JP6717566B2 - 感光性樹脂、感光性樹脂組成物、硬化物及びカラーフィルター - Google Patents

感光性樹脂、感光性樹脂組成物、硬化物及びカラーフィルター Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂、感光性樹脂組成物、硬化物及びカラーフィルターに関する。
液晶ディスプレーをカラー表示するための手法としてカラーフィルターが用いられている。通常カラーフィルターはガラス基板などの透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)等のカラー表示部と、遮光性の黒色ブラックマトリクスから構成される。ブラックマトリクスは格子状又はモザイク状に形成され、その中にR、G、B等のカラー表示部が形成される。
ブラックマトリクスはR、G、B等のカラー表示部の各色間の混色によるコントラストの低下や光漏れを防ぐ役割をしている。そのためブラックマトリクスには高い遮光性が必要とされる。
ブラックマトリクスは、従来はクロム等の金属膜を形成する方法が一般的であった。しかし現在では、環境面への影響の配慮などから、カーボンブラックなどの顔料とアルカリ可溶性樹脂、反応性希釈剤、光重合開始剤及び溶剤を主体とする光硬化性樹脂組成物(レジストインキ)を用いて硬化塗膜を形成し、ブラックマトリクスを形成する方法が好まれている。硬化塗膜は、レジストインキを透明基板上に塗布し、露光、現像、後硬化により所定のパターンを形成するフォトリソグラフ工法により形成可能である。この方法に使用されるブラックマトリクス製造用のレジストインキは、ブラックマトリクスレジストインキと呼ばれる。
ブラックマトリクスに要求される遮光性を発現させるためには、ブラックマトリクスレジストインキ中に含有される遮光性の顔料の含有量を多くする必要があるが、そうすることでレジストインキとして感光性(感度)や現像性、インキ硬化物の密着性等の特性が低下しやすいという問題が生じる場合がある。これらの問題に対応するために、特定の構造を有する不飽和基含有化合物を用いた技術(特許文献1)や、バインダー樹脂としてカルド系バインダーとアクリル系バインダーを一定の割合で用いる技術(特許文献2)等が提案されている。
特許第3509269号公報 特開2011−133851号公報
このような状況の中、近年、画像の高精細化の要求の中で液晶ディスプレーの高解像度化・微細化が進んでいる。カラーフィルターパターンの微細化を行う場合にブラックマトリクスの線幅が変わらない場合、R、G、B等のカラー表示部の開口率が下がってしまうため輝度やコントラストを保持するためにはブラックマトリクスの線幅を細くする必要がある。
ブラックマトリクスの線幅が細くなるに従い、ブラックマトリクスレジストインキの露光による硬化度(いわゆる感度)が低い場合、現像工程時に必要なパターンの部位まで現像されてしまい所定の線幅が得られなくなる問題が生じやすくなる。またインキ硬化物の硬化度不足により塗膜強度が不足し、現像工程時にパターンが剥離してしまうなどのパターン密着性不足の問題が生じやすくなる。従来の技術ではこれらの問題への対応は不十分であり、レジストインキの更なる改良が要求されている。
上記の問題について鑑み、本発明は光感度が高く、現像性に優れ、硬化物のパターン密着性に優れる感光性樹脂組成物の提供、該感光性樹脂組成物の硬化物の提供、該感光性樹脂組成物に含有される感光性樹脂の提供、及び該硬化物を有するカラーフィルターの提供を目的としてなされたものである。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]ビスフェノールのテトラメチロール体又はビフェノールのテトラメチロール体と、2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)と、
不飽和カルボン酸(c)と、
多塩基酸無水物(d)と、の反応物であることを特徴とする感光性樹脂。
[2]固形分酸価が40〜90mgKOH/gである前記[1]に記載の感光性樹脂。
[3]前記不飽和カルボン酸(c)が、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、及び分子中に一つのアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート類と二塩基酸無水物との反応物からなる群から選択される少なくとも1種類又は2種類以上である前記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂。
[4]前記多塩基酸無水物(d)が、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、及び無水トリメリット酸からなる群から選択される少なくとも1種類又は2種類以上である、前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の感光性樹脂。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の感光性樹脂、反応性希釈剤(B)、光重合開始剤(C)、及び色素(D)を含有する感光性樹脂組成物。
[6]カラーフィルター用である前記[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]前記色素(D)が黒色色素である前記[5]又は[6]に記載の感光性樹脂組成物。
