以下、本発明に係るバッテリ装着器を実施するための実施の形態について図1〜図27を参照しながら説明する。図1〜図3では、本発明に係るバッテリ装着器としてのバッテリチェッカ10を図示している。図1はバッテリチェッカ10の表側を示している。図2は電動工具用バッテリBを装着しようとする斜視図であり、図3はバッテリチェッカ10の裏側を示している。バッテリチェッカ10は、電動工具用バッテリBが着脱される電気機器である。このバッテリチェッカ10は、通常はバッテリ装着部11に装着された電動工具用バッテリBからの電力供給により駆動し、電動工具用バッテリBからの電力供給が無い場合に乾電池収容部23(図3参照)に収容された乾電池により駆動可能にされている。このバッテリチェッカ10は、例えば、屋内の壁に固定された雄螺子に掛けられる壁掛け式で構成されている。このため、以下の説明では、壁に掛けられたバッテリチェッカ10にて規定される『表裏上下左右』の方向に基づいて、バッテリチェッカ10を説明することとする。
ちなみに、図示規定の『上下』の方向は、壁に掛けられたバッテリチェッカ10の上下方向に基づいて規定されている。また、図示規定の『表』の方向は壁に掛けられたバッテリチェッカ10の表面の側を意味しており、図示規定の『裏』の方向は壁に掛けられたバッテリチェッカ10の裏面の側を意味している。なお、表面はユーザと対面する面であり、裏面は壁面と対面する面である。また、図示規定の『左右』の方向は、ユーザが表面から視た場合の左右方向に基づいて規定されている。
このように壁に掛けられるバッテリチェッカ10は、電動工具用バッテリBの異常を点検する専用の診断器として構成されている。このような診断器は、装着された電動工具用バッテリBの、バッテリ充電回数、バッテリ電圧、バッテリ内部抵抗を診断した結果、バッテリ容量を診断した結果、このほか電動工具用バッテリBを総合的に診断した結果などのバッテリ状態を検出し、ユーザに表示出力する。このため、バッテリチェッカ10には、電動工具用バッテリBを装着するためのバッテリ装着部11と、診断結果を表示出力するための表示出力部17とが設けられている。
バッテリチェッカ10の表側面101はユーザと対面する。この表側面101の左側範囲には、電動工具用バッテリBを装着するためのバッテリ装着部11が設けられている。バッテリ装着部11は、スライドさせることにより着脱される電動工具用バッテリBに対応して構成される。この電動工具用バッテリBとしては、電動工具の工具本体に対してスライドさせることにより装着あるいは取り外しされる充電式のバッテリとして構成される。この電動工具用バッテリBは、工具本体に装着された場合には電動工具の電源として使用される。この電動工具用バッテリBが装着される電動工具としては、ドライバ、レンチ、ドリル、レシプロソー、チェーンソー、バンドソー、ジグソー、マルノコ、グラインダ、タッカ等の電力駆動の電動工具が挙げられる。ちなみに、電動工具用バッテリBとしては、例えば2012年4月発行マキタ総合カタログにおける『BL1430』の製品が挙げられる。
バッテリ装着部11は、概略、スライドレール12と、フック部13と、接続端子部14と、端子カバー15とを有する。電動工具用バッテリBは、バッテリ装着部11に対して、上から下へスライドさせることにより装着され、逆に下から上へスライドさせることにより取り外される。スライドレール12は、この電動工具用バッテリBを着脱させるにあたってのスライドをガイドするガイドレールである。スライドレール12は、電動工具用バッテリBのガイド部(図示省略)に対応した形状に形成され、電動工具用バッテリBをスライドさせる上下方向に対をなして延びている。フック部13は、凹形フックで形成される。フック部13には、装着が完了した電動工具用バッテリBの凸形フック(図示省略)が嵌合される。なお、電動工具用バッテリBを取り外す場合には、電動工具用バッテリB側のロックレバー(図示省略)を操作して、フック部13に対する電動工具用バッテリBの凸形フックの嵌合を解除する。
