以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願の図面においては,立体方向を分り易く示すために,X軸,Y軸,及びZ軸の直交座標軸を設定した。図1等において,X軸は水平方向を示し,Y軸は鉛直方向を示し,Z軸は奥行き方向を示している。
また,本願明細書において,「手前側」及び「奥側」というときは,ゲーム装置に対するプレイヤの立ち位置に対して,奥行き方向(Z軸方向)の手前側及び奥側であることを意味する。
また,本願明細書において,「A〜B」とは「A以上B以下」であることを意味している。
(1.ゲーム装置の筐体構造)
まず,本発明のある実施形態に係るゲーム装置の筐体構造について説明する
図1は,一実施形態に係るゲーム装置1の外観を示す斜視図である。また,図2は,図1に示されたY−Y線におけるゲーム装置1の概略端面図である。図1及び図2に示されるように,本発明のゲーム装置1は,基本的に,タッチパネルディスプレイ10と,カードリーダ20と,それらを支持する筺体2を備えている。図1に示されるように,本発明は,いわゆるアーケード型のゲーム装置に好適に適用できる。
タッチパネルディスプレイ10は,各種画像データをプレイヤが視認できる画像として表示し,かつプレイヤによってタッチされた表示画面上の座標を検出可能な構成を有している。タッチパネルディスプレイ10は,公知の静電容量方式,電磁誘導方式,赤外線走査方式,抵抗膜方式,又は超音波表面弾性波方式などにより,プレイヤの手指が接触したことを検知し,その座標情報を取得することができる。
また,カードリーダ20は,複数のカードCが載置される略矩形状のパネル21を有する。本発明のゲーム装置により提供されるゲームでは,表面又は裏面の少なくとも一方に識別コードが印刷されたカードCが使用される。カードリーダ20は,カードCがパネル21に載置されたときに,そのカードCに印刷されている識別コードを読み取って,カード固有のカード情報を取得可能な構成を有している。パネル21は,複数のカードCを載置でき,かつカードCをスライド移動させることができる平坦な平面21´を持つ。
タッチパネルディスプレイ及びカードリーダの構成は,例えば特許文献1や特許文献2に示されるように公知である。本発明は公知のタッチパネルディスプレイ及びカードリーダを適宜採用できる。
また,図1及び図2に示されるように,ゲーム装置1は筺体2を備える。筺体2は,タッチパネルディスプレイ10及びカードリーダ20のパネル21を,プレイヤが操作可能な位置に支持する。すなわち,図2の概略端面図に示されるように,筺体2は,タッチパネルディスプレイ10を支持するディスプレイ支持部30と,カードリーダ20のパネル21を支持するパネル支持部40とを有している。また,筺体2内には,タッチパネルディスプレイ10及びカードリーダ20を機能させるための各種電子機器や,タッチパネルディスプレイ10及びカードリーダ20を用いてゲームを実行するための各種電子機器が備わっている。ゲーム装置1のゲームシステムについては後述し,ここではゲーム装置1の筺体2の構造について説明を行う。
図1及び図2に示されるように,カードリーダ20のパネル21を支持するパネル支持部40は,筺体2の土台となる部分である。パネル支持部40は,基本的に,天面板41,底面板42,正面板43,背面板44,左側面板45,及び右側面板46を備え,これらの板部材により箱状に形成されている。各種板部材41〜46は,ゲーム装置1の筺体2のデザインに応じて,その形状を適宜屈折させたり湾曲させたりすることができ,また,装飾部材を適宜取り付けることも可能である。パネル支持部40の底面板42には,複数の脚部材42aが取り付けられる。筺体2は,複数の脚部材42aを介して平坦な地面に設置できる。
図2に示されるように,パネル支持部40の天面板41は,ゲーム装置1の設置面に対して平行な平面状に形成されている。この天面板41には,カードリーダ20のパネル21が取り付けられる。
まず,天面板41には,プレイヤの立ち位置から見て手前側に,略矩形状の開口部41aが設けられている。開口部41aは,箱状に形成されたパネル支持部40の内部へと通じている。
また,天面板41は,開口部41aの周縁部分において,上面41´よりも一段低くなる段差部47が形成されている。すなわち,段落部47は,天面板41の一部が筺体2の内部方向へ窪む形状であり,開口部41aの周縁部分に段差壁が形成されている。
さらに,開口部41aの周縁部分であって,段差部47の最下方の位置には,開口部41aの中心に向かって突出したフランジ41bが形成されている。フランジ41bは,少なくとも開口部41aの手前側の縁及び奥側の縁に形成され,好ましくは開口部41aの周縁全体に形成される。
そして,天面板41の開口部41aには,カードリーダ20のパネル21が嵌め込まれる。パネル21の周縁は,開口部41e周縁に形成されたフランジ41bに当接するようになっている。このようにして,パネル21は,パネル支持部40の天面板41に取り付けられる。これにより,パネル21は,パネル支持部40によって支持される。また,パネル21を開口部41aに設けることで,パネル21の下方から赤外線(不可視光)を照射し,カードCを反射した光を解析して,カードCに印刷された識別コードを読み取ることが可能となっている。
図1及び図2に示されるように,パネル支持部40は,上記構造によって,カードリーダ20のパネル21を,ゲーム装置1の設置面に対して平行に支持するものであることが好ましい。これにより,ゲーム装置1を,水平な地面に設置することで,カードリーダ20のパネル21も水平に維持される。パネル21が水平となっていることで,プレイヤは,パネル21上にカードCを載置し易くなり,また載置されたカードCのスライド操作等を行い易くなる。
また,図2に示されるように,天面板41にパネル21を取り付けた状態において,パネル21の周縁には段差部47が形成されていることから,天面板41の上面41´とパネル21の平面21´には高低差が生じている。すなわち,パネル21の平面21´が,天面板41の上面41´に対して一段低くなっている。このように,パネル21の平面21´が天面板41の上面41´よりも低い位置に位置することで,パネル21の平面21´に載置されるカードCが,パネル21上から落下することを防止できる。
また,本発明は,プレイヤが,パネル21を目視しなくても,パネル21上に載置されたカードCをスライド操作できるようにすることを目的の一つとしている。この点,パネル21の平面21´が天面板41の上面41´よりも低い位置に位置することで,プレイヤは,カードCが載置されるパネル21の縁の位置を容易に把握できるようになる。すなわち,プレイヤは,カードCを段差部47の壁に当接させるように操作することで,パネル21の縁の位置を把握することができるため,パネル21を目視しなくても,カードCをスライドさせて所望の位置に配置することが容易になる。
