図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、「遊技機規則」、すなわち平成16年(2004年)1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年(1985年)2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」、に適合するスロットマシンである。用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準じている。
遊技機筐体8Bは、箱型のリアキャビネット8R及び扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、内部にメインリール100(メインとなる回胴)を収めるリールパネル8、サーチライトを模したサーチライトユニット77に口紅等の演出アイテム7N等を所定条件下で表示させる演出表示装置7を構成するミニ液晶表示器700、メインリール100の動作と協働して変動表示等させる左中右の演出図柄7L,7C,7Rや背景動画やアシストタイムAT作動中の所定ナビ情報等をフルカラーで映し出す同演出表示装置7を構成する大画面の液晶表示装置70、上装飾ランプ81,左装飾ランプ82,右装飾ランプ83,リールパネル8の角に臨む4つのアクセント装飾ランプ84,液晶表示装置70の上・左・右に臨む門形装飾ランプ85を備える。下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、腰部パネル8P、左下装飾ランプ86、右下装飾ランプ87を備える。81〜87の総称として、装飾ランプ88という。91〜94はBGMや各種効果音等を出音するスピーカである。演出表示装置7(700,70)、装飾ランプ88、スピーカ91〜94を総称して演出装置Q(図8参照)ともいう。8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿、8Tは灰皿である。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。以下、同様である。
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、メインリール100を構成する複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に全部で16コマ配した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。各リール1L,1C,1Rの定常回転数(定速回転数)は約80回転/分(本実施形態のものは約79.9回転/分)であり、約750ms(本実施形態のものは約751ms)で一回転する。通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールし、図柄が一コマ移動するのに要する時間は平均約46.9msとなる。よって、遊技機規則第6条別表第五(1)イ(ト)において通常時のリール停止操作から停止までの規定時間が「190ms以内」というのは、((190÷46.9)−1)の整数解=3コマが許容される最大滑りコマ数となる。
表示窓80には、遊技結果を判定する有効ラインを表示する線画や模様、ライン電飾等は意図的に付していない。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、例えば上上中ライン(左上−中上−右中)のみを有効ラインとしている。もっとも、上段ライン(左上−中上−右上)、中段ライン(左中−中中−右中)、下段ライン(左下−中下−右下)、右下がりライン(左上−中中−右下)、右上がりライン(左下−中中−右上)、上V字ライン(左上−中中−右上)、下V字ライン(左中−中下−右中)等、同一段又は一段違いで隣接する図柄表示位置同士を1本の直線又は折れ線で結んだ他のラインを有効ラインとしてもよいし、上上中ラインを含めた2本以上のラインを有効ラインとしてもよい。
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2、遊技者操作を演出に関与させるプッシュボタンPBとダイヤルDAをもつジョグダイヤルJD、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な第1規定数として例えば3枚(3枚掛け)又は第1規定数と異なる第2規定数として例えば2枚(2枚掛け)の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジットに残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、メインリール100の各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2下流のメダル詰り時に押すメダル返却ボタン20、ドアキー穴8Kを備える。
液晶表示装置70の左右の下部には、現時のクレジット数を表示させる2桁7セグメントLEDから成るクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させると共にアシストタイムAT作動中等において演出表示装置7上の所定ナビ情報と対応するAT指示情報を表示させるメインモニタMAを兼ねる2桁7セグメントLEDから成るペイアウト表示器DL2、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されたとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。なお、メインモニタMAは、ペイアウト表示器DL2とは別個独立に設けてもよいし、7セグメントLEDに限らず、多数のランプやLEDの並びや、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等を用いてもよい。
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2からメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、2枚掛け時の規定数になる。さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、3枚掛け時の規定数になる。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能となる。2枚掛け遊技は2枚ランプEL2が点灯した時点で、3枚掛け遊技は3枚ランプEL3が点灯した時点で始動操作をすることになる。3枚ランプEL3の点灯後、スタートレバー5を操作せずにメダル投入口2にさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
図2に示すように、各リール1L,1C,1Rのリール帯10L,10C,10Rの外周面には、バー、ブドウ、プラム、べル、チェリー、リプレイ、ハート1、ハート2の全8種類の図柄を、図柄番号0,1〜15に対応させ且つ独特の縦の並びに従って印刷等により描いている。各リール1L,1C,1Rは、全16コマの図柄を配する16コマリールであり、全21コマの図柄を配する標準的な21コマリールよりも小径のリールとしている。各リール帯10L,10C,10の上端と下端は結ばれて輪状になり、エンドレスに図柄をスクロールさせる。図柄のうち、バーは、遊技機業界内で古くから機種を問わず汎用的に遊技者に有利に働く象徴的な図柄の一つとして用いられ、横幅が比較的大きく、黒や白等を基調とした比較的見やすい特徴を有する。なお、象徴的な図柄には、バーの他、数字の7を図案化したセブン図柄もある。
各リール1L,1C,1Rの駆動には、標準的な21コマリール駆動用の1ステップ角が約1.43度、1−2相励磁により504ステップで一回転する仕様のステッピングモータを用いている。21コマリールの場合、一図柄あたり504/21=24ステップの均等ステップ数を割付けることができるが、16コマリールでは、504/16=31.5で整数解にならないため、不均等ステップ数を割付けている。
その不均等ステップ数は、ステップ数の多い方を32、ステップ数の少ない方を30とし、その差を2以上の偶数、具体的には最も好ましい例として2ステップとしており、且つ、何れも偶数としている。0を含む図柄番号が4の倍数となる図柄番号0,4,8,12に対応する各図柄に少ない方の偶数ステップ数30を割付け、その他の図柄番号1,2,3,5,6,7,9,10,11,13,14,15の各図柄に多い方の偶数ステップ数32を割付けている。こうして、ステップ数30を割付ける図柄とステップ数32を割付ける図柄とを所定の繰返しパターン(「30,32,32,32」の4回繰返しパターン)により配置し、各リール1L,1C,1Rの外周に各図柄をほぼ均等に分散して配置している。
