JP6715637B2 - 排熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、住宅などの建物の排熱システムに関し、特に、同一フロアにおいて複数の居室と各居室に隣接する1つの非居室とが配置された建物の排熱システムに関する。
真夏などの高温期に室内の熱気を強制的に排気するために、従来から排熱ファンが用いられている。排熱ファンは、居室または非居室の天井裏空間に設置される。排熱ファンが排気側に用いられる場合、排熱ファンの運転により、室内の空気が吸い上げられ、天井裏空間から屋外に排気される。
特開2015−200437号公報(特許文献1)には、送風ファン(排熱ファン)が給気側に用いられ、1台の送風ファンによって複数の居室に外気を給気して各居室を換気することで、夜間の居室の熱こもりを軽減可能とした建物換気システムが提案されている。このシステムでは、送風ファンの運転により、小屋裏の外壁に設けられた外気導入口→フィルタ装置→送風ファン→給気口→居室→排気口の経路で空気が流れ、居室の換気が行われる。送風ファンから各居室への給気は、ダクトを介して行われる。
また、単に、建物内の換気(24時間換気)という観点では、特開平10−25825号公報(特許文献2)に、吹抜けホールの外壁または天井に排気用の換気扇を1つ設け、この換気扇の運転により、複数の居室の換気を行う家屋換気システムが開示されている。このシステムでは、空気が、外壁の換気口→居室→間仕切りの通孔→ホール→換気扇→小屋裏→隙間→屋外の順に通るように構成されている。
特開2015−200437号公報 特開平10−25825号公報
市販の排気用の排熱ファンは、1居室を対象としている。各居室に排熱ファンを設けると、イニシャルコストが高くなってしまう。また、1台の排熱ファンで複数の居室の排熱を行うには能力が不足する。
また、特許文献1のように、1台の排熱ファンで、ダクトを用いて複数の居室への給気あるいは排気を行う場合、排熱量に制限が設けられる。風量を増やせば増やす程、ダクト部での圧力損失が大きくなるためである。したがって、ダクトを用いて大風量を実現しようとすると、送風能力の大きいファンが必要となるため、省エネ効果が小さい。
特許文献2の換気システムにおいては、吹抜けホールの天井に1つだけファンが設けられているが、四季を通じての屋内の換気を目的としているため、風量が足りず、高温期における居室内の熱こもりを解消することは困難である。また、屋外の空気を取り込むための換気口を、各居室の外壁に設ける必要があり、既存の建物への適用が難しいケースも考えられる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、効率良く複数の居室内の熱気を排出することのできる排熱システムを提供することである。
この発明のある局面に従う排熱システムは、同一フロアにおいて複数の居室と各居室に隣接する1つの非居室とが配置された建物に搭載される。この排熱システムは、非居室の上部に設けられた閉鎖空間と、非居室に外部の空気を取り込むための空気取り込み口と、居室ごとに設けられた給気口および排気口と、排熱ファンとを備える。閉鎖空間は、複数の居室それぞれの間仕切り壁に隣接する。給気口は、間仕切り壁に設けられ、空気取り込み口から非居室に取り込まれた空気を、居室に給気するための開口部である。排気口は、間仕切り壁に設けられ、給気口から各居室に給気された空気を、閉鎖空間に排気するための開口部である。排熱ファンは、駆動状態において、各排気口から閉鎖空間に排気された空気を、屋外に排出する。
好ましくは、排熱ファンは、フロアの天井の上方に位置する天井裏空間に設けられている。また、排熱システムは、閉鎖空間内の圧力を検知するための圧力センサと、圧力センサにより検知された圧力に応じて、排熱ファンの出力を調整する出力制御部とをさらに備えることが望ましい。
好ましくは、排熱システムは、排気口ごとに設けられ、居室内の温度に応じて排気口を開閉するための開閉装置をさらに備える。
また、排熱システムは、給気口ごとに設けられ、排気口の開閉状態に連動して給気口を開閉するための開閉部材をさらに備えていてもよい。
たとえば、建物は、吹抜け部を有する通路室が配置された1階と、1階よりも上方に位置し、複数の居室および非居室が配置された最上階とを有している。また、非居室は、吹抜け部を介して通路室と通じている。このような場合、空気取り込み口は、通路室の床に、床下空間の空気を取り込み可能に設けられることが望ましい。
本発明によれば、効率良く複数の居室内の熱気を排出することができる。