図2において,天面板41の上面41´とパネル21の平面21´の高低差は,符号YSで示されている。この高低差YSの値は,少なくともゲームに使用されるカードCの厚みの値よりも大きいことが好ましい。例えば,高低差YSの値は,1mm〜50mm,5mm〜40mm,又は10mm〜30mmとすることが好ましい。
なお,本実施形態においては,天面板41の位置を下方に窪ませて段差部47を形成することとしているが,段差部47は,天面板41のうち,パネル21が取り付けられる部分の周囲を隆起させて形成することもできる。要するに,段差部47は,パネル21の周縁に当接する位置に設けられ,パネル21よりも一段高くなったものであればよい。
図2に示されるように,土台となるパネル支持部40の天面板41には,ディスプレイ支持部30が取り付けられる。ディスプレイ支持部30は,パネル支持部40の天面板41のうち,パネル21が取り付けられた部分の奥側に設けられ,上方に向かって一定の高さを有する。本実施形態において,ディスプレイ支持部30は,パネル支持部40に連結し上方に向かって延びる基台部分31と,基台部分31に連結し上方に向かって手前側に傾斜しながら延びる傾斜部分32と,傾斜部分32の手前側の端部に設けられたディスプレイ取付部分33を有している。タッチパネルディスプレイ10は,ディスプレイ支持部30のディスプレイ取付部分33に取り付けられる。これにより,タッチパネルディスプレイ10は,ディスプレイ支持部30により,パネル支持部40の上方に支持されている。
なお,図2に示された形態では,ディスプレイ支持部30とパネル支持部40が別体で形成された例を示しているが,ディスプレイ支持部30とパネル支持部40は一体的に形成されたものであってもよい。
本発明において,タッチパネルディスプレイ10は,ディスプレイ支持部30によって支持されることにより,その一部が,カードリーダ20のパネル21の鉛直方向(Y軸方向)の上方に位置するようになっている。つまり,図2に示された実施形態では,ディスプレイ支持部30の傾斜部分32が,上方に向かって手前側に傾斜しながら,パネル21の鉛直方向上方にまで延びている。その結果,傾斜部分32の手前側先端に位置するディスプレイ取付部分33に取り付けられたタッチパネルディスプレイ10が,パネル21の鉛直方向の上方に位置する。このように,本発明は,タッチパネルディスプレイ10の一部が,カードリーダ20のパネル21の一部と,上下方向に重なっている。
ここで,図2を用いて,ディスプレイ支持部30によって支持されるタッチパネルディスプレイ10と,パネルディスプレイ40によって支持されるパネル21の位置関係について具体的に説明する。
図2に示された符号YHは,パネル21の平面21´とタッチパネルディスプレイ10の下端10´の間に生じた空隙の距離を示している。空隙距離YHは,プレイヤがパネル21上に載置されたカードCを操作するにあたり,プレイヤの手がタッチパネルディスプレイ10の下端10´(又はディスプレイ取付部分33の下端)に接触しない程度に確保されていることが好ましい。なお,空隙距離YHは,タッチパネルディスプレイ10がディスプレイ取付部分33に取り付けられる場合,このディスプレイ取付部分33の枠体部分の幅等も考慮して設定される。例えば,空隙距離YHは,30mm〜400mmであることが好ましく,50mm〜300mmであってもよく,100mm〜200mmであることが特に好ましい。空隙距離YHが30mm未満である場合プレイヤの指先をタッチパネルディスプレイ10とパネル21間に挿入することが難しくなり,カードCの操作が困難になる。従って,空隙距離YHは30mm以上とすることが好ましい。他方,空隙距離YHが400mmを超えるものであると,プレイヤがタッチパネルディスプレイ10とパネル21を同時に視界に捉えることが難しくなる。つまり,一般的な人間の視野は,上側60°下側70°であるとされている。このため,空隙距離YHが400mmを超えるものであると,タッチパネルディスプレイ10及びパネル21に手が届く範囲において,タッチパネルディスプレイ10に注視しつつ,パネル21を視界の端に捉えることが困難になる。このため,空隙距離YHが400mm以下として,プレイヤがタッチパネルディスプレイ10とパネル21上のカードを同時に操作できるものとすることが好ましい。
また,図2において,符号ZDは,パネル21全体の奥行きを示している。また,符号ZOは,パネル21の奥行きのうち,上下方向においてタッチパネルディスプレイ10の一部と重なる領域の奥行きを示している。図2に示されるように,パネル21は,Z軸方向の奥側の部分において,タッチパネルディスプレイ10の手前側の部分と,上下方向に重なる。パネル21全体の奥行きZDを100%とした場合に,タッチパネルディスプレイ10と重なる領域の奥行きZOは,5%〜50%であることが好ましく,10%〜40%であってもよく,15%〜30%であることが特に好ましい。上記重なる領域の奥行きZOが5%未満であると,パネル21の最も手前側の縁から,タッチパネルディスプレイ10までの距離が離れすぎてしまい,操作性に劣るという問題がある。このため,上記重なる領域の奥行きZOは5%以上とすることが好ましい。他方,上記重なる領域の奥行きZOが50%を超えると,プレイヤは,タッチパネルディスプレイ10に阻害されて,パネル21の最も奥側の縁まで手を伸ばすことが難しくなる。従って,上記重なる領域の奥行きZOは50%以下であることが好ましい。また,上記重なる領域の奥行きZOは,実寸で表した場合に,5mm〜300mm,50mm〜200mm,又は100mm〜150mmであることが好ましい。
なお,図2に示されるように,パネル21は,Z軸方向の手前側に,タッチパネルディスプレイ10と上下方向に重ならない部分を有する。また,タッチパネルディスプレイ10も,Z軸方向の奥側に,パネル21と上下方向に重ならない部分を有している。このようにすることで,タッチパネルディスプレイ10とパネル21が,上下方向にバランス良く重なるようになるため,両装置の操作性を両立させることができる。
