と、組成推定部416と、ピークリスト更新部418と、判定部419と、を含む。
ピークリスト作成部412は、記憶部440に記憶されているマススペクトルデータを読み出し、当該マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成する。ピークリスト作成部412は、マススペクトルデータから検出されたピークの位置(質量電荷比)とピークの強度をリストアップしてピークリストを作成する。ピークリスト作成部412は、各ピークの位置(質量電荷比)から求めた精密質量の情報をピークリストに加える処理を行ってもよい。
ピーク選択部414は、ピークリスト作成部412で作成されたピークリストから、解析対象となるピーク(以下、「解析対象ピーク」ともいう)を選択する。ピーク選択部414は、ピークリストに含まれているピークのうち、最も強度の大きいピークを解析対象ピークとする。ピーク選択部414は、ピークリスト更新部418によってピークリストが更新された場合には、更新されたピークリストから解析対象ピークを選択する。
なお、上記では、ピーク選択部414が最大強度のピークを解析対象ピークとする例について説明したが、解析対象ピークを選択する処理はこれに限定されない。例えば、ピークリストに含まれているピークのうち、ユーザーによって選択されたピークを解析対象ピークとしてもよい。
組成推定部416は、ピーク選択部414で選択された解析対象ピークに対して元素組
成を推定する処理を行う。組成推定部416は、マススペクトル上における解析対象ピークの位置(質量電荷比)から精密質量を求め、データベース等から当該精密質量に近しい質量を持つ元素組成を割り出すことで、元素組成を推定する。解析対象ピークに対する元素組成を推定する処理の結果、解析対象ピークから推定される元素組成の候補が得られる。解析対象ピークから推定される元素組成の候補は、例えば、記憶部440に記憶される。
ピークリスト更新部418は、ピークリスト作成部412で作成されたピークリストを更新する処理を行う。具体的には、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークに基づいてピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲(以下「ピーク削除範囲」ともいう)を設定し、ピークリストを更新する。
ピークリスト更新部418は、解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、ピーク削除範囲を解析対象ピークと関連する同位体ピークの少なくとも一部を含む範囲に設定する。ここで、同位体ピークは、一般的に、モノアイソトピックピークから高質量側に3Da(ダルトン)以内に出現する。そのため、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークの質量電荷比を下限とし、解析対象ピークの質量電荷比から高質量側に3Da(すなわち3Daに相当する質量電荷比)を上限とするピーク削除範囲を設定する。これにより、解析対象ピークを含む同位体ピーク群の少なくとも一部を、ピークリストから削除することができる。
なお、ここでは、ピーク削除範囲の大きさ(ピーク削除範囲の上限と下限との差)を3Daとしたが、この値は特に限定されず、例えばユーザーが適宜設定することができる。
また、ピーク削除範囲は、解析対象ピークの質量電荷比よりも低質量側を含むように設定されてもよい。また、ピーク削除範囲は、解析対象ピークの質量電荷比よりも低質量側および高質量側の両方を含むように設定されてもよい。また、ピーク削除範囲は、ユーザーが任意に設定可能であってもよい。
ピークリスト更新部418がピーク削除範囲に含まれるピークをピークリストから削除することにより、ピークリストが更新される。
判定部419は、ピークリスト更新部418によって更新されたピークリストにピークが有るか否かの判定を行う。
処理部410は、各解析対象ピークについての元素組成の推定結果を記憶部440から読み出して、表示部430に表示させる制御を行う。
2. マススペクトルの解析方法
次に、本実施形態に係るマススペクトルの解析方法について説明する。ここでは、マススペクトル解析装置40がマススペクトルを解析する場合について説明する。
図2は、マススペクトル解析装置40におけるマススペクトルを解析する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ピークリスト作成部412がマススペクトルからピークを検出し、ピークリストを作成する(ステップS100)。
図3は、解析対象となるマススペクトルの一例を模式的に示す図である。ピークリスト作成部412は、マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成する。
これにより、図3に示すマススペクトル上の全てのピークがリストアップされ、各ピークの質量電荷比や、強度等の情報が掲載されたピークリストが作成される。
次に、ピーク選択部414が、ピークリストから解析対象となる解析対象ピークを選択する(ステップS102)。
図4は、ピークリストから解析対象ピークを選択する処理を説明するための図である。ピーク選択部414は、ピークリストから最大強度のピークを検出して、解析対象ピークP1とする。
次に、組成推定部416が解析対象ピークP1から元素組成を推定する(ステップS104)。組成推定部416は、解析対象ピークP1の位置(質量電荷比)から精密質量を求め、データベース等から当該精密質量に近しい質量を持つ元素組成を割り出して、元素組成を推定する。
次に、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークP1に基づいてピーク削除範囲を設定し、ピークリストを更新する(ステップS106)。
図5は、ピークリストを更新する処理を説明するための図である。なお、図5では、ピークリストから削除されたピークを破線で示している。図5に示す例では、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークP1の質量電荷比に基づいて、ピークを削除する範囲を、下限を解析対象ピークP1の質量電荷比とし、上限を解析対象ピークP1から高質量側に3Da(3Daに相当する質量電荷比)とする範囲に設定した。ピークリスト更新部418は、ピークリストから、設定されたピーク削除範囲に含まれるピークを削除して、ピークリストを更新する。これにより、解析対象ピークP1を含む同位体ピーク群が、ピークリストから削除される。
次に、判定部419は、更新されたピークリストにピークが有るか否かを判定する(ステップS108)。