バッテリ装着部11の中央には、接続端子部14が設けられている。接続端子部14には、電動工具用バッテリB側の端子(図示省略)が接続される。接続端子部14は端子カバー15に保護されている。端子カバー15は、電動工具用バッテリBの着脱時のスライドに当たることにより上下方向にスライドする。具体的には、端子カバー15は、バッテリ装着部11に電動工具用バッテリBを装着させる際に電動工具用バッテリBにより押されて下がる。そうすると、それまで隠されていた接続端子部14が露出されて、電動工具用バッテリBに設けられる接続端子(図示省略)が接続端子部14に接続される。なお、電動工具用バッテリBの装着は重力方向となる上から下へスライドとなっており、電動工具用バッテリBをバッテリ装着部11に装着させ易い上、バッテリ装着部11に装着された後もバッテリ装着部11から電動工具用バッテリBが外れ難くなっている。
これに対し、表側面101の右側範囲には、表示出力部17および操作部18が設けられている。表示出力部17は、上記した診断結果をユーザが視認可能に表示出力する。また、操作部18は、表示出力に関しての表示内容を操作するボタンである。ユーザは、操作部18を適宜に押すことにより、表示出力部17に表示出力される表示内容を適宜に変更操作をすることができる。また、表側面101の右側範囲には、電源ボタン19が設けられている。このように電動工具用バッテリBが装着され、電動工具用バッテリBを診断した結果が表示出力されるバッテリチェッカ10は、外装としてのケースを有して構成される。このケース20の内部には適宜の電子部品が内蔵される。
ケース20は、上面視長方形をなすように形成され、外装としての機能と筐体ケースとしての機能を有する、ケース20は、裏ケース(下側ケース)21と表ケース(上側ケース)27とを合体させてなる。この裏ケース21と表ケース27とは、図3に示すように雄螺子28を介して一体に螺子止めされている。具体的には、裏ケース21と表ケース27とは、上面視長方形の4隅で雄螺子28により螺子止めされている。なお、裏ケース21の延在平面は、バッテリチェッカ10の裏側面102をなす。この裏側面102は、バッテリチェッカ10を壁に掛けた場合に壁と対面する面である。
裏ケース21の裏側面102には一対の掛止孔31が設けられる。この一対の掛止孔31は、壁掛け式とするための孔である。一対の掛止孔31は、左側(図面では右側)の縁の近傍に設定される左側掛止孔311と、右側(図面では左側)の縁の近傍に設定される右側掛止孔312との2つで設定されている。ちなみに、左側掛止孔311と右側掛止孔312とは、バッテリチェッカ10を壁に掛けた際の左右バランスが良くなるように、ケース20の左右対称位置に設けられている。さらに、左側掛止孔311と右側掛止孔312とは、壁に掛けた際の上下バランスが良くなるように、ケース20の半分より上側の範囲に設けられている。
これら左側掛止孔311と右側掛止孔312とは互いに同一の掛止孔31で構成される。このため、以下に掛止孔31を説明するにあたっては右側掛止孔312を例に挙げて説明することとする。なお、このケース20の裏側面102には、乾電池が収容される乾電池収容部23が設けられている。この乾電池収容部23は収容カバー24にて閉塞されている。収容カバー24は、係止フック251にて裏ケース21に係止されているとともに留め螺子252にて螺子止めされている。
掛止孔31は、掛止構造30の一部をなす。図4はケース20の内部側から視た掛止構造30を示す斜視図である。図5は取付部40に蓋部材70を取り付けようとする掛止構造30を示す斜視図である。図6は蓋部材70が取り付けられていない取付部40を示す斜視図である。図7は別の角度から視た図6の取付部40を示す斜視図である。図8は蓋部材70が取り付けられていない取付部40を示す正面図である。図9は蓋部材70が取り付けられていない取付部40を示す左側面図である。図10は蓋部材70が取り付けられていない取付部40を示す上面図である。図11は外部から視た掛止孔31を示す正面図である。図12は蓋部材70の単品外部形状を示す斜視図である。図13は別の角度から視た蓋部材70の単品外部形状を示す斜視図である。図14は蓋部材70の単品内部形状を示す斜視図である。図15は蓋部材70の外部を示す正面図である。図16は蓋部材70を示す左側面図である。
図17〜図27に関しては、上記した取付部40に蓋部材70が取り付けられた掛止構造30を図示している。すなわち、図17は取付部40に蓋部材70が取り付けられた掛止構造30を示す正面図である。図18は図17の掛止構造30を示す左側面図である。図19は図17の掛止構造30を示す上面図である。図20は図17の(XX)-(XX)線断面矢視図である。図21は図18の(XXI)-(XXI)線断面矢視図である。図22は図17の(XXII)-(XXII)線断面矢視図である。図23は図17の(XXIII)-(XXIII)線断面矢視図である。図24は雄螺子Sが差し込まれた掛止孔31を示す外部斜視図である。図25は図24の(XXV)-(XXV)線断面矢視図である。図26は雄螺子Sが掛止された掛止孔31を示す外部斜視図である。図27は図26の(XXVII)-(XXVII)線断面矢視図である。
