JP2022077373A - 寿命診断装置、半導体装置、寿命診断方法、 - Google Patents

寿命診断装置、半導体装置、寿命診断方法、 Download PDF

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Abstract

【課題】パワー半導体素子の寿命に関する診断のために必要なデータのデータ量をより削減することが可能な技術を提供する。【解決手段】制御回路80は、電力変換装置に搭載されるパワー半導体素子のジャンクション温度Tjを取得する温度取得部801と、温度取得部801により取得されるジャンクション温度Tjの変化に基づき、パワー半導体素子の動作に伴う温度の上昇及び下降で構成される温度サイクルを検出する波形計数部804と、サイクル温度差ΔTjとパワー半導体素子の寿命と対応関係を示すパワーサイクル特性データ、及び波形計数部804により検出される温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjに基づき、パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う寿命積算部807と、を備える。パワーサイクル特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される。【選択図】図3

Description

本開示は、寿命診断装置等に関する。
従来、パワー半導体素子の温度の上昇及び下降のサイクル(以下、「温度サイクル」)を計数(検出)し、温度サイクルごとの温度差と、パワー半導体素子の寿命特性データとに基づき、パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う技術が知られている。
例えば、特許文献1では、複数の直線で近似されるパワーサイクル寿命カーブ(寿命特性データ)に基づき、パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う技術が開示されている。これにより、複数の領域ごとに直線の傾き及び切片のデータだけを保持すればよく、パワーサイクル試験によって得られる実特性のデータを用いる場合等よりも、寿命特性データのデータ量を相対的に小さくすることができる。
2011-196703号公報
しかしながら、半導体装置には、複数の種類のパワー半導体素子が搭載される場合がある。また、同装置内の同じ種類のパワー半導体素子であっても、使用条件が異なる場合がある。そのため、半導体装置には、パワー半導体素子の種類や使用条件等に応じた複数の寿命特性データが格納される場合がある。よって、対象のパワー半導体素子の寿命を予測するための寿命特性データのデータ量が増大し、予め準備される記憶領域に収容できない可能性がある。
そこで、上記課題に鑑み、パワー半導体素子の寿命に関する診断のために必要なデータのデータ量をより削減することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
半導体装置に搭載されるパワー半導体素子の内部の温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部により取得される温度の変化に基づき、前記パワー半導体素子の動作に伴う前記温度の上昇及び下降で構成される温度サイクルを検出する温度サイクル検出部と、
前記温度サイクルで生じる前記温度の上昇及び下降の変化幅に相当する温度差と前記パワー半導体素子の寿命との対応関係を示す特性データ、及び前記温度サイクル検出部により検出される前記温度サイクルごとの前記温度差に基づき、前記パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う寿命診断部と、を備え、
前記特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される、
寿命診断装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
上記の寿命診断装置を備える、
半導体装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
寿命診断装置により実行される寿命診断方法であって、
半導体装置に搭載されるパワー半導体素子の内部の温度を取得する温度取得ステップと、
前記温度取得ステップで取得される温度の変化に基づき、前記パワー半導体素子の動作に伴う前記温度の上昇及び下降で構成される温度サイクルを検出する温度サイクル検出ステップと、
前記温度サイクルで生じる前記温度の上昇及び下降の変化幅に相当する温度差と前記パワー半導体素子の寿命との対応関係を示す特性データ、及び前記温度サイクル検出ステップで検出される前記温度サイクルごとの前記温度差に基づき、前記パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う寿命診断ステップと、を含み、
前記特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される、
寿命診断方法が提供される。
上述の実施形態によれば、パワー半導体素子の寿命に関する診断のために必要なデータのデータ量をより削減することができる。
電力変換装置の構成の一例を示す図である。 パワー半導体の内部構造の一例を示す図である。 寿命診断機能に関する制御回路の構成の一例を示す機能ブロック図である。 パワー半導体の内部温度(ジャンクション温度)の変化の一例を示す図である。 パワーサイクル特性の一例を示す図である。 寿命診断機能に関する制御回路の構成の他の例を示す機能ブロック図である。 サイクル温度差とパワーサイクル寿命及び換算サイクル数との関係の一例を示す図である。 サイクル温度差と換算サイクル数との関係の一例を示す図である。 パワーサイクル特性の近似曲線の一例を示す図である。 サイクル温度差と読み替え値との関係の一例を示す図である。 読み替え値とパワーサイクル寿命及び換算サイクル数との関係の一例を示す図である。 実特性データ(折れ線データ)及び近似曲線データの組み合わせによるパワーサイクル特性の近似方法の一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[電力変換装置の構成]
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る電力変換装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す図である。
電力変換装置1は、商用電源PSから入力される三相交流電力(例えばR相、S相、及びT相)を所定の電圧や所定の周波数を有する三相交流電力(例えば、U相、V相、及びW相)に変換し、電動機Mを駆動する。