また,図2に示されるように,タッチパネルディスプレイ10は,パネル21の平面21´に対して所定角度傾斜するように,ディスプレイ支持部30によって支持されている。パネル21の平面21´に対するタッチパネルディスプレイ10の傾斜角θは,30°〜80°であることが好ましく,45°〜60°であってもよい。このように,上記角度でタッチパネルディスプレイ10を傾斜させることにより,タッチパネルディスプレイ10の手前側の一部と,パネル21の奥側の一部を,上下方向に重なるように位置させることができる。そして,タッチパネルディスプレイ10の手前側の一部と,パネル21の奥側の一部が上下方向に重なるものであれば,プレイヤは,タッチパネルディスプレイ10を目視するだけで,その下方にパネル21が位置していることを容易に把握できる。従って,タッチパネルディスプレイ10と,その下方に位置するパネル21の操作性が向上する。
以上,ゲーム装置1の筺体2について,タッチパネルディスプレイ10及びカードリーダ20のパネル21を支持する構造を中心に説明した。その他,ゲーム装置1の筺体2には,図1に示されるように,ボタン式の操作部160,音を出力するための音出力部190,ICカードの読取書込部194,コインの投入を受け付けるコイン投入部196,プレイヤにコインを返却するためのコイン排出部197,及び筐体内に収納されているカードを排出するためのカード排出部198等が設けられていてもよい。
(2.ゲーム装置の具体的構成)
続いて,本発明に係るゲーム装置1のゲームシステムについて,具体的に説明する。
図3は,本発明のゲーム装置1のシステム構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るゲーム装置1は,上述した通り,タッチパネルディスプレイ10とカードリーダ20とを備える。そして,ゲーム装置1は,カードリーダ20に載置されるカードCに応じて,タッチパネルディスプレイ10に一又は複数のプレイヤオブジェクトを表示し,表示された一又は複数のプレイヤオブジェクトの中から選択されたものの移動制御等を行うことにより,ゲームを進行する。
すなわち,図3に示されるように,本発明のゲーム装置1は,基本的に,タッチパネルディスプレイ10と,カードリーダ20と,カードリーダ20により読み取られた情報をタッチパネルディスプレイ10に表示してゲームを進行するゲーム本体部100と,を備える。
本実施形態において,タッチパネルディスプレイ10は,ゲーム空間に存在する複数のプレイヤオブジェクト等の画像を表示可能なディスプレイ11と,ディスプレイ11の前面に重ね合わされディスプレイ11の表示画面上における座標を入力するためのタッチスクリーン12と,を有する。
また,カードリーダ20は,所定のカード情報を有するコードが印刷されたカードCが載置されるパネル21と,パネル21に載置されたカードのコードを読み取りカード情報を検出するイメージセンサ23と,を有する。
また,ゲーム本体部100は,少なくとも,ゲーム情報記憶部180と,画像処理部130と,ゲーム処理部120を含む。
ゲーム情報記憶部180は,カード情報と関連付けてプレイヤオブジェクトに関する情報を記憶する。画像処理部130は,カードリーダ20のイメージセンサ23により検出されたカード情報に基づいて,ゲーム情報記憶部180からプレイヤオブジェクトに関する情報を読み出し,読み出したプレイヤオブジェクトの画像をタッチパネルディスプレイ10のディスプレイ11に表示する制御を行う。さらに,ゲーム処理部120は,タッチパネルディスプレイ10及びカードリーダ20からの入力情報に基づき,ゲームプログラムに従ってゲームを進行する。
図3に示されるように,タッチパネルディスプレイ10は,ディスプレイ11と,タッチスクリーン12を備える。タッチパネルディスプレイ10は,画像を表示できるディスプレイ10の前面に,透明材料で形成されたタッチスクリーン12を配設して形成されている。ディスプレイ11は,例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)やOELD(Organic Electro LuminescenceDisplay;有機ELディスプレイ)のような表示装置である。ディスプレイ11は,ゲーム本体部100からの入力信号に応じて,プレイヤが情報処理装置を使用するにあたって必要とされる各種情報を静止画や動画として出力表示する。また,タッチスクリーン12は,公知の静電容量方式,電磁誘導方式,赤外線走査方式,抵抗膜方式又は超音波表面弾性波方式などにより,プレイヤの手指が接触したことを検知し,そのタッチ位置の座標情報を得ることができる。ディスプレイ11とタッチスクリーン12の位置関係は互いにリンクしている。このため,タッチスクリーン12は,ディスプレイ11に表示された表示画面上におけるタッチ位置の座標情報を取得できる。これにより,タッチスクリーン12は,プレイヤの指が接触したことを検知し,プレイヤの指が接触したディスプレイ11の画面上の座標情報を得ることができる。タッチスクリーン12により取得された座標情報は,ゲーム本体部100の一時記憶部170に記憶される。また,タッチスクリーン12は,プレイヤが複数点をタッチした場合に,それらの複数点における座標情報を取得可能な,いわゆるマルチタッチに対応していることが好ましい。また,ゲーム装置1は,比較的大型のタッチパネルディスプレイ10を搭載することができる。これは,タッチパネルディスプレイ10の一部と,カードリーダ20のパネル21の一部が上下方向に重なり,タッチパネルディスプレイ10がプレイヤに近い位置に配置されているからである。つまり,大型のタッチパネルディスプレイ10を備える場合であっても,本発明のゲーム装置1の筺体構造によれば,プレイヤは,タッチパネルディスプレイ10の全範囲を容易にタッチ操作できる。例えば,タッチパネルディスプレイ10は,10インチ〜75インチであることが好ましく,16インチ〜40インチであってもよいし,特に28インチ〜38インチのディスプレイであることが好ましい。
図3に示されるように,カードリーダ20は,カードCに記録された識別コードを撮像することができる装置であり,パネル21と,光源22と,イメージセンサ23を備える。例えば,カードCは,その表面に,ゲームで使用されるプレイヤオブジェクトのイラストが印刷され,その裏面には,表面に印刷されたプレイヤオブジェクトを識別するための識別コードが記録されている。また,カードCの裏面に記録された識別コードは,例えば可視光では視認できないインクにより印刷されており,特定の不可視光を照射すると白と黒で印刷されたパターンが表出する。識別コードは,赤外線などの不可視光を吸収する特殊なインクで印刷されており,カードCの裏面に赤外線を照射すると,識別コードの黒部分を除く部分に照射された不可視光が反射するようになっている。カードCの識別コードには,カードに描かれたプレイヤオブジェクトの識別番号や,カードの向きを特定するための情報等が記録されている。
