JP2010142074A - 電力変換器制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換器制御装置において、より有効にスイッチング素子の耐久性を向上させるとともに、電力変換効率を向上させることである。
【解決手段】電力変換器制御装置10は、インバータ14と、デッドタイムを設定し、インバータ14を制御するモータ制御部18とを備える。モータ制御部18は、インバータ14のIGBTの駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、IGBTの駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、IGBTの温度が高くなるのにしたがって大きくなる単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップ記憶するマップ記憶手段52と、マップ記憶手段52に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性と、IGBTの推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、デッドタイムを補正する補正手段58とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電源の正極側と負極側との間に設けられ、入力電力を直流電力と交流電力との間で変換して出力する電力変換器であって、互いに直列に接続される正極側の上側スイッチング素子及び負極側の下側スイッチング素子を含む電力変換器と、電力変換器を制御する制御部とを備える電力変換器制御装置に関する。
従来から、例えば、電気自動車またはハイブリッド車等の回転電機であるモータを搭載した電動車両に設けるモータ駆動制御装置において、直流電源とモータとの間に電力変換器であるインバータと、インバータ制御部とを設け、インバータによりモータに駆動用信号であるモータ電流を送り、モータを駆動することが知られている。インバータは、直流電源からの直流電力をトルク指令値に応じて決定された交流電力に変換し、モータにモータ電流を送る。また、インバータ制御部は、インバータにモータ電流を生成するための制御信号を送り、インバータを制御する。また、インバータは、モータの回転による回生電力を、交流電力から直流電力に変換し、直流電源である蓄電部に供給する場合もある。
このようなモータ駆動制御装置では、インバータは、IGBT等の複数のスイッチングを備える。例えば、モータのU相、V相、W相の3相に対応して、合計6個のスイッチング素子を設け、各相毎に直流電源の正極側の上側スイッチング素子と、直流電源の負極側の下側スイッチング素子とを直列に接続することが行われる。各相の上側、下側両側スイッチング素子の間は、モータの各相のコイルに接続する。
また、従来から、複数のスイッチング素子であるパワー半導体を利用したアーム構成の電力変換器において、上側スイッチング素子と下側スイッチング素子とが同時にオンされることによる、上側、下側両側のスイッチング素子の貫通電流の発生を防止するため、電力変換器を駆動する回路側にデッドタイムと呼ばれる、一定の休止時間を設定することが考えられる。デッドタイムは、両側のスイッチング素子で同時に休止される時間である。
特許文献1には、モータの各相毎に対応して設けられた回路の電流を検出するための電流検出手段と、電源からの電流が流れていないはずである所定のタイミングで電流を検出するCPUと、CPUにより検出した電流値Idの絶対値が予め記憶された電流値I0未満である場合に貫通電流が流れていないとしてデッドタイムを所定時間だけ短縮し、CPUにより検出した電流値Idの絶対値が予め記憶された電流値I0以上である場合に貫通電流が流れているとしてデッドタイムを所定時間だけ延長するモータ制御装置が記載されている。
また、特許文献2には、トランジスタT1ないしT4の所定時間tn当たりの変化量TRn+1−TRnがトランジスタ温度変化基準値を上回るか、およびトランジスタT1ないしT4の温度であるトランジスタ温度TRn+1,TRnがいずれもトランジスタ温度基準値を上回るかが判断され、いずれかが肯定の場合には、デッドタイムの一部の時間である第1デッドタイムを所定の微小単位時間だけ延長するインバータ装置が記載されている。
また、特許文献3には、インバータ部の直流電流を検出する電流検出回路からの検出信号を受けて、検出信号中に3対のトランジスタのうちいずれか一対が同時にオンになったことを示す短絡スパイク電流があるか否かを検知して、短絡スパイク電流がある場合に検知信号を出力する検知部を設ける制御回路が記載されている。また制御回路に、各一対のベースドライブ信号間のデッドタイムに対応する休止時間の初期値を算出し、算出した初期値に休止時間を設定する手段と、検知部からの検知信号がないとき休止時間を初期値から一定値ずつ減少させて最短休止時間に休止時間を設定する手段とを設けている。
また、特許文献4には、インバータ回路のパワートランジスタのケースに素子温度を検出する温度センサを設けるとともに、マイコンのインバータ制御回路にパワートランジスタの通電を制御する短絡防止タイマを設ける一方、予め素子のスイッチング特性から求めたデータテーブルから素子温度に対応するデッドタイムに対応する短絡防止時間を求めて短絡防止タイマを制御するようにしてなるインバータ制御装置が記載されている。
特開2003−324928号公報 特開2003−33048号公報 特開平3−222677号公報 特開平4−372586号公報
上記のように、特許文献1から特許文献4に記載の従来技術では、デッドタイムを設定しているが、デッドタイムでは、上側、下側スイッチング素子の両方が完全にオフ状態となるため、デッドタイムが長くなると、モータ制御装置またはインバータの電力変換機能が低下する要因となる。また、デッドタイムは、想定される全部の公差を考慮して設定することが考えられる。ここで、全部の公差としては、例えば、上側、下側両側スイッチング素子の一方がオン状態にあり、制御部でオフ指令の出力が決定された場合の、実際にスイッチング素子がオンからオフに切り替わるターンオフに移行するまでの、遅延時間、すなわち全ターンオフ遅延時間のばらつきがある。このばらつきは、一般的に、制御部であるECUのオフ指令出力決定からカプラ側に信号が出力されるまでのECU遅延ばらつきや、カプラによる信号の遅延ばらつきや、インバータを駆動するためのドライブ回路での遅延ばらつきや、インバータのスイッチング素子でのデバイス遅延ばらつきの総和で規定される。このうち、デバイス遅延ばらつきは、使用される全仕様でのスイッチング素子の特性変動も加味して規定される。このように多くの遅延ばらつきを考慮してデッドタイムが設定されるため、デッドタイムが長くなる傾向となっている。
これに対して、特許文献1に記載のモータ制御装置や特許文献3に記載の制御回路では、実際に貫通電流が生じた場合にデッドタイムを大きくすることを行うので、電力変換器の素子の耐久性を向上させる面から改良の余地がある。
また、特許文献2に記載のインバータ装置では、トランジスタの温度変化またはトランジスタの温度の検出値に基づいて、デッドタイムを大きくするか否かを行っている。また、特許文献4に記載のインバータ制御装置では、インバータ回路の素子の温度に対応する、デッドタイムに対応する短絡防止時間を求めている。ただし、設定すべきデッドタイムは、トランジスタまたはインバータ回路の素子の温度に関する値以外の要因によっても変動するため、デッドタイムを最適化する面からはまだ改良の余地がある。
本発明の目的は、電力変換器制御装置において、より有効にスイッチング素子の耐久性を向上させるとともに、電力変換効率を向上させることを目的とする。