掛止構造30は、裏ケース21に設けられる掛止孔31と、裏ケース21に設けられる取付部40と、この取付部40に取り付けられる蓋部材70とを有する。掛止孔31は裏ケース21の裏側面102を裏から表へ貫通するようにして形成されている。つまり、掛止孔31は、外部の雄螺子S(図25および図27を参照)をケース20の内部に差込可能にケース20の内外を連通している。掛止孔31からケース20の内部に差し込まれた雄螺子Sの螺子頭S2は、この掛止孔31に対して掛止可能となっている。なお、図24〜図27に参照される雄螺子Sは、本発明に係る外部の掛止部材に相当する。この雄螺子Sは、広く利用される雄螺子と同様、螺子部S1と螺子頭S2とを有して構成される。なお、螺子部S1は、壁に埋め込んで支持される本発明に係る脚部に相当する。また、螺子頭S2は、螺子部S1の外径より拡大した外径をなす本発明に係る掛止頭部に相当する。この雄螺子Sの掛止に関しては、後に図24〜図27を参照しながら説明する。掛止孔31は、図11に示すように、一般にダルマ孔とも称される連通孔である。掛止孔31は、径の長ささが相違する大小の2つの孔33,35を連ねるようにして形成される。
掛止孔31は、図11に示すように、下側の大径孔33と上側の小径孔35とが連接孔37を介在させながら連ねるようにして形成される。大径孔33は、小径孔35の径の長さと比較して相対的に長い径の内周縁34の孔として形成されている。逆に言えば、小径孔35は、大径孔33の径の長さと比較して相対的に短い径の内周縁36の孔として形成されている。また、連接孔37は、小径孔35の径のまま下方に真っ直ぐ延ばされた内周縁38の孔として形成されている。なお、大径孔33は、本発明に係る第1孔部に相当する孔であり、その内周縁34の径は雄螺子Sの螺子頭S2が差込可能な径で設定されている。これに対し、小径孔35は、本発明に係る第2孔部に相当する孔であり、その内周縁36の径は雄螺子Sの螺子頭S2の抜けが規制される径で設定されている。なお、連接孔37の内周縁38の径は、小径孔35と同一の径である。このように設定された小径孔35と大径孔33とは、上下の関係で並べられ、これらの間に連接孔37を介在させて互いに連なって、掛止孔31をなしている。
掛止孔31の内面側となるケース20の内面201には、取付部40が設けられている。この取付部40には、蓋部材70が取り付けられる。この取付部40に取り付けられる蓋部材70は、掛止孔31の開口をケース20の内部側から閉じる。この蓋部材70は、雄螺子Sが差し込まれる掛止孔31をケース20の内側から閉じる部材として構成される。なお、取付部40に対する蓋部材70の取付け方向は、小径孔35から大径孔33に向かう上から下への方向に設定されている。つまり、蓋部材70の取付け方向は、ケース20の内面201が延在される上から下へ方向となっている。この取付け方向で蓋部材70をスライドさせることにより蓋部材70は取付部40に取り付けられる。取付部40は、掛止孔31の内面201側に設けられる構造である。この取付部40は、掛止孔31と同様、左側(図示符号311)および右側(図示符号312)の双方に、同一構造で設けられている。
図4〜図11を参照にしながら、取付部40について説明する。なお、図6および図7以外の図面では取付部40の周囲の図示を省略している。取付部40は、概略、突出縁部41と、閉塞部50と、支持ガイド部55と、ストッパ部60とを有する。突出縁部41は、本発明に係る第1突出縁に相当する。突出縁部41は、掛止孔31の内周縁34,36,38に沿って設けられている。この突出縁部41は、この掛止孔31の内周縁34,36,38のそれぞれからケース20の内部に向かって突き出されるように形成されている。具体的には、大径孔33の内周縁34に沿って第1突出縁部44が設けられ、小径孔35の内周縁36に沿って第2突出縁部46が設けられ、連接孔37の内周縁38に沿って第3突出縁部48が設けられている。これら第1〜第3突出縁部44,46,48は、掛止孔31をなす内周縁34,36,38と同様、互いに連なってケース20の内部に向かって突き出されている。なお、第1突出縁部44の下側半分は、次に詳述する閉塞部50と連なるように形成されている。逆に言えば、第2,3突出縁部46,48と第1突出縁部44の上側半分とは、裏ケース21の板厚と同等の長さ分だけケース20の内部に向かって突き出されて形成されている。
