JP6716928B2 - 包装材、包装袋、及び包装体 - Google Patents

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本開示は、包装材、包装袋、及び包装体に関する。
アルコール含有物を包装する包装袋としては、基材層、バリア層、シーラント層を積層した包装材を、ヒートシールして作製される包装袋が知られている。アルコール含有物としては、外科医療において、消毒などのために脱脂綿にアルコールを含浸させた清浄綿等が挙げられる。このような清浄綿を包装する包装袋は、緊急の事態が発生した場合に備えて、良好な開封性を有することが求められる。
特許文献1では、包装袋の耐アルコール性と、包装袋を開封する場合の引き裂き性を改善するために、不揮発性水性化助剤を含まずに、ポリオレフィン共重合樹脂を分散させた水性分散液を塗布し、加熱乾燥して形成されたアンカーコート層を設けて、手切れ性を改善することが提案されている。
特開2008−94471号公報
医療において用いられる、アルコールを含有する清浄綿のように、アルコール含有量が高い被包装物を包装する包装材は、アルコールの影響によって引き裂き性が低下する場合がある。非包装物のアルコールの濃度が高い場合、特にその影響が大きくなることから、アルコールの含有量によらず、引き裂き性に優れることによって、開封作業を容易に行うことができる包装材が求められている。
そこで、本発明は、一つの側面において、被包装物のアルコール含有量が高い場合であっても、良好な引き裂き性を維持することが可能な包装袋及び包装体を提供することを目的とする。本発明は、別の側面において、上述の包装袋及び包装体を形成することが可能な包装材を提供することを目的とする。
本発明は、一つの側面において、アルコール含有物用の包装材であって、基材層、バリア層、及びシーラント層、をこの順で備えており、バリア層とシーラント層との間に、チタン酸化物を含むアンカーコート層を備える包装材を提供する。
上記包装材は、バリア層とシーラント層との間に、チタン酸化物を含むアンカーコート層を備える。このアンカーコート層は、アルコール含有量が高いアルコール含有物を包装する包装材として用いても、高い接着性を維持することができる。このようなアンカーコート層をバリア層とシーラント層との間に備えることによって、アンカーコート層とバリア層との高い密着性を維持することができる。したがって、良好な引き裂き性を長期間に亘って維持することができる。
チタン酸化物は、チタンアルコキシドの架橋物であることが好ましい。これによって、一層良好な引き裂き性を長期間に亘って維持することができる。
シーラント層は、アンカーコート層とは反対側の表面に凹凸構造を有し、当該凹凸構造の格子面積率が40〜80%であることが好ましい。凹凸構造を有することによって、裂け目の先端が凹部に沿って進捗し易くなり、引き裂き性を一層向上することができる。
アルコール含有物のアルコール含有量は50質量%以上であることが好ましい。このように、アルコール含有物のアルコール含有量が高くても、上記包装材は、良好な引き裂き性を長期間に亘って維持することができる。
本発明は、別の側面において、積層フィルムを貼り合わせてなる包装袋であって、積層フィルムが上述の包装材を備える包装袋を提供する。このような包装袋は、被包装物がアルコール含有量が高いアルコール含有物であっても、アンカーコート層とバリア層との高い密着性を維持できる包装材を備える。したがって、良好な引き裂き性を長期間に亘って維持することができる。
本発明は、さらに別の側面において、上記包装袋と、その中に収容される被包装物と、を備え、被包装物がアルコール含有物である包装体を提供する。このような包装体の包装袋は、被包装物のアルコール含有量が高くても、アンカーコート層とバリア層との高い密着性を維持できる包装材を備える。したがって、良好な引き裂き性を長期間に亘って維持することができる。
本発明は、一つの側面において、被包装物のアルコール含有量が高い場合であっても、良好な引き裂き性を維持することが可能な包装袋及び包装体を提供することができる。本発明は、別の側面において、上述の包装袋及び包装体を形成することが可能な包装材を提供することができる。
図1は、包装材の一実施形態を示す断面図である。 図2は、包装材の別の実施形態を示す断面図である。 図3は、シーラント層の表面の一部を拡大して示す図である。 図4は、シーラント層の断面の一部を拡大して示す図である。 図5は、包装袋の一実施形態を示す正面図である。 図6は、包装袋の別の実施形態を示す斜視図である。