本発明に係る電力変換器制御装置は、直流電源の正極側と負極側との間に設けられ、入力電力を直流電力と交流電力との間で変換して出力する電力変換器であって、互いに直列に接続される正極側の上側スイッチング素子及び負極側の下側スイッチング素子を含む電力変換器と、上側、下側両側のスイッチング素子のうち、片側のスイッチング素子がターンオフされてから他側のスイッチング素子がターンオンされるまでの時間であって、両側スイッチング素子が同時にオンされることを防止するためのデッドタイムを設定し、電力変換器を制御する制御部と、を備え、制御部は、スイッチング素子の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、スイッチング素子の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、スイッチング素子の温度が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の単一ターンオフ遅延時間特性、または、スイッチング素子の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の第1ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなるスイッチング素子の第2ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の温度が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の第3ターンオフ遅延時間特性とを有する複数ターンオフ遅延時間特性を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性または複数ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、デッドタイムを補正する補正手段と、を含むことを特徴とする電力変換器制御装置である。
本発明に係る電力変換器制御装置によれば、電圧値と電流値と温度値とに基づいてデッドタイムが補正されるので、上側、下側両側のスイッチング素子に貫通電流を流すことなく、デッドタイムをより短縮されるように最適化することができ、より有効にスイッチング素子の耐久性を向上させるとともに、電力変換効率を向上させることができる。
また、本発明に係る電力変換器制御装置において、好ましくは、補正手段は、記憶手段に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性または複数ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、ターンオフ遅延時間を算出し、算出したターンオフ遅延時間によりデッドタイムを補正する。
また、本発明に係る電力変換器制御装置において、好ましくは、記憶手段は、単一ターンオフ遅延時間特性または複数ターンオフ時間特性を表すマップのデータを記憶しているマップ記憶手段である。
また、本発明に係る電力変換器制御装置において、好ましくは、記憶手段は、スイッチング素子の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する更新可能な必要デッドタイムを記憶し、さらに、制御部は、使用中のスイッチング素子の、推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応する実際のターンオフ遅延時間を取得する遅延時間取得手段と、現在記憶手段に記憶されている、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応するターンオフ遅延時間の記憶値と、遅延時間取得手段で取得されたターンオフ遅延時間の取得値とに基づいて、ターンオフ遅延時間の記憶値をターンオフ遅延時間の取得値に一致させるための補正値を算出する算出手段と、算出された補正値により、記憶手段に記憶されている必要デッドタイムを更新する更新手段とを含み、補正手段は、記憶手段に記憶されている必要デッドタイムに基づいてデッドタイムを補正する。
上記の構成によれば、実際のターンオフ遅延時間の取得値に基づいて記憶手段に記憶されている必要デッドタイムが更新され、補正手段により、更新された必要デッドタイムに基づいてデッドタイムが補正されるので、同一条件下のスイッチング素子の個別ばらつきがある場合でも、デッドタイムからこの個別ばらつきを排除することができ、デッドタイムをより最適化することができる。
また、本発明に係る電力変換器制御装置において、好ましくは、記憶手段は、スイッチング素子の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、スイッチング素子の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、スイッチング素子の温度が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の単一ターンオフ遅延時間特性と、単一ターンオフ遅延時間特性の、スイッチング素子の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する更新可能な必要デッドタイムとを記憶し、算出手段は、現在記憶手段に記憶されている、単一ターンオフ遅延時間特性が表す、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応するターンオフ遅延時間の記憶値と、遅延時間取得手段で取得されたターンオフ遅延時間の取得値とに基づいて、ターンオフ遅延時間の記憶値をターンオフ遅延時間の取得値に一致させるための補正値を算出し、補正手段は、記憶手段に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性及び必要デッドタイムと、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、デッドタイムを補正する。
また、本発明に係る電力変換器制御装置において、好ましくは、記憶手段は、単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップのデータを記憶しているマップ記憶手段である。
また、本発明に係る電力変換器制御装置において、好ましくは、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧は、スイッチング素子のオン状態で両端間に印加される電圧であって、制御部で算出される算出電圧値または電圧検出手段により検出される検出電圧値であり、スイッチング素子の推定駆動時通過電流は、スイッチング素子のオン状態で流れる電流であって、制御部で算出される算出電流値または電流検出手段により検出される検出電流値であり、スイッチング素子の推定温度は、スイッチング素子の推定駆動時通過電流から推定される電流推定温度値または温度検出手段により検出される検出温度値である。
本発明に係る電力変換器制御装置によれば、より有効にスイッチング素子の耐久性を向上させるとともに、電力変換効率を向上させることができる。
[第1の発明の実施の形態]
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図7は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1は、本実施の形態の電力変換器制御装置を示すブロック図である。図2は、図1に示したインバータの構成を詳しく示す回路図である。図3は、(a)が図1のマップ記憶手段に記憶されたマップであり、スイッチング素子であるIGBTの駆動時両端間電圧、駆動時通過電流、及び温度と、ターンオフ遅延時間との関係を表すマップのデータを示す図であり、(b)が(a)のデータに基づく、インバータの駆動条件及び環境と、ターンオフ遅延時間との関係の1例を表す線図である。図4は、図3のマップを求めるために使用するIGBTのターンオフ時のゲート電圧と通過電流についての駆動時両端間電圧による違いの1例を示す図である。図5は、図3のマップを求めるために使用するIGBTのターンオフ時のゲート電圧と通過電流についての駆動時通過電流による違いの1例を示す図である。図6は、図3のマップを求めるために使用するIGBTのターンオフ時のゲート電圧と通過電流についてのIGBTの温度による違いの1例を示す図である。図7は、本実施の形態の電力変換器制御装置によりデッドタイムを補正する方法を示すフローチャートである。