閉塞部50は、大径孔33の下側半分の突出縁部41を更にケース20の内部に向かって突き出すように形成される周壁部51と、この周壁部51と連なりながら大径孔33を覆うように大径孔33と対面配置される円形部52とを有する。言い換えれば、周壁部51は、大径孔33と対面配置される円形部52の下側半分と、大径孔33の内周縁34の下側半分とを連接する。また、この円形部52の上端から上方に支持ガイド部55が延びている。支持ガイド部55は、本発明に係る取付支持部に相当する。この支持ガイド部55は、掛止孔31と対面する位置まで下から上に延びている。この支持ガイド部55は、取り付けられた蓋部材70をケース20の内部の内側から掛止孔31に向けて支持する。具体的には、支持ガイド部55は、円形部52の上端から上方に延び、小径孔35および連接孔37に対面配置される。なお、円形部52は、図8および図11に示すように、大径孔33の開口形状よりも僅かに小さく形成され、支持ガイド部55も小径孔35および連接孔37の開口形状よりも僅かに小さく形成されている。
これら円形部52と支持ガイド部55のケース20の内面201には、支持リブ56が設けられている。支持リブ56は、左右方向に延びる水平リブ57と、上下方向に延びる上下リブ58とを有する。水平リブ57は、閉塞部50の下側範囲に対して水平方向に延びるように設けられている。上下リブ58は、閉塞部50の上側範囲および支持ガイド部55に対して上下方向に延びるように設けられている。この支持ガイド部55は、閉塞部50および支持ガイド部55に対して適切な強度を加えている。なお、この支持リブ56(水平リブ57,上下リブ58)は、図9に示すように裏ケース21の板厚と同等の厚み分の長さに設定されている。また、水平リブ57は、図6および図7に示すように、裏ケース21の左右の側壁211,212から連なるサイドリブ29と連なっている。この水平リブ57の上側に向く面は、蓋部材70を取付部40に取り付けた際、蓋部材70の開口端78が当接する下側当接面59として機能する。
掛止孔31の上方にはストッパ部60が設けられている。ストッパ部60は、ケース20の内面201からケース20の内部に向かって突き出すように形成される。具体的には、ストッパ部60は、図8に示すように正面視矩形の形状であり、図9に示すように上から下に向かうにしたがってケース20の内部に徐々に突き出された形状に形成される。このストッパ部60は、本発明に係る外し規制部に相当し、取付部40に対する蓋部材70の外しを規制する。具体的には、ストッパ部60のうち、ケース20の内部側に向く面は、下側に向けてケース20の内部側に張り出されるテーパ面61として設定される。テーパ面61は、取付部40に蓋部材70を取り付ける際のガイド面として形成される。このように蓋部材70を取付部40に取り付ける際は、蓋部材70の上端735をテーパ面61にて乗り越えさせる。この際、支持ガイド部55は、ケース20の内部側(内側)に僅かに弾性変形する。このように蓋部材を内側から支持する支持ガイド部55は、取付部40に対する蓋部材70のストッパ部60を越えた取付けを許容することとなる。テーパ面61を乗り越えた蓋部材70は、ストッパ部60の下側に配置されて取付部40に取り付けられたものとなる。
ストッパ部60のうち、ケース20の下側に向く面は、上記した下側当接面59と対面する上側当接面62として設定される。この上側当接面62は、突き出されたストッパ部60の段差により形成される。この上側当接面62は、蓋部材70を取付部40に取り付けた際、蓋部材70の外し方向への移動を規制する。この上側当接面62は、蓋部材70を上記した下側当接面59と共に挟み込むようにして、取付部40に対する蓋部材70の取付け状態を支持する。このため、下側当接面59と上側当接面62とは、互いにケース20の内面201と直交方向に延びる当接面で形成される。取付部40に取り付けられた蓋部材70が下から上へ移動しようとすると、ストッパ部60の上側当接面62に蓋部材70の当接面736が当たって蓋部材70のスライドが規制され、取付部40に対する蓋部材70の外れは規制される。