尚、電力変換装置1は、商用電源PS以外の他の電源から入力される三相交流電力に基づき、電動機Mを駆動する三相交流電力を生成してもよい。また、電力変換装置1は、直流電源から入力される電力に基づき、電動機Mを駆動する三相交流電力を生成してもよい。この場合、直流電力は、後述の整流回路10とインバータ回路30との間の直流リンク部(正ラインPL及び負ラインNL)に入力される。また、電力変換装置1は、電動機Mとは異なる他の負荷装置を駆動してもよい。
電力変換装置1は、整流回路10と、平滑回路20と、インバータ回路30と、電流センサ40と、電圧センサ50と、温度センサ60と、ゲート駆動回路70と、制御回路80と、表示部90とを含む。
整流回路10は、商用電源PSから入力される三相交流電力を整流し、直流電力を出力可能に構成される。整流回路10は、正側及び負側の出力端のそれぞれが正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLを通じて、直流電力を平滑回路20に出力することができる。整流回路10は、例えば、6つの半導体ダイオードSD(パワー半導体素子の一例)(図3参照)を含み、上下アームを構成する2つの半導体ダイオードSDの直列接続体が3組並列接続されるブリッジ型全波整流回路である。
平滑回路20は、整流回路10から出力される直流電力やインバータ回路30から回生される直流電力の脈動を抑制し、平滑化する。
平滑回路20は、例えば、平滑コンデンサ21を含む。
平滑コンデンサ21は、整流回路10やインバータ回路30と並列に、正ラインPL及び負ラインNLを繋ぐ経路に設けられてよい。
平滑コンデンサ21は、適宜、充放電を繰り返しながら、整流回路10から出力される直流電力やインバータ回路30から出力(回生)される直流電力を平滑化する。
平滑コンデンサ21は、一つであってよい。また、平滑コンデンサ21は、複数配置されてもよく、複数の平滑コンデンサ21が正ラインPL及び負ラインNLの間に並列接続されてもよいし、直列接続されてもよい。また、複数の平滑コンデンサ21は、2以上の平滑コンデンサの直列接続体が正ラインPL及び負ラインNLの間に複数並列接続される形で構成されてもよい。
また、平滑回路20は、例えば、リアクトルを含んでもよい。
リアクトルは、整流回路10と平滑コンデンサ21(具体的には、平滑コンデンサ21が配置される経路との分岐点)との間の正ラインPLに設けられてよい。
リアクトルは、適宜、電流の変化を妨げるように電圧を発生させながら、整流回路10から出力される直流電力やインバータ回路30から出力(回生)される直流電力を平滑化する。
インバータ回路30は、その正側及び負側の入力端が正ラインPL及び負ラインNLの他端に接続される。インバータ回路30は、平滑回路20から供給される直流電力を半導体スイッチSW(パワー半導体素子の一例)のスイッチ動作により、所定の周波数や所定の電圧を有する三相交流電力(例えば、U相、V相、及びW相)に変換し電動機Mに出力する。半導体スイッチSWは、例えば、シリコン(Si)製のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であってよい。また、半導体スイッチSWは、例えば、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体素子であってもよい。
インバータ回路30は、例えば、6つの半導体スイッチSWを含み、上下アームを構成する2つの半導体スイッチSWの直列接続体(スイッチレグ)が正ラインPL及び負ラインNLの間に3組並列接続されるブリッジ回路を含む形で構成される。そして、インバータ回路30は、3組の上下アームの接続点から引き出される3本の出力線を通じて、三相交流電力を出力してよい。また、6つの半導体スイッチSWには、それぞれ、環流ダイオードが並列接続されてよい。
以下、整流回路10の半導体ダイオードSDやインバータ回路30の半導体スイッチSW等の電力変換装置1に搭載されるパワー半導体素子を包括的に、或いは、任意の一つを個別に「パワー半導体素子100」と称する場合がある。
電流センサ40は、電力変換装置1の三相(3本)の出力線のそれぞれの電流、即ち、電動機Mの三相のそれぞれの電流を検出する。電流センサ40は、電動機Mの三相のそれぞれの電流値に相当する信号を出力し、電流センサ40の出力信号は、制御回路80に取り込まれる。
電圧センサ50は、電力変換装置1の正ラインPL及び負ラインNLの間の電圧(直流リンク電圧)を検出する。電圧センサ50は、正ラインPL及び負ラインNLの間の電圧値に相当する信号を出力し、電圧センサ50の出力信号は、制御回路80に取り込まれる。
温度センサ60は、パワー半導体素子100の内部温度に関する検出信号を出力する。温度センサ60から出力される検出信号は、制御回路80に取り込まれる。
温度センサ60は、例えば、パワー半導体素子100の内部温度を推定するための温度を検出する。温度センサ60は、例えば、電力変換装置1の筐体やパワー半導体素子100を冷却するための冷却フィン等に搭載され、電力変換装置1の筐体や冷却フィンの温度を検出してよい。
また、温度センサ60は、例えば、パワー半導体素子100の内部温度を直接検出可能な態様であってもよい。
ゲート駆動回路70は、制御回路80の制御下で、インバータ回路30の6つの半導体スイッチSWをスイッチング(ON/OFF)するための駆動信号を6つの半導体スイッチSWのそれぞれのゲート端子に出力する。
制御回路80(寿命診断装置の一例)は、電力変換装置1に関する制御を行う。
制御回路80の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。
制御回路80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置含むコンピュータを中心に構成される。制御回路80は、補助記憶装置にインストールされるプログラムをメモリ装置にロードしCPUに実行させることにより、各種制御を行う。また、制御回路80は、インタフェース装置を通じて、外部の信号を受信したり、外部に信号を出力(送信)したりする。
制御回路80は、例えば、電動機Mが所定の運転条件で動作するように、インバータ回路30を制御する。具体的には、制御回路80は、ゲート駆動回路70に制御信号を出力することで、ゲート駆動回路70を介して、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号等の駆動信号を半導体スイッチSWに出力し、インバータ回路30を制御してよい。
また、制御回路80は、例えば、電力変換装置1に搭載されるパワー半導体素子100の寿命診断機能に関する処理を行う。寿命診断機能の詳細については、後述する。
表示部90は、制御回路80の制御下で、ユーザ(例えば、電動機Mで電気駆動される被駆動機器が設置される工場の作業者等)に向けて電力変換装置1に関する情報を表示する。表示部90は、例えば、警告灯、電光掲示板、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)等を含む。
