JP6723125B2 - ガスエンジン油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスエンジン油組成物に関する。
近年、地球環境などの環境問題への対応として、エンジン油組成物に対しても燃費効果及び清浄性など様々な効果を付与することが求められている。
このようなエンジン油組成物としては、例えば、潤滑基油に、ホウ素含有コハク酸イミドと、コハク酸イミドと、アルカリ土類金属系清浄剤と、粘度指数向上剤と、を含有するエンジン油組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
環境負荷低減、及びメンテナンスの容易化からガスエンジン油組成物についても更油間隔の長い長寿命(ロングドレン)油が求められている。
ガスエンジンシステムは、燃焼性が良く、燃焼温度もガソリンエンジンや陸上ディーゼルエンジンよりも高いため、高温酸化やNOxの発生量が多く、液体燃料を使用するエンジンと比較して、エンジン用潤滑油、すなわちエンジン油組成物の劣化が促進され易い。従ってガスエンジン油組成物の長寿命化を実現するには、耐酸化性や耐NOx性に優れた特性を持たせることが重要である。
特開2001−279287号公報
ガスエンジン機関では、低温環境下において凝縮水の発生により配管内でマヨネーズスラッジを生成する場合がある。スラッジによる配管閉塞が発生した場合、ブローバイガスや潤滑油の漏洩が発生する恐れがある為、このようなマヨネーズスラッジの生成を抑制する性質(抗乳化性)についても重要である。
耐酸化性の向上には、例えば、酸化安定性に優れるグループIII基油を配合することが有効な方法の一つであるが、グループIII基油は比較的低粘度であるため、ガスエンジン油組成物を所定の粘度にするには粘度調整剤の配合が必須である。しかしながら、このようなガスエンジン油組成物では耐酸化性の向上は認められるものの、抗乳化性が悪化する問題が生じた。特に、粘度調整剤として非分散型の粘度調整剤を使用した場合、抗乳化性の悪化が著しい傾向にある。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、抗乳化性に優れるガスエンジン油組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、耐酸化性の向上の為、基油として比較的低粘度の基油(例えば、グループIII基油)を使用し、粘度グレードを指定の粘度にする為、非分散型の粘度調整剤を使用しても界面活性剤及び抗乳化剤を含有することで、抗乳化性に優れるガスエンジン油組成物を見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
<1> 基油と、エーテル型非イオン性界面活性剤を0.25〜0.35質量%と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びエーテル型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種である抗乳化剤を0.025〜0.035質量%と、非分散型の粘度調整剤と、を含有する、ガスエンジン油組成物。
<2> さらにカルシウムサリシレートを含有し、組成物の塩基価が2〜7mgKOH/gであり、組成物の100℃における動粘度が10〜20mm/sであり、組成物中の硫酸灰分が0.8質量%以下である、<1>に記載のガスエンジン油組成物。
本発明によれば、抗乳化性に優れるガスエンジン油組成物が提供される。
以下、本発明のガスエンジン油組成物について詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲を表す「〜」はその上限及び下限としてそれぞれ記載されている数値を含む範囲を表す。また、「〜」で表される数値範囲において上限値のみ単位が記載されている場合は、下限値も同じ単位であることを意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明のガスエンジン油組成物は、基油と、エーテル型非イオン性界面活性剤を0.25〜0.35質量%と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びエーテル型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種である抗乳化剤を0.025〜0.035質量%と、非分散型の粘度調整剤と、を含有する。
本発明のガスエンジン油組成物は、必要に応じて上記以外の成分を含んでいてもよい。
(基油)
本発明のガスエンジン油組成物は、基油の少なくとも一種を含有する。
基油の種類としては、鉱油系基油及び合成系基油の中から選ばれる一種以上のものを用いることができる。
鉱油系基油としては、例えば、原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製、水素化分解精製、又は水素化脱蝋などの精製法を適宜組合せて精製した基油が挙げられる。なお、後述の粘度指数が125以上である基油としては、水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋または水素化脱蝋などの処理を施した高度に精製されたパラフィン系鉱油(高粘度指数鉱油系潤滑油基油)等が挙げられる。
合成系潤滑油基油としては、例えば、メタン等の天然ガスを原料として合成されるイソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ジアルキルジエステル類、ポリオール類、アルキルベンゼン類、ポリグリコール類、及びフェニルエーテル類などの基油が挙げられる。
基油としては、通常、ガスエンジン油組成物に用いられる性状を有する基油を適宜使用することができる。より長寿命のガスエンジン油組成物とする観点から、100℃における動粘度(100℃動粘度)が5〜12mm/s、粘度指数が125以上である基油が好ましく、100℃動粘度が6〜10mm/s、粘度指数が125以上である基油がより好ましい。
