以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。さらに、以下の実施形態は、ゲームカードを用いて所定のゲーム処理を実行してゲームを進行させるゲーム装置に対し、本発明に係るカードゲーム装置及びを適用した場合の実施形態である。
[1]ゲーム装置
まず、図1を用いて本実施形態におけるゲーム装置10の概要について説明する。なお、図1は、本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成を示す斜視図の一例である。
本実施形態のゲーム装置10は、図1に示すように、メダルや硬貨などの遊技媒体が投入されると、プレーヤの操作及び当該プレーヤによって使用されるゲームカード50に基づいて、所定のゲーム処理を実行してゲームを進行させるゲーム装置である。
特に、本実施形態のゲーム装置10は、プレーヤが所有するゲームカード50(デジタルカードも含む)が載置され、かつ、タッチパネルによって構成されたゲームフィールドFを有し、当該ゲームフィールドF上に載置されたゲームカード50の種別、位置及び枚数の少なくともいずれかを認識しつつ、タッチ操作入力に基づいて、他のゲーム装置10を操作する他のプレーヤとの通信対戦、又は、コンピュータと対戦するゲームを実行する構成を有している。
また、ゲーム装置10は、ゲームカード50をゲームフィールドF上で認識させることによって、プレーヤキャラクタ、及び、アイテムなどの装備(武器又は搭乗する戦闘機や戦艦)を特定するとともに、当該プレーヤキャラクタのゲームカード50のゲームフィールドF上の移動及び検出されたプレーヤの操作入力に基づいてゲームを進行させる構成を有している。
そして、ゲーム装置10は、ゲームカード50によって編成されたデッキを用いて他のプレーヤやコンピュータとの対戦を実行し、当該対戦終了後に新たなゲームカード50をプレーヤに提供することが可能な構成を有している。
さらに、ゲーム装置10は、ゲーム開始時、ゲーム開始前の新規ゲームの受付中、ゲー
ム中、及び、ゲーム終了後に、所与の演出画像及び演出音などの各種の演出を実行する構成を有している。
構造的には、ゲーム装置10は、図1に示すように、所与の立体形状を有する筐体30と、その上部であって筐体30の前面に設けられ、当該筐体30と開閉部38を介して接合された開閉扉40と、当該開閉扉40の前面に表示面が形成されたゲームに関する所与の画像を表示するモニタ(以下、「上部モニタ」という。)100と、開閉扉40内であって当該開閉扉40の背面側に設けられ、ゲームカード50を収納するカード収納部110と、を備えている。
特に、筐体30は、所与の立体形状として縦長のボックス形状によって構成される。具体的には、筐体30は、安定的な土台として形成され、その上面にフィールド盤32が形成されているボックス形状のベース31と、当該ベース31の上面であってフィールド盤32の奥側上方に形成されるボックス形状の筐体上部33と、から構成される。特に、筐体上部33は、所定の高さに上部モニタ100を配置するための構造を有するとともに、開閉扉40を支持する構造を有している。
また、ゲーム装置10は、筐体30の上下方向に対する中央部にかつカードが払い出される部分の下方に設けられ、ゲームカード50が載置され、ゲームフィールドFを構成するフィールド面20を有するフィールド盤32と、フィールド面20に表示面が形成され、フィールド盤32下に配設された所定の画像を表示させるモニタ(以下、「フィールドモニタ」という。)120と、筐体30の下部に形成され、フィールド面20に載置されたカードを認識する認識ユニット130と、フィールドモニタ120の表示に基づいてプレーヤの操作入力を光学的に検出する検出ユニット140と、を備えている。
さらに、ゲーム装置10は、筐体上部33の内部であって開閉扉40の背面側に設けられ、駆動制御ユニット150と、当該駆動制御ユニット150に並設された電源スイッチやリセットボタンなどの作業者のみによって操作される各種のスイッチ41及び42と、が形成されている。
なお、例えば、本実施形態におけるフィールドモニタ120は、本発明の液晶表示手段を構成し、認識ユニット130は、本発明の認識手段を構成する。また、例えば、本実施形態の検出ユニット140は、本発明の検出手段を構成する。
一方、筐体30の最上部には、蛍光灯その他の光をフィールド盤32(具体的には、フィールドモニタ120)に映り込ませないための天板(庇部)34が形成されており、筐体30の一方の側面(図面に対して左側)であって開閉扉40の横には、隣接する他のゲーム装置10のプレーヤからの目隠し用の仕切り板35が形成されている。
また、筐体上部33の開閉扉40の両側面には、筐体30の前面に向けて配設されたゲームに関する演出音その他の音を出力するための1組のスピーカ39が形成されている。そして、筐体上部33の右側面(具体的には、図面に向かって右側)には、開閉扉40を開閉するための把手36が形成されている。
さらに、フィールド盤32の前面には、ゲームを開始するコストとして用いられる硬貨又はメダルなどの遊戯媒体を投入するための投入口37が形成されている。
他方、ベース31の内部には、フィールド面20を背面から撮像することによって当該フィールド面20に載置されたゲームカード50を認識する認識ユニット130が形成されている。
本実施形態においては、認識ユニット130は、フィールド面20に載置されたゲームカード50を認識する必要があり、当該フィールド面20を全面的に背面から撮像する必要があるため、ベース31の内部には、認識ユニット130以外の他の部材を配設するスペースを十分に確保できない。
したがって、本実施形態においては、ゲーム装置10を駆動するために必要な駆動制御ユニット150を筐体上部33の内部に配設するようになっている。
そして、筐体上部33の内部に駆動制御ユニット150を配設してあり、当該駆動制御ユニット150へのメンテナンス作業などでアクセスする必要があるので、筐体上部33には、開閉扉40が設けられている。
この構成により、本実施形態のゲーム装置10は、ゲームに用いられるゲームカード50が開閉扉40の表面に払い出されることによって上部モニタ100を視認しつつ、ゲームを行うプレーヤに対して当該ゲームカード50を容易に取り出させやすくすることができるようになっている。
また、本実施形態のゲーム装置10は、開閉扉40を開状態にすれば、カード収納部110を筐体30の前面からアクセス可能に露出させることができるので、プレーヤに提供するゲームカード50を補充するなどのカード収納部110に対するメンテナンスを容易に行うことができるになっている。
なお、本実施形態のゲーム装置10は、通信対戦及びコンピュータ対戦問わず、1人のプレーヤのみがプレーできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレーできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。