以下、場合により図面を参照して、幾つかの実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、一実施形態の包装材の模式断面図である。包装材60は、積層フィルムであり、基材層10、中間層20、バリア層30、アンカーコート層40、及びシーラント層50をこの順に有する積層構造を備えている。
基材層10は、上質紙又は樹脂フィルム等で構成される。樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリスチレンフィルム;66−ナイロン等のポリアミドフィルム;ポリカーボネートフィルム、並びに、ポリアクリロニトリルフィルム、及びポリイミドフィルム等のエンジニアリングプラスチックフィルム等が挙げられる。
上記樹脂フィルムの一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。基材層10は、同種のものを複数積層することによって構成されてもよい。樹脂フィルムは、延伸及び未延伸のどちらであってもよい。少なくとも一つの延伸フィルムと少なくとも一つの未延伸フィルムとが積層されているものであってもよい。基材層10は、二軸方向に任意に延伸されたフィルムを有することによって、機械強度及び寸法安定性を向上することができる。
基材層10は、引き裂き性の向上の観点、及び製造コスト低減の観点から、ポリオレフィンフィルムを有していてもよい。基材層10は、柔軟性向上と製造コスト低減の観点から、ポリエステルフィルムを有していてもよい。
基材層10の厚さは、特に制限されず、例えば、3〜50μmであってもよく、6〜30μmであってもよい。厚さは、用途又は求められる特性に応じて適宜調整される。基材層10は、フィラー、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、及び酸化防止剤等から選ばれる少なくとも一種の添加剤を含有してもよい。基材層10の表面は、薬品処理、溶剤処理、コロナ処理、プラズマ処理、及びオゾン処理から選ばれる少なくとも一つの処理が施されていてもよい。
基材層10とバリア層30との間に設けられる中間層20は、樹脂層であってもよく、アンカーコート層であってもよい。また、アンカーコート層と樹脂層とを組み合わせたものであってもよい。ここでいうアンカーコート層は、後述するアンカーコート層40と異なるものであり、公知のものを用いることができる。樹脂層としては、ポリエチレン等のポリオレフィンで構成される層が挙げられる。また、中間層20は、例えば、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、及びイソシアネート系接着剤などの接着剤で形成される層であってもよい。中間層20を設けることは必須ではなく、幾つかの実施形態では、中間層20はなくてもよい。この場合、基材層10とバリア層30とを直接密着させて包装材を構成してもよい。
バリア層30は、バリア性を有する層である。バリア層30としては、例えば、金属箔、無機物からなる蒸着フィルム、樹脂フィルム、及び樹脂フィルムに蒸着層を積層したもの等が挙げられる。具体的には、アルミニウム箔、アルミ蒸着フィルム、アルミニウム箔積層PETフィルム、シリカ等の無機蒸着フィルム、並びに、ナイロン系バリアフィルム及びエチレンビニルアルコール系のバリアフィルムなどの各種バリアフィルムが挙げられる。これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて有していてもよい。
バリア層30の厚みは特に限定されない。バリア層30がアルミニウム箔からなる場合、その厚みは例えば7〜9μmである。バリア層30が蒸着層からなる場合、その厚みは、例えば5〜100nmである。このように、バリア層30の材質、及び包装材60の用途に応じて、厚みは適宜調整される。バリア層30は、例えば、ドライラミネート法、押し出しラミネート法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びプラズマ気相成長法(CVD)等によって形成することができる。
包装材60は、バリア層30を備えるため、包装袋に用いた場合に、被包装物のアルコール含有量(エタノール含有量)が高くても、アルコール(エタノール)の揮散を十分に抑制することができる。また、酸素及び水蒸気等が包装袋内に侵入することを抑制することができる。これによって、被包装物の乾燥及び劣化を十分に抑制することができる。