図柄中、プラム相互間、ベル又はブドウの相互間、リプレイ相互間は、それぞれ中間に3コマを介在させて4コマ置きに配置しており、任意のタイミングで停止操作しても最大3コマ滑りの範囲内で有効ラインに引込むことができる(図柄引込率1)。図柄番号15,0,1〜6の計8コマの第1領域内の特定引込図柄、すなわち左リール1Lのハート1又はチェリー、中リール1Cのハート1又はハート2、右リール1Rのチェリー又はハート2は、第1領域内から最大3コマ滑りの範囲内で有効ラインに引込むことができるが、図柄番号7〜14の計8コマの第2領域からは引込むことができない(図柄引込率1/2)。第2領域内の特定引込図柄、すなわち左リール1Lのバー又はハート2、中リール1Cのバー又はチェリー、右リール1Rのバー又はハート1は、第2領域内から最大3コマ滑りの範囲内で有効ラインに引込むことができるが、第1領域からは引込むことができない(図柄引込率1/2)。
図3に、内部抽せんで決定する作動に係る条件装置すなわち当せん役(当せんフラグ)に対応する有効ライン上の図柄の組合せを示す。入賞を容易にするための役物を作動させる特別役に、左図柄「バー」−中図柄「バー」−右図柄「ブドウ」の表示で始まる役物作動中に、単位投入遊技媒体数(1枚)あたりの獲得遊技媒体数の期待値が1以下好ましくは1未満、つまり総獲得遊技媒体数が総投入遊技媒体数を下回る見込みとなり、総獲得遊技媒体数が第1上限例えば240枚を超過するとその作動を終了させる第1特別役RBB1と、左図柄「バー」−中図柄「ブドウ」−右図柄「バー」の表示で始まる役物作動中に、単位投入遊技媒体数(1枚)あたりの獲得遊技媒体数の期待値が1以下好ましくは1未満、つまり総獲得遊技媒体数が総投入遊技媒体数を下回る見込みで且つ第1特別役よりも少ない遊技媒体の獲得に止まり、総獲得遊技媒体数が第2上限例えば7枚を超過するとその作動を終了させる第2特別役RBB2とを定義している。第1特別役RBB1に係る役物作動中の遊技状態が継続する第1特別役RBB1作動中の遊技数は、第2特別役RBB2に係る役物作動中の遊技状態が継続する第2特別役RBB2作動中の遊技数よりも多い。これら特別役RBB1,RBB2は、何れも第一種特別役物に係る役物連続作動装置で構成している。ただし、第二種特別役物に係る役物連続作動装置で構成してもよい。
新たな遊技媒体の投入無しで元の掛け数と同じ掛け数で次遊技が行える再遊技役としてREP1〜3を定義し、遊技メダルを獲得できる入賞役すなわち小役としてNML1〜21を定義している。一つの欄に複数の図柄を列挙しているものがあるが、例えばREP1について言うと、左リール1Lの図柄はプラム又はベル若しくはブドウという意味である。備考欄に、各役に対応した表示窓80中の表示出目例を示す。
小役のうち、NML1〜5は、規定数3枚時に8枚、規定数2枚時に4枚の、投入数を上回るメダルを獲得できる高配当役である。NML6〜8は、規定数3枚時も規定数2枚時も3枚のメダルを獲得できる中配当役である。NML9〜21は、規定数3枚時も規定数2枚時も投入数を下回る1枚のメダルを獲得できる低配当役である。
低配当役のうち、NML9〜12の第1グループは、左図柄リプレイと中及び右図柄の第1又は第2領域の特定引込図柄の各引込率を乗じ、NML13〜16の第2グループは、中図柄プラムと左及び右図柄の第1又は第2領域の特定引込図柄の各引込率を乗じ、NML17〜20の第3グループは、右図柄リプレイと左及び中図柄の第1又は第2領域の特定引込図柄の各引込率を乗じたそれぞれ1/4が図柄引込率となる。第1グループ中、NML9と12を重複当せんさせるNML9+12の場合、NML10と11を重複当せんさせるNML10+11の場合、第2グループ中、NML13と16を重複当せんさせるNML13+16の場合、NML14と15を重複当せんさせるNML14+15の場合、第3グループ中、NML17と20を重複当せんさせるNML17+20の場合、NML18と19を重複当せんさせるNML18+19の場合、それぞれ1/2が図柄引込率となる。
図4に、内部抽せんでの各当せんエリアと作動する条件装置(当せん役)の関係を示す。内部抽せんは、スタートレバー5の操作時、主制御装置MCのRAM上で高速更新する例えば2バイトカウンタから抽出する乱数値が、その取り得る0〜65535の数値範囲M=65536内に予め区分した何れの当せんエリアに属するか否かで当該ゲームでの作動に係る条件装置すなわち当せん役を決定する。
当せんエリアは、何れの役にも当せんしない不当せん、入賞役(小役)に対応する、小役ALL、1枚役ALL、チャンス役、3枚役、高配当択役であって8枚又は4枚の高配当が得られる正解押し順を第1番目「左」第2番目「中」とする高配当択役左中1〜4、同正解押し順を第1番目「左」第2番目「右」とする高配当択役左右1〜4、同正解押し順を第1番目「中」第2番目「左」とする高配当択役中左1〜4、同正解押し順を第1番目「中」第2番目「右」とする高配当択役中右1〜4、同正解押し順を第1番目「右」第2番目「左」とする高配当択役右左1〜4、同正解押し順を第1番目「右」第2番目「中」とする高配当択役右中1〜4、3枚択役であって3枚配当が得られる正解押し順を第1番目「左」とする3枚択役左1〜4、同正解押し順を第1番目「中」とする3枚択役中1〜4、同正解押し順を第1番目「右」とする3枚択役右1〜4、再遊技役に対応する通常リプ、アシストタイムAT作動中は上乗せ契機となる上乗せリプ1,2、目押しリプ、BARフェイクリプ、BAR揃いリプ、特別役に対応するRBB1,RBB2を含み、各欄列挙の条件装置(役)を単独当せん又は重複当せんさせ、遊技状態(遊技の種類)に応じて抽せん対象役及びその当せん値数を定めている。
小役ALLは、NML1〜5の何れかの8枚役を入賞させ、1枚役ALLは、NML9〜21の何れかの1枚役を入賞させる。チャンス役は、1枚役NML21を図柄引込率4×8×8/(16×16×16)=256/4096で入賞させる。3枚役は、3枚役NML8を入賞させる。各高配当択役は、押し順正解時に重複当せん役に含む高配当役(8枚又は4枚)を入賞させ、押し順不正解時に図柄引込率1/2で1枚役を入賞させる。各3枚択役は、押し順正解時に3枚役を入賞させ、押し順不正解時に図柄引込率1/2で1枚役を入賞させる。図柄引込率が1でない図柄の組合せに係る入賞役(小役)は取りこぼす場合がある。
各高配当択役と各3枚択役とは、停止操作如何により遊技結果すなわち配当が異なることとなる停止操作依存役である。取りこぼす可能性のあるチャンス役は、停止操作依存役に含めてアシストタイムの作動時に非作動時には出さない例えばバーを狙うべき旨のナビを出すことも可能ではあるが、本実施形態では停止操作依存役に含めておらず、アシストタイムの作動時に非作動時と異なるナビを出すことはしていない。チャンス役当せん時は、アシストタイムの作動非作動とは特に関係なく、液晶表示装置70に所定のチャンス示唆演出やキャラクターのカットイン演出等の所定の演出を行うものとしている。小役ALL、1枚役ALL、3枚役は、停止操作如何によらず遊技結果が同じ配当となる停止操作不問役である。再遊技役に対応する通常リプ、上乗せリプ1,2、目押しリプ、BARフェイクリプ、BAR揃いリプは、停止操作如何によらず遊技結果が再遊技の作動という点で同一の基本的には停止操作不問役である。
特別役RBB1,RBB2の抽せんをする一般中の遊技状態時、第1規定数3枚の3枚掛け遊技と、第2規定数2枚の2枚掛け遊技とを可能にしている。通常リプ〜BAR揃いリプを合算した再遊技役の確率はどちらも8978/65536≒1/7.3である。第1特別役RBB1は、規定数3枚時のみに第1当せん確率例えば819/65536≒1/80で抽せんし、第2特別役RBB2は、規定数2枚時のみに第1当せん確率よりも高い第2当せん確率例えば15300/65536≒1/4.28により抽せんする。ただし、本機は、アシストタイムATの作動によりメダルを増やす仕様であり、これら特別役RBB1,RBB2は何れも役物作動中に単位投入遊技媒体数(1枚)あたりの獲得遊技媒体数の期待値が1未満となる減るボーナスであり、遊技機筐体8B等に特別役の存在を明示する一切の宣伝文句等もなく、専ら遊技機の内部状態として存在価値を有する。一般中、入賞役(小役)全体の当せん値数は、規定数3枚時は55739、規定数2枚時は41258である。
特別役RBB1,RBB2に当せんするも対応する作動図柄の組合せを表示できずにその当せんの権利が持ち越された第1特別役内部中(RBB1内部中)又は第2特別役内部中(RBB2内部中)においても、規定数3枚と2枚を選べる。規定数3枚時、一般中のRBB1の当せん値数を再遊技役の当せん値数にシフトして合計の再遊技役の当せん値数を9797に、再遊技役の確率を9797/65536≒1/6.69と適度に高めている。規定数2枚時、一般中のRBB2の当せん値数を再遊技役の当せん値数にシフトして再遊技役の当せん値数を24278に、再遊技役の確率を24278/65536≒1/2.7とRRB1内部中よりも大きく高めている。入賞役(小役)全体の当せん値数は、規定数3枚時は55739、規定数2枚時は41258で、一般中と同じである。役物が作動している場合を除き、入賞役(小役)の確率変動は禁止されているからである(遊技機規則第6条別表第五(1)ロ(カ))。規定数が同じの場合、RBB1内部中とRBB2内部中は同一仕様になる。このため、一般中に2枚掛けで当せんし易いRBB2の当せんを得て早期にRBB2内部中に移行させ、3枚掛けで且つ再遊技役の確率上昇を適度に抑えた遊技状態下でアシストタイムATの作動を予定するのが適切となる。