また、複数のプレーヤがプレーする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、それぞれのゲーム装置10によって生成されてもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された対戦先のゲーム装置10又は図示しないサーバ装置を用いて分散処理により生成されてもよい。
[2]ゲームカード
次に、図2を用いて本実施形態のゲームカード50について説明する。なお、図2は、本実施形態のゲームカード50の一例を示す図である。
ゲームカード50は、プレーヤキャラクタ、味方キャラクタ、又はそれらの各キャラクタが有する武器、ゲーム内通貨、道具若しくはライフエネルギーなどのアイテムを規定するカードである。
なお、本実施形態においては、原則的に、媒体として現実空間に有限に存在するゲームカード(以下、単に「ゲームカード」という。)50を用いるが、当該ゲームカード50の他に、ゲーム空間内で存在するデジタルデータとしてのゲームカード(以下、「ゲームカードデータ」という。)が用いられもよい。
また、ゲームカード50は、所定の厚さ(0.7mm程度)図2(A)及び(B)に示すように、プレーヤがゲームに用いるプレーヤキャラクタ又は当該プレーヤキャラクタに用いられる装備が、図、絵又は写真によって描画されている表面51と、認識ユニット130によって各ゲームカード50を識別するための情報が形成された裏面52と、から構成されている。
表面51には、プレーヤキャラクタや装備の図柄(絵、写真又は図形などを含む。)53の他に、当該プレーヤキャラクタや装備の名称、その説明、及び、能力などの各種の特性に関する情報54が形成されている。
裏面52には、例えば、2次元バーコードなどの図形化されたコード、英数字などの文字、ドットパターン、又は、所与の形状を有する図形などのコードが形成されており、当該コードは、認識ユニット130によって特定可能であって、ゲームカード50の向きをも認識可能な識別情報55を有している。
特に、本実施形態の場合には、ゲームカード50の裏面52には、プレーヤなどの人によって視認不能なインクであって、赤外線が照射された際に撮像カメラによって画像化可能なインクによって識別情報55が形成されている。
なお、図2(B)は、識別情報55が2次元バーコードの場合の例である。ただし、本実施形態の識別情報55は、視認可能なものであってもよい。
また、裏面52には、ゲームカード50の紹介などの静止画像又は動画像が印刷やその他の手法によって形成され、当該画像内に視認不能なインクなどによって識別情報55が視認不能に埋め込まれていてもよい。
一方、各プレーヤは、基本的には、対戦ゲームの終了後に、カード収納部110から払い出されることによって各種のゲームカード50を取得する。ただし、各プレーヤは、
(1)他のプレーヤとの対戦ゲームにて勝利した場合、
(2)所定のゲームステージをクリアした場合、プレーヤのゲームレベルが上がった場合若しくは所定のゲーム上のタスクを完了した場合
(3)ガチャと言われる抽選ゲームで当選した場合、
(4)友人として登録された他のプレーヤからのプレゼントされた場合、又は、
(5)課金などのコストの支払いによって購入した場合、
などのゲーム状況に応じて取得するように構成されていてもよい。
また、各ゲームカード50は、対戦ゲームの開始前に、フィールド面20に載置されると、プレーヤによる所定の操作が実行されることによって対戦ゲームに用いるキャラクタ又は装備として登録される。そして、キャラクタに関するゲームカード50は、ゲーム中に、プレーヤによってゲームを進行させるため操作対象として機能する。
[3]開閉扉
次に、図3及び図4を用いて本実施形態における開閉扉40について説明する。なお、図3は、本実施形態のゲーム装置10において開閉扉40が開状態における側面図の一例であり、図4は、本実施形態のゲーム装置10において開閉扉40が開状態における正面斜視図である。
開閉扉40は、所定の厚さを有し、フレーム構造を用いて筐体30の上部前面における垂直面(ゲーム装置10が設置される面(水平面)に対して90度又はほぼ90度に形成された面)に形成されている。
また、開閉扉40は、当該筐体30の一方の側面において、開閉部38としてのヒンジを介して筐体30に接合されて開閉可能に形成されており、開状態時に筐体30の内部を垂直面側に露出させることが可能な構成を有している。そして、開閉扉40の一端部(図1における図面右側の端部)は、開閉時に可動して筐体30から分離される構造を有して
いる。
ヒンジ38は、開閉扉40の開状態時におけるその重量を適切に支持することができれば、その大きさや数は限定されない。特に、作業者が開閉扉40の背面に対して作業可能な空間が形成されれば、その開閉扉40の最大開状態時におけるヒンジ38の最大可動角度は限定されないが、本実施形態においては、ヒンジ38は、その作業性から、開閉扉40が閉状態に対して90度以上開くように可動可能な構造を有している。
一方、開閉扉40には、開閉扉40の前面に表示面が形成され、所定の画面サイズ(例えば、32インチ)を有する上部モニタ100が組み込まれているとともに、その背面にはゲームカード50を収納するカード収納部110が組み込まれている。
上部モニタ100は、開閉扉40が開閉されて開状態になった場合には、当該開閉扉40とともに筐体30から分離するように当該開閉扉40に組み込まれている。
そして、上部モニタ100は、開閉扉40と一体的に形成されるとともに、例えば、液晶素子又は有機EL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、駆動制御ユニット150において生成された表示データに基づいてゲームに関する所与の画像を表示する。
カード収納部110は、開閉扉40の背面側に取り付けられており、ゲームカード50を開閉扉40の背面側から収納可能な構造を有する。
特に、カード収納部110は、上部モニタ100の背面側に配設されており、上部モニタ100と同様に、開閉扉40が開閉されて開状態になった場合には、当該開閉扉40とともに筐体30から分離するように当該開閉扉40に組み込まれている。なお、本実施形態におけるカード収納部110の詳細については以下に詳述する。
[4]カード収納部
次に、図5及び図6を用いて本実施形態のカード収納部110について説明する。なお、図5は、本実施形態のカード収納部110におけるカバー118を装着した状態の正面図及びカバー118を外した状態の正面図であり、図6は、本実施形態におけるゲームカード50を収納している収納状態を示すカード収納部110の斜視図(カバー無し)である。