アンカーコート層40は、バリア層30とシーラント層50との間に設けられ、バリア層30とシーラント層50とを接着する機能を有する。アンカーコート層40は、チタン酸化物を含む。アンカーコート層40におけるチタン酸化物の含有量は、十分に高い接着力を維持する観点から、チタン換算で1〜8質量%である。
アンカーコート層40は、包装材60がエタノール等のアルコール含有物を包装する包装袋に用いられた場合に、バリア層30とシーラント層50の接着力を高く維持することができる。これによって、良好な引き裂き性を長期間に亘って維持することができる。したがって、包装材60は、アルコール含有物用、又はエタノール含有物用の包装材として好適に用いることができる。
アンカーコート層40に含まれるチタン酸化物は、例えば、チタンアルコキシドの加熱生成物である架橋物が挙げられる。チタンアルコキシドは、例えばTi(OR)の一般式で表される。ここで、Rは、例えば炭素数3〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、複数あるRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。チタンアルコキシドの架橋物は、例えば、下記式(I)で表される架橋構造を有する。
Figure 0006716928
アンカーコート層40は、チタンアルコキシドを溶媒に溶解させて得られる溶液を、バリア層30上に塗布し、乾燥させる。その後、80〜150℃に加熱することによって、加水分解又は熱分解が進行し、式(I)で表される架橋物であるチタン酸化物が生成する。このようにして生成するアンカーコート層40は、チタン酸化物膜であってもよい。溶液を調製する際の溶媒としては、通常の有機溶媒を用いることができる。なお、溶媒として水を用い、チタンアルコキシドをオリゴマー化して、バリア層30上に塗布してもよい。ただし、バリア層30上におけるぬれ性向上の観点から、チタンアルコキシドを有機溶媒に溶解させて得られる溶液を用いることが好ましい。
アンカーコート層40の厚みは、十分な接着強度と包装材60が厚くなり過ぎるのを抑制する観点から、例えば、2μm以下である。アンカーコート層40の接着強度(ラミネート強度)は、例えば、0.5N/15mm幅以上であり、好ましくは1N/15mm幅以上である。このラミネート強度は、JIS Z 0238:1998に準拠して、テンシロン型引張試験機を用いてT型剥離法(クロスヘッドスピード:300mm/分)で測定することができる。
シーラント層50は、熱によって溶融し融着し得る樹脂で構成される。そのような樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。これらのいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シーラント層50は、樹脂組成物を押し出しラミネーションによって製膜しながらアンカーコート層40の上に積層してもよいし、フィルム化したシートをアンカーコート層40に貼り合わせてもよい。シーラント層50の厚みは、例えば10〜100μmであってもよく、15〜50μmであってもよい。
包装材60は、上述の各層の間に一つ又は複数の別の中間層を備えていてもよい。この中間層としては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムが例示される。
図2は、別の実施形態に係る包装材の模式断面図である。包装材62は、積層フィルムであり、基材層10、アンカーコート層21、樹脂層22、バリア層30、アンカーコート層40、及びシーラント層50をこの順に有する積層構造を備えている。基材層10、バリア層30、アンカーコート層40、及びシーラント層50は、上述の包装材60と同様である。アンカーコート層21は、アンカーコート層40と異なるものであり、公知のものを用いることができる。樹脂層22としては、ポリエチレン等のポリオレフィン層が挙げられる。
図3は、包装材60,62におけるシーラント層50の表面50aの一部を示す図である。図4は、図3のIV−IV線に沿って切断したときのシーラント層50の断面図である。図3及び図4に示されるように、シーラント層50は、表面50aに格子状の凹凸構造が形成されている。凹凸構造は、平面視で略矩形を有する凸部52と、凸部52を区画する凹部54とを備える。
シーラント層50が表面50aに凹凸構造を備えることによって、包装材60(62)を用いた包装袋の引き裂き性を十分良好にすることができる。これは、包装袋を引き裂く際に、裂け目の先端が凹部54に沿って円滑に進捗することによるものである。一方、凸部52を有することによって、被包装物がアルコール含有量の高いアルコール含有物であっても、アルコールの揮散を十分に抑制することができる。
