[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、物品から取得した情報に基づくゲームのプレイを提供可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、物品から取得した情報に基づくゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
本実施形態ではゲーム装置が排出する、あるいはその他の態様で流通する、ゲームに使用可能な物品はカードであるものとして説明するが、後述する物品情報が取得可能に構成された物品であれば、物品はカードに限られない。物品は、例えばゲーム要素(キャラクタやアイテム)の外観を有するフィギュア等の造形物であってよい。この場合、物品情報は、該造形物の底面や所定の面にシールや印字等により付されたパターンから、あるいは該造形物の内部の記録媒体から取得可能であってよい。また物品はフィギュアだけでなく、玩具やシール等、任意の物品であってよい。
また本実施形態ではゲームに使用可能な全てのカードには、いずれも不変の物品情報が、所定の変換演算を適用することで1次元あるいは多次元のパターン(コード)に変換され、カード表面に形成(印刷)される態様でカードに付されているものとして説明する。本実施形態ではカード表面へのコードの形成は、不可視インクを用いた印刷により行われるものとして説明する。
しかしながら本発明の実施はこれに限られるものではなく、コードは可視の態様でカード表面に印刷されるものであってもよいし、コードに係る所定の識別パターンをカードの中間層に形成することでカードに付されるものであってもよい。また、物品情報は可変に構成されるものであってもよく、この場合は例えばカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグに記録され、所定のリーダライタを介することにより情報の取得変更が可能に構成されるものであってよい。また可変の物品情報をカードに付す態様はNFCタグに限られるものではなく、例えばICチップ等の記録媒体に記録されてデータとして保持される等、どのような態様であってもよい。
また本実施形態ではゲーム装置が実行するゲームのプレイにおいて、カードを用いることで登場させることが可能となるゲーム要素は、キャラクタであるものとし、カードには対応するキャラクタの図柄(キャラクタ画像)が付されるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、実行されるゲームのゲーム要素を特定する用途のカードは、ゲームに係るキャラクタを特定可能に構成されるものに限らず、アイテムや効果等、その他のゲーム要素を特定するものであってもよいことは言うまでもない。
《ゲーム装置100》
ここで、ゲーム装置100の機能構成を図1のブロック図を用いて説明する。
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
支払検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、対価の支払いに基づいてユーザへのカードの排出を伴うサービスの提供を開始するものとして説明するが、対価の支払いは必須の要件ではなく、所定の開始指示に基づいてサービスの提供は開始されるものであってもよい。
表示制御部105は、例えばGPU等の描画装置を含み、本実施形態では第1表示部120及び第2表示部130に表示させる画面の生成及び制御を行う。具体的には表示制御部105は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置である第1表示部120及び第2表示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでユーザに提示される。
本実施形態のゲーム装置100は、ゲーム画面を表示する、図2に示されるような2種類の表示装置(第1表示部120及び第2表示部130)を有しており、表示制御部105はその各々についてゲーム画面の生成を行う。図示されるように、本実施形態では第2表示部130は、その表示領域上にカードを載置可能な天板(載置面)を有して構成された載置パネル131を形成している。ユーザは所定のタイミングにおいて載置面に載置したカードを移動操作することで、ゲームに係る一部の操作入力を行うことができる。第2表示部130に表示されるゲーム画面は、後述するが、好適なゲーム体験を提供するため複数の種類が存在し、図2に示されるようなカードを載置する基準となるフィールドの画像(カードを載置する位置や領域を明示するよう構成された2次元画像)が提示される画面を含む。一方、第1表示部120は、基本的には載置パネル131の盤面上で行われたカードの移動操作に基づいて生成されるゲーム画面であって、例えばカードに対応するキャラクタ、または該キャラクタ及びゲームに登場する他のキャラクタ等を俯瞰する視点について描画されたゲーム画面や各種演出画面が表示される。
〈載置パネル131の構造〉
ここで、第2表示部130を有して構成される載置パネル131の構造について、図3を参照して詳細を説明する。
詳細は後述するが、本実施形態の載置パネル131は、載置面に実際に載置された、現実世界に物理的な実体を有するカード(実カード)と、現実世界に物理的な実体は有さないものの、プログラム上において実カードと等価であるものとして取り扱われるカード(仮想カード)の双方について、各々に対する移動操作が受け付け可能に構成される。実カードに対する移動操作は、載置パネル131における該カードの物理的な移動により入力される。一方、仮想カードに対する移動操作は、載置パネル131においてなされたタッチ操作(ゲームに使用可能な実カード以外の、指やペン等の物体が載置パネル131に接触あるいは近接されたことをもって認識される操作)により入力される。またタッチ操作は、第2表示部130に表示されたGUI等に対する操作入力にも用いられる。
本実施形態の載置パネル131は、このような2種類の操作入力を検出可能とするため、図3(a)及び(b)のような積層構造を有して構成される。図3(a)に示されるように、載置パネル131では天板への実カードの載置、載置された実カードの認識及び位置検出、カード移動操作用のゲーム画面の表示、及び該ゲーム画面中に含まれる仮想カードへの移動操作入力の検出が可能なよう、