カード収納部110は、図5及び図6に示すように、開閉扉40内に設けられ、筐体30の内部に向かって開口を有する収納ユニット111と、開閉扉40の表面に設けられ、カードを払い出す払出口112と、払出口112に設けられたカード検出センサ113と、払出口112からゲームカード50を開閉扉40の表面に送り出す送出ローラ114と、を有している。
また、カード収納部110は、収納ユニット111のベースを構成するとともに送出ローラ114を駆動するローラ機構部115と、収納ユニット111内におけるゲームカード50の有無を検出する収納状況検出センサ116と、収納ユニット111に収納された最上部のゲームカード50に載置される重し用のウエイトユニット117と、収納ユニット111の開口部分を覆うカバー118と、を有している。
収納ユニット111は、筐体30の内部に向かって開口を有する縦長のボックス形状によって形成されているとともに、開閉扉40の背面側であって上部モニタ100の背面に取り付けられている。また、収納ユニット111は、ゲームカード50が平積みに150
枚〜200枚程度縦方向に収納可能な構造を有している。
払出口112は、開閉扉40の表面であって上部モニタ100の右下に形成されている。また、駆動制御ユニット150の制御の下、ゲームの終了時などの所定のタイミングやゲームの進行に応じて、ゲームカード50を一枚ずつ開閉扉40の表面に払い出す構造を有している。
カード検出センサ113は、払出口112に設けられ、プレーヤによってゲームカード50が取得されたか否かを検出するセンサであって、当該払出口112におけるゲームカード50の有無を検出するために用いられる。特に、カード検出センサ113は、払出口112にゲームカード50が存在している場合に所定の信号を駆動制御ユニット150に送信する。
送出ローラ114は、ローラ機構部115の制御の下、ゲームカード50を払い出す際に停止状態から開閉扉40の前面方向に回転を開始し、ゲームカード50をカード収納部110から払出口112に向かって送り出すローラである。
ローラ機構部115は、駆動制御ユニット150の制御の下、送出ローラ114の回転及び停止を制御し、カード収納部110に収納されているゲームカード50の払い出しを制御する。
収納状況検出センサ116は、カード収納部110に収納されたゲームカード50が一定枚数以下になった場合に、又は、当該収納されたゲームカード50が無くなった場合に、所定の信号を駆動制御ユニット150に送信する。例えば、収納状況検出センサ116は、ゲームカード50の有無を検出するために、収納ユニット111の重さを検出する。
ウエイトユニット117は、所定の重さを有し、所定の板形状によって形成されおり、ゲームカード50を送出ローラ114によって適切に払出口112に送出するために用いられる。特に、ウエイトユニット117は、収納ユニット111に収納されているゲームカード50の数が少なくなった場合でも最下層にあるゲームカード50が払出口112に送出ローラ114によって送り出されるように、当該ゲームカード50に所定の重さを加えることができるようになっている。
なお、ウエイトユニット117は、重しとして機能するものであれば、その形状は限定されず、その重さも限定されない。
[5]フィールド盤
次に、本実施形態のフィールド盤32について説明する。
本実施形態のフィールド盤32は、図1に示すように、筐体30の中央部に当該筐体30の前面に張り出したゲームフィールドFを構成し、平面視において長方形の形状を有するフィールド面20と、当該フィールド面20に表示面が形成され、フィールド盤32下に配設されたフィールドモニタ120と、フィールドモニタ120の表示に基づいてプレーヤの操作入力を検出する検出ユニット140と、プレーヤによって操作される操作パネル160と、を有している。
フィールド面20は、フィールド盤32の奥側(筐体30の背面側)から前面側に低くなる傾斜を有して形成されている。すなわち、フィールド面20は、フィールド盤32の奥側から前面側に向かって低くなる所定の角度の傾き(例えば、水平面に対して数度〜10度程度の傾き)を有している。
フィールドモニタ120は、液晶素子によって構成されるとともに、駆動制御ユニット150の制御の下、ゲームカード50が載置されるゲームフィールドFを構成するための画像及びプレーヤの操作内容の画像を表示する。
特に、本実施形態においては、認識ユニット130によってフィールド面20に載置されたゲームカード50を背面から認識する必要があるため、フィールドモニタ120においては、画像を表示するために必要なバックライトユニット128が当該フィールドモニタ120の側面に形成されている。
また、フィールドモニタ120は、画面の両サイドの所定の領域にタッチ操作用の操作内容の画像を表示させ、それ以外の領域(すなわち、画面中央)にゲームカード50が載置されるゲームフィールドFを構成する画面を表示させる。
検出ユニット140は、フィールドモニタ120に組み込まれてその一部として形成された光学検出手段である。ただし、検出ユニット140は、フィールドモニタ120に対するプレーヤの操作入力を検出することができれば、当該フィールドモニタ120に組み込まれている必要はない。
なお、本実施形態における検出ユニット140を有するフィールドモニタ120及び認識ユニット130の詳細については後述する。
また、操作パネル160は、所定のボタンから構成されており、ユーザによって押し下げられたボタンの情報を入力情報として駆動制御ユニット150に出力する構成を有している。
[6]フィールドモニタ
次に、図7を用いて本実施形態の検出ユニット140をフィールドモニタ120及び検出ユニット140について説明する。なお、図7は、本実施形態のフィールドモニタ120における分解斜視図である。
フィールドモニタ120は、フィールド面20に画像を形成させ、かつ、当該フィールド面20に載置されたゲームカード50を下方から撮像することによって認識させるために、透明又は半透明の部材によって形成されたゲームフィールドFを有している。
そして、フィールドモニタ120は、フィールド面20から下方に向かって、順に、当該フィールド面20を形成する上部ケース121と、プレーヤのフィールド面20上の接触を検出する検出ユニット140と、取付金具U1を用いて取り付けられ、上面側を保護する上部保護ガラス122と、画像を表示する液晶ユニット123と、取付金具U2を用いて取り付けられ、下面側を保護する下部保護ガラス124と、下部ケース125と、から構成される。
特に、検出ユニット140は、フィールド面20上に複数出射された光ビームのそれぞれの受光状態に基づいてタッチ操作入力を検出するユニットである。
具体的には、検出ユニット140は、ユーザのフィールド面上の接触位置を検出し、当該検出した位置に基づくユーザの入力情報を駆動制御ユニット150に出力するためのユニットである。すなわち、検出ユニット140は、フィールド面20にタッチ(接触)されたプレーヤの操作入力を検出する構成を有している。