図12〜図20を参照にしながら、蓋部材70について説明する。蓋部材70は樹脂成形品である。蓋部71は、掛止孔31の開口形状に略一致する外周形状(正面視略ダルマ形)を有し、この掛止孔31の開口形状を閉じる蓋形をなしている。蓋部材70は、概略、蓋部71と差込ガイド部81とを有する。具体的には、蓋部71は、第1蓋部73と第2蓋部74とを上下で連接して形成される。第1蓋部73は、小径孔35および連接孔37の開口形状を蓋するように設けられる。この第1蓋部73は、小径孔35および連接孔37を覆うように対面配置される第1対面部731と、第1対面部731の外周に沿って周壁をなす第1周壁部732とを有する。第1対面部731は、小径孔35および連接孔37を覆う形状に形成され、これら小径孔35および連接孔37と対面している。また、第1周壁部732は、第1対面部731の周縁から側壁形に延ばされて形成されている。なお、この第1周壁部732の上端735は、ストッパ部60の上側当接面62が当接する当接面736として面形状に形成される。
これに対し、第2蓋部74は、大径孔33の上側半分の開口形状を蓋する。この第2蓋部74は、大径孔33の上側半分を覆うように対面配置される第2対面部741と、第2対面部741(図14参照)の外周に沿って周壁をなす第2周壁部742とを有する。第2対面部741は、大径孔33の上側半分を覆う形状に形成され、これら大径孔33の上側半分と対面している。また、第2周壁部742は、第2対面部741の周縁から側壁形に延ばされて形成されている。この蓋部材70は、取付部40に取り付けるにあたっての開口部75,77が設けられている。すなわち、蓋部材70には、掛止孔31との対面範囲に設けられる対面開口部75と、下部範囲に設けられる下部開口部77とが、設けられている。対面開口部75は、第1周壁部732および第2周壁部742の裏側に向いた端縁で設定されている。下部開口部77は、第2周壁部742の下側に向いた端縁で設定されている。なお、下部開口部77は、取付部40の突出縁部41および閉塞部50を収容可能な開口形状を有して形成される。この下部開口部77の下端は、上記した取付部40の下側当接面59と当接する蓋部材70の開口端78として設定される。
蓋部71の外周面79には、蓋部71と連なって差込ガイド部81が設けられている。この差込ガイド部81は、蓋部71の下側半分の範囲に対して対面するように設けられている。逆に言えば、差込ガイド部81と蓋部71とは内外2段で並列されるように連接して形成される。この差込ガイド部81は、取付部40の支持ガイド部55が差し込まれる差込孔82を有して形成される。つまり、差込部83は、支持ガイド部55を下から上に嵌め込む構造として設けられている。差込ガイド部81は、差込孔82が設定される差込部83と、取付部40の下部を覆う延在部87とを有する。差込部83は、蓋部71の外周面79と対面配置される対面壁84を有する。
対面壁84の左側および右側には、対面壁84と外周面79とを連接する左側壁851および右側壁852が設けられている。ここで、互いに対面する対面壁84と外周面79との間には、上下に延びる差込孔82が設けられている。この対面壁84の下側には、取付部40の下部を覆うように延びる延在部87が設けられている。この延在部87は、取付部40の円形部52を覆うまで下側に延びている。なお、差込部83の左右両側の外周部分には、一対の段差部88が設けられている。この段差部88は、突出縁部41との間の隙間を埋め、ケース20外部からケース20内部に装置される基板までの沿面距離を延ばしてケース20内外の密閉性を高めている。これによって、ケース20外部に対して、ケース20内部に装置される基板の電気的絶縁性能は高められることとなる。このように電気的絶縁性能が向上すると、例えばケース20外部からケース20内部に装置される基板への静電気の飛びを生じ難くして、装置の誤動作や回路故障を抑制することができる。
取付部40に取り付けられた蓋部材70には、取付部40との間でオーバーラップする構造が設けられている。すなわち、蓋部材70の第1周壁部732および第2周壁部742は、取付部40に設けられる第1〜第3突出縁部44,46,48(突出縁部41)と板厚方向で重なる。なお、これらの第1〜第3突出縁部44,46,48は、上記したように掛止孔31の内周縁34,36,38に沿って設けられている。また、蓋部材70の開口端78は、取付部40に設けられる水平リブ57と板厚方向で重なる。つまり、取付部40に取り付けられた蓋部材70は、掛止孔31の周囲を板厚方向で重なるように形成されている。このように取付部40に取り付けられた蓋部材70の重なる構成は、掛止孔31の全周に亘るように設定されており、重なる長さとしてはケース20の略板厚の長さと一致するように設定されている。
