JP6717399B1 - 電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置およびバックラッシュ制御方法 - Google Patents

電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置およびバックラッシュ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バックラッシュ区間において適切なトルクを出力することにより、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善する。【解決手段】インバータに接続された電動機によってギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系のバックラッシュ制御装置であって、トルク指令T*に対して、バックラッシュ区間内でトルクを加速させるための加速トルクを加算する加速トルクスイッチ23と、バックラッシュ区間を抜ける方向と逆方向のトルク成分を打ち消すための摩擦補償トルクを加算する摩擦補償スイッチ26を設け、演算部24の、前記電動機駆動系を表現した内部モデルで推定演算した推定ねじり角θBL^、推定ねじり角速度ωBL^、トルク指令T*に基いて、判定部22のスイッチ用フローチャートに沿ってバックラッシュ区間を判定し、前記スイッチ23、26のON,OFFを決定してバックラッシュ考慮トルク指令T**を出力する。【選択図】 図2

Description

本発明は、電動機がギアを介して負荷を駆動するシステムにおける、応答性及び衝撃抑制に関する。
バッテリもしくは交流電源とレクティファイア(ダイオード整流器、PWMコンバータ、120°通流コンバータなど)の組み合わせからなる直流電圧を生じる機構、直流電圧を交流電圧に変換しモータ(電動機)に印加するインバータ、ギアを介して負荷を回転させるモータ、などから構成される駆動系を考える。ここでインバータは、アクセルや操作盤の操作によって生成されるトルク指令に基づいて、モータが適正なトルクで運転できるような振幅・周波数の交流電圧を生成してモータへ印加するものとする。このような駆動系をもつシステムには例えばエレベータ、工作機械といったものがある。
ところで、ギアをもつ駆動系にはバックラッシュが存在し、バックラッシュ区間内では駆動系の負荷側にモータ側のトルクが伝達されないため、制御の応答性低下や不安定化などの影響を及ぼすことがある。またその影響を避けるためにバックラッシュ区間で高速に歯車を回しバックラッシュ区間を短く終えようとすると、バックラッシュ終了時、つまり歯車が当たるときに歯車同士の相対速度によっては衝撃が大きくなり、音を生じる恐れがある。このような衝撃音は、システムの使用者に不快感、不安感を与える恐れがあり、好ましくない。
これらのようなバックラッシュのもたらす影響に関して、従来、例えば特許文献1の舵取装置、特許文献2の作業機械では、バックラッシュ区間のみフィードバック制御のゲインを下げることでバックラッシュ区間の制御安定性に関して対策している。
他にも、特許文献3のエレベータにおける歯が接触しない歯車、特許文献4の車両における複数の加速度センサのように特別な構造を用いて衝撃や制御応答性の対策をする場合もある。
また、特許文献5の工作機械ではバックラッシュ区間における不安定なトルク成分を吸収する運転を行い、制御安定性を向上している。
さらに、特許文献6の車両、特許文献7の成形機、特許文献8のエレベータ、の制御のように、バックラッシュに入ることが既知の運転について、バックラッシュ区間内の制御をあらかじめ決められたパターンに沿って行い、制御応答性と衝撃の緩和の両者への対策を行う方法も知られている。
特開2004−358985号公報 特開2012−10462号公報 特開平1−120457号公報 特開2012−30745号公報 特開平10−254548号公報 特開2013−183504号公報 特開2003−71895号公報 特開平11−11688号公報
特許文献1、特許文献2のようにゲインを下げる方法では、速度センサを必要としている。また、バックラッシュ区間内では、例えば始めのうちはよく加速し、そののちに歯車の当たる衝撃を抑制するために適度に減速する運転法が応答性と衝撃抑制の両立の観点から優れるが、これらの制御では安定性を重視しており、バックラッシュ区間内の細かな応答性、衝撃を調整するような運転は考慮していない。
また、特許文献3、特許文献4のように特別な構造を用いる方法は駆動系に構造上の工夫をなす必要があり、設計コストの上昇をもたらす。
また、特許文献5のように振動成分を考慮する方式は振動成分を得るための繰り返しのテスト運転を必要とし、応答性、歯車が当たる衝撃の議論もなされていない。
また、特許文献6、特許文献7、特許文献8のようにあらかじめ決められた制御を行う方式は、上記のように始めのうちによく加速し、のちに適切に減速するという衝撃を抑制しつつ応答性も高い運転を表現可能であるが、テーブルの作成コストが生じるという問題をもつ。また、テーブルであるがゆえに個体ごとのパラメータ誤差、及び外乱への対応が難しいという問題を持つ。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、バックラッシュ区間において適切なトルクを出力することにより、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善することができる電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置、制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置は、
インバータに接続された電動機によって、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置であって、
バックラッシュ区間を判定する手段を有し、設定された速度指令に対応するトルク指令が入力され、バックラッシュ区間内でトルクを加速させるための、前記トルク指令に対して制限をかけた加速トルクを生成する処理と、バックラッシュ区間を抜ける方向と逆方向のトルク成分を打ち消すための摩擦補償トルクを、前記加速トルクに加算する摩擦補償トルク加算処理とを実施してバックラッシュ考慮トルク指令を演算するバックラッシュ制御部を備え、
前記バックラッシュ制御部は、
前記加速トルクを生成する処理の実施が決定されたときに加速トルクを生成する加速トルク生成部と、
