JP6714767B2 - 電力変換装置の診断回路、電力変換装置の診断システム - Google Patents

電力変換装置の診断回路、電力変換装置の診断システム Download PDF

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Description

本発明は、電力変換回路の診断回路、および電力変換装置の診断システムに関する。
大容量の電力変換装置において、電力変換装置を構成するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)デバイスの温度上昇が問題となることがある。IGBTデバイスの接合部温度を計測する技術として、例えば特許文献1がある。
特許文献1の要約には、「[課題]IGBTデバイスの動作状態を実時間で監視するシステム、特に、IGBTデバイスの接合部温度を決定するシステムを提供する。[解決手段]IGBTデバイスのスイッチオフ段階中のミラープラトー段階によって形成されたエッジと相関するパルスを取得するために、測定されるIGBTデバイスのゲート−エミッタ電圧の特性を受け取って、ゲート−エミッタ電圧の特性を区別する差動ユニット21と、IGBTデバイスのスイッチオフ段階中のミラープラトー段階の開始と終了とを示す、取得されたパルス間の時間遅延を測定するタイマユニット23と、測定された時間遅延に基づいて、IGBTデバイスの接合部温度を決定する接合部温度計算ユニット25と、を具備する。」と記載され、IGBTデバイスの動作状態を実時間で監視するシステムの技術が開示されている。
特開2013−142704号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、IGBTデバイスのミラープラトー段階を検出する必要がある。そのため、高速かつ高周波特性のよい、すなわち高価な測定回路が必要となる課題がある。
また、N個のIGBTを有する装置では、N台の測定回路が必要になり、回路規模が大きくなるという課題がある。
本発明は、前記した課題に鑑みて創案されたものであって、簡素かつ安価な構成で電力変換装置を構成する半導体デバイスの素子温度を推定できる電力変換装置の診断回路を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するめに、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の電力変換装置の診断回路は、複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置の直流電源線に重畳されたノイズ成分を検出するノイズ電流検出部と、前記ノイズ電流検出部の検出するノイズ成分をパルス波に変換するパルス変換部と、複数の前記パルス波の時間差、および入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差を計測する時間計測部と、を備え、前記パルス変換部は、前記ノイズ成分の振動によって生ずるタイミングを捉えてパルス波を生成し、前記パルス変換部がノイズ成分の振動を捉えるタイミングは、ノイズ成分の正の2発目以降の振動によって最大振幅を発生したタイミングであり、前記入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差と、前記電力用半導体素子の素子温度との関係を記憶する関係記憶部と、前記制御信号と前記パルス波との時間差と、前記関係記憶部の記憶内容とに基づいて、前記素子温度を推定する信号処理部と、を備える、ことを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、簡素かつ安価な構成で電力変換装置を構成する半導体デバイスの素子温度を推定できる電力変換装置の診断回路を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムを説明するブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子の回路構成を記号で示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子のIGBTの断面を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子のターンオフスイッチング特性の温度依存性を示す図であり、(a)は素子温度T1におけるスイッチング波形、(b)は素子温度T2におけるスイッチング波形である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子のターンオフスイッチング特性の素子温度をパラメータとする遅延特性を示す図であり、(a)は正の1発目における振動の特性、(b)は正の2発目における振動の特性である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子に関する制御信号とノイズ電流波形と出力信号波形を示す図であり、(a)は制御信号のターンオフ部分の拡大図、(b)はノイズ電流検出器で検出したノイズ電流の波形図、(c)はパルス変換部の出力信号の波形図を示している。 本発明の第1実施形態に係る電力変換システムにおける電力用半導体素子のノイズ検出から解析までの手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムを説明するブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子に関する制御信号とノイズ電流波形と出力信号波形を示す図であり、(a)は制御信号のターンオフ部分の拡大図、(b)はノイズ電流検出器で検出した波形図、(c)はパルス変換部の出力信号の波形図を示している。 本発明の第2実施形態に係る電力変換システムにおける電力用半導体素子のノイズ検出から解析までの手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置のパワーサイクル試験の試験結果を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムを説明するブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムを説明するブロック図である。 本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムを説明するブロック図である。 本発明の第6実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムを説明するブロック図である。 本発明の第7実施形態に係る電力変換装置の診断システムについて説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムS1を説明するブロック図である。
<電力変換システムS1の概要>
図1において電力変換システムS1は、電力変換装置10と、三相モータ12と、特徴量検出部13と,特徴量解析部14と、解析表示部120と、データ設定部113Aを有して構成されている。
電力変換装置10は、三相交流電源11から三相交流の電力を入力して、一度、直流電力に変換する。そして電力変換装置10は、この直流電力を、再度、可変の周波数と可変の電圧の三相交流の電力(電圧)に変換して出力し、三相モータ12を駆動する。
また、電力変換装置10の電源配線に生ずる半導体デバイスのノイズパルスが特徴量検出部13で検出され、特徴量解析部14で解析されることにより、電力変換装置10における半導体デバイスの素子温度や、それにともなう寿命予測が診断される。
この半導体デバイスの素子温度や寿命予測等の電力変換装置10の診断結果は、解析表示部120に表示される。
なお、データ設定部113Aは、特徴量解析部14に所定の処理や解析に必要なデータを設定する。
次に、以上の電力変換システムS1を構成する各装置、各部の構成と機能について、順に詳しく説明する。
《電力変換装置10》
電力変換装置10は、ダイオードブリッジ104、平滑コンデンサ116、インバータ122、絶縁駆動部(絶縁駆動回路)106、モータ制御部107、ノイズ電流検出部(ノイズ電流検出器)119を備えて構成される。
ダイオードブリッジ104は、3組のダイオードブリッジで構成されている。そして、3組のダイオードブリッジにおけるそれぞれの交流入力端子間には、三相交流電源11のu相、v相、w相がそれぞれ入力している。
3組のダイオードブリッジにおいて、三相交流の各相(u相、v相、w相)がそれぞれ整流された電圧(電力)は、正極性の直流電源線101pと負極性の直流電源線101nとの直流電源間に出力される。
平滑コンデンサ116は、正極性の直流電源線101pと負極性の直流電源線101nとの間に接続され、三相のダイオードブリッジ104から出力された脈流の乗る電圧を平滑化して、直流電圧(電力)を生成する。さらに、平滑コンデンサ116は、インバータ122のスイッチング時における直流電圧変動を抑制する。
また、ダイオードブリッジ104と平滑コンデンサ116との間の負極性の直流電源線101nには、ノイズ電流検出器119が設けられている。ノイズ電流検出器119は、ダイオードブリッジ104と平滑コンデンサ116との間における負極性の直流電源線101nのノイズ電流を検出する。