[8]前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の感光性樹脂、又は前記[5]〜[7]のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
[9]前記[8]に記載の硬化物を有するカラーフィルター。
本発明によれば、光感度が高く、現像性及び硬化物のパターン密着性に優れた感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物の硬化物、該感光性樹脂組成物に含有される感光性樹脂、並びに該硬化物を有するカラーフィルターを提供できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、カラー液晶ディスプレーのカラーフィルター用レジストインキとして、特にブラックマトリクス用レジストインキとして好適に用いられる。
≪感光性樹脂≫
本発明の感光性樹脂(A)は、ビスフェノールのテトラメチロール体又はビフェノールのテトラメチロール体と、2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)と、不飽和カルボン酸(c)と、多塩基酸無水物(d)との反応物である。
ビスフェノールのテトラメチロール体と2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)、又はビフェノールのテトラメチロール体と2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)は、ビスフェノールのテトラメチロール体又はビフェノールのテトラメチロール体と2,6−ジメチルフェノールを、公知の手法により、酸触媒存在下で縮合反応させることで得られる。この反応では、ビスフェノールのテトラメチロール体中のメチロール基と、2,6−ジメチルフェノールの縮合反応、又はビフェノールのテトラメチロール体中のメチロール基と、2,6−ジメチルフェノールとの縮合反応及びメチロール基同士での縮合反応が生じる。例として、ビスフェノールAのテトラメチロール体と2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)を下記式(1)に示す(式(1)中、nは0又は1以上の整数である)。2,6−ジメチルフェノールはメチロール基と反応可能な部位は4位の炭素原子のみのため、下記式(1)に示されるように、2,6−ジメチルフェノール由来のフェノール性水酸基は、樹脂構造における外側を向いて選択的に位置される。そのため、本発明の感光性樹脂(A)の感光性基も、樹脂構造における外側を向いて位置することから、立体障害による硬化阻害が生じるおそれが低減され、本発明の目的である高い光感度を発現することが出来る。
Figure 0006717566
本発明でいうビスフェノールとは、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン骨格を分子内に有する化合物のことを指す。ビス(ヒドロキシフェニル)メタン骨格としては、下記式(2)で表される構造が挙げられる。下記式(2)中の水素原子は、脂肪族炭化水素基、芳香族基、ハロゲン基など任意の基によって置換されていてもよい。
Figure 0006717566
具体的なビスフェノールの例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZなどが挙げられる。なかでもビスフェノールAおよびビスフェノールFが好ましく、ビスフェノールAが最も好ましい。
本発明でいうビフェノールとは、フェニル基を構成する炭素原子とフェニル基を構成する炭素原子とが直接結合した骨格を分子内にもつ化合物のことを指す。フェニル基を構成する炭素原子とフェニル基を構成する炭素原子が直接結合した骨格としては、下記式(3)で表される構造が挙げられる。下記式(3)中の水素原子は、脂肪族炭化水素基、芳香族基、ハロゲン基など任意の基によって置換されていてもよい。
Figure 0006717566
具体的なビフェノールの例としては、2,2−ビフェノール、3,3−ビフェノール、4,4−ビフェノールなどが挙げられ、中でも4,4−ビフェノールが好ましい。
ビスフェノールのテトラメチロール体又はビフェノールのテトラメチロール体と2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)は公知の方法で合成することができる。例えば、アルカリ条件下でフェノール樹脂とエピクロロヒドリンと付加縮合させる方法や、テトラエチルアンモニウムクロライドのような相関移動触媒下でフェノール樹脂とエピクロロヒドリンと付加縮合させる方法などがある。また公知の方法でフェノール樹脂をアリルエーテル化させ、過酸化物により酸化させることによっても合成することができる。これらのうちエピクロロヒドリンを用いて合成する方法が経済的にも適している。
例えば、上記式(1)で表されるフェノール樹脂(a)をグリシジルエーテル化した化合物としては、下記式(4)で表される化合物が挙げられる(式(4)中、nは0又は1以上の整数である)。
Figure 0006717566
例えば、フェノール樹脂(a)とエピクロロヒドリンと付加縮合させるときの、エピクロロヒドリンの使用量は、フェノール樹脂(a)の、フェノール性水酸基のモル数に対して大過剰とするのが一般的であり、一例として、1〜15モルの量とすることができる。フェノール樹脂(a)中の水酸基のうち、少なくとも70%以上はグリシジルエーテル化されている状態であることが好ましく、少なくとも80%以上はグリシジルエーテル化されている状態であることがより好ましい。
