JP2019060792A - 電力変換装置の診断回路および診断システム - Google Patents

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Takashi Ogawa
貴史 小川
景山 寛
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Abstract

【課題】電力変換装置のインバータを構成する電力用半導体素子の温度を簡単な構成で推定すること。【解決手段】複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置において、電力変換装置の出力電流を検出する電流検出部と、電流検出部の検出による前記出力電流を基に前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流波形の特徴量を検出する特徴量検出部と、特徴量検出部の検出による特徴量を解析して電力用半導体素子の温度を推定する特徴量解析部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置の診断回路および診断システムに関する。
大容量の電力変換装置のインバータを構成するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)デバイスの温度上昇が問題となることがある。IGBTデバイスの接合部温度を計測する技術として、例えば特許文献1がある。
特許文献1の要約には、「[課題]IGBTデバイスの動作状態を実時間で監視するシステム、特に、IGBTデバイスの接合部温度を決定するシステムを提供する。[解決手段]IGBTデバイスのスイッチオフ段階中のミラープラトー段階によって形成されたエッジと相関するパルスを取得するために、測定されるIGBTデバイスのゲート−エミッタ電圧の特性を受け取って、ゲート−エミッタ電圧の特性を区別する差動ユニット21と、IGBTデバイスのスイッチオフ段階中のミラープラトー段階の開始と終了とを示す、取得されたパルス間の時間遅延を測定するタイマユニット23と、測定された時間遅延に基づいて、IGBTデバイスの接合部温度を決定する接合部温度計算ユニット25と、を具備する。」と記載され、IGBTデバイスの動作状態を実時間で監視するシステムの技術が開示されている。
特開2013−142704号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、各アームのIGBTデバイスのミラープラトー段階を検出する必要がある。そのため、差動ユニット21、タイマユニット23はインバータ内部のIGBT駆動回路近辺に設ける必要がある。しかも、これらの部品を各アームに設ける必要がある。
本発明は、前記した課題に鑑みて創案されたものであって、インバータを構成する電力用半導体素子の温度を簡単な構成で推定することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置のインバータにおいて、前記インバータの出力電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出による前記出力電流を基に前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流波形の特徴量を検出する特徴量検出部と、前記特徴量検出部の検出による前記特徴量を解析して前記電力用半導体素子の温度を推定する特徴量解析部と、を備えることを特徴とする。また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、電力変換装置のインバータを構成する電力用半導体素子の温度を簡単な構成で推定することができる。
本発明の第1実施形態に係るインバータの診断回路に関する電力変換装置を説明するブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子の回路構成を示す構成図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子のIGBTの断面を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子のパワーサイクル試験の試験結果を示す特性図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置を構成する電力用半導体素子のターンオフスイッチング特性の温度依存性を示す図であり、(a)は、素子温度T1、T2におけるスイッチング波形図、(b)は、(a)の要部を拡大したスイッチング波形図である。 本発明の第1実施形態に係るインバータの診断回路の各部の波形を示す図であって、(a)は、相電流Iuの波形図、(b)は、(a)の要部を拡大した波形図、(c)は、電流変化時間検出部の出力波形図、(d)は、パルス変換部の出力波形図である。 本発明の第1実施形態に係るインバータの診断回路における電力用半導体素子の出力電流から特徴量を検出し、解析するまでのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るインバータの診断回路に関する電力変換装置を説明するブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置のインバータ診断回路に関する電力変換装置S1を説明するブロック図である。
<電力変換装置S1の概要>
図1において、電力変換装置S1は、交流直流変換回路101、インバータ100と、負荷装置111と、電流検出部105、106、107と、電流電圧変換部134と、特徴量検出部122、123、124と、特徴量解析部125と、を有して構成されている。
インバータ100は、直流電源の代わりに、交流直流変換回路101を用いる場合、交流直流変換回路101に入力された三相交流などの交流電力を、一度、直流電力に変換する。そしてインバータ100は、この直流電力を、再度、可変の周波数と可変の電圧の三相交流の電力(電圧)に変換して出力し、負荷装置111を駆動する。交流直流変換回路101は、例えば、3組のダイオードブリッジ回路で構成され、負荷装置111は、三相モータで構成される。