バックラッシュ区間における電動機−ギア間のモータ軸とギア−負荷間の負荷軸とのねじり角に対する負荷トルクの関係を、不感帯を備えて設定したバックラッシュブロックを境とし、電動機側ブロック、バックラッシュブロック、負荷側ブロックに分けて前記電動機駆動系を表現した内部モデルを有し、前記内部モデルによって、前記加速トルク生成部の出力トルクから、推定モータ角速度を演算し、前記モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角速度と、前記モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角又は推定負荷トルクを演算して出力する演算部と、
前記摩擦補償トルク加算処理の実施が決定されたときに、前記加速トルク生成部の出力トルクに対して摩擦補償トルクを加算する摩擦補償トルク加算部と、
前記演算部で演算されたモータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角または推定負荷トルクと、モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角速度と、前記速度指令に対応するトルク指令とを入力とし、バックラッシュ区間であるか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて、前記加速トルク生成部における加速トルクを生成する処理の実施、不実施の決定、前記摩擦補償トルク加算部における摩擦補償トルク加算処理の実施、不実施の決定を行う判定部と、を備え、
前記バックラッシュ制御部で演算されたバックラッシュ考慮トルク指令に基づいて前記インバータを制御することを特徴としている。
請求項2に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置は、請求項1において、
前記加速トルク生成部は、入力されたトルク指令に対して上限、下限の制限をかけるリミッタを有していることを特徴とする。
請求項3における電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置は、請求項1又は2において、
前記加速トルク生成部は、前記内部モデルで演算された推定ねじり角速度が、設定した速度指令となるように速度制御するバックラッシュ速度制御部を有していることを特徴とする。
請求項4に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置は、請求項1から3のいずれか1項において、
前記内部モデルは、前記電動機の角速度を検出した検出モータ角速度と前記演算された推定モータ角速度との偏差をとり、その偏差分が零となるように内部モデルにフィードバックする外乱補償系を有していることを特徴とする。
請求項5に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置は、請求項1から4のいずれか1項において、
前記判定部は、
前記モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角が前記ギアのバックラッシュ位相範囲内であるか、又は推定負荷トルクが零付近であるとき、バックラッシュ区間であると判定し、それ以外はバックラッシュ区間でないと判定する第1の判定処理と、
前記第1の判定処理によりバックラッシュ区間であると判定された場合に、前記速度指令に対応するトルク指令が、設定した不感帯内であるか否かを判定する第2の判定処理と、
前記第2の判定処理により不感帯内でないと判定された場合に、推定ねじり角速度が、設定した不感帯内であるか否かを判定する第3の判定処理とを行い、
前記第1の判定処理によりバックラッシュ区間でないと判定された場合と、第2の判定処理によりトルク指令が不感帯内であると判定された場合に、前記加速トルクを生成する処理の不実施および摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定し、
前記第3の判定処理により推定ねじり角速度が不感帯内であると判定された場合に、前記加速トルクを生成する処理の実施を決定し、摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定し、
前記第3の判定処理により推定ねじり角速度が不感帯内でないと判定された場合に、前記加速トルクを生成する処理の実施および摩擦補償トルク加算処理の実施を決定することを特徴としている。
請求項6に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御方法は、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置を実行することを特徴としている。
(1)請求項1〜6に記載の発明によれば、バックラッシュ区間において適切なトルクを出力することにより、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善することができる。また、バックラッシュを抜けた際のギアの衝突音の発生を抑制しつつ、応答性の低下を防ぐことができる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、トルク上限を超えることのないバックラッシュ考慮トルク指令に基いて制御を行うことができる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、モータ軸の負荷軸に対するねじり角速度を適切に制御するトルクを加速トルクとしたので、パラメータ誤差の影響を受けにくく、バックラッシュ区間の制御性能が向上する。
(4)請求項4に記載の発明によれば、外乱により、電動機駆動系を表現した内部モデルと実際の電動機駆動系との間で誤差が生じても、その誤差による影響を抑制することができる。
(5)請求項5に記載の発明によれば、バックラッシュ制御部の出力(バックラッシュ考慮トルク指令)のチャタリング発生を防ぐことができる。
本発明の実施形態例における電動機駆動系の構成を表し、(a)はモータと負荷の接続構成図、(b)は制御の構成図。 本発明の実施例1におけるバックラッシュ制御のシステム構成図。 本発明の実施例1における内部モデルのシステム構成図。 本発明の実施形態例における要部のフローチャート。 本発明の実施例2におけるバックラッシュ制御のシステム構成図。 本発明の実施例2における内部モデルのシステム構成図。 本発明の実施例3におけるバックラッシュ制御のシステム構成図。 本発明の実施例3におけるバックラッシュ速度制御のシステム構成図。 本発明の実施例4におけるバックラッシュ制御のシステム構成図。 バックラッシュ区間における摩擦補償の効果を表し、(a)はねじり角θBLのグラフ、(b)はねじり角速度ωBLのグラフ。 バックラッシュ区間における加速トルクの効果を表し、(a)はねじり角θBLのグラフ、(b)はねじり角速度ωBLのグラフ。 バックラッシュ区間における外乱補償の効果を表し、(a)はねじり角θBLのグラフ、(b)はねじり角速度ωBLのグラフ、(c)は外乱補償無しのねじり角比較のグラフ、(d)は外乱補償有りのねじり角比較のグラフ。 バックラッシュ区間におけるバックラッシュ速度制御の効果を表し、(a)はねじり角θBLのグラフ、(b)はねじり角速度ωBLのグラフ。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