また、検出ユニット140は、フィールドモニタ120の枠の部材の対向する部分に、それぞれ形成された一対となる光ビーム照射部141及びその光ビームを受光する受光部142を複数用いて構成される。なお、例えば、本実施形態の光ビーム照射部141は、本発明の出射部を構成し、受光部142は、本発明の受光部を構成する。
光ビーム照射部141は、フィールド面20の外周に沿って配設されている。具体的には、光ビーム照射部141は、フィールドモニタ120の枠における直角関係になる2辺(具体的には、フィールド面20におけるx軸及びy軸となる2辺)に所定の間隔で複数形成され、赤外線などの光ビームを、フィールド面20(タッチパネル面)上であって当該フィールド面20と平行に照射する。
受光部142は、光ビーム照射部141と同様に、フィールド面20の外周に沿って配設されている。具体的には、受光部142は、光ビーム照射部141が形成された辺とは異なるフィールドモニタ120の枠であって、それらに対向する枠の2辺にそれぞれ設けられ、各光ビーム照射部141から照射された光ビームを受光する。
特に、光ビーム照射部141及び受光部142は、フィールド面20(具体的には、上部ケース121)上に載置されたゲームカード50による光ビームの遮断(すなわち、検出)を防止するために、フィールド面20から上方にゲームカード50の厚さ以上の高い位置(例えば、1mmから1.5mm程度)に設けられている。
そして、検出ユニット140は、フィールド面20に接触又は近接した場合に、光ビームが遮断されたことを検出して当該遮断によってフィールド面20上の縦横(すなわち、x軸及びy軸)の座標を検出する。
なお、本実施形態のプレーヤの指示入力(すなわち、接触操作入力)には、ユーザの指によるタッチ操作又はスライド操作、及び、ポインティングデバイスなどのデバイスを介して実行される間接的なタッチ操作又はスライド操作を含む。
一方、液晶ユニット123は、液晶パネル126と、当該液晶パネル126に液晶ユニット123の側面の外周から照射された光(バックライト)を導くための導光板127と、バックライトを照射するバックライトユニット128と、を有している。なお、導光板127は、本発明の導光板を構成し、バックライトユニット128は、本発明の光照射部を構成する。
具体的には、液晶パネル126は、一対のガラス基板、一対のガラス基板間に狭持される一対の透明電極、一対の透明電極間に狭持される一対の配向層、及び、一対の配向層間に狭持される液晶層によって構成される。特に、液晶層は、一対の配向層の間において所定の角度(具体的には90度)ねじられて配向されている液晶分子を有している。
また、導光板127は、液晶ユニット123の側面に形成された枠(すなわち、外周)から内側に向けて照射されたバックライトを液晶ユニット123の背面(表示面とは反対の面)に入光させる構成を有している。すなわち、導光板127は、液晶ユニット123の側面から照射された光の照射方向を、当該液晶ユニットの背面方向から前面(すなわち、フィールド面20)の方向に変化させる構造を有している。
そして、バックライトユニット128は、液晶ユニット123の側面に形成された四方の枠にそれぞれ取り付けられており、導光板127に向けて光を照射する。すなわち、バックライトユニット128は、液晶ユニット123の外周に沿って形成されており、当該外周から内側に向けて光を照射する。
なお、本実施携帯の液晶ユニット123は、その背面方向から前面に向けて認識ユニット130から照射された光ビームを当該前面(すなわち、フィールド面20)に向けて透過することが可能な構成を有している。
また、バックライトユニット128は、照射光量が確保できれば、四方側面の全てに形成されていなくてもよく、1以上の側面に形成されて入れもよいし、四隅の1又は複数カ所に形成されていてもよい。
一方、バックライトユニット128を取り付ける取付金具U2は、バックライトユニット128を液晶パネル126の外周に沿って取り付けるための金具を構成する。そして、取付金具U2は、バックライトユニット128の上段に配設された検出ユニット140との間に、当該バックライトユニット128の光が当該検出ユニット140側への影響を排除するためのカバー(具体的には、庇形状のカバー)129が形成されている。
すなわち、カバー129は、液晶パネル126に用いる光を遮断し、検出ユニット140におけるタッチ操作入力を検出するための光ビームを他の光からの影響を排除するカバーを構成する。
[7]認識ユニット
次に、図8及び図9を用いて本実施形態の認識ユニット130について説明する。なお、図8は、本実施形態における認識ユニット130の光出力部131が形成されたフィールド盤32の前方斜視図であり、図9は、本実施形態のベース31部分(筐体上部33及びフィールド盤32無し)における上面からの平面図である。
認識ユニット130は、フィールドモニタ120の下方の側面に形成され、フィールド面20に向けてその背面から赤外線などの光ビームを照射出力する光出力部131と、当該光出力部131から出力された光ビームが照射された状態におけるフィールド面20を下方から撮像する撮像部132と、を有している。
光出力部131は、フィールド面20の下方であってフィールド盤32の前方側面及び奥側側面にフィールド面20に向けて所定の傾斜角度を有して形成されている。特に、光出力部131は、撮像部132においてゲームカード50(具体的には、識別情報55)を的確に検出するために、フィールドモニタ120の液晶ユニット123の偏光板の向きに対して所定の方向から入光するための光ビームを照射する。
すなわち、液晶ユニット123の偏光板の向きに対して適切でない方向から光ビームを照射すると、当該偏光板の影響によって、撮像部132によって画像化されたものにノイズが発生するため、光出力部131は、特定の方向(本実施形態の場合には、フィールド盤32の前方側面及び奥側側面)からフィールド面20に光ビームを照射する構成を有している。
なお、光出力部131の数、出力値及び傾斜角度は、光出力部131から出力された光ビームがゲームフィールドFの全体に一様に照射し、撮像部132によって適切な画像を得ることができれば特に限定されない。
撮像部132は、ゲームフィールドF(すなわち、フィールド面20)の背面全体を撮像可能な画角及び焦点距離を有し、CCDなどの所定の撮像素子を有する撮像カメラと、撮像カメラの出力に基づいてゲームフィールドFの背面を画像化して駆動制御ユニット1
50に出力する画像生成部と、から構成される。特に、撮像カメラには、所定の焦点距離を有するレンズと光ビーム(具体的には、赤外線)の反射光(すなわち、ゲームカード50によって反射された反射光)を適切に検出するための所定のフィルタが設けられている。
