JP2018048220A - ガスエンジン油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発量が抑制され、耐酸化性、及び抗乳化性に優れるガスエンジン油組成物を提供する。【解決手段】100℃における動粘度が5.5〜12mm2/sの基油と、カルシウム系金属型清浄剤と、分散型の粘度調整剤と、を含有する、ガスエンジン油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスエンジン油組成物に関する。
近年、地球環境などの環境問題への対応として、エンジン油組成物に対しても燃費効果及び清浄性など様々な効果を付与することが求められている。
このようなエンジン油組成物としては、例えば、潤滑基油に、ホウ素含有コハク酸イミドと、コハク酸イミドと、アルカリ土類金属系清浄剤と、をそれぞれ所定の割合で含有するエンジン油組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、粘度指数120以上の基油に、粘度指数向上剤を配合して粘度指数を向上させたエンジン油が提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
環境負荷低減、及びメンテナンスの容易化からガスエンジン油組成物についても更油間隔の長い長寿命(ロングドレン)油が求められている。
ガスエンジンシステムは、燃焼性が良く、燃焼温度もガソリンエンジンや陸上ディーゼルエンジンよりも高い為、高温酸化やNOxの発生量が多く、液体燃料を使用するエンジンと比較して、エンジン用潤滑油、すなわちエンジン油組成物の劣化が促進され易い。従ってガスエンジン油組成物の長寿命化を実現するには、耐酸化性や耐NOx性に優れた特性を持たせることが重要である。
特開2001−279287号公報 特開2010−095663号公報 特開2010−095664号公報
ガスエンジン機関では、低温環境下において凝縮水の発生により配管内でマヨネーズスラッジを生成する場合がある。スラッジによる配管閉塞が発生した場合、ブローバイガスや潤滑油の漏洩が発生する恐れがある為、このようなマヨネーズスラッジの生成を抑制する性質(抗乳化性)についても重要である。
耐酸化性の向上には、例えば、酸化安定性に優れるグループIII基油を配合することが有効な方法の一つであるが、グループIII基油は比較的低粘度である為、ガスエンジン油組成物を所定の粘度にするには粘度調整剤の配合が必須である。しかしながら、このようなガスエンジン油組成物では耐酸化性の向上は認められるものの、抗乳化性が悪化する問題が生じた。
また、比較的低粘度の基油は、蒸発しやすい傾向にあるため、このような基油を含有するガスエンジン油組成物の蒸発量を抑制することについてもガスエンジン油組成物の長寿命化の観点から重要である。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、蒸発量が抑制され、耐酸化性、及び抗乳化性に優れるガスエンジン油組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、耐酸化性の向上の為、基油として比較的低粘度の基油(例えば、グループIII基油)を使用し、粘度グレードを所定の粘度にする為、分散型の粘度調整剤を使用することで、抗乳化性に優れるガスエンジン油を見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
<1> 100℃における動粘度が5.5〜12mm/sの基油と、カルシウム系金属型清浄剤と、分散型の粘度調整剤と、を含有する、ガスエンジン油組成物。
<2> 前記カルシウム系金属型清浄剤がカルシウムサリシレートであり、組成物の塩基価が2〜7mgKOH/gであり、組成物の100℃における動粘度が10〜20mm/sであり、組成物中の硫酸灰分が0.8質量%以下である、<1>に記載のガスエンジン油組成物。
本発明によれば、蒸発量が抑制され、耐酸化性、及び抗乳化性に優れるガスエンジン油組成物が提供される。
以下、本発明のガスエンジン油組成物について詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲を表す「〜」はその上限及び下限としてそれぞれ記載されている数値を含む範囲を表す。また、「〜」で表される数値範囲において上限値のみ単位が記載されている場合は、下限値も同じ単位であることを意味する。
本発明のガスエンジン油組成物は、100℃における動粘度(100℃動粘度)が5.5〜12mm/sの基油と、カルシウム系金属型清浄剤と、分散型の粘度調整剤と、を含有する。
本発明のガスエンジン油組成物は、必要に応じて上記以外の成分を含んでいてもよい。