フェノール樹脂(a)とエピクロロヒドリンと付加縮合させるときの温度(反応温度)は、これら化合物の種類に応じて適宜調節すればよい。反応時間は、反応温度等、その他の条件に応じて適宜調節すればよい。
ビスフェノールのテトラメチロール体又はビフェノールのテトラメチロール体と2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られるフェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)のエポキシ基への不飽和カルボン酸(c)の付加反応は、公知の方法で行うことができる。これは、グリシジルエーテル(b)のエポキシ基と、不飽和カルボン酸(c)のカルボキシ基が反応することにより付加反応が起こるものである。例えば、通常適当な触媒及び重合禁止剤の存在下、80〜140℃の温度で、3〜24時間反応させることができる。
不飽和カルボン酸(c)は、分子内にエチレン性不飽和基と、カルボキシ基を有する化合物である。中でも分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシ基をひとつずつ有する化合物が好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、などが挙げられる。あるいは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレートのような一分子中に一つのアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート類と、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸のような二塩基酸無水物の反応物が挙げられる。
グリシジルエーテル(b)へ不飽和カルボン酸(c)を付加反応させる反応に用いられる触媒としては特に制限はされないが、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン触媒;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩触媒;トリエトキシ[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]シラン、4,5-ジヒドロ-1-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1H-イミダゾール等のイミダゾールシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N―フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス―(2―メチルフェニル)ホスフィン、トリス―(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス―(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス―(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス―(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のリン系触媒;テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩;ナフテン酸クロム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸クロム、オクチル酸ジルコニウムなどの金属石鹸系の触媒などが用いられる。触媒は1種でも複数種を併用してもよい。
重合禁止剤としてはハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキノン、トリメチルハイドロキノン、トリブチルハイドロキノン、ターシャルブチルカテコール、ナフトキノン、3,5-ジブチル-4-ヒドロキシトルエン、ビス[3,3−ビス(3−ターシャルブチル―4−ヒドロキシフェニル)ブタン酸]エチレン、2,2‘−メチレンビス(6−ターシャルブチル―p−クレゾール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジターシャルブチル―4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’、4‘’−(1−メチルプロパニル―3−イリデン)トリス(6−ターシャルブチル―m−クレゾール)、6,6‘−ターシャルブチリデンジ―m−クレゾール、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル フリーラジカル等が用いられる。重合禁止剤は1種でも複数種を併用してもよい。また製造中に空気や酸素を含有する混合ガスなどを吹込むのも有効である。
不飽和カルボン酸(c)の付加量はグリシジルエーテル(b)のエポキシ基1当量に対し、不飽和カルボン酸のカルボキシ基が0.9〜1.05当量となる範囲が好ましい。0.9当量以上の場合、未反応のエポキシ基による分子量の増大等が起きにくいため好ましく、1.05当量以下の場合、未反応のアクリル酸の臭気の問題が生じにくいなどの点で好ましい。