上記した掛止孔31には、図24〜図27に示すように雄螺子Sが掛止される。具体的には、先ず雄螺子Sは、図24および図25に示すように、掛止孔31の大径孔33に差し込まれる。なお、図示される雄螺子Sは、螺子部S1を壁に捩じ込んで固定される、一般的な壁掛け用の雄螺子である。また、大径孔33は雄螺子Sの螺子頭S2を差し込むことができる内周縁34を有している。ここでバッテリチェッカ10を、雄螺子Sに対して下へスライドさせると、図26および図27に示すようになる。すなわち、雄螺子Sは、大径孔33から連接孔37を通過して小径孔35へと移動することとなる。ここで、小径孔35は、内周縁36の径は雄螺子Sの螺子頭S2の抜けが規制される径で設定されている。このため、掛止孔31には、雄螺子Sの螺子頭S2が掛止することとなる。
上記した実施の形態のバッテリチェッカ10によれば、次のような作用効果を奏することができる。すなわち上記したバッテリチェッカ10によれば、壁掛け用の雄螺子Sの螺子部S1を掛止孔31に差し込んでバッテリチェッカ10を壁に掛けておくことができる。これによって、壁掛け式のバッテリチェッカ10とすることができる。ここで、取付部40に取り付けられた蓋部材70は、掛止孔31の開口をケース20の内部側から閉じることができる。これによって、蓋部材70は、ケース20の外部からケース20の内部に掛止孔31を通じて異物や静電気の侵入してくるのを防いで、この異物や静電気が侵入することによる製品の誤作動を防止することができる。
また、上記したバッテリチェッカ10によれば、支持ガイド部55は掛止孔31と対面する位置に設けられて蓋部材70を内側から掛止孔31に向けて支持する。これによって、異物が掛止孔31を通じて蓋部材70を押すようなことがあっても、蓋部材70は支持ガイド部55にて支持されて外れ難くなる。したがって、外部からの異物の侵入にも蓋部材70は強固に支持されることとなり、製品の誤作動を強力に防止することができる。また、上記したバッテリチェッカ10によれば、取付部40に対する蓋部材70の取付け方向はケース20の内面201に沿った内面201の延在方向に設定されているので、支持ガイド部55の存在が邪魔にならずに蓋部材70を取付部40に取り付けることができる。これによって、取付部40に対する蓋部材70の取付けを簡単かつ確実に行うことができる。
また、上記したバッテリチェッカ10によれば、蓋部材70には支持ガイド部55を嵌め込む構造が設けられているので、支持ガイド部55による蓋部材70の支持を高めることができる。これによって、取付部40に対する蓋部材70の取付けをより確実にすることができる。また、上記したバッテリチェッカ10によれば、ストッパ部60により取付部40に対する蓋部材70の外しを規制することができる。これによって、取付部40に対する蓋部材70の取付け状態を強固に保持することができる。なお、このように設けられるストッパ部60は、支持ガイド部55の弾性変形によって支持ガイド部55に干渉されることなく蓋部材70の取付けを行うことができるので、蓋部材70の取付けも容易に行うことができる。
また、上記したバッテリチェッカ10によれば、取付部40に対する蓋部材70の取付け方向は上から下に向けた方向であるので、蓋部材70に対しての重力作用は蓋部材70の取付け方向と一致することとなる。これによって、蓋部材70の外れを抑えることができる。また、蓋部材70の第1周壁部732および第2周壁部742は、取付部40に設けられる第1〜第3突出縁部44,46,48(突出縁部41)と板厚方向で重なるので、掛止孔31の開口の縁部分をオーバーラップさせて閉じることができる。これによって、掛止孔31からケース20の内部への閉塞沿面距離を延ばして密閉性を高めている。したがって、掛止孔31からのケース20の内部への異物や静電気の侵入をより抑えることができる。なお、上記したバッテリチェッカ10によれば、壁掛け用の雄螺子Sを掛止孔31に差し込んで、バッテリチェッカ10を壁に掛けておくことができる。これによって、一般的な雄螺子を掛止部材として利用して、壁掛け式のバッテリチェッカ10とすることができる。