カードリーダ20のパネル21上には,一度に複数枚のカードCを載置できる。また,ゲーム装置1の筐体2内部には,パネル21に載置されたカードCの裏面に対して赤外線(不可視光)を照射する光源22と,パネル21上に載置されたカードCの裏面を反射した赤外線を取得してカードCに記録されたカードデータのパターンを撮像するイメージセンサ23が設けられている。光源22の例は,赤外線や紫外線等の肉眼で見えない不可視光を発光する発光ダイオード(LED)である。イメージセンサ23の例は,カードCの裏面を反射して筺体2内部に入射した赤外線により識別コードを撮像する撮像素子である。そして,カードリーダ20は,この識別コードを解析することにより,カードC固有のカード情報を取得できる。カードリーダ20により取得されたカード情報は,ゲーム本体部100の処理部110に伝達されて,一時記憶部170に記憶される。
カードCの識別コードには,少なくともカードに描かれたプレイヤオブジェクトの識別番号や,カードの向きを特定するための情報が記録されている。ゲーム本体部100の処理部110は,カードリーダ20から得たカード情報に基づいて,ゲーム情報記憶部180又は一時記憶部170に記憶されているオブジェクトテーブルを参照する。これにより,処理部110は,カードCに記録されたプレイヤオブジェクトのステータスや,種類,名前,属性,さらにはカードCの向きや位置に応じたプレイヤオブジェクトの特性を把握することができる。プレイヤオブジェクトの例は,ゲームキャラクタである。また,ゲーム本体部100の処理部110は,カードリーダ20のイメージセンサ23により赤外線光がカードCの裏面により反射された位置を検出することで,カードCがパネル21上に載置されている位置を座標情報として求めることができる。また,イメージセンサ23により赤外線光の反射位置を連続的に検出することで,パネル21上に載置されたカードCが,ある位置から他の位置まで移動したという情報を得ることもできる。
さらに,図4に示されるように,カードリーダ20は,パネル21上が複数のエリアに区分されていることが好ましい。パネル21上の区分の数は,例えば2〜10とすることができる。図4に示された例において,カードリーダ20のパネル21は,オフェンシブエリアA1(第1エリア)とディフェンシブエリアA2(第2エリア)に二分割されている。図4に示されるように,オフェンシブエリアA1は,パネル21におけるZ軸方向の奥側に設けられた領域である。また,ディフェンシブエリアA2は,パネル21におけるZ軸方向の手前側に設けられた領域である。このエリアは,パネル21上の座標に応じて区分されたものであり,パネル21が物理的に区分されたものではない。このため,プレイヤは,各カードCを,オフェンシブエリアA1とディフェンシブエリアA2との間でスライド移動させることができる。ゲーム本体部100の処理部110は,各カードCのパネル21上における位置を座標情報として取得することにより,各カードCが,オフェンシブエリアA1とディフェンシブエリアA2のいずれに属するのかを判定できる。
また,図4に示されるように,本発明のゲーム装置には,パネル21の周縁に沿って一段高く設けられた段差部47が形成されている。このため,プレイヤは,パネル21の奥側の段差部47に当接するようにカードCをスライド移動させることで,カードCをオフェンシブエリアA1に容易に位置させることができる。同様に,プレイヤは,パネル21の手前側の段差部47に当接するようにカードCをスライド移動させることで,カードCをディフェンシブエリアA2に容易に位置させることができる。このため,プレイヤは,各カードCを目視しなくても,各カードCやパネル21周縁の段差部47に触れることで,各カードCがオフェンシブエリアA1とディフェンシブエリアA2のどちらに位置するのかを容易に把握できる。従って,プレイヤは,タッチパネルディスプレイ10を注視しながら,パネル21を目視せずに,パネル21上のカードCの移動操作を行うことができる。
また,図4に示されるように,カードリーダ20のパネル21上には,長方形のカードCを縦向き又は横向きにして載置することが可能である。この場合,ゲーム本体部100の処理部110は,カードリーダ20からの検出情報に基づいて,載置されたカードCが縦向きであるか横向きであるかを判別することが好ましい。例えば,カードCの裏面には,識別コードが印刷されている。この識別コードには,カードの向きを特定するための情報が含まれる。このため,ゲーム本体部100の処理部110は,カードリーダ20によって識別コードを読み取り,読み取った識別コードに基づいてカードCの向きを解析することで,カードCが縦向きであるか横向きであるかを判別できる。
ゲーム本体部100は,処理部110を備え,ゲームプログラムを読み出して実行し,ゲームプログラムに従ってゲーム装置全体の動作を制御する。図3に示されるように,ゲーム本体部110は,以下の構成を備えている。
処理部110は,システム全体の制御,システム内の各ブロックへの命令の指示,ゲーム処理,画像処理,音処理などの各種の処理を行うものである。処理部110の機能は,各種プロセッサ(CPU,DSP等),又はASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや,所与のプログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
処理部110は,ゲーム処理部120,画像処理部130,及び音処理部150を含むものがあげられる。具体的には,メインプロセッサ,コプロセッサ,ジオメトリプロセッサ,描画プロセッサ,データ処理プロセッサ,四則演算回路又は汎用演算回路などがあげられる。これらは適宜バスなどにより連結され,信号の授受が可能とされる。また,圧縮された情報を伸張するためのデータ伸張プロセッサを備えても良い。
ここで,ゲーム処理部120は,カードリーダ20により取得されたカード情報に基づいてディスプレイ11にオブジェクトを表示させる処理,ディスプレイ11における視点の位置(仮想カメラの位置)や視線角度(仮想カメラの回転角度)をスクロールさせる処理,マップオブジェクトなどのオブジェクトをオブジェクト空間へ配置する処理,オブジェクトを選択する処理,オブジェクトを動作させる処理(モーション処理),オブジェクトの位置や回転角度(X,Y又はZ軸回り回転角度)を求める処理,コイン(代価)を受け付ける処理,コインを返却する処理,各種モードの設定処理,ゲームの進行処理,選択画面の設定処理,ヒットチェック処理,ゲーム結果(成果,成績)を演算する処理,複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイするための処理,ゲームオーバー処理などの種々のゲーム処理,又はカードを排出する処理を,タッチスクリーン12,カードリーダ20,及び操作部160からの入力データや,ゲームプログラムなどに基づいて行う。