また、負極性の直流電源線101nは、グラウンド(アース)102に接続(接地)されている。
インバータ122は、複数の電力用半導体素子105(105a〜105f)を備えている。なお、図1において、電力用半導体素子105の符号は記されていないが、電力用半導体素子105a〜105のいずれか、もしくはすべてを代表して、適宜、電力用半導体素子105と表記する。
インバータ122において、電力用半導体素子105aと電力用半導体素子105bとが、直列に接続されてU相のレグを構成する。同様に、電力用半導体素子105cと電力用半導体素子105dとが、直列に接続されてV相のレグを構成し、電力用半導体素子105eと電力用半導体素子105fとが、直列に接続されてW相のレグを構成する。
これらU相、V相、W相のレグとなる直列回路は、それぞれ、正極性の直流電源線101pと負極性の直流電源線101nとの間に接続される。
また、U相、V相、W相のレグにおけるそれぞれの正極性の直流電源線101p側に接続された電力用半導体素子と負極性の直流電源線101n側に接続された電力用半導体素子との接続点は、それぞれU相、V相、W相の出力端子となる。
インバータ122の電力用半導体素子105a〜105fは、後記するモータ制御部107および絶縁駆動部106によって、U相、V相、W相の出力端子から可変の周波数、可変の電圧の三相交流が出力されるように、統括的に制御される。
そして、インバータ122の出力する、すなわち電力変換装置10の出力する、U相、V相、W相の三相交流電圧(電力)によって、三相モータ12が駆動される。
なお、三相交流電源11のu相、v相、w相と、インバータ122の出力のU相、V相、W相とは、電圧および周波数が異なる。
また、インバータ122を構成する複数の電力用半導体素子105a〜105fのそれぞれには、逆並列に接続された寄生ダイオード、もしくは付与した逆並列ダイオードを有している。
また、正極性の直流電源線101pには、分布定数的に寄生インダクタンスを有している。この寄生インダクタンスを寄生インダクタンス114と代表して、図1では表記している。負極性の直流電源線101nにも寄生インダクタンスを有しているが図1では表記を省略している。
また、三相モータ12を駆動するインバータ122の出力であるU相、V相、W相の三相交流の配線には、寄生静電容量115が存在している。
絶縁駆動部(絶縁駆動回路、駆動回路)106は、電力用半導体素子105(105a〜105f)と、モータ制御部107とを絶縁しつつ、電力用半導体素子105(105a〜105f)を駆動する機能を有する。なお、図1においては、絶縁駆動部106は、インバータ122を表記する破線の枠の外に表記しているが、インバータ122を構成する一部としてみることもできる。
モータ制御部107は、三相モータ12を駆動するインバータ122のU相、V相、W相の三相交流電力の出力端子に備えられた相電流検出器117,118の検出した情報を参照する。そして、モータ制御部107は、絶縁駆動部106を介してインバータ122を制御する。すなわち、電力用半導体素子105(105a〜105f)を統合的に制御する。
インバータ122は、モータ制御部107と絶縁駆動部106と共に、三相交流電源11を整流して得た直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変調して交流電圧を生成し、三相モータ12の回転数、トルクを制御する。
また、電力変換装置10からは、ノイズ電流検出器(ノイズ電流検出部)119の検出したノイズ電流に関する情報(In)と、モータ制御部107の制御信号(信号線6本)の情報(Vc)が特徴量検出部13に送られる。
《特徴量検出部13》
特徴量検出部13は、パルス変換部111と、時間計測部112とを備えている。
パルス変換部111は、ノイズ電流検出器119の検出したノイズ電流に関する情報からインバータ122のノイズに関するパルスを検出する。
時間計測部112は、モータ制御部107の制御信号(Vc)の情報とパルス変換部111との出力信号(Vp)とによって、ノイズパルスに関する時間を計測する。
時間計測部112で得られたノイズパルスに関する時間の計測情報は、特徴量解析部14に送られる(信号線6本)。
なお、パルス変換部111と時間計測部112の具体的かつ詳細な機能については、後記する。
《特徴量解析部14》
特徴量解析部14は、信号処理部110と、第1メモリ部108と第2メモリ部109とを備えて構成される。
信号処理部110は、前記した時間計測部112からの出力信号を受けて信号処理をする。なお、信号処理部110が信号処理をするにあたって、第2メモリ部109に格納されている所定データを基に行う。信号処理部110で処理されたデータは、第1メモリ部108に送られる。この処理されたデータは第1メモリ部108に一時的に格納され、解析表示部120に送られる。
また、第2メモリ部109には、後記するように電力用半導体素子(IGBT)105が発生するノイズパルス(パルス波)の時間差と電力用半導体素子の素子温度との関係が記憶されているので、第2メモリ部109を「関係記憶部」と表記することもある。また、第2メモリ部109と第1メモリ部108とを併せて「関係記憶部」と表記することもある。
なお、信号処理部110と第1メモリ部108と第2メモリ部109の具体的かつ詳細な機能については、後記する。
《解析表示部120》
解析表示部120は、解析機能および表示機能を有する。そして、解析表示部120は、前記した第1メモリ部108に格納されたデータ(信号処理部110の処理結果等)を表示する。
また、第1メモリ部108に格納されたデータの表示のみならず、信号処理部110の処理結果の情報を、解析表示部120で解析し、その解析結果を表示する機能もある。
《データ設定部113A》
データ設定部113Aは、特徴量解析部14が所定の処理や解析に必要な所定データを有している。この所定データとは、例えば、後記する図7のフローチャートのアルゴリズムや、図5のIGBTノイズの温度依存性情報や、図6のノイズ発生期間情報や、パルスに関する時間−温度情報などである。
これらのデータ設定部113Aの所定データは、特徴量解析部14の第2メモリ部109に設定される。
なお、データ設定部113Aは、USBメモリ等の外部媒体を用いてもよい。
<電力用半導体素子の温度上昇と、電力変換装置の劣化について>
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の診断回路は、電力変換装置10の電力用半導体素子105の温度上昇(温度変化)や、それにともなう装置の劣化による電力変換装置10の寿命予測を行うものである。この温度上昇や寿命予測においては、電力用半導体素子105の状態把握を問題としているので、次に電力用半導体素子105について詳しく説明する。
《電力用半導体素子105》
インバータ122を構成する電力用半導体素子105(105a〜105f)について、図2および図3を参照して詳しく説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置10を構成する電力用半導体素子105の回路構成(電力用半導体回路200)を記号で示す図である。
図2に示すように、電力用半導体回路200(電力用半導体素子105)は、IGBT201と、IGBT201のエミッタ端子とコレクタ端子との間に、逆方向に並列で接続されたダイオード202とを有して構成されている。図2で示したIGBTで構成される電力用半導体回路200は、一般的によく知られているので、詳細な説明は省略する。
なお、IGBT201は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)に置き換えてもよい。そして、ダイオード202に代えてMOSFETの寄生ダイオードを適用できる場合には、ダイオード202は省略してもよい。
図3は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置10を構成する電力用半導体素子105(IGBT201:図2)の断面を示す図である。
電力用半導体素子105は、半導体素子部309と、はんだ層310と、絶縁基板307と、はんだ層308と、ベース板303とを有して構成される。
なお、はんだ層308,310には亀裂(クラック)Cが発生することがある。
また、絶縁基板307は、メタル層306と、絶縁層305と、メタル層304とを有している。
ベース板303は、冷却器301に衝合され、衝合面にはグリス302が塗布されている。グリス302は、熱伝導を向上させるものである。
以上のように、図3は電力用半導体素子105を示し、その構成要素として半導体素子部309がある。
図3においては、1個の電力用半導体素子105に対して、半導体素子部309が1個のみを図示している。しかし、1個の電力用半導体素子105を構成するにあたって、複数個の半導体素子部309が用いられることがある。
例えば、出力電力がメガワット級の大電力用途に適用される半導体モジュールでは、半導体素子部309が多並列で実装されて、一つの電力用半導体素子105として用いられることが一般的である。
