図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、遊技機規則、すなわち平成16年(2004年)1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年(1985年)2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に適合するスロットマシンである。以下、用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準ずる。
遊技機筐体8Bは、箱型のリアキャビネット8R及び扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、内部にメインリール100(メインとなる回胴)を収めるリールパネル8、メインリール100の動作と協働して変動表示等させる左中右の演出図柄7L,7C,7Rや、背景画像等をフルカラーで映し出す演出表示装置7を構成する液晶表示装置70、所定条件下で遊技状態の告知等を行う同演出表示装置7を構成する複数の遊技演出ランプ700(71,72,73)、上装飾ランプ81,左装飾ランプ82,右装飾ランプ83,液晶表示装置70の角に臨む4つのアクセント装飾ランプ84,リールパネル8の上・左・右に臨む門形装飾ランプ85を備える。下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、腰部パネル8P、左下装飾ランプ86、右下装飾ランプ87を備える。81〜87の総称として、装飾ランプ88という。91〜94はBGMや各種効果音等を出音するスピーカ、8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿、8Tは灰皿である。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、メインリール100を構成する複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に全部で21コマ配した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。各リール1L,1C,1Rの定常回転数(定速回転数)は約80回転/分であり、約750msで一回転する。通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールし、図柄が一コマ移動するのに要する時間は約35.7msである。よって、通常のステッピングモータ制御下、遊技機規則において通常時のリール停止操作から停止までの時間が「190ms以内」というのは、((190÷35.7)−1)の整数解=4コマが許容される最大滑りコマ数となり、同じく第二種特別役物の作動時の少なくとも一つのリール停止操作から停止までの時間が「75ms以内」というのは、((75÷35.7)−1)の整数解=1コマが許容される最大滑りコマ数となる。
表示窓80には、遊技結果を判定する有効ラインを表示する線画や模様、ライン電飾等は意図的に付していない。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、上段ライン(左上−中上−右上)、中段ライン(左中−中中−右中)、下段ライン(左下−中下−右下)、右下りライン(左上−中中−右下)、右上りライン(左下−中中−右上)の5ラインを有効ラインとしている。この他、上V字ライン(左上−中中−右上)、下V字ライン(左中−中下−右中)等、同一段又は一段違いで隣接する図柄表示位置同士を1本の直線又は折れ線で結んだ他のラインを有効ラインとしてもよいし、中段ライン等の特定の1ラインのみを有効ラインとしてもよい。
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2、遊技者操作を演出に関与させるプッシュボタンPBとダイヤルDAをもつジョグダイヤルJD、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な規定数(役物作動中以外は3枚(3BET)、役物作動中は2枚(2BET))の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジットに残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示(回転)を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2下流のメダル詰り時に押すメダル返却ボタン20、ドアキー穴8Kを備える。
リールパネル8の左右の下部には、現時のクレジット数を表示させる2桁7セグメントLEDから成るクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させる2桁7セグメントLEDから成るペイアウト表示器DL2、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されたとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2からメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、役物作動中の規定数に達し、さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、役物作動中以外の通常の規定数に達する。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能になる。規定数に達した状態からスタートレバー5を操作しないでメダル投入口2にさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
