JP6477332B2 - 質量分析方法、質量分析装置、及び質量分析用プログラム - Google Patents

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本発明は、MS分析(nは2以上の整数)を行うことが可能な質量分析装置に関する。また、そのような質量分析装置を用いて行われる質量分析方法及び質量分析用プログラムに関する。
試料に含まれる分析対象化合物を同定する方法にMS分析がある。MS分析は、例えば、プリカーサイオンを選別する前段質量分離部、プリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセル、及びプロダクトイオンを選別する後段質量分離部を有する、三連四重極型質量分析装置を用いて行うことができる。
MS分析では、一般に、まず、質量分析装置に分析対象化合物を導入してMS分析(MS分析)を行い、MSスペクトルデータを取得する。そして、分析者が該MSスペクトルデータに基づき、検出強度が大きい1乃至複数のイオンを選出する。そして、再び質量分析装置に分析対象化合物を導入し、選出した1乃至複数のイオンのうちの1つをプリカーサイオンとしてMS分析を行い、MSスペクトルデータを取得する。選出したイオンの全てについて、それぞれMSスペクトルデータを取得した後、それらを予めデータベース化されている多数の参照化合物のマススペクトルデータと照合して分析対象化合物を同定する。
MS分析を実行可能な質量分析装置の中には、MS分析により取得した分析対象化合物のMSスペクトルデータから、予め決められた選出条件(例えば、検出強度が閾値以上であるイオンを選出する)に基づいてプリカーサイオンを自動的に選出し、上記MS分析に引き続いてMS分析できるものがある。このような分析は、データ依存分析(DDA:Data Dependent Analysis)と呼ばれる(例えば特許文献1)。DDAには、分析対象化合物を質量分析装置に導入する回数が1度で済み、また、分析者が自らMSスペクトルデータを確認してプリカーサイオンを選出する必要がなく簡便にMSスペクトルデータを取得できる、という利点がある。なお、DDAではなくオートMSと呼ばれる場合もある(例えば特許文献2、3)。
特開2007-309661号公報 特開2008-298427号公報 特開2014-170013号公報
DDAでは、MS分析とMS分析を連続して行うために、MS分析においてプリカーサイオンを開裂させるための衝突ガスを分析開始前にコリジョンセルに導入している。そのため、MS分析時にもイオンがコリジョンセルを通過する際に衝突ガスと衝突し、一部のイオンが開裂してしまう。以下、こうしたイオンの開裂によって生じる問題を説明する。
分析対象化合物から生成したイオンが開裂することなく検出された場合のMSスペクトルの例を図1(a)に示す。一方、分析対象化合物から生成したイオンの一部が開裂して検出された場合のMSスペクトルの例を図1(b)に示す。これらのMSスペクトルにおいて、予め設定された閾値を超える強度のマスピークに対応するイオン(即ち、閾値以上の強度で検出されたイオン)を選出してMS分析すると、次のようになる。
図1(a)の例では、3つのイオン(Pa、Pb、Pc)が閾値以上の強度で検出されており、これらをプリカーサイオンとするMS分析がMS分析に引き続いて行われる。一方、図1(b)の例では、これら3つのイオン(Pa、Pb、Pc)の検出強度が低下し、図1(a)では検出されない新たな複数のイオン(Pd、Pe、Pf)が閾値以上の強度で検出されている。これは、Pa、Pb、Pcが衝突ガスと衝突して開裂し、Pd、Pe、及びPf等のイオンが新たに生成されたためである。その結果、Pa、Pd、Pe、及びPfをプリカーサイオンとするMS分析が行われる。
図1(b)の例でMS分析される4つのプリカーサイオン(Pa、Pd、Pe、Pf)のうちの3つのイオン(Pd、Pe、Pf)は開裂によって生じたイオンであり、本来はMS分析において検出されるべきイオンである。そのため、これらをプリカーサイオンとするMS分析により取得されるMSスペクトルデータを参照化合物のMSスペクトルデータと照合しても該当するものは存在しない。また、本来、MS分析すべきプリカーサイオン(Pb、Pc)のMSスペクトルデータを得ることができない。そのため、プリカーサイオンの選出条件の変更を行い、再びMSスキャン測定を実行しなければ、本来のMSスペクトルデータを取得することができず、却って手間と時間がかかる。