[パワー半導体素子の寿命診断機能]
次に、図2~図8を参照して、制御回路80によるパワー半導体素子100(半導体ダイオードSD及び半導体スイッチSW等)の寿命診断機能について説明する。
<寿命診断機能の一例>
図2は、パワー半導体素子100の内部構造の一例を示す図である。図3は、寿命診断機能に関する制御回路80の構成の一例を示す機能ブロック図である。図4は、パワー半導体素子100の内部温度(ジャンクション温度Tj)の変化の一例を示す図である。図5は、パワーサイクル特性の一例を示す図である。
尚、図5の縦軸(パワーサイクル寿命)は、対数スケールで表されている。以下、後述の図9、図12の縦軸についても同様である。
図2に示すように、パワー半導体素子100は、例えば、半導体チップ101と、半導体チップ101上に接合されるワイヤ102と、半導体チップ101が載置される絶縁基板103と、絶縁基板103が載置されるベース基板104とを含む。
例えば、半導体スイッチSW等のパワー半導体素子100は、そのON/OFF動作の繰り返しに伴いスイッチング損失が発生し、半導体チップ101が発熱する。また、例えば、パワー半導体素子100は、通電時の内部の抵抗成分による抵抗損失が発生し、半導体チップ101が発熱する。そのため、半導体チップ101の発熱と、その後の冷却に伴う温度の上昇及び下降により構成される温度サイクル(パワーサイクル)の繰り返しによって、絶縁基板103と半導体チップ101との間の接合部(図中の点線部分)や、ワイヤ102と半導体チップ101との間の接合部等には熱疲労が蓄積する。そして、温度サイクルがある程度繰り返され、熱疲労度がある程度蓄積されると、熱応力により絶縁基板103と半導体チップ101との間の接合部や、ワイヤ102と半導体チップ101との間の接合部等が破壊され、パワー半導体素子100は寿命に至る。
そこで、制御回路80は、パワー半導体素子100の動作に伴う温度サイクルの繰り返しを監視することにより、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行う。パワー半導体素子100の寿命に関する診断には、パワー半導体素子100の寿命の予測(例えば寿命到達の有無の判断や残りの寿命、即ち、余寿命の予測等)が含まれる。
制御回路80は、例えば、電力変換装置1に搭載されるパワー半導体素子100のうちの対象のパワー半導体素子100ごとに、その寿命に関する診断を行ってよい。寿命診断の対象のパワー半導体素子100は、電力変換装置1に搭載されるパワー半導体素子100の全部であってもよいし、その一部であってもよい。
図3に示すように、制御回路80は、例えば、温度取得部801と、山谷検出部802と、スタックテーブル803と、波形計数部804と、温度サイクル履歴テーブル805と、寿命データ806と、寿命積算部807と、寿命積算バッファ808とを含む。
温度取得部801は、所定の制御周期ごとに、温度センサ60の出力信号に基づき、パワー半導体素子100の内部温度を取得する。温度取得部801は、例えば、絶縁基板103と半導体チップ101との間の接合部の温度(以下、「ジャンクション温度」)Tjを取得する。
例えば、温度取得部801は、温度センサ60により電力変換装置1の筐体や冷却フィン等の温度が検出される場合、温度センサ60の出力信号に基づき、パワー半導体素子100のジャンクション温度Tjを推定する。即ち、温度取得部801は、温度センサ60の出力信号に基づき、パワー半導体素子100のジャンクション温度Tjの推定値を取得してよい。具体的には、温度取得部801は、電流センサ40及び電圧センサ50の出力信号、パワー半導体素子100の電気的特性(例えば、電気的な抵抗成分の特性)に基づき、パワー半導体素子100の損失を推定してよい。そして、温度取得部801は、推定したパワー半導体素子100の損失、温度センサ60により検出される筐体や冷却フィン等の温度、及びパワー半導体素子100と筐体や冷却フィン等との間の熱抵抗等に基づき、ジャンクション温度Tjを推定してよい。パワー半導体素子100の電気的特性やパワー半導体素子100と筐体や冷却フィン等との間の熱抵抗等は、例えば、実験やシミュレーション等を通じて予め特定され、これらに関するデータは、制御回路80の補助記憶装置等に予め格納されてよい。
また、例えば、温度取得部801は、温度センサ60によりパワー半導体素子100の内部温度が直接検出される場合、温度センサ60の出力信号から、直接、ジャンクション温度Tjの検出値を取得する。
山谷検出部802は、温度取得部801により逐次取得されるジャンクション温度Tjに基づき、ジャンクション温度Tjの時間変化におけるピーク部分(山或いは谷)を検出する。
例えば、図4に示すように、パワー半導体素子100のジャンクション温度Tjは、パワー半導体素子100の動作状態に応じて、時間変化する。具体的には、上述の如く、パワー半導体素子100に損失が発生すると、ジャンクション温度Tjが上昇し、その後、パワー半導体素子100の損失の無い状態に移行すると、ジャンクション温度Tjが下降する。そして、パワー半導体素子100の動作に伴って、パワー半導体素子100のジャンクション温度Tjの上昇及び下降が繰り返されることで、ジャンクション温度Tjの時間変化には、山(図中の梨地の矢印の部分)と谷(図中の白抜き矢印の部分)とが生じる。山谷検出部802は、ジャンクション温度Tjの時間変化に生じるこのようなピーク部分を検出する。
具体的には、山谷検出部802は、温度取得部801により逐次取得されるジャンクション温度Tjの時間変化を監視し、ジャンクション温度Tjの上昇から下降への変化点(山)或いは下降から上昇への変化点(谷)を検出する。
スタックテーブル803は、例えば、制御回路80のメモリ装置や補助記憶装置に格納される。スタックテーブル803には、山谷検出部802により検出されたピーク部分(山或いは谷)のジャンクション温度Tjの値(以下、「ピーク値」)が時系列で記録される。
波形計数部804(温度サイクル検出部の一例)は、スタックテーブル803に時系列で記録される、ジャンクション温度Tjのピーク値に基づき、パワー半導体素子100の温度サイクル(パワーサイクル)を計数(検出)する。例えば、波形計数部804は、スタックテーブル803が更新されるごとに、パワー半導体素子100の温度サイクルを計数(検出)する処理を実行してよい。
波形計数部804は、スタックテーブル803のデータに対して、既知の手法(例えば、極大極小法、最大値最小値法、振幅法、レベルクロッシング法、レンジペア法、レインフロー法等)を任意に適用し、パワー半導体素子100の温度サイクルを計数してよい。波形計数部804は、検出した温度サイクルにおけるジャンクション温度Tjの変化幅(振幅)(以下、「サイクル温度差」)ΔTjを出力する。