電力変換システムS1(図1)の稼働時において、図3における半導体素子部309で発生した熱は、はんだ層310を介して絶縁基板307、ベース板303、グリス302、および冷却器301に伝わる。
この電力変換システムS1(図1)の稼働時に、グリス302の枯渇、冷却器301の故障、モータ制御部107(図1)の異常動作や故障等により、電力用半導体素子105、および電力用半導体素子105の半導体素子部309の温度が異常に高くなることがある。
半導体素子部309の温度が異常に高くなると、温度サイクルによる熱疲労により、はんだ層308,310に亀裂Cや剥離等が発生する。このような事態が起こると、はんだ層308,310における熱抵抗が高くなり、亀裂Cや剥離等が成長することにより、蓄積劣化が生じる。
この結果、最終的には半導体素子部309のチャネル抵抗が焼損し、電力用半導体素子105が故障する。
したがって、電力用半導体素子105および半導体素子部309の温度を監視することにより、異常を故障前に検出することが望ましい。そして、温度検出を高精度化するには、半導体素子部309の表面温度を計測することが望ましい。
なお、仮に、電力用半導体素子105の裏面やベース板303の温度を計測したとしても、それぞれの熱時定数が加わるため、半導体素子部309の正確な温度変化を計測することは困難である。
<電力用半導体素子105のスイッチングノイズの温度依存性>
前記したように、電力変換装置10における電力用半導体素子105や半導体素子部309の温度変化を計測することは難しい。
さらに、電力変換装置10が高電圧で用いられる場合には、耐圧の問題があるので、電力用半導体素子105や半導体素子部309の温度や温度変化を温度計で計測することは実用的ではない。
次に、電力用半導体素子105のスイッチング動作にともなうスイッチングノイズを計測することによって、電力用半導体素子105の温度変化を捉える方法について説明する。
このスイッチングノイズについて、図1を参照して説明する。
図1において、前記したように、インバータ122は、3相インバータである。電力用半導体素子105aと電力用半導体素子105bとは直列に接続され、この直列回路の両端には直流電圧が印加されている。そして電力用半導体素子105aと電力用半導体素子105bとの接続点は三相モータ12に接続されている。また、他の電力用半導体素子105c,105d、そして電力用半導体素子105e,105fも同様に直流電圧が印加され、それぞれの直列回路の中間接続点と三相モータ12が接続されている。
電力用半導体素子105がスイッチング動作することで三相モータ12に電力を供給する。このとき、配線の寄生インダクタンス114、電力用半導体素子105と三相モータ12と接続する配線と近隣の配線との寄生容量115を有するため、電力用半導体素子105がスイッチングするとノイズが発生する。そして、ノイズ電流検出器119はスイッチングノイズ(ノイズ成分)が重畳した直流電源線101nの電流を検出する。
このスイッチングノイズは、電力用半導体素子105のターンオフ、ターンオンのタイミングで発生し、特にターンオフ時の発生タイミングは、後記するように温度依存性を有する。
<電力用半導体素子のターンオフスイッチング特性の温度依存性について>
電力用半導体素子105のターンオフスイッチング特性の温度依存性について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置10を構成する電力用半導体素子105のターンオフスイッチング特性の温度依存性を示す図であり、(a)は素子温度T1におけるスイッチング波形、(b)は素子温度T1より高い素子温度T2におけるスイッチング波形である。
図4(a)、(b)において、横軸は時間(時間の推移)であり、縦軸は電圧と電流の相対的な大きさを示している。また、電力用半導体素子105aがターンオフしたときのIGBT(電力用半導体素子)105aのゲート・エミッタ間電圧(Vge_a)、コレクタ・エミッタ間電圧(Vce_a)、コレクタからエミッタに流れる電流(Ice_a)、IGBT(電力用半導体素子)105aの指令信号をVc_aをそれぞれ示している。
Vc_aのターンオフに基づき、Vge_aもターンオフするがミラー容量の放電期間があるため、階段状の波形となる。Vge_aが閾値電圧以下になると電流が急激に減少し、Vce_aが上昇する。
このとき、寄生インダクタンス114、寄生容量115により特性線In_aで示すスイッチングノイズが発生する。
図4(a)と図4(b)を比較すると、Vc_aのターンオフからノイズ発生までの遅延時間が、素子温度T1,T2によって、Δt1からΔt2に変化している。
この遅延時間の変化は、電力用半導体素子(パワー半導体素子)105aのミラー容量の放電時間が温度依存性を持つことが主要な原因である。そのため、Vge_a、Ice_a、Vce_aにも素子温度に依存した遅延が観測される。
これらの電圧と電流は、電力変換装置10の高電圧部で発生しているため、絶縁回路と検出回路が各電力用半導体素子に必要となって、三相インバータでは6つが必要となる。
そのため、これらの電圧と電流の計測を個別に行う場合には、計測器の数が増え、電力変換装置10の小型化、軽量化が困難である。
これに対して、電力用半導体素子105a〜105f(図1)のノイズの計測をノイズ電流検出器119(図1)で行えば、この一つで、電力用半導体素子105a〜105fの6個のスイッチングノイズが、すべて検出できる。そのため、電力変換装置10の小型軽量化が可能となる。
<ノイズパルス位置と素子温度と遅延時間の感度の関係>
ノイズ電流検出器119で検出するスイッチングノイズは、図4(a)、(b)のノイズ電流の特性線In_aに示すように、小さい振動が複数発生し、徐々に大きく振動した後、徐々に減衰するためピーク値を持つ。
図4(a)において、領域P1で示した箇所に正(正極性)の1発目のパルスが発生し、領域P2で示した箇所に正の2発目のパルスが発生している。なお、領域P1で示した箇所の正の1発目のパルスは、振幅が小さいため図4(a)では明確に表示されていない。図4(b)でも同様である。
このように、スイッチングノイズのパルスは、複数回振動するため、どこで時間計測するかで素子温度と遅延時間の感度が異なる。
図5は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置10を構成する電力用半導体素子105のターンオフスイッチング特性の素子温度をパラメータとする遅延特性を示す図であり、(a)は正の1発目における振動の特性、(b)は正の2発目における振動の特性である。
図5(a)、(b)において、縦軸は遅延時間(ns)、横軸は電力用半導体素子105aの相電流(A)であるターンオフ電流(Ice_a)を示している。また、素子温度T1と素子温度T2をパラメータとしており、T1とT2は変化するが、T2とT1の温度差(T2−T1)を57度の一定値に保つようにして実験している。また、遅延時間とは制御信号Vc_aのターンオフを基準としている。
なお、図5(a)、(b)において、温度T1、温度T2と表記しているが、これらは、それぞれ素子温度T1、素子温度T2のことである。
また、前記したように、図5(a)は正(正極性)の1発目における振動の特性であり、図5(b)は正の2発目における振動の特性であるので、図5(a)における遅延時間の範囲と、図5(b)における遅延時間の範囲とでは異なった範囲を表記している。
図5(a)は、前記したように正の1発目における振動での遅延時間を計測した結果である。T2とT1の素子温度差57度で遅延時間は、最大10−20ns程度であった。
図5(b)は、前記したように正の2発目における振動での遅延時間を計測した結果である。T2とT1の素子温度差57度で遅延時間は、40ns程度であった。
なお、電流検出器のダイナミックレンジによる影響もある。そのため、電流2アンペア未満はノイズ電流も小さくなり、遅延時間を求めることは困難である。しかし、図5(b)においては、2アンペアから8.5アンペアでは遅延時間は40ns程度とほぼ一定である。
また、図5(a)の正の1発目における振動は、振幅が小さく、別の制御信号により発生したスイッチングノイズの影響を受けやすいため振幅が安定していない。
図5(b)の正の2発目における振動は、振幅値も最大で安定している。
これらのことから、時間計測する際には、図1の相電流検出器117,118で計測する電流範囲を決め、その範囲内に発生するスイッチングノイズの正の2発目、あるいはそれ以降の振動で振幅が最大となる部分で行うのが望ましい。
<スイッチングノイズパルスの特徴量の検出>
図1に示したように、電力用半導体素子105で発生するスイッチングノイズパルスの特徴量の検出は、特徴量検出部13で行う。
特徴量検出部13は、前記したように、時間計測部112とパルス変換部111とを備えて構成されている。
パルス変換部111は、前記したように、電力変換装置10のノイズ電流検出器119が検出した負極性の直流電源線101nに乗った6個の電力用半導体素子105a〜105fのノイズ情報(In)をパルスに変換する。
また、時間計測部112は、モータ制御部107の電力用半導体素子105a〜105fの制御信号(Vc)と、パルス変換部111の6個の電力用半導体素子105a〜105fのノイズ情報を持つパルスのシリアルデータ(Vp)を入力する。