ところで、DDAでは、検出強度に関わらず選出しないイオンを除外イオンとして予め設定しておくことができる。そこで、MS分析時に不所望の開裂により生じることが想定されるイオンを除外イオンに設定して上記の問題を回避することが考えられる。しかし、開裂によって生じる全てのイオンを事前に想定することは実際には不可能であり、また、多数の除外イオンを設定する作業には手間がかかる。
ここでは、MS分析を例に挙げて説明したが、イオントラップ飛行時間型質量分析装置(IT−TOF)などを用いたMS以上の分析においても、上記同様にMSスペクトルデータからイオンを選出してMS分析する工程が存在することから同じ問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、分析対象化合物のMSn−1分析(nは2以上の整数)によりMSn−1スペクトルデータを取得し、該MSn−1スペクトルデータに基づきプリカーサイオンを選出してMS分析を実行するMS分析において、簡便かつ正確に分析対象化合物のMSスペクトルデータを取得することである。
上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様は、衝突部を挟んで前後に質量分離部を有する質量分析装置を用いて分析対象化合物をMS分析(nは2以上の整数)する方法であって、
a) MS分析における測定質量範囲を含むMS分析条件を決定し、
b) 分析対象化合物のMSn−1スペクトルデータからMS分析のプリカーサイオンを選出する条件と、MS分析における測定質量範囲と、を含むMS分析条件を決定し、
c) イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入することなく前記MS分析条件に基づき前記分析対象化合物のMS分析を実行し、イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入して前記MS分析条件に基づき前記分析対象化合物のMS以上の分析を実行する分析実行ファイルを作成し、
d) 前記分析実行ファイルを実行することにより前記分析対象化合物をMS分析してMSスペクトルデータを取得する
ことを特徴とする。
上記質量分析装置は、例えば三連四重極型質量分析装置(Triple−Q)、四重極飛行時間型質量分析装置(Q−TOF)、イオントラップ飛行時間型質量分析装置(IT−TOF)である。三連四重極型質量分析装置及び四重極飛行時間型質量分析装置ではコリジョンセルが上記衝突部に相当し、イオントラップ飛行時間型質量分析装置ではイオントラップが上記衝突部に相当する。
上記MS分析のプリカーサイオンを選出する条件には、例えば、検出強度が閾値以上であるイオンを選出すること、検出強度が大きい順に所定数のイオンを選出すること、あるいは、予め使用者により設定された1乃至複数の優先イオンが検出されると該イオンの検出強度に関わらず選出すること、を用いることができる。また、予め使用者により設定された1乃至複数の除外イオンのいずれかが検出されても選出しないこと、を上記条件として用いることもできる。
本発明に係る質量分析方法では、衝突ガスを用いずにMS分析(MS分析)を実行するため、MS分析時にイオンが開裂して不所望のイオンが生成されることがない。従って、MS分析により取得したMSスペクトルデータから正しくプリカーサイオンを選出してMS分析を実行し、MSスペクトルデータを取得することができる。また、正しいMSスペクトルデータに基づいてMS以降の分析を実行してMS以上のスペクトルデータを取得することができる。
また、本発明に係る質量分析方法では、分析者はMS分析条件及びMS分析条件を決定し、分析実行ファイルを実行するのみで、簡便に分析対象化合物をMS分析してMSスペクトルデータを取得することができる。
1価のプリカーサイオンの開裂によって生じるプロダクトイオンの質量電荷比は、プリカーサイオンの質量電荷比よりも小さいが、2価のプリカーサイオンの開裂によって生じるプロダクトイオンの質量電荷比は、プリカーサイオンの質量電荷比よりも大きくなる場合がある。そのため、通常、MS分析の測定質量範囲とMS分析の測定質量範囲は同じである。
そこで、本発明に係る質量分析方法では、前記MS分析条件を設定する前に前記MS分析条件を決定し、該MS分析条件に含まれる測定質量範囲を、そのまま前記MS分析の測定質量範囲に決定するように構成することができる。これにより、分析者がMS分析条件を決定する必要がなくなり、より簡便に分析対象化合物をMS分析することができる。
上記課題を解決するために成された本発明の第2の態様は、衝突部を挟んで前後に質量分離部を有する質量分析装置であって、
a) 使用者の入力に基づいて、MS分析における測定質量範囲を含むMS分析条件を設定するMS分析条件設定部と、
