JP6714423B2 - ディーゼルエンジン油組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、潤滑油基油と、
金属型清浄剤として、アルカリ土類金属換算で0.24〜0.30質量%の(A−1)アルカリ土類金属サリシレート、及びアルカリ土類金属換算で0.28〜0.35質量%の(A−2)アルカリ土類金属フェネートと、
無灰分散剤として、窒素換算で330〜2000質量ppmの(B−1)重量平均分子量が6000〜20000のホウ素を含まないコハク酸イミド系分散剤、及びホウ素換算で120〜500質量ppmの(B−2)B/N比が0.05〜0.50であるホウ素含有コハク酸イミド系分散剤と、
モリブデン換算で100〜1000質量ppmの(C)有機モリブデン化合物と、
無灰型酸化防止剤として、0.1〜3.0質量%の(D)フェノール系酸化防止剤と、
を含有し、
該(A−1)アルカリ土類金属サリシレートのアルカリ土類金属換算の含有量に対する該(A−2)アルカリ土類金属フェネートのアルカリ土類金属換算の含有量の比((A−2)/(A−1))が、1.02〜1.3であること、
を特徴とするディーゼルエンジン油組成物を提供するものである。
金属型清浄剤として、アルカリ土類金属換算で0.07〜0.55質量%の(A−1)アルカリ土類金属サリシレート、及びアルカリ土類金属換算で0.10〜0.65質量%の(A−2)アルカリ土類金属フェネートと、
無灰分散剤として、窒素換算で330〜2000質量ppmの(B−1)重量平均分子量が6000〜20000のホウ素を含まないコハク酸イミド系分散剤、及びホウ素換算で120〜500質量ppmの(B−2)B/N比が0.05〜0.50であるホウ素含有コハク酸イミド系分散剤と、
モリブデン換算で100〜1000質量ppmの(C)有機モリブデン化合物と、
無灰型酸化防止剤として、0.1〜3.0質量%の(D)フェノール系酸化防止剤と、
を含有し、
該(A−1)アルカリ土類金属サリシレートのアルカリ土類金属換算の含有量に対する該(A−2)アルカリ土類金属フェネートのアルカリ土類金属換算の含有量の比((A−2)/(A−1))が、1.0〜1.3であること、
を特徴とするディーゼルエンジン油組成物である。
1.基油
100℃動粘度が5.81 mm2/s、粘度指数が125である鉱油系基油
2.金属型清浄剤
・(A−1)金属型清浄剤1:カルシウムサリシレート、塩基価が225mgKOH/g
・(A−2)金属型清浄剤2:カルシウムフェネート、塩基価が250mgKOH/g
・(α)金属型清浄剤3:カルシウムスルホネート、塩基価が300mgKOH/g
3.無灰分散剤
・(β−1)無灰分散剤1:一般式(2)で示されるビスタイプのコハク酸イミド、重量平均分子量が4910、窒素含有量が1.8質量%、ホウ素含有量が0質量%
・(B−1)無灰分散剤2:一般式(2)で示されるビスタイプのコハク酸イミド、重量平均分子量が8610、窒素含有量が1.5質量%、ホウ素含有量が0質量%
・(β−2)無灰分散剤3:一般式(2)で示されるビスタイプのコハク酸イミドのホウ素変性物、重量平均分子量が5310、窒素含有量が1.1質量%、ホウ素含有量が0.60質量%、B/N比が0.54
・(B−2)無灰分散剤4:一般式(2)で示されるビスタイプのコハク酸イミドのホウ素変性物、重量平均分子量が3890、窒素含有量が1.58質量%、ホウ素含有量が0.35質量%、B/N比が0.22
4.有機モリブデン化合物
・(C)モリブデンジチオカーバメート:ADEKA製 サクラルーブ515
5.無灰型酸化防止剤
・(D)フェノール系酸化防止剤1:イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
6.摩耗防止剤
・(E)ジアルキルジチオリン酸亜鉛1:第2級で炭素数3のアルキル基と、第1級で炭素数4と5のアルキル基を有する。
7.その他の添加剤
・粘度指数向上剤、流動点降下剤、シリコーン系消泡剤を含む。
実施例及び比較例に示すエンジン油のSAE粘度グレードはいずれも10W−30であった。また、実施例1の40℃動粘度は66.4mm2/s、100℃動粘度は10.6mm2/s、粘度指数は149であり、比較例1の40℃動粘度は66.6mm2/s、100℃動粘度は10.7mm2/s、粘度指数は150であった。なお、比較例2〜14の粘度性状については、実施例1及び比較例1と同程度である。
<ディーゼルエンジン油の評価方法>
・摩耗防止性能試験方法1
JPI−5S−40−93「潤滑油の耐荷重能試験方法(シェル四球式)」の修正法のより最大非焼付荷重(N)を求めた。シェル高速四球試験機にて、毎分1800回転速度で60秒回転させる。試験温度は常温より成り行きとし、この試験において最大非焼き付き荷重が大きいほど摩耗防止性能が優れることを意味する。
・摩耗防止性能試験方法2