ピークリストにピークが有ると判定された場合(ステップS108でYesの場合)、ステップS102に戻って、ピーク選択部414が、更新されたピークリストから解析対象ピークを選択する処理を行う。
図6は、更新されたピークリストから解析対象ピークを選択する処理を説明するための図である。ピーク選択部414は、更新されたピークリストから最大強度のピークを検出して、解析対象ピークP2とする。
次に、組成推定部416が解析対象ピークP2から元素組成を推定する(ステップS104)。
次に、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークP2に基づいてピーク削除範囲を設定し、ピークリストを、再度、更新する(ステップS106)。
図7は、ピークリストを、再度、更新する処理を説明するための図である。なお、図7では、ピークリストから削除されたピークを破線で示している。図7に示す例では、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークP2に基づいて、ピークを削除する範囲を、下限を解析対象ピークP2の質量電荷比とし、上限を解析対象ピークP2から高質量側に3Daとする範囲に設定した。ピークリスト更新部418は、ピークリストから、設定されたピーク削除範囲に含まれるピークを削除して、ピークリストを、再度、更新する。
ピーク選択部414、組成推定部416、ピークリスト更新部418、および判定部419は、ステップS102〜ステップS108の処理を、ピークリストからピークがなくなるまで繰り返し行う。
ピークリストにピークが無いと判定された場合(ステップS108でNoの場合)、処理部410は、各解析対象ピークについての元素組成の推定結果を記憶部440から読み出して、表示部430に表示させる制御を行う。そして、処理部410は、マススペクトルを解析する処理を終了する。
上述したように、マススペクトル解析装置40では、ピークリスト更新部418が解析対象ピークに基づいて、ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、ピークリストを更新する。ピークリスト更新部418は、解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、ピーク削除範囲を解析対象ピークと関連する同位体ピークの少なくとも一部を含む範囲に設定する。そのため、マススペクトル解析装置40では、ピークリストから同位体ピークの少なくとも一部を削除することができ、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。したがって、マススペクトル解析装置40では、処理時間を短縮することができる。また、マススペクトル解析装置40では、マススペクトルの解析の結果を簡素化することができる。
本実施形態に係るマススペクトル解析方法は、マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成するピークリスト作成工程と、ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択するピーク選択工程と、解析対象ピークから元素組成を推定する組成推定工程と、解析対象ピークに基づいてピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、ピークリストを更新するピークリスト更新工程と、を含む。そのため、本実施形態に係るマススペクトル解析方法によれば、ピークリストから同位体ピークの少なくとも一部を削除することができ、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
質量分析装置100は、マススペクトル解析装置40を含むため、効率よくマススペクトルの解析を行うことができる。
3. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
(1)第1変形例
上述した実施形態では、ピークリスト更新部418がピークを削除する範囲を、下限を解析対象ピークの質量電荷比とし、上限を解析対象ピークP2から高質量側に3Daとする範囲に設定する例について説明したが、ピークリスト更新部418におけるピーク削除範囲の設定の手法はこの例に限定されない。例えば、ピークリスト更新部418は、解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、ピーク削除範囲を解析対象ピークから一定の間隔で複数設定してもよい。すなわち、ピークリスト更新部418は、複数のピーク削除範囲を、一定の間隔でとびとびに設定してもよい。
図8は、ピークリスト更新部418におけるピークリストを更新する処理の変形例を説明するための図である。なお、図8では、ピークリストから削除されたピークを破線で示している。
同位体ピークの間隔は、通常、一定である。そのため、本変形例では、ピークリスト更
新部418は、ピーク削除範囲を、間隔aで複数設定する。例えば、1価イオンの場合(すなわちz=1の場合)、同位体ピークの間隔は、1Daに相当する。したがって、間隔aを1Da(すなわち1Daに相当する質量電荷比)とすることで、ピークリストを更新する処理において、ピークリストから1価イオンの同位体ピークを削除しつつ、解析対象ピークP1に近接する他の試料成分のピークP3が削除される可能性を低減することができる。なお、ピーク削除範囲の間隔aは、隣接するピーク削除範囲の中心間の大きさである。
また、2価イオンの場合(すなわちZ=2の場合)、同位体ピークの間隔は、1/2Daに相当する。したがって、間隔aを1/2Daとすることで、ピークリストを更新する処理において、ピークリストから2価イオンの同位体ピークを削除しつつ、解析対象ピークP1に近接する他の試料成分のピークP3が削除される可能性を低減することができる。
また、3価イオンの場合(すなわちZ=3の場合)、同位体ピークの間隔は、1/3Daに相当する。したがって、間隔aを1/3Daとすることで、ピークリストを更新する処理において、ピークリストから3価イオンの同位体ピークを削除しつつ、解析対象ピークP1に近接する他の試料成分のピークP3が削除される可能性を低減することができる。
例えば、ユーザーによってイオンの価数が指定された場合、ピークリスト更新部418は、ピーク削除範囲を、指定されたイオンの価数に応じた間隔aで複数設定する。イオンの価数の指定は、操作部420を介して行うことができる。なお、ユーザーが間隔aの値を指定し、ピークリスト更新部418が、ピーク削除範囲を、指定された間隔aで複数設定してもよい。