温度サイクル履歴テーブル805は、例えば、制御回路80のメモリ装置や補助記憶装置等に格納される。温度サイクル履歴テーブル805には、波形計数部804により検出された温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjの履歴が時系列で記録されてよい。
寿命データ806は、例えば、制御回路80の補助記憶装置等に格納され、メモリ装置に読み出されて利用される。寿命データ806は、パワー半導体素子100の寿命を予測するために必要なデータである。寿命データ806には、例えば、パワーサイクル特性データ(特性データの一例)が含まれる。パワーサイクル特性データは、パワー半導体素子100のサイクル温度差ΔTjとその寿命に相当するパワーサイクル(温度サイクル)の回数(以下、「パワーサイクル寿命」)との対応関係(以下、「パワーサイクル特性」)を表すデータである。パワーサイクル寿命は、一定のサイクル温度差ΔTjのパワーサイクルが繰り返される場合にパワー半導体素子100が寿命に至るまでのパワーサイクル(温度サイクル)の回数に相当する。
例えば、図5に示すように、パワー半導体素子100のパワーサイクル寿命は、サイクル温度差ΔTjが相対的に小さい場合、相対的に大きく、サイクル温度差ΔTjが大きくなるにつれて、指数的に小さくなる。
尚、寿命データ806は、電力変換装置1の外部で生成されたデータが制御回路80に登録される態様であってよい。また、寿命データ806は、例えば、パワー半導体素子100のパワーサイクル試験により得られた実際のパワーサイクル特性のデータに基づき、制御回路80が生成してもよい。パワー半導体素子100のパワーサイクル試験は、パワー半導体素子100のメーカ或いはユーザにより実施される。
図3に戻り、寿命積算部807(寿命診断部の一例)は、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行う。具体的には、寿命積算部807は、温度サイクル履歴テーブル805及び寿命データ806に基づき、マイナー則(線形累積損傷則)を適用する。そして、寿命積算部807は、パワー半導体素子100の温度サイクルごとの熱疲労度合いを積算することにより、パワー半導体素子100の寿命に関する予測を行う。
寿命積算部807は、例えば、サイクル温度差ΔTjの対象範囲を所定の温度刻み(例えば、1℃刻み)で所定数(k;2以上の整数)に区分した温度区分ΔT(i=1~k)ごとの温度サイクルの発生回数niに基づき、累積損傷値Dを算出してよい。累積損傷値Dは、寿命データ806から特定される、温度区分ΔTごとのパワーサイクル寿命Nを用いて、以下の式(1)で表される。
Figure 2022077373000002
累積損傷値Dは、1より小さい範囲で1に近づくほど寿命が相対的に近いことを表し、1以上に到達すると、パワー半導体素子100が寿命に到達したことを表す。
寿命積算部807は、例えば、所定のタイミング(例えば、電力変換装置1の電源ON時や電源OFF時等)で、累積損傷値Dを算出し、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行ってよい。また、寿命積算部807は、例えば、ユーザからの入力に応じて、手動で、累積損傷値Dを算出し、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行ってもよい。この際、寿命積算部807は、前回算出した累積損傷値D(前回値)に対して、新たに温度サイクル履歴テーブル805に追加された温度サイクルのデータに対応する追加の損傷値を積算することにより、今回の累積損傷値Dを算出してよい。
寿命積算部807は、例えば、累積損傷値Dが1以下の所定閾値(以下、「第1の閾値」)以上に到達した場合、パワー半導体素子100が寿命に到達したと判断してよい。そして、寿命積算部807は、表示部90を通じて、その旨を示すアラートをユーザに対して通知してよい。また、寿命積算部807は、例えば、累積損傷値Dが第1の閾値未満の所定閾値(以下、「第2の閾値」)以上になった場合、パワー半導体素子100の寿命が近く、故障が発生する可能性が高いと判断してもよい。そして、寿命積算部807は、表示部90等を通じて、寿命到達前の事前アラートをユーザに対して通知してもよい。第1の閾値は、例えば、1に相対的に近い値(例えば、0.95等)に設定される。また、第2の閾値が複数段階で設定され、複数段階の第2の閾値が大きくなるほど、寿命到達前の事前アラートのレベルが引き上げられる態様であってもよい。
寿命積算バッファ808は、例えば、メモリ装置や補助記憶装置等に格納される。寿命積算バッファ808には、寿命積算部807により算出される、パワー半導体素子100の寿命の診断結果に関するデータが時系列で記憶される。具体的には、寿命積算バッファ808には、寿命積算部807により算出される累積損傷値Dの履歴が格納される。これにより、寿命積算部807は、累積損傷値Dの前回値を起点として、最新の累積損傷値Dを算出することができる。
このように、本例では、制御回路80は、温度サイクル履歴テーブル805の温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjの履歴に基づき、累積損傷値Dを算出し、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。
また、本例では、制御回路80は、温度サイクル履歴テーブル805を用いることにより、任意のタイミングで、パワー半導体素子100の寿命に関する診断の処理を行うことができる。そのため、制御回路80は、例えば、電力変換装置1の電源ON時や電源OFF時等の電力変換装置1の動作に影響が少ないタイミングを選択的に利用して、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。
<寿命診断機能の他の例>
図6は、寿命診断機能に関する制御回路80の構成の他の例を示す機能ブロック図である。図7は、サイクル温度差ΔTjとパワーサイクル寿命及び換算サイクル数Fとの関係の一例を示す図である。図8は、サイクル温度差ΔTjと換算サイクル数Fとの関係の一例を示す図である。
図6に示すように、本例では、制御回路80は、例えば、温度取得部801と、山谷検出部802と、スタックテーブル803と、波形計数部804と、寿命データ806と、寿命積算部807と、寿命積算バッファ808とを含む。つまり、本例では、上述の一例と異なり、温度サイクル履歴テーブル805が省略される。以下、上述の一例(図3)と異なる部分を中心に説明し、上述の一例と同じ或いは対応する説明を簡略化或いは省略する場合がある。
