JP6716993B2 - 磁石温度推定方法、及び、磁石温度推定装置 - Google Patents

磁石温度推定方法、及び、磁石温度推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁石温度推定方法、及び、磁石温度推定装置に関する。
同期電動機であるモータの一つとして、回転子に永久磁石を備える永久磁石型のモータが知られている。このような永久磁石型のモータにおいては、固定子に設けられたコイルに電圧が印加されると回転磁界が発生し、回転磁界が永久磁石に作用することにより、回転子が固定子内にて回転する。
一般に、モータの回転速度が速くなるほど、回転子に設けられた永久磁石の温度が上昇する。一方で、永久磁石は、ある上限温度を超えると不可逆に消磁してしまい磁力を失ってしまう。そのため、永久磁石の温度を測定し、永久磁石が上限温度に達しないようにモータの回転速度を制限する必要がある。
永久磁石の温度を測定するために温度センサを用いると、温度センサを回転子に組み込む必要があるため、モータの小型化が困難になる。そこで、温度センサを用いずに永久磁石の温度を推定する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、モータに印加される電流と、固定子にて発生する誘起電圧とを用いて、永久磁石の温度を推定する方法が開示されている。
特開2007−6613号公報
特許文献1に開示された方法では、モータの回転速度が遅い場合には、誘起電圧が小さくなるため、永久磁石の温度の推定精度が悪くなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、モータの回転子が備える永久磁石の温度の推定精度を向上させることができる、磁石温度推定方法、及び、磁石温度推定装置を提供することである。
本発明の磁石温度推定方法の一態様は、コイルを備える固定子と永久磁石を備える回転子からなるモータであって、キャリア波を用いて電力変換を行うPWMインバータからの印加電圧に応じて駆動するモータにおける永久磁石の温度を推定する磁石温度推定方法であって、回転子を回転駆動させる基本波周波数の交流電圧を、PWMインバータを用いて固定子に印加する電圧印加ステップと、PWMインバータにおいて電力変換に伴って発生するキャリア高調波に応じた周波数の電圧及び電流からインピーダンスを測定し、該インピーダンスに応じて永久磁石の温度を推定する温度推定ステップと、を有する。
本発明によれば、モータの駆動に用いる基本波周波数とは異なる周波数のキャリア高調波が重畳された電圧がモータに印加され、そのキャリア高調波に応じたインピーダンスを測定する。測定されたインピーダンスは永久磁石の温度と相関があるため、測定されたインピーダンスを用いて永久磁石の温度を測定することができる。このようにすることで、モータの回転速度によらず永久磁石の温度を推定することができるので、永久磁石の温度の推定精度を向上させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態の磁石温度推定方法の説明図である。 図2は、磁石温度推定方法の他の説明図である。 図3は、磁石温度推定装置及びモータの概略構成図である。 図4は、第2実施形態の磁石温度推定装置及びモータの概略構成図である。 図5は、第3実施形態の磁石温度推定装置及びモータの概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁石温度推定方法について説明する。
まず、図1を用いて、磁石温度推定方法によってモータの回転子が備える永久磁石の温度を推定する原理について説明する。
図1は、磁石温度推定方法によるモータが備える永久磁石の温度を推定する原理の説明図である。図1(a)には、モータの概略構成が示されており、図1(b)には、図1(a)のモータと等価な磁束回路が示されている。なお、磁石温度推定方法を行う磁石温度推定装置は、モータの回転制御を行うとともに、モータの回転子が備える永久磁石の温度を推定する。
図1(a)に示されるように、モータ1は、固定子2と、固定子2内にて回転する回転子3とにより構成されている。固定子2に設けられたティース4にはコイル5が巻回されている。また、コイル5には外部に設けられた磁石温度推定装置から電圧が印加可能に構成されている。一方、回転子3には永久磁石6が設けられている。コイル5に磁石温度推定装置から基本波周波数の交流電圧が印加されると、コイル5にて発生する回転磁束と永久磁石6の磁束とが誘引又は反発をすることで、回転子3が固定子2内で回転する。
ここで、磁石温度推定装置が永久磁石6の温度を推定する方法について説明する。
