JP6222277B2 - タンデム質量分析データ処理装置 - Google Patents
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Description
なお、こうした問題は、典型的にはMS2スペクトルにおいて起こるものであるが、nが3以上であるMSnスペクトルにおいても事情は同じである。
a)プロダクトイオン毎に、当該プロダクトイオンの質量電荷比から推定される組成式と前記プリカーサイオンの質量電荷比から推定される組成式の整合性を検証することにより、そのプロダクトイオンが複数のプリカーサイオンのいずれに由来するものであるかを判定するプロダクトイオン帰属判定部と、
b)前記プロダクトイオン帰属判定部による判定結果に基づいて、複数のプロダクトイオンをプリカーサイオン毎に分離して各プリカーサイオンに対応するMSnスペクトルデータに再構成するデータ分離部と、
を備えることを特徴としている。
実測により得られたMSn-1スペクトルデータからプリカーサイオンとして選択された複数のイオンの質量電荷比値を取得し、該質量電荷比値から各イオンの組成式を推定するプリカーサイオン組成式推定部と、
実測により得られたMSnスペクトルデータから検出されたプロダクトイオンの質量電荷比値を取得し、該質量電荷比値から各プロダクトイオンの組成式を推定するプロダクトイオン組成式推定部と、をさらに備え、
前記プロダクトイオン帰属判定部は、プロダクトイオン毎に、前記プロダクトイオン組成式推定部により推定された組成式と前記プリカーサイオン組成式推定部により推定されたプリカーサイオンの組成式との整合性を検証することにより、そのプロダクトイオンが複数のプリカーサイオンのいずれに由来するものであるかを判定することを特徴としている。
まず本発明には含まれないものの本発明に関連するタンデム質量分析データ処理装置を用いた質量分析システムの一実施例(第1実施例)について、添付図面を参照して説明する。
図1は第1実施例の質量分析システムの概略構成図である。
次に本発明に係るタンデム質量分析データ処理装置を用いた質量分析システムの実施例(第2実施例)について、添付図面を参照して説明する。
図5は第2実施例の質量分析システムの概略構成図である。第1実施例の質量分析システムと同じ構成要素には同じ符号を付してある。即ち、この第2実施例の質量分析システムではデータ処理部2の機能ブロックが第1実施例とは相違し、タンデム質量分析計1などの構成は第1実施例と全く同一である。
第2実施例の質量分析システムにおいて、データ処理部2はデータ格納部21のほかに、組成式推定部25、プロダクトイオン帰属判定部26、及びデータ分離処理部27などの機能ブロックを備える。
データ処理が開始されると、まず組成式推定部25は、データ格納部21から実測のマススペクトルデータを読み出し、プリカーサイオンとして選択された化合物A由来のピークAの質量電荷比値及び化合物B由来のピークBの質量電荷比値を求める。そして、求めた質量電荷比値から、化合物A、Bの組成式、即ち、それら化合物を構成する元素の種類と各元素の数をそれぞれ推定する(ステップS11)。上述したように、第2段質量分離部13が飛行時間型質量分析器のような高精度、高分解能のものであれば、高い精度で質量電荷比値が求まるので、高い確度で組成式を推定することができる。
なお、一般的に有機化合物であれば、H、C、O、Nなどの基本的な元素が含まれることを想定して組成式推定を行うが、Cl、Brといったハロゲン元素など、特殊な元素が含まれる場合には、そうした可能性があることを示す付加的な情報が与えられれば組成式の推定は容易である。したがって、そうした付加的な情報をユーザが適宜入力できるようにし、それを組成式推定に利用するようにするとよい。
本発明には含まれないものの本発明に関連するタンデム質量分析データ処理装置を用いた質量分析システムの他の実施例(第3実施例)について、添付図面を参照して説明する。
図8は第3実施例の質量分析システムの概略構成図である。第1、第2実施例の質量分析システムと同じ構成要素には同じ符号を付してある。即ち、この第3実施例の質量分析システムではデータ処理部2の機能ブロックが第1、第2実施例と相違し、タンデム質量分析計1などの構成は第1、第2実施例と全く同一である。
第3実施例の質量分析システムにおいて、データ処理部2はデータ格納部21、データ分離処理部27などのほかに、マスデフェクト抽出部28、プロダクトイオン帰属判定部29といった機能ブロックを備える。
いま一例として図9(a)に示した2種の化合物、即ち、トリアレート(S-2,3,3-トリクロロアリルジイソプロピルチオカルバマート)とフェンプロピモルフ((2β,6β)-4-[3-[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-2-メチルプロピル]-2,6-ジメチルモルホリン)とが試料に含まれているものとする。トリアレートの質量は304.0091、フェンプロピモルフの質量は304.2635であり、マススペクトルにおいて両化合物由来の分子イオンの質量電荷比差は0.2544Daにすぎない。そのため、上述したようにMS/MS分析のための設定されるプリカーサイオン選択ウインドウによっては両化合物由来のイオンを分離することはできず、それら化合物由来のイオンはまとめてプリカーサイオンとして解離されることになる。その結果、MS/MSスペクトルでは、両化合物由来のプロダクトイオンが混じって出現する。
10…イオン源
11…第1段質量分離部
12…イオン解離部
13…第2段質量離部
14…検出器
15…アナログデジタル変換器
16…分析制御部
2…データ処理部
21…データ格納部
22…複数プリカーサ対応解析処理部
23…データベース検索部
24…化合物データベース
25…組成式推定部
26、29…プロダクトイオン帰属判定部
27…データ分離処理部
28…マスデフェクト抽出部
3…制御部
4…操作部
5…表示部
Claims (2)
- 所定の質量電荷比幅に含まれる質量電荷比を有する、複数の異なる化合物にそれぞれ由来するイオンをまとめてプリカーサイオンとして選択し、その選択されたプリカーサイオンを解離して得られたプロダクトイオンを質量分析することで得られたMSnスペクトルデータを処理するタンデム質量分析データ処理装置であって、
a)プロダクトイオン毎に、当該プロダクトイオンの質量電荷比から推定される組成式と前記プリカーサイオンの質量電荷比から推定される組成式の整合性を検証することにより、そのプロダクトイオンが複数のプリカーサイオンのいずれに由来するものであるかを判定するプロダクトイオン帰属判定部と、
b)前記プロダクトイオン帰属判定部による判定結果に基づいて、複数のプロダクトイオンをプリカーサイオン毎に分離して各プリカーサイオンに対応するMSnスペクトルデータに再構成するデータ分離部と、
を備えることを特徴とするタンデム質量分析データ処理装置。 - 請求項1に記載のタンデム質量分析データ処理装置であって、
実測により得られたMSn-1スペクトルデータからプリカーサイオンとして選択された複数のイオンの質量電荷比値を取得し、該質量電荷比値から各イオンの組成式を推定するプリカーサイオン組成式推定部と、
実測により得られたMSnスペクトルデータから検出されたプロダクトイオンの質量電荷比値を取得し、該質量電荷比値から各プロダクトイオンの組成式を推定するプロダクトイオン組成式推定部と、をさらに備え、
前記プロダクトイオン帰属判定部は、プロダクトイオン毎に、前記プロダクトイオン組成式推定部により推定された組成式と前記プリカーサイオン組成式推定部により推定されたプリカーサイオンの組成式との整合性を検証することにより、そのプロダクトイオンが複数のプリカーサイオンのいずれに由来するものであるかを判定することを特徴とするタンデム質量分析データ処理装置。
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