JP2009169049A - カラーフィルター用感光性レジスト組成物およびカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター用感光性レジスト組成物およびカラーフィルター Download PDF

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益市 江口
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Abstract

【課題】感度、現像時の密着性、パターン形状に優れたカラーフィルター用感光性レジスト組成物を提供し、カラーフィルターおよび液晶表示装置の信頼性を高く、かつ歩留まりを向上させ製造コストを削減することにある。
【解決手段】少なくとも顔料(A)、アクリル系ポリマー(B)、モノマー(C)、光重合開始剤(D)、および溶媒(E)を含有する感光性レジスト組成物において、該モノマー(C)が、下記一般式(1)で表される化合物(C1)を含有することを特徴とするカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
【化1】
Figure 2009169049

【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用感光性レジスト組成物に関するものであり、特に樹脂ブラックマトリクスに適したカラーフィルター用感光性カラーレジスト組成物、および液晶表示装置用カラーフィルターに関するものである。
現在、液晶表示装置などに使用されるカラーフィルターは、顔料を分散した感光性カラーレジスト組成物を用いるのが主流となっている。感光性カラーレジスト組成物を用いたカラーフィルターの製造例としては、アクリル系ポリマー、アクリル系多官能モノマーあるいはオリゴマー、光重合開始剤、溶媒および顔料を構成成分とした感光性カラーレジストを、まず、チタンブラックまたはカーボンブラックを分散した感光性カラーレジストを基板上に塗布、乾燥し、パターン露光、アルカリ水溶液で現像、ポストベークし樹脂ブラックマトリクスを形成後、RGB各々の顔料が分散された着色感光性カラーレジストを上記と同様の工程を繰り返すことにより実施されている。通常、作業環境面から現像液としてアルカリ水溶液が使用されるため、該組成物はアルカリ水溶液に可溶となるように設計される。特に樹脂ブラックマトリクスのように光硬化が難いものは現像時に膨潤しやすいので、疎水性の高いカルド系の化合物が適用され、アルカリ水溶液に可溶となるような組成物として設計される。アルカリ水溶液に可溶な組成物としては特許文献1〜特許文献3、特許文献6、特許文献7、特許文献8にカルド系化合物をカルボキシル基を有するように修飾した組成物が知られている。近年の飛躍的な技術革新により、液晶表示装置の大画面化が可能になり、テレビ用の液晶表示装置が急速に普及しつつあり、高コントラストの画質が要求される。このためには樹脂ブラックマトリクスの遮光性がOD値で5以上であることが必要で、かつ、カラーフィルターの平坦性を確保するためできるだけ薄いものが求められている。薄膜で高OD値を得るためには遮光剤の選択、一次粒子径の最適化と共に遮光剤の含有量を高くする必要がある。ところが、遮光剤の含有量を高くすると感度、現像時の密着性(パターンの剥がれ)、パターン形状などに種々の課題がある。この課題に対して、特許文献1〜特許文献3、特許文献6、特許文献7、特許文献8に記載の組成物はカルド系化合物をベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物など分子量の大きな化合物を使用して修飾する(アルカリ水溶液に可溶にするため)ことにより、不飽和結合(アクリル基など)1個当たりのカルド系化合物の質量(g/eq不飽和基)が大きくなることに起因する感度低下の問題がある。一方、特許文献4および特許文献9に記載の組成物は感度は比較的良好であるが、現像時の密着性(パターンの剥がれ)とパターン形状(オーバーハング状)に問題がある。これは、疎水性能がやや低いために起因すると推定される。本発明者は誠意検討の結果、不飽和結合(アクリル基)とカルボキシル基を有するカルド系化合物をエステル基を介して2量化し、4官能の化合物にすると感度・疎水性能とも良好で、現像時の密着性・パターン形状が良くなることを見出したものである。
特開平05−70528号公報 特開平08−278629号公報 特開平08−278630号公報 特開平08−327813号公報 特開平08−241339号公報 特開平09−327813号公報 特開2002−265840号公報 特開2006−133338号公報 特開2006−259716号公報
本発明は以上のような事情に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、感度、現像時の密着性、パターン形状に優れたカラーフィルター用感光性レジスト組成物を提供し、カラーフィルターおよび液晶表示装置の信頼性を高く、かつ歩留まりを向上させ製造コストを削減することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。
(1)少なくとも顔料(A)、アクリル系ポリマー(B)、モノマー(C)、光重合開始剤(D)、および溶媒(E)を含有する感光性レジスト組成物において、該モノマー(C)が、下記一般式(1)で表される化合物(C1)を含有することを特徴とするカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
Figure 2009169049
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
式(1)中、Xは下記一般式(2)で表される基である。
Figure 2009169049
式(2)中、R、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基若しくはアルキニレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、炭素数6〜14のアリーレン基又は炭素数7〜20のアラルキレン基を表す。mは0〜5の整数である。
式(1)中、Y1、Y2は水素原子又は下記一般式(3)で表される基である。
Figure 2009169049
式(3)中、Zは2価の脂肪族基または芳香族基を表す。
式(1)中、Qは下記一般式(4)で表される基である。
Figure 2009169049
式(4)中、Q1は炭素数6〜30の2価の有機基である。
式(4)中、Zは上記と同じ2価の脂肪族基または芳香族基を表す。
(2)前記Xが、下記一般式(5)〜(7)で表されるビスフェノキシエタノールフルオレン基、ビスフェノキシフルオレン基、ビスクレゾールフルオレン基のいずれかの化合物である(1)項に記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
Figure 2009169049
Figure 2009169049
Figure 2009169049
(3)前記一般式(1)で表される化合物において、Rが水素原子であって、かつY1、Y2の一方、または両方が、一般式(3)で表される基を有する(1)または(2)項に記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
(4)前記Q1が、パラフェニレン基、メタフェニレン基、および下記一般式(8)〜(9)で表される基である(1)〜(3)項に記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
Figure 2009169049
Figure 2009169049
(5)前記アクリル系ポリマー(B)がカルボキシル基を有し、かつ側鎖にエチレン性不飽和基を有する(1)〜(4)項のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
(6)前記顔料(A)が、チタンブラックおよび/またはカーボンブラックである(1)〜(5)項のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