b) 使用者の入力に基づいて、MSn−1分析(nは2以上の整数)により取得したMSn−1スペクトルからMS分析のプリカーサイオンを選出する条件と、MS分析における測定質量範囲と、を含むMS分析条件を設定するMS分析条件設定部と、
c) イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入することなく前記MS分析条件に基づき分析対象化合物のMS分析を実行し、イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入して前記MS分析条件に基づき前記分析対象化合物のMS以上の分析を実行する分析実行ファイルを作成する分析実行ファイル作成部と、
d) 使用者による所定の操作に基づいて前記分析実行ファイルを実行することにより前記分析対象化合物をMS分析してMSスペクトルデータを取得する分析実行部と
を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために成された本発明の第3の態様は、衝突部を挟んで前後に質量分離部を有する質量分析装置を用いて分析対象化合物をMS分析するためのプログラムであって、コンピュータを前記第2の態様の質量分析装置の各部として機能させることを特徴とする。
本発明に係る質量分析方法、質量分析装置、あるいは質量分析用プログラムを用いることにより、簡便かつ正確に分析対象化合物をMS分析してMSスペクトルデータを取得することができる。
MS分析時にイオンが開裂した場合の問題を説明する図。 本発明に係る質量分析装置の一実施例であるクロマトグラフ質量分析装置の要部構成図。 本実施例における質量分析方法に関するフローチャート。
以下、本発明に係る質量分析方法、質量分析装置、及び質量分析用プログラムの一実施例について、図面を参照して説明する。図2は、本実施例のクロマトグラフ質量分析装置の要部構成図、図3は本実施例の質量分析方法に関するフローチャートである。
本実施例のクロマトグラフ質量分析装置は、液体クロマトグラフ部1、質量分析部2、及びこれらの動作を制御する制御部4から構成された、液体クロマトグラフ質量分析装置である。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析装置において、液体クロマトグラフ部1は、移動相が貯留された移動相容器10と、移動相を吸引して一定流量で送給するポンプ11と、移動相中に所定量の試料液を注入するインジェクタ12と、試料液に含まれる各種化合物を時間方向に分離するカラム13と、を備える。
質量分析部2は、略大気圧であるイオン化室20と真空ポンプ(図示なし)により真空排気された高真空の分析室23との間に、段階的に真空度が高められた第1、第2中間真空室21、22を備えた多段差動排気系の構成を有している。イオン化室20には、試料溶液に電荷を付与しながら噴霧するエレクトロスプレイイオン化用プローブ(ESIプローブ)201が設置されている。イオン化室20と後段の第1中間真空室21との間は細径の加熱キャピラリ202を通して連通している。
第1中間真空室21と第2中間真空室22との間は頂部に小孔を有するスキマー212で隔てられ、第1中間真空室21と第2中間真空室22にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へ輸送するためのイオンガイド211、221が設置されている。分析室23には、多重極イオンガイド(q2)233が内部に設置されたコリジョンセル232を挟み、イオンを質量電荷比に応じて分離する前段四重極マスフィルタ(Q1)231と、同じくイオンを質量電荷比に応じて分離する後段四重極マスフィルタ(Q3)234、及びイオン検出器235が設置されている。
コリジョンセル232の内部には、アルゴン、窒素などの衝突ガスを連続的又は間欠的に供給することができる。電源部24は、ESIプローブ201、イオンガイド211、221、233、四重極マスフィルタ231、234などにそれぞれ所定の電圧を印加する。なお、四重極マスフィルタ231、234はそれぞれ、メインロッド電極の前段に、入口端での電場の乱れを補正するためのプリロッド電極を有しており、プリロッド電極にはメインロッド電極とは異なる電圧が印加できるようになっている。
制御部4は、記憶部41を有するとともに、機能ブロックとして、MS分析条件設定部42、MS分析条件設定部43、分析実行ファイル作成部44、及び分析実行部45を機能的に備えている。また、上記各部の動作に合わせて液体クロマトグラフ部1のポンプ11やインジェクタ12、質量分析部2の電源部24や衝突ガス供給部(図示せず)などの各部の動作をそれぞれ制御する機能を有している。