磁石温度推定装置は、モータ1の回転駆動に用いる基本波周波数の交流電圧に対して、基本波周波数よりも周波数が高い高調波の電圧を重畳させ、その重畳させた交流電圧をコイル5に印加する。このようにコイル5に高調波成分を有する電圧が印加されると、コイル5と永久磁石6との間には高調波成分の磁束が発生する。すると、永久磁石6の表面において、コイル5の磁界の高調波成分に応じて渦電流が発生するため、永久磁石6はインダクタンス成分を有することになる。このようにして、モータ1が回転しているときには、固定子2と回転子3とによる磁束回路が構成されることになる。
図1(b)には、図1(a)と等価な磁束回路が示されている。この図においては、印加電圧の高調波成分(高調波電圧)Vhと、コイル5に流れる電流の高調波成分(高調波電流)Ihとが示されている。なお、固定子2のコイル5の抵抗成分がRc、インダクタンス成分がLcとして示されている。また、回転子3の抵抗成分がRx、インダクタンス成分がLxとして示されている。そして、高調波電圧Vhと高調波電流Ihとから、Zh=Vh/Ihの関係を用いて高調波インピーダンスZhを求めることができる。この高調波インピーダンスZhは永久磁石6の温度と相関があるため、高調波インピーダンスZhを用いて永久磁石6の温度を推定することができる。
従って、磁石温度推定装置は、モータ1を回転駆動させるために用いる基本波周波数の電圧に基本波周波数よりも周波数が高い高調波成分が重畳された電圧をモータ1に印加する。そして、磁石温度推定装置は、高調波成分に対応する高調波インピーダンスZhを測定する。磁石温度推定装置は、測定した高調波インピーダンスZhと、予め記憶している高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度との相関関係とを用いて、永久磁石6の温度を推定する。
ここで、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度との相関関係は、高調波成分の周波数に応じて異なることが知られている。また、これらの相関関係は、モータ1の特性に応じても異なる。
図2は、種々のモータにおける高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度との相関関係を示す図である。縦軸は、相関関係の強さに応じた感度を示し、横軸は重畳される高調波成分の周波数が示されている。縦軸方向の値が大きくなり、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度との相関関係が強くなるほど、単位温度あたりのインピーダンスの変化量が大きくなるため、永久磁石6の温度の推定精度が向上する。この図においては、一点破線でモータAの相関関係が、二点破線でモータBの相関関係が、実線でモータCの相関関係が示されている。
磁石温度推定装置は、概ね1000Hzくらいまでの周波数であれば高調波成分の信号を生成可能である。そのため、例えば、モータAについては、相関関係が強くなる高調波成分の周波数(概ね100〜200Hz)の信号を生成することができる。しかしながら、モータBにおいて相関関係が強くなる1000〜2000Hzや、モータCにおいて相関関係が強くなる10000〜20000Hzの高調波成分の信号を意図的に生成することが難しい。
ここで、モータの中には、PWMインバータを用いて直流電圧を交流電圧に変換し、この変換された交流電圧が印加されるものがある。このようなモータのPWMインバータにおいては、キャリア波を用いたインバータの駆動に伴って、キャリア高調波が発生する。一般に、キャリア高調波は1000Hzよりも高いため、このキャリア高調波を用いることで、モータB及びCであっても、磁石温度を高い精度で推定することができる。
図3は、磁石温度推定装置及びモータの概略構成図である。なお、各構成の入出力の線に付された2本斜線および3本斜線は、それぞれ、各構成にて入出力される値が2次元、3次元のベクトルであることを示している。
この図3には、モータ1と磁石温度推定装置100とが示されている。
磁石温度推定装置100により実現される機能の概略は以下の通りである。基本波電流指令値生成部101から出力される基本波電流指令値idsf*、iqsf*に応じて、基本波周波数の交流電力がモータ1に印加されることで、モータ1は所望の回転速度で回転する。あわせて、PWMインバータが用いられている電力変換部105においてはキャリア高調波が発生するので、モータ1にはキャリア高調波が重畳された電圧が印加される。そして、インピーダンス算出部113が、キャリア高調波に応じた電圧及び電流を用いて高調波インピーダンスZhを算出する。磁石温度推定部114は、その高調波インピーダンスZhに応じて、モータ1の回転子3が備える永久磁石6の温度Tmを推定する。
磁石温度推定装置100の詳細な構成について説明する。