・タッチ操作検出層301
・強化ガラス層302
・液晶パネル層303
・導光層304
を有する。
タッチ操作検出層301は、該層に対してなされたユーザの指等によるタッチ操作が、後述のタッチ操作検出部141により検出可能に構成された層である。本実施形態ではタッチ操作検出層301は簡単のため、図3(b)に示されるように第2表示部130の表示領域周囲に設けられた外枠305にライン状に設けられた受発光素子列に係る光路群で形成された層であるものとして説明する。光路は、例えば外枠305の一辺に並べて設けられた、赤外LED等の発光素子の各々から放射された光が、該発光素子と対となるように対辺に設けられた受光素子に入射するよう調整されることで形成される。本実施形態では載置パネル131において、タッチ操作のなされた位置の2次元座標を特定するため、発光素子列は横方向及び縦方向(X方向、Y方向)それぞれの一辺に設けられ、対辺に受光素子列が設けられる。なお、タッチ操作の検出方式としてこのような赤外線遮断方式を採用するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、赤外線カメラ方式等の種々の方式が採用されるものであってよい。本発明に係るタッチ操作の検出は、載置パネル131上のいずれかの位置に障害物があった場合であっても、任意の検出用素子の位置から該遮蔽物によって遮蔽された領域についてなされたタッチ操作が検出可能なように構成されることが好ましく、例えば外枠305の四辺全てあるいは四隅全てに、反射光を検出する方式でタッチ操作のなされた位置を検出する構成を有する態様により実現されるものであってもよい。
強化ガラス層302は、液晶パネル層303の保護、実カード及び仮想カードに係る移動操作を許容する強度を担保するために設けられる。本実施形態ではタッチ操作検出層301が上述のような赤外線遮断方式によるタッチ操作検出を行うため、実質的に強化ガラス層302が載置パネル131に係る第2表示部130の天板となる。故に、強化ガラス層302は、載置された実カードを支持し、実カードの移動操作が行われる面となる。しかしながら、第2表示部130の天板は強化ガラス層302である必要はなく、タッチ操作検出方式によってはタッチ操作検出層301であってよい。また本実施形態では簡単のため、強化ガラス層302の材質がガラスであるものとして説明するがこれに限られるものではなく、透過性を有するものであればいずれの材質であってもよい。
液晶パネル層303は、第2表示部130に表示されるゲーム画面に応じて、各画素の発光量を色成分ごとに制御する液晶パネルで構成される。液晶パネルの表示制御については詳述しないが、表示制御部105により生成された対応するゲーム画面に応じて制御が行われる。
導光層304は、図3(b)に示されるように外枠306にライン状に設けられた白色LED群の発光により、液晶パネル層303の全面を照射するよう面発光する部材で構成される。
本実施形態の載置パネル131は、詳細は後述するが、強化ガラス層302上に載置された実カードに付された不可視パターンを認識可能なように構成される。より詳しくは、第2表示部130は、表示制御部105により生成されたゲーム画面を表示しつつも、第2表示部130の裏側(ゲーム装置100の筐体内側)から載置パネル131に載置された実カードの認識及び位置・回転が検出可能なよう構成される。例えば実カードに付された不可視コードが赤外光反射インクにより形成されている場合は、載置パネル131及び表示に必要な液晶パネル層、導光層は全て赤外光を透過可能に構成され、導光層の底面に遮蔽物となるケーシングを有さない構成となっているものとする。
本実施形態では、実カードがいずれのキャラクタに対応しているかを示す情報が赤外光反射インクを用いて不可視パターンとして印刷されているため、載置パネル131がこのような積層構造を有するものとして説明するが、実カードの認識方式によっては、載置パネル131の構造は異なるものであってよいことは容易に理解されよう。
操作入力部106は、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースであり、ユーザによりなされた操作入力を検出し、対応する制御信号を制御部101に出力する。操作入力部106は、図2に示されるようなゲーム装置100が有するボタン等の操作部材に対する操作入力がなされたことを検出する。また本実施形態の操作入力部106は、載置パネル131に対して行われたタッチ操作の検出を行うタッチ操作検出部141、及び載置パネル131上に載置された実カードの識別及び該実カードの位置を検出するカード検出部142を含む。
タッチ操作検出部141は、上述したようにタッチ操作検出層301上において赤外光の遮蔽が生じたことを検出すると、該遮蔽がなされた位置の情報を検出されたタッチ操作の情報として出力する。本実施形態のタッチ操作検出部141は、上述した検出方式を採用するため、タッチ操作検出層301中に存在する障害物(光路を遮る物体)を検出する。即ち、ユーザにより指やペンを用いて意図して行われた所謂「タッチ操作」のみを厳密に検出するものではなく、タッチ操作検出部141は、強化ガラス層302に載置されたユーザの所持品や、ユーザが意図せずタッチ操作検出層301に接触あるいは近接させた肘や腕等の人体をも障害物として検出し得る。また、外枠305に設けられる受発光素子の数に依存するが、実カードと同等の操作感を仮想カードについても実現する分解能で検出が行われる場合、障害物は、所定の面積を有する座標範囲に渡ってタッチ操作検出部141により検出される。
従って、タッチ操作検出層301に存在するものとしてタッチ操作検出部141に検出される、本発明に係る第2の種別の物体としての障害物は、横方向及び縦方向の複数の受発光素子対の光路を遮り得る。故に、タッチ操作検出部141は、隣接する座標についてタッチ操作(障害物含む)が検出された場合に、該タッチ操作が1つの物体に依るものであると分類するよう、例えば領域分割法を用いて検出結果を整理する。即ち、タッチ操作検出部141は、1つの物体に起因する推定されるタッチ操作について、1つの検出結果を導出するよう、検出結果の分類を行う。このとき、ある面積を有して検出された検出結果について、タッチ操作検出部141は、例えば検出された範囲に係る重心座標を検出位置として導出すればよい。