そして、時間計測部112は、モータ制御部107からの制御信号(Vc)をトリガとしてパルス変換部111からの信号を計測する。そして、ノイズ発生源の電力用半導体素子を特定する。
図6は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置10を構成する電力用半導体素子105に関する制御信号とノイズ電流波形と出力信号波形を示す図であり、(a)は制御信号(Vc)のターンオフ部分の拡大図、(b)はノイズ電流検出器119で検出したノイズ電流(In)の波形図、(c)はパルス変換部111の出力信号(Vp)の波形図を示している。
なお、図6(a)、(b)、(c)において、横軸は時間(時間の推移)であり、縦軸はそれぞれ制御信号(Vc)電圧、ノイズ電流In、出力信号電圧Vpである。
また、電力用半導体素子105a,105c,105eにおけるそれぞれのゲートの制御信号をG105a,G105c,G105eと表記している。
なお、図6(a)の制御信号G105a,G105c,G105eでは高電位(正電位)では、信号の表記が重なりあうので、それらを区別するため意図的に上下方向にずらして表記している。
また、前記したように、図6(a)の縦軸において、Vcと表記し、ゲートの制御信号をG105a,G105c,G105eと表記しているが、これらは、時間軸におけるタイミングを表すために便宜的に表記したものである。すなわち、図1において、モータ制御部107から時間計測部112へ送る6本の制御信号をVcとして表記している。そして、前記のように電力用半導体素子105a,105c,105eにおけるそれぞれのゲートの制御信号をG105a,G105c,G105eと表記している。しかしながら、制御信号Vcと制御信号G105a,G105c,G105eとでは、電圧が異なるので、別々の表記をしている。
図6(a)における制御信号G105aが高電位(正電位)から低電位(負電位)なった際、すなわち電力用半導体素子105aがターンオフすると、ノイズ電流検出器119にはノイズ電流Inが検出され、図6(b)でパルスのピークをPaと示したパルスが発生する。
ノイズ電流Inにおいて、正の2発目パルスPaを基準として、ノイズ電流Inの振動が収束するまでの時間をノイズ発生期間tnと規定する。なお、ノイズ電流Inの1発目の正のパルスは、前記したように小さいので図6(b)には表記されていない。
正の2発目パルスPaが検出されてから、パルス変換部111において、所定のパルス幅tpのパルスが生成される(図6(c))。なお、パルス変換部111で生成するパルスのパルス幅tpはノイズ発生期間tnより短くすることが望ましい。
また、制御信号G105aが高電位から低電位になったときから、パルス変換部111で生成されるパルス(パルス幅tp)の立ち上がりとの間の時間を遅延時間tdとして計測する。
図6(a)における制御信号G105eが高電位から低電位なった際、すなわち電力用半導体素子105eがターンオフすると、ノイズ電流InでPeと示したパルスが発生し、ノイズ電流検出器119によって、検出される(図6(b))。
また、図6(a)における制御信号G105cが高電位から低電位なった際、すなわち電力用半導体素子105cがターンオフすると、ノイズ電流Inにおいて、Pcと示したパルスが発生し、ノイズ電流検出器119によって、検出される(図6(b))。
制御信号G105eの高電位から低電位への変化と、制御信号G105cの高電位から低電位への変化との時間間隔が短いと、図6(b)に示すように、制御信号G105eの変化に対応したパルスPeと、制御信号G105cの変化に対応したパルスPcとがパルスの裾野を含めると重なりあう。このようにパルスPeとパルスPcが重なりあう場合には、図6(c)に示すようにパルス変換部111の出力信号としてパルス幅tpよりも大きいパルス幅tpのパルスが生成される。
パルスPeとパルスPcとが裾野を含めて重なるような場合には、所望する遅延時間の測定には不適であると考える。
具体的には、あらかじめスイッチングノイズのノイズ発生期間tnを評価しておく。そして、例えばパルスPeとパルスPcに起因する二つのVp信号(tne、tnc)どうしの間隔Δtnがノイズ発生期間tn内の場合、スイッチングノイズが重なったとして、この場合の計測結果は破棄する。
なお、このようにスイッチングノイズが重なったとして、計測結果を破棄したパルスが電力用半導体素子105の温度上昇を把握する観点から重要なパルスである可能性がある。しかし、このように計測結果を破棄したパルスの電力用半導体素子105は、繰り返し測定されるので、別のタイミングでの測定では、他の電力用半導体素子105のスイッチングノイズとは重ならないタイミングがある。そのため、その別のタイミングで測定が可能である。したがって、二つのスイッチングノイズが重なったとして、計測結果を破棄することがあっても、電力変換装置10を構成する電力用半導体素子105の温度上昇を把握することは可能である。
制御信号どうしの間隔がノイズ発生期間外であれば、ノイズの発生期間の計測と、ノイズ発生源のIGBTを特定できて、遅延時間を計測することが可能である。
ノイズ発生期間tnは、パルス生成の基準となる時間からノイズの振動が収束するまでの時間とする。このパルス生成の基準となる時間は、前記したように、例えば正の2発目パルスの大きさの頂点に達した時間である。あるいは、正の2発目以降の振動によって最大振幅を発生したタイミング(時間)である。
また、ノイズの振動が収束したとの判定は、例えば、振幅(正の振幅)が所定の閾値以下となった場合であり、時間である。なお、重要なのは遅延時間tdの算出であるので、正の2発目以降の振動によって最大振幅を発生したタイミングが正確に測定できれば、パルスが収束するタイミングの測定は誤差があっても差ほど支障がない。パルスが収束するタイミングの測定は、二つの信号が重複したパルスか単独のパルスかを判定できる程度の精度があればよい。
<ノイズパルスの解析による温度算出>
図1に示したように、電力用半導体素子105で発生するスイッチングノイズパルスの解析による温度算出は、特徴量解析部14で行う。
特徴量解析部14は、信号処理部110と第1メモリ部108と第2メモリ部109とを備えて構成されている。
信号処理部110は、前記したように、特徴量検出部13の時間計測部112からの出力信号を受けて信号処理をする。
この信号処理によって、信号処理部110は、ノイズパルスの遅延値の変化から、電力用半導体素子105の温度を算出する。また、パルスの発生するタイミングから、このパルスの該当する電力用半導体素子105(105a〜105f)のいずれであるかを特定する。
このように、電力用半導体素子105の素子温度および素子温度の変化を、電力用半導体素子105が発生するノイズパルスの遅延値の変化から算出するので、高速の温度変化に対しても検出できる。
なお、信号処理部110が信号処理をするにあたって、第2メモリ部109に格納されている所定データを基に行う。信号処理部110で処理されたデータは、第1メモリ部108に送られる。
第1メモリ部108は、信号処理部110の処理結果を解析表示部120に転送するまでの1次的な記憶部である。
第2メモリ部109は、信号処理部110での信号処理に必要なアルゴリズム、設定データなどを、例えば外部媒体であるデータ設定部113Aから受け、格納しておくためのコンフィグレーション用である。具体的には、後記する図7のフローチャートのアルゴリズムや、図5のIGBTノイズの温度依存性情報や、図6のノイズ発生期間tn情報や、パルスに関する時間−温度情報などが、必要に応じて、データ設定部113Aから第2メモリ部109に転送され、第2メモリ部109に格納される。
<ノイズ検出から解析までのフローチャート>
次に、特徴量検出部13から特徴量解析部14で行うノイズ検出から解析までを、フローチャートで説明する。
図7は、本発明の第1実施形態に係る電力変換システムS1における電力用半導体素子105(105a〜105f)のノイズ検出から解析までの手順を示すフローチャートである。なお、図7におけるS700〜S707は、ステップS700〜ステップS707を示している。
《ステップS700》
ステップS700においては、測定を開始する前に、データ設定部113Aから第2メモリ部109に、図7のフローチャートのアルゴリズムや、図5のIGBTノイズの温度依存性情報や、図6のノイズ発生期間情報や、パルスに関する時間−温度情報などが、転送され、第2メモリ部109に格納される。
《ステップS701》
ステップS701では、測定環境が準備されると電力変換装置10を稼動して、測定を開始する。
《ステップS702》
ステップS702においては、ノイズ電流検出器119で検出したノイズ信号の正の2発目の振動以降で振幅がピークとなる点を基準(トリガ)として、パルス変換部111でパルス波を生成する。
《ステップS703》
ステップS703においては、時間計測部112で制御信号(Vc:例えばG105a)のターンオフからパルスエッジ(始点)、すなわちパルスtpの立ち上がり、までの時間差tdを計測する。
《ステップS704》
ステップS704においては、信号処理部110で近接する複数のパルスのエッジ(始点)間隔がノイズ発生期間(tn)より大きいか否かを判定する。
ノイズ発生期間(tn)より大きい場合(Yes)には、ステップS705に進む。