良好な引き裂き性と、アルコールの揮散の抑制とを高水準で両立させる観点から、格子面積率は、好ましくは30〜80%であり、より好ましくは40〜80%であり、さらに好ましくは40〜70%である。格子面積率は、図3に示すような平面でみたときに、シーラント層50の表面50aの面積に対する、凸部52の合計面積の比率として求められる。
図3に示される凸部52の長辺a及び短辺bの長さは、例えば、200〜350μm及び150〜300μmである。図3に示される凹部54の幅c,幅dは、例えば、40〜150μmである。凸部52は、正方形(つまりa=b)であってもよい。幅c,幅dは同じであってもよく異なっていてもよい。凸部52の角は丸みを帯びていてもよい。
図4に示される凸部52の高さhは、例えば10〜50μmである。凸部52の側壁は、図4の上下方向に平行になっているが、斜めになっていてもよい。すなわち、凸部52は図4に示すような断面でみたときに、台形状を呈していてもよい。
図5は、上述の包装材を用いて形成される包装袋の一実施形態を示す平面図である。包装袋100は、一対の積層フィルム同士を貼り合わせて構成される。積層フィルムとして、上述の包装材60(62)を用いることができる。すなわち、包装袋100は、フィルム状の略矩形の一対の包装材60(62)の周縁を貼り合わせてなるシール部101と、シール部101によって一対の包装材60(62)の間に形成される収容部102とを備える。すなわち、包装袋100は、側端部、下端部及び上端部がシール部101によってシールされている。包装袋100は、シール部101に包囲された非シール部(シート部)に、アルコール含有物等の被包装物が収容される収容部102を備える。なお、下端部のシール部101は、被包装物を収容部102に充填した後にシールしてもよい。
一対の包装材60(62)は、図1又は図2に示すシーラント層50の表面50a同士が対向するように重ね合わせられている。一対のフィルム状の包装材60(62)は、シール部101において接着剤によって接着されていてもよい。
包装袋100を構成する包装材60(62)は、バリア層30とシーラント層50とが、アンカーコート層40によって接着されている。アンカーコート層40は、チタン酸化物を含んでいるため、アルコール含有量が高いアルコール含有物を包装しても、良好な引き裂き性を維持することができる。被包装物であるアルコール含有物は、例えば、アルコール清浄綿である。アルコール含有物のアルコール含有量は、50質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。アルコールは、例えばエタノールである。
包装袋100を構成する一対の包装材60(62)が、同じ層構成を備えることは必須ではなく、例えば、一対の包装材60(62)が、互いに材質の異なるバリア層30を備えていてもよい。
包装袋100は、開封手段120を備えていてもよい。開封手段は、側端部のシール部101に形成される傷痕群からなる一対の易開封加工部124と、一対の易開封加工部124の間に切り開きの軌道となるハーフカット線121を有する。ハーフカット線121は、レーザーを用いて形成することができる。易開封加工部124は、傷痕群に限定されず、V字状、U字状又はI字状等のノッチであってもよい。
包装材60(62)を用いて包装袋100及び包装体200を製造する手順を以下に説明する。一対の包装材60(62)を準備する。包装材60(62)のシーラント層50同士を対向させ、シーラント層同士を接着する。これによって、上端部及び側端部にシール部101を形成して、シール部101でコの字状に包囲された非シール部を形成する。このようにして、図6に示すような上端部のみ(又は下端部のみ)がシールされていない包装袋110が得られる。包装袋は、幾つかの実施形態において、図6に示すように一部の周縁がシールされていなくてもよい。
次に、未シール状態にある上端部(又は下端部)から被包装物を充填する。その後、上端部(又は下端部)において包装材60(62)同士を接着して、上端部(又は下端部)にもシール部101を形成する。このようにして、包装袋100とその中に収容された被包装物とを備える包装体200を製造することができる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、包装材は、任意の層又は薄膜を備えていてもよい。包装袋の形状は、四方袋に限定されず、例えば、二方袋、三方袋又は合掌袋でもよい。