また実カードと異なり、タッチ操作検出層301で検出され得る物体は、その面積や数が不定であるため、検出結果(タッチ検出情報)は、例えば図4(a)に示されるように、任意の時点で検出されている各物体について割り当てられた物体ID401に関連付けて、位置情報402及び範囲情報403が管理されるものであってよい。タッチ検出情報は、タッチ操作検出部141から出力され、例えばメモリ103に格納されるものとする。なお、検出結果は、連続する検出タイミングにおいて同一の物体に起因するものと推定される場合には、各タイミングで同一の物体ID401が割り当てられるように構成してよい。この場合、メモリ103には複数の検出タイミングに係るタッチ検出情報が所定の期間保持されるよう構成し、例えばタイムスタンプを付してこれらが峻別可能に構成されればよい。
一方、カード検出部142は、本発明に係る第1の種別の物体としての、載置パネル131に載置された実カードを検出する。具体的にはカード検出部142は、載置パネル131への実カードの載置の有無、載置された各カードの識別、及び各カードの位置・回転を検出する。カード検出部142は、例えば上述したように第2表示部130を裏側から撮像する赤外線カメラを有して構成されるものであってよく、該撮像により得られた画像から不可視コードを抽出し、所定の画像処理を適用して変換することで、載置パネル131上の実カードからの物品情報を取得する。本実施形態では簡単のため、ゲーム装置100においてゲームに使用可能な実カードは、各々ゲームに登場する1つのキャラクタに対応付けられているものとする。
実カードが有する物品情報は、ゲームに登場可能に設けられたいずれのキャラクタに該カードが対応付けられていることを特定可能に構成されるものであってよく、本実施形態では物品情報には実カードの種類を一意に特定可能なカードIDが含められ、該カードIDに対応付けられたキャラクタを識別するキャラクタIDの情報が、後述のキャラクタDB107に管理されているものとする。
従って、カード検出部142は、プレイに使用する実カードの載置を受け付ける期間中に、新たな実カードが載置されたことを撮像画像から検出する(撮像画像に解析が完了していない不可視コードが含まれる)と、該カードに付された不可視コードを解析することで該カードのカードIDを取得する。またカード検出部142は、撮像画像中の不可視コードが検出された位置から各カードの載置位置を導出して出力する。また不可視コードには予め定めた実カードの回転(方向)、さらには表裏を識別するための情報が付される構成であってよく、カード検出部142は不可視コードの解析に際し、実カードの向き(盤面上の載置方向)も導出して出力する。
なお、本実施形態では載置パネル131に実カードが載置された場合に、カード検出部142が実カードの物品情報の取得や位置等の検出を行うものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ゲームプレイに使用される実カードの有する物品情報は、別に設けられたリーダにより取得され、実カードに不可視で付されるパターンは、実カードに対応付けられたキャラクタの識別情報を含まず、物品情報の取得が行われた実カードの特定及び該カードの移動検出等にのみ用いられる構成であってもよい。また本実施形態では好適なゲーム体験を提供するため、カード検出部142は載置パネル131に載置された実カードにつき、その位置と方向とを検出するものとして説明するが、第2表示部130において実カードについて行う表示の態様、載置パネル131または実カードの形状、不可視コードの構成方式等によっては、方向の検出は行わないものであってもよい。
カード検出部142の検出対象は実カードであり、タッチ操作検出部141の検出対象と異なり面積は固定で、かつ各カードにはカード種類を一意に特定可能なカードIDが付されているため、検出タイミングごとに物体IDを割り当てて検出結果を管理する必要はない。故に、カード検出部142による実カードごとの検出結果(カード検出情報)は、例えば図4(b)に示されるように、実カードから取得されたカードID411に関連付けて位置・回転情報412が管理されるものであってよい。カード検出情報は、タッチ操作検出部141と同様にカード検出部142から出力され、例えばメモリ103に格納される。このとき、同じ載置パネル131に係る検出結果であるが、タッチ操作検出部141によるタッチ検出情報と、カード検出部142によるカード検出情報とは分離して管理されるものであってよい。またカード検出部142によるカード検出情報も、タイムスタンプを付して所定の期間保持されるよう構成されるものであってよい。
また、本実施形態ではタッチ検出情報及びカード検出情報は、載置パネル131上に存在する該当の物体(タッチ検出情報は光路を遮る所定の障害物、カード検出情報は実カード)について、載置パネル131における位置または回転角度を有するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。これら検出情報は、例えば移動ベクトル等の移動状態を示す情報を有するものとして構成されるものであってもよいし、位置及び移動状態を示す情報を双方有するものとして構成されるものであってもよい。
キャラクタDB107は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についてキャラクタ情報を管理するデータベースである。キャラクタ情報は、例えば図4(c)に示されるように、キャラクタを一意に特定するキャラクタID421に関連付けて、キャラクタ名422、キャラクタのゲーム内での各種パラメータ(ゲーム進行における優位性を定めたキャラクタ固有の数値(体力、攻撃力、守備力等)、各種能力またその発動条件等)423、キャラクタをゲーム画面に表示するために使用される画像やモデルデータ等を示す描画用情報424、及び該キャラクタに対応する実カードを示す対応カードID425を管理するものであってよい。