(7)(1)〜(6)項のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物を用いたカラーフィルター。
本発明に係わるカラーフィルター用感光性レジスト組成物を用いると、密着性、パターン形状に優れたカラーフィルターを製造でき、かつ液晶表示装置の信頼性を高く、歩留まりを向上させ製造コストを大幅に削減できる。
以下、本発明の構成要素について説明する。
本発明では顔料(A)として、有機顔料または無機顔料が用いられる。
このような顔料の例としては、Color Index CI(The Society of Dyers and Colourists 出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられる。具体例を挙げると、赤色顔料としてはColor Index No.ピグメントレッド(以下、PRと略す)9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、254等が、緑色顔料としてはColor Index No.ピグメントグリーン(以下、PGと略す)7、36等が、青色顔料としてはColor Index No.ピグメントブルー(以下、PBと略す)15:3、15:4、15:6、21、22、60、64等が、黄色顔料としてはColor Index No.ピグメントイエロー(以下、PYと略す)20、24、86、93、109、110、117、129、138、139、150、153等が、バイオレット顔料としてはColor Index No.ピグメントバイオレット(以下、PVと略す)19、23、29、30、37、40、50等が、オレンジ顔料としてはColor Index No.ピグメントオレンジ(以下、POと略す)36、43、51、55、59、61等が、黒色顔料としてはColor Index No.ピグメントブラック7等やカーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物等が使用できる。これらの顔料は1種のみで使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。また顔料誘導体、例えば、有機顔料をスルホン化した顔料のスルホン酸、具体的には銅フタロシアニンのスルホン酸、ジケトピロロピロール(PR254)のスルホン酸、キノフタロン(PY138)のスルホン酸などを顔料に対して0.5〜10質量%、好ましくは2〜7質量%添加すると顔料の分散を安定化させる効果があり好ましい。さらにポリエチレンイミン系高分子分散剤、ポリウレタン系高分子分散剤、ポリアリルアミン系高分子分散剤を分散時に併用すると分散を安定化させる効果があり好ましい。これらの高分子分散剤は感光性を有していないため、多量に添加すると目的のカラーレジストの感光性能を悪化させる懸念があり、分散安定性、感光性能を加味した適正な添加量にすることが望ましい。とくに上記ポリエチレンイミン系高分子分散剤、ポリアリルアミン系高分子分散剤を顔料に対して5〜50(質量%)添加、さらに好ましくは7〜40(質量%)添加すると、感光性能を悪化させずに、高度に分散を安定化させる効果があり、より一層好ましい。なお、これらの高分子分散剤はアビシヤ(株)製“ソルスパース(登録商標)”24000(または24000SC、32500、33500)やビックケミ・ジャパン(株)製“Disperbyk(登録商標)”163(または167)、味の素ファインテクノ(株)製“アジスパー(登録商標)”PB821(またはPB822など)等の商標名で市販されている。
本発明の組成物は塗膜中の顔料割合が高い緑画素や樹脂ブラックマトリックス(以下、樹脂BMという)を形成する場合にとくに有効である。樹脂BM用の顔料としては赤色顔料と青色および/またはバイオレット顔料の混合物、チタンブラック、およびカーボンブラックが好ましい。特に樹脂BMを形成する場合にチタンブラックを含有すると、カーボンブラック単独の場合に比較して、露光時の感度などの感光特性が優れたものが得られる。チタンブラックの中でも窒化チタン含有率が高いものが同じ膜厚で高い光学濃度(OD)を得られので、より好ましい。カーボンブラックは一次粒子径20〜80nmで、かつその表面を次亜塩素酸、硝酸、過酸化水素などにより酸化処理したものが好ましい。とくに酸価が1〜30(mgKOH/g:JIS K−5407による)、さらに好ましくは5〜25(mgKOH/g:JIS K−5407による)のものが、現像時の接着性、溶解性の点で好ましい。
本発明では、アクリル系ポリマー(B)を必須成分とするが、アクリル系ポリマー(B)としては、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーが好ましく用いられる。カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーとしては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸などがあげられる。
これらは単独で用いても良いが、他の共重合可能なエチレン性不飽和化合物と組み合わせて用いても良い。共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。とくにメタクリル酸およびまたはアクリル酸とメタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレンから選ばれた2〜4元共重合体で平均分子量Mw2千〜10万、酸価50〜150(mgKOH/g:JIS K−5407による)のポリマーがアルカリ現像液に対する溶解性の観点から好ましい。この範囲をはずれると、アルカリ現像液に対する溶解速度が低下または速くなりすぎ好ましくない。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系ポリマーを用いると、露光、現像の際の感度がよくなるので好ましく用いることができる。エチレン性不飽和基としては、アクリル基、メタクリル基が好ましい。このようなアクリル系ポリマーは、カルボキシル基を有するアクリル系(共)重合体のカルボキシル基に、グリシジル基あるいは脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を付加反応させ得ることができる。
側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系ポリマーの具体例としては、特許第3120476号公報、特開平8−262221号公報に記載されている共重合体、あるいは市販のアクリル系ポリマーである光硬化性樹脂「サイクロマー(登録商標)P」(ダイセル化学工業(株))などが挙げられる。とくに、側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系ポリマーで平均分子量(Mw)2千〜10万(テトラヒドロフランをキャリヤーとしてゲルパーミェーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算したもの)、酸価50〜150(mgKOH/g:JIS K−5407による)のポリマーが感光特性、エステル系溶媒に対する溶解性、アルカリ現像液に対する溶解性の各観点から最も好ましい。
本発明におけるモノマー(C1)について説明する。本発明におけるモノマー(C1)
は下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2009169049
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
式(1)中、Xは下記一般式(2)で表される基である。
Figure 2009169049
式(2)中、R、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基若しくはアルキニレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、炭素数6〜14のアリーレン基又は炭素数7〜20のアラルキレン基を表す。mは0〜5の整数である。
式(1)中、Y1、Y2は水素原子又は下記一般式(3)で表される基である。