本実施の形態に係る電力変換器制御装置は、例えば、ハイブリッド車または電気自動車の電動車両に搭載して使用する。なお、以下では、電力変換器により駆動する回転電機が車両用3相交流式のモータである場合を説明するが、車両用以外のモータ等の回転電機とすることもできる。また、回転電機は、モータのみの機能を有するモータである場合を説明するが、回転電機は、モータと発電機との機能を併せ持つモータジェネレータや、発電機のみの機能を有するものとすることができる。また、回転電機の相数は3相以外とすることもできる。また、回転電機の制御は、回転電機の駆動電流を電流指令値にフィードバックして行うものとして説明するが、それ以外の制御を用いるものでもよい。
図1では、電力変換器により駆動する対象である回転電機であるモータと、電力変換器であるインバータと、インバータを制御するモータ制御部とを示している。図1に示すように、電力変換器制御装置10は、直流電力を供給するバッテリ12と、バッテリ12からの直流電力を交流電力に変換するインバータ14と、インバータ14が生成した交流電流(U相電流ium,V相電流ivm,W相電流iwm)を利用して駆動する、車両を駆動するための3相交流式のモータ16と、インバータ14にモータ16を駆動するための制御信号を送る、すなわちインバータ14を制御するモータ制御部18と、温度検出手段であり、スイッチング素子温度センサである温度センサ20と、回転角センサ24と、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ26とを備える。なお、モータ16は、例えば、永久磁石を備えた同期モータであるが、それ以外のモータとすることもできる。
図2に示すように、インバータ14は、バッテリ12の正極側と負極側との間に接続され、入力電力を直流電力と交流電力との間で変換して出力する。このために、インバータ14は、複数のスイッチング素子である複数のIGBT28,30と、それぞれのIGBT28,30に対応して接続した保護用のダイオード32とを備える。複数のIGBT28,30は、それぞれモータ16(図1)の3相(U相,V相,W相)の巻線に接続されている。すなわち、バッテリ12の正極から伸びる正極側ライン34と負極から伸びる負極側ライン36との間にそれぞれ2個ずつのIGBT28,30の直列接続からなるインバータアームを3本設け、2個ずつのIGBT28,30の中点をモータ16の3相のコイルにそれぞれ接続している。複数のIGBT28,30のうち、各インバータアームで、正極側の上アームに設けられたIGBT28を上側IGBT28とし、負極側の下アームに設けられたIGBT30を下側IGBT30とする。各アームで上側IGBT28と下側IGBT30とは互いに直列に接続されている。そして、IGBT28,30のオンオフを制御して、モータ16とバッテリ12との接続を制御する。
図1に戻り、モータ16とバッテリ12との間には、例えば、図示しない平滑コンデンサと昇圧コンバータとを接続する。なお、インバータ14を構成するスイッチング素子としては、IGBT28,30に限定するものではなく、トランジスタ、MOS−FET等、種々のスイッチング素子を採用できる(後述する第2の実施の形態でも同様である)。
温度センサ20は、インバータ14を構成するIGBT28,30の温度を検出する。例えば、IGBT28,30を形成した図示しないチップに、温度センサ20を回路の一部として内蔵する。この場合、例えば、温度センサ20を構成する温度検出用ダイオードを、チップに回路の一部として内蔵し、ダイオードの温度に対する電流−電圧特性を利用して、例えば図示しない外部の回路を用いて、チップの温度をIGBT28,30の温度として検出する。なお、温度センサ20は、インバータ14を構成する1個のIGBT28(または30)のみに設けて、1個のIGBT28(または30)についての温度を検出し、出力してもよい。ただし、温度センサ20を、インバータ14を構成する複数のIGBT28,30の一部またはすべてに設けて、最も高温または平均値の温度を検出値の代表値として出力してもよい。また、回転角センサ24は、例えばレゾルバ等であり、モータ16の回転角度θを検出してモータ制御部18に入力する。
モータ制御部18は、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータを含むもので、トルク指令算出部38と、電流指令算出部40と、電流指令/3相電圧変換部42と、PWM変換部44と、帰還変換部46と、デッドタイム補正部48と、デッドタイム設定部50とを備える。帰還変換部46は、U相電流センサ、V相電流センサ、W相電流センサにより検出されたモータ駆動電流ium,ivm,iwmを、モータ16の回転角度θを用いた3相/2相変換によりd軸電流idおよびq軸電流iqに変換し、電流指令/3相電圧変換部42に入力する。電流指令算出部40は、トルク指令算出部38から入力される出力トルク指令値に基づき電流指令値である、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*とを、予め作成されたテーブル等にしたがって算出し、電流指令/3相電圧変換部42に入力する。
トルク指令算出部38は、アクセル開度センサ26から入力されるアクセル開度に基づいて、出力トルク指令値を算出し、電流指令算出部40に入力する。
また、電流指令/3相電圧変換部42は、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*と、帰還変換部46から入力されるd軸電流idとq軸電流iqとから、d軸とq軸との電圧指令値を生成した後、電圧指令値をモータ16の回転角度θを用いて、3相交流電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換し、PWM変換部44に入力する。PWM変換部44は、入力された3相交流電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*から、インバータ14を構成する各IGBT28,30のオンオフを制御するPWM制御信号vuu,vud,vvu,vvd,vwu,vwdを生成し、インバータ14に入力する。これによって、インバータ14は、モータ16に駆動信号を出力し、モータ16を駆動する。
一方、本実施の形態では、モータ制御部18は、図2に示す上側、下側両側のIGBT28,30のうち、片側のIGBT28(または30)がターンオフされてから他側のIGBT30(または28)がターンオンされるまでの時間であって、両側IGBT28,30が同時にオンされることを防止するためのデッドタイムTdを設定している。すなわち、後述する図8(a)は、本実施の形態による上側、下側両側のIGBTの出力電圧指令の一部を示す図である。なお、以下の説明では、図1、図2に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。この図に示すように、上側IGBT28がオンされている間、下側IGBT30がオフされており、上側IGBT28と下側IGBT30とが同時にオンされることがないようにしている。この場合、例えば下側IGBT30がオンからオフに移行するターンオフである、オン指令電圧値が最大値の10%まで低下した時点から上側IGBT28,30がオフからオンに移行するターンオンである、オン指令電圧値が最大値の90%まで上昇した時点に移行するまでの時間と、上側IGBT28のターンオフから下側IGBT30のターンオンに移行するまでの時間とのそれぞれを、それぞれデッドタイムTdという。