ノイズ発生期間(tn)より小さいか等しい場合(No)には、ステップS702に戻り、ステップS702からの手順を再度、実施する。
《ステップS705》
ステップS705においては、他のノイズの影響を受けていないと判定し、遅延時間から温度を算出する。また、パルスの発生するタイミングから、このパルスの該当する電力用半導体素子105(105a〜105f)のいずれであるかを特定する。
そして、ステップS706に進む。
《ステップS706》
ステップS706においては、次の温度検出が不要であって温度検出を終了するか否かを判定する。
次の温度検出が不要であって温度検出を終了する場合(Yes)とは、例えば、電力変換装置10が動作を停止している場合である。
次の温度検出を終了する場合(Yes)には、ステップS707に進む。
次の温度検出を終了しない場合(No)には、ステップS702に戻り、ステップS702からの手順を再度、実施する。
《ステップS707》
ノイズパルスの解析による温度算出を終了(停止)する。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態によれば、電力変換システムS1における電力変換装置10のインバータ部(インバータ122)を構成する半導体デバイス(IGBT)105(105a〜105f)の素子温度を簡素かつ安価な構成で求めることができる。
また、パルスの発生するタイミングから、このパルスの該当する電力用半導体素子105(105a〜105f)のいずれであるかを特定できる。
また、電力用半導体素子105の素子温度および素子温度の変化を、電力用半導体素子105が発生するノイズパルスの遅延値の変化から算出するので、高速の温度変化に対しても検出できる。
≪第2実施形態≫
図8は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムS2を説明するブロック図である。
第2実施形態を示す図8において、第1実施形態の図1と異なる点は、電力変換装置10Bの内部に温度センサ123が備えられたことである。なお、この温度センサ123の温度情報信号は、信号処理部110に入力している。
また、他の異なる点は、特徴量検出部13と特徴量解析部14との間において、特徴量検出部13に入力していたモータ制御部107の6本の信号が、特徴量解析部14の信号処理部110に入力していることである。
また、他の異なる点は、特徴量検出部13と特徴量解析部14との間において、特徴量解析部14の信号処理部110から特徴量検出部13の時間計測部112に6本の制御線(信号線)が追加されていることである。なお、この6本の制御線(信号線)は、前記のモータ制御部107の6本の信号の情報を含んでいる。
また、他の異なる点は、データ設定部113Bの情報内容が変更、追加されていることである。データ設定部113Bは、特徴量解析部14が所定の処理や解析に必要な所定データを有している。この所定のデータとは、例えば、後記する図10のフローチャートのアルゴリズムおよび判定式、IGBTノイズの遅延時間tIGBTの温度依存性、絶縁駆動回路の遅延時間tGDの温度依存性、ノイズ発生期間tn、パルスに関する時間−温度情報などである。
なお、図8における以上に記した異なる点以外の構成は、図1に示した構成と概ね同じであるので、重複する説明は、省略する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置10Bを構成する電力用半導体素子105に関する制御信号とノイズ電流波形と出力信号波形を示す図であり、(a)は制御信号(Vc)のターンオフ部分の拡大図、(b)はノイズ電流検出器119で検出した波ノイズ電流(In)の波形図、(c)はパルス変換部111の出力信号(Vp)の波形図を示している。
なお、図9(a)、(b)、(c)において、横軸は時間(時間の推移)であり、縦軸はそれぞれ制御信号(Vc)電圧、ノイズ電流In、出力信号電圧Vpである。
図8で示した電力変換システムS2が温度変化の大きい環境で使用される場合、絶縁駆動部106の出力信号の遅延も考慮した温度検出方法が必要である。そのため前記したように、電力変換装置10の内部に温度センサ123が備えられている。
この温度センサ123は、絶縁駆動部106の温度を測定するものである。電力変換装置10のインバータ122は、高電圧のもとに使用されるため、インバータ122に温度計を設置することは困難を伴う。しかしながら、絶縁駆動部106は、相対的に低い電圧で使用されるので、絶縁駆動部106に温度センサ123を備えることは、実用的に可能である。絶縁駆動部106に温度センサ123を備えることによって、絶縁駆動部106の遅延の温度変化も考慮されるので、インバータ122における温度変化の算出において、精度を高めることができる。
あらかじめ、絶縁駆動部106の遅延時間tGDの温度依存性と、ノイズ発生期間tnを評価して、データ化しておく。なお、絶縁駆動部106の温度は、瞬間的に大きな温度変化はないため、温度センサ123で検出した温度の値を瞬間的な変動をないものとして用いる。そして、遅延時間tGDは、検出した温度に相当する絶縁駆動部106での遅延時間として求めておく。
また、図6の場合と同様に、あらかじめスイッチングノイズのノイズ発生期間tnを評価しておく。
そして、前記した温度センサ123で計測された絶縁駆動部106による遅延時間tGDと、ノイズ発生期間tnとから判定時間値(tGD+tn)を求めておく。
なお、絶縁駆動部106の遅延時間tGDの温度依存性と、ノイズ発生期間tnは、第2メモリ部109に格納しておき、信号処理部110は、それらのデータを参照できる。
また、図8に示すように、信号処理部110には、温度センサ123からの絶縁駆動部106の温度情報の信号が入力している。また、信号処理部110には、モータ制御部107から電力用半導体素子105の制御信号G105a〜105fが入力している。したがって、信号処理部110は、以上のデータおよび制御信号を参照して信号を処理することができる。
また、図8に示すように、時間計測部112は、信号処理部110から6本の信号を入力しているので、信号処理部110の情報を活用できる。
図9に戻って説明を続ける。図9(a)に示すように、電力用半導体素子105e,105cの制御信号のエッジ間隔(G105eの立ち下がりとG105cの立ち下がりの間隔)が判定時間値(tGD+tn)未満の場合は、それぞれの電力用半導体素子(105e,105c)で発生するノイズが重なっている。そのため計測誤差が大きくなり、温度検出精度を低くする。
このような場合、図8における信号処理部110は、該当する時間計測部112の計測を停止する。
制御信号のエッジ間隔(G105aの立ち下がりとG105eの立ち下がりの間隔)が判定時間値(tGD+tn)よりも大きい場合に、電力用半導体素子105aについては、時間計測部112で制御信号のエッジとパルス変換部111で生成されたパルスのエッジとの時間計測結果(時間間隔、エッジ間隔)tdを得る。そして、この時間計測結果tdを有用である可能性がある結果として、時間計測部112は、時間計測結果tdを信号処理部110に送る。
信号処理部110では、まず求めた結果が妥当かを判定する。
具体的には、td≦tGDのとき、他のスイッチングノイズの影響を受けている可能性があり、IGBTによる遅延時間tIGBTの検出精度は低下するため温度算出しない。
また、td>tGDのとき、IGBTによる遅延時間tIGBTは、(td−tGD)で求めることができる。求めた遅延時間tIGBTと、あらかじめ第2メモリ部に格納されていたIGBTスイッチングノイズの温度依存性の関係式、またはデータからIGBT(電力用半導体素子)の素子温度を算出する。
信号処理部110は、算出したIGBT(電力用半導体素子)の素子温度の情報を第1メモリ部108に送る。
図9において、図6の場合と同様に、パルス変換部111(図8)は、ノイズ電流検出器119から入力されたノイズのうち、正の2発目、あるいは正の2発目以降で最大値をとるピーク部をトリガとしてパルスを生成すると高い検出精度を期待できる。
また、図9において、図6の場合と同様に、ノイズ発生期間tnは、パルス生成の基準(正の2発目のピーク点)となる時間からノイズの振動がおさまるまでの時間とする。
また、パルス変換部111(図8)で生成するパルスのパルス幅tp(図9(c))は、ノイズ発生期間tn(図9(b))より短くすることが望ましい。
また、時間計測部112(図8)における制御信号どうしの間隔を使った判定式の基準は、本来、tGD+tnでなく、td+tnとするのが望ましい。しかし、td計測前に判定するため、判定式において、tGD+tnで判定する。
<第2実施形態におけるノイズ検出から解析までのフローチャート>
次に、第2実施形態において、特徴量検出部13から特徴量解析部14で行うノイズ検出から解析までをフローチャートで説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る電力変換システムS2における電力用半導体素子105(105a〜105f)のノイズ検出から解析までの手順を示すフローチャートである。なお、図10におけるS800〜S809は、ステップS800〜ステップS809を示している。
《ステップS800》