実施例及び比較例を参照して本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一面上に、ドライラミネート法によって、ポリウレタン系接着剤を介してバリア層となる厚さ7μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製、厚さ:7μm)を貼り合わせた。
アルミニウム箔の上に、上記式(I)で表されるチタンアルコキシドを酢酸エチルに溶解させた接着液を塗布した。この接着液におけるチタン酸化物のTi換算の含有量は3.8質量%であった。塗布した接着液を乾燥した後、押し出しラミネート法で、アルミニウム箔の接着液塗布面の上にEMAAを加熱しながら貼り合わせた。
この加熱によって、接着剤に含まれるチタンアルコキシドの架橋反応が進行し、アルミニウム箔からなるバリア層と、EMAAからなるシーラント層(厚さ:25μm)とを接着する、チタン酸化物を含むアンカーコート層が形成された。このようにして、基材層、中間層、バリア層、アンカーコート層、及びシーラント層がこの順で積層されてなる包装材を作製した。
包装材のヒートシールを行って包装袋を作製し、包装袋にエタノール含有清浄綿(エタノール含有量:50質量%以上)を収容して密閉し、包装体を作製した。作製直後(初期)、12時間経過後、及び72時間経過後のそれぞれにおいて、包装体を構成する包装材におけるバリア層とシーラント層との間の接着強度を測定した。具体的には、JIS Z 0238:1998に準拠して、引張試験機(株式会社 エー・アンド・デイ製、商品名:テンシロン万能材料試験機)を用いてT型剥離法(クロスヘッドスピード:300mm/分)で接着強度(ラミネート強度)を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
接着液として、チタンアルコキシドに代えて、HDIビューレットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして包装材を作製した。そして、実施例1と同様にして包装体を作製し、作製直後(初期)の包装体を構成する包装材におけるバリア層(アルミニウム箔)とシーラント層(EMAAフィルム)との間の接着強度を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
接着液として、チタンアルコキシドに代えて、シランカップリング剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして包装材を作製した。そして、実施例1と同様にして包装体を作製し、作製直後(初期)の包装体を構成する包装材におけるバリア層(アルミニウム箔)とシーラント層(EMAAフィルム)との間の接着強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0006716928
表1に示すとおり、実施例1の包装材は、高い接着強度を維持できることが確認された。一方、比較例1,2では、高い接着強度を得ることができなかった。
(実施例2)
押し出しラミネート法によって、上質紙(52.3g)とアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製、厚さ:7μm)を、溶融したポリエチレンを用いて貼り合わせた。アルミニウム箔のポリエチレン層側とは反対側の面に、実施例1と同じ接着液を塗布して乾燥した。その後、押し出しラミネート法で、アルミニウム箔の接着液塗布面の上に実施例1と同じEMAAを加熱しながら貼り合わせた。この加熱によって、接着剤に含まれるチタンアルコキシドの架橋反応が進行し、アルミニウム箔からなるバリア層と、EMAAからなるシーラント層とを接着する、チタン酸化物を含むアンカーコート層が形成された。このようにして、図1に示すような基材層(紙層)、中間層(ポリエチレン層)、バリア層、アンカーコート層、及びシーラント層がこの順で積層されてなる包装材を作製した。
上述のEMAAを貼り合わせる際の押し出しラミネート法に用いた押出機のシリンダー表面には、凹凸構造を有するレーザー刷版を設けていた。すなわち、上述の押し出しラミネート法では、上記レーザー刷版を有するシリンダーを備える押出機を用いて、アルミニウム箔の接着液塗布面の上にEMAAを製膜しながら貼り合わせた。このため、EMAAフィルムのバリア層側とは反対側の表面には、図3及び図4に示すような凹凸構造が形成されていた。図3に示す凹凸構造のa、b、c、dの値、及び格子面積率は、表2に示すとおりであった。なお、図4に示す凸部の高さhは、20〜25μmであった。
Figure 0006716928