デッドタイムTdは、短くなり、0になると、上側、下側両側のIGBT28,30の貫通電流が発生して、IGBT28,30の耐久性の向上の面から改良の余地がある。これに対して、デッドタイムTdが長くなり過ぎると、インバータ14の電力変換機能が低下する要因となる。また、デッドタイムTdの設定値には、上記の[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、種々の公差が含まれているが、本実施の形態は、デッドタイムTdの全公差から、予測可能な変動分としてIGBT28,30の駆動電圧と駆動電流と温度とから予測される変動分を排除することで、耐久性を十分に確保しつつ、デッドタイムTdを十分に短くして電力変換機能を向上させることを目的としている。このようにデッドタイムTdを短くするために、例えばインバータ14のIGBT28(または30)に対する実ゲート電圧の立ち下がり時点から実通過電流の立ち下がり時点までのタイムラグである、ターンオフ遅延時間tdxxxを、駆動電圧と駆動電流と温度とに応じて変動させることで、デッドタイムTdを規定するためのターンオフ時間を極力図8(a)の矢印α方向に移動させ、デッドタイムTdの短縮化を図るようにしている。なお、立ち下がり時点とは、実ゲート電圧または実通過電流のピーク値の10%等の、一定の割合の値に達する時点等である。
このために本実施の形態では、上記のように、モータ制御部18は、デッドタイム補正部48と、デッドタイム設定部50とを含む。デッドタイム設定部50は、デッドタイムTdの初期値を記憶している。デッドタイム設定部50にデッドタイム補正部48から補正量であるターンオフ遅延時間が入力されると、デッドタイムTdの初期値に対してターンオフ遅延時間が加算された値にデッドタイムTdが補正され、補正後のデッドタイムTdがPWM変換部44に入力される。PWM変換部44は、電流指令/3相電圧変換部42から入力された、3相交流電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*とデッドタイムTdとに基づいて、デッドタイムTdが設定されたPWM制御信号vuu,vud,vvu,vvd,vwu,vwdが生成される。
デッドタイム補正部48は、マップ記憶手段52と、電圧算出手段54と、電流算出手段56と、補正手段58とを有する。マップ記憶手段52は、IGBT28,30の駆動時通過電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、IGBT28,30の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、IGBT28,30の温度が高くなるのにしたがって大きくなるIGBT28,30の単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップを記憶している。図3(a)に示すようにマップのデータは、それぞれ駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する複数のターンオフ遅延時間tdxxxを設定している。なお、「駆動時両端間電圧」とは、IGBT等のスイッチング素子の駆動時に両端間に印加される電圧であって、例えば図2の左端の上側IGBT28を考えた場合に、IGBT28の駆動時の、コレクタCとエミッタEとの間の電圧である。また、「駆動時通過電流」とは、IGBT等のスイッチング素子の駆動時にスイッチング素子を通過する電流であって、例えば図2の左端の上側IGBT28を考えた場合に、IGBT28の駆動時の、コレクタ電流ICである。「駆動時両端間電圧」及び「駆動時通過電流」については、本明細書全体及び特許請求の範囲全体で同様である。また、図3(b)では、図3(a)のデータに基づいて設定されるインバータ14の駆動条件及び環境と、ターンオフ遅延時間tdxxxとの関係の1例の線図を示している。なお、図3(b)では、線図が直線であるように示しているが、直線に限定するものではなく、各種の曲線とすることもできる。このようにターンオフ遅延時間tdxxxは、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度との関数として表される。次に単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップを上記のように設定できる理由について説明する。
まず、図4は、上記のマップを求めるために使用するIGBT28,30のターンオフ時のゲート電圧と通過電流についての駆動時両端間電圧による違いの1例を示している。例えば、図2の左端の上側IGBT28を考えると、横軸により時間を表し、縦軸により、IGBT28の通過電流であるコレクタ電流IC(図2)と、IGBT28のゲート電圧Vgeとを表した場合に、コレクタ電流ICの時間変化は、図4のようになることが分かった。ここで、図4で3種類の実線は、200Vから800Vの間の異なるPR間(図2)の駆動時両端間電圧のそれぞれに対応するコレクタ電流ICの時間変化を表している。また、図4の一点鎖線は、ゲート電圧Vgeを表している。このようにゲート電圧Vgeが15Vから0Vになるターンオフ時において、コレクタ電流ICも0近くに下がるが、駆動時両端間電圧が小さいほどターンオフ遅延時間tdxxxは短くなり、駆動時両端間電圧が大きいほどターンオフ遅延時間tdxxxが長くなることが分かる。この理由は、ターンオフ時の帰還容量である図2のCG間の容量の充電が高電圧になるほど、Q(充電電力)=C(帰還容量)×V(帰還容量に印加される電圧)の関係に依存して時間がかかるためである。したがって、上記のマップでは、IGBT28,30の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがってターンオフ遅延時間tdxxxを大きくしている。
次に、図5は、上記のマップを求めるために使用するIGBT28,30のターンオフ時のゲート電圧と通過電流についての駆動時通過電流による違いの1例を示している。図5の縦軸及び横軸の意味は、図4の縦軸及び横軸と同様である。例えば、図2の左端のIGBT28を考えると、通過電流であるコレクタ電流ICの時間変化は、図5のようになることが分かった。ここで、図5で3種類の実線は、100Aから200Aの間で異なる駆動時通過電流のそれぞれに対応するコレクタ電流ICの時間変化を表している。また、図5の一点鎖線は、ゲート電圧Vgeを表している。このようにゲート電圧が15Vから0Vになるターンオフ時において、コレクタ電流ICも0近くに下がるが、駆動時通過電流が大きいほどターンオフ遅延時間tdxxxは短くなり、駆動時通過電流が小さいほどターンオフ遅延時間tdxxxが長くなることが分かる。この理由は、駆動時通過電流が大きくなるほどゲート閾値が高くなるため、ゲートオフの指令後、短時間でオフ動作に移行するためである。したがって、上記のマップでは、IGBT28,30の駆動時通過電流が小さくなるのにしたがってターンオフ遅延時間tdxxxを大きくしている。
また、図6は、上記のマップを求めるために使用するIGBT28,30のターンオフ時のゲート電圧と通過電流についてのIGBT28,30の温度による違いの1例を示している。図6の縦軸及び横軸の意味は、図4の縦軸及び横軸と同様である。例えば、図2の左端のIGBT28を考えると、通過電流であるコレクタ電流ICの時間変化は図6のようになることが分かった。ここで、図6で3種類の実線は、25℃から125℃の間で異なる温度のそれぞれに対応するコレクタ電流ICの時間変化を表している。また、図6の一点鎖線は、ゲート電圧Vgeを表している。このようにゲート電圧が15Vから0Vになるターンオフ時において、コレクタ電流ICも0近くに下がるが、IGBT28,30の温度が低いほどターンオフ遅延時間tdxxxは短くなり、IGBT28,30の温度が高いほどターンオフ遅延時間tdxxxが長くなることが分かる。この理由は、IGBT28,30の温度が高くなるほどゲート閾値が低くなるため、高温ほどゲートオフ指令後、長時間でオフ動作に移行し、低温ほどゲートオフ指令後、短時間でオフ動作に移行するためである。したがって、上記のマップでは、IGBT28,30の温度が高くなるのにしたがってターンオフ遅延時間tdxxxを大きくしている。