なお、本発明に係るバッテリ装着器にあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく適宜に変更を加えて構成することが可能である。例えば、上記した実施の形態では、バッテリ装着器の一例としてバッテリチェッカ10を挙げ、これを説明するものとした。しかしながら、本発明に係るバッテリ装着器は、例えば電動工具用バッテリを充電する充電器として構成されるものであってもよく、電動工具用バッテリが着脱される構成であれば適宜の構成に対して採用することができる。また、本発明に係る蓋部材としては、掛止孔の開口をケースの内部側から閉じるようにケースの内面に設定される取付部に取り付けられる構成であれば、適宜の構成を採用することができる。具体的には、蓋部材70の掛止孔31の開口をケース20の内部側から閉じる構成としては、上記した蓋部71の構成に限定されることなく適宜の形状を選択することができる。また、蓋部材70の取付け方向に関しては、掛止孔31に対して左右方向で蓋部材70を取り付けるように構成したり、掛止孔31に対して対面方向で蓋部材70を取り付けるように構成したりするものであってもよい。また、本発明に係る取付部にあっても、例えばストッパ部60を無くして構成してもよいし、このような外し規制部として機能を左右方向で適宜に設けるようにしてもよい。
バッテリ装着器は、搬送式であって、使用者が誤って落下させるおそれがある。落下した際には、例えばバッテリ装着器の表示出力部(液晶表示パネル)等が破損するおそれがある。そのため液晶表示パネルが破損し難いバッテリ装着器が従来必要とされている。そこでバッテリ装着器は、上記構成に代えてあるいは加えて下記の構成Aを有していても良い。
バッテリ装着器には、上述するように電動工具用バッテリが着脱される。バッテリ装着器は、構成Aとして例えば、電動工具用バッテリの状態を表示するための液晶表示パネルと、液晶表示パネルの裏面を保持するLCD用ケースと、液晶表示パネルの表面を覆いかつ透明性を有する材料から形成されかつLCD用ケースに装着されるLCD用カバーと、LCD用カバーを開口する開口窓が形成されたケースを有する。そしてケース内においてLCDカバーがケースに取り付けられずにLCDケースがケースに取り付けられている。
したがって液晶表示パネルが外力を受け難い構成になっている。例えばケースが力を受けて歪んだ場合、その歪みは、ケースからLCD用ケースを経て液晶表示パネルに伝わる。そのため液晶表示パネルへの力がLCD用ケースによって緩和された後に液晶表示パネルに伝わる。かくして液晶表示パネルへ伝わる力が小さくなって、液晶表示パネルが破損することが抑制される。LCD用カバーが力を受ける場合がある。その力は、LCD用カバーからLCD用ケースを経て液晶表示パネルに伝わる。そのため液晶表示パネルへの力がLCD用ケースによって緩和された後に液晶表示パネルに伝わる。かくして液晶表示パネルへ伝わる力が小さくなって、液晶表示パネルが破損することが抑制される。
前記構成Aを有するバッテリ装着器において、LCD用ケースとLCD用カバーの両部材の1つが、他の1つに形成された掛止め部に掛けられる爪を有していても良い。したがって爪は、LCD用ケースとLCD用カバーを合理的に接続する。例えばLCD用カバーがLCD用ケースよりも表に位置する。そのためLCD用カバーが受けた力は、LCD用ケースに向かい、LCD用ケースによって受け止められ得る。そのためLCD用カバーとLCD用ケースは、外れない程度の比較的小さな力で接続しても良い。したがって爪という比較的簡易な構造によってLCD用ケースとLCD用カバーを接続することができる。
上記構成Aを有するバッテリ装着器において、LCD用カバーは、中心部が周囲部よりも表側に膨らむ曲面を有していても良い。したがってLCD用カバーは、比較的外力に対して破損し難い。例えばLCD用カバーの中心部に外力が加わった場合、その力が曲面によって外周へ分散され、広い範囲で外力が受け止められ得る。
上記構成Aを有するバッテリ装着器において、ケースは、開口窓の周りに沿って形成されかつLCD用カバーよりも外方に突出する突状部を有していても良い。したがって突状部がLCD用カバーよりも先に外力を受け易い。これによりLCD用カバーが受ける外力が小さくなり、LCD用カバーの破損等が抑制され得る。