画像処理部130は,ゲーム処理部120からの指示等に従って,各種の画像処理を行うものである。ゲーム処理部120は,視点の位置や視線角度の情報に基づいて,ゲーム情報記憶部180からオブジェクトやゲーム空間の画像情報を読み出し,読み出した画像情報を一時記憶部170に書き込む。ゲーム処理部120は,視点移動をさせるためのスクロールデータを画像処理部130に供給する。画像処理部130は,与えられたスクロールデータに基づいて,一時記憶部170から1フレーム毎に画像情報を読み出し,読み出した画像情報に応じてディスプレイ11に,オブジェクトやゲーム空間の画像を表示させる。これにより,ディスプレイ11には,視点に基づいてオブジェクトやゲーム空間が表示される。また,画像処理部130は,タッチスクリーン12に対する入力座標に応じてゲーム空間における視点を移動させる。そして,画像処理部130は移動する視点情報に基づいて,一時記憶部170からフレームを読み出して,読み出した画像をディスプレイ11に表示させる。このようにして,ゲーム空間の視点をスクロールさせることにより,表示画面が遷移する。
また,画像処理部130は,一時記憶部170からカードリーダ20により取得されたカード情報を読み出し,そのカード情報に基づいて,ゲーム情報記憶部180に記憶されているオブジェクトテーブルを参照する。そして,オブジェクトテーブルに記憶されているリンク情報に基づいて,カード情報と関連付けられているプレイヤオブジェクトの画像データを,一時記憶部170又はゲーム情報記憶部180から読み出す。そして,画像処理部130は,読み出したプレイヤオブジェクトの画像データに応じてゲーム空間内にプレイヤオブジェクトを発生させ,ディスプレイ11に表示させる。
ゲーム処理部120は,タッチスクリーン12に入力された座標情報や,カードリーダ20に載置されたカードの向きや位置,その他の操作部160(レバー,ボタン,又はコントローラ)からの操作情報に基づいて,ゲーム空間に登場させたオブジェクトの行動を制御する。例えば,ゲーム処理部120は,ディスプレイ11に表示されたプレイヤオブジェクトの座標情報と,ディスプレイ11に入力された座標情報とを参照し,当該オブジェクトが,プレイヤによりタッチされた否かを判定する。すなわち,ゲーム処理部120は,タッチスクリーン120入力された位置情報と,プレイヤオブジェクトの位置情報が一致している場合には,当該プレイヤオブジェクトがタッチ選択されたと判定する。そして,選択されたプレイヤオブジェクトに対し操作や指令が付与された場合,その操作や指令に応じて,ゲームプログラムに従った処理を行う。
音処理部150は,ゲームプログラムに基づいたゲーム処理部120からの指示等に従って,ゲームの効果音やBGMなどの各種の音声データを生成する。
ゲーム処理部120,画像処理部130,音処理部150の機能は,その全てをハードウェアにより実現してもよいし,その全てをプログラムにより実現してもよい。又は,ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。図3に示されるように,画像処理部130は,例えば,ジオメトリ処理部132(3次元座標演算部),描画部140(レンダリング部)を含むものがあげられる。
ジオメトリ処理部132は,座標変換,クリッピング処理,透視変換,又は光源計算などの種々のジオメトリ演算(3次元座標演算)を行う。そして,ジオメトリ処理後(透視変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点座標,頂点テクスチャ座標,又は輝度データ等)は,例えば,一時記憶部170のメインメモリ172に格納されて,保存される。ジオメトリ処理部132は,法線ベクトル処理部134を含むものがあげられる。法線ベクトル処理部134は,オブジェクトの各頂点の法線ベクトル(広義にはオブジェクトの面の法線ベクトル)を,ローカル座標系からワールド座標系への回転マトリクスで回転させる処理を行ってもよい。
描画部140は,ジオメトリ演算後(透視変換後)のオブジェクトデータと,テクスチャ記憶部176に記憶されるテクスチャなどに基づいて,オブジェクトをフレームバッファ174に描画する。描画部140は,例えば,テクスチャマッピング部142,シェーディング処理部144を含むものがあげられる。具体的には,描画プロセッサにより実装できる。描画プロセッサは,テクスチャ記憶部,各種テーブル,フレームバッファ,VRAMなどとバスなどを介して接続され,更にディスプレイと接続される。テクスチャマッピング部142は,環境テクスチャをテクスチャ記憶部176から読み出し,読み出された環境テクスチャを,オブジェクトに対してマッピングする。シェーディング処理部144は,オブジェクトに対するシェーディング処理を行う。例えば,ジオメトリ処理部132が光源計算を行い,シェーディング処理用の光源の情報や,照明モデルや,オブジェクトの各頂点の法線ベクトルなどに基づいて,オブジェクトの各頂点の輝度(RGB)を求める。
操作部160は,プレーヤが操作データを入力するためのものである。操作部160は,の機能は,例えば,レバー,ボタン,及びハードウェアを備えたコントローラにより実現できる。操作部160からの処理情報は,シリアルインターフェース(I/F)やバスを介してメインプロセッサなどに伝えられる。
ゲーム情報記憶部180は,ゲームプログラムや,ディスプレイ11に表示されるオブジェクト,ゲーム空間の画像データに関する情報を格納している。ゲーム情報記憶部180は,例えばROMであり,光ディスク(CD,DVD),光磁気ディスク(MO),磁気ディスク,ハードディスク,又は磁気テープなどの不揮発性のメモリにより実現できる。処理部110は,このゲーム情報記憶部180に格納される情報に基づいて種々の処理を行う。ゲーム情報記憶部180には,本発明のゲーム処理を実行するための情報(プログラム又はプログラム及びデータ)が格納される。ゲーム情報記憶部180に格納される情報の一部又は全部は,例えば,システムへの電源投入時等に一時記憶部170に書き出されることとしてもよい。