また、撮像部132(具体的には、レンズの先端)からフィールド面20までの距離は、当該フィールド面20(具体的にはゲームフィールドFの全体)を適切に撮像可能(レンズによって発生する収差などによってひずみが発生しない又は少ない画像を生成可能)であれば限定されないが、例えば、32インチの液晶ユニット123を用いた場合には、50cm以上の距離が必要になる。そして、ベース31の内部において、撮像部132からフィールドモニタ120までの間には、何も配設されない空間(空洞)が形成されていなければならない。
なお、光出力部131から出力される光ビームは、フィールド面20に載置されたゲームカード50の裏面52に所定のコードや所定のパターンによって形成された識別情報55を視認可能に又は画像化可能に顕在化させる光であれば、特に限定されない。
[8]駆動制御ユニット
次に、図10を用いて本実施形態の駆動制御ユニット150の構成について説明する。なお、図10は、本実施形態の駆動制御ユニット150のブロック構成を示す構成図である。
駆動制御ユニット150は、メダルその他のコインの投入に基づいてゲームの開始を行うと、プレーヤの操作及びフィールド面20に載置されたゲームカード50に基づいて所与のゲーム処理を実行しつつ、上部モニタ100、カード収納部110、フィールドモニタ120、認識ユニット130及び検出ユニット140を駆動制御する構成を有している。
記憶部270は、ゲーム処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、提供するゲームに関しプレーヤとしてのユーザに関する情報を示すユーザ情報273と、テーブルデータなどのゲームを実行する上で必要な各種のデータを記憶するゲームデータ記憶部274と、を含む。
なお、これらの一部を省略する構成としてもよいし、図示しないサーバ装置に設けられたデータベースがその一部を構成してもよい。
特に、本実施形態の記憶部270には、検出ユニット140において取得された基準位置及び指示位置、及び、各種のマーカの画像及び各種の判定処理において用いる条件を示す条件情報などを主記憶部271に記憶することができる。
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
また、情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。なお、ゲーム処理部200は、後述するように、情報記憶媒体280に格
納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
ゲーム処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
なお、本実施形態では、情報記憶媒体280や記憶部270に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやゲームデータを、図示しないサーバ装置からネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280に記憶する。また、図示しないサーバ装置から受信したプログラムやデータを記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してネットワークシステムを機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
通信部296は、外部(例えば図示しない他の端末装置やサーバ装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
センサ管理部282は、所定のタイミングにおいて、ゲーム処理部200(具体的には、ゲーム管理部217)の指示の下、収納ユニット111からゲームカード50の払い出しを実行させるための制御を行う。具体的には、センサ管理部282は、ローラ機構部115を制御して払出口112からのゲームカード50の払い出しを実行させる。
また、センサ管理部282は、収納ユニット111におけるカード検出センサ113及び収納状況検出センサ116と連動し、
(1)所与の指示に基づいてゲームカード50が収納ユニット111から払出口112に送出されたか否か、
(2)払出口112にあるゲームカード50が取り除かれた否か、及び、
(3)ゲームカード50が一定数以上収納されているか否か、
を管理する。
特に、センサ管理部282は、(1)及び(2)に基づいてゲームカード50のカード詰まりを管理するとともに、(3)については、ゲーム処理部200(具体的には、表示制御部212及び音処理部230)と連動し、収納ユニット111に収納されているゲームカード50が空になった場合にもその旨の通知を上部モニタ100及びスピーカ39を用いて実行する。
撮像制御部285は、認識ユニット130における光出力部131及び撮像部132の制御を行う。具体的には、撮像制御部285は、光出力部131における出力光量を制御するとともに、撮像部132における焦点、画角及びコントラストなどの撮像にするために必要な物理的又は光学的な制御を実行する。
ゲーム処理部200(プロセッサ)は、操作パネル160、検出ユニット140及び認識ユニット130からの入力データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、ゲームカード50の払い出し処理、又は、音生成処理などの処理を行う。なお、本実施形態のゲーム処理部200は、本発明のゲーム処理手段を構成する。
特に、本実施形態においては、ゲーム処理としては、コインなどの遊技媒体が投入口37に投入されたて所定の条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、プレーヤオブジェクト、敵オブジェクトなどのオブジェクトを配置する処理、
オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、ゲームカード50の払い出し処理などが含まれる。
また、ゲーム処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。ゲーム処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
特に、本実施形態のゲーム処理部200は、オブジェクト空間設定部210と、入力検出処理部211と、表示制御部212と、操作制御部213と、移動処理部214と、ゲーム演算部215と、仮想カメラ制御部216と、ゲーム管理部217と、描画部220と、音処理部230とを含む。また、これらの一部を省略する構成としてもよい。
オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(プレーヤオブジェクト、移動体、敵オブジェクト)、移動経路、建物、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(スプライト、ビルボード、ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。