(基油)
本発明のガスエンジン油組成物は、100℃動粘度が5.5〜12mm/の基油の少なくとも一種を含有する。
基油の種類としては、鉱油系基油及び合成系基油の中から選ばれる一種以上のものを用いることができる。
鉱油系基油としては、例えば、原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製、水素化分解精製、又は水素化脱蝋などの精製法を適宜組合せて精製した基油が挙げられる。なお、後述の粘度指数が120以上である基油としては、水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋又は水素化脱蝋などの処理を施した高度に精製されたパラフィン系鉱油(高粘度指数鉱油系潤滑油基油)等が挙げられる。
合成系潤滑油基油としては、例えば、メタン等の天然ガスを原料として合成されるイソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ジアルキルジエステル類、ポリオール類、アルキルベンゼン類、ポリグリコール類、及びフェニルエーテル類などの基油が挙げられる。
基油としては、100℃動粘度が5.5〜12mm/sの基油であればよく、通常、ガスエンジン油組成物に用いられる基油の中から上記性状を有する基油を適宜使用することができる。より長寿命のガスエンジン油組成物とする観点から、100℃動粘度が5.5〜12mm/s、かつ、粘度指数が120以上である基油が好ましく、100℃動粘度が6.0〜10mm/s、かつ、粘度指数が120以上である基油がより好ましく、100℃動粘度が6.2〜9.5mm/s、かつ、粘度指数が120以上である基油がもっとも好ましい。
基油の100℃動粘度が5.5mm/s以上であると、蒸発量を抑制することができ、12mm/s以下であると耐酸化性が良好な基油(例えば、後述のグループIII基油)を用いることができるため耐酸化性が良化する。
このような性状の基油は、アメリカ石油協会(API)の基油分類で、グループII基油(硫黄分0.03質量%以下、飽和分90質量%以上、粘度指数80以上120未満の性状を有する基油)とグループIII基油(硫黄分0.03質量%以下、飽和分90質量%以上、粘度指数120以上)とを混合して上記性状に合わせたものを使用してもよく、グループIII基油を単独で使用してもよい。本発明においては、耐酸化性の向上の観点からグループIII基油を使用することが好ましい。
なお、基油としてグループI基油(硫黄分0.03質量%を超える、飽和分90質量%以下、粘度指数80以上120未満の性状を有する基油)を用いた場合、耐酸化性に劣る傾向がある。
基油の100℃動粘度は、JIS−K−2283:2000(ASTM D445)に規定の方法により測定される値である。
また、基油の粘度指数は、JIS K 2283:2000(ASTM D2270))に規定の方法により測定される値である。
(粘度調整剤)
本発明のガスエンジン油組成物は、分散型の粘度調整剤の少なくとも一種を含有する。
分散型の粘度調整剤としては、例えば、下記に示す粘度調整剤(A)、粘度調整剤(B)、及び粘度調整剤(C)が挙げられる。
粘度調整剤(A)としては、重量平均分子量が、100,000〜500,000である分散型のOCP(オレフィンコポリマー)が挙げられ、より好ましくは、重量平均分子量が、100,000〜200,000の分散型OCPが挙げられる。
重量平均分子量が100,000以上であると、少量の添加でガスエンジン油組成物を所定の粘度に調整することができるため経済性が良く、500,000以下であると、ガスエンジン油組成物のせん断安定性が良化する。
なお、重量平均分子量は、下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された分子量算定用標準ポリスチレン換算の値である。
<条件>
装置:Shodex GPC−101(昭和電工(株)製)、カラム:Shodex GPC LF−804(昭和電工(株)製)を3本、検出器:示差屈折検出器、移動相:THF(テトラヒドロフラン)、流量:1ml/min、試料濃度:約1.0mass%/vol%THF、注入量:100μL
粘度調整剤(B)としては、重量平均分子量が、100,000〜500,000である分散型のPMA(ポリメタクリレート)が挙げられ、より好ましくは、重量平均分子量が、200,000〜400,000の分散型PMAが挙げられる。
重量平均分子量が、100,000以上であると、少量の添加でガスエンジン油組成物を所定の粘度に調整することができるため経済性が良く、500,000以下であると、ガスエンジン油組成物のせん断安定性が良化する。