制御部4の実体はパーソナルコンピュータであり、該コンピュータに予めインストールされた質量分析用プログラムを実行することにより上記各部として機能させるようにすることができる。また、制御部4には、入力部6、表示部7が接続されている。
以下、本実施例における質量分析方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。本実施例では、クロマトグラフ部1により試料から分析対象化合物を分離して、質量分離部2でMS分析する。本実施例ではMS分析について説明するが、MS分析全般に本発明の構成を適用することが可能である。
MS分析条件設定部42は、表示部7にMS分析条件入力画面を表示して分析者に各条件の入力を促す。分析者が測定質量範囲及びスキャン速度を含むMS分析条件を入力すると、それらをMS分析条件として設定するとともに記憶部41に保存する(ステップS1)。なお、本実施例におけるMS分析条件及び後述するMS分析条件に含まれるスキャン速度は質量分析部2に三連四重極型質量分析部を用いる場合の分析条件であり、四重極飛行時間型質量分析部やイオントラップ飛行時間型質量分析部など、他の形態の質量分析装置を用いる場合は、それぞれに応じた分析条件を設定する。
次に、MS分析条件設定部43が、表示部7の画面にMS分析条件入力画面を表示し、分析者に各条件の入力を促す。MS分析条件(=MS分析条件)には、測定質量範囲やスキャン速度のほか、MSn−1スペクトルデータ(=MSスペクトルデータ)からMS分析(=MS分析)のプリカーサイオンを選出する条件が含まれる。
プリカーサイオンの選出条件は、例えば、イオンの検出強度が所定の閾値th以上であるイオンを選出すること、イオンの検出強度が高い順に所定個数のイオンを選出すること、分析者により指定されたイオン(優先イオン)が検出された場合には検出強度に関わらず選出すること、等とすることができる。また、分析者により指定されたイオン(除外イオン)が強度で検出されても当該イオンを選出しない、という条件も用いることができる。本実施例では、分析者が入力した閾値th以上の強度で検出されたイオンを選出する。
分析者が上記各条件の入力を完了すると、MS分析条件設定部43は、それらをMS分析条件として設定するとともに記憶部41に保存する(ステップS2)。
MS分析条件及びMS分析条件がそれぞれ設定されると、分析実行ファイル作成部44がそれらに基づいて、以下のステップS41からS48で分析対象化合物をMS分析するように、装置各部を制御するコマンドを記載した分析実行ファイルを作成する(ステップS3)。
具体的には、質量分析部2の内部空間(コリジョンセル232を含む)を真空状態に維持して、試料を液体クロマトグラフ部1のインジェクタ12から導入し(ステップS41)、分析対象化合物の保持時間に合わせてMS分析を実行して(ステップS42)、MSスペクトルデータを取得する(ステップS43)。そして、該MSスペクトルデータに基づいて上記閾値th以上の強度で検出されたイオンを選出してMS分析のプリカーサイオンに決定する(ステップS44)。
続いて、コリジョンセル232に衝突ガスを導入し(ステップS45)、再び試料を液体クロマトグラフ部1のインジェクタ12から導入し(ステップS46)、分析対象化合物の保持時間に合わせて先に選出したプリカーサイオンのそれぞれを用いたMS分析を行い(ステップS47)、MSスペクトルデータを取得する(ステップS48)。
分析実行ファイルの作成を完了すると、記憶部41に該ファイルを保存するとともに、表示部7に分析開始ボタンを表示する。
分析者が分析開始ボタンを押すと、分析実行部45は、記憶部41から分析実行ファイルを読み出して実行する(ステップS4)。これにより上述のステップS41からS48が順次実行され分析対象試料のMSスペクトルデータが取得される。分析実行部45は、取得したMSスペクトルデータからMSスペクトルを作成して表示部7に表示する(ステップS5)。
このように、本実施例の質量分析方法、クロマトグラフ質量分析装置、あるいは質量分析用プログラムを用いると、分析者は、MS分析条件及びMS分析条件の入力と、分析開始ボタンを押す操作を行うのみで、簡単に分析対象試料をMS分析しMSスペクトルを取得することができる。
また、本実施例では、コリジョンセル232に衝突ガスを導入せず、質量分析部2の内部空間を真空状態に維持してMS分析を行うため、従来のDDAのように、MS分析実行時に不所望のイオンの開裂が起こる心配がなく、MS分析のプリカーサイオンを正しく選出することができる。
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