具体的には、オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y)或いは(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y軸回りでの回転角度)或いは(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
ここで、オブジェクト空間とは、いわゆる仮想2次元空間、仮想3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
そしてオブジェクト空間を2次元空間とした場合には、複数のオブジェクトそれぞれについて設定された優先順位に基づいてオブジェクトを配置する。例えば、奥側にあるように見せたいオブジェクト(スプライト)から順にオブジェクトを配置し、手前側にあるように見せたいオブジェクトを重ねて配置する処理を行うことができる。
また、描画サイズが大きなオブジェクトを画像の下方に配置し、描画サイズが小さなオブジェクトを画像の上方に配置すれば、画面の上方に対応するオブジェクト空間が奥側にあるように見せることができるとともに、画面の下方に対応するオブジェクト空間が手前側にあるように見せることができる。
また、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。
入力検出処理部211は、検出ユニット140及び認識ユニット130から取得した情報を行う。具体的には、本実施形態の入力検出処理部211は、検出ユニット140によって検出したユーザの指示位置(すなわち、接触位置)の情報と、認識ユニット130から取得したゲームカード50の位置及びその向きを示す情報と、を取得する。
例えば、入力検出処理部211は、プレーヤのフィールドモニタ120への接触操作(すなわち、タッチ操作やスライド操作(タップ操作及びフリック操作を含む))が実行された接触位置(2次元の接触位置座標)を指示位置として取得する。
特に、入力検出処理部211は、
(1)画面へのタッチ操作入力されていない状態(以下、「無接触状態」という。)からタッチ操作入力された状態(以下、「接触状態」という。)への第1の変化(以下、「状態変化」という。)を検出するとともに、当該状態変化が実行された検出位置(以下、「基準位置」ともいう。)を検出する第1の検出処理、及び、
(2)第1の変化の検出後であって当該第1の変化を検出した際(すなわち、無接触状態から接触状態に状態変化した際)のタッチ操作入力が継続されて(すなわち、接触状態が継続されて)スライド操作による入力(以下、「スライド操作入力」という。)が実行されている場合に、当該スライド操作入力の変化(すなわち、指示位置及び当該指示位置の変化)を第2の変化として検出する第2の検出処理、
(3)スライド操作入力中に、画面へのタッチ操作入力がされていない状態(すなわち、スライド操作入力が終了して無接触状態となった場合)を検出する第3の検出処理
を実行する。
また、入力検出処理部211は、所定の周期毎に入力された指示位置を取得する。具体的には、所定の周期とはフレーム毎、例えば、1/60秒〜1/120秒程度とすることができる。
そして、入力検出処理部211は、表示制御部212と連動し、フィールド面20に表示されている画像と座標位置とに基づいて、当該座標位置に対応付けて設定された操作入力を特定する。
一方、入力検出処理部211は、認識ユニット130から取得したゲームカード50の識別情報55を取得し、当該取得した識別情報55に基づいて、プレーヤによって操作されているゲームカード50の種別、枚数及び位置を特定しつつ、当該特定したゲームカード50の種別と、認識ユニット130から取得したゲームカード50のそのゲームフィールドF上の位置と、当該ゲームカードの枚数と、を操作制御部213に提供する。
また、入力検出処理部211は、表示制御部212と連動し、特定したゲームカード50の種別、位置又は枚数に関する情報を、上部モニタ100、フィールドモニタ120、又は、双方に表示してもよい。特に、入力検出処理部211は、ゲーム中又はゲーム終了後など所定のタイミングで払い出されたゲームカード50を、識別ユニット130から取得した識別情報55によって特定した場合には、当該払い出されたゲームカード50をゲームフィールドF上で検出した旨及び当該ゲームカード50の内容を、上部モニタ100、フィールドモニタ120、又は、双方に表示してもよい。
なお、本実施形態においては、「基準位置」及び「指示位置」としては、上述のようにタッチ操作入力やスライド操作入力によって検出されたタッチパネル上の位置だけなく、検出位置から所定の距離離れた位置又はタッチパネルの隅などの所定のエリアに形成されたエリアなどの特定のタッチパネル上の位置に関連した所定位置も含む。
また、入力検出処理部211は、プレーヤによって操作されているゲームカード50の種別、枚数及び位置のすべてでなく、いずれか1又は2を特定し、特定したものを操作制御部213に提供する。
表示制御部212は、上部モニタ100上に、ゲームが実行されるゲーム空間を含むゲームに関する演出画像を表示させる。また、表示制御部212は、フィールドモニタ120のゲームフィールドF上に、ゲームカード50を載置させるためのゲーム空間を表示するとともに、当該ゲーム空間とは別に、プレーヤの指示に基づいて複数のプレーヤキャラクタの中から当該ゲーム空間内において行動制御可能なプレーヤキャラクタとして設定さ
れたデッキ及びタッチ操作を行うための操作指示を促すための画像を表示させる。
操作制御部213は、検出ユニット140によって検出されたタッチ操作入力及びスライド操作入力と、認識ユニット130によって認識されたゲームカード50のゲームフィールドF上の位置及びその向きの情報と、に基づいて、オブジェクト空間に配置されたプレーヤキャラクタなどの操作対象オブジェクトを制御する。
移動処理部214は、オブジェクト空間内におけるオブジェクト(特に、キャラクタオブジェクト、移動体オブジェクト等の操作対象オブジェクト)の移動演算を行う。すなわち、移動処理部214は、操作制御部213の制御の下、検出ユニット140によりプレーヤが入力した入力データ又はプログラム(移動アルゴリズム)や各種データ(モーションデータ)及びゲームカード50のゲームフィールドF上の位置などに基づいて、移動体オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させ、又は、移動体オブジェクトの動作(モーション、アニメーション)を制御するための処理を行う。