また、インバータ100の出力電流に相当する相電流に発生する電力用半導体デバイスのターンオフ時の変化(電流勾配)が、特徴量として特徴量検出部122、123、124で検出され、各検出結果が特徴量解析部125で解析されることにより、インバータ100における電力用半導体デバイスの素子温度や、それにともなう寿命予測が診断される。
また、本電力変換装置S1のインバータ100は、3出力のため、インバータ100には、後付け要素として、電流電圧変換部134の他に、電流検出部105、106、107と、特徴量検出部122、123、124が配置されている。
次に、以上の電力変換装置S1を構成する各装置、各部の構成と機能について、順に詳しく説明する。
<インバータ100>
インバータ100は、交流直流変換回路101、平滑コンデンサ102、複数の電力用半導体素子からなる電力用半導体素子ブロック127(以後、電力用半導体素子ブロック127)、絶縁駆動部(絶縁駆動回路)103、モータ制御部104を備えて構成される。なお、交流直流変換回路101をインバータ100の一構成要素としているが、交流直流変換回路101の代わりに、直流電源を用いることができる。
交流直流変換回路101のそれぞれの交流入力端子には、三相交流のu相、v相、w相をそれぞれ入力している。交流直流変換回路101は、三相交流を直流電流に変換し、変換された各相(u相、v相、w相)の電流を整流し、整流された電圧(電力)のうち正極性の電圧(電力)を、直流電源線101Pを介して平滑コンデンサ102の一端に印加し、負極性の電圧(電力)を、直流電源線101Nを介して平滑コンデンサ102の他端に印加する。平滑コンデンサ102の両端に印加された電圧であって、脈流の乗る電圧は、平滑コンデンサ102で平滑化され、平滑化された直流電圧(電力)に変換される。
電力用半導体素子ブロック127は、電力用半導体デバイスとして、複数の電力用半導体素子126(126a〜126f)を備えている。なお、図1において、電力用半導体素子126の符号は記されていないが、電力用半導体素子126a〜126fのいずれか、もしくはすべてを代表して、適宜、電力用半導体素子126と表記する。
電力用半導体素子ブロック127において、電力用半導体素子126aと電力用半導体素子126dとが、直列に接続されてU相のレグを構成する。同様に、電力用半導体素子126bと電力用半導体素子126eとが、直列に接続されてV相のレグを構成し、電力用半導体素子126cと電力用半導体素子126fとが、直列に接続されてW相のレグを構成する。これらU相、V相、W相のレグとなる直列回路は、それぞれ、正極性の直流電源線101Pと負極性の直流電源線101Nとの間に接続される。
また、U相、V相、W相のレグにおけるそれぞれの正極性の直流電源線101P側に接続された電力用半導体素子126a、126b、126cと負極性の直流電源線101N側に接続された電力用半導体素子126d、126e、126fとの接続点は、それぞれU相、V相、W相の出力端子となる。
電力用半導体素子ブロック127の電力用半導体素子126a〜126fは、後記するモータ制御部104および絶縁駆動部103によって、U相、V相、W相の出力端子から可変の周波数、可変の電圧の三相交流が出力されるように、統括的に制御される。
そして、電力用半導体素子ブロック127の出力する、すなわちインバータ100の出力する、U相、V相、W相の三相交流電圧(電力)によって、負荷装置111が駆動される。
なお、交流直流変換回路101に入力される三相交流のu相、v相、w相と、電力用半導体素子ブロック127の出力のU相、V相、W相とは、電圧および周波数が異なる。
また、電力用半導体素子ブロック127を構成する複数の電力用半導体素子126a〜126fのそれぞれは、逆並列に接続された寄生ダイオード、もしくは付与された逆並列ダイオードを有している。
また、正極性の直流電源線101Pには、分布定数的に寄生インダクタンスを有している。この寄生インダクタンスを、寄生インダクタンス133を代表として、図1では表記している。負極性の直流電源線101Nにも寄生インダクタンスを有しているが、図1では表記を省略している。
また、負荷装置111を駆動する電力用半導体素子ブロック127の出力であるU相、V相、W相の三相交流の配線には、寄生容量108、109、110が存在している。
絶縁駆動部(絶縁駆動回路、駆動回路)103は、電力用半導体素子126(126a〜126f)と、モータ制御部104とを絶縁しつつ、電力用半導体素子126(126a〜126f)を駆動する機能を有する。
モータ制御部104は、負荷装置111を駆動する電力用半導体素子ブロック127のU相、V相、W相の三相交流電力の出力端子に備えられた電流検出部105、106、107の検出した情報(相電流に関する情報)を参照する。そして、モータ制御部104は、絶縁駆動部103を介して電力用半導体素子ブロック127を制御する。すなわち、電力用半導体素子126(126a〜126f)のスイッチング動作を統合的に制御する。電流検出部105、106、107は、例えば、電力用半導体素子ブロック127のU相、V相、W相の三相交流電力の出力端子に配置されて、それぞれU相、V相、W相の相電流を検出する電流検出器で構成される。
また、電流検出部105、106、107で検出された電流(相電流)の一部は、電流電圧変換部134で電圧に変換される。電流電圧変換部134で変換された電圧は、モータ制御部104に送られる。
電力用半導体素子ブロック127は、モータ制御部104及び絶縁駆動部103と共に、交流直流変換回路101で得た直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変調して交流電圧を生成し、生成した交流電圧で負荷装置111の回転数、トルクを制御する。