図2に示すように、各リール1L,1C,1Rのリール帯10L,10C,10Rの外周面には、赤7、青7、黒バー、白バー、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ、プラムの全9種類の図柄を、図柄番号0,1〜20に対応させ且つ独特の縦の並びに従って印刷等により描いている。各リール1L,1C,1Rは、全21コマの図柄を配する21コマリールである。各リール帯10L,10C,10Rの上端と下端は結ばれて輪状になり、エンドレスに図柄をスクロールさせる。
図3に、内部抽せんでの各当せんエリアと作動に係る条件装置(当せん役)の関係を示す。内部抽せんは、スタートレバー5の操作時、主制御装置MCのRWM上で高速更新する例えば2バイトカウンタから抽出する乱数値が、その取り得る0〜65535の数値範囲65536内に予め区分した何れの当せんエリアに属するか否かで当該ゲームでの作動に係る条件装置すなわち当せん役を決定する。
条件装置は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置による第1役物から成る赤7ビッグボーナスRBB1、同青7ビッグボーナスRBB2、第二種特別役物に係る役物連続作動装置による第2役物から成るチャレンジボーナスCBB、次遊技を新たな遊技メダルの投入なしで行える非役物に係る再遊技役としてREP1,REP2,REP3,REP4、遊技メダルを獲得できる非役物に係る入賞役として、ベル揃いNML1、青7ベルNML2、チェリーNML3、スイカNML4、リーチ目表示用のリーチ目役となる特定役NML5,NML6,NML7、RBB1又はRBB2作動中の第一種特別役物RB作動中の増加役NML8,NML9,NML10,NML11を含む。RBB1又はRBB2作動中の第一種特別役物RBの作動中、CBB作動中の第二種特別役物CBの作動中、規定数は2枚、それ以外は規定数3枚となり、入賞時の払出メダル枚数たる配当が1枚〜最大配当数15枚の範囲で予め定めている。チェリーNML3についてのANYは、どの図柄でも良いことを示す。
当せんエリアの仕様は、遊技状態により異なる。遊技状態は、再遊技役の当せん確率が約1/7.3(乱数分母65536に対する分子となる当せん値数は8978)の非RT(RT;リプレイタイム)、RBB1に当せんするも赤7揃いできずにその当せんの権利が持ち越されたRBB1内部中、RBB2に当せんするも青7揃いできずにその当せんの権利が持ち越されたRBB2内部中、CBBに当せんするも青7−青7−黒バーの第2役物作動図柄の組合せを表示できずにその当せんの権利が持ち越されたCBB内部中、赤7揃い又は青7揃いによる第1役物作動図柄の表示により開始するRB作動中、第2役物作動図柄の表示により開始するCB作動中、RBB1,RBB2,CBBの作動終了によるRB又はCBの作動終了後から所定ゲーム例えば最大30ゲームについて継続させる再遊技役の当せん確率を約1/2.3に高めたリプレイタイムRT1を含む。
RBB1又はRBB2の作動は、総獲得メダル枚数が相対的に多い第1上限例えば344枚の超過により終了し、CBBの作動は、総獲得メダル枚数が相対的に少ない第2上限例えば164枚の超過により終了する。RBB1,RBB2,CBB内部中へは、RT1から突入する場合もある。また、RB又はCB作動中へは、非RT又はRT1での当せんゲームで対応する役物作動図柄の組合せを表示できた場合、非RT又はRT1から突入する場合もある。CB作動中、75ms以内で停止させるべきリールは、押し順によらず、左リール1Lとしている。
当せんエリアには、何れの役にも当せんしない不当せんを含む。RBB1,RBB2,CBBの内部中、不当せんを引くと、持ち越しに係る役物作動図柄の組合せを表示できる。RB作動中は不当せんはない。CB作動中の不当せんというのは、内部抽せんの結果にかかわらず入賞に係る条件装置を作動させる第二種特別役物の定義どおり、RB作動中の増加役を除いた全ての入賞役NML1〜7を当せん状態とする小役ALL状態となる。当せんエリア「RB中1」は、全入賞役NML1〜11を重複当せんさせ、当せんエリア「RB中2」は、スイカNML4と特定役NML5〜7を除く入賞役NML1〜3+8〜11を重複当せんさせる。RB中1とRB中2の振り分けは例えば1:1としており、RB中1の当せん時は、逆押しで且つ左リール1Lの青7図柄狙いにより、14枚の配当を1回得、359枚獲得でRBB及びRBの作動を終了させる枚数調整を可能にしている。RBB1,RBB2,CBBの何れかの役物に当せんする確率は、1/200〜1/300の範囲に設定している。
非RT又はRT1時、当せんエリア「ベル」はNML1,2の重複当せんに係り、同「スイカ」はNML4の単独当せんに係り、同「チェリー」はNML3の単独当せんに係る。RBB1又はRBB2又はCBB内部中は、それぞれRBB1又はRBB2又はCBBとの重複当せんとなる。当せんエリア「ベル」「スイカ」「チェリー」は、RB又はCB作動中を除く遊技状態で抽せんする。同「確定チェリー」はNML3,6の当せんを含み、同「中段チェリー」はNML3,6,7の当せんを含み、同「リーチ目1」はNML5,6の当せんを含み、同「リーチ目2」はNML6の当せんを含み、RBB1又はRBB2又はCBB内部中すなわち何れかの役物内部当せん中のみに抽せんし、それぞれRBB1又はRBB2又はCBBとの重複当せんとなる。
同「プラム揃い」はREP1〜4の当せんを含み、RBB1内部中のみに抽せんし、RBB1との重複当せんとなり、ストップボタン6L,6C,6Rを、左中右、左右中、中左右の何れかの押し順で操作したときREP2のプラム揃いの再遊技役を表示して、RBB1の当せんを確定報知する。同「プラム煽り」はREP1,3,4の重複当せんに係り、非RT又はRT1の遊技状態で抽せんし、プラム揃いしそうでしない再遊技役を表示させる。同「リプレイ」は、REP1の当せんに係り、RB又はCB作動中を除く遊技状態で抽せんし、RBB1又はRBB2又はCBB内部中は、それぞれRBB1又はRBB2又はCBBとの重複当せんとなる。
非RT又はRT1の遊技状態では、RBB1,RBB2,CBBの単独当せんエリアの他、RBB1と、スイカ、チェリー、確定チェリー、中段チェリー、リーチ目1、リーチ目2、プラム揃い、リプレイ何れかが重複当せんするエリアを含み、RBB2と、スイカ、チェリー、確定チェリー、中段チェリー、リーチ目1、リーチ目2、リプレイ何れかが重複当せんするエリアを含み、CBBと、スイカ、チェリー、確定チェリー、リーチ目1、リーチ目2、リプレイ何れかが重複当せんするエリアを含む。