以下では、「バックラッシュ」を「BL」と略記することがある。
図1に実施例1における駆動系のシステム構成図を示す。図1(a)の接続構成図は、モータ(電動機)1がギア3を介して負荷5を回転させる駆動系を表し、2はモータ1−ギア3間のモータ軸、4はギア3−負荷5間の負荷軸を示している。負荷軸4に対するモータ軸2の相対的な角速度(ねじり角速度)をωBL(この際2軸の角速度にギア比を考慮する)とし、2つの軸のねじり角をθBLとしている。バックラッシュ区間内ではωBLはバックラッシュを歯車(ギア3)が通過する角速度である。図1(a)を以降では「プラント」と称することもある。
図1(b)の制御システムではアクセル踏込量や操作盤操作量など駆動系の形態に応じて発生、調節される速度指令ω*が入力される。速度指令ω*は速度制御部11へと入力され、速度制御部11からは適切に目標の速度へ到達するためのトルク指令T*が出力される。速度制御について、図1(b)では速度に関するセンサを設けていないが速度センサレスであることは必須事項ではなく、センサで検出したモータ位相、ひいては位相を用いて計算されるモータ速度に基づいてトルク指令T*を決めてもよい。
速度制御部11から出力されたトルク指令T*はバックラッシュ制御部12に入力され、バックラッシュ制御部12ではバックラッシュの存在を考慮したBL考慮トルク指令T**を演算する。バックラッシュ制御部12から出力されたBL考慮トルク指令T**は、電流制御部13に入力される。電流制御部13はモータ1の電流を検出した検出電流に基づいて目標のトルクを出力するための電圧指令を演算し、その電圧を実現するためのゲート信号を出力してインバータ14を適切に制御する。インバータ14は三相交流電圧をモータ1に印加し、モータ1では電磁誘導によってモータトルクTMが生じる。
図2に実施例1におけるバックラッシュ制御部12のシステム構成図を示す。バックラッシュ制御部12には速度制御部11からのトルク指令T*が入力される。入力されたトルク指令T*は3つに分岐し、一方では特に演算はせず、もう一方ではリミッタ21を経てリミットトルク指令Tlimとなり、残りの一つは、後述の図4に示す、加速トルクスイッチと摩擦補償スイッチのON/OFFを決めるためのスイッチ用フローチャートを備え、バックラッシュ区間の判定を行い、加速トルクを生成する処理又は摩擦補償トルク加算処理のいずれを実施するかを決定する判定部22へ入力される。
23は、判定部22で決定されたON/OFF制御信号により制御される加速トルクスイッチであり、ON制御時はリミットトルク指令Tlimが、OFF制御時はトルク指令T*が各々選択され、その出力は制御内モータトルクTMcとして以降の処理に用いられる。これらリミッタ21および加速トルクスイッチ23によって本発明の加速トルク生成部を構成している。
24は、図1(a)の駆動系を表現した後述の図3の内部モデルを有した演算部であり、加速トルクスイッチ23の出力である制御内モータトルクTMcを入力とし、推定ねじり角θBL^、推定ねじり角速度ωBL^を演算して判定部22に出力する。
前記制御内モータトルクTMcは加算器25および摩擦補償スイッチ26にも分岐して入力され、加算器25は、摩擦補償トルク設定部27の摩擦補償トルクと制御内モータトルクTMcを加算して摩擦考慮トルク指令Tfを出力する。
摩擦補償スイッチ26は、判定部22で決定されたON/OFF制御信号により制御され、ON制御時は摩擦考慮トルク指令Tfが選択され、OFF制御時は制御内モータトルクTMcが選択され、その出力はバックラッシュ制御部12の出力であるBL考慮トルク指令T**となる。これら加算器25、摩擦補償スイッチ26、摩擦補償トルク設定部27によって、本発明の摩擦補償トルク加算部を構成している。
尚、図2、図4、図5、図7、図9では、「加速トルクスイッチ」を「加速スイッチ」に、「摩擦補償スイッチ」を「摩擦スイッチ」に各々略して表記している。
図3に実施例1における演算部24が有する内部モデルのシステム構成図を示す。各ブロックは図1(a)の駆動系の運動方程式、剛性、摩擦等に基づいて配置されている。
図3において減算器31は、入力された制御内モータトルクTMcから、後述の推定負荷トルクTL^を除算器33bのギア比grで除算したトルクを減算する。
減算器31の減算出力には、関数乗算器32のモータトルクからモータ角速度までの伝達関数GωM(s)が乗算されて推定モータ角速度ωM^が演算される。
推定モータ角速度ωM^は除算器33aのギア比grで除算されて減算器34に入力される。減算器34は、除算器33aの出力(モータ側の角速度成分)から、推定負荷トルクTL^に関数乗算器35の負荷トルクから負荷角速度までの伝達関数GωL(s)を乗算した乗算出力(負荷側の角速度成分)を減算する。
減算器34の出力には推定ねじり角速度ωBL^が得られ、該ωBL^を積分器36の積分項1/sにより積分することで推定ねじり角θBL^が得られる。
37は、推定ねじり角θBL^に対する負荷トルクの関係を、不感帯を備えて設定したバックラッシュブロックである。
バックラッシュブロック37の出力トルクには、関数乗算器38のバックラッシュブロックの出力から負荷トルクまでの伝達関数GTL(s)が乗算され、その乗算出力は推定負荷トルクTL^として前記除算器33bおよび関数乗算器35に入力される。
前記得られた推定ねじり角速度ωBL^と推定ねじり角θBL^は、図2の判定部22に出力される。
図3のように構成された内部モデルにおいて、通常はモータ軸2の負荷軸4に対するねじり角にもとづいて負荷トルクが決まるのであるが、歯車(ギア3)がかみ合わない位相では負荷トルクは0か、(機械的な摩擦等考慮した)0に近い値となる。バックラッシュブロック37ではこのねじり角と負荷トルクの関係が表現できるように推定ねじり角θBL^に変更を加えて関数乗算器38の伝達関数GTL(s)への入力を生成する。
図3の内部モデルでは駆動系をモータ側、バックラッシュ、負荷側に分け、負荷側からモータ側に相互作用をフィードバックしている。このバックラッシュを境に分けた駆動系が表現されれば必ずしも図3の形にこだわらずともよい。
伝達関数GωM(s)、GωL(s)、GTL(s)についてはモータ、負荷の単一の運動方程式に限らず駆動系全体について、推定ねじり角θBL^に有意な影響を与える範囲内で全ての運動方程式、摩擦、剛性を考慮するものとする。
バックラッシュブロック37に関して、バックラッシュは不感帯処理と等価とみなしてもよいが不感帯の上限下限が常に一定である必要はない。つまり、負荷との接続変更や熱、摩耗などの考慮で不感帯の上限下限を可変にしてもよい。さらに、必ずしも不感帯で0を出力しなくともよく、実際の物理現象を考慮して不感帯内外で連続的な出力を持つようにしてもよい。