ステップS800においては、測定を開始する前に、データ設定部113Bから第2メモリ部109に、図10のフローチャートのアルゴリズムや、図8のIGBTノイズの温度依存性情報や、ノイズ発生期間情報や、パルスに関する時間−温度情報などが、転送され、第2メモリ部109に格納される。
《ステップS801》
ステップS801では、測定環境が準備されると電力変換装置10Bを稼動して、測定を開始する。
《ステップS802》
ステップS802においては、信号処理部(ディジタル信号処理部)110で二つの制御信号Vcのエッジ間隔が(tGD+tn)以上か否かを判定する。なお、制御信号Vcとは、制御信号G105a〜G105fのいずれかである。
二つ(複数)の制御信号Vcのエッジ間隔が(tGD+tn)以上の場合(Yes)には、ステップS804に進む。
二つの制御信号Vcのエッジ間隔が(tGD+tn)未満の場合(No)には、ステップS803に移行する。
《ステップS803》
ステップS803においては、二つ(複数)の制御信号Vcのエッジ間隔が(tGD+tn)未満である。すなわち、二つ(複数)の制御信号Vcが測定範囲において、重なっており、正確な判定はできないとして、時間計測部112を停止する。
そして、ステップS802に戻り、次のパルスの計測をする。あるいは、次の制御信号まで待機する。
《ステップS804》
ステップS804においては、ノイズ電流検出器119の出力信号の正の2発目の振動以降で振幅がピークとなる点を基準(トリガ)として、パルス変換部111でパルス波を生成する。
そして、ステップS805に進む。
《ステップS805》
ステップS805においては、制御信号のターンオフと制御信号のパルスエッジとの時間間隔(エッジ間隔)tdを時間計測する。
そして、ステップS806に進む。
《ステップS806》
ステップS806においては、信号処理部110が制御信号(G105a)とパルス信号のエッジ間隔に相当する遅延時間tdと、温度センサ123で計測された絶縁駆動部106の遅延時間tGDとを比較する。
td>tGDの場合(Yes)は、ステップS807に進む。
td≦tGDの場合(No)は、ステップS802に戻る。そして、次のパルスの計測をする。あるいは、次の制御信号まで待機する。
《ステップS807》
ステップS807においては、(td−tGD)の遅れ時間に相当するIGBT(電力用半導体素子)の素子温度を換算して算出する。
なお、(td−tGD)のように温度センサ123で計測された絶縁駆動部106の遅延時間tGDを引くのは、絶縁駆動部106による遅延を補正するためである。
そして、ステップS808に進む。
《ステップS808》
ステップS808においては、温度検出を終了すべき状態か否かを判定する。温度検出を終了すべき状態(Yes)とは、例えば、電力変換装置10Bが稼働を停止している状態である。また、温度検出を終了すべきでない状態(No)とは、例えば、電力変換装置10Bが稼働している場合である。
温度検出を終了すべき状態(Yes)では、ステップS809に進む。
温度検出を終了すべきでない状態(No)では、ステップS802に戻り、次のパルスの計測をする。あるいは、次の制御信号まで待機する。
<パワーサイクル試験の試験結果>
次に、電力変換装置10Bの電力用半導体素子105を温度上昇と元の温度に戻すパワーサイクル試験を実施したときの試験結果について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置10Bのパワーサイクル試験の試験結果を示す図である。
図11において、横軸は素子温度の変化量ΔTであり、縦軸はサイクル数(パワーサイクル数)N1である。なお、横軸および縦軸ともにログスケールの図である。
電力用半導体素子105に対して、「ある温度上昇ΔTを与えて元の温度に戻す」という操作を「1サイクル」とし、これをN1サイクル実行したときに当該電力用半導体素子105が故障したとする。
なお、温度上昇が起こる前の素子温度をT01とし、温度上昇が起こった後の素子温度をT02とすると、温度上昇(変化量)ΔTは、「T02−T01」に等しい。種々の温度上昇ΔTに対して、サイクル数N1を実測することを「パワーサイクル試験」と呼び、図11に示す特性Fはその結果である。
ここで、ある温度上昇ΔTが1回生じた場合における電力用半導体素子105aのストレスSを、「S=1/N1」とする。素子温度T02を保持する時間をth秒とすると、電力用半導体素子105aの寿命LFは「LF=th/S」秒後であると予測できる。
そして、電力用半導体素子105aの新品時の予測残存寿命から、既に消費した寿命を減算すると、残存寿命を予測することができる。
図8における解析表示部120は、図11に示した特性Fを記憶しており、特性Fに基づいて、ストレスSと寿命LFとを予測する。そして、解析表示部120は、この予測結果に基づいて、電力用半導体素子105の残存寿命を予測する。
<第2実施形態の効果>
本発明の第2実施形態によれば、電力変換システムS2における電力変換装置10Bのインバータ部(インバータ122)を構成する半導体デバイス(IGBT)105(105a〜105f)の素子温度を簡素かつ安価な構成で求めることができる。
また、パルスの発生するタイミングから、このパルスの該当する電力用半導体素子105(105a〜105f)のいずれであるかを特定できる。
また、電力用半導体素子105の素子温度T、あるいは素子温度変化量ΔTを高精度に求めることができる。また、素子温度および素子温度の変化を、電力用半導体素子105が発生するノイズパルスの遅延値の変化から算出するので、高速の温度変化に対しても検出できる。
また、電力用半導体素子105の残存寿命も高精度に予測できる。
≪第3実施形態≫
本発明の第3実施形態の電力変換装置の診断回路について説明する。
図12は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムS1を説明するブロック図である。
図12において、図1と異なるのは、電力変換装置10Cにおいてコンデンサ125を有することと、ノイズ電流検出器119の設置位置を変更したことである。
以上に記載した以外の構成は、図1に示した構成と概ね同じであるので、重複する説明は省略する。
図12において、コンデンサ125は、負極性の直流電源線101nとグラウンド102との間に接続されている。このコンデンサ125は、ノイズ除去フィルターの役目をしており、コンデンサ125のグラウンド102側の端子には、電力変換装置10Cが動作する際のノイズが含まれている。
また、ノイズ電流検出器119は、このコンデンサ125のグラウンド102側の端子に備えられている。
ノイズ電流検出器119で電力変換装置10が動作する際のノイズ電流を検出し、パルス変換部111に送る。以降は、図1の第1実施形態と同様な動作によって、ノイズ電流に含まれるパルスの遅延時間から電力変換装置10における電力用半導体素子105(105a〜105f)の素子温度T、あるいは素子温度変化量ΔTを求めることができる。
<第3実施形態の効果>
図12においては、ノイズ電流検出器119がコンデンサ125を介してインバータ122に接続される構成となる。また、ノイズ電流検出器119が電流を検出するのは、接地線である。したがって、ノイズ電流検出器119は、インバータ122の高い電圧から隔離されるので、耐圧などの性能仕様を安価なものを使用できる効果がある。また、コンデンサ125によって、ノイズ電流を低減できる効果がある。
≪第4実施形態≫
本発明の第4実施形態の電力変換装置の診断回路について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムS1を説明するブロック図である。
図13において、図1と異なるのは、電力変換装置10Dにコンデンサ126(第1コンデンサ)とコンデンサ127(第2コンデンサ)を有することと、ノイズ電流検出器119の設置位置を変更したことである。
以上に記載した以外の構成は、図1に示した構成と概ね同じであるので、重複する説明は省略する。
図13において、コンデンサ126とコンデンサ127とは、直列に接続されている。コンデンサ126の第1端子は、正極性の直流電源線101pに接続され、コンデンサ127の第2端子は、負極性の直流電源線101nに接続されている。コンデンサ126の第2端子とコンデンサ127の第1端子は、共にグラウンド102に接続されている。このコンデンサ126とコンデンサ127は、ノイズ除去フィルターの役目をしている。
このコンデンサ126の第2端子とコンデンサ127の第1端子との接続点とグラウンド102との間の配線から電流を検出するようにノイズ電流検出器119が設置されている。このコンデンサ126の第2端子とコンデンサ127の第1端子との接続点とグラウンド102との間の配線には、電力変換装置10Dが動作する際のノイズが含まれる。
このノイズ電流をノイズ電流検出器119で検出し、パルス変換部111に送る。以降は、図1の第1実施形態と同様な動作によって、ノイズ電流に含まれるパルスの遅延時間から電力変換装置10における電力用半導体素子105(105a〜105f)の素子温度T、あるいは素子温度変化量ΔTを求めることができる。
<第4実施形態の効果>