なお、RBB1,RBB2,CBBの内部中、当せんエリア「スイカ」の当せん値数は、非RT又はRT1の当せんエリア番号4,14,23,31の当せん値数を合計した値に、当せんエリア「チェリー」の当せん値数は、非RT又はRT1の当せんエリア番号5,15,24,32の当せん値数を合計した値に、当せんエリア「確定チェリー」の当せん値数は、非RT又はRT1の当せんエリア番号16,25,33の当せん値数を合計した値に、当せんエリア「中段チェリー」の当せん値数は、非RT又はRT1の当せんエリア番号17,26の当せん値数を合計した値に、当せんエリア「リーチ目1」の当せん値数は、非RT又はRT1の当せんエリア番号18,27,34の当せん値数を合計した値に、当せんエリア「リーチ目2」の当せん値数は、非RT又はRT1の当せんエリア番号19,28,35の当せん値数を合計した値になる。また、RBB1,RBB2,CBBの内部中の再遊技役の当せん確率は、それぞれの役物の当せんを得た非RT又はRT1での再遊技役の当せん確率を引き継ぐ。
条件装置としてのチェリーNML3は、左リール1Lについての停止操作のタイミング如何により取りこぼして本来獲得できる1ラインにつき通常時2枚の遊技メダルを獲得できない非役物に係る取りこぼし役である。当せんエリアには、この取りこぼし役NML3の当せんを確定させるが、役物との重複当せんを確定させない、非RT又はRT1における当せんエリア番号5「チェリー」による第1特定当せんエリアと、取りこぼし役NML3とRBB1,RBB2,CBB何れかの役物との重複当せんを確定させる、当せんエリア番号6,7,16,17,25,26,33の「確定チェリー」又は「中段チェリー」による第2特定当せんエリアとを含む。「チェリー」についての当せんエリア番号15,24,32は役物と重複当せんとなるが、非RT又はRT1において役物と重複当せんとならない番号5の当せんエリアを独立して定義していることから、全体として、当せんエリアとしての「チェリー」は役物との重複当せんを確定させるものにはならない。
「確定チェリー」又は「中段チェリー」による第2特定当せんエリアには、取りこぼし役NML3を取りこぼした場合に有効ラインに表示可能な図柄の組合せを有し、且つ、役物の当せんを示唆させる特定役であって役物と重複当せんにならないときには当せんとはならない、即ち、非RT又はRT1において役物と重複当せんとならない独立した当せんエリアにおいて当せんすることのない特定役「NML6」又は「NML6及びNML7」を重複当せんさせ、「チェリー」による第1特定当せんエリアには、このような特定役「NML6」又は「NML6及びNML7」を重複当せんさせない仕様にしている。
また、役物は、遊技者に付与する利益に予め定めた相対的な優劣を付けた優側の第1役物RBB1,RBB2と劣側の第2役物CBBとの異種類を含んでおり、特定役は、図柄の組合せが異なる複数の役NML6,NML7を含み、第2特定当せんエリアは、当せん遊技では第1役物RBB1又はRBB2か第2役物CBBかの種類を問わない役物と重複当せんとなる種類不問役物当確エリア、すなわち、番号16「RBB1+確定チェリー」、番号25「RBB2+確定チェリー」、番号33「CBB+確定チェリー」と、当せん遊技では第1役物RBB1又はRBB2か第2役物CBBかの種類を特定した役物である第1役物RBB1又はRBB2と重複当せんとなる種類特定役物当確エリア、すなわち、番号17「RBB1+中段チェリー」、番号26「RBB2+中段チェリー」)とを含み、「確定チェリー」による種類不問役物当確エリアではNML6を、「中段チェリー」による種類特定役物当確エリアではNML6+NML7を重複当せんさせている。
「遊技者に付与する利益に予め定めた相対的な優劣を付けた」とは、役物の作動を契機に遊技者利益が付与される有利な遊技期間において、投入遊技媒体数に対する獲得遊技媒体数の比率が相対的に高い仕様(優側)と相対的に低い仕様(劣側)を設けたこと、或は、役物作動中の総獲得遊技媒体数から総投入遊技媒体数を引いた純増数が多い仕様(優側)と少ない仕様(劣側)を設けたこと、或は、役物作動中の純増数は少ないが役物作動終了後に移行させる再遊技高確率状態での再遊技確率及び/又は継続ゲーム数が役物作動中の純増数の少なさを補うのに十分なより大きい仕様(優側)と役物作動中の純増数は多いが再遊技高確率状態での再遊技確率及び/又は継続ゲーム数が役物作動中の純増数の多さを消し去ってしまう程の値に止まる仕様(劣側)とを設けたこと、或は、役物作動中の純増数は少ないが役物作動終了後に移行させる停止操作をナビするアシストタイムの継続ゲーム数等が役物作動中の純増数の少なさを補うのに十分なより大きい仕様(優側)と役物作動中の純増数は多いがアシストタイムの継続ゲーム数等が純増数の多さを消し去ってしまう程の値に止まる仕様(劣側)とを設けたこと等を意味する。なお、投入遊技媒体数に対する獲得遊技媒体数の比率や純増数の違いは、総獲得遊技枚数の相違や、役物作動継続遊技数の相違の他、規定数の相違、即作動の役物連続作動装置かシフト付きの役物連続作動装置かの相違、規定数の相違による小役配当の相違、小役当せん確率の相違、役物作動中の増加役の有無等でも実現可能である。
NML5+6を含む当せんエリア番号18,27,34の「リーチ目1」、又は、NML6を含む当せんエリア番号19,28,35の「リーチ目2」についても、非RT又はRT1において役物と重複当せんとならない独立した当せんエリアはない。よって、「リーチ目1」、「リーチ目2」、「確定チェリー」、「中段チェリー」は、役物との重複当せんを確定させる。そのうち、「中段チェリー」は、獲得遊技媒体数でより有利な優側仕様の第1役物すなわち赤7ビッグボーナスRBB1又は青7ビッグボーナスの当せんを確定させる。