また、電流電圧変換部134の出力による各相電流情報(I、I、I)は、それぞれの特徴量検出部122、123、124に送られる。図1では、相電流Iが特徴量検出部122に、相電流Iが特徴量検出部123に、相電流Iが特徴量検出部124に入力されている。
<特徴量検出部122>
特徴量検出部122は、電流変化時間検出部112と、パルス変換部113と、パルス幅計測部114と、信号処理部115と、第1通信部116とを備えており、相電流Iから電力用半導体スイッチ126aと126dの温度推定に必要な特徴量検出と信号処理を行う。
電流変化時間検出部112は、電流検出部105の検出による相電流Iを取り込み、電力用半導体素子126aと126dがターンオフスイッチングしたときの相電流Iの変化を検出する。
パルス変換部113は、電流変化時間検出部112で検出した信号の発生期間をパルスで出力する。
パルス幅計測部114は、パルス変換部113から出力されたパルスの幅(パルス幅)を計測し、計測結果を信号処理部115に出力する。
信号処理部115は、電流電圧変換部134から電流変化時間検出部112と信号処理部115とに分岐された信号である、相電流Iの値を求め、得られた相電流Iの値と、パルス幅計測部114の計測によるパルス幅にタイムスタンプを付与し、相電流Iから電力用半導体スイッチ126aと126dの温度推定に必要な特徴量検出と信号処理を行う。
第1通信部は、タイムスタンプ、パルス幅、電流(相電流Iの値)の情報を転送するため、タイムスタンプ、パルス幅、電流(相電流Iの値)の情報を変調信号に変換するなどの最適な転送形態に変換し、特徴量解析部125の第2通信部117からの要求があるまで待機する。
<特徴量検出部123>
特徴量検出部123は、相電流Iから電力用半導体スイッチ126bと126eの温度推定に必要な特徴量検出と信号処理を行う。特徴量検出部122と内容は同じのため、説明は省略する。
<特徴量検出部124>
特徴量検出部124は、相電流Iから電力用半導体スイッチ126cと126fの温度推定に必要な特徴量検出と信号処理を行う。特徴量検出部122と内容は同じのため、説明は省略する。
<特徴量解析部125>
特徴量解析部125は、第2通信部117と、解析部118と、解析内容設定部119と、表示部120と、第3通信部121とを備えており、特徴量検出部122、123、124の検出による特徴量を受け取り、電力用半導体素子126の温度、温度変化、寿命を推定する。
第2通信部117は、特徴量検出部122、123、124の第1通信部116を制御しつつ、且つ混信を避けつつ転送されてきたデータを第1通信部116から受信し、受信したデータを復調などで信号変換前のデータに復元し、復元されたデータを解析部118に混信することなく転送する。
解析部118は、特徴量検出部122、123、124の検出による特徴量を解析内容設定部119の設定情報を基にアルゴリズムに則り、電力用半導体素子126の運転サイクル、温度、温度変化、寿命をそれぞれ推定し、各推定結果を表示部120に出力する。例えば、解析部118は、相電流の電流勾配と電力用半導体素子126の温度との相関関係を示す温度相関情報と、電流変化時間検出部112の検出による電流勾配とから電力用半導体素子126の温度を推定し、パルス変換部(比較回路)113の出力から得られたパルス幅(パルス幅計測部114の出力)を基に電力用半導体素子126の温度変化を推定する。
表示部120は、解析部118の解析結果をモニタや警告灯に表示する。モニタには、インバータ100の稼働状態と、電力用半導体素子ブロック127の稼働状態と、電力用半導体素子126の各温度と各寿命の推定結果などが表示される。特に、運転パタンの範囲内では、表示部120は、想定されていない急激な温度変化や寿命の急激な劣化、寿命が間近な電力用半導体素子126について、他の電力用半導体素子126とは異なる色で表示したり、警告灯を点灯表示、点滅表示したりするなどする。
解析内容設定部119は、解析部118に必要な解析アルゴリズムに関する情報、後述するサイクル数の解析に必要なインバータ100の運転パタンに関する運転パタン情報、温度推定に必要な素子温度(電力用半導体素子126の温度)と各相電流の電流勾配との相関関係を示す温度相関情報(温度相関データ)、寿命推定に必要なパワーサイクル試験の試験結果を示すパワーサイクル試験結果情報を解析部118に与える。これらは第3通信部121を介して、外部サーバから設定可能である。
第3通信部121は、通信ネットワーク(図示せず)と接続され、間接的に特徴量解析部125が通信ネットワークに接続される。これにより、外部サーバで表示内容の管理、解析内容設定部119の設定内容の変更を可能となる。すなわち、第3通信部121は、通信ネットワークを介して、外部サーバに特徴量解析部125の解析結果を転送するためと、外部サーバからの解析アルゴリズム等の情報を特徴量解析部125にインストールするために使われる。
<電力用半導体素子の温度上昇と、電力変換装置の劣化について>
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の診断回路は、インバータ100の電力用半導体素子126の温度、温度上昇(温度変化)や、それにともなう装置の劣化によるインバータ100の寿命予測を行うものである。この温度上昇や寿命予測においては、電力用半導体素子126の状態把握を課題としているので、次に電力用半導体素子126について詳しく説明する。
(電力用半導体素子126)
電力用半導体素子ブロック127を構成する電力用半導体素子126(126a〜126f)について、図2および図3を参照して詳しく説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係るインバータ100を構成する電力用半導体素子126の回路構成(電力用半導体回路200)を示す構成図である。
図2に示すように、電力用半導体回路200(電力用半導体素子126)は、IGBT201と、IGBT201のエミッタ端子とコレクタ端子との間に、逆方向に並列で接続されたダイオード202とを有して構成されている。IGBT201で構成される電力用半導体回路200は、一般的によく知られているので、詳細な説明は省略する。