図13においては、ノイズ電流検出器119がコンデンサ126とコンデンサ127を介してインバータ122に接続される構成となる。また、ノイズ電流検出器119が電流を検出するのは、接地線である。したがって、ノイズ電流検出器119は、インバータ122の高い電圧から隔離されるので、耐圧などの性能仕様を安価なものを使用できる効果がある。また、コンデンサ126とコンデンサ127によって、ノイズ電流を低減できる効果がある。
≪第5実施形態≫
本発明の第5実施形態の電力変換装置の診断回路について説明する。
図14は、本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムS1を説明するブロック図である。
図14において、図1と異なるのは、ノイズ電流検出器119を電力変換装置10Eとは別に設けたことである。そして、電力変換装置10Eにおけるインバータ122の負極性の直流電源線101nがグラウンド102に接地される配線にノイズ電流検出器119を備えている。
図1の場合には、ダイオードブリッジ104の負極性の直流電源線と平滑コンデンサ116の負極性の直流電源線との間にノイズ電流検出器119が設けられているのに対し、図14の場合には、ダイオードブリッジ104の負極性の直流電源線とグラウンド102との間にノイズ電流検出器119が設けられている。
図1に示した構成の場合には、インバータ122は、平滑コンデンサ116に充電された電力(電流)で駆動するが、三相モータ12に流す電流が大きくなり、平滑コンデンサ116の充電電流が不足した場合、ダイオードブリッジ104と平滑コンデンサ116の間で充放電電流のやり取りが発生する。このとき、スイッチング電流には前記の充放電電流によるオフセット分が加わる。このオフセット電流は、三相モータ12に流れる電流によって異なるため、ノイズ電流検出器119で検出される電流の振幅範囲が広くなる。そしてパルス変換部111でのノイズからパルスへの変換精度が劣化する。
これに対して、第5実施形態の図14に示した構成では、前記のように、インバータ122の負極性の直流電源線101nがグラウンド102に接地される配線にノイズ電流検出器119が設けられている。この構成のため、接地線の電流には、三相モータ12を駆動する電流の大きさによるオフセット電流は発生しない。すなわち、ノイズ電流検出器119は、前記のオフセット電流の影響を受けないため、ノイズパルスを精度よく捉え、安定した温度検出を可能にする。
図14において、以上に記載した以外の構成は、図1に示した構成と概ね同じであるので、重複する説明は省略する。
<第5実施形態の効果>
前記したように、第5実施形態によれば、ノイズ電流検出器119は、三相モータ12を駆動する電流の大きさによるオフセット電流の影響を受けないため、ノイズパルスを精度よく捉え、安定した素子温度検出を可能にする。
≪第6実施形態≫
本発明の第6実施形態の電力変換装置の診断回路について説明する。
図15は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置の診断回路に関する電力変換システムS1を説明するブロック図である。
図15において、第2実施形態の図8と異なるのは、ノイズ電流検出器119を電力変換装置10Fとは別に設けたことである。そして、電力変換装置10Fにおけるインバータ122の負極性の直流電源線101nがグラウンド102に接地される配線にノイズ電流検出器119を備えている。
図8の場合には、ダイオードブリッジ104の負極性の直流電源線と平滑コンデンサ116の負極性の直流電源線との間にノイズ電流検出器119が設けられているのに対し、図15の場合には、ダイオードブリッジ104の負極性の直流電源線とグラウンド102との間にノイズ電流検出器119が設けられている。
図8に示した構成の場合には、図1に示した構成の場合と同様に、インバータ122は、平滑コンデンサ116に充電された電力(電流)で駆動するが、三相モータ12に流す電流が大きくなり、平滑コンデンサ116の充電電流が不足した場合、ダイオードブリッジ104と平滑コンデンサ116の間で充放電電流のやり取りが発生する。このとき、スイッチング電流には前記の充放電電流によるオフセット分が加わる。このオフセット電流は、三相モータ12に流れる電流によって異なるため、ノイズ電流検出器119で検出される電流の振幅範囲が広くなる。そしてパルス変換部111でのノイズからパルスへの変換精度が劣化する。
これに対して、第6実施形態の図15に示した構成では、前記のように、インバータ122の負極性の直流電源線101nがグラウンド102に接地される配線にノイズ電流検出器119が設けられている。この構成のため、接地線の電流には、三相モータ12を駆動する電流の大きさによるオフセット電流は発生しない。すなわち、ノイズ電流検出器119は、前記のオフセット電流の影響を受けないため、ノイズパルスを精度よく捉え、安定した素子温度検出を可能にする。
図15において、以上に記載した以外の構成は、図8に示した構成と概ね同じであるので、重複する説明は省略する。
<第6実施形態の効果>
前記したように、第6実施形態によれば、ノイズ電流検出器119は、三相モータ12を駆動する電流の大きさによるオフセット電流の影響を受けないため、ノイズパルスを精度よく捉え、安定した素子温度検出を可能にする。
≪第7実施形態≫
本発明の第7実施形態の電力変換装置の診断システムについて説明する。
図16は、本発明の第7実施形態に係る電力変換装置の診断システム1000について説明する図である。
図16において、前記した電力変換システムS1の機能構成を有する電力変換システムS1a,S1bと、電力変換システムS2の機能構成を有する電力変換システムS2a,S2bが、それぞれ外部端子124を介して通信ネットワーク網1200に接続されている。
また、サーバ1201が通信ネットワーク網1200に接続され、1台のサーバ1201で電力変換システムS1a,S1b,S2a,S2b内の複数の電力変換装置(10:図1、10B:図8)を監視している。
以上の構成によって、1台のサーバ1201で複数の電力変換装置を監視し、それぞれの素子温度検出、寿命診断、運転制御などを実施する。
なお、サーバ1201は、パソコンで代用することも可能である。
<第7実施形態の効果>
1台のサーバ1201で複数の電力変換装置を監視し、それぞれの素子温度検出、寿命診断、運転制御が可能となる効果がある。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《パルスの検出》
第1実施形態に関する図6において、正の2発目のパルスを検出するように説明したが、正極性の3発目以降で行ってもよい。また、パルスの大きさを検出する検出器において、検出する閾値を所定の値(大きさ)に設定して、パルスの大きさで判定してもよい。
また、正(正極性)のパルスではなく、負(負極性)のパルスで検出してもよい。
《正の2発目のパルスの検出方法》
第1実施形態では、正の2発目、あるいは正の2発目以降のパルスの検出については、特徴量検出部13で行っていることを説明した。しかし、この検出については特徴量検出部13で検出することに限定されない。
特徴量検出部13では、単にパルスを検出、時間計測を行う。そして、特徴量解析部14、特に信号処理部110における信号処理、解析処理で、正の何発目かの判定を行う。そして、特徴量解析部14は、その情報と、電力用半導体素子105の制御信号とに基づき、解析処理をさらに実行して、電力用半導体素子105の遅延時間と素子温度を算出する方法でもよい。
なお、特徴量解析部14での解析処理で、正の何発目かの判定を行う際に電力用半導体素子105の制御信号を参照する方法もある。
《残存寿命を予測する機能》
第2実施形態において、図8における解析表示部120に、図11に示した特性Fを記憶し、特性Fに基づいて、ストレスSと寿命LFとを予測する。そして、この予測結果に基づいて、電力用半導体素子105の残存寿命を予測する方法について、説明した。
しかし、解析表示部120に、残存寿命を予測する機能を備えることは、図8の第2実施形態に限定されない。
第1実施形態の図1における解析表示部120に、残存寿命を予測する機能を備えることもできる。図1における解析表示部120に、残存寿命を予測する機能を備えた場合には、第1実施形態においても、素子温度Tを高精度に求めることができるため、電力用半導体素子105の残存寿命も高精度に予測できる。
《スイッチング素子》
第1実施形態においては、インバータ122を構成するスイッチング素子をIGBTとして、説明したが、IGBTに限定されない。例えば、MOSFETやスーパージャンクションMOSFETでもよい。
《交流電源》
第1実施形態においては、交流電源として三相交流電源11として説明したが、三相交流電源に限定されない。単相の交流電源でもよい。また、四相以上の交流電源でもよい。
《電源》
第1実施形態においては、三相交流電源11の交流電圧(電力)をダイオードブリッジ104と平滑コンデンサ116で直流電圧(電力)に変換して、インバータ122の直流電源としていたが、この方法に限定されない。
すなわち、直流電源を備え、この直流電源から直流電圧(電力)をインバータ122に供給する方法でもよい。
《交流モータ》
第1実施形態においては、インバータ122の出力を三相交流とし、三相モータ12を駆動する場合について、説明したが、モータは三相に限定されない。例えば単相モータでも本発明を適用することは可能である。
《ノイズ電流検出器》