また、この内部モデル全体に関して、各推定量は、入力の制御内モータトルクTMcがそのまま駆動系に与えられたと仮定して求めているものである。
バックラッシュ制御部12の構成を示す図2には、加速トルクスイッチ23、摩擦補償スイッチ26という2つのスイッチが存在するが、これら両スイッチが常にOFFならば図2のバックラッシュ制御部は入力トルク指令T*をそのままトルク指令T**として出力することになる。これはバックラッシュに関係のない通常走行時の動作を示している。つまりバックラッシュ制御部12は、バックラッシュ区間外ではスイッチ23,26を共にOFFにして通常走行に対応し、バックラッシュ区間内では前記スイッチ23,26をそれぞれ適切なタイミングでONにすることでバックラッシュ区間内の特別な制御を可能にしている。
判定部22が行う、加速トルクスイッチ23および摩擦補償スイッチ26のON、OFF判定についてはスイッチ用フローチャートに沿って実行されるものであり、後で図4とともに詳述する。
ここではバックラッシュ内で出力するトルクについて、その役割に応じて摩擦補償トルクと加速トルクの2種類に分けて説明する。
まず、摩擦補償トルクについて説明する。バックラッシュ内では歯車がかみ合うまでの間にギア内に摩擦が発生するが、この分を考慮して補償トルクを出力することでバックラッシュを抜けるまでの時間が長くなるのを防ぐことができる。
摩擦補償スイッチ26がONになったとき、図2に示したようにBL制御の演算における最終段にて摩擦補償トルク設定部27の摩擦補償トルクを加算する。最終段としたのは、仮に入力トルク指令T*に対して初めの処理で加算すると、摩擦補償トルクが演算部24の内部モデルに加算されてしまい、内部モデルが摩擦を考慮していないため、摩擦補償トルクが内部モデルの推定量に意図しない影響をもたらしてしまうためである。それゆえ、直接加算の形ではなく内部モデルで摩擦を考慮したモデルを用いて摩擦補償トルクを生じてもよい。
図1(a)のギア3内の摩擦はモータ軸2と負荷軸4の相対角速度であるねじり角速度ωBLと逆方向に発生するため、その補償である摩擦補償トルクの正負は、内部モデルで演算した推定ねじり角速度ωBL^の正負と同じにする。また、摩擦補償トルクの絶対値については負荷に応じて適切な値を定めることとする。
図10に摩擦補償に関するシミュレーションを示す。ここではモータでギアを介して負荷を回転させる駆動系を考えている。また、各シミュレーションでモータ定数、負荷定数は同一のものを用いている。BL制御部12への入力トルク指令T*は−50Nmから50Nmに向かって毎秒200Nmの変化率で与えた。図10(a)は図1(a)のプラントのギア3におけるねじり角θBLの推移を表し、線101はBL制御無しの場合のシミュレーション結果、線102はBL区間でのトルクを零に抑えた場合のシミュレーション結果、線103は摩擦補償トルクだけ有りとし加速トルクは考慮無しとした場合のシミュレーション結果を各々示している。
図10(b)は図1(a)のプラントのねじり角速度ωBLの推移を表し、線104はBL制御無しの場合のシミュレーション結果、線105はBL区間でのトルクを零に抑えた場合のシミュレーション結果、線106は摩擦補償トルクだけ有りとし加速トルクは考慮無しとした場合のシミュレーション結果を各々示している。
このシミュレーションにおけるバックラッシュ区間は−1<θBL<1の区間である。
図10(a)を見ると、線101で示す「BL(バックラッシュ)制御なし」では3つの結果のうち最も早くバックラッシュを抜けているが、その時間における図10(b)を見ると、線104のようにねじり角速度ωBLが大きく、実際の運転では歯車(ギア3)の衝突時に音を生じてしまう。これを防ぐためにバックラッシュ区間でトルクを0に抑えると図10(a)の線102のようにバックラッシュにいる期間が長くなる。これが応答性の低下を招く恐れがある。
それに対して、図10(a)の線103に示す「摩擦補償有 加速無」では、BLで摩擦分の補償だけ追加し(後述の加速トルクは考慮無し)、線102の「BLでトルク0」よりも速くバックラッシュを抜けており、応答性を改善していることがわかる。バックラッシュを抜けた後、急峻にωBLが変化しているが、これは上位の速度制御が働くためであり、BL制御によるものではない。そして、以降のシミュレーションでもバックラッシュを抜けた後の急峻なωBLの解釈は同様とする。
次に、加速トルクについて説明する。前述の摩擦補償トルクはバックラッシュを抜ける方向と逆方向のトルク成分を打ち消す補償であり、それはとりもなおさず、かみ合っていく速度の減速を防ぐための補償である。ここでは摩擦分が正確に打ち消されたと仮定して、さらに加速するためのトルクを考える。
加速トルクを設けるにあたって注意すべき点は大きく分けて3つある。
1つ目は、適切な加算位置についてである。内部モデルは摩擦を考慮していないため、摩擦補償トルクについては内部モデルに入力されないようにしたが、加速トルクは内部モデルが考慮している成分であるため、内部モデルに入力されなければならない。
2つ目は、トルク指令の上限についてである。バックラッシュを抜ける際、つまり歯車が当たる際にモータトルクが大きいと音を生じて快適なドライビングを阻害する。そのため、バックラッシュ区間内でのトルクは摩擦補償トルクと加速トルクを合わせて音を生じない程度に調節する必要がある。
3つ目は、入力トルク指令の扱いである。例えば上位からの入力トルク指令T*に加速トルクを加算する方式にすると、音を生じない程度に調節したトルク指令にT*が加算され、2つ目で述べたトルク上限を守れない。また他の方法例として、バックラッシュ区間内で単に固定値のトルクにするとバックラッシュ進入後は必ず一定トルクでバックラッシュを抜けてしまい、極低速や停止時の動作に不都合を生じる。
以上3つの注意点を踏まえて、図2のようにトルク指令T*をリミットして、加速トルクを実現する。このとき、リミッタを内部モデルより前とし(1つ目の注意点への対応)、歯車(ギア)の噛み合わせ時に音を生じないトルク値を上下限として(2つ目の注意点への対応)、リミット処理する(3つ目の注意点への対応)ことで対応する。
加速トルク用のリミッタ21はバックラッシュ区間内でのみ有効にしたいため、加速トルクスイッチ23がON制御されたときのみトルク指令T*がリミッタ21を通るように構成している。
図11に加速トルクを設けた場合と設けなかった場合の違いを示す。図11(a)は図1(a)のプラントのねじり角θBLの推移を表し、線101はBL制御無しの場合のシミュレーション結果、線103は摩擦補償トルクだけ有りとし加速トルクは考慮無しとした場合のシミュレーション結果、線107は摩擦補償トルクおよび加速トルクを有りとした場合のシミュレーション結果を各々示している。