なお、IGBT201は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)に置き換えてもよい。そして、ダイオード202に代えてMOSFETの寄生ダイオードを適用できる場合には、ダイオード202は省略してもよい。
図3は、本発明の第1実施形態に係るインバータ100を構成する電力用半導体素子126(IGBT201:図2)の断面を示す断面図である。
電力用半導体素子126は、半導体素子部309と、はんだ層310と、絶縁基板307と、はんだ層308と、ベース板303とを有して構成される。
なお、はんだ層308、310には亀裂(クラック)Cが発生することがある。
また、絶縁基板307は、メタル層306と、絶縁層305と、メタル層304とを有している。
ベース板303は、冷却器301に衝合され、衝合面にはグリス302が塗布されている。グリス302は、熱伝導を向上させるものである。
以上のように、図3は電力用半導体素子126を示し、その構成要素として半導体素子部309がある。
図3においては、1個の電力用半導体素子126に対して、半導体素子部309が1個のみを図示している。しかし、1個の電力用半導体素子126を構成するにあたって、複数個の半導体素子部309が用いられることがある。
例えば、出力電力がメガワット級の大電力用途に適用される半導体モジュールでは、半導体素子部309が多並列で実装されて、一つの電力用半導体素子126として用いられることが一般的である。
電力変換装置S1(図1)の稼働時において、図3における半導体素子部309で発生した熱は、はんだ層310を介して絶縁基板307、ベース板303、グリス302、および冷却器301に伝わる。
この電力変換装置S1(図1)の稼働時に、グリス302の枯渇、冷却器301の故障、モータ制御部104(図1)の異常動作や故障等により、電力用半導体素子126、および電力用半導体素子126の半導体素子部309の温度が異常に高くなることがある。
半導体素子部309の温度が異常に高くなると、温度サイクルによる熱疲労により、はんだ層308、310に亀裂Cや剥離等が発生する。このような事態が起こると、はんだ層308、310における熱抵抗が高くなり、亀裂Cや剥離等が成長することにより、蓄積劣化が生じる。
この結果、最終的には半導体素子部309のチャネル抵抗が焼損し、電力用半導体素子126が故障する。
したがって、電力用半導体素子126および半導体素子部309の温度を監視することにより、異常を故障前に検出することが望ましい。そして、温度検出を高精度化するには、半導体素子部309の表面温度を計測することが望ましい。
なお、仮に、電力用半導体素子126の裏面やベース板303の温度を計測したとしても、それぞれの熱時定数が加わるため、半導体素子部309の正確な温度変化を計測することは困難である。
<パワーサイクル試験の試験結果>
次に、電力用半導体素子126を温度上昇と元の温度に戻すパワーサイクル試験を実施したときの試験結果について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る電力用半導体素子ブロック127のパワーサイクル試験の試験結果を示す特性図である。
図4において、横軸は素子温度変化量ΔTであり、縦軸はサイクル数(パワーサイクル数)N1である。なお、横軸および縦軸ともにログスケールの図である。
電力用半導体素子126に対して、「ある温度上昇ΔTを与えて元の温度に戻す」という操作を「1サイクル」とし、これをN1サイクル実行したときに当該電力用半導体素子126が故障したとする。
なお、温度上昇が起こる前の素子温度(電力用半導体素子126の温度)をT01とし、温度上昇が起こった後の素子温度をT02とすると、温度上昇(変化量)ΔTは、「T02−T01」に等しい。種々の温度上昇ΔTに対して、サイクル数N1を実測することを「パワーサイクル試験」と呼び、図4に示す特性Fはその結果である。
ここで、ある温度上昇ΔTが1回生じた場合における電力用半導体素子126のストレスSを、「S=1/N1」とする。素子温度T02を保持する時間をth秒とすると、電力用半導体素子126の寿命LFは「LF=th/S」秒後であると推測できる。
そして、電力用半導体素子126の新品時の予測残存寿命から、既に消費した寿命を減算すると、残存寿命を推測することができる。
図1における解析部118は、図4に示した特性Fを記憶しており、特性Fに基づいて、ストレスSと寿命LFとを推測する。そして、解析部118は、この予測結果に基づいて、電力用半導体素子126の残存寿命を予測する。
この時のサイクル回数、温度変化の範囲は、インバータ100の運行パタンに基づいており、運行パタンに関する情報(運行パタン情報)は、解析内容設定部119に保持されている。
<電力用半導体素子126のスイッチングノイズの温度依存性>
前記したように、インバータ100における電力用半導体素子126や半導体素子部309の温度変化を計測することは難しい。
さらに、インバータ100が高電圧で用いられる場合には、耐圧の問題があるので、電力用半導体素子126や半導体素子部309の温度や温度変化を温度計で計測することは実用的ではない。
次に、電力用半導体素子126のスイッチング動作にともなうスイッチングノイズを計測することによって、電力用半導体素子126の温度変化を捉える方法について説明する。
このスイッチングノイズについて、図1を参照して説明する。図1において、前記したように、インバータ100は、3相インバータである。電力用半導体素子126aと電力用半導体素子126dとは直列に接続され、この直列回路の両端には直流電圧が印加されている。そして電力用半導体素子126aと電力用半導体素子126dとの接続点(中間接続点)は負荷装置111に接続されている。また、他の電力用半導体素子126b、126e、そして電力用半導体素子126c、126fも同様に、それぞれの直列回路の両端には直流電圧が印加され、それぞれの直列回路の中間接続点に負荷装置111が接続されている。