基本波電流指令値生成部101は不図示の操作手段からの入力に応じて、モータ1が所望の回転速度で駆動するような基本波電流指令値idsf*、iqsf*を減算器102に出力する。
減算器102は、基本波電流指令値idsf*、iqsf*から基本波電流検出値idsf、iqsfをそれぞれ減算し、これらの減算結果を電流制御部103に出力する。なお、基本波電流検出値idsf、iqsfは、モータ1へ流れる電流の検出値の基本波成分である。
電流制御部103は、減算器102における減算結果がそれぞれゼロに近づくように、電圧指令値vd*、vq*を座標変換部104に出力する。具体的には、電流制御部103は、基本波電流指令値idsf*、iqsf*と、基本波電流検出値idsf、iqsfとの偏差がなくなるように比例積分制御を行う。
座標変換部104は、電流制御部103から出力された電圧指令値vd*、vq*に対して、回転座標(dq軸)から3相座標(uvw相)への変換を行い、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を算出する。そして、座標変換部104は、算出した3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を、電力変換部105に出力する。
電力変換部105は、例えばコンバータとインバータで構成される電力変換回路を備えている。また、電力変換部105には、不図示のバッテリーから直流電圧が供給されている。電力変換部105は、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を用いたインバータ制御を行うことで、直流電圧を交流である3相電圧vu、vv、vwに変換してモータ1に出力する。なお、インバータがキャリア周波数のキャリア波に応じて駆動する際に、キャリア周波数に応じたキャリア高調波が発生する。そのため、電力変換部105から出力される3相電圧vu、vv、vwには、キャリア高調波が重畳されている。
電流検出部106は、磁石温度推定装置100からモータ1へと流れる3相電流iu、iv、iwを検出する。そして、電流検出部106は、検出した電流値である3相電流iu、iv、iwを座標変換部107に出力する。座標変換部107は、3相をdq軸座標に変換し、座標変換したdq軸の電流値をバンドストップフィルター(BSF)108、及び、バンドパスフィルター(BPF)109に出力する。
BSF108は、基本波周波数以外の周波数を通過させない性質を有しており、基本波周波数成分のみからなる基本波電流検出値idsf、iqsfを減算器102に出力する。一方、BPF109は、高調波成分に応じた周波数を通過させる性質を有しており、高調波成分に対応する高調波電流検出値idsc、iqscをインピーダンス算出部113に出力する。
電圧検出部110は、磁石温度推定装置100からモータ1に印加される電圧vu、vv、vwを検出する。そして、電圧検出部110は、検出した電流値である3相電圧vu、vv、vwを座標変換部111に出力する。座標変換部111は、3相をdq軸座標に変換し、座標変換したdq軸の電圧値を、バンドパスフィルター(BPF)112に出力する。BPF112は、高調波成分に応じた周波数を通過させる性質を有しており、高調波成分に対応する高調波電圧検出値vdsc、vqscを、インピーダンス算出部113に出力する。
インピーダンス算出部113は、入力された、高調波電圧検出値vdsc、vqscと、高調波電流検出値idsc、iqscとを用いて高調波インピーダンスZhを算出する。そして、インピーダンス算出部113は、算出した高調波インピーダンスZhを磁石温度推定部114に出力する。
高調波インピーダンスZhは、固定子2の永久磁石6の温度Tmと相関関係がある。そのため、磁石温度推定部114は、その相関関係を示すテーブルを予め記憶しておき、入力される高調波インピーダンスZhと記憶しているテーブルとを用いて、永久磁石6の温度Tmを推定する。
なお、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの相関関係は、q軸方向の電流及び電圧にて求められる高調波インピーダンスZhよりも、d軸方向の電流及び電圧にて求められる高調波インピーダンスZhのほうが強い。そのため、インピーダンス算出部113は、高調波電圧検出値vdscと高調波電流検出値idscとを用いて、d軸方向の高調波インピーダンスZhを測定し、磁石温度推定部114は、このd軸方向の高調波インピーダンスZhを用いて永久磁石6の温度Tmを推定する。
また、電力変換部105において発生するキャリア高調波は、絶対座標系においてはキャリア周波数の奇数倍の周波数であるため、回転座標系においてはキャリア周波数の偶数倍の周波数となる。したがって、磁石温度推定装置100は、キャリア周波数の偶数倍のキャリア高調波に応じた電圧及び電流から、高調波インピーダンスを測定して永久磁石6の温度Tmを推定する。