ゲーム情報記憶部180に記憶される情報として,所定の処理を行うためのプログラムコード,画像データ,音データ,表示物の形状データ,テーブルデータ,リストデータ,本発明の処理を指示するための情報,その指示に従って処理を行うための情報等の少なくとも2つを含むものがあげられる。例えば,テーブルデータには,オブジェクトの識別番号と関連付けて,オブジェクトのステータスや,種類,名前,属性,カードの向きや位置に応じたオブジェクトの特性を記憶したオブジェクトテーブルのデータが含まれる。オブジェクトのステータスとは,移動速度,ヒットポイント,攻撃力,及び防御力等が数値として記憶される情報である。ゲーム処理部120は,オブジェクトテーブルに記憶されたステータスを参照することで,各オブジェクトについて,移動速度,ヒットポイント,攻撃力等の優劣を判断できる。
また,テーブルデータに含まれる「カードの向きに応じたオブジェクトの特性」とは,カードリーダ20のパネル21に載置された向きに応じて変化するデータである。例えば,オブジェクトテーブルには,あるカードに関連したオブジェクトについて,カードが縦向きである場合と横向きで場合とで異なる情報が記憶されている。例えば,カードが縦向きである場合と横向きで場合とで,オブジェクトのステータスが変化することとしてもよい。このように,ゲーム処理部120は,カードが縦向きである場合と横向きである場合とで,ゲームの進行を変化させる。
また,テーブルデータに含まれる「カードの位置に応じたオブジェクトの特性」とは,カードリーダ200のパネル210に載置された位置に応じて変化するデータである。例えば,オブジェクトテーブルには,あるカードに関連したオブジェクトについて,カードがオフェンシブエリアA1(第1エリア)に位置する場合とディフェンシブエリアA2(第2エリア)に位置する場合とで異なる情報が記憶されている。例えば,カードがオフェンシブエリアA1に位置する場合とディフェンシブエリアA2に位置する場合とで,オブジェクトのステータスが変化することとしてもよい。このように,ゲーム処理部120は,カードがオフェンシブエリアA1に位置する場合とディフェンシブエリアA2に位置する場合とで,ゲームの進行を変化させる。
音出力部190は,音処理部150により生成された音データを,実際の音として出力する。音出力部190の機能は,スピーカなどのハードウェアにより実現できる。音出力は,例えばバスを介してメインプロセッサなどと接続されたサウンドプロセッサにより,音処理が施され,スピーカなどの音出力部から出力される。
通信部192は,外部(例えばホストサーバや他のゲーム装置)との間で通信を行うための各種の制御を行う。通信部192を介して,ゲーム装置をネットワーク上のホストサーバや他のゲーム装置と接続することにより,ゲーム対戦プレイや協力プレイを行うことができる。通信部192の機能は,各種プロセッサ,又は通信用ASICなどのハードウェアや,プログラムなどにより実現できる。また,ゲーム装置を実行するためのプログラム又はデータは,ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部192を介してゲーム情報記憶部180に配信するようにしてもよい。
ICカード読取書込部194は,集積回路が組み込まれたICカードからデータを読み取ったり,ICカードにデータを記録することができる。ICカード読取書込部194は,データの読み取り及び書き込みを,接触又は非接触により行うことができる。例えば,ICカード読取書込部194は,ICカードが挿入されることによりデータを読み書きする構成であってもよいし,ICカードが近接又は密着する際にデータを読み書きする構成であってもよい。ICカード読取書込部194は,非接触型である場合,RFID方式のリーダ等のハードウェアにより実現できる。例えば,ICカードには,それを保有するプレイヤを特定するためのプレイヤ識別情報が記録されている。ICカード読取書込部194よりICカードからプレイヤ識別情報が読み出されると,ゲーム処理部120は,通信部192を介してホストサーバと通信を行い,プレイヤ識別情報に基づいて,当該プレイヤのゲームの進捗状況や,プレイヤの性別・年齢等の個人情報,ゲームのセーブデータ等のプレイヤ情報を,ホストサーバからダウンロードする。ゲーム処理部120は,ダウンロードしたプレイヤ情報に基づいて,ゲームを実行する。
コイン投入部196は,プレイヤによりゲーム料金(コイン)を受け付ける。ゲーム処理部120は,コイン投入部196に投入されたコインの総額を計算し,総額が所定値以上となった場合にゲームを開始する処理を行う。他方,ゲーム処理部120は,プレイヤによりゲーム料金(コイン)の返却要求があった場合に,筐体内に設けられたコイン蓄積部(図示省略)からコインを取り出し,コイン返却部197からコインを排出する。
カード排出部198は,ゲーム処理部120からの指令に従って,複数のカードを蓄積しているカード蓄積部(図示省略)からカードを排出する。排出されるカードは,裏面又は表面に識別コードが印刷されており,ゲームで使用可能なものであることが好ましい。ゲーム処理部120は,ゲーム結果が一定の条件を満たしていると判断した場合に,カード排出部198を介して所定枚数のカードを排出することができる。プレイヤは,カード排出部198により排出されたカードを受け取り,受け取ったカードを次回以降のゲームにて使用できる。また,ゲーム処理部120は,プレイヤにより所定額以上のコインの入金があった場合に,ゲームを実行せずに,カード排出部198からカードを排出することとしてもよい。これにより,プレイヤは,本発明のゲーム装置1を介して,カードのみを購入することができる。
[ゲーム装置の動作例]
続いて,上記構成を有するゲーム装置の動作例について説明する。ここでは,上記ゲーム装置により実行されるゲームのシステムについて,一例を挙げて説明する。例えば,本発明のゲーム装置は,インターネット等の通信を利用した対戦ゲームを行うことができる。この対戦ゲームでは,各ゲームプレイヤが,一のゲーム空間に複数のプレイヤオブジェクト(ゲームキャラクタ)を登場させて対戦を行う。ここで説明するゲームの例において,プレイヤは,タッチパネルディスプレイ10やカードリーダ20等を介して,各プレイヤオブジェクトの登場や,移動,攻撃,防御など指令操作を行い,例えば,敵オブジェクト(Enemy)の撃破や,塔(Tower)の制圧,石(Stone)の破壊などを目指す。