本発明の実施の形態に係る排熱システムが搭載された住宅の概略構成および送風経路を模式的に示す断面図である。 図1に示す住宅の最上階における部屋構成の一例および送風経路を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る排熱システムの有効性を検証した実験結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る排熱システムの機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態において、2階の全居室を排熱対象とした場合における、排熱風路上に位置する各室および閉鎖空間それぞれの圧力の測定結果を示す図である。 本発明の実施の形態において、2階の全居室のうち1つの居室だけを排熱対象とした場合における、排熱風路上に位置する各室および閉鎖空間それぞれの圧力の測定結果を示す図である。 本発明の実施の形態における排熱処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における、排熱ファンの出力制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例における、居室の給気口用の開閉部材の取付け状態を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態の変形例における、居室の給気口用の開閉部材の取付け状態を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(概要について)
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る排熱システム50の概要について説明する。図1は、排熱システム50が搭載された住宅1の概略構成および送風経路を模式的に示す断面図である。図2は、住宅1の最上階における部屋構成の一例および送風経路を模式的に示す平面図である。
住宅1は、たとえば2階建ての建物である。住宅1の1階に、居室11および非居室12が配置されている。居室11は、たとえばリビングであり、非居室12は、階段17の上り口が設けられた通路室(廊下または玄関ホール)である。住宅1の2階(すなわち最上階)には、複数の居室13,14,15および非居室16が配置されている。非居室16は、各居室13〜15に隣接している。居室13〜15は、たとえば寝室などの個室であり、非居室16は、階段17の下り口が設けられた通路室(廊下)である。つまり、階段17は吹抜け部としての階段17を有し、この階段17を介して、2階の非居室16と1階の非居室12とが仕切りなく通じている。そのため、これらの非居室12,16は、1つのホール部を構成している。
なお、本実施の形態において「居室」とは、居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室をいい、「非居室」とは、居室以外の室のうち、衛生目的の室(たとえばトイレ、浴室)および収納室を除く室である。
住宅1の屋内温度は上階ほど高くなる。そのため、真夏などの高温期に、窓を閉めた状態で空調(冷房)を停止していると、2階の居室13〜15内には熱気が滞留する。たとえば、真夏の夜間の睡眠時に、空調のタイマーが切れると、熱こもりによって寝苦しくて目が覚めてしまう。そこで、住宅1の2階の天井裏空間、すなわち小屋裏空間19には、居室13〜15の排熱のために排熱ファン29が設けられている。排熱ファン29は、たとえばシロッコファンである。本実施の形態では、この1台の排熱ファン29の運転によって、2階の全ての居室13〜15の排熱を可能としている。
1階の非居室12の床12aには、空気取り込み口22が設けられている。これにより、空気取り込み口22を介して、床下空間10の空気を非居室12,16に取り込み可能である。空気取り込み口22は、たとえば、床12aのうち階段17の下方位置に設けられる。床下空間10は、住宅1の外壁と基礎との間の床下換気口(隙間)21を介して、常時換気されている。
なお、真冬等の寒期に床下空間10の冷たい空気が非居室16に流入することを防止するために、空気取り込み口22には、排熱ファン29と連動する公知の電動シャッター24(図4)が取付けられていることが望ましい。電動シャッター24は、屋内(非居室12)側が負圧となった場合にのみシャッター部(ガラリ)が開くため、屋内側が正圧の場合には空気取り込み口22を閉鎖することができる。