Figure 2009169049
式(3)中、Zは2価の脂肪族基または芳香族基を表す。
式(1)中、Qは下記一般式(4)で表される基である。
Figure 2009169049
式(4)中、Q1は炭素数6〜30の2価の有機基である。
式(4)中、Zは上記と同じ2価の脂肪族基または芳香族基を表す。)

ここで、Rの基としては、炭素数1〜5であるのが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基がさらに好ましい。mは0〜5の整数であり、0〜3が好ましく、0〜1がさらに好ましい。また、前記Xが、下記一般式(5)〜(7)で表されるビスフェノキシエタノールフルオレン基(m=1に相当)、ビスフェノキシフルオレン基(m=0に相当)、ビスクレゾールフルオレン基(m=0に相当)を有する化合物が原料入手の容易さから好ましい。
Figure 2009169049
Figure 2009169049
Figure 2009169049
さらに、前記一般式(1)で表される化合物において、Rが水素原子の方が、メチル基よりも反応性が高く感度が向上するので好ましい。また、Y1、Y2の一方、または両方が、一般式(3)で表される基を有する化合物が、アルカリ現像液に対する溶解性が向上し、現像時間を短縮でき、また現像時の接着性も向上するので好ましい。したがって、Rが水素原子であって、かつY1、Y2の一方、または両方が、一般式(3)で表される基を有する化合物がとくに好ましい。
上記ビスフェノキシエタノールフルオレン基、ビスフェノキシフルオレン基、ビスクレゾールフルオレン基の中ではビスフェノキシエタノールフルオレン基がアルカリ現像液に対する溶解性が良く、現像時間を短縮でき、高感度が得られるので最も好ましい。
前記式(3)中、Zは脂肪族または芳香族の酸無水物の残基を表す。脂肪族または芳香族の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また、2種以上を混合物として用いてもよい。比較的分子量が小さく、耐熱性がよいもの、とくに、無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸が好ましく用いられる。
前記式(1)中、Qは下記一般式(4)で表される基である。
Figure 2009169049
(式(4)中、Q1は炭素数6〜30の2価の有機基である。
Zは上記と同じ2価の脂肪族基または芳香族基を表す。)
Q1は芳香族のジエポキシ化合物の残基であり、もとのジエポキシ化合物としてはビスフェノールA(プロパン)グリシジルエーテル、ビスフェノールF(メタン)グリシジルエーテル、ビスフェノールS(スルホン)グリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。とくに好ましい基としては、パラフェニレン基、メタフェニレン基および下記一般式(8)〜(9)で表される基である。
Figure 2009169049
Figure 2009169049
ここで、パラフェニレン基はヒドロキノンジグリシジルエーテル、メタフェニレン基はレゾルシンジグリシジルエーテル、上記一般式(8)〜(9)で表される基はテレフタル酸ジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテルの残基に対応している。
本発明において、モノマー(C1)は、次のように2から3段階を経て合成できる。
まず1段階目で、下記一般式(10)で代表されるような水酸基を有するビスフルオレン型アクリレート化合物を合成する。
Figure 2009169049
(式(10)中、R、Xは前記と同じである。nは0〜3の実数を表す)。
ここでnは0〜3の実数を表わし、好ましいnは0〜2である。nはGPC(テトラヒドロフランをキャリヤーとしてゲルパーミェーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算したもの)による分析で決定できる。これを合成するには、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテルなどのビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物とカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、例えば(メタ)アクリル酸、アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシエチルフタル酸を上記エポキシ化合物100当量に対して97〜103当量、好ましくは100当量の割合で反応させる。とくに感光性の観点からアクリル酸が好ましい。
この反応の際には、必要により、2,6−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤や、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、テトラエチルアンモニウムブロマイド等の触媒や、必要に応じて粘性調整のために添加されるメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、γ−ブチロラクトン等の反応温度以上の沸点を持つ溶剤を添加する。ここで、重合禁止剤の使用量は、反応原料混合物に対して1重量%以下、好ましくは0.5重量%未満であり、触媒の使用量は、反応原料混合物に対して0.001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%であり、溶剤の使用量は、反応原料混合物に対して5〜500重量%、好ましくは5〜200重量%である。また、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応条件は、反応温度が通常90〜130℃、好ましくは95〜125℃であって、反応時間が通常3〜24時間、好ましくは4〜18時間であり、二重結合部の重合を抑えるために、通常は反応系内に乾燥空気を吹き込みながら行うのがよい。このようにして得られた水酸基を有するビスフルオレン型アクリレート化合物は、その酸価(mgKOH/g、JIS K−5407)が溶剤を除いた固形分に換算して2mgKOH/g以下である。
次の2段階目で上記で得られた水酸基を有するビスフルオレン型アクリレート化合物の水酸基を前記の脂肪族または芳香族の酸無水物を反応させる。無水物との反応は、水酸基1当量に対して、無水物を0.45〜1.00当量の範囲で用い、反応温度60〜150℃、好ましくは70〜125℃及び反応時間1〜12時間、好ましくは2〜8時間の条件で行う。酸無水物を反応させることにより、カルボキシル基が形成される。この反応の際には、必要により、ベンジルジメチルアミン、テトラエチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第1段階の工程で用いたと同様の触媒を用いることができる。このようにしてカルボキシル基を有するビスフルオレン系アクリレート化合物が得られる。ここで、反応させる水酸基を有するビスフルオレン型アクリレート化合物は同じ構造でも異なった構造でもよい。
次の3段階目で前記カルボキシル基を有するビスフルオレン系アクリレート化合物と2官能性のエポキシ化合物を反応させることにより、本発明の化合物(C1)が得られる。この場合、カルボン酸とエポキシ化合物との反応は、前記カルボキシル基を有するビスフルオレン系アクリレート化合物の全カルボキシル基に対して、2官能性のエポキシ化合物を0.40〜0.55当量の範囲で用い、反応温度60〜150℃、好ましくは70〜130℃及び反応時間1〜12時間、好ましくは2〜8時間の条件で行う。この反応の際には、必要により、ベンジルジメチルアミン、テトラエチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第1段階の工程で用いたと同様の触媒を用いることができる。2官能性のエポキシ化合物としては、レゾルシンジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、ビスフェノールSグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテルなどのビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などが挙げられるがこれらに限定されない。