寿命積算部807は、上述の一例の場合と同様、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行う。具体的には、寿命積算部807は、波形計数部804から出力される、温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTj及び寿命データ806に基づき、マイナー則を適用する。そして、寿命積算部807は、パワー半導体素子100の温度サイクルごとの熱疲労度合いを積算することにより、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行う。
寿命積算部807は、例えば、波形計数部804から最新の温度サイクルのサイクル温度差ΔTjが出力されるたびに、その温度サイクルによるパワー半導体素子100の熱疲労度合いを表す指標値を算出する。具体的には、寿命積算部807は、対象の温度サイクルが、サイクル温度差ΔTjが所定の基準値であるときの温度サイクル(以下、「基準サイクル」)の何回分に換算されるかを表す指標値(以下、「換算サイクル数」)Fを算出する。基準値は、例えば、サイクル温度差ΔTjの対象範囲の最小値(例えば、20℃)であってよい。換算サイクル数Fは、寿命データ806から特定される、対象の温度サイクルのサイクル温度差ΔTjに対応するパワーサイクル寿命N、及びサイクル温度差ΔTjが基準値であるときのパワーサイクル寿命(以下、「基準パワーサイクル寿命」)NCRTを用いて、以下の式(2)で表される。
Figure 2022077373000003
例えば、上述の図5のパワーサイクル特性を前提にすると、サイクル温度差ΔTjが20℃のときを基準とする換算サイクル数Fは、図7、図8のように表される。この場合、基準パワーサイクル寿命NCRTは、サイクル温度差ΔTjが20℃のときのパワーサイクル寿命(=16,000,000,000)に相当する。
図7、図8に示すように、パワーサイクル寿命と逆に、サイクル温度差ΔTjが大きくなるほど、指数的に増加する。これにより、換算サイクル数Fは、サイクル温度差ΔTjが大きくなるほど熱疲労度合いが増加する態様を適切に表現することができる。
寿命積算部807は、波形計数部804から最新の温度サイクルに対応する換算サイクル数Fを算出し、前回までの換算サイクル数Fの積算値に加算する態様で、換算サイクル数Fの積算値を算出する。
換算サイクル数Fの積算値は、基準パワーサイクル寿命NCRTに近づくほど寿命が相対的に近いことを表し、換算サイクル数Fの積算値が基準パワーサイクル寿命NCRT以上に到達すると、パワー半導体素子100が寿命に到達したことを表す。
寿命積算部807は、例えば、換算サイクル数Fの積算値が基準パワーサイクル寿命NCRT以下に設定される所定閾値(以下、「第3の閾値」)以上に到達した場合、パワー半導体素子100が寿命に到達したと判断してよい。そして、寿命積算部807は、表示部90を通じて、その旨を示すアラートをユーザに対して通知してよい。また、寿命積算部807は、例えば、換算サイクル数Fの積算値が第3の閾値未満の所定閾値(以下、「第4の閾値」)以上になった場合、パワー半導体素子100の寿命が近く、故障が発生する可能性が高いと判断してもよい。そして、寿命積算部807は、表示部90等を通じて、寿命到達前の事前アラートをユーザに対して通知してもよい。第3の閾値は、例えば、基準パワーサイクル寿命NCRT、或いは、パワーサイクル寿命NCRT未満の範囲で相対的に大きい値(例えば、基準パワーサイクル寿命NCRTに0.95を乗じた値等)に設定される。また、上述の一例の第2の閾値の場合と同様、第4の閾値が複数段階で設定され、複数段階の第4の閾値が大きくなるほど、寿命到達前の事前アラートのレベルが引き上げられる態様であってもよい。
寿命積算バッファ808には、寿命積算部807により算出される換算サイクル数Fの積算値が格納される。これにより、寿命積算部807は、前回までの換算サイクル数Fの積算値を起点として、最新の換算サイクル数Fの積算値を算出することができる。
このように、本例では、制御回路80は、波形計数部804から最新の温度サイクルのサイクル温度差ΔTjが出力されるたびに、換算サイクル数Fを算出し、換算サイクル数Fの積算値に基づき、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。
また、本例では、制御回路80は、波形計数部804からの最新の温度サイクルのサイクル温度差ΔTjの出力に合わせて、リアルタイムに、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。そのため、制御回路80は、温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjの保持のためのメモリ消費を抑制することができる。
[パワーサイクル特性データの詳細]
次に、図9~図12を参照して、パワーサイクル特性データの詳細について具体的に説明する。
図9は、パワーサイクル特性の近似曲線の一例を示す図である。図10は、サイクル温度差ΔTjと読み替え値xとの関係の一例を示す図である。図11は、読み替え値xとパワーサイクル寿命N及び換算サイクル数Fとの関係を示す図である。図12は、実特性データ(折れ線データ)及び近似曲線データの組み合わせによるパワーサイクル特性の近似方法の一例を示す図である。
本実施形態では、パワーサイクル特性データは、対象のサイクル温度差ΔTjの範囲の一部又は全部において、パワー半導体素子100の実際のパワーサイクル特性に対する近似曲線に相当する数式、即ち、曲線近似式で表される。パワーサイクル特性データを近似曲線で表すための近似方法は、実際のパワーサイクル特性との乖離度合いが、パワー半導体素子100の寿命診断の精度に対する必要条件を満足する限り、任意に選択されてよい。例えば、指数近似、対数近似、多項式近似、累乗近似等の既知の曲線近似方法が選択されうる。また、パワーサイクル特性を表す曲線をサイクル温度差ΔTjの区間ごとに折れ線で近似する線形近似が選択されてもよい。これにより、例えば、パワーサイクル特性データが、サイクル温度差ΔTjの値とその値のときのパワーサイクル寿命Nとの組み合わせの集合体、即ち、座標点群として表現される場合に比してデータ量を相対的に小さく抑制することができる。
例えば、パワーサイクル特性データは、実際のパワーサイクル特性に対する累乗近似により、係数a,bを用いて、以下の式(3)で表される。
Figure 2022077373000004
この場合、例えば、上述の図5のパワーサイクル特性を前提にしたときの累乗近似による近似曲線は、図9のように表される。曲線フィッティングによって、係数a,bは、適宜設定されうる。これにより、例えば、累乗近似の数式(累乗関数)は、寿命積算部807に相当するプログラムの内部に規定され、パワーサイクル特性データは、係数a,bに相当する数値のみに集約される。そのため、パワーサイクル特性データのデータ量を小さく抑制することができる。