このような事情を考慮して、マップ記憶手段52(図1)には、IGBT28,30の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、IGBT28,30の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、IGBT28,30の温度が高くなるのにしたがって大きくなるIGBT28,30の単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップを記憶させている。このマップが表す単一ターンオフ遅延時間特性は、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度との関数であるため、実際の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、対応するターンオフ遅延時間tdxxxを算出することができる。本実施の形態では、電圧算出手段54(図1)は、電流指令算出部40または電流指令/3相電圧変換部42から出力される値に基づいて、オン状態とするIGBT28(または30)の両端間に印加される算出電圧値を算出し、算出電圧値を実際の推定駆動時両端間電圧としてターンオフ遅延時間tdxxxの算出に用いる。
また、電流算出手段56(図1)は、電流指令算出部40または電流指令/3相電圧変換部42から出力される値に基づいて、オン状態とするIGBT28(または30)を流れる算出電流値を算出し、算出電流値を実際の駆動時通過電流としてターンオフ遅延時間tdxxxの算出に用いる。
また、温度センサ20(図1)により検出されたIGBT28,30の検出温度値は、実際のIGBT28,30の推定温度としてターンオフ遅延時間tdxxxの算出に用いる。
図1に示す補正手段58は、マップ記憶手段52から読み出したマップが表す単一ターンオフ遅延時間特性と、算出電圧値と算出電流値とIGBT28,30の検出温度値とに基づいて、ターンオフ遅延時間tdxxxを算出する。補正手段58は、算出したターンオフ遅延時間tdxxxをデッドタイム設定部50に入力する。デッドタイム設定部50は、予め駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とによるターンオフ遅延量を含まないデッドタイムTdの初期値を記憶しており、補正手段58から入力されたターンオフ遅延時間tdxxxをデッドタイムTdの初期値に加算する。このように、補正手段58は、デッドタイム設定部50に記憶されたデッドタイムTdを補正する。このようなモータ制御部18の機能は、一部をハードウェアで実行できる他、ソフトウェアで実現でき、例えば、対応するモータ制御プログラムを実行することで実現できる。
次に、図7を用いて、本実施の形態の電力変換器制御装置によりデッドタイムTdを補正する方法を説明する。なお、以下の説明においては、図1、図2に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付して説明する。まず、ステップS10として、デッドタイム設定部50にデッドタイムTdの初期値を設定する、すなわち記憶させる。次に、ステップS12で、温度センサ20によりIGBT28,30の温度を検出し、検出した推定温度である検出温度値をデッドタイム補正部48に入力する。これとともに、電圧算出手段54によりIGBT28,30の推定駆動時両端間電圧である算出電圧値を算出するとともに、電流算出手段56によりIGBT28,30の駆動時通過電流である算出電流値を算出する。また、ステップS14で、補正手段58は、マップ記憶手段52から読み出したマップが表す単一ターンオフ遅延時間特性と、算出電圧値と算出電流値とIGBT28,30の検出温度値とに基づいて、ターンオフ遅延時間tdxxxを算出する。次に、ステップS16で、補正手段58は、算出したターンオフ遅延時間tdxxxをデッドタイム設定部50に入力し、ターンオフ遅延時間tdxxxをデッドタイムTdの初期値に加算する。これにより、デッドタイムTdは、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに応じて最小となり、インバータ14の耐久性を十分に確保しつつ、デッドタイムTdを短くできる。
このような電力変換器制御装置10によれば、電圧値と電流値と温度値とに基づいてデッドタイムTdが補正されるので、上側、下側両側のIGBT28,30に貫通電流を流すことなく、デッドタイムTdをより短縮されるように最適化することができる。すなわち、図8は、(a)が本実施の形態の上側、下側両側のIGBTの出力電圧指令の一部を示す図であり、(b)が従来例の上側、下側両側のIGBTの出力電圧指令の一部を示す図である。この図から明らかなように、本実施の形態によれば、従来例に対して、デッドタイムTdの全公差から、予測可能な変動分であるIGBT28,30の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とにより左右されるターンオフ遅延時間tdxxxの予測可能な公差分を排除できることにより、デッドタイムTdを短くできる。このため、より有効にIGBT28,30の耐久性を向上させるとともに、インバータ14の電力変換効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、実際の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応するターンオフ遅延時間tdxxxを算出するために、推定駆動時両端間電圧として電圧算出手段54で算出された算出電圧値を使用し、推定駆動時通過電流として電流算出手段56で算出された算出電流値を使用し、IGBT28,30の推定温度として、温度センサ20により検出されたIGBT28,30の検出温度値を使用している。ただし、本実施の形態は、このような構成に限定するものではなく、ターンオフ遅延時間tdxxxの算出に用いる実際の推定駆動時両端間電圧として、電圧センサ(図示せず)により検出されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30の駆動時両端間電圧の検出値を用いることもできる。この場合には、電圧算出手段54を省略できる。また、ターンオフ遅延時間tdxxxの算出に用いる実際の推定駆動時通過電流として、電流センサ(図示せず)により検出されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30の駆動時通過電流の検出値を用いることもできる。この場合には、電流算出手段56を省略できる。さらに、ターンオフ遅延時間tdxxxの算出に用いる実際のIGBT28,30の推定温度として、デッドタイム補正部48に温度推定手段(図示せず)を設けて、温度推定手段により推定されたIGBT28,30の推定温度値を用いることもできる。この場合、温度推定手段は、電流算出手段56から取得されたオン状態とする上側IGBT28または下側IGBT30を流れる算出電流値、または、電流センサから取得されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30を流れる駆動時通過電流の検出温度値から、予め記憶された温度と電流との関係を表すマップのデータを用いて、推定温度値を推定する。この場合、温度センサを省略できる。