また、それ以外の成分としては、多官能、単官能のアクリル系モノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレート、特開平8−278630号公報に記載されているようなフルオレンジアクリレート系オリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エーテル、4,4′−ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]シクロヘキサン、9,9−ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−メチル−4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−クロロ−4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジメタアクリレート、ビスクレゾールフルオレンジアクリレート、ビスクレゾールフルオレンジメタアクリレートなどがあげられる。
さらに、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサ
−3−メルカプトプロピオネート、トリス−[(メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]
−イソシアヌレート(略号:TEMPIC)、または特開2006−259716号公報に記載されているビスフルオレン系チオール化合物などの多官能チオール化合物などがあげられる。これらは単独または混合して用いることができる。
これらの多官能モノマーやオリゴマーの選択と組み合わせにより、レジストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可能である。とくに感度を上げるためには、官能基が3以上、より好ましくは5以上ある化合物の使用が望ましく、とくにジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。また、樹脂BMのように光架橋に有効な紫外線を吸収する顔料を使用する場合には、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートに加え、前記多官能チオール化合物、とくにイソシアヌレート系の多官能チオール化合物や分子中に芳香環を多く含み疎水性が高いフルオレン環を有する多官能チオール化合物の併用が感度と現像時にパターンを望ましい形状にコントロールできるのでより好ましい。
本発明のカラーフィルター用感光性カラーレジスト組成物は光重合開始剤(D)を必須成分とする。光重合開始剤(D)としては、特に限定はなく、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、オキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、オキシムエステル化合物、カルバゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物あるいはチタネート等の無機系光重合開始剤など公知のものが使用できる。例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)“イルガキュア(登録商標)”369である2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)CGI−113である2−[4−メチルベンジル]−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)“イルガキュア(登録商標)”OXE01である1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)CGI−242であるエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、旭電化工業(株)製のカルバゾール系化合物である“アデカ(登録商標)オプトマー”N−1818、N−1919などがあげられる。これらの光重合開始剤は2種類以上を併用して用いることもでき、とくにN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンとチバ・スペシャルティ・ケミカル(株)“イルガキュア(登録商標)”369またはチバ・スペシャルティ・ケミカル(株)“イルガキュア(登録商標)”379および旭電化工業(株)“アデカ(登録商標)オプトマー”N−1818,N−1919またはチバ・スペシャルティ・ケミカル(株)CGI−242のようなカルバゾール系化合物の3種類を併用すると高感度でパターン形状が良好な特性を有するカラーフィルター用感光性レジスト組成物が得られるので好ましい。光重合開始剤の添加量としては、特に限定はないが、カラーレジスト全固形分に対して、好ましくは2〜50質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
本発明のカラーフィルター用感光性レジスト組成物において、樹脂成分(ポリマー、モノマーあるいはオリゴマーと高分子分散剤の合計)と、少なくとも顔料を含む着色剤とは、通常、樹脂成分が20質量%〜95質量%、好ましくは25質量%〜80質量%の範囲で混合して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎると、着色被膜の基板との接着性が不良となり、逆に顔料の量が少なすぎると着色度や樹脂BMの場合、厚み当たりの光学濃度(OD値/μm)が低くなり問題となる。
本発明のカラーフィルター用感光性レジスト組成物の溶媒(F)について説明する。本発明で用いる溶媒(F)はエステル類、脂肪族アルコール類、ケトン類などが使用できる。
具体的なエステル類としては、ベンジルアセテート(沸点214℃)、エチルベンゾエート(沸点213℃)、γ―ブチロラクトン(沸点204℃)、メチルベンゾエート(沸点200℃)、マロン酸ジエチル(沸点199℃)、2−エチルヘキシルアセテート(沸点199℃)、2−ブトキシエチルアセテート(沸点192℃)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(沸点188℃)、シュウ酸ジエチル(沸点185℃)、アセト酢酸エチル(沸点181℃)、シクロヘキシルアセテート(沸点174℃)、3−メトキシ−ブチルアセテート(沸点173℃)、アセト酢酸メチル(沸点172℃)、エチル−3−エトキシプロピオネート(沸点170℃)、2−エチルブチルアセテート(沸点162℃)、イソペンチルプロピオネート(沸点160℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、酢酸ペンチル(沸点150℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)などが挙げられるがこれらに限定されない。
これらの溶媒のなかで、酢酸エステル系またはプロピオン酸エステル系の溶媒で、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがとくに好ましい。
また、上記以外の溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点133℃)、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル(沸点153℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)などのプロピレングリコール誘導体などの脂肪族エーテル類、上記以外の脂肪族エステル類、例えば、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸ブチル(沸点126℃)、酢酸イソペンチル(沸点142℃)、あるいは、ブタノール(沸点118℃)、3−メチル−2−ブタノール(沸点112℃)、3―メチル―3―メトキシブタノール(沸点174℃)などの脂肪族アルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、キシレン(沸点144℃)、エチルベンゼン(沸点136℃)、ソルベントナフサ(石油留分:沸点165〜178℃)などの溶媒を併用することも可能である。