このような性状の基油は、アメリカ石油協会(API)の基油分類で、グループII基油(硫黄分0.03質量%以下、飽和分90質量%以上、粘度指数80以上120未満の性状を有する基油)とグループIII基油(硫黄分0.03質量%以下、飽和分90質量%以上、粘度指数120以上)とを混合して上記性状に合わせたものを使用してもよく、グループIII基油を単独で使用してもよい。本発明においては、耐酸化性の観点から、グループIII基油を使用することが好ましい。
(エーテル型非イオン性界面活性剤)
本発明のガスエンジン油組成物はエーテル型非イオン性界面活性剤の少なくとも一種を含有する。
エーテル型非イオン性面活性剤としては、例えば、HLB(Hydrophile−Lipophile−Balance)値が9〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。ここで、HLB値とは、エーテル型非イオン性界面活性剤の水と油への親和性のバランスを表す指標であり、化学構造や物性などの数値を基に計算により求められる数値である。
HLB値は小さいほど親油性が高く、大きいほど親水性が高いことを示す。なお、本発明におけるHLB値はグリフィン法により求めた値である。
本発明のガスエンジン油組成物におけるエーテル型非イオン性界面活性剤は、後述の抗乳化剤と相俟って抗乳化性の向上効果及び耐酸化性の向上効果を発現する成分として機能する。エーテル型非イオン性界面活性剤は、ガスエンジン油組成物における含有量が少なすぎると、ガスエンジン油組成物に水分が多量に浸入した際に十分な抗乳化性が得られず、含有量が多すぎると侵入した水分量に関わらず、耐酸化性及び長期貯蔵安定性が損なわれる。
上記の観点から、本発明のガスエンジン油組成物におけるエーテル型非イオン性界面活性剤の配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対して0.25〜0.35質量%であり、好ましくは0.26〜0.33質量%であり、より好ましくは0.28〜0.32質量%である。
エーテル型非イオン性界面活性剤の配合量が0.25〜0.35質量%であると、十分な抗乳化性が得られ、かつ、耐酸化性及び長期貯蔵安定性を損なう恐れがない。
(抗乳化剤)
本発明のガスエンジン油組成物は抗乳化剤の少なくとも一種を含有する。
抗乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びエーテル型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤等の抗乳化剤が挙げられ、エーテル型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。具体的には、ポリアルキレングリコールが好ましく用いられる。
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はブチレングリコールをモノマーとし、これらをそれぞれ単独で重合させたホモポリマー、及び、それぞれを組み合わせて重合させたコポリマーが挙げられる。これらのホモポリマー及びコポリマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよいが、コポリマーが好ましく用いられる。
本発明のガスエンジン油組成物に含有される抗乳化剤としては、エチレングリコールとプロピレングリコールとを組み合わせて重合させたエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドコポリマー(例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物)が好ましい。
本発明のガスエンジン油組成物における抗乳化剤は、前述のエーテル型非イオン性界面活性剤と相俟って抗乳化性の向上効果及び耐酸化性の向上効果を発現する成分として機能する。抗乳化剤は、ガスエンジン油組成物における含有量が少なすぎると、ガスエンジン油組成物に侵入した水分とガスエンジン油組成物とにより生成されるエマルジョン(すなわちマヨネーズスラッジ)の量を抑制することができなくなるため、十分な抗乳化性が得られず、含有量が多すぎると、ガスエンジンの駆動時などに発生する熱により抗乳化剤が熱分解を起こし、耐酸化性が急激に悪化するため、ガスエンジン油組成物に必要な、耐酸化性及び長期貯蔵安定性が損なわれる。
本発明のガスエンジン油組成物における抗乳化剤の配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対して0.025〜0.035質量%であり、好ましくは0.027〜0.033質量%であり、より好ましくは0.028〜0.032質量%である。
抗乳化剤の配合量が0.025〜0.035質量%であると、十分な抗乳化性が得られ、かつ、耐酸化性及び長期貯蔵安定性を損なう恐れがない。
(粘度調整剤)
本発明のガスエンジン油組成物は、非分散型の粘度調整剤の少なくとも一種を含有する。
非分散型の粘度調整剤としては、重量平均分子量が、100,000〜500,000である非分散型のOCP(オレフィンコポリマー)が挙げられ、より好ましくは、重量平均分子量が、100,000〜200,000の非分散型OCPが挙げられる。
重量平均分子量が、100,000以上であると、少量の添加でガスエンジン油組成物を所定の粘度に調節することができる為経済性が良く、500,000以下であると、ガスエンジン油組成物のせん断安定性が良化する。
なお、重量平均分子量は、下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された分子量算定用標準ポリスチレン換算の値である。
<条件>