領域制御部108は、載置パネル131における各種検出結果をゲームに反映するか否かを定めた領域を、ゲームの進行に応じて設定する。詳細は後述するが、領域制御部108は、本発明に係る第1の領域としての、検出結果をゲームに反映する載置パネル131上の領域(反映領域)と、本発明に係る第2の領域としての、検出結果をゲームに反映しない載置パネル131上の領域(非反映領域)とを、提供するゲームプレイにおけるシーケンスごとに順次変更する。
排出制御部109は、対価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、実カードの排出を制御する。ゲーム装置100において排出される実カードは、例えば所定の遊戯(対戦ゲーム)の提供に係るゲームシーケンスの開始前に排出されるものであってよい。排出部150は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向に実カードを堆積する不図示のストッカを有し、排出制御部109によりなされた排出命令に応じてストッカ最下部に保持されている実カードを1枚排出する機構を有する構成であってよい。排出された実カードは、排出部150がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な排出口201(図2)に導かれることでユーザに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100から排出される実カードは、上述したように固有の物品情報に係る不可視コードを表面に有して構成されるため、予め印刷製造された既製カードであり、全ての実カードは同形同大に形成されるものとする。また本実施形態のゲーム装置100では、載置パネル131上に存在する物体の検出を行い、ゲームの進行が制御されるが、排出部150により排出される物体は、進行制御に用いられる物体のうち、実カードのみである。即ち、同じく進行制御に用いられる物体として認識される人体や所持品等の障害物は、排出部150の排出対象たり得ない。
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わない通信媒体を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを通信部110を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部110により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
《ゲーム概要》
ここで、本実施形態のゲーム装置100において提供されるゲームのプレイ体験について、その概要を説明する。
本実施形態のゲーム装置100において提供されるプレイ体験は、ユーザの使用するキャラクタ、即ちユーザが載置パネル131上に載置した実カードの各々に対応付けられたキャラクタ(プレイキャラクタ)で構成されるプレイヤチームと、所定の手法で選択された対戦相手のキャラクタ(相手キャラクタ)で構成される相手チームとの間で行われる、ラウンド制の対戦ゲームを、主たる遊戯要素として含む。対戦ゲームでは、プレイヤチームと相手チームの各々に、チームを構成するキャラクタにつき定められた体力の総和がチーム体力として定められ、予め定められた上限ラウンド数までの間に相手のチーム体力を0まで減らしたチームが、ゲームの勝者となる。
1つのラウンドは、プレイヤチームや相手チームの状態を考慮して該ラウンドにおいてプレイヤチームの各キャラクタの行動を決定する作戦フェーズと、作戦フェーズにおいて決定された行動をゲームの進行に合わせて実行し、チーム体力増減に係る処理がなされる行動フェーズとで構成される。ここで、作戦フェーズでは対戦ゲームは進行せず、作戦フェーズの終了条件が満たされ行動フェーズに移行した場合に、プレイヤチームにつき決定された行動、相手チームにつき決定した行動、各キャラクタやチームの状態等を考慮して、対戦ゲームは進行する。
以下、対価の支払いがなされた場合に提供される1回のゲームプレイの内容について、対戦ゲームを含む、ゲーム各種シーケンスでの、第1表示部120及び第2表示部130に表示されるゲーム画面の遷移を含めて例示する。
対価の支払いがなされると、まず図5(a)に示されるように、今回の対戦ゲームに係るシナリオ等のゲームモードを選択するモード選択シーケンスに至る。図示されるように、モード選択シーケンスでは、載置パネル131においてモードの選択操作が必要である旨を示すゲーム画面が第1表示部120に表示される。また第2表示部130には、タッチ操作に応じて表示内容が変化する、ゲームモードの選択用のゲーム画面が表示される。ここで、第2表示部130に表示されるゲーム画面は、複数のゲームモードに係るアイコン501群が横方向に並べて配列され、左右の送り操作に応じて、主として表示されるアイコン501が変化するように構成されている。また各アイコン501は、タッチ操作に応じて選択可能に構成され、ユーザは所望のゲームモードに係るゲームプレイを行うためには、該ゲームモードに係るアイコン501を主として(前面に)表示されるように送り操作し、主として表示されたアイコンのうちから該当のアイコンを選択するタッチ操作を行えばよい。
ゲームモードの選択が完了すると、実カードを用いて対戦ゲームに使用するキャラクタ(プレイキャラクタ)を登録するキャラクタ登録シーケンスに移行する。キャラクタ登録シーケンスでは、図5(b)に示されるように、載置パネル131に実カードを載置することでプレイキャラクタの登録が可能である旨、また載置された実カードが認識されたことを示すゲーム画面が第1表示部120に表示される。実カードが認識されたことは、第1表示部120に表示されるゲーム画面において、載置パネル131に載置された実カードに対応するキャラクタ511の画像が、載置パネル131における載置位置と対応する位置に表示されることによりなされるものであってよい。また第2表示部130には、登録する実カードを載置すべき載置パネル131上の領域512を示すゲーム画面が表示される。使用するものとして登録可能なキャラクタは、1回の対戦ゲームにつき例えば7体までであるものとして設定され、第1表示部120及び第2表示部130に表示されるゲーム画面には、残り何体のキャラクタを登録可能であることを示す表示が含められていてもよい。