また、本実施の形態では、マップ記憶手段52は、IGBT28,30の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、IGBT28,30の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、IGBT28,30の温度が高くなるのにしたがって大きくなるIGBT28,30の単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップを記憶し、記憶したマップを使用してデッドタイムTdを補正している。ただし、本実施の形態では、このような構成に限定するものではなく、マップ記憶手段52に、3つのマップである、電圧対応マップと電流対応マップと温度対応マップとを記憶させることもできる。すなわち、本実施の形態において、マップ記憶手段52は、IGBT28,30の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなるIGBT28,30の第1ターンオフ遅延時間特性を表す電圧対応マップと、IGBT28,30の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなるIGBT28,30の第2ターンオフ遅延時間特性を表す電流対応マップと、IGBT28,30の温度が高くなるのにしたがって大きくなるIGBT28,30の第3ターンオフ遅延時間特性を表す温度対応マップとを有する複数ターンオフ遅延時間特性を表すマップを記憶する構成とすることもできる。この場合、デッドタイム補正部48が有する補正手段58は、マップ記憶手段52に記憶されたマップが表す電圧対応マップと、IGBT28(または30)の推定駆動時両端間電圧とから電圧対応ターンオフ遅延時間を求め、電流対応マップと、IGBT28(または30)の推定駆動時通過電流とから電流対応ターンオフ遅延時間を求め、温度対応マップと推定温度とから温度対応ターンオフ遅延時間を求め、電圧対応、電流対応、温度対応の各ターンオフ遅延時間の合計を、ターンオフ遅延時間tdxxxとして算出し、算出したターンオフ遅延時間tdxxxによりデッドタイムTdを補正する。このような構成の場合も、電圧値と電流値と温度値とに基づいてデッドタイムTdが補正されるので、上側、下側両側のIGBT28,30に貫通電流を流すことなく、デッドタイムTdをより短縮されるように最適化することができる。
[第2の発明の実施の形態]
次に、図9から図12により本発明の第2の実施の形態を説明する。図9は、本実施の形態の電力変換器制御装置において、デッドタイム補正部の構成を示す図である。図10は、本実施の形態において、スイッチング素子であるIGBTの駆動時両端間電圧、駆動時通過電流、及び温度と、ターンオフ遅延時間及び必要デッドタイムとの関係を表すマップのデータを示す図である。図11は、本実施の形態において、マップ記憶手段に記憶させる必要デッドタイムの初期値を求めるために使用するIGBTでの、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とが同じ条件での、必要デッドタイムの製品数に対するばらつき分布の1例を示す略図である。図12は、本実施の形態の電力変換器制御装置によりデッドタイムを補正するとともに、対応マップの必要デッドタイムを更新する方法を示すフローチャートである。
本実施の形態の電力変換器制御装置は、上記の第1の実施の形態において、マップのデータを実際のターンオフ遅延時間tdxxxの取得値である測定値と比較して、マップのデータを更新する学習機能を有するようにしている。このために、図9に示すように、デッドタイム補正部48aは、マップ更新部60を有し、マップ更新部60は、実ターンオフ遅延時間取得手段62と、遅延差分算出手段64と、マップ更新手段66とを有する。また、マップ記憶手段52aは、IGBT28,30(図2参照)の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、IGBT28,30の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、IGBT28,30の温度が高くなるのにしたがって大きくなるIGBT28,30の単一ターンオフ遅延時間特性と、単一ターンオフ遅延時間特性の、IGBT28,30の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する更新可能な必要デッドタイムt dead xxxとを表すマップのデータを記憶している。すなわち、マップ記憶手段52aは、図10に示すようなマップのデータを記憶している。なお、以下の説明では、図1に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。図10に示したマップでは、単一ターンオフ遅延時間特性を表す、それぞれIGBT28,30の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する複数のターンオフ遅延時間tdxxxと、それぞれIGBT28,30の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する複数の更新可能な必要デッドタイムt dead xxxとを表している。
また、各必要デッドタイムt dead xxxの初期値としては、IGBT28,30の製品の性能上の個別ばらつきの最悪状態を考慮して、最長となるデッドタイムを設定し、マップ記憶手段52aに記憶させている。すなわち、図11に1例を示すように、IGBT28,30の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とのそれぞれで、ある同じ条件で、異なるIGBT28,30が搭載されるインバータ14の製品数と、必要デッドタイムt dead xxxとの関係を示した場合に、あるばらつき分布が求められる。このため、ばらつき分布において、必要デッドタイムの最長値Tdmaxを、マップの対応する必要デッドタイムt dead xxxの初期値として、マップ記憶手段52aに記憶させている。
また、実ターンオフ遅延時間取得手段62は、使用中のIGBT28,30の、推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応する実際のターンオフ遅延時間tdxxxを取得する。また、遅延差分算出手段64は、現在マップ記憶手段52aに記憶されているマップの、単一ターンオフ遅延時間特性が表す、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応するターンオフ遅延時間tdxxxの記憶値と、実ターンオフ遅延時間取得手段62で取得されたターンオフ遅延時間tdxxxの取得値とに基づいて、ターンオフ遅延時間tdxxxの記憶値をターンオフ遅延時間tdxxxの取得値に一致させるための補正値である、ターンオフ遅延時間差分βを算出する。
また、マップ更新手段66は、算出されたターンオフ遅延時間差分βにより、マップ記憶手段52aに記憶されている必要デッドタイムt dead xxxを更新する。すなわち、マップ記憶手段52aに記憶されている必要デッドタイムt dead xxxから、それぞれターンオフ遅延時間差分βを減算する。すなわち、ターンオフ遅延時間tdxxxの記憶値をTaとし、ターンオフ遅延時間tdxxxの取得値をTbとした場合に、マップに記憶された必要デッドタイムt dead xxxのそれぞれから、ターンオフ遅延時間差分β(=Ta−Tb)を減算して得られた新たな必要デッドタイムt dead xxx´(=t dead xxx−β)に、必要デッドタイムt dead xxxを更新する。
また、補正手段58aは、マップ記憶手段52aに記憶されたマップが表す単一ターンオフ遅延時間特性及び必要デッドタイムt dead xxxと、IGBT28,30の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、デッドタイム設定部50に設定されたデッドタイムTdを補正する。デッドタイム設定部50には、予め設定されたデッドタイムTdの初期値が記憶されており、補正手段58が推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに応じて決定した必要デッドタイムt dead xxxに、デッドタイムTdの初期値を入れ替えることにより、デッドタイムTdを補正する。デッドタイム設定部50は、補正後のデッドタイムTdをPWM変換部44(図1)に入力する。