作製した包装材を100mm(縦)×100mm(横)のサイズにカットし、凹凸構造を有するシーラント層の表面同士が向かい合いようにしてヒートシールを行って上端に開口部を有する包装袋を作製した。包装袋内に水で80質量%に希釈したエタノールを収容し、開口部をヒートシールして密閉し包装体を作製した。包装体の作製直後(初期)、0.5日間、1日間、2日間、3日間、7日間経過後に、それぞれ包装袋の引き裂き強度を測定した。引き裂き強度は、トラウザー引き裂き試験によって測定した。具体的には、島津製作所製の「島津オートグラフAGS−X」を用いて、JIS K 7128−1:1998に準拠して測定した。引き裂き速度は200mm/minとした。
包装材の基材層であるポリエチレンフィルムの二軸延伸時におけるフィルム流れ方向に沿って引き裂いたときの引き裂き強度を表3に、フィルム流れ方向とは垂直な方向に沿って引き裂いたときの引き裂き強度を表4に、それぞれ示す。
(比較例3)
接着剤液を用いずに、押し出しラミネート法によって、アルミニウム箔の上に直接シーラント層であるEMAAフィルムを貼り合わせたこと、シリンダー表面には、凹凸構造を有するレーザー刷版を設けず、凹凸構造を有しないシーラント層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、包装材、包装袋及び包装体を作製した。そして、実施例2と同様にして引き裂き強度を測定した。測定結果を表3,4に示す。
Figure 0006716928
Figure 0006716928
表3,4には、引き裂き強度(N)の測定値と、その下段に初期の測定値を基準にしたときの引き裂き強度の変化割合を示した。実施例2では、変化割合が0.8〜1.2の間で推移したのに対し、比較例3では、0.5日間以上経過すると、引き裂き強度が大幅に上昇することが確認された。
以上の結果から、実施例1,2の包装材では、バリア層とシーラント層との接着強度が高く、良好な引き裂き性を維持できるのに対し、比較例1〜3の包装材では、バリア層とシーラント層との接着強度が低下して引き裂き性が低下してしまうことが確認された。また、表3,4の初期における引き裂き強度の比較から、シーラント層が凹凸構造を有することによって、引き裂き強度が低減され、引き裂き性を一層向上できることが確認された。
本開示によれば、被包装物のアルコール含有量が高い場合であっても、良好な引き裂き性を維持することが可能な包装袋及び包装体が提供される。また、上述の包装袋及び包装体を形成することが可能な包装材が提供される。
10…基材層、20…中間層、21…アンカーコート層、22…樹脂層、30…バリア層、40…アンカーコート層、50…シーラント層、52…凸部、54…凹部、60,62…包装材、100…包装袋、101…シール部、102…収容部、110…包装袋、120…開封手段、121…ハーフカット線、124…易開封加工部、200…包装体。

Claims (7)

  1. アルコール含有物用の包装材であって、
    基材層、バリア層、及びシーラント層、をこの順で備えており、
    前記バリア層と前記シーラント層との間に、チタン酸化物を含むアンカーコート層を備え
    前記チタン酸化物は、チタンアルコキシドの架橋物であり、
    前記アルコール含有物のアルコール含有量が50質量%以上である、包装材。
  2. 前記シーラント層は、エチレン−メタクリル酸共重合体で構成される、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記シーラント層は、前記アンカーコート層とは反対側の表面に凹凸構造を有し、
    当該凹凸構造の格子面積率が40〜80%である、請求項1又は2に記載の包装材。
  4. 前記アンカーコート層における前記チタン酸化物の含有量は、チタン換算で1〜8質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装材。
  5. 前記アンカーコート層の接着強度は0.5N/15mm幅以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装材。
  6. 積層フィルムを貼り合わせてなる包装袋であって、
    前記積層フィルムが請求項1〜のいずれか一項に記載の包装材を備える包装袋。
  7. 請求項に記載の包装袋と、前記包装袋の中に収容される被包装物と、を備え、
    前記被包装物は、アルコール含有量が50質量%以上であるアルコール含有物である包装体。
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