電力用半導体素子126がスイッチング動作することで負荷装置111に電力を供給する。このとき、配線の寄生インダクタンス133、電力用半導体素子126と負荷装置111と接続する配線と近隣の配線との寄生容量108、109、110を有するため、電力用半導体素子126がスイッチングすると、電力用半導体素子ブロック127と負荷装置111を接続するモータ線を流れる相電流にノイズが発生する。そして、このノイズは、電流検出部105、106、107、電流電圧変換部134を介して各特徴量検出部122、123、124に入力される。このとき、特徴量検出部122には、電力用半導体素子126aと126dのスイッチングノイズが重畳された相電流I、特徴量検出部123には、電力用半導体素子126bと126eのスイッチングノイズが重畳された相電流I、特徴量検出部124には、電力用半導体素子126cと126fのスイッチングノイズが重畳された相電流Iが入力されている。
このスイッチングノイズは、電力用半導体素子126のターンオフ、ターンオンのタイミングで発生し、特にターンオフ時の発生タイミングは、後記するように温度依存性を有する。
<電力用半導体素子のターンオフスイッチング特性の温度依存性について>
電力用半導体素子126のターンオフスイッチング特性の温度依存性について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係るインバータ100を構成する電力用半導体素子126のターンオフスイッチング特性の温度依存性を示す図であり、(a)は素子温度T1とT2におけるスイッチング波形図、(b)は(a)の時間軸を拡大したスイッチング波形図である。素子温度の関係はT2>T1でその温度差は約95度とする。
図5(a)、(b)において、横軸は制御電圧の立上がり(ターンオフ)を基準とした時間経過を示しており、縦軸のうち、左軸は、モータ制御部104の出力で電力用半導体素子126aを制御する電圧指令信号の電圧(制御電圧)を示し、右軸は、相電流Iの大きさを示している。また、制御電圧の立上がり信号を基に電力用半導体素子126aがターンオフする。この時、相電流Iには、寄生インダクタンス133、寄生容量108によりスイッチングノイズが重畳し、相電流Iがスイッチングノイズによって振動する。
図5(a)では、制御電圧は、温度T1、T2での差はなく、温度による影響がないことがわかる。一方、相電流Iは、温度T1、T2で差があり、素子温度の変化によって波形が変化している。
図5(b)から、素子温度が高くなると、相電流Iに発生するスイッチングノイズの発生タイミングが遅れ、1回目の立下がり波形の電流勾配(di/dt)が変化することがわかる。
相電流Iにおいて判定閾値1(7.8アンペア)と判定閾値2(5.5アンペア)とし、温度T1のときの判定閾値1をM1、判定閾値2をM2、温度T2のときの判定閾値1をM3、判定閾値2をM4とすると、M1、M2、M3、M4の各読み値は表1の通りとなる。
Figure 2019060792
表1のM3とM1の差、M4とM2の差から、判定閾値1から判定閾値2までの遷移時間がわかる。温度T1における遷移時間は、86ナノ秒(相電流Iが、相電圧の立上がりからの時間であって、判定閾値1以下となるまでの時間(944.0)と判定閾値2以下となるまでに時間(1030.0)との差の時間)に対し、温度T2の遷移時間は、116ナノ秒と30ナノ秒長くなっている。温度差は95度であることから、電力用半導体素子126aは、温度が1度上昇すると遷移時間が約315ピコ秒長くなることがわかる。この遷移時間の変化量に対する温度の変化量を感度と定義する。
図1では、電力用半導体素子ブロック127内の寄生インダクタンス133は1つのエレメントで表現されているが、実際には各所に分布しており、電力用半導体素子126の配置により寄生インダクタンス133、寄生容量108、109、110の値が異なるため、各電力用半導体素子126の感度は、相電流に応じて求めることができる。例えば、相電流Iの正サイクルから電力用半導体素子126aの感度を求めることができる。同じように、相電流Iの負サイクルから電力用半導体素子126dの感度、相電流Iの正サイクルから電力用半導体素子126bの感度、相電流Iの負サイクルから電力用半導体素子eの感度、相電流Iwの正サイクルから電力用半導体素子126cの感度、相電流Iwの負サイクルから電力用半導体素子fの感度を求めることができる。
図5において、ターンオフ時のスイッチングノイズはM1からM2のように相電流が減少する方向から振動を開始する。一方、ターンオン時は相電流が増加する方向から振動を開始するため、ターンオフ時とは極性が異なる。これにより、ターンオフとターンオンの判別が可能である。ターンオン時、相電流に発生する1つめの振動の立ち上がりの電流勾配を特徴量とすることでターンオン時でも温度を推定することが可能である。
<特徴量の検出から解析とフローチャート>
図1のインバータ100の出力であるU相電流Iで負荷装置111が駆動するに際して、電流検出部105が、U相電流Iを検出すると、U相電流Iは、図6(a)に示すように変化する。電流検出部105の検出によるU相電流Iは、特徴量検出部122内の信号処理部115と、電流変化時間検出部112に入力される。
電流変化時間検出部112に入力されたU相電流Iは、図6(b)に示すように、正サイクルの領域では、図1の電力用半導体素子126aのターンオフによって発生するノイズを含んでいる。すでに説明したとおり、1つめの振動の立下がりの勾配(電流勾配)は、電力用半導体素子126aの温度と相関を持つため、電流変化時間検出部112ではこの部分を検出すればよく、電流変化時間検出部112に属する微分回路(図示せず)でU相電流Iを検出(微分)すると、図6(c)に示すように、U相電流Iの立下がりの間だけ電圧を得ることができる。パルス変換部113は、図6(d)に示すように、微分回路の出力と、設定された閾値とを比較することで、電流変化時間検出部112が出力している間、閾値以下の電圧がパルスの幅(パルス幅)となるパルス波をパルス幅計測部114に出力する。パルス幅計測部114は、パルス幅を温度の変化として計測し、計測結果を信号処理部115に転送する。