さらに基板の大型化に伴いダイコーティング装置による塗布が主流になってきているので、適度の揮発性、乾燥性を実現するため、2成分以上の混合溶媒から構成するのが好ましい。該混合溶媒を構成する全ての溶媒の沸点が150℃以下の場合、膜厚の均一性が得られない、塗布終了部の膜厚が厚くなる、塗液をスリットから吐出する口金部に顔料の凝集物が生じ、塗膜にスジが発生するという多くの問題を生じる。一方、該混合溶媒の沸点が200℃以上の溶媒を多く含む場合、塗膜表面が粘着性となり、スティッキングを生じる。したがって沸点が150℃以上200℃の溶媒を30〜75質量%含有する混合溶媒が望ましい。とくに混合溶媒を構成する溶媒の一成分として、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテートから選ばれるエステル系溶媒を30〜75質量%含有する混合溶媒が好ましい。
本発明のカラーフィルター用カラーレジストは、密着性改良剤としてシランカップリング剤を含むことが出来る。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが原料入手の容易さから好ましい。上記シランカップリング剤は少量で接着改良効果があるので、添加量としては多く添加する必要はなく、カラーレジスト全固形分に対して、好ましくは0.2〜20質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明で用いるカラーフィルター用感光性レジスト組成物には、塗布性、着色被膜の平滑性やベナードセルを防止する目的で、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加量は通常、顔料の0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%である。添加量が少なすぎると塗布性、着色被膜の平滑性やベナードセルを防止効果がなく、多すぎると逆に塗膜物性が不良となる場合がある。界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤、ポリジメチルシロキサンなどを主骨格とするシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。本発明では、これらに限定されずに、界面活性剤を1種または2種以上用いることができる。
本発明のカラーフィルター用感光性レジスト組成物は、固形分(カラーレジストに含有される溶媒以外の全成分のカラーレジスト溶液に対する割合)が5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%の範囲が望ましい。粘度は25℃で測定したとき、1〜40(mPa・s)の範囲、好ましくは2〜20(mPa・s)の範囲に入るよう、ポリマーの分子量およびまたは溶媒の種類、量で調整することにより、塗膜をより一層均一にすることができ望ましい。
本発明のカラーフィルター用感光性レジスト組成物を用いたダイコーティング装置によるカラーフィルターの製造方法の例を説明する。基板としては通常、ソーダガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなどの透明基板などが用いられるが、特にこれらに限定されない。ダイコーティング装置としては、例えば特許第3139358号公報、特許第3139359号公報などに開示されている枚葉塗布装置を挙げることができる。この装置により、本発明のカラーフィルター用感光性レジスト組成物(塗液)を口金から吐出させ、基板を移動させることにより、基板上にカラーレジストを塗布することができる。この場合、基板は枚葉で多数枚塗布されるため、長時間運転すると、塗液をスリットから吐出する口金部に顔料の凝集物が生じ、これが塗布欠点となり収率低下を招くことがある。この場合、該装置の吐出口である口金を上記150℃以上の沸点を有するエステル系の溶媒を全溶媒に対して40質量%以上含む溶媒で拭き取る工程を設けることにより、塗布欠点が解消され収率が向上する。上記により、基板上にカラーレジストを塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥などにより、溶媒を除去し、カラーレジストの塗膜を形成する。とくに減圧乾燥工程を設けた後、オーブンあるいはホットプレートで追加の加熱乾燥することにより、対流によって生じる塗布欠点が解消され収率が向上する。減圧乾燥は常温〜100℃、5秒〜10分、減圧度500〜10(Pa)、より好ましくは減圧度150〜50(Pa)の範囲で行うのが好ましい。加熱乾燥はオーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜120℃の範囲で10秒〜30分行うのが好ましい。
続いて該被膜上にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。ついでアルカリ性現像液で現像を行う。非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を0.1〜5%添加したアルカリ性現像液を使用すると、より良好なパターンが得られて好ましい。アルカリ性現像液に用いるアルカリ性物質としては特に限定はしないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン等の4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類などの有機アルカリ類が挙げられる。
アルカリ性物質の濃度は0.01質量%から50質量%である。好ましくは0.02質量%から10質量%、さらに好ましくは0.02から1質量%である。また現像液がアルカリ水溶液の場合、現像液にエタノール、γーブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒を適宜加えても良い。
これら現像液の中では作業環境、廃現像液処理の点から、アルカリ水溶液の水系現像液が好ましい。
現像方式は浸漬法、スプレー法、パドル法等を用いるが特に限定しない。現像後、純水などによる洗浄工程を加える。
得られたカラーレジストの塗膜パターンは、その後、加熱処理(ポストベーク)することによってパターンニングされた着色フィルターとなる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
上記方法で本発明のブラック、赤、緑、青のカラーフィルター用感光性レジスト組成物を用いて逐次繰り返し着色パターンを形成せしめると、液晶表示装置用カラーフィルターが作製できる。ここで各色カラーレジストのパターニング順序は限定されない。
また、本発明製造方法の後、画素上に保護膜、透明電導膜を形成することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価法と評価の基準)
1.感度
オプトライン(株)社製PHOTORESIST STEP TABLET(解像度テスト用マスク)を用い、露光量を変えて露光(200〜800mJ/cmat365nm)後、未露光部分が溶解する時間(溶解時間と略す)の1.5倍の現像を行い、基板上に形成されたパターン化された塗膜表面を観察し、表面が荒れていなくて艶がある最低の露光量を感度(mJ/cm とした。
2.現像時の密着性
オプトライン(株)社製PHOTORESIST STEP TABLET(解像度テスト用マスク)を用い、1項で求めた感度に対しての1.5倍の露光量で露光を行い、未露光部分が溶解する時間(溶解時間と略す)の1.5倍の現像を行い、基板上に形成された微細ラインパターンの剥離の有無を調べ、剥離しないで残存する最少の寸法(μm)を現像時の密着性とした。
3.パターン形状