非居室16は居室13〜15それぞれに隣接しているため、非居室16と居室13〜15との間には、それぞれ間仕切り壁13a,14a,15aが配置されている。間仕切り壁13a,14a,15aの下部に、非居室16内の空気を居室13〜15に給気するための給気口23〜25がそれぞれ設けられている。給気口23〜25は、本システム専用の開口でなくてもよく、それぞれの居室13〜15の建具(ドア)13b,14b,15bにより開閉される開口部であってもよい。間仕切り壁13a,14a,15aの上部には、居室13〜15に給気された空気を排気するための排気口26〜28がそれぞれ設けられている。
ここで、本実施の形態では、居室13〜15内の空気は排気口26〜28から1つの閉鎖空間30へ排気される構成となっている。閉鎖空間30は、非居室16の上部に設けられ、間仕切り壁13a,14a,15aに隣接する。
具体的には、非居室16の天井31が、他の天井(居室13〜15の天井を含む)よりも低い位置に設けられており、この天井(以下「下がり天井」という)31の上に閉鎖空間30が形成されている。排熱ファン29は閉鎖空間30の上部に位置する。閉鎖空間30内の空気は、排熱ファン29の駆動によってのみ小屋裏空間19へと排気され、小屋裏空間19から屋外へ排出される。
なお、下がり天井31は、化粧用面材を含む板状部材のみで構成され、排熱ファン29の吸込み口は、たとえば2階の天井下地に設けられる。また、下がり天井31は、平面視において非居室16の全領域に設けられていなくてもよく、図2に示すように非居室16の一部の領域にのみ設けられていてもよい。後者のような場合には、下がり天井31の端部から他の天井にまで延びる側壁32と、下がり天井31に交差する間仕切り壁13a,14a,15aとによって、閉鎖空間30の周囲が囲われる。
排熱システム50を上記のような構成とすることで、排熱ファン29の運転により、床下換気口21→空気取り込み口22→非居室12,16→各給気口23〜25→各居室13〜15→各排気口26〜28→閉鎖空間30→排熱ファン29→小屋裏空間→屋外の順に、空気を流動させることができる。
図3には、本実施の形態に係る排熱システム50の有効性を検証した実験結果の一例として、排熱ファン29を1000m/hの出力(風量)で運転し、2階居室13〜15の強制換気を行った場合の各室への空気流入量が数値にて示されている。この実験においては、2階の1居室当たりの空気流入量は、300m/h程度となっており、良好な結果が確認できる。つまり、本実施の形態によれば、居室13〜15内の熱気を、共通の1台の排熱ファン29のみで効率良く排出できる。なお、各居室13〜15には、給気口23〜25以外にも、外壁の窓の隙間等から屋外の空気が微量に流入している。
(機能構成について)
次に、排熱システム50の機能構成について説明する。図4は、排熱システム50の機能構成を示すブロック図である。
排熱システム50は、上述の排熱ファン29に加え、操作部52、および制御装置51を備えている。操作部52は、ユーザ(典型的には住宅1の居住者)からの指示を受け付ける。操作部52は、たとえば、2階非居室16の壁面に設けられる。
制御装置51は、排熱ファン29および操作部52と電気的に接続されている。制御装置51は、各種演算および処理を行う制御部61と、各種データおよびプログラムを記憶する記憶部62と、計時動作を行う計時部63とを含む。計時部63は、制御部61からの指示に応じて時間を計測するタイマであってもよいし、常に日時を計測するクロックであってもよい。
制御部61は、操作部52からの信号に応じて、排熱ファン29の運転および停止を行う。操作部52において、排熱運転をタイマー予約した場合には、予約情報(たとえば、予約時刻、または、予約時からの経過時間)が記憶部62に記憶されるものとする。制御部61は、記憶部62に予約情報が記憶されている場合に、予約情報に基づき、ユーザ所望のタイミングで排熱ファン29の運転を開始する。なお、排熱ファン29の運転は、運転開始から所定時間経過した場合に停止してもよい。
留守中など全居室13〜15の空調が停止されている場合に、排熱ファン29の運転を行うことで、全居室13〜15の熱こもりを解消することができる。これにより、真夏の帰宅時の不快感が低減される。
一方で、在宅中においては、空調使用の居室と空調不使用の居室とが混在する可能性もある。上述のように給気口が各室の建具用の開口部により実現される場合、空調使用の居室の給気口は閉状態とされるが、建具下の隙間等を介して非居室16から空調使用の居室にも少量の空気が流入し得る。このような場合、空調使用の居室の排気口を開状態としていると、空調機(図示せず)の空調効率が低下するため、空調使用の居室については、排気口を閉鎖することが望ましい。