装置:Shodex GPC−101(昭和電工(株)製)、カラム:Shodex GPC LF−804(昭和電工(株)製)を3本、検出器:示差屈折検出器、移動相:THF(テトラヒドロフラン)、流量:1ml/min、試料濃度:約1.0mass%/vol%THF、注入量:100μL
これらの粘度調整剤は、一種単独で用いてもよく、二種類以上を組合せて用いてもよい。粘度調整剤の配合量は、ガスエンジン油組成物の100℃動粘度が10〜20mm/sの範囲内になる範囲で配合することが好ましい。
(カルシウム系金属型清浄剤)
本発明のガスエンジン油組成物には、カルシウム系金属型清浄剤の少なくとも一種を含有することが好ましい。
カルシウム系金属型清浄剤としては、例えば、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、カルシウムフェネートなどを配合することができるが、これらの中でもアルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩であるカルシウムサリシレートを配合することが好ましい。
本発明のガスエンジン油組成物に用いられるカルシウム系金属型清浄剤は、過塩素酸法(JIS−K−2501−7:2003)による全塩基価が好ましくは200mgKOH/g以上であり、より好ましくは200〜240mgKOH/g、更に好ましくは210〜230mgKOH/gである。
塩基価が200mgKOH/g以上のカルシウム系金属型清浄剤を用いることでガスエンジン油組成物の塩基価保持性向上に有効である。
本発明のガスエンジン油組成物における上記カルシウム系金属型清浄剤の配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対して好ましくは0.5〜3質量%であり、より好ましくは1〜2.5質量%であり、更に好ましくは1〜2質量%である。
カルシウム系金属型清浄剤の配合量が0.5質量%以上であると耐酸化性及び耐NOx性効果がより大きくなり、3質量%以下であると過剰な塩基成分がピストンへ堆積することを抑制し、ライナスカッフィングを引き起こし難くなる。
(コハク酸イミド系分散剤)
本発明のガスエンジン油組成物には、油組成物中に混入する燃焼生成物を分散する目的で、分散剤として、例えば、コハク酸イミド系分散剤を配合することができる。コハク酸イミド系分散剤としては、ガスエンジン油組成物の長寿命化の観点からホウ素含有コハク酸イミドを配合することがより好ましい。
ホウ素含有コハク酸イミドとしては、例えば、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表されるコハク酸イミドをホウ素変性させたホウ素含有コハク酸イミドを用いることができる。このうち、一般式(1)で表されるコハク酸イミドをホウ素変性させたホウ素含有コハク酸イミドを用いることが好ましく、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が3,000〜8,000のものが好ましく、3,000〜6,000であるものがより好ましい。
なお、重量平均分子量は、前述の重量平均分子量と同様の条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された分子量算定用標準ポリスチレン換算の値である。
一般式(1)及び一般式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に、重量平均分子量800〜2,500(ポリスチレン換算)のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルキレン基であり、nは1〜10の整数である。
ホウ素含有コハク酸イミドの好ましい配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対し1〜11質量%である。より好ましい配合量はガスエンジン油組成物全量に対し2〜10質量%である。
(酸化防止剤)
本発明のガスエンジン油組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤が挙げられる。
これらは一種単独で用いてもよく、二種類以上を組合せて用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物が挙げられる。
(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)
本発明のガスエンジン油組成物は、摩耗防止性能の観点から、摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛を配合することが好ましい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は第一級であってもよく、第二級であってもよい。
上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の好ましい配合量は、ガスエンジン油組成物全量に対し、0.1質量%〜2質量%であり、より好ましい配合量は0.2〜1質量%である。
(その他の添加剤)
本発明のガスエンジン油組成物には、効果(抗乳化性)を損なわない範囲で必要に応じてその他の添加剤を配合できる。
その他の添加剤としては、流動点降下剤、消泡剤等が挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤などが挙げられる。
(組成物の塩基価)
本発明のガスエンジン油組成物の塩基価は、塩酸法(JIS−K−2501−8:2003)で測定した際の値が、好ましくは2〜7mgKOH/gであり、より好ましくは3〜5mgKOH/gである。
ガスエンジン油組成物の塩基価が2mgKOH/g以上であると耐酸化性及び耐NOx性効果がより大きくなり、7mgKOH/g以下であると過剰な塩基成分がピストンへ堆積することを抑制し、ライナスカッフィングを引き起こし難くなる。