図11(b)は図1(a)のプラントのねじり角速度ωBLの推移を表し、線104はBL制御無しの場合のシミュレーション結果、線106は摩擦補償トルクだけ有りとし加速トルクは考慮無しとした場合のシミュレーション結果、線108は摩擦補償トルクおよび加速トルクを有りとした場合のシミュレーション結果を各々示している。
図11では、「BL制御なし」の場合を除いた2つの場合で、共に摩擦補償を適切に行っている。
図11(a)からわかるように、加速トルクによりバックラッシュにいる期間(−1<θBL<1にいる期間)に違いが出ており、線103の「摩擦補償有 加速無」よりも線107の「摩擦補償有 加速有」の方が速くバックラッシュを抜けている。
また、図11(b)に示されるとおり、線108の「摩擦補償有 加速有」のωBLは線104の「BL制御なし」に比べて低く、音の発生を考慮した適切な値にリミットされていることもわかる。したがって線107、線108の「摩擦補償有 加速有」、つまり摩擦補償トルクと加速トルクの2つを設けた場合では歯車(ギア)の衝突音の発生を抑制しつつ、応答性の低下をできるだけ防ぐことができている。
以上がバックラッシュ内での補償トルクについての説明である。
次に、加速トルクスイッチ23、摩擦補償スイッチ26のON、OFFの判定方法を図4とともに説明する。
図4は、図2の判定部22が行う処理(スイッチ用フローチャート)の一例を示し、ステップS1では速度制御部11からのトルク指令T*、図3の内部モデルで演算された推定ねじり角θBL^、推定ねじり角速度ωBL^を入力する。
次にステップS2において、基本的には内部モデルの出力である推定ねじり角θBL^が歯車(ギア3)のバックラッシュ位相範囲内であるか否かを判定し、範囲内であればバックラッシュ区間と判定する(第1の判定処理)。また、バックラッシュ判定基準はθBL^に限らず、例えば図3の推定負荷トルクTL^を用いてもよい。TL^はバックラッシュブロック37の出力を伝達関数GTL(s)に通したものであり、内部モデルがバックラッシュ区間内にあるときにはTL^は0付近となる(そうでないと、バックラッシュ動作が表現できていないことになってしまう)。
以上のように、バックラッシュ判定の最初の分岐(ステップS2)ではバックラッシュ区間内かどうかを判定し、バックラッシュ区間外ならば加速トルクスイッチ23、摩擦補償スイッチ26は共にOFFとなる(加速トルクを生成する処理の不実施および摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定する)(通常走行時の処理)。
ステップS2の判定結果がバックラッシュ区間内であるならば次の分岐(ステップS3)へ向かう。以降の分岐(ステップS3、S4)はチャタリング対策のための処理である。
入力されたトルク指令T*は上位にてアクセルや操作盤の操作量に基づいて演算されたトルク指令であり、停止時などは0に近くなると考えられる。このときゼロクロス付近で上下することが考えられ、バックラッシュを抜けるためのトルクの極性が高速で変わる可能性がある。
このような場合BL制御出力(BL考慮トルク指令T**)がチャタリングを起こすので、これを防ぐためT*に不感帯を設定しておき、不感帯外であればバックラッシュ用のトルクを発生させる(加速トルクスイッチ23のONが確定)。前記不感帯内では適切な補償方向、つまりバックラッシュを抜けたい方向が不明とみなし補償は行わない。すなわち加速トルクスイッチ23、摩擦補償スイッチ26をOFFする(加速トルクを生成する処理の不実施および摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定する)。
そして摩擦補償トルクにはもう一つのチャタリング要因があるためトルク指令T*が不感帯外のときには次の分岐(ステップS4)へ向かうことになる。
摩擦補償トルクの正負は推定ねじり角速度ωBL^の正負と同じにすると前述した。この推定方法ではωBL^がゼロクロス付近の時、摩擦の推定発生方向が高速に切り替わる可能性がある。このとき、摩擦補償トルクの極性が高速で変わり、BL制御出力(T**)がチャタリングを起こす。この対策として推定ねじり角速度ωBL^に不感帯を設定しておき、ステップS4の判定結果が不感帯外であれば摩擦補償トルクを発生させる(摩擦補償スイッチ26のONが確定)(加速トルクを生成する処理の実施および摩擦補償トルク加算処理の実施を決定する)。
推定ねじり角速度ωBL^の不感帯内では摩擦補償の方向は不明だが前段のT*の不感帯判定(ステップS3)でバックラッシュを抜けたい方向はわかったものとみなし加速トルクスイッチ23のみONとする(加速トルクを生成する処理の実施および摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定する)。
また、別の方法で摩擦の方向を推定する場合はその方法に応じて不感帯を設け、チャタリング処理を行うものとする。
ステップS3でのトルク指令T*とステップS4での推定ねじり角速度ωBL^の各不感帯について不感帯幅を定める必要があるが、これはディジタル演算の有効桁数の分解能や誤差、適応補正など検出値への間接的な影響を考慮して、通常は定格の1%以下に設定する。実際のプラントで確認しつつ0.1%程度に設定しても良い。
以上が加速トルクスイッチ23、摩擦補償スイッチ26のON/OFF判定のフローチャートの説明であり、このフローチャートに基づいた制御を行うことによってチャタリングを起こさずにバックラッシュ区間の制御が可能となる。
以上のように本実施例1によれば、バックラッシュ区間を判定し適切なトルクを出力することで、バックラッシュを抜けた際の歯車の衝突音を抑制できる、応答性を必要以上に下げない、制御出力のチャタリングを起こさない、というバックラッシュ区間内の制御を行うことが可能となり、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善できる。
また、先行技術文献に対しては、速度センサを用いる必要がない、応答性、及び衝撃について考慮している、特別な構造を要さず制御上の変更のみで実現できる、振動成分を得るための繰り返しのテスト運転を必要としない、テーブル作成の必要がない、等の利点を持つ。
実施例1では、速度センサを用いることなくバックラッシュ区間を予測し、適切なモータトルクを指令する方法を考えた。しかし駆動系によっては多大な外乱が生じる場合があり、これが内部モデルと実際の駆動系との誤差を生み、バックラッシュに入るタイミングの予測ミスをもたらす。このような駆動系には例えば自動車がある。自動車の運転時には坂道にて自重が外乱として作用する。
この対策として、速度センサを用いることで外乱を補償できるようにしたのが実施例2である。図5は、実施例2における、図1(b)のバックラッシュ制御部12のシステム構成を示している。
図5において、実施例1の図2と異なる点は、例えばモータ1に取り付けた速度センサからの検出モータ角速度ωdetを演算部54に構成した内部モデルに入力し、該検出モータ角速度ωdetと内部モデルで演算された推定角速度ωBL^とを比較してその差分が零となるように、例えばPI制御によって内部モデルにフィードバックすることにあり、その他の部分は図2と同様に構成されている。