ASTM D 4172−94に規定されるシェル高速四球試験方法に参考にした試験を行った。荷重294N、油温90℃、毎分1800回転速度にて30分間試験を行い試験後の摩耗痕径(mm)を測定した。この試験では摩耗痕径が小さいほど摩耗防止性能が優れることを意味する。
・軸受腐食防止性能
各供試油を、JIS K2514の内燃機関用潤滑油酸化安定度試験(ISOT)にて72時間劣化させた後、これをビーカーに50g採取し、その中に、軸受メタル部材として、#400のサンドペーパーで研磨した直径60mm、厚さ1mmのLBC−3種試験片(鉛青銅鋳物)を入れて150℃にて浸漬試験を行った。浸漬開始後、240時間後、360時間後にそれぞれサンプリングを行い、油中の鉛、銅、錫の濃度(質量ppm)を測定した。これら金属濃度が低いほど、軸受腐食防止性能に優れることを意味する。
・貯蔵安定性試験
各供試油を100ml遠沈管に採取し、密閉後60℃の恒温槽で1週間静置した。その後沈殿物の形成有無を調査した。この試験で沈殿を生じなければ、実用上求められる貯蔵安定性を満たすものと判断した。
実施例1:摩耗防止性能及び軸受腐食防止性能の両方とも高かった。
比較例1:金属型清浄剤として、(A−2)を用いず、替わりにCaスルホネートを用いた例であるが、摩耗防止性能は実施例1と同等であるものの、貯蔵安定性試験において沈殿形成が認められ、実用に適さないものであった。
比較例2:(B−1)成分の含有量が本発明所定の範囲未満であり、摩耗防止性能が劣る結果となった。
比較例3:(D)フェノール系酸化防止剤を含有しておらず、軸受腐食防止性試験において金属溶出が多い結果であった。
比較例4〜7:ホウ素を含有しないコハク酸イミドの重量平均分子量が本発明所定の範囲未満であり、摩耗防止性能が劣る結果であった。
比較例8、9:ホウ素含有コハク酸イミドのB/N比が本発明所定の範囲を超えており、摩耗防止性試験方法2の摩耗痕径が大きく摩耗防止性能に劣っており、更に、(D)フェノール系酸化防止剤を含有しておらず、軸受腐食防止性試験において金属溶出が多い結果であった。
比較例10、11:ホウ素を含有しないコハク酸イミドの重量平均分子量が本発明所定の範囲未満であり、且つ、ホウ素含有コハク酸イミドのB/N比が本発明所定の範囲を超えており、摩耗防止性能が著しく劣る結果となった。
比較例12:(C)有機モリブデン化合物を配合しない場合、摩耗防止性能が劣る結果であった。
比較例13、14:ホウ素を含有しないコハク酸イミドの窒素換算の合計含有量((β−1)+(B−1))は、330質量ppm以上であるものの、重量平均分子量が本発明所定の範囲にあるホウ素を含有しないコハク酸イミド(B−1)の含有量が、本発明所定の範囲未満であり、軸受腐食防止試験の銅の溶出量が極めて多い結果であった。これは、比較例14のように(D)フェノール系酸化防止剤を配合してもなお改善されない結果であった。
以上より、本発明のディーゼルエンジン油組成物は、摩耗防止性能と軸受腐食防止性能の両方が極めて高いことが分かった。
Claims (3)
- 潤滑油基油と、
金属型清浄剤として、アルカリ土類金属換算で0.24〜0.30質量%の(A−1)アルカリ土類金属サリシレート、及びアルカリ土類金属換算で0.28〜0.35質量%の(A−2)アルカリ土類金属フェネートと、
無灰分散剤として、窒素換算で330〜2000質量ppmの(B−1)重量平均分子量が6000〜20000のホウ素を含まないコハク酸イミド系分散剤、及びホウ素換算で120〜500質量ppmの(B−2)B/N比が0.05〜0.50であるホウ素含有コハク酸イミド系分散剤と、
モリブデン換算で100〜1000質量ppmの(C)有機モリブデン化合物と、
無灰型酸化防止剤として、0.1〜3.0質量%の(D)フェノール系酸化防止剤と、
を含有し、
該(A−1)アルカリ土類金属サリシレートのアルカリ土類金属換算の含有量に対する該(A−2)アルカリ土類金属フェネートのアルカリ土類金属換算の含有量の比((A−2)/(A−1))が、1.02〜1.3であること、
を特徴とするディーゼルエンジン油組成物。 - 摩耗防止剤として、下記一般式(5):
で表わされるジアルキルジチオリン酸亜鉛を含有することを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジン油組成物。 - 農建機用ディーゼルエンジン油であることを特徴とする請求項1又は2記載のディーゼルエンジン油組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016087296A JP6714423B2 (ja) | 2016-04-25 | 2016-04-25 | ディーゼルエンジン油組成物 |
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