プレイキャラクタの登録が完了すると、対戦ゲームに係るシーケンスに移行する。上述したように対戦ゲームは、作戦フェーズと行動フェーズとで構成されるため、各々異なるシーケンスであるものとして取り扱う。以下、各フェーズで行われる処理の流れに合わせて、第1表示部120及び第2表示部130の画面遷移を説明する。
〈作戦フェーズ〉
作戦フェーズでは、後続する行動フェーズ(同ラウンド)での各プレイキャラクタの行動の指針を決定するための、図5(c)のようなゲーム画面が第1表示部120及び第2表示部130に表示される。
図示されるように、第2表示部130に表示されるゲーム画面における攻撃エリア521及び待機エリア522は、対戦ゲームに係るゲーム内の空間(3D空間)においてプレイキャラクタを配置可能な領域に対応している。ユーザは、第2表示部130に表示された攻撃エリア521または待機エリア522に少なくとも一部が重なるよう、第2表示部130の載置パネル131上に実カードを載置することで、該カードに対応付けられたプレイキャラクタをゲーム内の空間に配置することができる。例えば、図示されるように実カード523、524及び525が載置パネル131上に載置された場合、第1表示部120に表示されるゲーム画面では、対戦ゲームに係るゲーム内空間において、その相対関係を維持した状態で、各カードに対応付けられたキャラクタ526、527及び528が配置される。
攻撃エリア521と待機エリア522とは各々、(エリアの表示に重ねて)載置された実カードに対応するプレイキャラクタにつき、行動フェーズにおいて行われる行動、あるいはラウンド終了時に付与される効果等、ゲーム内で役割が異なるエリアである。
待機エリア522は、行動フェーズにおいて相手キャラクタのチーム体力を減らすための行動(攻撃)は行わず、載置されたカードに対応するプレイキャラクタにつき、行動ポイントをチャージするエリアである。行動ポイントとは、行動フェーズにおいて消費することで、該ポイント消費したキャラクタに攻撃行動を可能ならしめるポイントである。行動ポイントが0の状態では、プレイキャラクタは攻撃行動を行えないため、ユーザは該当のプレイキャラクタに対応するカードを待機エリア522に移動させる必要がある。また例えば行動ポイントの初期値、待機エリア522に載置することで上昇するポイント数、チャージ可能な最大値は、キャラクタごとにキャラクタ情報の各種パラメータ423で定められているものであってよい。
一方、攻撃エリア521は、載置されたカードに対応するプレイキャラクタにつき、行動ポイントを消費して攻撃行動を行わせるエリアである。図5(c)に示されるように、攻撃エリア521は3つの領域に分けられており、相手チームからの距離が短いほど、行動ポイントをより多く消費し、攻撃行動において相手チームのチーム体力を減少させやすい状態となるよう制御される。ここで、攻撃エリア521と待機エリア522とは、対戦ゲームにおいて相手チームと相対する際に定まるゲーム内の空間に対応しており、攻撃エリア521、待機エリア522の順で相手チームからの距離が大きくなるよう設定される。即ち、図5(c)において攻撃エリア521の上端が相手チームと相対する空間の最前面を示しており、ユーザはゲーム装置100の奥側(攻撃エリア521の上方向)にカードを載置するほど、該カードに対応するキャラクタを、相手チームのチーム体力をより多く減少させやすい状態とすることができる。
なお、第2表示部130に表示されるゲーム画面では、実カードに対応するキャラクタが認識されていること、実カードが載置位置において認識されていること、及び対応するキャラクタの現在の行動ポイント等の各種情報をユーザに知らしめるため、載置された実カードの周囲に、図6(a)に示されるような関連画像が表示される。関連画像は、対応するキャラクタに係る各種の情報を表示するものであってよく、本実施形態ではカード検出部142により検出されたカードの載置位置に基づいて定まる位置に配置されて表示される。
本実施形態では1つのカード600につき表示される関連画像は、図6(a)に示されるように、載置されたカードの周囲を覆い、該カードが認識されていることを示すフレーム画像601、カードに対応するプレイキャラクタの現在の行動ポイントと行動ポイントのチャージ最大値を示すポイント画像602、及びキャラクタ名603を含む。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、実カードに対応するキャラクタが認識されていること及びその認識位置をユーザに知らしめるものであればよいため、関連画像は、単にキャラクタを識別可能なキャラクタ名のみを実カードの近傍に表示し、該実カードの移動に合わせて第2表示部130に表示されるゲーム画面中を追従するよう構成されるものであってもよい。また、キャラクタを識別可能な情報はキャラクタ名に限られる必要はなく、図6(b)に示されるようなキャラクタ画像611が用いられるものであってもよい。
また、本実施形態のゲーム装置100において提供されるゲームでは、対戦ゲーム中あるいは対戦ゲームに先行して、載置パネル131に載置した複数の実カードを所定の態様にすることで、仮想カードを第2表示部130に表示されるゲーム画面に生成させ、ゲームプレイにおいて使用可能にすることができる。即ち、提供ゲームにおいて仮想カードを使用可能とするためには、ユーザは攻撃エリア521または待機エリア522において複数の実カードに対して所定の移動操作を行って予め定められた配置態様とすればよい。
仮想カードの生成は、例えば図5(d)に示されるように2枚の実カードが移動操作により、載置パネル131において接触した状態となったことを条件とするものであってよい。生成条件は、2枚の実カードが所定の距離だけ離間された位置関係にあったこと、所定の操作入力により生成が可能な状態になったこと等、接触した状態となる前の実カードの位置関係(あるいは各実カードの位置変化の遷移)や所定の操作入力を前提として判断してもよい。仮想カードを生成可能な実カードの組み合わせ、及び生成条件を満たした際に新たに生成される仮想カード(キャラクタ)については、例えば基となる実カードに係るキャラクタと異なるキャラクタが生成されるとの情報が、予めキャラクタDB107において定められていればよい。図5(d)の例では、実カード523及び524が攻撃エリア521において、カードの一辺が互いに当接するように配置された場合に、仮想カード531が生成される演出を経て、その後、使用可能なように(タッチ操作により移動可能なように)攻撃エリア521に配置される態様となる。