次に、図12を用いて、本実施の形態の電力変換器制御装置によりデッドタイムを補正する方法を説明する。なお、以下の説明においては、図9に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付して説明する。まず、ステップS20では、デッドタイム設定部50にデッドタイムTdの初期値を設定する、すなわち記憶させる。次に、ステップS22で、温度センサ20によりIGBT28,30の温度を検出し、検出した検出温度値を推定温度としてデッドタイム補正部48aに入力する。これとともに、電圧算出手段54によりIGBT28,30の推定駆動時両端間電圧である算出電圧値を算出するとともに、電流算出手段56によりIGBT28,30の推定駆動時通過電流である算出電流値を算出する。
また、ステップS24で、補正手段58は、マップ記憶手段52aから読み出したマップが表す単一ターンオフ遅延時間特性と、単一ターンオフ遅延時間特性の、IGBT28,30の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する必要デッドタイムt dead xxxと、算出電圧値と算出電流値とIGBT28,30の検出温度値とに基づいて、対応する必要デッドタイムt dead xxxを算出する。次に、ステップS26で、補正手段58は、算出した必要デッドタイムt dead xxxをデッドタイム設定部50に入力し、デッドタイム設定部50に記憶されたデッドタイムTdを、新たな必要デッドタイムt dead xxxに入れ替えることによりデッドタイムTdを補正し、インバータ14を制御する。
次に、ステップS28で、実ターンオフ遅延時間取得手段62により、使用中のIGBT28,30の、推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応する実際のターンオフ遅延時間tdxxxを取得、すなわち測定する(モニタする)。次いで、ステップS30で、遅延差分算出手段64が、現在マップ記憶手段52aに記憶されているマップの、単一ターンオフ遅延時間特性が表す、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応するターンオフ遅延時間tdxxxの記憶値と、実ターンオフ遅延時間取得手段62で取得されたターンオフ遅延時間tdxxxの取得値とに基づいて、ターンオフ遅延時間tdxxxの記憶値をターンオフ遅延時間tdxxxの取得値に一致させるためのターンオフ遅延時間差分βを算出する。
また、ステップS32で、マップ更新手段66が、マップ記憶手段52aに記憶されているマップの各必要デッドタイムt dead xxxをターンオフ遅延時間差分βで減算することにより新たな必要デッドタイムt dead xxx´に更新し、ステップS22に戻る。ステップS22に戻った後は、ステップS24で、更新された必要デッドタイムt dead xxx´に基づいて、現在算出または検出される推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応する必要デッドタイムt dead xxx´が算出される。
このような本実施の形態によれば、実際のターンオフ遅延時間tdxxxの取得値に基づいてマップ記憶手段52aに記憶されている必要デッドタイムt dead xxx, t dead xxx´が更新され、補正手段58により、更新された必要デッドタイムt dead xxx, t dead xxx´に基づいてデッドタイムTdが補正されるので、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とについての同一条件下のIGBT28,30の個別ばらつきがある場合でも、デッドタイムTdからこの個別ばらつきを排除することができ、デッドタイムTdをより最適化することができる。その他の構成及び作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
なお、本実施の形態でも、実際の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応するターンオフ遅延時間tdxxx及び必要デッドタイムt dead xxx,t dead xxx´を算出するために、推定駆動時両端間電圧として電圧算出手段54で算出された算出電圧値を使用し、推定駆動時通過電流として電流算出手段56で算出された算出電流値を使用し、IGBT28,30の推定温度として、温度センサ20により検出されたIGBT28,30の検出温度値を使用している。ただし、本実施の形態は、このような構成に限定するものではなく、ターンオフ遅延時間tdxxx及び必要デッドタイムt dead xxx, t dead xxx´の算出に用いる実際の推定駆動時両端間電圧として、電圧センサ(図示せず)により検出されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30の駆動時両端間電圧の検出値を用いることもできる。この場合には、電圧算出手段54を省略できる。また、ターンオフ遅延時間tdxxx及び必要デッドタイムt dead xxx , t dead xxx´の算出に用いる実際の推定駆動時通過電流として、電流センサ(図示せず)により検出されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30の駆動時通過電流の検出値を用いることもできる。この場合には、電流算出手段56を省略できる。さらに、ターンオフ遅延時間tdxxx及び必要デッドタイムt dead xxx , t dead xxx´の算出に用いる実際のIGBT28,30の推定温度として、デッドタイム補正部48に温度推定手段(図示せず)を設けて、温度推定手段により推定されたIGBT28,30の推定温度値を用いることもできる。この場合、温度推定手段は、電流算出手段56から取得されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30を流れる算出電流値、または、電流センサから取得されたオン状態の上側IGBT28または下側IGBT30を流れる駆動時通過電流の検出温度値から、予め記憶された温度と電流との関係を表すマップのデータを用いて、推定温度値を推定する。この場合、温度センサを省略できる。
本発明の第1の実施の形態の電力変換器制御装置を示すブロック図である。 図1に示したインバータの構成を詳しく示す回路図である。 (a)が図1のマップ記憶手段に記憶されたマップであり、スイッチング素子であるIGBTの駆動時両端間電圧、駆動時通過電流、及び温度と、ターンオフ遅延時間との関係を表すマップのデータを示す図であり、(b)が(a)のデータに基づく、インバータの駆動条件及び環境と、ターンオフ遅延時間との関係の1例を表す線図である。 図3のマップを求めるために使用するIGBTのターンオフ時のゲート電圧と通過電流についての駆動時両端間電圧による違いの1例を示す図である。 図3のマップを求めるために使用するIGBTのターンオフ時のゲート電圧と通過電流についての駆動時通過電流による違いの1例を示す図である。 図3のマップを求めるために使用するIGBTのターンオフ時のゲート電圧と通過電流についてのIGBTの温度による違いの1例を示す図である。 第1の実施の形態の電力変換器制御装置によりデッドタイムを補正する方法を示すフローチャートである。 (a)が第1の実施の形態の上側、下側両側のIGBTの出力電圧指令の一部を示す図であり、(b)が従来例の上側、下側両側のIGBTの出力電圧指令の一部を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の電力変換器制御装置において、デッドタイム補正部の構成を示す図である。 第2の実施の形態において、スイッチング素子であるIGBTの駆動時両端間電圧、駆動時通過電流、及び温度と、ターンオフ遅延時間及び必要デッドタイムとの関係を表すマップのデータを示す図である。 