グリシジルエーテル(b)と不飽和カルボン酸(c)の反応物の水酸基に対して、反応させる、多塩基酸無水物(d)としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸などがある。多塩基酸無水物(d)は一種又は複数種を併用してもよい。
多塩基酸無水物(d)を反応させる条件に関しても公知の方法で行うことができる。例えば反応温度80〜140℃で、0.5〜10時間反応させることができる。反応には、前記の不飽和カルボン酸(c)の付加反応で用いた触媒や重合禁止剤をそのまま利用することもできるし、新たに別の触媒や重合禁止剤を使用したり、追加したりすることもできる。
本発明の感光性樹脂は、固形分酸価が40〜90mgKOH/gであることが好ましい。
多塩基酸無水物(d)の付加量は感光性樹脂(A)の固形分酸価で40〜90mgKOH/gの範囲になるのが好ましい。40mgKOH/g以上の場合、アルカリ現像性が良好であるため好ましく、90mgKOH/g以下の場合現像速度が良好であり、実用上の使用性にも優れる。
≪感光性樹脂組成物≫
本発明の感光性樹脂組成物は、前記感光性樹脂(A)、反応性希釈剤(B)、光重合開始剤(C)、及び色素(D)を含有する。
反応性希釈剤(B)は感光性樹脂(A)と重合可能な基を有する化合物であれば問わない。好ましくは1つまたは複数のエチレン性不飽和結合を有する低分子化合物である。反応性希釈剤は(B)は、感光性樹脂組成物の粘度の調整や硬化塗膜の強度をコントロールするため用いられる。
具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレートやエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等の多官能(メタ)アクリレートであり、1種でも複数種を併用してもよい。反応性の面より多官能(メタ)アクリレートの使用が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線照射などにより光硬化させるため、光重合開始剤(C)を含有する。利用できる光重合開始剤としては特に限定はされないが、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインおよびそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4‘−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノンー1;アシルホスフィンオキサイド類及びキサントン類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)―、2―(O―ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル―6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール―3−イル]−,1−(O―アセチルオキシム)などのオキシムエステル類等が挙げられる。光重合開始剤は1種でも複数種を併用してもよい。
色素(D)としては、顔料又は染料が挙げられ、顔料が好ましい。色素(D)の色は特に限定されず、赤色、緑色、青色等のものも使用可能である。ブラックマトリクスとして使用する場合には、黒色の色素が好ましい。黒色色素としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、鉄黒、酸化鉄系黒色顔料、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどが挙げられ、黒色顔料が好ましい。これらのなかでも遮光性等の観点からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの製造方法には、チャンネル法、ファーネス法、サーマル法、ランプブラック法、アセチレン法等がある。本発明においては、どの製造方法で得られたカーボンブラックでも問題なく使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、各成分の好ましい配合量は(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の質量の全ての和を100質量%としたとき以下のとおりである。
感光性樹脂(A)の配合量は、5〜50質量%が好ましく、7〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。5質量%以上であると光感度が良好となるため好ましく、50質量%以下であると発色や遮光性が良好となるため好ましい。反応性希釈剤(B)の配合量は2〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。2質量%以上であると光感度が良好でなるため好ましく、50質量%以下であると発色や遮光性が良好となるため好ましい。
光重合開始剤(C)の配合量は、1〜20質量%が好ましく、1.5〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。1質量%以上であると良好な光感度が得られやすいため好ましく、20質量%以下であると使用量に見合った光感度の向上が得られやすい。
色素(D)の配合量は、10〜85質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、45〜75質量%がさらに好ましい。10質量%以上であると良好な発色や遮光性が得られやすく、85質量%以下であると安定に色素を分散させることが容易であり好ましい。