第1特別役に係る役物作動中(RBB1作動中)は、規定数を一律3枚に限定している。小役ALLと1枚役ALLを合せて当せん値数を55740とし、規定数3枚の一般中及び内部中の55739よりも1だけ大きくしている。また、第2特別役に係る役物作動中(RBB2作動中)も、規定数を一律3枚に限定している。小役ALLと1枚役ALLを合せて当せん値数を50237とし、規定数2枚の一般中及び内部中の41258よりも大きくしている。
図5に示すように、遊技状態は、規定数を考慮すると、「規定数3枚一般中」「規定数2枚一般中」「規定数3枚RBB1内部中」「規定数2枚RBB1内部中」「規定数3枚RBB2内部中」「規定数2枚RBB2内部中」「規定数3枚RBB1作動中」「規定数3枚RBB2作動中」の8つとなる。ただし、工場出荷直前の最終確認試験、或は、店舗導入時の受入確認試験等において、メーカー作業員又は店舗係員等により、「規定数2枚一般中」から当せん確率が高く当せんし易いRBB2の当せんを得てRBB2内部中に予め移行させておく運用を予定している。RBB2に当せんしたゲームでは、液晶表示装置70の画面を暗くして「復帰待機中」のメッセージを表示させ、うっかりRBB2作動図柄の組合せを表示させてしまうのを回避できるようにしている。RBB2内部中に移行すると、「復帰待機中」のメッセージを消して、液晶表示装置70の画面を明るくして背景動画と共に演出図柄7L,7C,7Rを表示し、準備完了を知らせる。
RBB2内部中は、持ち越しに係るRBB2に対応する作動図柄の組合せは、規定数3枚時、規定数3枚一般中に抽せんしないRBB2の当せんフラグは成立し得ず無効となるため、また、規定数2枚時も、不当せんエリアがなく且つ取りこぼしてもRBB2作動図柄の組合せを表示できないフルヒット仕様にしているため各々揃えられず、RBB2内部中からRBB2作動中には移行しない。仮に、上記運用が徹底されず、遊技者が規定数3枚一般中から遊技を始め、自力でRBB1内部中に移行させたとしても、RBB1内部中とRBB2内部中は同一仕様のため、RBB2内部中と全く同じ遊技性を享受でき、RBB1内部中も、持ち越しに係るRBB1に対応する作動図柄の組合せは、規定数2枚時、規定数2枚一般中に抽せんしないRBB1の当せんフラグは成立し得ず無効となるため、また、規定数3枚時も、不当せんエリアがなく且つ取りこぼしてもRBB1作動図柄の組合せを表示できないフルヒット仕様にしているため各々揃えられず、RBB1内部中からRBB1作動中にも移行しない。もっとも、RBB1内部中又RBB2内部中に不当せんエリアを極僅か例えば1だけ確保する等して、困難ではあるが、RBB1内部中からRBB1作動中に、又は、RBB2内部中からRBB2作動中に稀に移行できる仕様にしてもよい。なお、本実施形態では、RBB2内部中又はRBB1内部中に滞在時、電源オンオフやリセット処理等をしても一般中に復帰しない仕様にしており、一旦内部中に滞在すると作動中や一般中の遊技状態に移ることはない。
ただし、店舗側において、内部抽せん仕様の設定(規定数に応じた入賞役、再遊技役、特別役についての当せん確率の組合せ(遊技機規則第6条別表第二(3)ヘ))を有利不利に複数段階について変更するいわゆる設定変更をした場合、少なくともRBB1作動中は、好ましくはRBB2作動中も、一般中の遊技状態に復帰させる仕様にしている。これにより、遊技者若しくはメーカー作業員又は店舗係員等により、誤って或は意図せずに、一般中のRBB1の当せんゲームでRBB1作動図柄の組合せを表示させてRBB1作動中に移行させてしまったり、一般中のRBB2の当せんゲームでRBB2作動図柄の組合せを表示させてRBB2作動中に移行させてしまったとしても、長期間となるRBB1作動中を消化することなく、また、或る程度のゲーム数となるRBB2作動中を消化することなく、直ちに、一般中からRBB1内部中又はRBB2内部中に移行させる準備をやり直すことができるようにしている。なお、RBB1作動中又はRBB2作動中を除く他の遊技状態時に設定変更をした場合は、元の遊技状態を維持する仕様にしており、RBB1内部中又はRBB2内部中に設定変更をしても各々内部中を維持できるものとしている。
市場において、本機は事実上3枚掛け専用機と同等の運用が可能である。メダル投入口2から遊技の都度メダルを手入れする遊技者にとって、現在市場投入されている殆どの機種が3枚掛け専用機であることから3枚投入に慣れており、特段の混乱は生じない。また、クレジットから掛けメダルを引き落とす場合、ベットボタン3を1回又は奇数回押すと規定数3枚に、2回又は偶数回押すと規定数2枚となるよう、押圧毎に3枚掛けと2枚掛けが切り替わるようにしており、現在市場投入されている殆どの機種のベットボタンが一回の押圧で3枚掛けのマックスベットが実現されることから、通常1回の押圧で3枚掛けとなるため、特段の混乱は生じない。もっとも、3枚掛け用ベットボタンと2枚掛け用ベットボタンとを個別に設けてもよい。なお、一般中に当せんゲームで役物作動図柄を表示できたときに限り移行するRBB1作動中又はRBB2作動中は、ベットボタン3を押すと押圧回数にかかわらず一律3枚掛けが実現される。なお、RBB1作動中又はRBB2作動中は、液晶表示装置70の画面を暗くして「復帰待機中」のメッセージを表示させる復帰待機演出がされる。
各遊技状態において、当せんエリアの区分に応じた入賞役について当せんと決定する入賞役当せん値数と、任意の順序及び任意のタイミングで停止操作をした場合に190msの規定時間内に当せんに係る入賞役に対応した図柄の組合せを有効ラインに表示できる表示確率と、有効ラインに表示された入賞役についての図柄の組合せによる獲得遊技媒体数を投入遊技媒体数で割った配当比とを掛算して求める入賞役定数を遊技状態に応じた抽せん対象の全入賞役について合算した総入賞役定数をs、再遊技役の当せんと決定する再遊技役当せん値数をr、内部抽せん用の乱数の数値範囲をMとした場合の、再遊技抜き期待値Eo=s/(M−r)、再遊技込み期待値Ei=(s+r)/Mを各求めると以下のとおりとなる。
ア)規定数3枚一般中
s=1640×256/4096×1/3 ;チャンス役
+6879×1×1 ;3枚役
+30480×(1/6×8/3+5/12×1/3);高配当択役
+16740×(1/3×1+2/6×1/3) ;3枚択役
≒32133.2、
r=8978のため、
Eo=32133.2/(65536−8978)≒0.5681(56.81%)
Ei=(32133.2+8978)/65536≒0.6273(62.73%)
イ)規定数2枚一般中
s=3608×1×1/2 ;1枚役ALL
+100×256/4096×1/2 ;チャンス役
+9950×1×3/2 ;3枚役
+25200×(1/6×4/2+5/12×1/2);高配当択役
+2400×(1/3×3/2+2/6×1/2) ;3枚択役
≒31982.1、
r=8978のため、
Eo=31982.1/(65536−8978)≒0.5655(56.55%)
Ei=(31982.1+8978)/65536≒0.6250(62.50%)
ウ)規定数3枚RBB1内部中、規定数3枚RBB2内部中
s≒32133.2、
r=9797のため、
Eo=32133.2/(65536−9797)≒0.5765(57.65%)
Ei=(32133.2+9797)/65536≒0.6398(63.98%)
エ)規定数2枚RBB1内部中、規定数2枚RBB2内部中
s≒31982.1、
r=24278のため、
Eo=31982.1/(65536−24278)≒0.7752(77.52%)
Ei=(31982.1+24278)/65536≒0.8585(85.85%)
オ)規定数3枚RBB1作動中
s=10240×1×8/3;小役ALL
+45500×1×1/3;1枚役ALL
≒42473.3、
r=0のため、
Eo=Ei=42473.3/65536≒0.6481(64.81%)
カ)規定数3枚RBB2作動中
s=17080×1×8/3;小役ALL
+33157×1×1/3;1枚役ALL
≒56599.0、
r=0のため、
Eo=Ei=56599.0/65536≒0.8636(86.36%)
以上のように、規定数3枚RBB1作動中の再遊技抜き期待値Eo=再遊技込み期待値Ei≒64.81%よりも、規定数2枚RBB1内部中又は規定数2枚RBB2内部中の再遊技抜き期待値Eo≒77.52%或は再遊技込み期待値Ei≒85.85%が大となる関係に、RBB2の当せん確率を含む規定数2枚での当せんエリアの内訳を設定している。
そして、規定数3枚RBB1内部中と規定数3枚RBB2内部中との遊技状態時に、内部抽せんで決定した当せん役に対応した図柄の組合せを有効ラインに表示させることを意図するナビ情報を遊技者に報知させるアシストタイムATを作動可能にしている。もっとも、これ以外に、規定数2枚RBB1内部中、規定数2枚RBB2内部中、規定数3枚一般中、規定数2枚一般中の各遊技状態時にも、内部抽せんで決定した当せん役に対応した図柄の組合せを有効ラインに表示させることを意図するナビ情報を遊技者に報知させるアシストタイムATを作動可能にしている。