赤7揃い又は青7揃いによる第1役物作動図柄の表示により開始するRBB1又はRBB2作動により即作動する第一種特別役物の作動中の遊技状態時すなわちRB作動中、RB作動中以外の遊技状態時に当せん役としないが表示を許容させる特定図柄の組合せにより入賞とする増加役を当せんさせる当せんエリア番号1の「RB中1」と同2の「RB中2」を設けている。また、RB作動中、RB作動中以外の遊技状態時に増加役と同じ図柄の組合せの表示を許容させる当せんエリア番号5の「チェリー」等の当せんエリア及び増加役の当せんとならない当せんエリア番号0の「不当せん」を設けない仕様にしている。
増加役は、「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」の表示により、一遊技についての許容範囲内で設定した一遊技の最大配当数の15枚のメダルを払出す最大配当役たる高配当役NML8と、「青7」−「リプレイ」−「リプレイ」の表示により、最大配当数に満たない例えば12枚のメダルを払出す中配当役NML9と、「リプレイ」−「リプレイ」−「白バー又はスイカ又はチェリー」の表示により、中配当役の払出枚数12枚と合算しても最大配当数に満たない例えば1枚のメダルを払出す第1低配当役NML10と、「スイカ」−「リプレイ」−「赤7又はベル」の表示により、中配当役の払出枚数12枚と合算しても最大配当数に満たない例えば1枚のメダルを払出す第2低配当役NML11とを含む枚数調整役から成る。
RB作動中、RB中1の当せんエリアの当せん時、逆押しで且つ左リール1Lの青7図柄狙いにより、中配当役NML9を中段に表示できると、右下りラインにNML10が、右上りラインにNML11がそれぞれ同時に表示でき、合計14枚の払出しとなる。よって、最大配当数15枚を連続して23回得ることで第1上限(344枚)を速攻で超過させるよりも、途中で14枚の配当を1回だけ得て、第1上限を超過する直前のゲームまでに、ぎりぎりの344枚を獲得しておき、最後のゲームで15枚の最大配当数を得る枚数調整を成功させることにより、トータル359枚のより多いメダルを獲得できる。
図4に示すように、遊技機筐体8Bの内部に組込む制御装置CNは、遊技の進行を管理し、内部抽せん、入賞によるメダルの払出し、再遊技の作動、役物の作動等の遊技者利益に関係する主遊技制御を実行させる所謂メイン側と呼ばれる遊技機規則でいう主基板に対応する主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報を受信して主制御装置MCでの決定事項に基づいて演出制御を実行させる所謂サブ側と呼ばれる遊技機規則でいう周辺基板に対応する周辺制御装置SCとを含む。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。
主制御装置MCは、読み出し専用のリードオンリーメモリROM及び読み書き可能なリードライトメモリーRWMを内蔵したZ80互換チップから成る8ビットのメインCPUを備え、例えば12MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。メインCPUは、基本的なZ80仕様に所定の遊技機用拡張仕様を適用している。
メインCPUの入力ポートI1には、各リール1L,1C,1Rのインデックスセンサ11L,11C,11R(IDs)、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、メダル投入口2の下流に設ける投入メダルセンサ21、遊技機筐体8Bに内蔵するメダル払出装置HPの出口に設ける払出メダルセンサ23の各信号を入力している。出力ポートO1から、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を、モータドライバ回路Dr1を介して各リール1L,1C,1Rに駆動軸SHを結合させる各ステッピングモータ12L,12C,12R(SM)を、LEDドライバ回路Dr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバ回路Dr3を介してリール始動後に追投入されるメダルをメダル受皿8Gに落すメダルブロッカー22を、モータドライバ回路Dr4を介してメダル払出装置HPのメダル払出モータ24を各制御している。
各インデックスセンサIDsは、各リールの内側に取付ける半円帯状のインデックスID(1Li,1Ci,1Ri)のオンエッジとオフエッジとを半周毎に検出し、最先のオンエッジ又はオフエッジの検出が全リールについてされた後、ストップボタン6L,6C,6Rの受付を可能にする。各ステッピングモータSMは、鉄芯外周に多数のロータ小歯をもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、磁極内周に複数のステータ小歯をもつ複数組の磁極にA相、B相、C相(Aバー相(Aの反転相))、D相(Bバー相(Bの反転相))の巻線を巻回したステータSwとを有し、定常回転時、一の巻線をオンにする1相励磁と、一の巻線及び隣接する他の巻線をオンにする2相励磁とを、一割込み時間例えばt=1.496ms毎に交互に繰返す1−2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位させ、504のステップ更新で一回転させる。また、励磁パルスのステップ更新方向を変更することにより正転と逆転とを可能にしている。
各リール1L,1C,1Rの図柄の一コマ移動は504/21=24ステップでされる。各インデックスセンサIDsによるオンエッジの検出時、表示窓80中の下段等に定める基準位置に例えば図柄番号0の図柄が到達する関係にあり、図柄番号0と共に図柄番号0に対応する図柄のステップ数24の初期値23をセットし、各インデックスセンサIDsによるオフエッジの検出時、基準位置に図柄番号11の図柄の真ん中が到達する関係にあり、図柄番号11と共にステップ数24の中央値11をセットする。励磁パルスを1ステップ更新する1割込毎に、ステップカウンタの値を0に向けて更新し、ステップカウンタが0になった次のステップ更新により、例えば図柄番号0の次なら図柄番号を20に、ステップカウンタに初期値23をセットする。なお、図柄番号及びステップカウンタの格納エリアは、各リール1L,1C,1R毎に主制御装置MCのRWMに確保している。