判定部22のスイッチ用フローチャート(図4のフロー)によってバックラッシュ区間か否かを考慮して、加速トルクスイッチ23および摩擦補償スイッチ26のON/OFFを決める動作は実施例1の動作と同様に行われる。
本実施例2の演算部54における内部モデルは図6のように構成され、図3と同一部分は同一符号をもって示している。
41は、関数乗算器32で演算された推定モータ角速度ωM^と、入力された検出モータ角速度ωdetの偏差をとる減算器であり、その偏差出力には、ゲイン乗算器42の正の比例ゲインKPおよびゲイン乗算器43の正の積分ゲインKIが各々乗算される。ゲイン乗算器43の出力は積分器44によって積分される。
ゲイン乗算器42の出力(P制御成分)と積分器44の出力(I制御成分)は加算器45で加算され、その加算出力は関数乗算器35の手前にフィードバックされる。
46は、関数乗算器38の出力である推定負荷トルクTL^から加算器45の出力を減算する減算器であり、その減算出力は関数乗算器35に入力される。
図6の内部モデルは、前記減算器41の偏差に対してPI制御を施して、加算器45の出力を減算器46にフィードバックする外乱補償系を備えており、その他の部分は図3と同様に構成されている。
前記PI制御の正の比例ゲインKPと正の積分ゲインKIは、正常な制御の中で外乱補償が行えるよう適切に調整した値を用いるものとする。それ以外のシステム構成、変数名については図3と同じものとする。
前記PI制御のフィードバック位置について、図6では関数乗算器35の伝達関数GωL(s)の手前としているが、推定モータ角速度ωM^と検出モータ角速度ωdetの差分を0にすることは別の位置へフィードバックしても達成出来るため、別の位置、例えば関数乗算器32の伝達関数GωM(s)の手前などにフィードバックしてもよい。その際、フィードバック位置によってはバックラッシュ区間の判定に用いる推定ねじり角θBL^や推定ねじり角速度ωBL^が外乱に対して敏感に変化するため注意する必要がある。そして、外乱が発生した分バックラッシュ区間での加速トルクに対して外乱が加わってしまうため、バックラッシュ区間の制御に影響が出る可能性がある。その場合の補償方法については、まずPI制御の出力、もしくはI項のみをフィードバック位置に応じたゲイン(ギア比等)とかけて推定外乱をモータ軸に換算し、モータトルク外乱とする。そして、モータトルク外乱の分だけ加速トルクの上下リミット値(リミッタ21のリミット値)や摩擦補償トルク設定部27の摩擦補償トルクの値を増減させるなどして補償を行う。
図12にバックラッシュ区間における外乱補償の効果を示す。実施例1とシミュレーション条件は基本的に同じだが、シミュレーション期間中は常に負荷側に一定の定常外乱が印加されているという点が違っている。
図12(a)は図1(a)のプラントのねじり角θBLの推移を表し、線111は外乱補償無し(実施例1)の場合のシミュレーション結果、線112は外乱補償有り(実施例2)の場合のシミュレーション結果を各々示している。
図12(b)は図1(a)のプラントのねじり角速度ωBLの推移を表し、線113は外乱補償無し(実施例1)の場合のシミュレーション結果、線114は外乱補償有り(実施例2)の場合のシミュレーション結果を各々示している。
図12(c)は外乱補償無し(実施例1)の場合のねじり角θBLの推移を表し、線115は内部モデルで推定演算したねじり角のシミュレーション結果、線116は図1(a)のプラントのねじり角のシミュレーション結果を各々示している。
図12(d)は外乱補償有り(実施例2)の場合のねじり角θBLの推移を表し、線117は内部モデルで推定演算したねじり角のシミュレーション結果、線118は図1(a)のプラントのねじり角のシミュレーション結果を各々示している。
尚、図12(c)、(d)では、外乱によるバックラッシュ区間推定への影響をより詳しく見るためにプラントと内部モデルのねじり角を比較しており、図12(a)、(b)よりもバックラッシュ付近を拡大している。
図12(a)、(b)を見ると外乱補償を行っている実施例2(線112、114)の方がバックラッシュを速く抜けており、外乱補償によって応答性が改善していることがわかる。
図12(c)の外乱補償無の場合では、プラントのθBL(線116)と内部モデルで推定したθBL^(線115)との誤差が大きく、プラントのθBLはバックラッシュを抜けているにもかかわらず推定したθBL^がバックラッシュ区間にいる(バックラッシュ区間外でバックラッシュ区間用のトルクを出してしまう)期間が、図12(d)の外乱補償有りの場合より長くなってしまっている。この推定誤差が応答性に影響して図12(a)、(b)における外乱補償有、無の結果の違いを生じている。
今回の外乱の極性では応答性の低下を補償により改善した形だが、逆の極性の場合を考えてみる。この場合推定誤差によって実際より早くバックラッシュを抜けたと判断するため応答性が低下することはないが、トルクが通常走行扱いとなりリミットされないため衝撃で音を生じてしまう。よって、外乱の極性が違ったとしても応答性以外の問題から外乱補償は必要となると言える。
以上のように実施例2では実施例1の内容に加えて、検出モータ角速度に基づいてフィードバックを行うことで外乱を補償することができる。
これによって、バックラッシュを抜けた際の歯車の衝突音を抑制できる、応答性を必要以上に下げない、制御出力のチャタリングを起こさない、外乱による推定誤差がもたらす制御性能低下を防げる、というバックラッシュ区間内の制御を行うことができ、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善できる。
また、先行技術文献に対しては、応答性、及び衝撃について考慮している、特別な構造を要さず制御上の変更のみで実現できる、振動成分を得るための繰り返しのテスト運転を必要としない、テーブル作成の必要がない、外乱の影響を考慮している、等の利点を持つ。
実施例1ではバックラッシュ区間内の応答性、衝撃について両立できるトルク値を設定することにしていた。しかし、歯車(ギア3)がかみ合うまでの時間、そして衝撃に寄与する運動量については速度が問題となる。また、実施例1の場合はバックラッシュ区間内にて一定トルクで加速し続けるためバックラッシュの角度に関するモデルデータに対してプラントのバックラッシュが大きいと加速しすぎてしまい、音を生じてしまうというパラメータ誤差に起因する問題も存在する。これらの対策として、実施例3では速度を基準に制御を行うことでバックラッシュ区間の制御性能を向上させた。
このとき重要な点は、摩擦補償トルクについては摩擦として発生しているトルク成分への補償のため、これについては実施例1と同様に補償を行う必要があるという点である。よって、加速トルクについて速度を基準にした制御を行う。