第1実施形態の磁石温度推定方法よれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の磁石温度推定方法によれば、基本波電流指令値生成部101から出力される基本波電流指令値idsf*、iqsf*に応じてモータ1に電圧が印加される電圧印加ステップが実行される。ここで、PWMインバータを有する電力変換部105においてはキャリア周波数の信号を用いて直流電圧から交流電圧への変換を行っており、この変換の過程においてキャリア高調波が発生する。そのため、電圧印加ステップにおいては、キャリア高調波が基本波周波数の信号に重畳された電圧がモータ1に印加されることになる。
基本波周波数よりも周波数の高いキャリア高調波に応じた電圧及び電流によって、高調波インピーダンスZhが求められる。この高調波インピーダンスZhは、モータ1の回転子3が備える永久磁石6の温度Tmと相関関係がある。そのため、磁石温度推定部114は、インピーダンス算出部113にて算出された高調波インピーダンスZhと、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの相関関係とを用いて、永久磁石6の温度Tmを推定する温度推定ステップを実行する。
このようにすることで、高調波の電流を重畳させる構成を用いることなく永久磁石6の温度Tmを推定することができる。また、重畳部を設けたとしても、重畳部にて生成可能な高調波の周波数に上限がある。そのため、モータによっては、重畳部にて生成される高調波の周波数では高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの相関関係が弱く、永久磁石6の温度Tmの推定精度が低くなってしまうことがある。しかしながら、PWMインバータにおいて発生されるキャリア高調波は、重畳部で生成可能な上限よりも周波数が高い。そこで、重畳部で生成可能な上限よりも周波数が高いキャリア高調波を用いることにより、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの相関関係が強くなるので、モータの種類によらず高い精度で永久磁石6の温度Tmを推定することができる。
また、第1実施形態の磁石温度推定方法によれば、インピーダンス算出部113におけるインピーダンスの算出に用いられる高調波電圧検出値vdsc、vqsc、及び、高調波電流検出値idsc、iqscを検出するために、高調波成分を通過させるBPF109、112によるフィルター処理ステップが実行される。
このようにすることで、モータ1に流れる電流、及び、モータ1への印加電圧の検出精度を向上させることができるので、算出するインピーダンスの精度が向上する。したがって、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上することができる。
また、第1実施形態の磁石温度推定方法によれば、磁石温度推定部114は、高調波電圧検出値vdscと高調波電流検出値idscとを用いて、d軸方向の高調波インピーダンスZhを測定し、このd軸方向の高調波インピーダンスZhを用いて永久磁石6の温度Tmを推定する。
高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの相関関係は、q軸成分の高調波インピーダンスZhよりも、d軸成分の高調波インピーダンスZhのほうが強い。そのため、d軸方向の高調波インピーダンスZhを用いて永久磁石6の温度Tmを推定することで、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させることができる。
また、第1実施形態の磁石温度推定方法によれば、磁石温度推定部114は、予め記憶している、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの関係を示したテーブルを用いて、永久磁石6の温度Tmを推定する。このようにすることで、磁石温度推定部114における処理負荷を軽減することができるとともに、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させることができる。
また、第1実施形態の磁石温度推定方法によれば、磁石温度推定装置100は、キャリア周波数の偶数倍のキャリア高調波に応じた高調波インピーダンスZhを算出し、算出した高調波インピーダンスZhを用いて永久磁石6の温度Tmを推定する。このようにすることで、予め測定に用いるキャリア高調波の周波数に応じた回路設計をすることができるので、推定精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させる一例について説明する。