具体的には、本実施形態の移動処理部214は、オブジェクトの移動情報(移動方向、移動量、移動速度、位置、回転角度、或いは加速度)や動作情報(各パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。ここでフレームとは、オブジェクトの移動処理、動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。そして、本実施形態では、フレームレートは、固定としてもよいし、処理負荷に応じて可変としてもよい。
なお、移動処理部214は、3次元のオブジェクト空間において入力方向に基づいてオブジェクトを移動させる処理を行ってもよい。例えば、予め、入力方向毎に移動方向を対応づけ、入力方向に対応する移動方向にオブジェクトを移動させる。
ゲーム演算部215は、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム演算部215は、プレーヤの指示に基づいてゲームに使用される複数のプレーヤキャラクタがデッキに設定されると、当該デッキに設定された各プレーヤキャラクタを用いてゲームを進行させるための各処理を実行する。
特に、ゲーム演算部215は、マップに基づくオブジェクト空間の形成、RPGの場合には、ユーザの操作に応じて予め設定されたシナリオに基づくゲームの進行、プレーヤオブジェクト(操作対象オブジェクト)と敵オブジェクトやその他のオブジェクト(操作非対象オブジェクト)との対戦、及び、当該対戦時のパラメータ管理などのゲームを実行する上で必要な演算処理を行う。
仮想カメラ制御部216は、所与の視点から見える画像であって、奥行きがあるように見える画像を生成する。この場合に、仮想カメラ制御部216が、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
例えば、仮想カメラによりオブジェクト(例えば、キャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。
この場合には、移動処理部214で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。ま
た、この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
ゲーム管理部217は、検出ユニット140及び認識ユニット130を介して入力されたプレーヤの操作及び認識されたゲームカード50に基づいて、各プレーヤにおいて対戦ゲーム等のゲームに使用するプレーヤキャラクタ及び各種のアイテムをデッキにデッキデータとして設定し、ユーザ情報273に登録する。
また、ゲーム管理部217は、ゲーム終了時又は所定のタイミングにおいてゲームカード50を払い出す払い出し管理を実行する。特に、ゲーム管理部217は、センサ管理部282と連動して、ゲームカード50が適切に払い出された否かを含めて管理を行う。
描画部220は、ゲーム処理部200で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、上部モニタ100及びフィールドモニタ120に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。特に、描画部220は、オブジェクト空間における仮想カメラから見える画像であって、画面上に表示する画像を生成する。
ここで2次元画像を生成する場合には、描画部220は、設定された優先度が低いオブジェクトから順に描画して、オブジェクト同士が重なる場合には、優先度の高いオブジェクトを上書きして描画する。
また、3次元画像を生成する場合には、本実施形態の描画部220は、まずオブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。なお、頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
また、頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる。
ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ272(フレームバッファ、ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。
これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することがで
きる。
なお、描画部220が行う頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現されてもよい。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、ハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
そして、描画部220は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理を行う。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)を記憶部270に記憶する。
テクスチャマッピングでは、記憶部270のテクスチャ記憶部に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングする処理を行う。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部270のテクスチャ記憶部からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出し、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
なお、本実施形態では、オブジェクトを描画する際に、所与のテクスチャをマッピングする処理を行うようにしてもよい。この場合には、マッピングされるテクスチャの色分布(テクセルパターン)を動的に変化させることができる。
また、この場合において、色分布(ピクセルパターン)が異なるテクスチャを動的に生成してもよいし、複数の色分布が異なるテクスチャを予め用意しておき、使用するテクスチャを動的に切り替えるようにしてもよい。またオブジェクト単位でテクスチャの色分布を変化させてもよい。
隠面消去処理では、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行う。すなわち、オブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファに格納されるZ値を参照するとともに、当該参照されたZバッファのZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファのZ値を新たなZ値に更新する。