そのため、本実施の形態の排熱システム50は、各室の温度に応じて排気口26〜28をそれぞれ自動で開閉する開閉装置26a,27a,28aを備えている。つまり、各居室13〜15の排気口ごとに、1つの開閉装置が設けられている。
各開閉装置26a〜28aは、公知の温度感知式の開閉装置であり、たとえば、室内温度が所定温度(たとえば28℃)以上の場合に対象の排気口を開放し、室内温度が所定温度未満である場合に対象の排気口を閉鎖するよう角度が変えられるガラリを有する。なお、開閉装置26a〜28aがスタンドアロンで動作する装置であるものとするが、開閉装置26a〜28aの機能の一部を制御部61が実行してもよい。
温度感知式の開閉装置26a〜28aがそれぞれの居室13〜15に設けられるため、空調使用の居室の排気口だけを閉鎖し、空調使用の居室からの排気流路を遮断することができる。したがって、空調不使用の居室だけを排熱対象の居室として、有効に排熱を行うことができる。
ここで、図5および図6を参照して、排熱ファン29の出力を一定かつ最大出力(1000m/h)とした場合における、排熱対象の居室の個数の違いによる封鎖空間30内の圧力(負圧度合)の影響について説明する。
図5には、2階の全居室13〜15を排熱対象とした場合(以下、パターンAという)における、排熱風路上に位置する各室(全居室13〜15、非居室12,16)および閉鎖空間30それぞれの圧力の測定結果が示されている。図6には、一例として、居室13〜15のうち1つの居室14だけを排熱対象とした場合(以下、パターンBという)における、排熱風路上に位置する各室(居室14、非居室12,16)および閉鎖空間30それぞれの圧力の測定結果が示されている。排熱風路上に位置する各室の圧力は、屋外の気圧との差圧を示しており、閉鎖空間30内の圧力は、小屋裏空間19の気圧との差圧を示している。
各パターンにおける給気口および排気口の開閉状態は次の通りである。パターンAでは、全居室13〜15の給気口23〜25および排気口26〜28が開放されている。パターンBでは、居室13,15の給気口23,25および排気口26,28が閉鎖され、残りの居室14の給気口24および排気口27が開放されている。
パターンAにおいては、図5に示すように、排熱風路上に位置する各室の負圧度合は同じである(3.1Pa)。閉鎖空間30内の負圧度合(6Pa)は各室の負圧度合よりも大きいが、その2倍以下である。
パターンBにおいても、図6に示すように、排熱風路上に位置する各室の負圧度合は略等しい(2.6Pa〜2.7Pa)。これに対し、閉鎖空間30内の負圧度合(13.4Pa)が、各室の負圧度合よりもかなり大きく、かつ、パターンAの場合の閉鎖空間30内の負圧度合の2倍以上となっている。排気口26〜28全体の開口面積が小さければ小さい程、閉鎖空間30内の負圧度合は大きくなるからである。
このような結果から、常に排熱ファン29を一定かつ最大出力で運転した場合、パターンAに比べてパターンBは、排熱ファン29の出力が無駄に大きいことが分かる。そこで、本実施の形態に係る排熱システム50は、図4に示されるように、閉鎖空間30内の圧力を検知する圧力センサ41と、圧力センサ41が検知した閉鎖空間30内の圧力に応じて、排熱ファン29の出力を調整する出力制御部64とを備えている。出力制御部64の機能は、制御部61がソフトウェアを実行することで実現されるものとするが、ハードウェアにより実現されてもよい。
出力制御部64は、パターンBのように、閉鎖空間30内の負圧度合が大き過ぎる場合には、各室の負圧度合との差ができるだけ小さくなるように、排熱ファン29の出力を下げる制御を行う。具体的には、圧力センサ41からの信号に基づき検出される閉鎖空間30内の負圧度合が、上限値として定められたしきい値よりも大きい場合に、排熱ファン29の出力を下げる。なお、しきい値は、事前の実験結果に基づいて、住宅1ごとに個別に定められていることが望ましい。
出力制御部64がこのような出力制御を行うことにより、空調不使用の居室(つまり、排熱対象の居室)と空調使用の居室とが混在する場合には、排熱ファンの消費電力を抑えることができる。その結果、排熱対象の居室の個数に関わらず排熱ファン29の出力を一定とする場合に比べて、省エネ効果を向上させることができる。
なお、図4では、本システム50に含まれる構成要素のうち、制御装置51との間で信号の送受信を行わない要素については破線枠で示している。