図6に示すように、横軸に再遊技役当せん値数rを、縦軸に期待値Eo,Eiをとって特性曲線を描くと、Eoはr=M=65536で無限大となる−rの反比例曲線に、Eiは+rの正比例直線となる。規定数3枚時も、規定数2枚時も、0<Eo,Ei<1の範囲すなわち0<r<(M−s)の範囲では、Eo<Ei、すなわち再遊技込み期待値Eiが再遊技抜き期待値Eoよりも大きくなる。規定数3枚の一般中及び内部中(RBB1内部中又はRBB2内部中)、s=32133.2、Eo及びEiの縦軸交点はs/M=0.4903(49.03%)となる。規定数2枚の一般中及び内部中(RBB1内部中又はRBB2内部中)、s=31982.1、同縦軸交点はs/M=0.4880(48.80%)となる。
s及びrが特定される規定数3枚一般中、Eoは座標(8978,56.81%)で、Eiは座標(8978,62.73%)で各特定される。規定数3枚内部中(RBB1内部中又はRBB2内部中)、Eoは座標(9797,57.65%)で、Eiは座標(9797,63.98%)で各特定される。規定数3枚RBB1作動中、r=0、s=42473.3で、Eo=Ei=s/Mは座標(0,64.81%)で特定される。規定数3枚RBB2作動中、r=0、s=56599.0で、Eo=Ei=s/Mは座標(0,86.36%)で特定される。
同じくs及びrが特定される規定数2枚一般中、Eoは座標(8978,56.55%)で、Eiは座標(8978,62.50%)で各特定される。規定数2枚内部中(RBB1内部中又はRBB2内部中)、Eoは座標(24278,77.52%)で、Eiは座標(24278,85.85%)で各特定される。RBB1作動中、RBB2作動中は、上記同様となる。
以上のように、規定数3枚RBB1作動中のEo=Ei=s/M≒64.81%よりも、 規定数2枚内部中(RBB1内部中又はRBB2内部中)のEo≒77.52%やEi≒85.85が大となる関係に、RBB2の当せん確率を含む規定数2枚時の当せんエリアの内訳を設定しているため、RBB2の当せん確率を15300/65536と、RBB1の当せん確率819/65536よりも相当程度高くできる。
図7に示すように、 RBB1作動中又はRBB2作動中の役物作動中の遊技状態時、個々の入賞役(NML1〜21)の当せん値数(当せん確率)は、他の役物非作動中の遊技状態よりも低下させることなく(全て増加)、合計の入賞役(小役ALL+1枚役ALL)の当せん値数(当せん確率)も、他の役物非作動中の合計入賞役(1枚役ALL+チャンス役+3枚役+高配当択役+3枚択役)よりも高めている。よって、減るボーナスでありながら、第一種特別役物についての要件を完全に満たしている。
本来多くの場合にアシストタイムATの作動を期待することとなる規定数3枚RBB2内部中又は規定数3枚RBB1内部中の遊技状態時、再遊技込み期待値Eiよりも低い値となる再遊技抜き期待値はEo=0.5765(57.65%)であり、遊技機規則第6条別表第五(1)ロ(リ)で規定する所定下限値である11/20=55%を所定量上回り、上限の1.2倍(120%)を超えることもない。
規定数3枚でのアシストタイムATの作動による純増は、投入遊技媒体数に対して獲得遊技媒体数が異なることとなる入賞役についての、高配当役の入賞と取りこぼし無しの入賞とを前提に計算できるため、
AT純増=(8−3)×30480/65536;高配当択役
+(1−3)×1640/65536 ;チャンス役
≒2.28枚/ゲームとなり、高純増ATを実現できる。
遊技機規則 第6条別表第五(1)ロ(ヘ)で規定するシミュレーション試験は、「内部抽せんを行い、条件装置が作動した場合には当該条件装置に係る図柄の組合せが表示され、当該図柄の組合せにより獲得することができる遊技メダル等の最大数が獲得されること」を要件としている。
このため、規定数3枚一般中の取りこぼし無しの条件下での総入賞役定数sは、
s=1640×1×1/3 ;チャンス役
+6879×1×3/3 ;3枚役
+30480×1×8/3;高配当択役
+16740×1×3/3;3枚択役
≒105445.67となり、r=8978のため、
Eo=105445.67/(65536−8978)≒1.8647(約186.47%)となる。よって、
17500ゲーム換算投入メダル数=3×17500=52500枚
17500ゲーム換算獲得メダル数=1.8647×3×17500≒97896.8枚となる。
また、シミュレーション試験では規定数3枚一般中にRBB1に当せんすると当せんゲームでRBB1作動図柄の組合せを表示でき、RBB1作動中は、240枚超過で終了するが、概算値で約124ゲームを見込むことができ、この間、
投入メダル数=3×124=372枚、
獲得メダル数=0.6481× 3×124≒241枚
となり、RBB1作動中の継続数の長さから372枚−241枚=−131枚という十分なメダル減少効果を達成できる。
17500ゲーム中のRBB1作動による投入メダル数
=372×17500×819/(65536−8978)≒94269.4枚、
17500ゲーム中のRBB1作動による獲得メダル数
=241×17500×819/(65536−8978)≒61072.4枚となる。
したがって、規定数3枚時、
総投入メダル数=52500+94269.4=146769.4枚、
総獲得メダル数=97896.8+61072.4=158969.2枚となり、
出玉率=158969.2/146769.4≒1.083(約108.3%)となり、遊技機規則 第6条別表第五(1)ロ(ヌ)で規定する出玉率の所定上限値120%(1.2倍)を下回り、規則に適合する。また、
役物比率=61072.4/158969.2≒0.3842(約38.42%)となり、遊技機規則 第6条別表第五(1)ロ(ヲ)で規定する上限60%(6割)を下回り、規則に適合する。
同様に、規定数2枚一般中の取りこぼし無しの条件下での総入賞役定数sは、
s=3608×1×1/2 ;1枚役ALL
+100×1×1/2 ;チャンス役
+9950×1×3/2 ;3枚役
+25200×1×4/2;高配当択役
+2400×1×3/2 ;3枚択役
=70779となり、r=8978のため、
Eo=70779/(65536−8978)≒1.2514(約125.14%)となる。よって、
17500ゲーム換算投入メダル数=2×17500=35000枚
17500ゲーム換算獲得メダル数=1.2514×2×17500≒43799枚となる。
また、シミュレーション試験では規定数2枚一般中にRBB2に当せんすると当せんゲームでRBB2作動図柄の組合せを表示でき、RBB2作動中は、7枚超過で終了するが、概算値で約3ゲームを見込むことができ、この間、
投入メダル数=3×3=9枚、
獲得メダル数=0.8636×3×3=7.77枚
となり、RBB2作動中に7.77枚−9枚=−1.23枚のメダル減少効果が生まれる。
17500ゲーム中のRBB2作動による投入メダル数
=9×17500×15300/(65536−8978)≒42606.7枚、
17500ゲーム中のRBB2作動による獲得メダル数
=7.77×17500×15300/(65536−8978)≒36783.8枚となる。
したがって、規定数2枚時、
総投入メダル数=35000+42606.7=77606.7枚、
総獲得メダル数=43799+36783.8=80582.8枚となり、
出玉率=80582.8/77606.7≒1.038(約103.8%)となり、遊技機規則 第6条別表第五(1)ロ(ヌ)で規定する出玉率の所定上限値120%(1.2倍)を下回り、規則に適合する。また、
役物比率=36783.8/80582.8≒0.4565(45.65%)となり、遊技機規則 第6条別表第五(1)ロ(ヲ)で規定する上限60%(6割)を下回り、規則に適合する。
以上、役物作動中の遊技状態で獲得できる遊技媒体数が投入遊技媒体数よりも少ない所謂減るボーナス仕様の第1種特別役物又は第1種特別役物に係る役物連続作動装置RBB1,RBB2との組合せにおいて、所定の規定下限55%超え及び規定上限120%未満の適正出玉範囲内で、AT純増≒2.28枚/ゲームの高純増ATを適切且つ容易に実現できるに至った。
図8に示すように、遊技機筐体8Bの内部に組込む制御装置CNは、遊技の進行を管理し、入賞によるメダルの払出し、再遊技の作動、役物の作動、アシストタイムATの作動等の遊技者利益に関係する所定の遊技結果を生じさせる遊技機規則でいう主基板に対応する主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報を受信して主制御装置MCでの決定事項に基づいて演出制御を担う遊技機規則でいう「周辺基板」に対応する周辺制御装置NCとを含む。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。
各リール1L,1C,1Rの内側には、丁度半円(180度)の帯状のリールインデックスID(1Li,1Ci,1Ri)を取付けている。また、任意の固定した回転角、例えば表示窓80中の上段等に定める1コマ分の基準位置に例えば図柄番号15の図柄が通過するとき、各リールインデックスIDに対して非検知(オフ)から検知(オン)になり、図柄番号15に対し180度変位した図柄番号7の図柄が通過するとき、各リールインデックスIDに対して検知(オン)から非検知(オフ)になる関係の静止部材側の所定位置には、ホトセンサから成るインデックスセンサIDs(11L,11C,11R)を配置している。なお、基準位置は有効ラインと必ずしも一致させる必要はなく、表示窓80中の中段や下段に定めてもよいし、表示窓80外に定めてもよい。また、リールインデックスIDは、任意の固定した回転角においてリール一回転毎にオン又はオフが少なくとも1回検出されるものであればよい。