粘度調整剤(C)としては、重量平均分子量が、100,000〜500,000である分散型のMix(OCP+PMA)が挙げられ、より好ましくは、重量平均分子量が、100,000〜200,000の分散型Mixが挙げられる。
重量平均分子量が、100,000以上であると、少量の添加でガスエンジン油組成物を所定の粘度に調整することができるため経済性が良く、500,000以下であると、せん断安定性が良化する。
これらの粘度調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。粘度調整剤の配合量は、ガスエンジン油組成物の100℃動粘度が10〜20mm/sの範囲内になる量の範囲で配合することができる。
(カルシウム系金属型清浄剤)
本発明のガスエンジン油組成物には、カルシウム系金属型清浄剤の少なくとも一種を含有する。
カルシウム系金属型清浄剤としては、例えば、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、カルシウムフェネートなどを配合することができる。これらの中でもアルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩であるカルシウムサリシレートを配合することが好ましい。
本発明のガスエンジン油組成物に用いられるカルシウム系金属型清浄剤は、過塩素酸法(JIS−K−2501−7)による全塩基価が好ましくは200mgKOH/g以上であり、より好ましくは200〜240mgKOH/gであり、更に好ましくは210〜230mgKOH/gである。
塩基価が200mgKOH/g以上のカルシウム系金属型清浄剤を用いることでガスエンジン油組成物の塩基価保持性向上に有効である。
本発明のガスエンジン油組成物における上記カルシウム系金属型清浄剤の配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対して好ましくは0.5〜3質量%であり、より好ましくは1〜2.5質量%であり、更に好ましくは1〜2質量%である。
カルシウム系金属型清浄剤の配合量が0.5質量%以上であると耐酸化性及び耐NOx性効果がより大きくなり、3質量%以下であると過剰な塩基成分がピストンへ堆積することを抑制し、ライナスカッフィングを引き起こし難くなる。
(コハク酸イミド系分散剤)
本発明のガスエンジン油組成物には、油組成物中に混入する燃焼生成物を分散する目的で、分散剤としてコハク酸イミド系分散剤を配合することができる。コハク酸イミド系分散剤としては、ガスエンジン油組成物の長寿命化の観点からホウ素含有コハク酸イミドがより好ましい。
ホウ素含有コハク酸イミドとしては、例えば、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表されるコハク酸イミドをホウ素変性させたホウ素含有コハク酸イミドを用いることができる。このうち、一般式(1)で表されるコハク酸イミドをホウ素変性させたホウ素含有コハク酸イミドを用いることが好ましく、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が3,000〜8,000のものが好ましく、3,000〜6,000であるものがより好ましい。
なお、重量平均分子量は、前述の重量平均分子量と同様の条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された分子量算定用標準ポリスチレン換算の値である。

一般式(1)及び一般式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に、重量平均分子量800〜2,500(ポリスチレン換算)のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルキレン基であり、nは1〜10の整数である。
ホウ素含有コハク酸イミドの好ましい配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対し1〜11質量%である。より好ましい配合量はガスエンジン油組成物全量に対し2〜10質量%である。
(酸化防止剤)
本発明のガスエンジン油組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、及びn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物が挙げられる。
アミン系の酸化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン類及びジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物が挙げられる。