図4は、第2実施形態の磁石温度推定装置及びモータの構成を示す図である。この磁石温度推定装置は、図3に示した第1実施形態の構成と比較すると、モータ1の固定子2のコイル5の温度Tcを測定する固定子コイル温度取得部201がさらに設けられている点が異なる。
モータ1の固定子2のコイル5の近傍に例えば温度計などの温度測定手段が設けられており、固定子コイル温度取得部201と温度測定手段が接続されている。そして、固定子コイル温度取得部201は、取得したコイル5の温度Tcを磁石温度推定部114に出力する。
ここで、インピーダンス算出部113が算出する高調波インピーダンスZhにはコイル5の抵抗値Rcが含まれている。このコイル5の抵抗値Rcは温度Tcに応じて変化する。そこで、磁石温度推定部114は、予め記憶しているコイル5の温度Tcとコイル5の抵抗値Rcとの関係を用いて、コイル5の抵抗値Rcを推定する。そして、磁石温度推定部114は、高調波インピーダンスZhから推定したコイル5の抵抗値Rcを減ずる。
磁石温度推定部114は、コイル5の抵抗値を含まない高調波インピーダンスZhと、永久磁石6の温度Tmとの相関関係を記憶している。そのため、磁石温度推定部114は、この相関関係と、高調波インピーダンスZhからコイルの抵抗値Rcを減じた結果とを用いて、永久磁石6の温度Tmを推定する。
第2実施形態の磁石温度推定方法よれば、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態の磁石温度推定方法によれば、コイル5の温度Tmを測定するコイル温度推定ステップと、コイル5の温度Tmに応じてコイル5の抵抗値Rcを求め、算出した高調波インピーダンスZhから求めたコイル5の抵抗値Rcを減ずることで、高調波インピーダンスZhの値を補正する補正ステップとが実行される。このようにすることで、コイル5の温度Tcに応じて変化する抵抗値Rcの高調波インピーダンスZhへの影響を排除することができるため、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させることができる。
また、第2実施形態の磁石温度推定方法によれば、予め記憶しているコイル5の温度Tcと抵抗値Rcとの関係を用いて、コイル5の抵抗値Rcを求める。このようにすることで、磁石温度推定部114の処理負荷を軽減することができる。さらに、正確なコイル5の値を考慮して高調波インピーダンスZhを求めることができるので、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させる他の一例について説明する。
図5は、第3実施形態の磁石温度推定装置及びモータの構成を示す図である。この磁石温度推定装置は、図3に示した第1実施形態の構成と比較すると、インピーダンス算出部113と磁石温度推定部114との間に補償部301が設けられている点が異なる。
ここで、モータ1を駆動に用いられる基本波周波数の電流の大きさ及び周波数が異なると、高調波インピーダンスZhと永久磁石6の温度Tmとの相関関係が異なることが知られている。そこで、補償部301は高調波インピーダンスZhに対して基本波周波数の電流に応じた補償処理を行い、補償処理後の高調波インピーダンスZh’を磁石温度推定部114に出力する。このようにすることで、磁石温度推定部114による永久磁石6の温度Tmの推定の精度を向上させることができる。なお、この補償処理においては、予め記憶している基本周波数の電流と高調波インピーダンスZhに対する補償量との関係を示すテーブルが用いられる。
第3実施形態の磁石温度推定方法よれば、以下の効果を得ることができる。
第3実施形態の磁石温度推定方法によれば、補償部301によって、基本波周波数成分に応じて高調波インピーダンスZhを補償する補償ステップが実行される。このようにすることで、基本周波数成分に応じた相関関係の違いが補償された高調波インピーダンスZh’が求められる。したがって、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させることができる。
また、第3実施形態の磁石温度推定方法によれば、補償部301においては、予め記憶している基本周波数の電流と高調波インピーダンスZhに対する補償量との関係を示すテーブルが記憶されている。そして、補償部301は、基本周波数の電流の大きさとこのテーブルを用いて、高調波インピーダンスZhに対する補償量を求める。このようにすることで、磁石温度推定部114の処理負荷を軽減することができる。さらに、補償量をより正確に求めることができるので、永久磁石6の温度Tmの推定精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