各リール1L,1C,1Rに駆動軸たるシャフトSHを結合させる各ステッピングモータ12L,12C,12R(SM)は、鉄芯外周に多数のロータ小歯をもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、磁極内周に複数のステータ小歯をもつ複数組の磁極にA相、B相、C相(Aバー相(Aの反転相))、D相(Bバー相(Bの反転相))の巻線を巻回したステータSwとを有し、定常回転時、一の巻線をオンにする1相励磁パルスを供給するステップと、一の巻線及び隣接する他の巻線をオンにする2相励磁パルスを供給するステップとを、1割込み時間t=1.49ms毎に交互に繰返す1−2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位させる。また、励磁パルスのステップ更新方向を変更することにより正転と逆転とを可能にしている。
各リール1L,1C,1Rを停止させる停止パルスには、A相、B相、C相、D相の各巻線を所定時間例えば135割込に相当する201.15msについて全てオンにする全相励磁パルスを用いている。停止から定常回転に到達させる加速シーケンスは、前回の停止時の全相励磁による停止パルスの直前の2相励磁パルスパターンから励磁を始め、最初は42割込時間62.58msの長いオン時間の2相励磁とし、次のステップ更新で9割込時間13.41msの1相励磁とする等、徐々にオン時間を短くしていき、約106ms経過後に定常回転に到達させる。これに引続いて50ms等の所定の停止禁止期間を確保した後、最初にインデックスセンサIDsによりリールインデックスIDのオフからオン又はオンからオフのどちらかを検出した以後、ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を点灯させてストップボタン6L,6C,6Rによる停止操作を受付可能にする。
各リールインデックスIDのオフからオンの検出時、図柄番号15と共に図柄番号15に対応する図柄のステップ数32の初期値31をセットし、各リールインデックスIDのオンからオフの検出時、図柄番号7と共に図柄番号7に対応する図柄のステップ数32の初期値31をセットする。励磁パルスを1ステップ更新する1割込毎に、ステップカウンタの値31から30,29,・・・1,0と更新して、ステップカウンタが0になった次のステップ更新により、例えば図柄番号15の次なら図柄番号を14に、ステップカウンタの値に図柄番号14に対応する図柄のステップ数32の初期値31をセットする。ステップ数30の図柄については、ステップカウンタの値を初期値29から28,・・・1,0と更新することになる。ステップカウンタの初期値での励磁パルスは1相励磁としている。なお、図柄番号及びステップカウンタの格納エリアは、各リール1L,1C,1R毎に主制御装置MCのRAMに確保している。
最大滑りコマ数が3コマとなる16コマリールでは、各ストップボタン6L,6C,6Rを押した時点で基準位置に到達している図柄の上流に後続する0コマ目〜3コマ目の計4コマから停止図柄を決定することになる。この場合、どのタイミングでストップボタン6L,6C,6Rを押しても、3つがステップ数32の図柄、1つがステップ数30の図柄となり、基準位置から最も遠い3コマ目の図柄を引込む場合にも、ストップボタンによる停止操作の検出に1割込、3コマ目の図柄を引込むのに最大32×3+30×1=126割込、合計で最大127割込、よって、1.49ms×127=189.23msが最大時間となり、遊技機規則で定める停止までの規定時間190ms以内を満足できる。
主制御装置MCは、メインCPU、ROM、RAMを備える。入力ポートI1に、各インデックスセンサ11L,11C,11R、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、メダル投入口2の下流に設ける投入メダルセンサ21、遊技機筐体8Bに内蔵するメダル払出装置HPの出口に設ける払出メダルセンサ23の各信号を入力している。出力ポートO1から、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を、モータドライバ回路Dr1を介して各ステッピングモータ12L,12C,12R(SM)を、LEDドライバ回路Dr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバ回路Dr3を介してリール始動後に追投入されるメダルをメダル受皿8Gに落すメダルブロッカー22を、モータドライバ回路Dr4を介してメダル払出装置HPのメダル払出モータ24を各制御している。
周辺制御装置SCは、サブCPU、ROM、RAMを備える。入力ポートI2に、主制御装置MCからの送信情報、ジョグダイヤルJDの信号を入力している。出力ポートO2から、LEDドライバ回路Dr5を介して表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯10L,10C,10Rの背面から照明するLED式リールバックランプBL1〜9を、LCDドライバ回路Dr6を介してミニ液晶表示器700を、LCDドライバ回路Dr7を介して液晶表示装置70を、LEDドライバ回路Dr8を介して装飾ランプ88を、パワーアンプ回路Dr9を介してスピーカ91〜94を各制御している。
主制御装置MCからの送信情報すなわち周辺制御装置NCの受信情報には、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズ及び回胴演出情報、アシストタイムATに関する各種情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は決定若しくは実行する各種情報が含まれる。
主制御装置MCのROM上には、スタートレバー5の操作を契機に図3〜7の仕様による内部抽せんを実行して当せん役を決定する内部抽せん手段Kを構築していると共に、各リール(回胴)1L,1C,1Rを回転させ且つその回転を対応するストップボタン6L,6C,6Rの操作に基づいて各停止させ、有効ラインに内部抽せんで決定した当せん役に対応した図柄の組合せの表示を許容させる、遊技機規則第6条別表第二(3)ロでいう回胴回転装置を制御する回胴回転装置制御手段V1と同別表第二(3)ハでいう回転停止装置を制御する回転停止装置制御手段V2を含むリール制御手段Vを構築している。
回胴回転装置制御手段V1は、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から最低遊技間隔の4.1秒経過後に各リール1L,1C,1Rを正転側に加速処理して定常回転数に到達させる。加速処理中、全リール1L,1C,1Rの全図柄に対して、内部抽せんで決定した当せん役に応じて、再遊技役>入賞役(小役)>特別役の順に従う役別優先順位付けと、当せん役が入賞役(小役)の場合には、払出枚数が多い高配当の小役を優先引込みする枚数優先及び図柄の組合せの種類が多い小役を優先引込みする個数優先に対応させる役内優先順位付けとをした停止候補検索データをRAM上で初期作成し、回転停止装置制御手段V2でする停止制御に備える。
また、主制御装置MCのROM上には、遊技結果が入賞なら所定配当数のメダルを払出すメダル払出手段P、遊技結果が再遊技の作動なら次ゲームの掛けメダルを同一規定数で自動投入するメダル自動投入手段N、遊技結果が図5に示す遊技状態の移行を伴うのなら遊技状態を移行させる遊技状態移行手段J、内部抽せんに引き続いて実行するフリーズ抽せん(ここでいうフリーズは本来の遊技進行を中断して所定の演出を行うこと)により当せん役別に定めた所定確率に基づいて今回ゲームの開始時又は次ゲーム以後の開始時に各リール1L,1C,1Rを逆回転等させる所定の回胴演出の当否を決定するフリーズ抽せん手段F、その当せんに係る回胴演出を実行させる回胴演出実行手段Gを構築している。
さらに、主制御装置MCのROM上には、RBB2内部中又はRBB1内部中の特別役内部中の遊技状態時、当せん役に応じた遊技者に有利な適合停止操作情報、すなわち停止操作如何により遊技結果が異なることとなる停止操作依存役たる高配当択役及び3枚択役についての正解押し順を報知させるアシストタイムATの作動決定を含む所定のAT関連処理を実行させる内部中AT関連処理手段Ap1と、一般中の遊技状態におけるRBB2又はRBB1の非当せん遊技時、同様なAT関連処理を実行させる一般中AT関連処理手段Ap2とを構築している。
各AT関連処理手段Ap1,Ap2は 、アシストタイムATの作動を所定条件下で決定するAT作動決定手段H1、所定上乗せ契機によりアシストタイムATの作動を延長させることとなるAT上乗せ決定手段H2、アシストタイムATの作動決定から本作動、作動終了までを管理するAT継続管理手段H3、高配当択役及び3枚択役についての正解押し順等に対応するAT指示情報を主制御装置MCで管理するメインモニタMAに出力させると共に周辺制御装置SCで管理する演出装置Q(液晶表示装置70等)に出力させるAT指示情報出力手段H4を含む。