(動作について)
次に、排熱システム50の動作について説明する。図7は、本実施の形態における排熱処理を示すフローチャートである。図7に示す排熱処理は、制御装置51の制御部61が、記憶部62に予め格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、本処理の開始時において、排気口が開放された居室、すなわち排熱対象の居室の個数は1以上であるものとする。
制御部61は、操作部52を介して入力されたユーザからの開始指示に応じて、または、記憶部62に記憶された予約情報に基づいて、排熱ファン29の運転を開始する(ステップS1)。運転開始時において、排熱ファン29の出力レベルは「強(最大出力)」である。排熱ファン29の運転が開始されると、屋内に空気の流れが生じ、排熱対象の居室とともに非居室12,16が負圧となるため、1階床12aの電動シャッター22aが作動し、空気取り込み口22が開放される(ステップS2)。
次に、制御部61の出力制御部64は、排熱ファン29の出力制御を行う(ステップS3)。出力制御については、図8にサブルーチンを挙げて説明する。
図8を参照して、出力制御部64は、圧力センサ41からの信号に基づき、閉鎖空間30内の圧力、すなわち負圧度合を検出する(ステップS11)。検出した負圧度合がしきい値以下であれば(ステップS12にてNO)、排熱ファン29の出力レベルは変更されることなく維持される。これに対し、検出した負圧度合がしきい値よりも大きい場合には(ステップS12にてYES)、出力制御部64は、排熱ファン29の出力レベルを「強」から「弱」に下げる(ステップS13)。これにより、排熱対象の居室の排熱効果を維持したまま、排熱ファン29の消費電力量を抑制することができる。
再び図7を参照して、このような出力制御は、終了指示があるまでの間、継続的に行われることが望ましい(ステップS4にてNO)。これにより、排熱ファン29の運転途中で、排熱対象の居室の個数が減った場合にも対応可能である。なお、排熱ファン29の運転途中で排熱対象の居室の個数が増えるケースも想定される。このようなケースにおいて、排熱ファン29の出力レベルを「弱」のままとすると、閉鎖空間30内の負圧度合が排熱対象の居室の負圧度合に比べて過小となり、排熱対象の居室の換気風量が不足する可能性がある。したがって、図示はしなかったが、閉鎖空間30内の負圧度合が、たとえば上記しきい値以下となった場合に、排熱ファン29の出力を「弱」から「強」に上げる制御を行ってもよい。
ユーザからの終了指示に応じて、または、運転開始から設定時間経過した場合に(ステップS4にてYES)、制御部61は、排熱ファン29の運転を停止する(ステップS5)。これにより、排熱対象の居室および非居室12,16が徐々に正圧となるため、1階床12aの電動シャッター22aが作動し、空気取り込み口22が閉鎖される(ステップS6)。以上で、排熱処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係る排熱システム50によれば、複数の居室13〜15それぞれに隣接する非居室16の上部に閉鎖空間30を配置することで、1台の排熱ファン29だけで、ダクトを用いることなく効率良く2階居室13〜15の排熱を行うことができる。したがって、送風能力のそれほど大きくない排熱ファン29を採用することができる。その結果、イニシャルコストの低減および省エネ効果の増大を実現することができる。
また、この閉鎖空間30の上部に排熱ファン29を設置するため、排熱ファン29の風量を大きくした場合でも、居室13〜15への騒音を防止することができる。したがって、夜間の就寝時においても快適に排熱運転を行うことが可能である。
また、床下空間10の空気を各居室13〜15に送り込むため、窓を開けなくても排熱が可能である。そのため、留守中や就寝中に窓を開けておくことは防犯上危険であるが、本システム50では、安全性を保ちつつ、居室13〜15の排熱を行うことができる。
また、居室13〜15への給気は、非居室16に面する間仕切り壁13a〜15aの開口部(給気口23〜25)から行われるため、外壁に換気口等の開口が存在しない居室であっても、適切に排熱を行うことができる。したがって、既存の住宅に対しても、本実施の形態の排熱システム50を容易に適用することができる。