(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)
本発明のガスエンジン油組成物は、摩耗防止性能の観点から、摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛を配合することが好ましい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は第一級であってもよく、第二級であってもよい。
上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の好ましい配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対し、0.1〜2質量%であり、より好ましい配合量は0.2〜1質量%である。
(その他の添加剤)
本発明のガスエンジン油組成物には、効果(抗乳化性)を損なわない範囲で必要に応じてその他の添加剤を配合できる。
その他の添加剤としては、ベンゾトリアゾール系金属不活性剤、流動点降下剤、及び消泡剤等が挙げられる。
ガスエンジン油組成物にベンゾトリアゾール系金属不活性化剤を配合する場合、ベンゾトリアゾール系金属不活性化剤を0.01〜0.1質量%添加することで、軸受メタルの劣化及び変色を防ぐことができる。
流動点降下剤としては、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤などが挙げられる。
(組成物の塩基価)
本発明のガスエンジン油組成物中の塩基価は、塩酸法(JIS−K−2501−8:2003)で測定した際の値が、好ましくは2〜7mgKOH/gであり、より好ましくは3〜5mgKOH/gである。
ガスエンジン油組成物の塩基価が2mgKOH/g以上であると耐酸化性及び耐NOx性効果がより大きくなり、塩基価が7mgKOH/g以下であると過剰な塩基成分がピストンへ堆積することを抑制し、ライナスカッフィングを引き起こし難くなる。
なお、この組成物の塩基価は前述のカルシウム系金属型清浄剤を含有することで調整できる。
(組成物中の硫酸灰分量)
本発明のガスエンジン油組成物中の硫酸灰分量は特に限定はないが、硫酸灰分の多くはカルシウム系金属型清浄剤及び摩耗防止剤であるジアルキルジチオリン酸亜鉛等の金属分に由来するものである為、硫酸灰分量が多すぎると、ピストンヘッド及び吸排気バルブに堆積物が生成し、正常な燃焼の妨げとなる場合がある。このような観点から、硫酸灰分量は0.8質量%以下であることが好ましい。
一方、基本的なガスエンジン油組成物の性能を向上させる観点から、上記の金属分を含有する添加剤が、ガスエンジン油組成物にある程度の配合量で含有されることが好ましい。そのため、硫酸灰分量は0.5質量%が実質的な下限値となる場合が多い。
なお、本願における硫酸灰分量とはJIS−K2272:1998による試験方法によって測定された灰分量を意味する。
(組成物の動粘度)
本発明のガスエンジン油組成物の100℃における動粘度(JIS−K−2283:2000(ASTM D445))は、好ましくは10〜20mm/s、より好ましくは12.5〜16.3mm/sである。
(組成物の蒸発量)
本発明のガスエンジン油組成物の蒸発量(NOCAK値)は、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。
蒸発量は、ASTM D 5800に準拠して測定された基油の蒸発損失量を意味する。
(用途)
本発明のガスエンジン油組成物は、クランク室内のNOx量が多い発電容量1000kW以下のコジェネレーションなどのガスエンジンに使用できる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1〜5及び比較例1〜6]
実施例及び比較例において試料の調製に用いた基油、及び添加剤(清浄剤、粘度調整剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、その他の添加剤)は次のとおりである。これらの成分を下記表1に示す組成に調製し、実施例及び比較例の試料を作製した。
<基油>
(1)水素化分解系の鉱油系基油(A)(グループIII基油)
100℃動粘度 7.8mm/s、粘度指数128
(2)水素化分解系の鉱油系基油(B)(グループIII基油)
100℃動粘度 4.2mm/s、粘度指数124
(3)水素化分解系の鉱油系基油(C)(グループIII基油)
100℃動粘度 6.3mm/s、粘度指数131
(4)鉱油系基油(D)(混合基油)
水素化分解系の鉱油系基油(A)と、水素化分解系の鉱油系基油(グループII基油、100℃動粘度 11.7mm/s、粘度指数107)と、の混合基油であり、混合基油の100℃動粘度 9.0mm/s、粘度指数121