メインCPUのROM上には、スタートレバー5の操作を契機に図3の仕様による内部抽せんを実行して当せん役を決定する内部抽せん手段K、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から4.1秒経過後に全リールを正転側に加速処理して定常回転速度に到達させる回胴回転装置制御手段V1と各リールを対応するストップボタンの操作により個別に停止させて有効ラインに当せん役に対応した図柄の組合せの表示を許容させる回転停止装置制御手段V2とを含む可変表示制御手段を構成するリール制御手段V、遊技結果が入賞なら所定配当数のメダルを払出すメダル払出手段M、遊技結果が再遊技の作動なら次ゲームの掛けメダルを同一規定数で自動投入するメダル自動投入手段N、遊技結果が役物作動中等への移行を伴うのなら遊技状態を移行させる遊技状態移行手段J、所定のフリーズ抽せんにより当せん役別に定めた所定確率により各リールを逆回転等させる所定の回胴演出の当否を決定するフリーズ抽せん手段W、その当せんに係る回胴演出を実行させる回胴演出実行手段Gを設けている。
周辺制御装置SCは、外付けする読み出し専用のリードオンリーメモリROMと、内蔵及び外付けする読み書き可能なリードライトメモリーRWMをもつ32ビットRISC(Reduced Instruction Set Computer)チップマイコンから成るサブCPUを備え、例えば約200MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。サブCPUは、リアルタイムオペレーティングシステムRTOS(Real−Time Operating System)の管理下、演出表示や音声に関するタスクに割当てるCPU時間、優先順位を制御することにより、適切且つ効率的なタスクの並行処理を可能にしている。
サブCPUの入力ポートI2には、主制御装置MCからの送信情報、ジョグダイヤルJDの信号を入力している。主制御装置MCからの送信情報すなわち周辺制御装置NCの受信情報には、メイン側初期化完了情報、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズ及び回胴演出情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は決定若しくは実行する各種情報が含まれる。
サブCPUのROM上には、主制御装置MCからの受信情報に基づいて、遊技状態等に応じた演出表示を演出表示装置7等に出力させる演出表示手段Y1、これに連動してスピーカ91〜94から効果音やBGMを出音させる効果音出力手段Y2を設けている。サブCPUは、I2Cのマイクロコントローラとしても機能し、CPU内蔵I2CのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに、リアルタイムクロックRTCのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAを接続している。シリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAとは、それぞれ、抵抗rpを介してサブCPUの主動作電位vdd=3.3Vにプルアップしている。リアルタイムクロックRTCの時計機能は、遊技機の電源オンオフに拘らず、二次電池等のバックアップ電源BTにより例えば10年以上の長期間にわたり継続的に維持される。
サブCPUのCPU内蔵バスにはI2CコントローラI2Cnを接続しており、このI2CコントローラI2CnのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAを、表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯10L,10C,10Rの背面から照明するリールバックランプBL1〜9を制御するLDEドライバDr5のシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに接続し、装飾ランプ88を制御するLEDドライバDr6のシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに接続し、遊技演出ランプ700を制御するLEDドライバDr7のシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに接続している。液晶表示装置70は、VDP(Video Display Processor)、出力ポートO2、LCDドライバ回路Dr8を介して制御している。スピーカ91〜94からの音声は、音声IC、出力ポートO2、パワーアンプ回路Dr9を介して制御している。
リール制御手段Vにおける回胴回転装置制御手段V1は、スタートレバー5の操作を契機とした各リール1L,1C,1Rの加速処理中、全リール1L,1C,1Rの全図柄に対して、内部抽せんで決定した当せん役に応じて、再遊技役>入賞役>役物の順に従う役別優先順位付けと、当せん役が入賞役の場合には、入賞した場合に最も配当が多くなる高配当の入賞役を優先引込みする枚数優先や入賞となる図柄の組合せの数が最も多くなる入賞役を優先引込みする個数優先に対応させる役内優先順位付けとをした停止候補検索データをRWM上で作成し、後の停止制御のロジック演算に備える。
停止候補検索データは、例えば、当せん役が再遊技役なら、当せんに係る再遊技役の図柄の組合せを構成する各リール1L,1C,1Rの各図柄が有効ラインに表示されることとなるときの下段基準位置の図柄に16進数表記で08H(下位の8は再遊技役の優先順位)を、その他の図柄に01Hを記録したものとなる。01Hは消極的に表示を許容させる最下位優先順位を示す。
当せん役が入賞役なら、原則として枚数優先に従い、当せんに係る小役の図柄の組合せを構成する各リール1L,1C,1Rの各図柄が有効ラインに表示されることとなるときの下段基準位置の図柄に74H(上位の7は配当(7枚払出)、下位の4は入賞役の優先順位)等を、その他の図柄に01Hを記録したものとなる。チェリーNML3の当せんがない場合、チェリー図柄を有効ラインに表示させることとなる下段基準位置の図柄には00Hが記録される。00Hは下段基準位置に停止させることのできない停止禁止データとなる。さらに、個数優先に対応させる場合には、当せんに係る入賞役の図柄の組合せが有効ラインに表示されることとなるときの下段基準位置の図柄に34H(上位の3は入賞役が表示される有効ライン数(3ラインで入賞)、下位の4は入賞役の優先順位)等を、その他の図柄に01Hを記録したものも作成する。