基板上に形成された微細ラインパターンを顕微鏡でパターンのエッジを観察し、ギザリが無く直線性が良好なパターンは○、ギザリが少しあり、比較的直線性が良いパターンは△、ギザリが有り直線性が不良なパターンは×で表示した。
4.OD値
大塚電子(株)製 顕微分光光度計(MCPD2000)でY(視感度補正した透過率(%)を測定し、光学濃度OD=log(100/Y)を計算した。
参考例1
側鎖にカルボキシル基とメタクリル基を有するアクリルポリマー(P1)の合成
特許第3120476号公報の実施例1に記載の方法により、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体(重量組成比33/34/33)を合成後、グリシジルメタクリレート33重量部を付加させ、精製水で再沈、濾過、乾燥することにより、平均分子量(Mw)9,000、酸価70(mgKOH/g:JIS K−5407による)の特性を有するアクリルポリマー(P1)粉末を得た。
参考例2
水酸基を有するビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート(A−1)の合成
500mlのセパラブルフラスコに、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル296g(エポキシ当量296g/eq)、ジメチルベンジルアミン3.4g、p−メトキシフェノール0.34g、アクリル酸72.06g(1モル)を仕込み、20ml/分の流速で空気を吹き込みながら昇温し、110〜120℃の温度で反応させた。この間、酸価を測定し、2.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するまで10時間を要した。これによってビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート(A−1)を得た。
参考例3
水酸基を有するビスフェノキシフルオレン型アクリレート(A−2)の合成
参考例2においてビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテルの替わりにビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル231g(エポキシ当量231g/eq)を使用した以外は参考例2と同様にしてビスフェノキシフルオレン型アクリレート(A−2)を得た。
参考例4
水酸基を有するビスクレゾールフルオレン型アクリレート(A−3)の合成
参考例2においてビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテルの替わりにビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル258g(エポキシ当量258g/eq)を使用した以外は参考例2と同様にしてビスクレゾールフルオレン型アクリレート(A−3)を得た。
参考例5
酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−1)の合成
500mlのセパラブルフラスコに、参考例2で合成したビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート(A−1)36.8g(水酸基当量368g/eq、計算値)に1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸15.22g(0.1モル:全ての水酸基を酸無水物と反応させるのに必要な量)と3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート52.02gを室温で添加後、105℃で3時間反応させ、酸価107mgKOH/g(JIS K−5407による)の酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−1)の50質量%溶液を得た。
参考例6
酸変性ビスフェノールフルオレン型アクリレート化合物(B−2)の合成
参考例5においてビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート(A−1)の替わりにビスフェノキシフルオレン型アクリレート(A−2)30.3g(水酸基当量303g/eq、計算値)、を使用した以外は参考例5と同様にして、酸価123mgKOH/gの酸変性ビスフェノールフルオレン型アクリレート化合物(B−2)の50質量%の溶液を得た。
参考例7
酸変性ビスクレゾールフルオレン型アクリレート化合物(B−3)の合成
参考例5においてビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート(A−1)の替わりにビスクレゾールフルオレン型アクリレート(A−3)33.0g(水酸基当量330g/eq、計算値)、を使用した以外は参考例5と同様にして、酸価116mgKOH/gの酸変性ビスクレゾールフルオレン型アクリレート化合物(B−3)の50質量%の溶液を得た。
参考例8
酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−4)の合成
参考例5において1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸の替わりに無水フタル酸
14.81g(0.1モル:全ての水酸基を酸無水物と反応させるのに必要な量)を使用した以外は参考例5と同様にして、酸価109mgKOH/gの酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−4)の50質量%溶液を得た。
合成例1
ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の合成
参考例5で合成した酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−1)の50質量%溶液104.0g(0.1当量:カルボキシル基当量520.3g/eq、計算値)にレゾルシンジグリシジルエーテル(エポキシ当量117.1/eq)5.85g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加後、125℃で6時間反応させた後、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートで希釈して、ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の50質量%溶液を得た(酸価48.5mgKOH/g)。
合成例2
ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−2)の合成
合成例1においてレゾルシンジグリシジルエーテルの替わりにヒドロキノンジグリシジルエーテル(エポキシ当量111/eq)5.55g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加した以外は合成例1と同様にしてビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−2)の50質量%溶液を得た(酸価48.7mgKOH/g)。
合成例3
ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−3)の合成
合成例1においてレゾルシンジグリシジルエーテルの替わりにテレフタル酸ジグリシジルエーテル(エポキシ当量145.8/eq)7.29g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加した以外は合成例1と同様にしてビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−3)の50質量%溶液を得た(酸価47.3mgKOH/g)。
合成例4
ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−4)の合成