αブレンディング(α合成)では、描画部220は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)を行う。なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
特に、本実施形態での描画部220は、接触検出領域に対応する表示領域に表示させる画像を生成してもよい。表示領域に表示させる画像とは、例えばオブジェクトを含む画像でもよい。
音処理部230は、音源ICと及びパワーアンプを備え、ゲーム処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、スピーカ39に出力する。
[9]変形例
本実施形態の検出ユニットは、フィールドモニタ120上に当該フィールドモニタ120面と平行に照射された赤外線などの光ビームを用いて、当該フィールドモニタ120上のプレーヤにおける接触位置を検出しているが、
(1)歪ゲージ方式又は圧力パネル方式などのフィールドモニタ120四隅に歪ゲージなどを取り付け、ユーザの接触によって発生するフィールド面20のたわみからタッチ位置を算出してもよく、
(2)抵抗膜方式又は静電容量方式などの当該フィールドモニタ120上に設けたセンサによって接触位置を検出してもよく(オンセル型)、
(3)フィールドモニタ120の内部に設けられた、フォトダイオードなどの光検出回路や電圧ベースのマイクロスイッチ又は電荷を検知する容量素子などの電極によって当該フィールドモニタ120上の接触位置を検出してもよい(インセル型)。
本実施形態のゲーム装置10は、ゲームカード50をフィールド盤32に載置すること及びプレーヤによって操作させることが前提となっているが、ゲームカード50をフィールド盤32に載置すること、又は、プレーヤによって操作されることが前提のゲーム装置10であっても本発明について適用可能である。
また、本実施形態のゲーム装置10は、筐体30においては、図1の縦長のボックス形状に限らず、
(1)矩形形状、
(2)球形状、又は、
(3)上部、下部若しくはそれらの中央になる中央部などの複数の形状の組み合わせ、
など複数の平面や曲面によって囲まれ、かつ、三次元の空間に広がりをもつものであって、開閉扉40及びフィールド盤32などのゲーム装置10として必要な構成を有していればよい。
また、本実施形態のゲーム装置10においては、開閉扉40が形成されている垂直面は、ゲーム装置10が設置されている水平面に対して90度となる面である必要は無く、当該水平面に対して略90度となる面がよいが、プレーヤやメンテナンスなどの作業者が筐体30の前面に存在する際に、それに対向する面に形成されていればその角度は限定されない。
また、本実施形態のゲーム装置10においては、開閉扉40は、水平方向に開閉される片開き、又は、両開き(左右扉が対称及び非対象問わず)であってもよく、上開き(跳ね上げ式)又は下開きであってもよい。特に、開閉扉40において、垂直面と同一面又はその面が前面又は前面側といい、当該前面又は前面側と反対側、すなわち、筐体30の内部側を背面又は背面側という。
また、本実施形態のカード収納部110は、開閉扉40の開閉時に位置が変化し、かつ、開状態時に前記筐体から離隔される端部側である開閉側に形成されているが、開閉扉40の背面に設けられていればその配設位置に限定されない。そして、本実施形態のカード収納部110は、開閉扉40の開閉側に固定されて形成されているが、開閉扉40の閉状態から開状態に遷移する際に当該閉状態の当該設置位置(以下、「可動終了位置」という。)に可動させてもよい。ただし、可動終了位置としては、例えば補充作業を容易に行う
ことが可能な位置であれば、特に限定されない。そして、このようなカード収納部110は、自動的に可動させてもよいし、手動によって可動させてもよい。
また、本実施形態においては、既に完成したゲームカード50を収納し、払い出しているが、カード収納部110が、収納されたゲームカード50に上述のように表面51及び裏面52のそれぞれに図2に示すような所与の情報を印字する印字機能を有していてもよい。
この場合には、いずれの情報も形成されていないブランクカードをゲームに使用可能なカード(すなわち、ゲームカード50)に生成することができるので、ゲームカード50を払い出す際に印字して生成すること、すなわち、ゲームの進行に応じて払い出す際にその場でゲームカード50を生成することができる。
したがって、このような変形例の場合に、予めゲームカード50を準備した場合に比べて、ゲームの進行状況やゲーム結果に応じて適切なゲームカード50を生成して提供することができるので、ゲームカード50の提供を当該ゲームカード50の提供者の意向をより反映させることができる。
なお、この場合に、ブランクカードに代えてロール紙をセットし、印字手段及びカット手段を設けて、ゲームの進行に応じて払い出す際にその場でゲームカード50を生成し、提供するようにしてもよい。
また、本実施形態の認識ユニット130は、赤外線をゲームカード50の背面(載置面)に照射し、当該照射された背面を撮像することによってゲームカード50の種別、位置及び枚数を認識しているが、赤外線以外の光ビームを用いてもよいし、撮像以外であってもゲームカード50の背面に形成されたコードを認識することができれば他の光学系のシステムやその他のシステムを用いてもよい。
また、本実施形態の検出ユニット140は、赤外線を用いて説明しているが、レーザその他の光ビームを用いてもよい。
また、本実施形態の検出ユニット140は、赤外線などの光ビームを用いた光学検出手段によって説明しているが、当該フィールド面上全体を撮像する撮像カメラを設け、プレーヤが操作している状態を画像化し、当該画像化された操作状態に基づいて当該プレーヤがタッチ操作入力している位置を検出してもよい。
また、本実施形態の開閉扉40は、筐体30の前面に設けられているが、当該開閉扉40に代えて、又は、当該開閉扉に追加した他の開閉扉を当該筐体30の側面や他の面に設けてもよい。このような開閉扉は、ゲームをプレーしない観戦者に提供するモニタを組み込んでもよい。
また、フィールドモニタ120は、画像を表示する液晶ユニット123を有しているが、プロジェクタなどの他の表示手段を有していてもよい。
[10]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
本実施形態では、対戦ゲームにおけるゲームカード50を用いたゲームについて説明し
ているが、RPG又はシミュレーションゲームなどの他のゲームにおいても用いることがきる。
また、本実施形態においては、ゲーム装置10によってゲームが実行されているが、図示しないサーバ装置によって提供されたゲームを、ゲーム装置10や他の端末装置によって実行するようにしてもよい。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。