当せん役がRBB1,RBB2,CBB何れかの役物なら、対応する役物作動図柄の組合せが有効ラインに表示されることとなるときの下段基準位置の図柄に02H(下位の2は役物の優先順位)を、その他の図柄に01Hを記録したものとなる。RBB1,RBB2,CBB何れかの内部中に、再遊技役や入賞役に当せんすると、当せんに係る再遊技役や入賞役の図柄の組合せを構成する各リール1L,1C,1Rの各図柄に対応づけて、02Hよりも大きい再遊技役の08Hや入賞役の74H,34H等が重複して記録される。例えば、RBB2又はCBB内部中に、左リール1Lの「青7」を図柄の組合せに含むNML2を含むベルの当せんエリアに当せんした場合、左リール1Lの「青7」が有効ラインに表示されることとなるときの下段基準位置の図柄には74H+02H=76Hが記録されることになる。
図5に、非RT又はRT1時、番号5の「チェリー」の当せんエリアに当せんし、左中右の順押しで停止操作した場合の停止制御例を示す。規定数3枚時、左リール1Lについて枚数優先に対応させて初期作成する停止候補検索データは、NML3の左図柄「チェリー」を上段、中段、下段に表示させることとなる図柄番号2,1,0,15,14,13に24H(上位の2は配当数2、下位の4は入賞役の優先順位)を、その他の図柄番号に01Hを記録したものとなる。
第1番目の左リール1Lの停止では、停止操作の検出時に下段基準位置に到達している図柄の上流側に連続する0コマ目(即止め)、1コマ目、2コマ目、3コマ目、4コマ目の計5コマの後続図柄について、加速処理中に初期作成した停止候補検索データに基づき、最も優先順位の高い最上位の図柄を検索するロジック演算を行うと共に、同じ値の最上位の図柄が複数ある場合は予めROM上で定義した停止テーブルを参照することにより、最も引込み優先順位の高い唯一の停止図柄を決定し、決定した停止図柄が下段基準位置に到達するタイミング、すなわち下段基準位置の図柄が決定した停止図柄の図柄番号に更新され且つステップカウンタの値が初期値23となるときに、左リール1LのステッピングモータSMに全相励磁等による停止パルスを供給する。
左リール1Lの図柄番号6,5,4,3,2,1,0の連続した7コマ、又は、同図柄番号19,18,17,16,15,14,13の連続した7コマ、合わせて14コマが0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、最大4コマ滑りにより、左上又は左下にNML3の左図柄「チェリー」を表示させることができる。左中に「チェリー」を表示させることも可能だが、チェリーについての当せんエリアの当せん時、同順位の24Hの中から停止図柄を決定する際に参照する左第1停止用の停止テーブルに、チェリー図柄を左上又は左下に限り表示させるデータを記憶している。
第1停止が完了すると、次のストップボタンの操作を受付可能とするまでの停止操作間隔期間中(例えば約200msの間)に、第1停止による表示出目に応じて、表示の対象外となる図柄について、未停止リールの停止候補検索データを書き換え、第2番目以後の停止に備える。チェリー役NML3の図柄の組合せは「チェリー」−「ANY」−「ANY」で、左図柄にについて「チェリー」が表示されると、中図柄、右図柄はどの図柄でもよいことから、初期作成された停止候補検索データにおける全図柄についての01Hが維持される。なお、「ANY」に対応した停止候補検索データは、24H(上位の2は配当数2、下位の4は入賞役の優先順位)としてもよい。
第2番目の中リール1Cの停止では、どのタイミングで停止操作しても、停止操作の検出時に下段基準位置に到達している図柄の上流側に連続する0コマ目(即止め)、1コマ目、2コマ目、3コマ目、4コマ目の計5コマの後続図柄全てについて停止候補検索データは同順位となるため、左チェリー表示後の中第2停止用の停止テーブルにより、下段に例えばベル図柄を表示する。
第2停止が完了すると、最後のストップボタンの操作を受付可能とするまでの停止操作間隔期間中(例えば約200msの間)に、第2停止までの表示出目に応じて、表示の対象外となる図柄及び表示禁止とすべき図柄について、未停止リールの停止候補検索データを書き換え、最後の第3番目の停止に備えるが、本例の場合、右リール1Rの全図柄についての01Hが維持される。
第3番目の右リール1Rの停止では、どのタイミングで停止操作しても、停止操作の検出時に下段基準位置に到達している図柄の上流側に連続する0コマ目(即止め)、1コマ目、2コマ目、3コマ目、4コマ目の計5コマの後続図柄全てについて停止候補検索データは同順位となるため、左チェリー表示後の右第3停止用の停止テーブルにより、下段に例えばスイカ図柄を表示する。
これにより、左リール1Lについてチェリー図柄を表示できた場合、左上にチェリー図柄が位置してNML3が上段ラインと右下りラインの2ラインで入賞するか、又は、左下にチェリー図柄が位置してNML3が下段ラインと右上りラインの2ラインで入賞するかの何れかとなり、それぞれ2枚×2ライン分の4枚のメダルが払出される。「チェリー」についての当せんエリアの当せん時、チェリー図柄が2つ並ぶ2連チェリーとなる場合もあるが、多くの場合、左リール1Lについての単チェリーとなり、役物の当せんが確定しない所謂弱チェリーであることを遊技者に知らせる。
なお、左上にチェリー図柄が位置してNML3が入賞したとき、中段ラインにRB作動中の増加役NML8と同じ「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」が並ぶことがあるが、RB作動中ではないため、これによるメダルの払い出しはない。同様に、左下にチェリー図柄が位置してNML3が入賞したとき、右下りラインにRB作動中の増加役NML10と同じ「リプレイ」−「リプレイ」−「スイカ」等が並ぶことがあるが、RB作動中ではないため、これによるメダルの払い出しはない。