仮想カードは、本実施形態では実カードと等価なゲーム物品としてユーザに認識されるよう、仮想カードは実カードと同様の外観で第2表示部130に表示されるものとする。実カードと同様の外観とは、載置パネル131において実カードとサイズ、形状、記載項目構成、及び関連画像の表示態様が同一となるよう構成されることを指す。特には、仮想カードとして生成されるキャラクタについて発行されている実カードの画像、または実カードとして発行された場合に印刷される画像が、実カードと同様の外観を有する仮想カードとしてゲーム画面に表示されるものであってよい。上述したように実物体のゲーム物品がカード以外の所定の玩具体である場合は、仮想物体のゲーム物品も該玩具体と同様の外観を有するものとする。
このように1つのラウンドに係る作戦フェーズでは、ユーザは載置パネル131に載置した実カードや表示された仮想カードを移動操作することで、各カードに対応するキャラクタにつき、同ラウンドの行動フェーズで行わせる行動や状態変更、ゲーム上のキャラクタ配置等を決定することができる。
〈行動フェーズ〉
作戦フェーズが(確定操作あるいは時間切れにより)終了すると、同ラウンドに係る行動フェーズが開始される。行動フェーズにおいて行動対象となるキャラクタは、基本的には攻撃エリア521に配置された、プレイヤチームと相手チームのキャラクタである。行動フェーズは、作戦フェーズにて行われたカードの移動操作の結果に基づいて行われる攻撃行動を提示するフェーズであり、カードの移動操作等を要さずに進行するものとする。
図5(e)に示されるように、行動フェーズにおいては対戦ゲームに登場する各キャラクタの動作を伴う、攻撃演出に係るゲーム画面が第1表示部120に表示される。換言すれば、第1表示部120に表示されるゲーム画面は、ゲーム中の変化によって生じるイベント、好適にはユーザによりなされた操作によって生じるイベントにつき表示される、少なくとも一部の区間において連続的に内容が変化しながら進行する一連の画面遷移であり、作戦フェーズの操作に応じて進行が制御される。
一方、図示されるように、行動フェーズにおける第2表示部130に表示されるゲーム画面は、カードの操作が必要であるとユーザに誤解させることを回避するよう、またユーザがより攻撃演出に係る第1表示部120のゲーム画面に注目しやすいよう、カードに係る関連画像の表示や攻撃エリア521及び待機エリア522の表示を行わない。本実施形態では行動フェーズでは、第2表示部130において対戦ゲームに係るゲーム内の空間を鳥瞰する、カードに係る関連画像を表示しないゲーム画面が表示されるものとして説明するが、本発明の実施態様はこれに限られるものではない。
このような作戦フェーズと行動フェーズを有するラウンドに係る処理の実行は、対戦ゲームの終了条件が満たされるまで繰り返し行われる。対戦ゲームの終了条件は、いずれかのチームのチーム体力が0以上であるか否か、または現在のラウンドが最終ラウンドである(予め定められた回数のラウンドに係る処理が実行された)か否かに基づいて判断されるものであってよい。終了条件が満たしていれば、対戦ゲームに係るシーケンスは終了し、結果表示等を行った後、1回のゲームプレイの提供は終了する。
《ゲーム進行に応じた領域制御》
次に、このようなゲームプレイの提供に係る一連の流れにおいて、領域制御部108がゲーム進行に応じて行う領域制御、即ち検出結果をゲームに反映する領域(反映領域)と反映しない領域(非反映領域)の設定について、図7を用いて説明する。なお、検出結果をゲームに反映するとは、例えばプレイヤチームの各キャラクタ(実カード、仮想カード問わず)について管理される、ゲーム中の位置情報、各種パラメータ、行動ポイント等を検出された物体の移動に応じて変更する、あるいはゲーム画面の描画を移動に応じて変更することを指す。
まずモード選択シーケンスでは、図5(a)に第2表示部130に表示するゲーム画面として示したように、ゲームモードに係るアイコン501群の送り操作や選択操作について、載置パネル131においてなされたタッチ操作の検出が必要となる。このとき、ユーザはゲームモード選択のため、あるいはアイコン501群の視認性向上のため、これらが配置される領域には、ユーザの所持品等の障害物が載置されにくい、あるいは載置されていたとしてもユーザにより排除されるものと推定される。一方、図示されるように、ゲーム画面に対しアイコン群を配置する領域は限定的であるため、該領域から遠離した位置にタッチ操作がなされるケースも想定しにくい。また、アイコン群を配置する領域には障害物が載置されにくい反面、その外の領域には例えば財布やカードケース等の障害物や、次のキャラクタ登録シーケンスにおいて使用を予定している実カードが載置され得る。
従って、領域制御部108は、モード選択シーケンスにおいては、図7(a)にハッチングで示される、アイコン501群の周辺領域701を反映領域として設定し、それ以外の領域を非反映領域として設定する。即ち、モード選択シーケンスにおいては、タッチ操作検出部141及びカード検出部142は実カードやタッチ操作の検出を行うが、非反映領域について検出された検出結果については制御部101が実行する処理に係り管理される情報には反映せず、反映領域について検出された検出結果についてのみ反映を行う。なお、本実施形態ではモード選択シーケンスにおいてはタッチ操作でゲームモードの選択が行われるため、いずれの領域においてもカード検出部142による検出を行わないよう制御してもよい。
キャラクタ登録シーケンスでは、図5(b)に第2表示部130に表示するゲーム画面として示したように、プレイキャラクタの登録に係り、領域512への実カードの載置が必要となる。このとき、ユーザは使用するキャラクタに係る実カードを載置するため、あるいは使用を所望しないキャラクタに係る実カードが認識されないようにするため、領域512に不要な実カードや所持品等は載置されにくい、あるいは載置されていたとしてもユーザにより排除されるものと推定される。一方、領域512外の領域には、例えば使用するか否かを検討中の実カードを並べたり、第2表示部130の上端に設けられた領域512に実カードを載置する際に手をついたり等が生じ得る。