図9に示すように、内部抽せんで決定する当せんエリア(当せん役)に対応して当該ゲームにおいてメインモニタMA及び又は演出装置Q(液晶表示装置70等)に出力させる情報は、アシストタイムATの非作動状態である通常中、この通常中に所定生起条件下で生起させるチャンス遊技期間であってアシストタイムATの作動を高く期待できるチャンスゾーンCZ中、アシストタイムATを本作動させる前段階のAT準備中、アシストタイムATを本作動させるAT中の各状態に応じて異なる。ただし、同じ情報出力となる場合もある。
主制御装置MCから周辺制御装置SCにAT指示情報として送信するコマンドCMD自体は、通常中、CZ中、AT準備中、AT中の各状態何れの場合も、高配当択役当せん時は一律5番、3枚択役当せん時は一律6番、不当せんとRBB1とRBB2は0番、その他は当せんエリア番号としており、内部抽せんの後に送信する当せんエリア番号と、通常中であるかCZ中であるかAT準備中であるかAT中であるかを識別する状態フラグ情報とに基づいて、各状態に応じた出力内容で演出装置Q(液晶表示装置70等)上で演出を行っている。周辺制御装置SCのROM上には、通常中、CZ中、AT準備中、AT中を識別して管理する演出状態管理手段Wを設けている。
通常中は、メインモニタMA及び演出装置QにAT指示情報を出力せず、メインモニタMAは全リール1L,1C,1R停止前は非表示、全リール停止後は専らペイアウト表示器DL2として機能する。液晶表示装置70では、通常背景に演出図柄7L,7C,7Rを表示させる通常中の演出動画が表示される。
通常中、停止操作如何によらず遊技結果が同一になる停止操作不問役のうち予め定めた所定役であって象徴的な図柄であるバーが揃うことを期待させるBARフェイクリプ又はBAR揃いリプの当せん時、メインモニタMAへの出力なし(非表示)で、液晶表示装置70に停止操作に関するナビ情報である「逆押しでBARを狙え」の演出特化ナビを表示させる。周辺制御装置SCのROMに構築する表示に関するナビ制御を担うナビ手段Xには、その演出特化ナビを表示(出力)させる演出特化ナビ手段X1を設けている。BAR揃いリプは、当せんによりATの作動を確定させる直当り役としており、どの押し順どのタイミングで停止操作しても次ゲームは再遊技で且つATの作動が約束される停止操作不問役であるが、右ストップボタン6Rを第1番目に押し且つ3コマの引込範囲内でBAR図柄の目押しに成功したとき、中段にBARが揃うRP3を表示し、これ以外の停止操作ではRP2の右上りリプレイを表示する。BARフェイクリプは、BAR揃いリプの当せんかと一瞬思わせる所謂フェイク役であり、如何に目押しの精度が正確でも、右リール1Lの下段にバーが逃げるBARフェイクの方のRP3を表示し、バー揃いは回避される。BARフェイクリプの当せんではATは作動せず、次ゲームは再遊技となるだけである。
CZ中は、予め定めた停止操作依存役である何れかの3枚択役の当せんがあったとき、本来の正解押し順を示す高精度情報よりも情報精度を低くした低精度情報、すなわち、3枚択役左1,2の当せん時は第1停止が左か中のどちらかを示す「10」、3枚択役左3,4の当せん時は第1停止が左か右のどちらかを示す「11」、3枚択役中1,2の当せん時は第1停止が左か中のどちらかを示す「10」、3枚択役中3,4の当せん時は第1停止が中か右のどちらかを示す「12」、3枚択役右1,2の当せん時は第1停止が左か右のどちらかを示す「11」、3枚択役右3,4の当せん時は第1停止が中か右のどちらかを示す「12」を、それぞれメインモニタMAに表示させると共に、これらに対応させて、液晶表示装置70に選択肢となるストップボタン6L,6C,6Rの対応位置に「?」マークを表示した2択ナビを表示させる。主制御装置MCのROM上には、「10」や「11」や「12」をメインモニタMAに表示(出力)させる低精度情報出力手段H41を、周辺制御装置SCのROM上には、「?」マークによる2択ナビを液晶表示装置70に表示(出力)させるサブ側低精度情報出力手段X2を設けている。
AT準備中、高配当択役と3枚択役については、メインモニタMA並びにAT準備中背景の液晶表示装置70に、AT中と同様に高精度な指示情報を出力させる。AT準備中からAT中への移行は、当選エリア41番の通常リプ、同42番の上乗せリプ1、同43番の上乗せリプ2の予め定めた何れかの停止操作不問役に当せんすることを条件としている。これら何れかの当せん時、当せんゲームにおいて、停止操作の違いに応じて、例えば、AT中の主登場キャラクタとしてキャラ1を選択することになる左ストップボタン6Lが第1番に押される左第1停止か、これ以外のキャラ2又はキャラ3を選択することになる中又は右ストップボタン6C,6Rが第1番に押される中第1停止又は右第1停止に応じて、アシストタイムATの作動延長に係る上乗せの条件及び効果を変えている。例えば、左第1停止(キャラ1選択)の場合は相対的に少ないゲーム数の上乗せとなるが上乗せ発生頻度の高いノーマル(例えば癒しモード)が選べ、中第1停止(キャラ2選択)又は右第1停止(キャラ3選択)の場合は相対的に多いゲーム数の上乗せとなるが上乗せ発生頻度の低い荒波(例えばコスプレモード)が選べる。周辺制御装置SCのROMには、その選択設定ナビを液晶表示装置70に表示(出力)させる上乗せ性能選択設定ナビ手段X3を設けている。
また、AT準備中からATへの移行契機とする通常リプ等の停止操作不問役の当せんゲームに限っては停止操作によらずに遊技結果は再遊技の作動という点で同一になるが、当せんゲームの後、上乗せ性能が変化して出玉に影響することになるため、選択設定ナビを出力させることを識別するための情報となる「13」をメインモニタMAに出力させている。主制御装置MCのROMには、その識別情報「13」を出力させる特定識別情報出力手段H42を設けている。
AT中、高配当択役左中1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「1」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に左中右の正解押し順を示すボタン対応表示123を表示させ、高配当択役左右1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「2」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に左右中の正解押し順を示すボタン対応表示132を表示させ、高配当択役中左1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「3」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に中左右の正解押し順を示すボタン対応表示213を表示させ、高配当択役中右1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「4」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に中右左の正解押し順を示すボタン対応表示312を表示させ、高配当択役右左1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「5」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に右中左の正解押し順を示すボタン対応表示321を表示させ、高配当択役右中1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「6」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に右左中の正解押し順を示すボタン対応表示231を表示させる。
AT中、3枚択役左1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「7」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に左第1停止の正解押し順を示すボタン対応表示1−−を表示させ、3枚択役中1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「8」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に中第1停止の正解押し順を示すボタン対応表示−1−を表示させ、3枚択役中左1〜4の当せん時は、メインモニタMAに「9」を、液晶表示装置70にAT中演出背景の前面に右第1停止の正解押し順を示すボタン対応表示−−1を表示させる。
AT中、停止操作如何によらず遊技結果が同一になる停止操作不問役のうち予め定めた所定役であって毎遊技でなく稀でもない適正頻度で何れかの当せんが見込まれる通常リプ又は上乗せリプ1若しくは上乗せリプ2の当せん時、前記演出特化ナビ手段X1により、アシストタイムATの作動延長に係る上乗せと関連づけて、すなわち、ここでは上乗せが現にされる場合にこれを予告的に報知するときに限って、停止操作に関するナビ情報、ここでは、高配当択役のナビと同様な6通り(6択)のボタン対応表示から成る押し順ナビの何れかを出力する仕様にしている。高配当択役のボタン対応表示では例えば黄色の丸枠に番号を付すのに対して、上乗せの予告として出すボタン対応表示では例えば青色の丸枠に番号を付すようにしている。仮にナビに反した押し順をしても、上乗せがされるときには必ず上乗せがされる。よって、メインモニタMAは非表示のままである。