第1実施形態を示す図1において、ノイズ電流検出器119は、負極性の直流電源線101nに備えた例を示したが、正極性の直流電源線101pに備えてもよい。
10,10B,10C,10D,10E,10F 電力変換装置
11 三相交流電源(交流電力)
12 三相モータ
13 特徴量検出部
14 特徴量解析部
101p 正極性の直流電源線
101n 負極性の直流電源線
102 グラウンド(アース)
104 ダイオードブリッジ(交流−直流変換回路)
105,105a〜105f 電力用半導体素子(パワー半導体素子、IGBT、半導体モジュール)
106 絶縁駆動部(絶縁駆動回路、駆動回路)
107 モータ制御部
108 第1メモリ部(関係記憶部)
109 第2メモリ部(関係記憶部)
110 信号処理部
111 パルス変換部
112 時間計測部
113A,113B データ設定部
114 寄生インダクタンス
115 寄生静電容量
116 平滑コンデンサ
117,118 相電流検出器
119 ノイズ電流検出器(ノイズ電流検出部)
120 解析表示部
122 インバータ、インバータ部
123 温度センサ
125,126,127 コンデンサ
124 出力端子
200 電力用半導体回路
201 IGBT
202 ダイオード、逆並列ダイオード
301 冷却器
302 グリス
303 ベース板
304,306 メタル
305 絶縁層
307 絶縁基板
308,310 はんだ
309 半導体素子部
1000 電力変換装置の診断システム
1200 ネットワーク網
1201 サーバ機
S1,S2,S1a,S1b,S2a,S2b 電力変換システム

Claims (14)

  1. 複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置の直流電源線に重畳されたノイズ成分を検出するノイズ電流検出部と、
    前記ノイズ電流検出部の検出するノイズ成分をパルス波に変換するパルス変換部と、
    複数の前記パルス波の時間差、および入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差を計測する時間計測部と、
    を備え、
    前記パルス変換部は、前記ノイズ成分の振動によって生ずるタイミングを捉えてパルス波を生成し、
    前記パルス変換部がノイズ成分の振動を捉えるタイミングは、ノイズ成分の正の2発目以降の振動によって最大振幅を発生したタイミングであり、
    前記入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差と、前記電力用半導体素子の素子温度との関係を記憶する関係記憶部と、
    前記制御信号と前記パルス波との時間差と、前記関係記憶部の記憶内容とに基づいて、前記素子温度を推定する信号処理部と、
    を備える、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  2. 複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置の直流電源線に重畳されたノイズ成分を検出するノイズ電流検出部と、
    前記ノイズ電流検出部の検出するノイズ成分をパルス波に変換するパルス変換部と、
    複数の前記パルス波の時間差、および入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差を計測する時間計測部と、
    を備え、
    前記パルス変換部は、前記ノイズ成分の振動によって生ずるタイミングを捉えてパルス波を生成し、
    前記入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差と、前記電力用半導体素子の素子温度との関係を記憶する関係記憶部と、
    前記制御信号と前記パルス波との時間差と、前記関係記憶部の記憶内容とに基づいて、前記素子温度を推定する信号処理部と、
    を備え、
    前記信号処理部で、前記パルス変換部のパルス波と前記電力用半導体素子の制御信号とに基づき、ノイズ成分の正の2発目以降の振動によって最大振幅を発生したタイミングを検出処理する、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  3. 複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置の直流電源線に重畳されたノイズ成分を検出するノイズ電流検出部と、
    前記ノイズ電流検出部の検出するノイズ成分をパルス波に変換するパルス変換部と、
    複数の前記パルス波の時間差、および入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差を計測する時間計測部と、
    前記入力された電力用半導体素子の制御信号と前記パルス波との時間差と、前記電力用半導体素子の素子温度との関係を記憶する関係記憶部と、
    前記制御信号と前記パルス波との時間差と、前記関係記憶部の記憶内容とに基づいて、前記素子温度を推定する信号処理部と、
    を備え、
    前記電力用半導体素子の制御信号の間隔が、前記電力用半導体素子を駆動する駆動回路の遅延時間と前記ノイズ成分の発生期間の和よりも大きい場合に、前記時間計測部が複数の前記パルス波の時間差を計測し、
    前記時間計測部での計測結果が前記駆動回路の遅延時間より大きい場合に、前記時間差と前記関係記憶部の記憶内容とに基づいて前記信号処理部が前記電力用半導体素子の素子温度を算出する、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  4. 請求項において、
    前記パルス変換部は、前記ノイズ成分の2回目以降の振動によって最大振幅を発生したタイミングでパルスを生成する、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  5. 請求項において、
    前記駆動回路の温度を測定する温度センサを備える、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  6. 請求項乃至請求項のいずれか一項において、
    前記信号処理部の処理結果を解析、表示する解析表示部を備え、
    前記関係記憶部は、前記信号処理部の処理結果を前記解析表示部に転送するまでの一時的に記憶する第1メモリ部と、前記信号処理部での信号処理に必要なアルゴリズムや特性データをデータ設定部から受けて格納する第2メモリ部とを有する、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  7. 請求項において、
    前記解析表示部が前記信号処理部の出力する前記電力用半導体素子の素子温度の情報を基に前記複数の電力用半導体素子の寿命を実時間で予測する機能を有する、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  8. 請求項1において、
    前記ノイズ電流検出部は、前記電力変換装置の直流電源線に備えられる、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  9. 請求項1において、
    前記電力変換装置の直流電源線とグラウンドとの間にコンデンサを有し、
    前記ノイズ電流検出部は、前記コンデンサの端子に備えられる、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  10. 請求項1において、
    前記電力変換装置の正極性の直流電源線と負極性の直流電源線との間に直列に接続された第1コンデンサと第2コンデンサとを有し、
    前記ノイズ電流検出部は、前記第1コンデンサと第2コンデンサとの接続点とグラウンドとを接続する配線に備えられる、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  11. 請求項1において、
    前記ノイズ電流検出部は、前記電力変換装置の接地線に備えられる、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  12. 請求項1において、
    前記電力変換装置は、交流電圧を直流電圧に整流、平滑化するダイオードブリッジおよび平滑コンデンサと、直流電圧を可変の周波数の交流電圧に変換するインバータを備える、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  13. 請求項1において、
    前記電力変換装置は、三相交流電力を出力し、三相交流モータを駆動する、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  14. 請求項7に記載の電力変換装置の診断回路を有する複数の電力変換システムをネットワーク網に接続し、
    該ネットワーク網に接続されたパソコンまたはサーバで、複数台の前記電力変換装置の温度監視、寿命診断をする、
    ことを特徴とする電力変換装置の診断システム。
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