第2の実施の形態において、マップ記憶手段に記憶させる必要デッドタイムの初期値を求めるために使用するIGBTでの、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とが同じ条件での、必要デッドタイムの製品数に対するばらつき分布の1例を示す略図である。 第2の実施の形態の電力変換器制御装置によりデッドタイムを補正するとともに、対応マップの必要デッドタイムを更新する方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 電力変換器制御装置、12 バッテリ、14 インバータ、16 モータ、18 モータ制御部、20 温度センサ、24 回転角センサ、26 アクセル開度センサ、28,30 IGBT、32 ダイオード、34 正極側ライン、36 負極側ライン、38 トルク指令算出部、40 電流指令算出部、42 電流指令/3相電圧変換部、44 PWM変換部、46 帰還変換部、48,48a デッドタイム補正部、50 デッドタイム設定部、52,52a マップ記憶手段、54 電圧算出手段、56 電流算出手段、58 補正手段、60 マップ更新部、62 実ターンオフ遅延時間取得手段、64 遅延差分算出手段、66 マップ更新手段。

Claims (7)

  1. 直流電源の正極側と負極側との間に設けられ、入力電力を直流電力と交流電力との間で変換して出力する電力変換器であって、
    互いに直列に接続される正極側の上側スイッチング素子及び負極側の下側スイッチング素子を含む電力変換器と、
    上側、下側両側のスイッチング素子のうち、片側のスイッチング素子がターンオフされてから他側のスイッチング素子がターンオンされるまでの時間であって、両側スイッチング素子が同時にオンされることを防止するためのデッドタイムを設定し、電力変換器を制御する制御部と、を備え、
    制御部は、
    スイッチング素子の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、スイッチング素子の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、スイッチング素子の温度が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の単一ターンオフ遅延時間特性、または、スイッチング素子の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の第1ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなるスイッチング素子の第2ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の温度が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の第3ターンオフ遅延時間特性とを有する複数ターンオフ遅延時間特性を記憶する記憶手段と、
    記憶手段に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性または複数ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、デッドタイムを補正する補正手段と、を含むことを特徴とする電力変換器制御装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換器制御装置において、
    補正手段は、記憶手段に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性または複数ターンオフ遅延時間特性と、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、ターンオフ遅延時間を算出し、算出したターンオフ遅延時間によりデッドタイムを補正することを特徴とする電力変換器制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力変換器制御装置において、
    記憶手段は、単一ターンオフ遅延時間特性または複数ターンオフ時間特性を表すマップのデータを記憶しているマップ記憶手段であることを特徴とする電力変換器制御装置。
  4. 請求項1に記載の電力変換器制御装置において、
    記憶手段は、スイッチング素子の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する更新可能な必要デッドタイムを記憶し、
    さらに、制御部は、
    使用中のスイッチング素子の、推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに対応する実際のターンオフ遅延時間を取得する遅延時間取得手段と、
    現在記憶手段に記憶されている、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応するターンオフ遅延時間の記憶値と、遅延時間取得手段で取得されたターンオフ遅延時間の取得値とに基づいて、ターンオフ遅延時間の記憶値をターンオフ遅延時間の取得値に一致させるための補正値を算出する算出手段と、
    算出された補正値により、記憶手段に記憶されている必要デッドタイムを更新する更新手段とを含み、
    補正手段は、記憶手段に記憶されている必要デッドタイムに基づいてデッドタイムを補正することを特徴とする電力変換器制御装置。
  5. 請求項4に記載の電力変換器制御装置において、
    記憶手段は、
    スイッチング素子の駆動時両端間電圧が高くなるのにしたがって大きくなり、かつ、スイッチング素子の駆動時通過電流が大きくなるのにしたがって小さくなり、かつ、スイッチング素子の温度が高くなるのにしたがって大きくなるスイッチング素子の単一ターンオフ遅延時間特性と、単一ターンオフ遅延時間特性の、スイッチング素子の駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応する更新可能な必要デッドタイムとを記憶し、
    算出手段は、
    現在記憶手段に記憶されている、単一ターンオフ遅延時間特性が表す、駆動時両端間電圧と駆動時通過電流と温度とに対応するターンオフ遅延時間の記憶値と、遅延時間取得手段で取得されたターンオフ遅延時間の取得値とに基づいて、ターンオフ遅延時間の記憶値をターンオフ遅延時間の取得値に一致させるための補正値を算出し、
    補正手段は、
    記憶手段に記憶された単一ターンオフ遅延時間特性及び必要デッドタイムと、スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧と推定駆動時通過電流と推定温度とに基づいて、デッドタイムを補正することを特徴とする電力変換器制御装置。
  6. 請求項5に記載の電力変換器制御装置において、
    記憶手段は、単一ターンオフ遅延時間特性を表すマップのデータを記憶しているマップ記憶手段であることを特徴とする電力変換器制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1に記載の電力変換器制御装置において、
    スイッチング素子の推定駆動時両端間電圧は、スイッチング素子のオン状態で両端間に印加される電圧であって、制御部で算出される算出電圧値または電圧検出手段により検出される検出電圧値であり、
    スイッチング素子の推定駆動時通過電流は、スイッチング素子のオン状態で流れる電流であって、制御部で算出される算出電流値または電流検出手段により検出される検出電流値であり、
    スイッチング素子の推定温度は、スイッチング素子の推定駆動時通過電流から推定される電流推定温度値または温度検出手段により検出される検出温度値であることを特徴とする電力変換器制御装置。
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