上記実施例では、分析者がMS分析条件及びMS分析条件をそれぞれ入力したが、分析者はMS分析条件のみを入力し、その一部(上記実施例では測定質量範囲及び質量走査速度等)を抽出してMS分析条件設定部がMS分析条件を自動的に設定するように構成することができる。
上記実施例では液体クロマトグラフ質量分析装置としたが、ガスクロマトグラフ質量分析装置においても同様に分析対象化合物を分析することができる。また、純粋な分析対象化合物を入手可能な場合には、クロマトグラフを用いず、質量分析部のイオン化部に分析対象化合物を直接導入してMS分析することができる。
本発明の特徴は、衝突ガスを用いずにMS分析を行ってMSスペクトルデータを取得して該MSスペクトルデータからMS分析のプリカーサイオンを選出する点、及び選出したプリカーサイオンを用いたMS分析をMS分析に続いて自動的に実行する点にある。つまり、MSスペクトルデータからMS分析のプリカーサイオンを選出する、即ちMS以上の分析については、従来のDDAと同様に行うことができる。従って、上記実施例における三連四重極型の質量分離部に代えてイオントラップ飛行時間型の質量分析部を用いることにより、上記実施例と同様にMS以上の分析も行うことができる。
1…液体クロマトグラフ部
10…移動相容器
11…ポンプ
12…インジェクタ
13…カラム
2…質量分析部
20…イオン化室
201…ESIプローブ
202…加熱キャピラリ
21…第1中間真空室
211…イオンガイド
212…スキマー
22…第2中間真空室
23…分析室
231…前段四重極マスフィルタ
232…コリジョンセル
233…多重極イオンガイド
234…後段四重極マスフィルタ
235…イオン検出器
24…電源部
4…制御部
41…記憶部
42…MS分析条件設定部
43…MS分析条件設定部
44…分析実行ファイル作成部
45…分析実行部
6…入力部
7…表示部

Claims (4)

  1. 衝突部を挟んで前後に質量分離部を有する質量分析装置を用いて分析対象化合物をMS分析(nは2以上の整数)する方法であって、
    a) MS分析における測定質量範囲を含むMS分析条件を決定し、
    b) 分析対象化合物のMSn−1スペクトルデータからMS分析のプリカーサイオンを選出する条件と、MS分析における測定質量範囲と、を含むMS分析条件を決定し、
    c) イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入することなく前記MS分析条件に基づき前記分析対象化合物のMS分析を実行し、イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入して前記MS分析条件に基づき前記分析対象化合物のMS以上の分析を実行する分析実行ファイルを作成し、
    d) 前記分析実行ファイルを実行することにより前記分析対象化合物をMS分析してMSスペクトルデータを取得する
    ことを特徴とする質量分析方法。
  2. 前記MS分析条件を設定する前に前記MS分析条件を決定し、該MS分析条件に含まれる測定質量範囲を、そのまま前記MS分析の測定質量範囲に決定することを特徴とする請求項1に記載の質量分析方法。
  3. 衝突部を挟んで前後に質量分離部を有する質量分析装置であって、
    a) 使用者の入力に基づいて、MS分析における測定質量範囲を含むMS分析条件を設定するMS分析条件設定部と、
    b) 使用者の入力に基づいて、MSn−1分析(nは2以上の整数)により取得したMSn−1スペクトルからMS分析のプリカーサイオンを選出する条件と、M分析における測定質量範囲を含むMS分析条件と、を設定するMS分析条件設定部と、
    c) イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入することなく前記MS分析条件に基づき分析対象化合物のMS分析を実行し、イオンを開裂させるための衝突ガスを前記衝突部に導入して前記MS分析条件に基づき前記分析対象化合物のMS以上の分析を実行する分析実行ファイルを作成する分析実行ファイル作成部と、
    d) 使用者による所定の操作に基づいて前記分析実行ファイルを実行することにより前記分析対象化合物をMS分析してMSスペクトルデータを取得する分析実行部と
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  4. 衝突部を挟んで前後に質量分離部を有する質量分析装置を用いて分析対象化合物をMS分析するためのプログラムであって、コンピュータを請求項3に記載の質量分析装置の各部として機能させることを特徴とする質量分析用プログラム。
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