なお、AT準備中に選択したモードがノーマルのとき、上乗せリプ1又は上乗せリプ2何れかの当せんにより100%の確率で比較的少ない例えば50ゲームを上乗せし、選択したモードが荒波のとき、上乗せリプ1の当せん時のみに100%の確率で比較的多い例えば100ゲームを上乗せする仕様にしている。また、これら上乗せリプ1,2よりも当せん確率の高い通常リプの当せん時は、極低い確率例えば1%の確率でより少ない例えば10ゲームの上乗せする仕様にしている。
AT中、基本的には停止操作不問役ではあるが停止操作に応じて表示される図柄の組合せが異なることとなる特定役例えばここでは目押しリプに当せんしたとき、主制御装置MCからは前記特定識別情報出力手段H42によりメインモニタMAにその特定役に対応する指示情報として「14」を表示(出力)させ、周辺制御装置SCからはアシストタイムATの作動中の本来的なナビ情報の出力とは異なる出力態様、例えば具体的にはサーチライトユニット77のミニ液晶表示器700に口紅等の演出アイテム7Nを表示させることにより、その特定役に対応する演出情報を出力させることとしている。周辺制御装置SCのROMに構築する本来的なナビ表示以外の演出表示制御を担う演出表示手段Yには、その特殊演出を実行させる特殊演出手段Y1を設けている。
特殊演出の対象とする特定役たる目押しリプは、左リール1Lの上段に図柄番号14のプラムを停止させて中段にハート1を表示できると、有効ラインの左上−中上−右中にRP1の図柄の組合せのうちプラム−プラム−リプレイを表示でき、上段ラインにプラム揃い、下段ラインにベル又はブドウが揃うユニークな停止出目を表示できる。ただし、左リール1Lの図柄候補にはプラムの他にベル又はブドウを含むため、左リール1Lを単純に停止操作しても、ほとんどの場合、上段にはベル又はブドウが停止して、中段にリプレイが揃う中段リプレイが表示される(図3参照)。左リール1Lの上段に図柄番号14のプラムを停止させるには、0コマ滑り(即止め)か悪くても1コマ滑りの目押しの精度が求められ、難易度は高い。しかし、この目押しに成功して上段にプラム、中段にハート1が停止する上乗せリプレイ(図3参照)を表示できると、比較的多いゲーム数例えば100ゲームを上乗せするようにしている。このため、特殊演出は後の出玉に影響することから、メインモニタMAに識別情報として「14」を表示させることとしている。
AT中、BARフェイクリプ又はBAR揃いリプに当せんしたとき、AT中にATの直当りを強く意識させるバー揃いをさせると、かえって利益の重複で残念に思う遊技者もいることを考慮し、左第1停止を促すボタン対応表示1−−のナビを出すこととしている。BRA揃いリプの当せん時は、バー揃いを促さないが、顕著に多いゲーム数例えば300ゲームを上乗せすることとしており、遊技者に対する実質的利益は担保、いやむしろ高めている。BAR揃いリプの当せんでこの利益が確定するため、メインモニタMAは非表示のままである。
通常中、CZ中、AT準備中、AT中の各状態であって一般中の遊技状態時にRBB1又はRBB2に当せんしたゲームや、前記各状態各遊技状態からRBB1作動中又はRBB2作動中に移行したときには、メインモニタMAは非表示で、液晶表示装置70は画面を暗くした中に「復帰待機中」のメッセージを表示させる復帰待機中画面を出すものとしている。周辺制御装置SCのROMには、特別役に係る役物作動中の遊技状態時であるRBB1作動中又はRBB2作動中、 RBB1又はRBB2の抽せんをする一般中の遊技状態に復帰するまでAT関連処理を実行せずに所定の復帰待機演出を実行させる作動中復帰待機演出手段Y2と、一般中の遊技状態におけるRBB1又はRBB2の当せん遊技時、AT関連処理を実行せずに復帰待機演出を実行させる一般中復帰待機演出手段Y3とを設けている。
なお、上記の他、周辺制御装置SCのROM上には、ナビ手段Xによる表示上のナビと併用して、操作すべきストップボタン6L,6C,6Rについて「左」や「中」や「右」との音声で知らせる音声ナビ手段Z1と、演出表示手段Yによる表示演出と併用して、音声、音楽、BGM等を含む効果音を出音させる効果音出力手段Z2とを設けている。
図10に示すように、AT作動決定手段H1によりアシストタイムの作動が決定されるのは、例えば、1)内部抽せんで当せん確率の低いBAR揃いリプに当せんしたとき(直当り)、2)前回のAT終了からカウントするゲーム数が所定の天井ゲーム数例えば1000ゲームに到達したとき(天井到達)、3)所定生起条件とする内部抽せんでチャンス役に当せんしたことにより次ゲームから生起させる所定ゲーム期間例えば最大4ゲームのチャンスゾーンCZ中に、何れかの3枚択役に当せんでき且つ第1番目に停止させるリールを2つの選択肢から選ぶ2択に成功できたとき(CZ経由)としている。なお、天井到達は省略してもよい。また、この他、ゲームの進行に伴い当せん役に応じて付与するポイントの累計が所定値に達したときに行う抽せんに当せんできたときや、フリーズ抽せんによりプレミアム的な回胴演出の実行が決定されたとき等を追加してもよい。
通常中、BAR揃いリプに当せんできると、液晶表示装置70に逆押しでBARを狙うべき演出特化ナビが出る。演出図柄7L,7C,7Rの変動中にキャラクタの例えば綺麗なお姉さんが登場して当人の声で「ねらって」等の呼びかけがある。右リール1Rの中段にバーが停止できると「すごい」等の声援が、中リール1Cの中段にバーを停止できると「さいこう」等の声援があり、左リール1Lの中段にバーが停止できると「おめでとう」等の祝福がある。こうしてATの作動確定を効果的に演出する。次ゲームはAT準備中となる。BAR揃いリプの当せんでATの作動が確定し、逆押しでBARを狙うべき旨は専ら演出に特化したナビのため、メインモニタMAは非表示である。BARフェイクリプの当せん時も演出は途中まで同じであるが、バー揃いせず「ざんねん」等の音声が流れ、勿論、ATは作動しない。天井到達によるATの作動確定の場合、数ゲーム前から液晶表示装置70にカウントダウン表示が行われる。
通常中、チャンス役に当せんできると、演出図柄7L,7C,7Rの変動中にキャラクタが登場して「ドキ」等の音声が流れ、全リール停止後に「チャンスだよ」等の音声が流れる。チャンス役は取りこぼす可能性はあるが、チャンス役の当せんでCZへの移行が確定するため、メインモニタMAは非表示である。チャンス役に対応した1枚役NML1の入賞によりペイアウト表示として「1」が表示される。引き続いてされるベットボタン3の操作でチャンスゾーンCZへの突入を液晶表示装置70上でアピールし、スタートレバー5の操作でCZ中のゲームが始まる。
CZ中、第1ゲーム目で通常リプに当せんしたとすると、今回の後にあと3回チャンスがあることを明示しつつ、演出図柄7L,7C,7Rの変動中にキャラクタが登場して「ねぇ」等の呼びかけがあり、第1停止後に「キャハ」等の音声が流れる。第2ゲーム目で3枚役に当せんしたとすると、あと2回チャンスがあることを明示しつつ、演出図柄7L,7C,7Rの変動中にキャラクタが登場して「もう」等の音声が流れ、第1停止後に「キャハハ」等の音声が流れる。
第3ゲーム目で3枚択役中1に当せんできたとすると、メインモニタMAに低精度の指示情報「10」を表示し、あと1回チャンスがあることを明示しつつ、液晶表示装置70の下部にボタン対応表示??×が表示され、演出図柄7L,7C,7Rの変動開始とほぼ同時にキャラクタが登場して「どっち」等の音声が流れる。左第1停止により2択に失敗すると、停止した演出図柄7L中のお姉さんから「そんな」等の音声が流れる。この失敗した旨の情報或は本来の正解の押し順情報は、第1停止完了時点で主制御装置MCから周辺制御装置SCに送られる。全図柄停止後、この場合は1枚役NML12が入賞したことによりペイアウト表示が「1」となり、「ごめんね」等の音声が流れる。
第4ゲーム目でも3枚択役中1に当せんできたとすると、メインモニタMAに低精度の指示情報「10」を表示し、今回がラストであることを明示しつつ、液晶表示装置70の下部にボタン対応表示??×が表示され、演出図柄7L,7C,7Rの変動開始とほぼ同時にキャラクタが登場して「どっち」等の音声が流れる。中第1停止により2択に成功できると、停止した演出図柄7L中のお姉さんから「さすが」等の音声が流れる。この成功した旨の情報或は正解の押し順情報は、第1停止完了時点で主制御装置MCから周辺制御装置SCに送られる。全図柄停止後、3枚役NML6の入賞によりペイアウト表示が「3」となり、「おめでとう」等の祝福が流れる。次ゲームはAT準備中となる。
AT準備中は、当せんエリア41の通常リプ、同42の上乗せリプ1、同43の上乗せリプ2の当せんを待つことになる。この間、例えば高配当択役左中1に当せんしたときは、メインモニタMAに「1」、液晶表示装置70にボタン対応表示123が表示される。もっとも、AT準備中は、高配当択役及び/又は3枚択役の当せんがあっても、通常中と同一に非表示とする仕様でもよい。