図5は,本発明に係るゲーム装置を用いて,実際にゲームを行う際のタッチパネルディスプレイ10と,カードリーダ20のパネル21の状態を概念的に示している。図5に示された符号PRはプレイヤの右手を示し,符号PLはプレイヤの左手を示している。プレイヤは,所望のカードC1〜C7を,カードリーダ20のパネル21上に載置する。各カードC1〜C7の裏面には,識別コードが印刷されている。カードリーダ20は,各カードC1〜C7の識別コードを読み取ると,識別コードに基づいてカード情報を解析し,カード情報はゲーム装置の処理部110へと伝達する。また,カードリーダ20は,各カードC1〜C7が向きや位置を把握することができる。図5に示された例では,パネル21上において,カードC1,C2,C5,C6が縦向きとなり,カードC3,C4,C7が横向きとなっている。また,図5に示された例では,パネル21上において,カードC1,C4,C6がオフェンシブエリアA1に位置し,カードC2,C3,C5,C7がディフェンシブエリアA2に位置している。カードリーダ20によって検出された情報は,処理部110へと伝達され,処理部110は,カード情報,カードの向き,カードの位置等の情報に基づいて,ゲーム情報記憶部180(又は一時記憶部170)に記憶されているオブジェクトテーブルを参照し,カード情報に関連付けられたプレイヤオブジェクトの情報(画像データ及びステータス等)を読み出す。処理部110は,読み出した画像データに基づいて,タッチパネルディスプレイ10に画像を表示させる。
図5に示されるように,タッチパネルディスプレイ10には,その下側の領域にカードの画像が表示されている。タッチパネルディスプレイ10に表示されたカードの画像は,カードリーダ20のパネル21上に載置されている各カードC1〜C7の位置及び各カード各カードC1〜C7の向きに対応している。すなわち,処理部110は,カードリーダ20により読み取られた情報に基づいて,パネル21上に載置された実際のカードC1〜C7の位置及び向きを把握し,実際のカードC1〜C7に対応する位置及び向きで,各カードC1〜C7の画像を,タッチパネルディスプレイ10の一部に表示する。すなわち,処理部110は,パネル21上に配置された実際のカードC1〜C7と同一の並び順及び相対的位置で,タッチパネルディスプレイ10に各カードC1〜C7の画像を表示できる。このように,タッチパネルディスプレイ10の一部に,カードリーダ20に載置されている各カードC1〜C7の画像を表示することで,プレイヤは,カードリーダ20を目視しなくても,タッチパネルディスプレイ10を視るだけで,各カードC1〜C7の配置や向きを把握することができる。なお,タッチパネルディスプレイ10には,パネル21上に載置された各カードC1〜C7が,オフェンシブエリアA1とディフェンシブエリアA2のどちらに位置しているのかの情報を,アイコンやカーソルなどにより表示することも可能である。
図5に示された例において,タッチパネルディスプレイ10の表示画面上には,各カードC1〜C6に対応したプレイヤオブジェクト(ゲームキャラクタ)O1〜O6が表示されている。各プレイヤオブジェクトは,それぞれ特有のステータスや,種類,名前,属性,カードの向きや位置に応じた特性を有している。プレイヤオブジェクトのステータスとは,移動速度,ヒットポイント,攻撃力,及び防御力等が数値として記憶される情報である。これらの情報は,各プレイヤオブジェクトの識別情報に関連付けてオブジェクトテーブルに記憶されている。例えば,カードが縦向きに配置されているプレイヤオブジェクトは通常の攻撃を行う一方,カードが横向きに配置されているプレイヤオブジェクトは特殊な攻撃を行う等の設定とすることができる。また,カードがオフェンシブエリアA1に位置しているプレイヤオブジェクトは攻撃力の数値が向上する一方,カードがディフェンシブエリアA2に位置しているプレイヤオブジェクトは防御力の数値が向上する等の設定とすることができる。また,図5に示された例において,カードC7に対応したプレイヤオブジェクト(O7)は,タッチパネルディスプレイ10上に表示されていない。オブジェクト(O7)をゲーム空間に登場させるためには,プレイヤは,タッチパネルディスプレイ10上に表示されたカードC7の画像をタッチし,カードC7の画像を召喚ゲート(Gate)が表示されている位置までドラッグする。カードC7の画像が,召喚ゲート(Gate)の表示されている位置でドロップされると,ガードC7に対応したプレイヤオブジェクト(O7)がゲーム空間に登場し,タッチパネルディスプレイ10に表示されるようになっている。なお,召喚ゲート(Gate)は,ゲーム空間における位置座標がゲーム情報記憶部180や一次記憶部170に記憶されており,ゲーム処理部120によってその位置が把握されている。
図6は,タッチパネルディスプレイ10に表示されたプレイヤオブジェクトの移動操作の例を示している。タッチパネルディスプレイ10は,プレイヤによりタッチされると,そのタッチ位置の座標を得る。処理部110は,タッチ位置の座標とプレイヤオブジェクトが表示されている座標を参照し,タッチ位置の座標が,プレイヤオブジェクトが表示されている座標と一致するかを判定する。タッチ位置とプレイヤオブジェクトの位置が一致した場合,処理部110は,そのプレイヤオブジェクトが選択されたと判定する。図6(a)の例では,プレイヤオブジェクトO4が選択されている。また,プレイヤオブジェクトO4が選択された状態で,プレイヤがタッチパネルディスプレイ10の表示画面をタッチすると,処理部110は,そのタッチ位置の座標を一時的記憶部に記憶する。特に,プレイヤオブジェクトO4が選択された状態で,プレイヤにより複数のポイントがタッチされた場合,処理部110は,タッチされた順番の情報と共に,タッチ位置の座標を一時的記憶部に記憶する。そして,処理部110は,プレイヤによりタッチ選択されたプレイヤオブジェクトO4を,次にタッチされたポイントに移動させる処理を行う。移動速度は,各プレイヤオブジェクトそれぞれによって異なる。そこで,処理部110は,オブジェクトテーブルから,プレイヤオブジェクトO4に関する移動速度の数値を読み出す。そして,読み出した移動速度の数値に基づいて,プレイヤオブジェクトO4を最初のポイントから移動先のポイントまで移動させる。また,複数点がタッチされている場合には,選択されたプレイヤオブジェクトO4を,タッチされた順番に従って,順次各ポイントへと移動させる。なお,移動しているプレイヤオブジェクトO4が,移動中に敵オブジェクト(Enemy)に遭遇した場合や,塔(Tower)に到達した場合には,公知のゲームシステムと同様に,敵オブジェクトとの対戦処理,塔を制圧するため処理を行えば良い。
以上,本発明のゲーム装置により実行されるゲームのシステムについて説明した。その他のゲーム処理については,カードリーダを備える公知のゲーム装置や,タッチパネルディスプレイを備える公知のゲーム装置のものを適宜採用できる。
(3.他の実施形態)