感光性樹脂組成物がカラーフィルターのブラックマトリックス用のレジストインキである場合、色素(D)は黒色顔料であることが好ましく、黒色顔料の配合量は、40〜80質量%が好ましく、45〜75質量%がさらに好ましい。40質量%以上であると良好な遮光性が得られやすく、80質量%以下であると安定的に顔料を分散させることが容易であり好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記成分に加えて、本発明の感光性樹脂組成物の粘度をコントロールするため有機溶剤をさらに含有させることもできる。感光性樹脂(A)の製造時の溶媒をそのまま用いてもよい。具体的にはメチルエチルケトン、イソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコール類;ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。
また本発明の感光性樹脂組成物には上記で説明した成分の他に、本発明の感光性樹脂以外の感光性樹脂や、消泡剤、レベリング剤などの添加剤をさらに含有させることも出来る。
本発明の感光性樹脂組成物は、各種成分をボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ペイントコンディショナー、3本ロールミル、ホモシナイザー等を用いて混合、分散処理を行なうことで得ることが出来る。
本発明の硬化物は、本発明の感光性樹脂又は本発明の感光性樹脂組成物を硬化させてなるものである。例えば、感光性樹脂組成物をガラス基板などの透明基板上に塗布し、塗膜を加熱処理する等して乾燥させ、次いで組成物を露光現像させ、更に諸物性の向上のためにポストベークを行なって十分な硬化を行ない、硬化塗膜が得られる。
感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、バーコーター、アプリケーター、ダイコーター、スピンコーター、スプレーコーター、カーテンコーターまたはロールコーターなどによる塗布、スクリーン印刷などによる塗布、ならびにディッピングなどによる塗布が挙げられる。
感光性樹脂組成物を硬化させるために使用される活性エネルギー線としては、電子線、または紫外から赤外の波長範囲の光が好ましい。光源としては、例えば、紫外線であれば、超高圧水銀光源またはメタルハライド光源を用いることができる。また、光源としては、例えば、可視光線であれば、メタルハライド光源またはハロゲン光源を用いることができる。また、光源としては、例えば、赤外線であればハロゲン光源が使用できる。この他にも、例えば、レーザー、LEDなどの光源が使用できる。
一例として、以上の各工程を経ることにより、本発明の硬化物が得られる。
本発明の感光性樹脂組成物は、光感度が高く、現像性、パターン密着性に優れるため、カラーフィルター用のレジストインキとして、特にカラーフィルターのブラックマトリックス用のレジストインキとして、好適に使用可能である。本発明の感光性樹脂組成物の硬化物はカラーフィルター、特にカラーフィルターのブラックマトリックスの構成材料として好適に使用可能である。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。なお、部および%とあるのは、とくに断らない限り、全て質量基準である。
<合成例1> フェノール樹脂(a)の合成例
攪拌機、コンデンサー、温度センサーを取り付けたフラスコに、ビスフェノールAのテトラメチロール体348部(1モル)と2,6−ジメチルフェノール488部(4モル)を投入し50℃で攪拌し均一溶解させた。次いでシュウ酸8部を投入し、100℃で10時間反応を行った。その後180℃、50mmHgの減圧下で生成する水を除去して、水酸基当量127g/eqのフェノール樹脂(ph−1)を得た。合成に用いた各成分の量を表1に示す。
<合成例2・比較合成例1> フェノール樹脂(a)の合成例
表1のとおりに成分を変更した他は、合成例1と同様にして、フェノール樹脂ph−2およびph−3を得た。
Figure 0006717566
<合成例3> フェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)の合成例
攪拌機、コンデンサー、温度センサー、ガス導入管を取り付けたフラスコに、前記合成例1で得られたフェノール樹脂(ph−1)127部(水酸基1当量)と、エピクロルヒドリン740部(8モル)と、メタノール80部とを投入し窒素ガス吹込み下40℃で完全に溶解させた。次いで水酸化ナトリウム42部(1.05モル)を3時間かけて投入した。投入後60℃で3時間反応を行った。反応後析出した塩がなくなるまでイオン交換水で洗浄し、150℃50mmHgの減圧下で未反応のエピクロルヒドリンを除去した。メチルイソブチルケトン200部に溶解後、48%水酸化ナトリウム水溶液8.3部を投入し70℃で1時間攪拌を行った。中性になるまでイオン交換水で洗浄を行い、150℃50mmHgの減圧下でメチルイソブチルケトンを除去し、エポキシ当量208g/eqの、フェノール樹脂(ph−1)のグリシジルエーテル(ge−1)を得た。合成に用いた各成分の量を表2に示す。
<合成例4・比較合成例2> フェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)の合成例
表2のとおりに成分を変更した他は合成例3と同様にして、グリシジルエーテルge−2およびge−3を得た。