(5)鉱油系基油(E)(グループI基油)
100℃動粘度 13.6mm/s、粘度指数97
<添加剤>
(1)清浄剤
カルシウム系金属型清浄剤:塩基価228mgKOH/gカルシウムサリシレート
(2)粘度調整剤
粘度調整剤(A):
分散型のOCP(オレフィンコポリマー)で重量平均分子量が160,000
粘度調整剤(B):
分散型のPMA(ポリメタクリレート)で重量平均分子量が280,000
粘度調整剤(C):
分散型のMix(OCP+PMA)で重量平均分子量が150,000
粘度調整剤(D):
非分散型のOCP(オレフィンコポリマー)で重量平均分子量が180,000
粘度調整剤(E):
非分散型のOCP(オレフィンコポリマー)で重量平均分子量が270,000
粘度調整剤(F):
非分散型のPMA(ポリメタクリレート)で重量平均分子量が400,000
粘度調整剤(G):
非分散型のPMA(ポリメタクリレート)で重量平均分子量が350,000
(3)分散剤
分散剤(A):ホウ素含有コハク酸イミド、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が5500であって、窒素含有量が1.4質量%、ホウ素含有量が0.9質量%である。
分散剤(B):コハク酸イミド、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が5300であって、窒素含有量が1.7質量%、ホウ素含有量が0.0質量%である。
(4)酸化防止剤
酸化防止剤(A):フェノール系、高分子ヒンダードフェノール
酸化防止剤(B):ジフェニルアミン系、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンの反応生成物
酸化防止剤(C):ナフチルアミン系、N−フェニル−ar−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1−ナフタレンアミン
(5)摩耗防止剤
セカンダリータイプのアルキル基とプライマリータイプのアルキル基とを有するジアルキルジチオリン酸亜鉛
(6)その他添加剤
ポリメタクリレート系流動点降下剤
消泡剤(シリコーン)
<評価方法>
[蒸気乳化試験]
100mlの遠心分離管に、試料(新油又は劣化油)を50ml入れ、蒸気発生装置で発生させた蒸気を試験油の中に5ml(吹込み時間60秒)吹込み乳化させる。なお、新油は上記の基油及び添加剤を配合した直後のガスエンジン油組成物を指し、劣化油は上記の基油及び添加剤を配合したガスエンジン油組成物を下記の劣化試験(ISOT試験)により劣化させたガスエンジン油組成物を指す。
[評価基準]
上記試験72時間後のマヨネーズスラッジ発生量(単位:ml)を目視測定し、10ml未満なら抗乳化性能に問題なしと判断し、マヨネーズスラッジ発生量が少ないほど抗乳化性能に優れる性能であると評価する。
[劣化試験条件]
ISOT試験を用い劣化させる。
JIS K 2839−1990に規定する試験容器に試験油を250mLと、銅及び鉄触媒を添加し、165.5℃で、72時間攪拌させ劣化させる。
[評価基準]
上記のISOT劣化油及び新油時の塩基価を、JIS K−2501:2003(電位差法(塩酸法))で求める。
求めた値から変化率を算出し、塩基価保持率とした。塩基価保持率は、値が大きいものほどISOT劣化に対し優れる性能である(すなわち、耐酸化性に優れる)と評価する。
[NOACK値]
ASTM D 5800に規定された測定方法により新油のNOACK値を測定する。
NOACK値は、値が小さいものほど、蒸発量が抑制されていると評価する。

[評価結果]
実施例1〜5のように、分散型の粘度調整剤を配合したガスエンジン油組成物は、非分散型の粘度調整剤を配合した比較例1〜4と比較して新油及び劣化油ともにマヨネーズスラッジ発生量は少なく、優れる抗乳化性を有する結果となった。
比較例5と6は、抗乳化性は良好であるが、実施例1〜5と比較して、比較例5は、NOACK値が高く、ガスエンジン油組成物の蒸発量が多い。比較例6は、塩基価保持率が低く、耐酸化性に劣る結果となった。

Claims (2)

  1. 100℃における動粘度が5.5〜12mm/sの基油と、カルシウム系金属型清浄剤と、分散型の粘度調整剤と、を含有する、ガスエンジン油組成物。
  2. 前記カルシウム系金属型清浄剤がカルシウムサリシレートであり、組成物の塩基価が2〜7mgKOH/gであり、組成物の100℃における動粘度が10〜20mm/sであり、組成物中の硫酸灰分が0.8質量%以下である、請求項1に記載のガスエンジン油組成物。
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