図7は、実施例3における図1(b)のバックラッシュ制御部12のシステム構成を示している。図7において、実施例1の図2と異なる点は、加速トルク生成部として前記リミッタ21に代えて、バックラッシュ速度制御部80を設け、演算部24の内部モデルで演算された推定ねじり角速度ωBL^をバックラッシュ速度制御部80に入力し、バックラッシュ速度制御部80からトルク指令Tsを出力することにあり、その他の部分は図2と同様に構成されている。
また、判定部22のスイッチ用フローチャート(図4のフロー)によってバックラッシュ区間か否かを考慮して、加速トルクスイッチ23および摩擦補償スイッチ26のON/OFFを決める動作は実施例1の動作と同様に行われる。
バックラッシュ速度制御部80は、演算部24の内部モデルで演算された推定ねじり角速度ωBL^を取り込み、該推定ねじり角速度ωBL^が、設定した速度指令ωBL *となるように速度制御(例えばPI制御)するものであり、例えば図8のように構成されている。
図8において、81は速度指令ωBL *が設定される速度指令設定部であり、この速度指令ωBL *は減算器82において、演算部24の内部モデルで演算された推定ねじり角速度ωBL^との偏差がとられる。
減算器82の偏差出力には、ゲイン乗算器83の正の比例ゲインKPBLおよびゲイン乗算器84の正の積分ゲインKIBLが各々乗算される。ゲイン乗算器84の出力は積分器85によって積分される。
ゲイン乗算器83の出力(P制御成分)と積分器85の出力(I制御成分)は加算器86で加算され、その加算出力はトルク指令Tsとして、加速トルクスイッチ23のトルク指令Ts選択側接点に入力される。
上記のように実施例3では、負荷軸4に対するモータ軸2のねじり角速度ωBLについて速度制御を行うことで加速トルクを決めている。推定ねじり角速度ωBL^に対する速度指令ωBL *はバックラッシュを抜けようとする方向の正負を考えて設定する。
ここで、バックラッシュ速度制御の注意点について述べる。速度指令ωBL *に関して、バックラッシュ区間内の始めのうちは高速に制御し、のちに歯車(ギア3)の当たる衝撃が音を発生しないよう減速するようなωBL *が望ましいが、バックラッシュの角度に関するモデルデータとプラントの誤差などが原因で高速のまま歯車をぶつけてしまう危険もあるため、バックラッシュ区間内では衝撃が音を発生しないωBL *で一定にしてもよい。
PI制御の積分ゲインKIBLについて、バックラッシュ区間内にいる期間は一般に1s以下であることから積分項による十分な速度追従は望みにくいこと、及びバックラッシュ区間に入ったときに積分器85が異常な値を持っていないよう適切にリセットする機構が実装上必要となり制御システムが複雑化することを考慮し、KIBLを0に設定、つまり比例制御のみの形に簡略化してもよい。
出力トルク指令Tsについて、PI制御が大きなトルク指令を演算する可能性があるためリミッタを通して出力してもよいが、その際リミッタの上限下限の絶対値を実施例1で設置されていたリミッタ21の絶対値以下にすると実施例1より加速性能が劣ってしまうため、リミッタの上限下限は注意して定める必要がある。
図13にバックラッシュ区間におけるBL速度制御の効果を示す。図13では、リミッタのみの実施例1とBL速度制御を用いた実施例3を比較している。シミュレーションでは応答性よりも過大な加速による音の発生を考慮してバックラッシュ速度制御部80の速度指令ωBL *は一定に保った。また、PI制御は前述の理由からP制御のみに簡略化している。
図13(a)は図1(a)のプラントのねじり角θBLの推移を表し、線121はリミッタのみ(実施例1)の場合のシミュレーション結果、線122はBL速度制御を用いた実施例3の場合のシミュレーション結果を各々示している。
図13(b)は図1(a)のプラントのねじり角速度ωBLの推移を表し、線123はリミッタのみ(実施例1)の場合のシミュレーション結果、線124はBL速度制御を用いた実施例3の場合のシミュレーション結果を各々示している。
図13(a)のねじり角θBLのグラフでは実施例1(線121)の方がわずかに早くバックラッシュを抜けているが、あまり大きな違いは見られない。そして、図13(b)のグラフを見て速度制御性能を確認したい。実施例1(線123)ではトルクが一定のためねじり角速度ωBLは一定の加速度で加速している。それに対し実施例3(線124)では速度制御によってねじり角速度ωBLは一定速に保たれている。
このことから、仮に実際のプラントのバックラッシュ角度θBLがモデルデータよりも大きかった際、実施例1では過大な加速で音を生じてしまうのに対し、実施例3では速度を保っているためその問題が生じないことが言える。
このため、実施例3では実施例1よりもパラメータ誤差に強いBL制御が可能となる。また、BL速度制御についてバックラッシュ区間内の始めのうちは高速に制御し、のちに歯車(ギア3)の当たる衝撃が音を発生しないよう減速する方式にすればパラメータ誤差へのロバスト性の代わりに応答性を改善することも可能である。
以上のように実施例3によれば、バックラッシュ区間を判定し負荷軸に対するモータ軸のねじり角速度を適切に制御するトルクを出力することで、バックラッシュを抜けた際の歯車の衝突音を抑制できる、応答性を必要以上に下げない、制御出力のチャタリングを起こさない、実施例1よりパラメータ誤差の影響を受けにくい、というバックラッシュ区間内の制御を行うことができ、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善できる。
また、先行技術文献に対しては、速度センサを用いる必要がない、応答性、及び衝撃について考慮している、特別な構造を要さず制御上の変更のみで実現できる、振動成分を得るための繰り返しのテスト運転を必要としない、テーブル作成の必要がない、テーブルに比べパラメータ誤差にロバストな制御にできる、等の利点を持つ。
実施例2の外乱補償と実施例3のBL速度制御は、変更位置の違いから相互に悪影響を及ぼすことなく組み合わせて用いることができる。そこで実施例4では、図1(b)のバックラッシュ制御部12を、実施例2と実施例3を組み合わせて図9の構成とした。
図9において図5と異なる点は、リミッタ21がバックラッシュ速度制御部80に置き換わっていること、演算部54の内部モデルから出力された推定ねじり角速度ωBL^がバックラッシュ速度制御部80に入力されていること、リミッタ出力のリミットトルク指令Tlimがバックラッシュ速度制御部80の出力のトルク指令Tsに置き換わっていること、の3点である。それ以外のシステム構成、変数名については図5と同じものである。
また、バックラッシュ制御以外のシステム構成、変数および動作については図1、図4、図6、図7、図8に基くものとする。