次に、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の診断回路における電力用半導体素子の出力電流から特徴量を検出し、解析するまで処理を図7のフローチャートに従って説明する。まず、測定が開始されると、電流検出部105、106、107による検出電流(相電流)が電流電圧変換部134を介して電流変化時間検出部112に入力され、電流変化時間検出部112で相電流のターンオフによる変化を検出する処理(相電流を微分する処理)が実行される(S1)。この後、電流変化時間検出部112の処理結果がパルス変換部113に入力されると、パルス変換部113で、検出信号(相電流を微分して得られた信号)の幅をパルス波に変換する処理が実行される(S2)。次に、パルス幅計測部114で、パルス変換部113の出力によるパルス波のパルス幅を計測し、計測結果を信号処理部115に出力する処理が実行される(S3)。この後、信号処理部115で、相電流、パルス幅の計測結果にタイムスタンプを付与する処理が実行される(S4)。
この際、信号処理部115では、パルス幅計測部114の計測結果を受け取ったタイミングをトリガとして、電流電圧変換部134から出力された一方の電流値(相電流の値)を計測し、計測結果にタイムスタンプを付与して、パルス幅の計測結果と電流値(計測値)とを紐付けし、紐付されたデータとして管理し、管理されたデータを管理情報として蓄積する。この時、電流計測のタイミングは、相電流のノイズによる振動が落ち着いた後からターンオンするまでの間に行うと計測精度がよい。また、電流検出部105、106、107は、インバータ出力端子に近い方がモータ線のインダクタンスなどによるフィルタの影響が少なくてよい。また、信号処理部115は、電流変化時間検出部112の処理結果である相電流の電流勾配にタイムスタンプを付与し、相電流の電流勾配と相電流の計測結果とを紐付けし、紐付されたデータ(素子の温度相関データ)として管理することができる。さらに、信号処理部115は、電流検出部105、106、107の検出結果から電力用半導体素子126のターンオフ時の電流勾配を算出し、算出結果にタイムスタンプを付与し、相電流の電流勾配と相電流の計測結果とを紐付けし、紐付されたデータ(素子の温度相関データ)として管理することもできる。
信号処理部115で紐付されたデータは、第1通信部116から、特徴量解析部125の第2通信部117に転送される(S5)。第2通信部117で受け取ったデータは、第2通信部117から解析部118に転送され、解析部118で、解析内容設定部119に設定されている解析に必要なパワーサイクル試験結果、素子の温度相関データ(電力用半導体素子の温度と電流勾配との相関関係を示す温度相関情報)と解析アルゴリズムに則り、各電力用半導体素子126の運転パタン、温度(素子温度)、寿命を推定する(S6)。この際、解析部118は、解析内容設定部119から、パルス幅-温度相関情報(パルス幅と電力用半導体素子の温度変化との相関関係を示す情報)、運行パタンに関する運行パタン情報と電流の値(相電流の値)、パワーサイクル試験結果に関する情報を入力する(S7)。また、タイムスタンプは実働サイクル数、パルス幅は温度変化、電流値は運転状態を求めるのに必要である。解析部118は、これらを基に電力用半導体素子126の寿命を推定する。
この後、表示部で120が、電力用半導体素子126の寿命を表示し(S8)、このルーチンでの処理を終了する。
なお、特徴量検出部122と特徴量解析部125は別基板で構成した例を提示したが、同一基板上に構成してもよい。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態によれば、電力変換装置S1におけるインバータ100の電力用半導体素子ブロック127を構成する電力用半導体素子126(126a〜126f)の素子温度を簡易な構成で推定することができる。また、電流検出部105、106、107、特徴量検出部122、123、124、特徴量解析部125、第3通信部121からなる診断回路を既設の電力変換装置に後付けすることで、電力用半導体素子126(126a〜126f)の素子温度と寿命を推定することもできる。
また、電力用半導体素子126の素子温度の変化を、電力用半導体素子126が発生するノイズの変化から算出するため、熱時定数は小さく高速の温度変化に対しても検出できる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態の電力変換装置のインバータ診断システムについて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置のインバータ診断システム800について説明する図である。
図8において、前記した電力変換装置S1の機能構成を有する電力変換装置S1a、S1b、S1c、S1dが、それぞれ第3通信部121を介して通信ネットワーク網801に接続されている。
また、サーバ802が通信ネットワーク網801に接続され、1台のサーバ802で電力変換装置S1a、S1b、S1c、S1d内の複数のインバータ100(図示せず)を監視している。
以上の構成によって、1台のサーバ802で複数のインバータ100を監視し、各インバータ100に属する電力用半導体素子126(126a〜126f)の素子温度推定、寿命推定、などを実施する。
なお、サーバ802は、パソコンで代用することも可能である。
<第2実施形態の効果>