図6に、RB作動中、番号2の「RB中2」の当せんエリア(NML1〜3+8〜11)に当せんし、左中右の順押しで停止操作した場合の停止制御例を示す。規定数2枚時、左リール1Lについて枚数優先に対応させて初期作成する停止候補検索データは、NML1〜3及び増加役NML8〜11のうち、最大配当数の15枚配当役の左図柄となる「ベル」図柄又は「チェリー」図柄を上段、中段、下段に表示させることとなる図柄番号0〜3,5〜7,9〜11,13〜16,18〜20にF4H(上位のFは配当数15、下位の4は入賞役の優先順位)を、図柄番号4,8,12に14H(上位の1はNML11の配当数1、下位の4は入賞役の優先順位)を、図柄番号17にE4H(上位のEはNML2の配当数14、下位の4は入賞役の優先順位)を記録したものとなる。
左リール1Lの停止では、最高順位のF4Hの中から停止図柄を決定する際に参照する当せんエリア「RB中2」の当せん時の左第1停止用の停止テーブルに、「ベル」図柄を左中に表示させるデータを記憶しており、最大4コマ滑りにより、「ベル」図柄が中段に表示される。
左リール1Lについて上段にチェリー、中段にベル、下段にリプレイが表示された※印の表示後は、中リール1Cについて「ベル」図柄を中中に表示させる下段図柄のF4Hは維持され、「リプレイ」図柄を中中又は中下に表示させる下段図柄は14H(上位の1はNML10の配当数1、下位の4は入賞役の優先順位)に、それ以外は01Hに書き換えられる。
※印後の第2番目の中リール1Cの停止では、最大4コマ滑りにより、最高順位のF4Hの図柄が下段に停止し、「ベル」図柄が中段に表示される。中リール1Cについて中段にベルが表示された後、右リール1Rの「ベル」図柄を右中に表示させる下段図柄のF4Hは維持され、それ以外は01Hに書き換えられる。第3番目の右リール1Cの停止では、最大4コマ滑りにより、最高順位のF4Hの図柄が下段に停止し、「ベル」図柄が中段に表示される。
これにより、左リール1Lの上段に「チェリー」図柄が表示されるNML3による規定数2枚時の15枚×2ライン分の入賞、及び/又は、中段に「ベル」−「ベル」−「ベル」が表示される第1高配当役NML1による規定数2枚時の15枚配当の入賞により、最大配当数の15枚のメダルが払出される。左中右の順押し以外に、右中左の逆押しを含む他の押し順で停止操作をしたとしても、4コマ滑りの範囲内で100%図柄を引き込むことができる第1高配当役NML1を当せんさせているため、NML1の「ベル」−「ベル」−「ベル」が有効ラインに並ぶ第1出目により最大配当数の15枚のメダル払出しが保証される。また、「RB中2」の当せんエリア(NML1〜3+8〜11)では、増加役NML8〜11を重複当せんさせているため、この増加役NMLの図柄の組合せの表示を回避する特別な制御をする必要もない。
図7に、RB作動中、番号1の「RB中1」の当せんエリア(NML1〜11)に当せんし、右中左の逆押しで停止操作した場合の停止制御例を示す。規定数2枚時、右リール1Rについて枚数優先に対応させて初期作成する停止候補検索データは、NML1〜11のうち、最大配当数の15枚配当役たる第1高配当役NML1の右図柄となる「ベル」図柄又は第1高配当役と枚数優先順位が同じ最高順位となる第2高配当役NML8の右図柄となる「リプレイ」図柄若しくは同第3高配当役NML4の右図柄「スイカ」を上段、中段、下段に表示させることとなる図柄番号0〜20の全図柄にF4H(上位のFは配当数15、下位の4は入賞役の優先順位)を記録したものとなる。
右リール1Rの停止では、最高順位のF4Hの中から停止図柄を決定する際に参照する当せんエリア「RB中1」の当せん時の右第1停止用の停止テーブルに、「リプレイ」図柄を右中に表示させるデータを記憶しており、最大4コマ滑りにより、「リプレイ」図柄が中段に表示される。同時に、右上に増加役の第2低配当役NML11の右図柄「赤7」又は「ベル」が表示され、右下に増加役の第1低配当役NML10の右図柄「白バー」又は「スイカ」又は「チェリー」が表示される。
右リール1Rについて中段にリプレイが表示された後は、中リール1Cについて、「リプレイ」図柄を中中に表示させる下段図柄と左上にベルが停止した場合に中上又は中中に「ベル」図柄を表示させる下段図柄とのF4Hは維持され、「リプレイ」図柄を中上又は中下に表示させる下段図柄は14Hに、これ以外は01Hに書き換えられる。
第2番目の中リール1Cの停止では、最高順位のF4Hの中から停止図柄を決定する際に参照する当せんエリア「RB中1」の当せん時の逆押し中第2停止用の停止テーブルに、「リプレイ」図柄を中中に表示させるデータを記憶しており、最大4コマ滑りにより、「リプレイ」図柄が中段に表示される。
第3番目の左リール1Lの停止では、枚数優先から個数優先に切換え、入賞となる図柄の組合せの個数が多くなる表示を優先させる個数優先に従う停止候補検索データに基づいた停止制御を行う。RB作動中の「RB中1」の当せんエリアに当せんしたときの逆押しによる左第3停止時前に作成する個数優先に従う停止候補検索データは、図柄番号0,2,13,15,17に対応させて34H(上位の3は入賞役が表示される有効ライン数(3ラインで入賞)、下位の4は入賞役の優先順位)を、図柄番号10に対応させて24H、図柄番号1,6,14,19に対応させて14H,図柄番号4,5,9,11,18に対応させて01H、図柄番号3,7,8,12,16,20に対応させて00Hを記録したものとなる。
図柄番号0,1が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、0コマ滑り(即止め)、1コマ滑りにより、図柄番号0「チェリー」が下段に停止して、※1に示すように入賞する図柄の組合せ個数が3つで、且つ最大配当数の15枚のメダルが払出される。
図柄番号2,3,4,5,6が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、0コマ滑り(即止め)、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑りにより、図柄番号2「リプレイ」が下段に停止して、※2に示すように入賞する図柄の組合せ個数が3つで、且つ最大配当数の15枚のメダルが払出される。