Figure 0006717566
<実施例1>
攪拌機、コンデンサー、温度センサー、ガス導入管を取り付けたフラスコにグリシジルエーテル(ge−1)208部(エポキシ基1当量)とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200部を仕込み80℃で完全に溶解させた。次いで空気吹き込み下アクリル酸72部(1当量)と3,5-ジブチル-4-ヒドロキシトルエン0.4部とテトラエチルアンモニウムクロライド1.5部を30分かけて徐々に投入し、内温を120℃に昇温し8時間反応を行った。終了後の酸価は1.0mgKOH/gであった。ついでテトラヒドロ無水フタル酸30.4部(0.2当量)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸42部(0.25当量)を投入し100℃で12時間反応を行った。赤外分光計で1770cm−1の酸無水物由来のピークの消失を確認した。これに、固形分55質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え酸価39.2mgKOH/g(樹脂固形分としての酸価71.3mgKOH/g)の感光性樹脂1を得た。合成に用いた各成分の量を表3に示す。
<実施例2〜7、比較例1>
表3のとおりに成分を変更した他は実施例1と同様にして、感光性樹脂2〜8を得た。
Figure 0006717566
<比較例2>(感光性樹脂9の合成例)
特許文献1(特許第3509269号公報)の合成例1[500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂231g(エポキシ当量231)とトリエチルベンジルアンモニウムクロライド450mg、2,6−ジ−イソブチルフェノールを100mg、アクリル酸72.0gを仕込んで混合し、25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。溶液は次第に透明で粘稠になりその状態のまま攪拌を続けた。この溶液の酸価を測定し、2.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するまで8時間を要した(酸価0.8)。そして室温まで冷却し、無色透明な固体を得た。次に、上で得られたビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート樹脂303gにセロソルブアセテート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38g及びベンゾフェノンテトラカルボン二酸無水物80.5gと臭化テトラエチルアンモニウム1gとを混合し、徐々に昇温させて110〜115℃、2時間反応させ、化合物を得た。この反応の際における酸無水物の反応はIRスペクトルの1780cm-1ピークの消失により確認した。]に記載の方法に従い合成を行った(但し使用した溶剤はセロソルブアセテートからプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート344.6部(固形分55質量%となるよう)に変更した)。酸価54.9mgKOH/g(樹脂固形分としての酸価99.8mgKOH/g)の感光性樹脂9を得た。
<比較例3>(感光性樹脂10の合成例)
グリシジルエーテル(ge−1)208部に代えて、エピクロンN−695(DIC株式会社製クレゾールノボラック型エポキシ)212部(1当量)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い。酸価39.2mgKOH/g(樹脂固形分としての酸価71.3mgKOH/g)の感光性樹脂10を得た。
<比較例4>(感光性樹脂11の合成例)
撹拌器装置、温度計、ガス導入管、コンデンサーを設置したフラスコに、スチレン及びメタクリル酸の共重合体(カルボン酸当量310)を310部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを200部を入れて撹拌溶解した。そこにグリシジルメタクリレートを49.7部、3,5-ジブチル-4-ヒドロキシトルエン1.1部、トリフェニルホスフィン1.1部を仕込み、空気を吹き込みながら110℃で10時間加熱した。その後酸価が66.0KOHmg/g以下であることを確認し、固形分55質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え酸価55.7KOHmg/g(樹脂固形分としての酸価101.3KOHmg/g)の感光性樹脂11を得た。
<実施例8〜14、比較例5〜8>(感光性樹脂組成物の調製)
感光性樹脂1〜7を用い、表4に示す配合をビーズミルで分散し、ガラスフィルター(孔径0.8μm)でろ過を行い、感光性樹脂組成物を調製した(これを実施例8〜14とする)。同様に感光性樹脂8〜11を用い、感光性樹脂組成物を調製した(これを比較例5〜8とする)。得られた各感光性樹脂組成物を用い、以下の評価を行った。なお、表4に示す成分Aの感光性樹脂の配合量(部)は固形分換算値であり、溶剤で薄まった状態の各感光性樹脂1〜11を各35部用いて、それを固形分換算(55質量%)とした値である。結果を表5に示す。
Figure 0006717566
(1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(2)BASF社製オキシムエステル系光重合開始剤