また、排気口26〜28に温度感知式の開閉装置26a,27a,28aがそれぞれ設けられているため、空調使用の居室からの排気経路を自動的に遮断することができる。また、空調使用の居室からの排気経路を遮断することで、上述のように、排熱ファン29の出力調整が行われるため、省エネ効果をさらに増大させることができる。
なお、排熱ファン29の出力レベルを3段階以上変更可能である場合には、閉鎖空間30内の負圧度合に応じて出力レベルを細かく調整してもよい。たとえば、排熱ファン29の出力レベルが、強、中、弱の3段階に設定可能である場合、3つの居室13〜15全てが排熱対象の場合に強レベル、これらのうち1つの居室だけが排熱対象の場合に弱レベル、これらのうち2つの居室が排熱対象の場合に中レベルとなるように、閉鎖空間30内の負圧度合と比較するしきい値を複数定めておいてもよい。
また、排熱ファン29の出力レベルを3段階以上変更可能である場合、全ての居室13〜15が排熱対象の場合においても、閉鎖空間30内の負圧度合と居室13〜15内の負圧度合との差を小さくするように、排熱ファン29の出力レベルを調整してもよい。
(変形例)
上記実施の形態では、2階の居室13〜15の給気口23〜25が、建具13b〜15b取付け用の開口部であり、居住者が手動で給気口23〜25を開閉する例について説明した。これに対し、本変形例において、給気口23〜25は、それぞれ、排気口26〜28の開閉と連動して開閉可能である。つまり、本変形例における排熱システム50は、給気口ごとに、排気口の開閉状態に連動して給気口を開閉するための開閉部材をさらに備える。これにより、夜間の就寝途中に空調のタイマーが切れた場合に、わざわざ居室の建具を開放する手間を省くことができる。したがって、より簡易に、所定温度以上の居室の排熱を行うことができる。
図9および図10には、一例として、居室13の給気口23を開閉するための開閉部材70が模試的に示されている。この例では、給気口23が、たとえば、建具13bの下部に設けられた複数のスリット状の貫通孔により構成される。なお、このように、建具13bに給気口23が設けられる場合においても、建具13bは間仕切り壁13aに取り付けられるため、給気口23は、間仕切り壁13aに設けられているとみなせる。
本変形例では、建具13bの居室13側の面に、給気口23を覆うように、開閉部材70が取付けられている。開閉部材70は、たとえば、上端部に設けられたヒンジ70aを軸として、非居室16側からの風圧によって上下方向に開閉可能な板状部材である。
このような開閉部材70が建具13bに取り付けられた本変形例において、居室13の建具13bが閉じられ、かつ、居室13の排気口26が閉鎖された状態(空調機オンの状態)で、排熱ファン29の運転が開始されたと仮定する。この場合、居室13からの排気経路が遮断されているため、居室13はそれほど負圧にならず、非居室16側から開閉部材70を押し上げる程の風圧は掛からない。したがって、開閉部材70によって給気口23が塞がれたままとなり、非居室16から居室13への給気経路は遮断される。
これに対し、居室13の建具13bが閉じられ、かつ、居室13の排気口26が開放された状態(空調機オフの状態)で、排熱ファン29の運転が開始されたとする。この場合には、居室13からの排気経路が開通されているため、居室13は負圧となり、非居室16側からの風圧により開閉部材70が押し上げられる。したがって、給気口23は開状態となり、給気口23を介した非居室16から居室13への給気経路が開通する。
なお、開閉部材70の開閉を、風圧によらず、居室13内の温度に応じて実現可能な開閉機構(図示せず)を採用してもよい。具体的には、たとえば、開閉機構は、開閉部材70を建具13bから離れる方向に付勢する弾性部材と、居室13内の温度を感知する感知部と、感知部により感知された温度に応じて上下方向に進退するアクチュエータとを含む。アクチュエータは、開閉部材70を建具13b側へ押し付けるように配置される。アクチュエータの下方への突出長さに応じて、開閉部材70の開度(傾斜角度)が調整可能である。
(他の変形例)
上記実施の形態では、排熱ファン29の運転は、ユーザからの運転開始の指示に応じて、または、記憶部62に記憶された予約情報に基づいて、開始されることとした。しかしながら、図2に示すように、2階の居室13〜15それぞれに温度センサ42〜44を設け、いずれか1つの居室の温度が所定時間(たとえば10分)以上連続して所定温度(たとえば28℃)以上となった場合に、運転を開始してもよい。
また、上記実施の形態では、排気口26〜28は、全開状態および全閉状態のいずれかに設定されることとしたが、居室の温度に応じて、排気口26〜28の開度は、半開状態等、複数段階に調整可能であってもよい。また、その場合、給気口23〜25の開度も、排気口26〜28の開度と連動させてもよい。