合成例1においてレゾルシンジグリシジルエーテルの替わりにビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル296g(エポキシ当量296g/eq)14.8g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加した以外は合成例1と同様にしてビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−4)の50質量%溶液を得た(酸価42.0mgKOH/g)。
合成例5
ビスフェノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−5)の合成
参考例6で合成した酸変性ビスフェノールフルオレン型アクリレート化合物(B−2)の50質量%溶液91.06g(0.1当量:カルボキシル基当量455.3g/eq、計算値)にレゾルシンジグリシジルエーテル(エポキシ当量117.1/eq)5.85g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加後、125℃で6時間反応させた後、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートで希釈して、ビスフェノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−5)の50質量%溶液を得た(酸価54.6mgKOH/g)。
合成例6
ビスクレゾールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−6)の合成
参考例7で合成した酸変性ビスクレゾールフルオレン型アクリレート化合物(B−3)の50質量%溶液96.46g(0.1当量:カルボキシル基当量482.3g/eq、計算値)にレゾルシンジグリシジルエーテル(エポキシ当量117.1/eq)5.85g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加後、125℃で6時間反応させた後、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートで希釈して、ビスクレゾールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−6)の50質量%溶液を得た(酸価51.9mgKOH/g)。
合成例7
ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−7)の合成
参考例8で合成した酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−4)の50質量%溶液103.2g(0.1当量:カルボキシル基当量516.2g/eq、計算値)にレゾルシンジグリシジルエーテル(エポキシ当量117.1/eq)5.85g(0.05当量:全カルボキシル基の1/2をエポキシ基と反応させるのに必要な量)を添加後、125℃で6時間反応させた後、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートで希釈して、ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の50質量%溶液を得た(酸価48.8mgKOH/g)。
比較合成例1
特許文献3の合成例1と同様に500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル231g(エポキシ当量231)とトリエチルベンジルアンモニウムクロライド450mg、2,6−ジ−イソブチルフェノールを100mg、アクリル酸72.0gを仕込んで混合し、25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、徐々に昇温し、120℃に加熱して8時間攪拌を続けた。この溶液の酸価は、1.0mgKOH/gであった。そして室温まで冷却し、無色透明な固体を得た。次にこれを151.5g秤量し、セロソルブアセテート1kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸19g及びベンゾフェノンテトラカルボン二酸無水物40.25gと臭化テトラエチルアンモニウム0.5gとを混合し、徐々に昇温させて110〜115℃、2時間反応させ、化合物(D−1)を得た。なお、この反応の際における酸無水物の反応はIRスペクトルの1780cm-1ピークの消失により確認した。
実施例1
大同化成(株)製の酸性処理カーボンブラック9930CF 84.22g、Degussa(株)製のカーボンブラックSpecial Black250 82.53g、“ソルスパース(登録商標)”12000(アビシヤ(株)製)1.68gとアクリルポリマー(P1)の3―メチル―3―メトキシブタノール45質量%溶液56.14g、ビックケミ・ジャパン(株)製“Disperbyk(登録商標)”167(分散剤) 24.29gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート751.1gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて2500rpmで3時間分散し、顔料濃度16.843質量%の顔料分散液(CB1)を得た。この顔料分散液(CB1)54.36gにアクリルポリマー(P1)の3―メチル―3―メトキシブタノール45質量%溶液1.16g、ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の3−メチル−3−メトキシ−ブチルアセテート50質量%溶液4.93g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製DPHA)の3−メチル−3−メトキシ−ブチルアセテート50質量%溶液2.11g、光重合開始剤として“イルガキュア(登録商標)”369 0.26g、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)CGI−242 1.60gおよびN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン0.26g、接着性改良剤としてビニルトリメトキシシラン0.15g、シリコーン系界面活性剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10質量%溶液0.30gを固形分濃度17.5質量%になるように3―メチル―3−メトキシ−ブチルアセテートに溶解した溶液を添加、混合し、黒色カラーレジストを調製した。調製したカラーレジストを2μmのテフロン(登録商標)製フィルターフィルターで濾過後、膜厚が1.2μm(ポストベーク後)になるように無アルカリガラス基板上へ塗布した。塗布した基板を減圧乾燥(100Pa)後、100℃のホットプレートで2分加熱処理し、カラーレジスト塗膜を作製した。続いてこの塗布膜に解像度テスト用マスクを介して露光量を変えて露光し(200〜800mJ/cmat365nm)し、0.04質量%KOH水溶液に、非イオン界面活性剤として“エマルゲン(登録商標)”A−60(HLB12.8、ポリオキシエチレン誘導体)(花王(株)製)を現像液総量に対して0.2%添加したアルカリ現像液で未露光部分が溶解する時間の1.5倍スプレー現像し、続いて純水洗浄することにより、パターンニング基板を得た。得られたパターンニング基板を熱風オーブン中230℃で30分保持し、ポストベークを行ないパターンニング基板を得た。この基板を評価法と評価の基準に従い、溶解時間、感度、現像時の接着性、パターン形状を調べた。結果を表1に示した。
実施例2〜7
実施例1のビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の替わりに表1のモノマー(C)に記載した化合物を使用した以外は同様にしてパターンニング基板を得た。この基板を評価法と評価の基準に従い、溶解時間、感度、現像時の接着性、パターン形状を調べた。結果を表1に示した。
比較例1
実施例1のビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の替わりに参考例5で合成した酸変性ビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート化合物(B−1)を使用した以外は同様にしてパターンニング基板を得た。この基板を評価法と評価の基準に従い、溶解時間、感度、現像時の接着性、パターン形状を調べた。結果を表1に示した。