(3)special black100(オリオンエンジニアドカーボンズ社製カーボンブラック)
(4)アジスパーPB822(登録商標、味の素ファインテクノ株式会社製顔料分散剤)
(5)ビックケミー・ジャパン株式会社製レベリング剤
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<現像性>
ガラス基板に感光性樹脂組成物を乾燥後の膜厚1μmになるようにスピンコートし、100℃で3分乾燥し室温まで冷却した。次いで0.1質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃)で所定の時間でアルカリ現像し目視で塗膜が見えなくなるまでの時間を評価した。
◎:30秒で塗膜が見えなくなる。
○:30〜60秒で塗膜が見えなくなる。
×:60秒以上。
<現像残渣>
現像性評価後の試験体を水洗、エアスプレーしガラス基板を乾燥した後、現像部の塗膜の残渣の有無を目視及びエタノールを付けたウエスで拭きとり評価した。
<光感度>
ガラス基板に感光性樹脂組成物を膜厚1μmになるようにスピンコートし、100℃で3分乾燥後2μm、5μm、10μm、20μm幅のパターンのフォトマスクを介し超高圧水銀ランプで露光量150mJ/cm2で光硬化した。さらに0.1質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃)で所定の時間でアルカリ現像した(現像時間は、現像性の評価で得られた時間に10秒追加した時間とした)。アルカリ現像後、水洗、エアスプレーによりガラス基板を乾燥し、残ったレジストのパターンより以下の判断で評価した。より細かいパターンまで残る方が高感度であるといえる。
◎:2μm、5μmのパターンが残る。
○:10μmのパターンが残る。
△:20μmのパターンが残る。
×:パターンが残らない。
<パターン密着性>
上記光感度の評価において、現像時間を、現像性の評価で得られた時間に40秒追加した条件でアルカリ現像し、残ったレジストのパターンを同様の判断で評価した。光感度との評価結果と同様、より細かいパターンまで残る方が、パターン密着性が優れている。
◎:2μm、5μmのパターンが残る。
○:10μmのパターンが残る。
△:20μmのパターンが残る。
×:パターンが残らない。
<光学濃度(OD値)>
ガラス基板に感光性樹脂組成物を膜厚1μmになるようにスピンコートし、100℃で3分乾燥後超高圧水銀ランプで露光量150mJ/cmで光硬化し硬化塗膜を作製した。
OD値既知の標準板で550nmにおける透過率を測定することにより検量線を作製した。次に硬化塗膜の550nmにおける透過率を測定することにより、OD値を算出した。
Figure 0006717566
表5に示すように、本発明に係る感光性樹脂組成物を用いた実施例8〜14は、いずれの評価項目でも優れた評価結果となった。一方で、類似の構造ではあるが、2,6−ジメチルフェノールの代わりに2,4−ジメチルフェノールを用いて合成を行った感光性樹脂を用いた比較例5では、光感度、密着性が劣る結果となった。またその他の比較例でも、いずれかの評価項目で実施例に比べて劣る結果となった。これらの結果より、本発明に係る感光性樹脂及び感光性樹脂組成物は、ブラックマトリクスレジストインキに要求される特性を有しており、ブラックマトリクスレジストインキ用途として有用であるといえる。

Claims (9)

  1. フェノール樹脂(a)のグリシジルエーテル(b)のエポキシ基と、
    不飽和カルボン酸(c)のカルボキシ基との付加反応生成物における水酸基に対して
    多塩基酸無水物(d)を付加反応させて得られ
    前記フェノール樹脂(a)が、ビスフェノールAおよびビスフェノールFから選択されるビスフェノールのテトラメチロール体又は4,4−ビフェノールのテトラメチロール体と、2,6−ジメチルフェノールとを反応させて得られることを特徴とする感光性樹脂。
  2. 固形分酸価が40〜90mgKOH/gである請求項1に記載の感光性樹脂。
  3. 前記不飽和カルボン酸(c)が、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、及び分子中に一つのアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート類と二塩基酸無水物との反応物からなる群から選択される少なくとも1種類又は2種類以上である請求項1又は2に記載の感光性樹脂。
  4. 前記多塩基酸無水物(d)が、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、及び無水トリメリット酸からなる群から選択される少なくとも1種類又は2種類以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂、反応性希釈剤(B)、光重合開始剤(C)、及び色素(D)を含有する感光性樹脂組成物。
  6. カラーフィルター用である請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記色素(D)が黒色色素である請求項5又は6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂又は請求項5〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物を有するカラーフィルター。
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