次に,本発明のゲーム装置について,上記した実施形態とは異なる実施形態について説明する。図7は,他の実施形態に係るゲーム装置の筐体の端面図である。図7は,図2と同様の位置においてゲーム装置の筐体を切断した状態を示している。ここでは,ゲーム装置の他の実施形態について,上説した実施形態と異なる点を中心に説明を行う。なお,図7において,上記した実施形態と同一の要素には同一符号を付し,その説明を割愛する。
図7に示されるように,本実施形態において,ゲーム装置1は,パネル21に載置されるカードC及び当該カードCを扱う人手PRの両方又はいずれか一方の位置を検知するためのセンサ50をさらに有している。
図7に示されるように,センサ50は,カードC及びプレイヤの手(右手)PRを検知するために,カードリーダ20のパネル21の平面21´全体を,センシングできる位置に設けられる必要がある。そこで,センサ50は,タッチパネルディスプレイ10を支持するディスプレイ支持部30に取り付けられる。すなわち,上記した通り,ディスプレイ支持部30は,タッチパネルディスプレイ10の一部が,カードリーダ20のパネル21の一部の鉛直方向(Y軸方向)上方に位置するように,タッチパネルディスプレイ10を支持している。このため,少なくとも,ディプレイ支持部30の一部は,カードリーダ20のパネル21の鉛直方向上方に位置することとなる。従って,ディスプレイ支持部30dのうち,パネル21の鉛直方向上方に位置する部分に,センサ50を取り付ければよい。これにより,センサ50は,図7に示されるように,パネル21の鉛直方向の上方に位置するようになり,パネル21を見下ろすようにして,パネル21の平面21´全体をセンシングできる。センサ50には,赤外線センサ,エリアセンサ,CCDイメージセンサ,又はCMOSイメージセンサ等の公知のものを適宜採用できる。センサ50は,例えば発光部及び受光部を備え,発光部により照射された光を受光部により受光し,受光した光を解析することで,カードC及びプレイヤの手PRの位置を座標情報として得ることができる。
具体的に説明すると,図7に示されるように,センサ50は,ディスプレイ保持部30の傾斜部分32のうち,パネル21と対面する位置に取り付けられている。ディスプレイ保持部30の傾斜部分32は,上述したように,基台部分31と連結し,上方に向かって手前側に傾斜しながら,パネル21の鉛直方向上方にまで延びている。このため,センサ50を,ディプレイ支持部30の傾斜部分32に取り付けることで,パネル21の平面21´全体に対してセンシング光を照射することができる。センサ50により解析された情報は,処理部110へと伝達される。
本実施形態において,センサ50により検出されるパネル21上の座標情報と,カードリーダ20により検出されるパネル21上の座標情報は,処理部110により互いにリンクされている。例えば,パネル21上に載置されたカードCの座標を,センサ50によって検出した場合と,カードリーダ20によって検出した場合とで,同一の座標値が取得されることが好ましい。センサ50は,カードC操作するプレイヤの手PRの位置を,パネル21上の座標情報として取得する。他方,カードリーダ20は,パネル21上のカードCの位置を,座標情報として取得する。これにより,処理部110は,センサ50により取得されたプレイヤの手PRの位置の座標値と,カードリータ20により取得されたカードCの位置の座標値に基づいて,パネル21上のカードCが,プレイヤの手PRにより触れられているかどうかを判定できる。処理部110は,プレイヤの手PRの位置の座標値と,カードCの位置の座標値が対応している場合,当該カードCがプレイヤにより触れられていると判定する。他方,処理部110は,プレイヤの手PRの位置の座標値がパネル21上のいずれのカードCの座標値とも対応していない場合,又はプレイヤの手PRの座標値が得られていない場合に,カードCがプレイヤにより触れられていないと判定する。処理部110は,パネル21上のカードCが,プレイヤの手PRにより触れられていると判定した場合に,その情報をタッチパネルディスプレイ10に表示する処理を行うことが好ましい。
図8は,図5と同様に,ゲーム装置を用いて実際にゲームを行う際のタッチパネルディスプレイ10及びカードリーダ20のパネル21の状態を概念的に示している。また,図8では,パネル21上をセンシングするセンサ50を概念的に描画している。
図8に示されるように,カードリーダ20は,各カードC1〜C7のパネル21上における座標情報を検出しており,処理部110は,カードリーダ20から各カードC1〜C7の座標情報を受け取っている。これにより,処理部110は,タッチパネルディスプレイ10に,パネル21上に載置された各カードC1〜C7の実際の配置及び向きに対応して,各カードC1〜C7の画像が表示している。さらに,タッチパネルディスプレイ10には,各カードC〜C7に対応したプレイヤオブジェクトO1〜O7も表示されている。
このような状況において,プレイヤの手(右手)PRは,カードリーダ20のパネル21に載置された複数のカードC1〜C7のうち,カードC7に触れている。プレイヤの手PRが,センサ50によるセンシング領域内に入ると,センサ50は,その手PRのパネル21上における座標位置を検出する。センサ50により検出されたプレイヤの手PRの座標情報は,処理部110へと伝達される。処理部110は,センサ50から受け取ったプレイヤの手PRの座標情報が,パネル21上のカードC7の座標情報と一致すると判定する。これにより,処理部110は,プレイヤの手PRがカードC7に触れていることを把握できる。
そして,処理部110は,プレイヤの手PRがカードC7に触れていると判定したときに,タッチパネルディスプレイ10に表示されたカードC7の画像を強調表示(ハイライト表示)することが好ましい。図8において,強調表示された画像は,符号HLにより示されている。強調表示としては,例えばカードの画像の周りを枠で囲うこと,カードの画像を点滅させること,カード画像の色を変えること,及びカード画像の近傍にアイコンを表示すること等が考えられる。これにより,プレイヤは,パネル21を目視しなくても,タッチパネルディスプレイ10を目視するだけで,自分が現在どのカードに触れているのかを瞬時に把握することができる。また,処理部110は,プレイヤが触れているカードC7の画像だけでなく,カードC7に関連付けられているプレイヤオブジェクトO7の画像を強調表示することが好ましい。これにより,プレイヤは,カードとプレイヤオブジェクトの対応関係も含めて,自分が現在どのカードに触れているのかを瞬時に把握することができる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら発明の好ましい実施形態を例にあげて説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。