1 モータ
2 固定子
3 回転子
5 コイル
6 永久磁石
100 磁石温度推定装置
101 基本波電流指令値生成部
105 電力変換部
106 電流検出部
107 座標変換部
108 バンドストップフィルター(BSF)
109、112 バンドパスフィルター(BPF)
110 電圧検出部
113 インピーダンス算出部
114 磁石温度推定部
201 固定子コイル温度取得部
301 補償部

Claims (10)

  1. コイルを備える固定子と永久磁石を備える回転子からなるモータであって、キャリア波を用いて電力変換を行うPWMインバータからの印加電圧に応じて駆動するモータにおける前記永久磁石の温度を推定する磁石温度推定方法であって、
    前記回転子を回転駆動させる基本波周波数の交流電圧を、前記PWMインバータを用いて前記固定子に印加する電圧印加ステップと、
    前記PWMインバータにおいて前記電力変換に伴って発生するキャリア高調波に応じた周波数の電圧及び電流からインピーダンスを測定し、該インピーダンスに応じて前記永久磁石の温度を推定する温度推定ステップと、を有する、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  2. 請求項1に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記PWMインバータと前記モータとの間の電圧及び電流を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップにて測定される電圧及び電流に対して、前記キャリア高調波に応じた周波数の信号を通過させるバンドパスフィルター処理を行うフィルター処理ステップと、をさらに有する、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記温度推定ステップにおいては、前記インピーダンスのd軸成分を用いて前記永久磁石の温度を推定する、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記温度推定ステップにおいては、予め記憶している前記インピーダンスと前記永久磁石の温度との関係を示したテーブルを用いて、前記永久磁石の温度を推定する、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記キャリア高調波の周波数は、前記キャリア波の周波数の偶数倍である、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の磁石温度推定方法あって、
    前記コイルの温度を測定するコイル温度測定ステップと、
    前記コイル温度測定ステップにて測定された前記コイルの温度に応じて前記コイルの抵抗値を求め、該コイルの抵抗値を用いて前記インピーダンスを補正する補正ステップと、をさらに有する、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  7. 請求項6に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記補正ステップにおいては、予め記憶している前記コイルの温度と抵抗値との関係を用いて、前記コイルの抵抗値を求める、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記基本波周波数の電流に応じて、前記インピーダンスを補償する補償ステップと、を有する、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  9. 請求項8に記載の磁石温度推定方法であって、
    前記補償ステップにおいて、予め記憶している前記基本波周波数の電流の大きさと前記インピーダンスに対する補償量との関係を用いて、前記補償を行う、
    ことを特徴とする磁石温度推定方法。
  10. コイルを備える固定子と永久磁石を備える回転子からなるモータにおける前記永久磁石の温度を推定する磁石温度推定装置であって、
    前記回転子を回転駆動させるための基本波周波数の指令値を生成する指令値生成部と、
    キャリア波を用いて前記指令値を交流電圧値に変換して、該交流電圧値の電圧を前記モータに印加するPWMインバータと、
    前記PWMインバータにて前記変換に伴って発生するキャリア高調波に応じた電圧及び電流からインピーダンスを測定し、該インピーダンスに応じて前記永久磁石の温度を推定する温度推定部と、を有する、
    ことを特徴とする磁石温度推定装置。
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