1台のサーバ802で複数のインバータ100を監視し、各インバータ100に属する電力用半導体素子126(126a〜126f)の素子温度推定、寿命推定が可能となる効果がある。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、電力変換装置として、複数の電力用半導体素子を含んで構成されて、交流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置を用いることができる。また、電力用半導体素子126のターンオン時の電流勾配や相電流を基に電力用半導体素子126の温度、温度変化、寿命等を推定することもできる。また、特徴量検出部122、123、124と特徴量解析部125を、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インタフェース等の情報処理資源を備えたコンピュータ装置で構成することができる。上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に記録して置くことができる。
S1 電力変換装置、100 インバータ、101 交流直流変換回路、102 平滑コンデンサ、103 絶縁駆動部、104 モータ制御部、105、106、107 電流検出部、108、109、110 寄生容量、111 負荷装置、112 電流変化時間検出部、113 パルス変換部、114 パルス幅計測部、115 信号処理部、116 第1通信部、117 第2通信部、118 解析部、119 解析内容設定部、120 表示部、121 第3通信部、122、123、124 特徴量検出部、125 特徴量解析部、126 電力用半導体素子、127 電力用半導体素子ブロック、200 電力用半導体回路、201 IGBT、202 ダイオード、301 冷却器、302 グリス、303 ベース板、304、306 メタル層、305 絶縁層、307 絶縁基板、308、310 はんだ層、309 半導体素子部、800 電力変換装置のインバータ診断システム、801 通信ネットワーク網、802 サーバ、S1a、S1b、S1c、S1d 電力変換装置

Claims (15)

  1. 複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置において、
    前記電力変換装置の出力電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の検出による前記出力電流を基に前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流波形の特徴量を検出する特徴量検出部と、
    前記特徴量検出部の検出による前記特徴量を解析して前記電力用半導体素子の温度を推定する特徴量解析部と、を備えることを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記特徴量検出部は、
    前記電流検出部の検出による前記出力電流を基に前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流勾配を前記特徴量として検出し、
    前記特徴量解析部は、
    前記電流勾配と前記電力用半導体素子の温度との相関関係を示す温度相関情報と、前記特徴量検出部の検出による前記電流勾配とから前記電力用半導体素子の温度を推定する解析部を有することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  3. 請求項1に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記特徴量検出部は、
    前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の相電流を微分する微分回路と、前記微分回路の出力と閾値とを比較する比較回路を有し、
    前記比較回路は、
    前記比較結果を、前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の出力電流の変化量として2値化して出力し、
    前記解析部は、
    前記比較回路の出力を基に前記電力用半導体素子の温度変化を推定することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  4. 請求項1に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記特徴量検出部は、
    前記電流検出部の検出による前記出力電流に含まれる前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流波形の変化している時間を検出する電流変化時間検出部と、
    前記電流変化時間検出部の検出による前記時間をパルス波に変換するパルス変換部と、
    前記パルス変換部で変換された前記パルス波のパルス幅を計測するパルス幅計測部と、
    前記電流変化時間検出部の検出結果又は前記電流検出部の検出結果から前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流勾配を算出する信号処理部を有し、
    前記特徴量解析部は、
    前記信号処理部により算出された前記電流勾配と、前記電流勾配と前記電力用半導体素子の温度との相関関係を示す温度相関情報とから前記電力用半導体素子の温度を推定する解析部を有することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  5. 請求項4に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記解析部は、
    前記パルス幅計測部の計測による前記パルス波のパルス幅から前記電力用半導体素子の温度変化を推定することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  6. 請求項4に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記信号処理部は、
    前記算出した電流勾配と、前記パルス幅計測部の計測による前記パルス波のパルス幅、及び前記電流検出部の検出による前記出力電流にそれぞれタイムスタンプを付与して管理し、前記管理した内容を管理情報として蓄積し、