また、上記実施の形態では、排気口26〜28それぞれに温度感知式の開閉装置26a〜28aを設け、排気口26〜28の開閉により閉鎖空間30内の圧力を意図的に変動させることによって、排熱ファン29の出力制御を行う例について説明した。しかしながら、排熱システム50は、温度感知式の開閉装置26a,27a,28aを備えていなくてもよく、たとえば、排気口26〜28の開閉は手動により行われてもよい。
また、上記実施の形態では、非居室16の天井を下がり天井31とし、下がり天井31の上に閉鎖空間30が形成されたが、限定的ではない。たとえば、閉鎖空間は、排気口26〜28および排熱ファン29の吸込み口の少なくともいずれかに連通するダクト内の空間を含んでいてもよい。
また、上記実施の形態では、非居室16が3つの居室13〜15に隣接することとしたが、複数(2つ以上)の居室に隣接していればよい。なお、同一フロアにおいて、非居室16に隣接しない居室が存在する場合には、その居室の排気口と排熱ファン29の吸込み口へと繋ぐダクトを部分的に用いてもよい。
また、上記実施の形態では、住宅1が2階建ての建物である例を示したが、3階以上を有する建物であってもよいし、1階建ての建物であってもよい。いずれの場合においても、居室13〜15および非居室16は最上階に配置され、かつ、排熱ファン29は最上階の天井裏空間に設けられることが望ましい。住宅1が1階建ての建物の場合、空気取り込み口22は、非居室16の床に設けられてもよい。
また、上記実施の形態では、空気取り込み口22が非居室12の床12aに設けられる例を示したが、非居室16に外部の空気を取り込み可能であれば、その設置位置は問わない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 住宅、10 床下空間、11,13〜15 居室、12,16 非居室、12a 床、13a,14a,15a 間仕切り壁、13b,14b,15b 建具、17 階段、19 小屋裏空間、21 床下換気口、22 空気取り込み口、22a 電動シャッター、23〜25 給気口、26〜28 排気口、26a,27a,28a 開閉装置、29 排熱ファン、30 閉鎖空間、31 天井(下がり天井)、32 側壁、41 圧力センサ、42〜44 温度センサ、50 排熱システム、51 制御装置、52 操作部、61 制御部、62 記憶部、63 計時部、64 出力制御部、70 開閉部材。

Claims (5)

  1. 建物の最上階に配置された複数の居室の熱気を排気するための排熱システムであって、
    前記最上階において前記複数の居室に隣接する非居室の上部に設けられ、前記複数の居室それぞれの間仕切り壁に隣接する閉鎖空間と、
    前記非居室に前記建物の床下空間の空気を取り込むための空気取り込み口と、
    前記各間仕切り壁に設けられ、前記空気取り込み口から前記非居室に取り込まれた空気を、前記居室に給気するための給気口と、
    前記各間仕切り壁に設けられ、前記給気口から前記各居室に給気された空気を、前記閉鎖空間に排気するための排気口と、
    前記各排気口から前記閉鎖空間に排気された空気を、前記閉鎖空間の天井の上方に位置する小屋裏空間に排出するための排熱ファンとを備え
    前記排熱ファンの吸込み口が前記閉鎖空間の天井に設けられている、排熱システム。
  2. 記閉鎖空間内の圧力を検知するための圧力センサと、
    前記圧力センサにより検知された圧力に応じて、前記排熱ファンの出力を調整する出力制御部とをさらに備える、請求項1に記載の排熱システム。
  3. 前記排気口ごとに設けられ、前記居室内の温度に応じて前記排気口を開閉するための開閉装置をさらに備える、請求項1または2に記載の排熱システム。
  4. 前記給気口ごとに設けられ、前記排気口の開閉状態に連動して前記給気口を開閉するための開閉部材をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の排熱システム。
  5. 前記建物は、前記最上階の下方に位置し、吹抜け部を有する通路室が配置された1階を有し、
    前記非居室は、前記吹抜け部を介して前記通路室と通じており、
    前記空気取り込み口は、前記通路室の床に設けられる、請求項1〜4のいずれかに記載の排熱システム。
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