従って、領域制御部108は、キャラクタ登録シーケンスにおいては、図7(b)にハッチングで示される、領域512に対応する領域702を反映領域として設定し、それ以外の領域を非反映領域として設定する。なお、本実施形態ではキャラクタ登録シーケンスにおいては仮想カードの表示は行われないため、いずれの領域においてもタッチ操作検出部141による検出を行わないよう制御してもよい。
対戦に係るシーケンスに移り、作戦フェーズでは、図5(c)及び(d)に第2表示部130に表示するゲーム画面として示したように、攻撃エリア521及び待機エリア522において、次いで行われる行動フェーズでのプレイキャラクタの行動に係る移動操作が行われる。このとき、載置パネル131上の攻撃エリア521及び待機エリア522に対応する領域では、実カードの移動や仮想カードの移動に係るタッチ操作が妨げられないようにするため、使用していない実カードや所持品等の障害物が載置されにくい、あるいは載置されていたとしてもユーザにより排除されるものと推定される。一方、攻撃エリア521及び待機エリア522とその周辺(境界付近における実カードの多少のはみ出しを許容する領域)を除いた領域には、使用していない実カードや、使用していたがゲーム進行に係り使用不可能となった実カード、あるいは所持品等が載置され得る。
従って、領域制御部108は、作戦フェーズにおいては図7(c)にハッチングで示される、攻撃エリア521及び待機エリア522に対応する領域703を反映領域として設定し、それ以外の領域を非反映領域として設定する。
一方、行動フェーズでは、図5(e)について説明したように、第1表示部120に攻撃演出に係るゲーム画面が表示されるため、ユーザは必然的に第1表示部120を注視し得る。このとき、ユーザは載置パネル131における移動操作等を要しないため、例えば手を休める等の行為に際し、載置パネル131に身体の一部等を載せ得る。
従って、領域制御部108は、行動フェーズにおいては図7(d)にハッチング領域を示していない通り、反映領域を設定せず、行動フェーズ中のいずれの検出結果もゲームに反映しないよう、全領域を非反映領域として設定する。
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置100では、ゲーム進行に応じてユーザが採り得る行動を想定し、反映領域及び非反映領域の設定が変更される。なお、本実施形態で示した反映領域及び非反映領域の設定に係る制御は、あくまでも例示であり、これに限られることなく本発明が実施可能であることは言うまでもない。
《領域制御処理(進行)》
以下、本実施形態のゲーム装置100で実行される、上述のゲーム進行に応じた領域制御に係る領域制御処理(進行)について、図8のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本領域制御処理は、例えばゲーム装置100の不図示のコイン投入口に対価の支払いがなされたことを支払検出部104が検出した際に開始されるものとして説明する。
S801において制御部101によりモード選択シーケンスが開始されると、領域制御部108はS802で、制御部101の制御の下、モード選択シーケンスに係る領域設定を行う(図7(a)の領域701を反映領域とする)。
S803で、制御部101は、モード選択シーケンスを終了するか否かを判断する。モード選択シーケンスの終了は、ユーザによるゲームモードの選択完了操作の入力、あるいは所定の制限時間の経過等に応じて行われるものであってよい。制御部101は、モード選択シーケンスを終了すると判断した場合は処理をS804に移してキャラクタ登録シーケンスを開始し、まだ終了しないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
キャラクタ登録シーケンスが開始されると、領域制御部108はS805で、キャラクタ登録シーケンスに係る領域設定を行う(図7(b)の領域702を反映領域とする)。
S806で、制御部101は、キャラクタ登録シーケンスを終了するか否かを判断する。キャラクタ登録シーケンスの終了は、モード選択シーケンスと同様に、ユーザによる登録完了操作の入力、あるいは所定の制限時間の経過等に応じて行われるものであってよい。制御部101は、キャラクタ登録シーケンスを終了すると判断した場合、処理をS807に移して対戦ゲームに係るシーケンスを開始する。また制御部101は、キャラクタ登録シーケンスをまだ終了しないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S808において制御部101によりラウンドに係る作戦フェーズの処理が開始されると、領域制御部108はS809で、作戦フェーズに係る領域設定を行う(図7(c)の領域703を反映領域とする)。
S810で、制御部101は、作戦フェーズの処理を終了するか否かを判断する。制御部101は、作戦フェーズの処理を終了すると判断した場合は処理をS811に移して行動フェーズを開始し、まだ終了しないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S812で、領域制御部108は、行動フェーズに係る領域設定を行う(図7(d)のように全領域を非反映領域とする)。
S813で、制御部101は、行動フェーズの処理を終了するか否かを判断する。制御部101は、行動フェーズの処理を終了すると判断した場合は処理をS814に移し、まだ終了しないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S814で、制御部101は、対戦ゲームの終了条件を満たしたか否かを判断する。制御部101は、対戦ゲームの終了条件を満たしていると判断した場合は本領域制御処理を完了し、満たしていないと判断した場合は処理をS808に戻し、次のラウンドに係る作戦フェーズの処理を開始する。
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、ゲーム進行に応じてユーザ行動や注視し得る表示領域を想定し、反映領域及び非反映領域の設定を行うことができるため、ユーザが意図しない操作入力に係る動作が実行されることを低減できる。