制御回路80は、例えば、温度区分ΔTの境界値や中央値を代表値として設定する。これにより、制御回路80は、温度サイクル履歴テーブル805に基づき、式(3)を用いて、温度区分ΔTの代表値に対応するパワーサイクル寿命Nを、温度区分ΔTに対応するパワーサイクル寿命Nとして算出することができる。そのため、制御回路80は、算出したパワーサイクル寿命Nに基づき、累積損傷値Dを算出し、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。
また、制御回路80(寿命積算部807)は、例えば、式(3)を用いて、波形計数部804により検出される温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjに対応するパワーサイクル寿命Nを算出することができる。例えば、寿命積算部807は、以下の式(4)に示すように、式(3)を適用することにより、換算サイクル数Fを算出し、換算サイクル数Fの積算値からパワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。
Figure 2022077373000005
また、制御回路80は、サイクル温度差ΔTjの対象範囲を、サイクル温度差ΔTjが基準値のときの数値が1になるような数値範囲に読み替えてもよい。
例えば、図10に示すように、サイクル温度差ΔTjの対象範囲(20℃~100℃)を、対象範囲の基準値(20℃)が1になり、10℃の間隔が1の間隔になるような数値範囲(1~9)に読み替えた読み替え値xが設定されてよい。
この場合、式(3),(4)は、係数α、βを用いて、以下の式(5),(6)に置換される。
Figure 2022077373000006
Figure 2022077373000007
読み替え値xが1のとき、式(5)の右辺は、係数αのみで表される。また、図11に示すように、読み替え値xが1のときの換算サイクル数Fは1であり、そのときのパワーサイクル寿命Nは、基準パワーサイクル寿命NCRTに相当する。その結果、係数αは、基準パワーサイクル寿命NCRTと等しくなる(α=NCRT)。そのため、パワー半導体素子100の寿命に関する診断のために必要な基準パワーサイクル寿命NCRTと累乗近似式の係数αとを共用する形で同じデータに集約させることができる。よって、制御回路80は、パワーサイクル特性データ及び基準パワーサイクル寿命NCRTのデータを含む寿命データ806のデータ量を更に小さく抑制することができる。
また、パワーサイクル特性データは、一つの曲線近似式ではなく、サイクル温度差ΔTjの対象範囲を区分する複数の区間ごとの複数の曲線近似式により表されてもよい。これにより、パワーサイクル特性データの近似曲線と実際のパワーサイクル特性との乖離度合いを抑制し、パワー半導体素子100の寿命診断の精度を向上させることができる。
また、パワーサイクル特性データは、サイクル温度差ΔTjの対象範囲の一部において、曲線近似式で表され、残りの範囲において、実際のパワーサイクル特性により表されてもよい。
例えば、図12に示すように、発生頻度が相対的に高い、読み替え値xが1~4の範囲(サイクル温度差ΔTjが20℃~50℃の範囲)では、パワーサイクル特性データは、実際のパワーサイクル特性で表される。これにより、発生頻度が相対的に高い、サイクル温度差ΔTjの範囲では、パワー半導体素子100の寿命診断の精度が優先される。具体的には、読み替え値xの1~4の範囲のパワー特性データは、読み替え値1,2,3,4のそれぞれに対応する実際のパワーサイクル寿命の値を折れ線で補間する態様で規定される。
一方、発生頻度が相対的に低い、読み替え値xの1~4以外の範囲(サイクル温度差ΔTjの20℃~50℃以外の範囲)では、パワーサイクル特性データは、曲線近似式で表される。これにより、発生頻度が相対的に低い、サイクル温度差ΔTjの範囲では、パワーサイクル特性データのデータ量の抑制が優先される。
よって、制御回路80は、パワー半導体素子100の寿命診断の精度と、パワーサイクル特性データのデータ量の抑制とのバランスを図ることができる。
また、パワーサイクル特性データは、そのサイクル温度差ΔTjの対象範囲が、パワー半導体素子100の実際のパワーサイクル特性のデータのサイクル温度差ΔTjの範囲外の範囲を含んでもよい。この場合、パワー半導体素子100のパワーサイクル試験によるパワーサイクル特性のデータが得られていないサイクル温度差ΔTjの範囲を曲線近似式で表すことができる。そのため、制御回路80は、修正マイナー則を適用し、実際のパワーサイクル特性のデータのサイクル温度差ΔTjの範囲外のサイクル温度差ΔTjが発生する場合についても、その熱疲労度合いを推定し、寿命に関する診断に反映させることができる。よって、制御回路80は、パワー半導体素子100の寿命に関する診断の精度を向上させることができる。
[その他の実施形態]
次に、その他の実施形態について説明する。
上述の実施形態には、適宜、変形や変更が加えられてよい。
例えば、換算サイクル数Fを算出する際のサイクル温度差ΔTjの基準値は、サイクル温度差の対象範囲の最小値(例えば、20℃)ではなく、中間値(例えば、50℃)や最大値(例えば、100℃)であってもよい。
また、上述の異常診断機能の一例(図3)では、制御回路80は、累積損傷値Dを算出する代わりに、換算サイクル数Fを算出し、換算サイクル数Fの積算値を用いて、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行ってもよい。
また、例えば、上述の異常診断機能の他の例(図6)では、制御回路80は、パワーサイクル特性データとしての曲線近似式を直接計算する代わりに、曲線近似式を離散化したテーブルデータを用いて、曲線近似式に相当する値を取得してもよい。これにより、制御回路80は、処理負荷を軽減することができる。具体的には、制御回路80は、電力変換装置1の電源ON時(起動時)に、予め曲線近似式を離散化したテーブルデータを作成する処理を行うと共に、テーブルデータに基づき線形補間等を利用することで、曲線近似式に相当する値を取得してよい。これにより、補助記憶装置等の不揮発性のメモリの消費量を抑制しつつ、数式(曲線近似式)の演算に伴う制御回路80の処理負荷の増大を抑制することができる。