なお、ガスエンジン油組成物の塩基価は、前述のカルシウム系金属型清浄剤を含有することで調整することが好ましい。
(組成物中の硫酸灰分量)
本発明のガスエンジン油組成物中の硫酸灰分量は特に限定はないが、硫酸灰分の多くはカルシウム系金属型清浄剤及び摩耗防止剤であるジアルキルジチオリン酸亜鉛等の金属分に由来するものであるため硫酸灰分量が多すぎると、ピストンヘッド及び吸排気バルブに堆積物が生成し、正常な燃焼の妨げとなる場合がある。このような観点から、硫酸灰分量は0.8質量%以下であることが好ましい。
一方、基本的なガスエンジン油組成物の性能を向上させる観点から、上記の金属分を含有する添加剤が、ガスエンジン油組成物にある程度の配合量で含有されることが好ましい。そのため、硫酸灰分量は0.5質量%が実質的な下限値となる場合が多い。
なお、本発明における硫酸灰分量とは、JIS−K2272:1998による試験方法によって測定された灰分量を意味する。
(組成物の動粘度)
本発明のガスエンジン油組成物の100℃における動粘度(JIS−K−2283:2000(ASTM D445))は、好ましくは10〜20mm/s、より好ましくは12.5〜16.3mm/sである。
(用途)
本発明のガスエンジン油組成物は、クランク室内のNOx量が多い発電容量1000kW以下のコジェネレーションなどのガスエンジンに使用できる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1及び比較例1〜7]
実施例及び比較例において試料の調製に用いた基油、及び添加剤(清浄剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、粘度調整剤、エーテル型非イオン性界面活性剤、抗乳化剤、その他の添加剤)は次のとおりである。これらの成分を下記表1に示す組成に調製し、実施例及び比較例の試料を作製した。
<基油>
(1)水素化分解系の鉱油系基油(グループIII基油)
100℃動粘度 7.8mm/s、粘度指数128
<添加剤>
(1)清浄剤
カルシウム系金属型清浄剤:塩基価228mgKOH/gカルシウムサリシレート
(2)分散剤
ホウ素含有コハク酸イミド、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が5,500であって、窒素含有量1.4質量%、ホウ素含有量が0.9質量%である。
(3)酸化防止剤
酸化防止剤(A):フェノール系、高分子ヒンダードフェノール
酸化防止剤(B):ジフェニルアミン系、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンの反応生成物
酸化防止剤(C):ナフチルアミン系、N−フェニル−ar−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1−ナフタレンアミン
(4)摩耗防止剤
セカンダリータイプのアルキル基と、プライマリータイプのアルキル基とを有するジアルキルジチオリン酸亜鉛
(5)粘度調整剤
非分散型のOCP(オレフィンコポリマー)、重量平均分子量が180,000
(6)エーテル型非イオン性界面活性剤
ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(7)抗乳化剤
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物
(8)その他添加剤
ポリメタクリレート系流動点降下剤
消泡剤(シリコーン)
<評価方法>
[蒸気乳化試験]
100mlの遠心分離管に、試料(新油又は劣化油)を50ml入れ、蒸気発生装置で発生させた蒸気を試験油の中に5ml(吹込み時間60秒)吹込み乳化させる。なお、新油は上記の基油及び添加剤を配合した直後のガスエンジン油組成物を指し、劣化油は上記の基油及び添加剤を配合したガスエンジン油組成物を下記の劣化試験(ISOT試験)により劣化させたガスエンジン油組成物を指す。
[評価基準]
上記試験72時間後のマヨネーズスラッジ発生量(単位:ml)を目視測定し、8ml以下なら抗乳化性能に問題なしと判断し、マヨネーズスラッジ発生量が少ないほど抗乳化性能に優れる性能であると評価する。
[劣化試験条件]
ISOT試験を用い劣化させる。
JIS K 2839−1990に規定する試験容器に試験油を250mLと、銅及び鉄触媒を添加し、165.5℃で、72時間攪拌させ劣化させる。

[評価結果]
実施例1のように、界面活性剤及び抗乳化剤を添加したものは、界面活性剤だけを添加した比較例1〜4及び抗乳化剤だけを添加した比較例5〜6と比較して、新油及び劣化油においてマヨネーズスラッジの発生はなく、優れた抗乳化性を有する結果となった。また実施例1と、同じ界面活性剤及び抗乳化剤を添加した比較例7と、を比較しても添加剤の配合量により新油及び劣化油ともにマヨネーズスラッジ量は少なく優れた抗乳化性能を有す結果となった。

Claims (2)

  1. 基油と、
    ポリオキシエチレンラウリルエーテルであるエーテル型非イオン性界面活性剤を0.25〜0.35質量%と、
    前記エーテル型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種であり、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物である抗乳化剤を0.025〜0.035質量%と、
    非分散型の粘度調整剤と、を含有する、
    ガスエンジン油組成物。
  2. さらにカルシウムサリシレートを含有し、組成物の塩基価が2〜7mgKOH/gであり、組成物の100℃における動粘度が10〜20mm/sであり、組成物中の硫酸灰分が0.8質量%以下である、請求項1に記載のガスエンジン油組成物。
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