なお、本実施形態では、タッチ操作検出部141及びカード検出部142は非反映領域についても検出を行うが、ゲームへの反映を行わない態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。非反映領域とした領域については、ユーザにはゲームプレイに必要の無い領域と理解され、障害物や操作時でないときの手等の載置が行われ得るため、少なくともタッチ操作検出部141による検出は行われないよう制御してもよい。
また、例えばゲーム中において所定の演出の発動のために、実カードまたは仮想カードの移動を指示する画像や、所定の軌道をなぞる等のタッチ操作を指示する画像がゲーム画面中に配置される場合、該画像に対応する載置パネル131上の所定の領域を反映領域とし、それ以外の領域を非反映領域としてもよい。即ち、領域制御は、限定された反映領域に対する操作入力が求められている場合において、他の必要ない操作入力に係る処理を排除する目的で行われるものであってよい。この場合、非反映領域については反映領域に対する操作は可能とするために、タッチ操作検出部141及びカード検出部142の検出は行い、移動操作の内容が確定した際に検出結果のゲームへの反映を行うように制御すればよい。またこのとき、限定された反映領域は、限定した領域においてのみ興趣性を高める演出が発生し得ることをユーザに認識しやすくさせるため、好適にはカードと同サイズ相当あるいは指示する画像を中心とする所定半径の円形領域等、非反映領域に比べて狭い面積を有するよう構成してもよい。
[実施形態2]
上述した実施形態1では、ゲームの進行に応じて、ユーザの行動や注視し得る表示領域を想定して領域制御を行うものとして説明したが、本発明の実施は上述したようなゲーム進行に応じたものに限られるものではない。本実施形態ではさらに、ゲームに検出結果を反映すべきではないと推定される物体の存在を動的に判断し、該物体に対応する領域を非反映領域とする態様について説明する。なお、本実施形態においてゲーム装置100の構成は実施形態1と同様であるものとして、説明は省略する。
《領域制御処理(動的)》
以下、本実施形態のゲーム装置100で実行される、反映すべきではない検出結果を動的に除外する領域制御を実現する領域制御処理(動的)について、図9のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本領域制御処理は、例えばゲーム装置100の不図示のコイン投入口に対価の支払いがなされたことを支払検出部104が検出した際に開始されるものとして説明する。また本領域制御処理(動的)は、実施形態1の領域制御処理(進行)と並行して実行されるものであってよい。
S901で、制御部101は、タッチ操作検出部141及びカード検出部142の検出結果に基づき、所定期間の移動がないと判定できる物体が載置パネル131上に存在するか否かを判断する。制御部101は、所定期間の移動がないと判定できる物体が載置パネル131上に存在すると判断した場合は処理をS902に移し、存在しないと判断した場合は処理をS903に移す。
S902で、領域制御部108は、移動がないと判定できる物体に係る領域を検出結果をゲームに反映しないよう、非反映領域として設定する。このとき、設定される領域は、ゲーム進行に応じて設定された非反映領域と判別可能なよう、一時非反映領域として管理されるものとする。本実施形態では、領域制御処理(進行)と領域制御処理(動的)とを並行実行することで、前者による反映領域及び非反映領域と、後者による一時非反映領域が設定されることになる。この場合、領域制御処理(進行)の設定よりも、領域制御処理(動的)の設定が優先されるものであってよく、一時非反映領域の設定されている期間、該領域は領域制御処理(進行)の処理結果によらず、常に検出結果がゲームに反映されないものとして取り扱われる。なお、本実施形態ではタッチ操作検出部141及びカード検出部142による検出結果は、時間的推移が判断可能なよう、検出を行った時間情報を関連付けて、少なくとも予め定められた期間はメモリ103に保持されているものとする。
S903で、制御部101は、一時非反映領域として設定した領域に物体が存在しなくなったか否かを判断する。制御部101は、一時非反映領域として設定した領域に物体が存在しなくなったと判断する場合は処理をS904に移し、まだ存在していると判断した場合は処理をS905に移す。
S904で、領域制御部108は、物体が存在しなくなった一時非反映領域について、一時非反映領域の設定を解除する。即ち、ゲーム進行に応じた領域制御処理(進行)では反映領域に分類されている場合、一時非反映領域は反映領域に変更され、領域制御処理(進行)で非反映領域に分類されている場合、一時非反映領域は変わらず検出結果がゲームに反映されない非反映領域となる。
S905で、制御部101は、対戦ゲームの終了条件を満たしたか否かを判断する。制御部101は、対戦ゲームの終了条件を満たしていると判断した場合は本領域制御処理を完了し、満たしていないと判断した場合は処理をS901に戻す。なお、戻った後のS901では、既に一時非反映領域として設定されている領域については、移動がない物体の判定を行わなくてよい。
このようにすることで、ゲーム進行に依らず、検出結果をゲームに反映すべきでないと判断する領域が生じた場合に、動的に該領域を一時非反映領域に設定することができ、検出結果をゲームに反映しないよう制御することができる。また、一度、一時非反映領域となった領域であっても、該当の障害物が除去されたことに応じて動的に領域設定を解除することができるため、ユーザの利便性を担保することができる。
なお、本実施形態では一時非反映領域とする領域については、載置パネル131上の物体が所定期間の移動がないことをもって設定するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えばプレイキャラクタの登録に用いられた実カードについてはカードIDが判別可能であるため、該実カードは所定期間の移動がないことの判断から除外されるものであってよい。また検出結果をゲームに反映すべきでないと推定される物体の特定は、時間に限られるものでなく、その載置面積、形状等、如何なる基準により行われるものであってもよいことは容易に理解されよう。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。