    前記解析部は、
    前記信号処理部により蓄積された前記管理情報を基に前記電力用半導体素子の運転サイクルと寿命を推定することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  7. 請求項6に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記解析部は、
    前記信号処理部により蓄積された前記管理情報を基に前記電力用半導体素子の寿命を実時間で予測することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  8. 請求項4、6、7のうちいずれか1項に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記温度相関情報と、前記電力変換装置の運転パタンを示す運転パタン情報と、前記電力変換装置のパワーサイクル試験の試験結果を示すパワーサイクル試験情報をそれぞれ入力し、前記入力した各情報を前記解析部での解析に利用される情報として設定する解析内容設定部を有することを特徴とする電力変換装置の診断回路。
  9. 請求項8に記載の電力変換装置の診断回路おいて、
    前記特徴量解析部は、
    前記解析部の解析結果を取り込み、前記解析部で推定された前記電力用半導体素子の寿命を表示すると共に、寿命劣化の進行の著しい電力用半導体素子の寿命を他の電力用半導体素子の寿命とは異なる色で表示する表示部と、
    前記表示部の表示内容と前記解析部の解析結果を外部サーバへ送信し、前記解析内容設定部に設定される情報を前記外部サーバから受信する通信部を有する電力変換装置の診断回路。
  10. 複数の電力変換装置が通信ネットワーク網を介してサーバに接続される診断システムであって、
    前記各々の電力変換装置は、
    複数の電力用半導体素子を含んで構成されて交流電力または直流電力を可変の周波数と可変の電圧の交流電力に変換する電力変換装置と、
    前記電力変換装置の出力電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の検出による前記出力電流を基に前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流波形の特徴量を検出する特徴量検出部と、
    前記特徴量検出部の検出による前記特徴量を解析して前記電力用半導体素子の温度を推定する特徴量解析部と、
    前記特徴量解析部の解析結果を、前記通信ネットワーク網を介して前記サーバに送信する通信部と、を有し、
    前記サーバは、
    前記各々の電力変換装置に属する前記通信部と通信を行って、前記各々の電力変換装置における前記特徴量解析部の解析結果を監視することを特徴とする診断システム。
  11. 請求項10に記載の診断システムにおいて、
    前記特徴量検出部は、
    前記電流検出部の検出による前記出力電流を基に前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流勾配を前記特徴量として検出し、
    前記特徴量解析部は、
    前記電流勾配と前記電力用半導体素子の温度との相関関係を示す温度相関情報と、前記特徴量検出部の検出による前記電流勾配とから前記電力用半導体素子の温度を推定する解析部を有することを特徴とする診断システム。
  12. 請求項10に記載の診断システムにおいて、
    前記特徴量検出部は、
    前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の相電流を微分する微分回路と、前記微分回路の出力と閾値とを比較する比較回路を有し、
    前記比較回路は、
    前記比較結果を、前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の出力電流の変化量として2値化して出力し、
    前記解析部は、
    前記比較回路の出力を基に前記電力用半導体素子の温度変化を推定することを特徴とする診断システム。
  13. 請求項10に記載の診断システムにおいて、
    前記特徴量検出部は、
    前記電流検出部の検出による前記出力電流に含まれる前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流波形の変化している時間を検出する電流変化時間検出部と、
    前記電流変化時間検出部の検出による前記時間をパルス波に変換するパルス変換部と、
    前記パルス変換部で変換された前記パルス波のパルス幅を計測するパルス幅計測部と、
    前記電流変化時間検出部の検出結果又は前記電流検出部の検出結果から前記電力用半導体素子のターンオフ時又はターンオン時の電流勾配を算出する信号処理部を有し、
    前記特徴量解析部は、
    前記信号処理部により算出された前記電流勾配と、前記電流勾配と前記電力用半導体素子の温度との相関関係を示す温度相関情報とから前記電力用半導体素子の温度を推定する解析部を有することを特徴とする診断システム。
  14. 請求項13に記載の診断システムにおいて、
    前記解析部は、
    前記パルス幅計測部の計測による前記パルス波のパルス幅から前記電力用半導体素子の温度変化を推定することを特徴とする診断システム。
  15. 請求項13に記載の診断システムにおいて、
    前記信号処理部は、
    前記算出した電流勾配と、前記パルス幅計測部の計測による前記パルス波のパルス幅、及び前記電流検出部の検出による前記出力電流にそれぞれタイムスタンプを付与して管理し、前記管理した内容を管理情報として蓄積し、
    前記解析部は、
    前記信号処理部により蓄積された前記管理情報を基に前記電力用半導体素子の運転サイクルと寿命を推定することを特徴とする診断システム。
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