また、例えば、上述の実施形態では、制御回路80の機能は、複数の制御回路により実現されてもよい。例えば、制御回路80は、インバータ回路30を制御する機能等、電力変換装置1の動作を制御する機能を実現する制御回路、及び電力変換装置1のパワー半導体素子100の寿命診断機能を実現する制御回路等を含む複数の制御回路に置換されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態では、電力変換装置1に搭載されるパワー半導体素子100の寿命診断機能は、制御回路80に代えて、電力変換装置1(制御回路80)と通信可能な所定の外部装置(寿命診断装置の一例)に移管されてもよい。所定の外部装置は、例えば、サーバ装置である。サーバ装置は、例えば、電動機Mの駆動対象の機器が設置される工場の外部に設置される管理センタ等のクラウドサーバであってよい。また、サーバ装置は、例えば、電動機Mの駆動対象の機器が設置される工場の敷地内、或いは、工場から相対的に近い位置にある通信施設(例えば、基地局や局舎等)に設けられるエッジサーバであってもよい。また、所定の外部装置は、例えば、電力変換装置1のユーザが利用する端末装置(ユーザ端末)である。端末装置は、例えば、電動機Mの駆動対象の機器が設置される工場の管理室等に設置される、デスクトップ型のコンピュータ端末等の定置型の端末装置であってよい。また、端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ端末等の可搬型の端末装置(携帯端末)であってもよい。
また、例えば、上述の寿命診断機能は、電力変換装置1に搭載されるパワー半導体素子100の寿命診断に適用されるが、パワー半導体素子が搭載される他の半導体装置の寿命診断に適用されてもよい。
[作用]
次に、本実施形態に係る制御回路80の寿命診断機能に関する作用について説明する。
本実施形態では、制御回路80は、温度取得部801と、波形計数部804と、寿命積算部807とを備える。具体的には、温度取得部801は、半導体装置に搭載されるパワー半導体素子100の内部の温度を取得する。また、波形計数部804は、温度取得部801により取得される温度の変化に基づき、パワー半導体素子100の動作に伴う温度の上昇及び下降で構成される温度サイクルを検出する。また、寿命積算部807は、パワーサイクル特性データ、及び波形計数部804により検出される温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjに基づき、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行う。そして、パワーサイクル特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される。
例えば、パワーサイクル試験で得られる実特性のデータのように、パワーサイクル特性データを、サイクル温度差ΔTjの値とその値に対応するパワーサイクル寿命との組み合わせの集合体として表現すると、データ量が相対的に大きくなる可能性がある。特に、パワーサイクル特性におけるサイクル温度差ΔTjとパワーサイクル寿命との関係が非線形であることから、ある程度の精度を確保するには、サイクル温度差ΔTjの値とその値に対応するパワーサイクル寿命との組み合わせを多数保有する必要がある。そのため、パワーサイクル特性データのデータ量は、更に大きくなる可能性がある。よって、対象のパワー半導体素子の寿命に関する診断を行うためのパワーサイクル特性データのデータ量が増大し、予め準備される記憶領域に収容できない可能性がある。
また、例えば、電力変換装置1等の半導体装置には、複数の種類のパワー半導体素子が搭載される場合がある。また、同装置内の同じ種類のパワー半導体素子であっても、使用条件が異なる場合がある。そのため、半導体装置には、パワー半導体素子の種類や使用条件等に応じた複数のパワーサイクル特性データが格納される場合がある。よって、対象のパワー半導体素子の寿命に関する診断を行うためのパワーサイクル特性データのデータ量が増大し、予め準備される記憶領域に収容できない可能性がある。
また、例えば、パワー半導体素子のメーカやそのユーザにより実施されるパワーサイクル試験により得られる実特性のデータは、特定のサイクル温度差ΔTjの範囲(例えば、20℃~100℃等)に限定されている場合がある。この場合、修正マイナー則の適用にあたり、その特定の範囲外のサイクル温度差ΔTjの影響を寿命の予測に織り込む必要が生じうる。そのため、実特性データではカバーされない範囲のデータの補間によって、パワーサイクル特性データのデータ量が増加し、予め準備される記憶領域に収容できない可能性がある。
これに対して、本実施形態では、制御回路80は、所定の曲線に相当する数式によって表されるパワーサイクル特性データを使用する。そのため、制御回路80は、例えば、プログラムに数式の形式が規定されることで、パワーサイクル特性データとして、その数式の係数の値を表すデータを保持するだけでよく、パワーサイクル特性データのデータ量を相対的に小さく抑制することができる。
また、例えば、上述の如く、パワーサイクル特性におけるサイクル温度差ΔTjとパワーサイクル寿命との関係は、非線形である。そのため、修正マイナー則の適用にあたり、実特性データでカバーされない、サイクル温度差ΔTjの範囲を線形補間すると、実際のパワーサイクル特性との乖離が相対的に大きくなり、結果として、パワー半導体素子の寿命に関する診断の精度が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、パワーサイクル特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される。そのため、制御回路80は、所定の曲線に相当する数式を用いることで、線形補間を行う場合等よりも、実特性データでカバーされない範囲について、実際のパワーサイクル特性との乖離を相対的に小さく抑制することができる。
また、本実施形態では、パワーサイクル特性を表す数式は、温度サイクルにおけるサイクル温度差ΔTjとパワー半導体素子100の寿命との実際の対応関係を表す実特性データに基づく曲線近似式であってよい。
これにより、制御回路80は、パワーサイクル試験に基づく実特性のデータに沿ったパワーサイクル特性データを用いて、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、パワーサイクル特性データにおける数式が適用されるサイクル温度差ΔTjの対象範囲は、実特性データにおけるサイクル温度差ΔTjの範囲外を含んでよい。
これにより、制御回路80は、修正マイナー則に基づき、実特性データではカバーされないサイクル温度差ΔTjの範囲を数式により補間し、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。そのため、制御回路80は、パワー半導体素子100の寿命に関する診断の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、パワーサイクル特性を表す数式は、累乗関数(例えば、実特性データに基づく累乗近似式)で表されてよい。
これにより、パワーサイクル特性データは、パワーサイクル特性を表す累乗関数の2つの係数の値に集約される。そのため、制御回路80は、パワーサイクル特性データのデータ量を更に小さく抑制することができる。