ピーク削除範囲の大きさbは、例えば、10mDa程度に設定される。なお、ピーク削除範囲の大きさbは、この値に限定されず、ユーザーが適宜設定することができる。また、ピーク削除範囲の数は図示の例では4個であるが、ピーク削除範囲の数は特に限定されず、ユーザーが適宜設定することができる。
第1変形例に係るマススペクトル解析装置40の処理は、図2に示すピークリストを更新する処理(ステップS106)において、ピーク削除範囲を解析対象ピークから一定の間隔で複数設定する点を除いて、上述した実施形態で説明した処理と同様であり、その説明を省略する。
第1変形例に係るマススペクトル解析装置40では、ピークリスト更新部418が解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、ピーク削除範囲を解析対象ピークから一定の間隔で複数設定するため、上記のように、ピークリストから解析対象ピークに近接する他の試料成分のピークが削除される可能性を低減することができる。
(2)第2変形例
上述した実施形態では、図1に示すように、マススペクトル解析装置40が質量分析装置100に含まれている場合について説明したが、マススペクトル解析装置40は質量分析装置に含まれていなくてもよい。マススペクトル解析装置40は、他の質量分析装置で得られたマススペクトルや、シミュレーションで得られたマススペクトルの解析を行ってもよい。この場合、マススペクトル解析装置40は、情報記憶媒体450等を介して、マススペクトルデータを取得してもよい。
(3)第3変形例
上述した実施形態では、質量分析装置100が、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)である場合について説明したが、本発明に係る質量分析装置は、ガスクロマトグラフ質量分析装置に限定されず、その他の質量分析装置にも適用可能である。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…ガスクロマトグラフ部、20…質量分析部、30…インターフェース部、40…マススペクトル解析装置、100…質量分析装置、102…試料注入部、104…分離カラム部、410…処理部、412…ピークリスト作成部、414…ピーク選択部、416…組成推定部、418…ピークリスト更新部、419…判定部、420…操作部、430…表示部、440…記憶部、450…情報記憶媒体

Claims (7)

  1. 試料に対して質量分析を行うことにより取得されたマススペクトルデータから元素組成の推定を行うマススペクトル解析装置であって、
    前記マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成するピークリスト作成部と、
    前記ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択するピーク選択部と、
    前記解析対象ピークから元素組成を推定する組成推定部と、
    前記解析対象ピークに基づいて前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、前記ピークリストを更新するピークリスト更新部と、
    を含み、
    前記ピークリスト更新部は、
    前記解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の下限を設定し、
    前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の大きさが、あらかじめ設定された大きさとなるように、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の上限を設定し、
    設定された質量電荷比の範囲に含まれるすべてのピークを前記ピークリストから削除する、マススペクトル解析装置。
  2. 請求項1において、
    前記ピークリスト更新部は、前記解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を、前記解析対象ピークと関連する同位体ピークの少なくとも一部を含む範囲に設定する、マススペクトル解析装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の大きさは、3Daに相当する質量電荷比である、マススペクトル解析装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記ピーク選択部は、前記ピークリストが更新された場合に、更新された前記ピークリストから、前記解析対象ピークを選択する、マススペクトル解析装置。
  5. 試料に対して質量分析を行うことにより取得されたマススペクトルデータから元素組成の推定を行うマススペクトル解析方法であって、
    前記マススペクトルデータからピークを検出し、ピークリストを作成するピークリスト作成工程と、
    前記ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択するピーク選択工程と、
    前記解析対象ピークから元素組成を推定する組成推定工程と、
    前記解析対象ピークに基づいて前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲を設定し、前記ピークリストを更新するピークリスト更新工程と、
    を含み、
    前記ピークリスト更新工程では、
    前記解析対象ピークの質量電荷比に基づいて、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の下限を設定し、
    前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の大きさが、あらかじめ設定された大きさとなるように、前記ピークリストからピークを削除する質量電荷比の範囲の上限を設定し、
    設定された質量電荷比の範囲に含まれるすべてのピークを前記ピークリストから削除する、マススペクトル解析方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマススペクトル解析装置を含む、質量分析装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    更新された前記ピークリストにピークが有るか否かを判定する判定部を含み、
    前記判定部が更新された前記ピークリストにピークが有ると判定した場合、前記ピーク選択部は、更新された前記ピークリストから、解析対象となる解析対象ピークを選択する、マススペクトル解析装置。
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