比較例2
実施例1のアクリルポリマー(P1)およびビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(C−1)の替わりに比較合成例1で合成した化合物(D−1)を使用した以外は同様にしてパターンニング基板を得た。この基板を評価法と評価の基準に従い、溶解時間、感度、現像時の接着性、パターン形状を調べた。結果を表1に示した。
表1の実施例1〜7と比較例1〜2の比較より、本発明の化合物がいずれも接着性、パターン形状に優れていることが分かる。比較例1は溶解時間が速くパターン形状が逆テーパーになりやすい、すなわち疎水性に劣ると考えられる。比較例2は芳香族テトラカルボン酸無水物で酸変性した場合で、溶解時間、現像時の接着性ともほぼ良好であるが、実施例1〜7に比較して、パターン形状面でやや劣ることが分かる。本発明の組成物の中では、ビスフェノキシエタノールフルオレン系4官能アクリレート化合物(C−1〜C−4及びC−7)が溶解時間、感度、現像時の接着性、パターン形状の面で最も優れた性能を示す。
実施例9〜10
三菱マテリアル(株)製チタンブラック13M−T(窒化チタン)42.11g、大同化成(株)製の酸性処理カーボンブラック9930CF 62.32g、Degussa(株)製のカーボンブラックPRINTEX25 62.32g、“ソルスパース(登録商標)”12000(アビシヤ(株)製)1.68gとアクリルポリマー(P1)の3―メチル―3―メトキシブタノール45質量%溶液56.14g、ビックケミ・ジャパン(株)製“Disperbyk(登録商標)”167(分散剤) 24.29gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート751.1gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて2500rpmで3時間分散し、顔料濃度16.843質量%の顔料分散液(TCB1)を得た。この顔料分散液(TCB1)57.74gにアクリルポリマー(P1)の3―メチル―3―メトキシブタノール45質量%溶液0.63g、ビスフェノキシエタノールフルオレン型4官能アクリレート化合物(実施例9はC−1、実施例10はC−2)の3−メチル−3−メトキシ−ブチルアセテート50質量%溶液4.54g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製DPHA)の3−メチル−3−メトキシ−ブチルアセテート50質量%溶液1.94g、光重合開始剤として“イルガキュア(登録商標)”379 0.24g、旭電化工業(株)“アデカ(登録商標)オプトマー”N−1919 1.47gおよびN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン0.19g、接着性改良剤としてビニルトリメトキシシラン0.14g、シリコーン系界面活性剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10質量%溶液0.28gを固形分濃度17.5質量%になるように3―メチル―3−メトキシ−ブチルアセテートに溶解した溶液を添加、混合し、黒色カラーレジストを調製した。調製したカラーレジストを2μmのテフロン(登録商標)製フィルターフィルターで濾過後、膜厚が1.2μm(ポストベーク後)になるように無アルカリガラス基板上へ塗布した。塗布した基板を減圧乾燥(100Pa)後、100℃のホットプレートで2分加熱処理し、カラーレジスト塗膜を作製した。続いてこの塗布膜に解像度テスト用マスクを介して露光量を変えて露光し(200〜800mJ/cmat365nm)し、0.04質量%KOH水溶液に、非イオン界面活性剤として“エマルゲン(登録商標)”A−60(HLB12.8、ポリオキシエチレン誘導体)(花王(株)製)を現像液総量に対して0.2%添加したアルカリ現像液で未露光部分が溶解する時間の1.5倍スプレー現像し、続いて純水洗浄することにより、パターンニング基板を得た。得られたパターンニング基板を熱風オーブン中230℃で30分保持し、ポストベークを行ないパターンニング基板を得た。この基板を評価法と評価の基準に従い、溶解時間、感度、現像時の接着性、パターン形状を調べた。結果を表1に示した。
Figure 2009169049
表1の実施例1〜2と実施例9〜10とは同じOD値(光学濃度OD=log((100/Y(視感度補正した透過率(%))であるが、実施例1と実施例9、実施例2と実施例10の比較より、チタンブラックを含有すると感度が向上することが分かる。
本発明の組成物は、疎水性であるカルド系アクリレート化合物をエステル基を介して2量化する事により、従来の技術に比較して、疎水性能が向上し、現像時の密着性・パターン形状が良くなると考えられる。

Claims (7)

  1. 少なくとも顔料(A)、アクリル系ポリマー(B)、モノマー(C)、光重合開始剤(D)、および溶媒(E)を含有する感光性レジスト組成物において、該モノマー(C)が、下記一般式(1)で表される化合物(C1)を含有することを特徴とするカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
    Figure 2009169049
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
    式(1)中、Xは下記一般式(2)で表される基である。
    Figure 2009169049
    式(2)中、R、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基若しくはアルキニレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、炭素数6〜14のアリーレン基又は炭素数7〜20のアラルキレン基を表す。mは0〜5の整数である。
    式(1)中、Y1、Y2は水素原子又は下記一般式(3)で表される基である。
    Figure 2009169049
    式(3)中、Zは2価の脂肪族基または芳香族基を表す。
    式(1)中、Qは下記一般式(4)で表される基である。
    Figure 2009169049
    式(4)中、Q1は炭素数6〜30の2価の有機基である。
    式(4)中、Zは2価の脂肪族基または芳香族基を表す。)
  2. 前記Xが、下記一般式(5)〜(7)で表されるビスフェノキシエタノールフルオレン基、ビスフェノキシフルオレン基、ビスクレゾールフルオレン基のいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
    Figure 2009169049
    Figure 2009169049
    Figure 2009169049
  3. 前記一般式(1)で表される化合物において、Rが水素原子であって、かつY1、Y2の一方、または両方が、一般式(3)で表される基を有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
  4. 前記Q1が、パラフェニレン基、メタフェニレン基、および下記一般式(8)〜(9)で表される基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
    Figure 2009169049
    Figure 2009169049
  5. 前記アクリル系ポリマー(B)がカルボキシル基を有し、かつ側鎖にエチレン性不飽和基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
  6. 前記顔料(A)が、チタンブラックおよび/またはカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用感光性レジスト組成物を用いたことを特徴とするカラーフィルター。
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