また、本実施形態では、パワーサイクル特性データは、サイクル温度差ΔTjの対象範囲が、サイクル温度差ΔTjが所定値(例えば、20℃)のときの数値が1になるような数値範囲に置き換えられる形で表現されてよい。そして、寿命積算部807は、パワーサイクル特性データ、及び波形計数部804により検出される温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjを上記の数値範囲に置き換えた数値に基づき、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行ってよい。
これにより、パワーサイクル特性が累乗関数で表される場合、サイクル温度差ΔTjが所定値のときのパワー半導体素子100のパワーサイクル寿命は、累乗関数の累乗部分を除く係数部分の値になる。そのため、例えば、所定値のときのパワーサイクル寿命を基準にして、パワー半導体素子100の寿命を予測する場合、累乗関数の係数の値と、パワー半導体素子100の寿命診断のための閾値(即ち、所定値のときのパワーサイクル寿命)とが同じ値になる。よって、制御回路80は、累乗関数の係数の値と、パワー半導体素子100の寿命診断のための閾値とを共用することで、パワー半導体素子100の寿命診断のために必要なデータのデータ量を更に小さく抑制することができる。
また、本実施形態では、パワーサイクル特性データは、サイクル温度差ΔTjの対象範囲のうちの一部の範囲において、数式で表されてよい。
これにより、制御回路80は、例えば、サイクル温度差ΔTjの対象範囲のうち、発生頻度が高い範囲では、診断の精度を優先して実特性データを利用し、発生頻度が相対的に低い範囲では、データ量の削減を優先して数式を利用することができる。そのため、制御回路80は、パワー半導体素子100の寿命診断に関する必要な精度の確保と、パワー半導体素子100の寿命診断に必要なデータのデータ量の削減との両立を図ることができる。
また、本実施形態では、寿命積算部807は、波形計数部804により検出される温度サイクルごとに、パワーサイクル特性データに基づき、温度サイクルのサイクル温度差ΔTjに応じたパワー半導体素子100の熱疲労度合いを表す指標値を算出してよい。そして、寿命積算部807は、その指標値を積算することにより、パワー半導体素子100の寿命を予測してよい。
これにより、制御回路80は、温度サイクルごとのサイクル温度差ΔTjの値を保持することなく、リアルタイムにパワー半導体素子100の熱疲労度合いを表す指標値(例えば、換算サイクル数F)を算出することができる。その結果、制御回路80は、その指標値を逐次積算することで、パワー半導体素子100の寿命に関する診断を行うことができる。そのため、制御回路80は、パワー半導体素子100の寿命診断のためのメモリの消費量を抑制することができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 電力変換装置(半導体装置)
10 整流回路
20 平滑回路
30 インバータ回路
40 電流センサ
50 電圧センサ
60 温度センサ
70 ゲート駆動回路
80 制御回路(寿命診断装置)
100 パワー半導体素子
801 温度取得部
802 山谷検出部
803 スタックテーブル
804 波形計数部(温度サイクル検出部)
805 温度サイクル履歴テーブル
806 寿命データ
807 寿命積算部(寿命診断部)
808 寿命積算バッファ
M 電動機
PS 商用電源

Claims (9)

  1. 半導体装置に搭載されるパワー半導体素子の内部の温度を取得する温度取得部と、
    前記温度取得部により取得される温度の変化に基づき、前記パワー半導体素子の動作に伴う前記温度の上昇及び下降で構成される温度サイクルを検出する温度サイクル検出部と、
    前記温度サイクルで生じる前記温度の上昇及び下降の変化幅に相当する温度差と前記パワー半導体素子の寿命との対応関係を示す特性データ、及び前記温度サイクル検出部により検出される前記温度サイクルごとの前記温度差に基づき、前記パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う寿命診断部と、を備え、
    前記特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される、
    寿命診断装置。
  2. 前記数式は、前記温度サイクルにおける前記温度差と前記パワー半導体素子の寿命との実際の対応関係を表す実特性データに基づく曲線近似式である、
    請求項1に記載の寿命診断装置。
  3. 前記特性データにおける前記数式が適用される前記温度差の対象範囲は、前記実特性データにおける前記温度差の範囲外を含む、
    請求項2に記載の寿命診断装置。
  4. 前記数式は、累乗関数で表される、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の寿命診断装置。
  5. 前記特性データは、前記温度差の対象範囲が、前記温度差が所定値のときの数値が1になるような数値範囲に置き換えられる形で表現され、
    前記寿命診断部は、前記特性データ、及び前記温度サイクル検出部により検出される前記温度サイクルごとの前記温度差を前記数値範囲に置き換えた数値に基づき、前記寿命に関する診断を行う、
    請求項4に記載の寿命診断装置。
  6. 前記特性データは、前記温度差の対象範囲のうちの一部の範囲において、前記数式で表される、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の寿命診断装置。
  7. 前記寿命診断部は、前記温度サイクル検出部により検出される前記温度サイクルごとに、前記特性データに基づき、前記温度サイクルの前記温度差に応じた前記パワー半導体素子の熱疲労度合いを表す指標値を算出し積算することにより、前記寿命に関する診断を行う、
    請求項6に記載の寿命診断装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の寿命診断装置を備える、
    半導体装置。
  9. 寿命診断装置により実行される寿命診断方法であって、
    半導体装置に搭載されるパワー半導体素子の内部の温度を取得する温度取得ステップと、
    前記温度取得ステップで取得される温度の変化に基づき、前記パワー半導体素子の動作に伴う前記温度の上昇及び下降で構成される温度サイクルを検出する温度サイクル検出ステップと、
    前記温度サイクルで生じる前記温度の上昇及び下降の変化幅に相当する温度差と前記パワー半導体素子の寿命との対応関係を示す特性データ、及び前記温度サイクル検出ステップで検出される前記温度サイクルごとの前記温度差に基づき、前記パワー半導体素子の寿命に関する診断を行う寿命診断ステップと、を含み、
    前記特性データは、所定の曲線に相当する数式によって表される、
    寿命診断方法。
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