AT準備中に例えば通常リプに当せんした場合、メインモニタMAに「13」が、液晶表示装置70に左第1停止でキャラ1を選択するとノーマルモードとなり、中第1停止でキャラ2を選択するか右第1停止でキャラ3を選択すると荒波モードとなる旨の選択設定ナビが表示される。ノーマルの癒しモードでは、AT中、上乗せリプ1当せん時も上乗せリプ2当せん時も50ゲームが上乗せされる。荒波のコスプレモードでは、AT中、上乗せリプ1の当せん時に限り100ゲームが上乗せされる。上乗せリプ1も2も同一の当せん確率のため、計算上、上乗せの期待値はどちらも同じとなるが、上乗せリプ1か2かどちらかが偏って当せんした場合、荒波のコスプレモードでは、上乗せゲーム数がより多くなることもあれば、より少なくなる場合もある。第1停止によりキャラ選択してモードを選ぶと、選んだモードを明示すると共に選択キャラのお姉さんから「よろしくね」等の挨拶がある。
AT準備中の通常リプ等の当せんによりラブラッシュ(LOVE RUSH)と命名するアシストタイムATの本作動をアピールする。次ゲームから初期ゲーム数として最低50ゲーム継続するATが本作動される。AT中は、所定契機により継続ゲーム数の上乗せがされ、上乗せが決定されたゲームで即時明示する即乗せ、数ゲーム潜伏させた後に明示する潜伏乗せ、ATの作動終了時に復活的に明示する復活乗せ等の複数の明示態様で上乗せを演出するようにしている。ATの作動は、継続ゲーム数が0になると終了し、通常中に戻る。
図11に示すように、AT中、例えば、停止操作不問役の一つであるチャンス役に当せんできると、メインモニタMAは非表示のままで、全リール1L,1C,1Rの始動後に液晶表示装置70に選択キャラによるキュートなポーズ1をとったカットイン等を出現させ、ボタン対応表示として各々例えば紫色の丸枠に「!」を付したものを表示し、チャンス役の当せんを予告する。第1停止後、選択キャラにより「いっしょにいたいな」等のお誘いがあり、第2停止でハートマークが外側に大きく広がっていく様子を示して期待感を煽り、全リール停止後、1枚役NML21の入賞に伴いペイアウト表示として「1」を表示し、ジョグダイヤルJDを押すべき旨の「おして」の表示及び呼びかけがある。遊技者がジョグダイヤルJDのプッシュボタンPBを押すと例えば10ゲームを上乗せする「+10G」の即乗せが明示される。AT中にチャンス役に当せんできると、上乗せ決定手段H2により所定の高確率例えば80%で上乗せが決定され、上乗せ数として例えば10Gが90%、20Gが8%、50Gが2%の振分率で選ばれる。上乗せの当否及び上乗せ数の振分の抽せんは、内部抽せん用の乱数とは別に定義し且つ内部抽せん用乱数に引続いて取得する上乗せ抽せん用乱数を用いて行っている。
AT中、例えば、停止操作不問役の一つである3枚役に当せんすると、メインモニタMAは非表示のままで、全リール1L,1C,1Rの始動後に液晶表示装置70に選択キャラにより「ねえねえ」等の呼びかけが出る場合がある。第1停止後、選択キャラが迷う様子を表示し、第2停止でハートマークがあまり広がらない様子を示し、全リール停止後、3枚役NML8の入賞に伴いペイアウト表示として「3」を表示し、ジョグダイヤルJDを押すべき旨の「おして」の表示及び呼びかけがある。遊技者がジョグダイヤルJDのプッシュボタンPBを押すと「よそみしないで」等のツンデレメッセージが発せられ、上乗せがないことが明示される。AT中に3枚役に当せんした場合、例えば低確率10%で例えば最低の10G固定の上乗せが決定されるも、上乗せはされない場合の方が多い。
AT中、例えば、停止操作依存役の一つである高配当択役左中1に当せんすると、メインモニタMAに指示情報「1」が表示され、全リール1L,1C,1Rの始動と共に液晶表示装置70のAT中演出画面の上に重ねてボタン対応表示として左中右の押し順を示す黄色の丸枠に「1」「2」「3」を付したものを表示し、正解の押し順を報知する。第1停止、第2停止に伴い、ボタン対応表示の数字表記を減らし、全リール停止後、3枚投入時に8枚配当となる高配当役NML1の入賞に伴いペイアウト表示として「8」を表示し、8枚のメダルが払出される。高配当択役の当せん時には、基本的に上乗せはない。
AT中、例えば、停止操作依存役の一つである3枚択役中1に当せんすると、メインモニタMAに指示情報「8」が表示され、全リール1L,1C,1Rの始動と共に液晶表示装置70のAT中演出画面の上に重ねてボタン対応表示として−1−の中第1停止を示すものものを表示し、正解の押し順を報知する。第1停止後、メインモニタMAの表示及び液晶表示装置70上のボタン対応表示を消し、全リール停止後、3枚役NML6の入賞に伴いペイアウト表示として「3」を表示し、3枚のメダルが払出される。3枚択役の当せん時にも、基本的に上乗せはない。
AT中、例えば、停止操作不問役の一つであるが演出特化ナビの対象とする上乗せリプ1に当せんして上乗せすることが決定された場合、メインモニタMAは非表示のまま、全リール1L,1C,1Rの始動と共に液晶表示装置70にボタン対応表示として例えば右中左の押し順を示す青色の丸枠に「3」「2」「1」を付したものを表示し、あたかも押し順リプレイであるかのように演出する。表示する押し順は、6通りのものから周辺制御装置SCで定義する演出用乱数による抽せんで振分けている。図示例は、潜伏乗せする場合を示しており、上乗せリプ1の当せんゲームにおいて、全リール1L,1C,1Rの始動と共に液晶表示装置70に「あと4Gでごほうび?」等の予告を出し、後続のゲームで3G、2G、1G、0Gとカウントダウンし、0Gとなる4ゲーム後に、ジョグダイヤルJDを押すべき旨の「おして」の表示及び呼びかけがあり、遊技者がジョグダイヤルJDのプッシュボタンPBを押すと、例えばノーマルモード選択時は50ゲームを上乗せする「+50G」の潜伏乗せが明示される。荒波モード選択時は「+100G」となる。上乗せリプ2の当せん時は、ノーマルモード選択時は「+50G」となるが、荒波モード選択時は上乗せなしとなる。なお、これらの上乗せの明示方法は、当せんゲームで明示する即乗せとしてもよい。
AT中、基本的には停止操作不問役ではあるが停止操作に応じて表示される図柄の組合せが異なることとなる特定役である目押しリプに当せんした場合、メインモニタMAにはその特定役を識別する「14」を第1停止がされるまで表示し、液晶表示装置70は通常のAT中の演出を維持して特別なことはしない。しかし、ミニ液晶表示700に口紅等の演出アイテム7Nを表示させる。左リール1Lの上段に図柄番号14のプラムを停止できて目押しに成功した場合、上乗せリプレイが表示され、ジョグダイヤルJDを押すべき旨の「おして」の表示及び呼びかけに応答して、遊技者がジョグダイヤルJDのプッシュボタンPBを押すと、例えば「+100G」の上乗せがされる。なお、この目押しリプの当せんの場合も、潜伏乗せによる明示方法としてもよい。また、演出アイテム7Nは、コンパクト、花束、シャンパン、チャーム、爆弾等、何でもよいし、単にミニ液晶表示器700や液晶表示装置70の背景の色を変更するだけでもよい。さらに、特殊演出は、特定の音声や心地よい音色等の効果音によるものとしてもよいし、いわゆる演出用可動ヤクモノの動きやリール1L,1C,1Rの逆転ロック駆動等を利用してもよい。
AT中、例えば、停止操作不問役の一つであるが上乗せ確定役であるBAR揃いリプに当せんした場合、メインモニタMAは非表示のまま、全リール1L,1C,1Rの始動後に液晶表示装置70に選択キャラによるキュートなポーズ2をとったカットイン等を出現させ、ボタン対応表示としてバー揃いを確実に回避させるために例えば左第1停止を示す1−−を表示させる。第1停止後、選択キャラにより「いいことありそう」等の音声予告があり、第2停止でハートマークが外側に大きく広がっていく様子と「あつい!あつい!」等の期待感を煽る演出がされる。図示例は、ATの終了間際の残りゲーム数が所定以下例えば5ゲーム以下のときにBAR揃いリプに当せんした場合を想定して復活乗せする場合を示しており、BAR揃いリプの当せんゲーム終了時には「もうすこしまってね」等の予告を出し、一旦ATが終了して演出表示装置70上で扉等が閉まる終了画面からジョグダイヤルJDを連打すべき旨の表示及び「お願いします」等の連呼を出し、遊技者がジョグダイヤルJDのプッシュボタンPBを連打する時間を確保した後、「ご延長」等の祝福メッセージ演出と共に例えば「+300G」等の大量上乗せを復活的に明示する。なお、BAR揃いリプに当せん時の上乗せの明示方法は、即乗せや潜伏乗せとしても勿論よい。
以上の実施形態では、特別役に第1特別役RBB1と第2特別役RBB2を用いたが、第1特別役RBB1のみを用いて構成してもよい。また、第一種特別役物に係る役物連続作動装置を用いて減るボーナスを構成したが、第一種特別役物を用いて減るボーナスを構成してもよい。さらに、AT作動下で再遊技高確率状態たるリプレイタイムRTへの移行契機図柄の組合せを表示させてアシストリプレイタイムART下でAT遊技を行うものや、専ら一般中の遊技状態中にAT作動下の遊技を可能とするものや、役物作動中の遊技状態中にAT遊技を可能とするもの等に適用してもよい。
回胴式遊技機は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第4号のぱちんこ屋の営業に供されるのが本来であるが、本発明に係る遊技機はこれに限らず、同法律第2条第1項第8号の店舗等の営業に供されるスロットマシンや、同法律の規制が及ばないアーケードゲーム機や、リールを映像等で表現したシュミレーションゲーム機等にも適用できる。なお、以上の説明中、確率や数字、図柄の組合せ等は一例示に過ぎないのは言うまでも無い。