実施例4によれば、バックラッシュ区間を判定し負荷軸に対するモータ軸のねじり角速度を適切に制御するトルクを出力し、モータ角速度の検出と推定の比較から外乱補償を行うことで、バックラッシュを抜けた際の歯車の衝突音を抑制できる、応答性を必要以上に下げない、制御出力のチャタリングを起こさない、外乱による推定誤差がもたらす制御性能低下を防げる、実施例1よりもパラメータ誤差の影響を受けにくい、というバックラッシュ区間内の制御を行うことができ、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系の運転性能を改善できる。
また、先行技術文献に対しては、応答性、及び衝撃について考慮している、特別な構造を要さず制御上の変更のみで実現できる、振動成分を得るための繰り返しのテスト運転を必要としない、テーブル作成の必要がない、外乱の影響を考慮している、テーブルに比べパラメータ誤差にロバストな制御にできる、等の利点を持つ。
1…モータ
2…モータ軸
3…ギア
4…負荷軸
5…負荷
11…速度制御部
12…バックラッシュ制御部
13…電流制御部
14…インバータ
21…リミッタ
22…判定部
23…加速トルクスイッチ
24、54…演算部
25、45、86…加算器
26…摩擦補償スイッチ
27…摩擦補償トルク設定部
31、34、41、46、82…減算器
32、35、38…関数乗算器
33a、33b…除算器
36、85…積分器
37…バックラッシュブロック
42、43、83、84…ゲイン乗算器
80…バックラッシュ速度制御部
81…速度指令設定部

Claims (6)

  1. インバータに接続された電動機によって、ギアを介して負荷を駆動する電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置であって、
    バックラッシュ区間を判定する手段を有し、設定された速度指令に対応するトルク指令が入力され、バックラッシュ区間内でトルクを加速させるための、前記トルク指令に対して制限をかけた加速トルクを生成する処理と、バックラッシュ区間を抜ける方向と逆方向のトルク成分を打ち消すための摩擦補償トルクを、前記加速トルクに加算する摩擦補償トルク加算処理とを実施してバックラッシュ考慮トルク指令を演算するバックラッシュ制御部を備え、
    前記バックラッシュ制御部は、
    前記加速トルクを生成する処理の実施が決定されたときに加速トルクを生成する加速トルク生成部と、
    バックラッシュ区間における電動機−ギア間のモータ軸とギア−負荷間の負荷軸とのねじり角に対する負荷トルクの関係を、不感帯を備えて設定したバックラッシュブロックを境とし、電動機側ブロック、バックラッシュブロック、負荷側ブロックに分けて前記電動機駆動系を表現した内部モデルを有し、前記内部モデルによって、前記加速トルク生成部の出力トルクから、推定モータ角速度を演算し、前記モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角速度と、前記モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角又は推定負荷トルクを演算して出力する演算部と、
    前記摩擦補償トルク加算処理の実施が決定されたときに、前記加速トルク生成部の出力トルクに対して摩擦補償トルクを加算する摩擦補償トルク加算部と、
    前記演算部で演算されたモータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角または推定負荷トルクと、モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角速度と、前記速度指令に対応するトルク指令とを入力とし、バックラッシュ区間であるか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて、前記加速トルク生成部における加速トルクを生成する処理の実施、不実施の決定、前記摩擦補償トルク加算部における摩擦補償トルク加算処理の実施、不実施の決定を行う判定部と、を備え、
    前記バックラッシュ制御部で演算されたバックラッシュ考慮トルク指令に基づいて前記インバータを制御することを特徴とする電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置。
  2. 前記加速トルク生成部は、入力されたトルク指令に対して上限、下限の制限をかけるリミッタを有していることを特徴とする請求項1に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置。
  3. 前記加速トルク生成部は、前記内部モデルで演算された推定ねじり角速度が、設定した速度指令となるように速度制御するバックラッシュ速度制御部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置。
  4. 前記内部モデルは、前記電動機の角速度を検出した検出モータ角速度と前記演算された推定モータ角速度との偏差をとり、その偏差分が零となるように内部モデルにフィードバックする外乱補償系を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置。
  5. 前記判定部は、
    前記モータ軸の負荷軸に対する推定ねじり角が前記ギアのバックラッシュ位相範囲内であるか、又は推定負荷トルクが零付近であるとき、バックラッシュ区間であると判定し、それ以外はバックラッシュ区間でないと判定する第1の判定処理と、
    前記第1の判定処理によりバックラッシュ区間であると判定された場合に、前記速度指令に対応するトルク指令が、設定した不感帯内であるか否かを判定する第2の判定処理と、
    前記第2の判定処理により不感帯内でないと判定された場合に、推定ねじり角速度が、設定した不感帯内であるか否かを判定する第3の判定処理とを行い、
    前記第1の判定処理によりバックラッシュ区間でないと判定された場合と、第2の判定処理によりトルク指令が不感帯内であると判定された場合に、前記加速トルクを生成する処理の不実施および摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定し、
    前記第3の判定処理により推定ねじり角速度が不感帯内であると判定された場合に、前記加速トルクを生成する処理の実施を決定し、摩擦補償トルク加算処理の不実施を決定し、
    前記第3の判定処理により推定ねじり角速度が不感帯内でないと判定された場合に、前記加速トルクを生成する処理の実施および摩擦補償トルク加算処理の実施を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の電動機駆動系におけるバックラッシュ制御装置を実行することを特徴とする電動機駆動系におけるバックラッシュ制御方法。
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