図柄番号7,8,9が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑りにより、図柄番号6「プラム」が下段に停止して、※3に示すように入賞する図柄の組合せ個数が1つで、且つ最大配当数の15枚のメダルが払出される。
図柄番号10,11,12が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、0コマ滑り(即止め)、1コマ滑り、2コマ滑りにより、図柄番号10「スイカ」が下段に停止して、※4に示すように入賞する図柄の組合せ個数が2つで、且つ最大配当数の15枚のメダルが払出される。
図柄番号13,14が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、0コマ滑り(即止め)、1コマ滑りにより、図柄番号13「チェリー」が下段に停止して、※5に示すように入賞する図柄の組合せ個数が3つで、且つ最大配当数の15枚のメダルが払出される。
図柄番号15,16が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、0コマ滑り(即止め)、1コマ滑りにより、図柄番号15「リプレイ」が下段に停止して、※6に示すように入賞する図柄の組合せ個数が3つで、且つ最大配当数の15枚のメダルが払出される。
図柄番号17,18,19,20が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合、0コマ滑り(即止め)、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑りにより、図柄番号17「スイカ」が下段に停止して、※7に示すように入賞する図柄の組合せ個数が3つで、且つ、中段ラインに12枚配当のNML9、右下りラインに1枚配当のNML10、右上りラインに1枚配当のNML11の3種類の増加役が入賞する第2出目により最大配当数の15枚よりも1枚少ない14枚のメダルが払出され、枚数調整がされる。青7図柄狙いの目押しに失敗して※7の第2出目を表示できなかった場合、※1〜6のNML8の入賞等による第3出目により、15枚のメダルが払出される。
当せんエリア「RB中1」の当せん時、右中左の逆押し以外に、左中右の順押しを含む他の押し順で停止操作をした場合は、14枚配当となる枚数調整はできないが、「RB中1」の当せん時と同様、最大配当数の15枚のメダル払出しが保証される。よって、RB作動中は、14枚配当を1回得るまでは逆押しで且つ左リール1Lの青7図柄を狙い、※7の表示による14枚配当を1回得た後は、順押しに戻して2回目の14枚配当となるリスクを避け、目押し不要の順押しにより15枚配当を確実に得ることが得策となる。
また、RB作動中、「RB中1」の当せんエリア(NML1〜11)についても、増加役NML8〜11を重複当せんさせており、「RB中2」の当せんエリアと合わせて全当せんエリアについて、増加役の当せんとならない不当せんを含む他の当せんエリアはなく、しかも、RB作動中以外で抽せんし且つ増加役と同じ図柄の組合せの表示を許容させる「チェリー」の当せんエリアもないことから、停止制御を殊更複雑にすることもない。このような仕様下で増加役NML8〜11により枚数調整を可能にし、RB作動中に技術介入性を打ち出しているため、RB作動中の遊技興趣を適切に向上できる。
なお、枚数優先から個数優先への切換は最後に停止させる左リール1Lの停止操作受付前に行うようにしたが、左リール1Lの停止操作受付後、図柄番号17,18が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合に限って個数優先に切換え、0コマ滑り(即止め)と、1コマ滑りとの2コマ限定下で、図柄番号17「スイカ」を下段に停止して14枚配当の枚数調整を可能にし、図柄番号17,18以外が0コマ目となるタイミングで停止操作された場合は枚数優先を維持して15枚配当となるようにしてもよい。この場合、左リール1Rの中段に「青7」を停止できるコマ数が2コマ未満に限定されて目押しの難易度が多少上がるが、「青7」が上段に差し掛かったときに目押しをすることにより「青7」を中段に停止できるため、極端にその難易度が上がるわけではない。
また、増加役NML8〜11は、RB作動中以外で抽せんをする当せんエリア番号5「チェリー」の当せん時に表示されるものに限定されず、RB作動中以外で抽せんをする他の当せんエリアの当せん時に表示されるものでもよいし、当せんエリア番号0「不当せん」の該当時に外れ出目として表示されるものでもよい。
さらに、RB作動中以外で抽せんをする特定の当せんエリアの当せん時に表示される図柄の組合せと増加役の図柄の組合せとの関係は、例えば、特定の当せんエリアでの当せん役の図柄の組合せ「ベル」−「ベル」−「ANY」に対して増加役の図柄の組合せを「ANY」−「ベル」−「ベル」としたもの、特定の当せんエリアでの当せん役の図柄の組合せ「ベル」−「ベル」−「ANY」に対して増加役の図柄の組合せを「ベル」−「ベル」−「ベル」としたもの、特定の当せんエリアでの当せん役の図柄の組合せ「ベル」−「ベル」−「リプレイ」に対して増加役の図柄の組合せを「ベル」−「ベル」−「ANY」としたもの等、増加役とする図柄の組合せが同一有効ラインに同時に表示されても遊技結果は当せん役と同一となる関係にあるものでもよい。
なお、ロジック演算において、上記のような停止候補検索データは用いず、これとは別の制御データ等を用いて上記同様な枚数優先又は個数優先に従う図柄の引込み及び蹴飛ばし処理を行うようにしてもよい。また、停止候補検索データでは、再遊技役>入賞役>役物の順に従う役別優先順位付けのみをし、検索対象5コマの同順位図柄からほぼ毎回停止テーブルにより停止図柄を決定してもよく、枚数調整をする際の左リール中段に「青7」を表示させる滑りコマ数等についても停止テーブルのデータに持たせてもよい。以上の実施形態の説明中、具体的な図柄や数字等は一例示に過ぎないのは言うまでも無い。