上記構成Aを有するバッテリ装着器において、バッテリ装着器が操作ボタンとコントローラとケーブルを有していても良い。操作ボタンは、液晶表示パネルの画面を切替えるために操作され、かつ液晶表示パネルの一縁の近傍に位置するようにケースに設けられる。コントローラは、ケースに設けられかつ液晶表示パネルに信号を発する。ケーブルは、液晶表示パネルの前記一縁の反対側の他縁から延出して液晶表示パネルとコントローラを接続する。
したがって液晶表示パネルと操作ボタンの間にケーブルが配されない。そのため操作ボタンが液晶表示パネルに近接して設けられ、操作ボタンを液晶表示パネルの表示画面に合わせて操作し易くなる。一方、ケーブルは、液晶表示パネルと操作ボタンの間の狭い空間に影響を受けることなく設けられる。そのためケーブルは、比較的広い空間において液晶表示パネルとコントローラを接続できる。
上記構成Aを有するバッテリ装着器において、ケースは、裏ケースと、裏ケースに装着されかつ開口窓が形成された表ケースを有する。表ケースにLCD用ケースが装着されても良い。これにより表ケースの開口窓に対してLCD用ケースおよび液晶表示パネルを正確かつ容易に位置合わせすることができる。
上記構成Aを有するバッテリ装着器において、ケースは、裏ケースと、裏ケースに装着されかつ開口窓が形成された表ケースを有する。裏ケースに液晶表示パネルに信号を発するコントローラと、液晶表示パネルが装着されたLCD用ケースが設けられても良い。したがって液晶表示パネルとコントローラがともに裏ケースに装着される。これにより表ケースを裏ケースに装着する前において液晶表示パネルとコントローラを電気的に接続することができる。
図面を用いて上述の構成を下記に詳しく説明する。図1に示すようにバッテリチェッカ10は、バッテリ装着器の1例であって、ケース20と表示出力部17を有する。ケース20は、裏ケース21と裏ケース21に装着される表ケース27を備え、ケース20内に表示出力部17が設けられる。
図28に示すように表示出力部17は、液晶表示パネル(LCDパネル)1とLCD用ケース2とLCD用カバー3を有する。液晶表示パネル1は、矩形板状であって、バッテリチェッカ10で診断した電動工具バッテリBの診断結果等を表示する。LCD用ケース2は、皿状であって、液晶表示パネル1を保持する本体板2aを有する。液晶表示パネル1の裏面が接着剤等によって本体板2aの表面に接合または装着される。
図28,図29に示すようにLCD用ケース2は、本体板2aの外周に沿う壁部2bを有する。壁部2bは、液晶表示パネル1の厚みよりも高く、液晶表示パネル1の外周を保護する。壁部2bは、本体板2aの上縁に切欠き2fを有し、ケーブル4が挿通される。ケーブル4は、例えばフラットケーブルであって、液晶表示パネル1の上縁から切欠き2fを通って延出し、図33に示す回路基板6に接続される。
図28,図29に示すようにLCD用ケース2にはLCD用カバー3が装着される。LCD用ケース2は、壁部2bから外方に突出する掛け止部2cを有する。掛け止部2cは、例えば壁部2bの上縁左部と上縁右部から上方へ突出する掛け止部2cと、壁部2bの下縁中央部から下方へ突出する掛け止部2cを有する。各掛け止部2cには、LCD用カバー3の爪3eが挿通される貫通孔が形成される。
図28,図29に示すようにLCD用ケース2は、ケース20に装着される。LCD用ケース2は、壁部2bから外方に突出する複数の装着部2d,2eを有する。装着部2dは、本体板2aの上左領域と上右領域の裏面から上方に延出する。装着部2eは、壁部2bの下左部と下右部から下方へ突出する。各装着部2d,2eにねじ5の脚が挿通される貫通孔を有する。ねじ5の脚が表ケース27の裏面から裏側へ突出するボス27eに螺合され、ねじ5の頭が装着部2d,2eを保持する。これによりLCD用ケース2が図30に示すようにねじ5によって表ケース27に装着される。
図28,図29に示すようにLCD用カバー3は、矩形板状であって、透明性の高い樹脂から形成される。LCD用カバー3は、開口窓27aによって開口される本体部3cと、本体部3cの外周に沿うフランジ部3aと、LCD用カバー3をLCD用ケース2に装着するための爪3eを有する。本体部3cは、図31に示すように開口窓27a内に装着され、表ケース27の表側面101に沿う形状である。したがってLCD用カバー3は、美観に優れている。本体部3cは、表ケース27の表側面101よりもやや内側に位置する。したがって本体部3cが外力を受け難く、LCD用カバー3が破損し難い。
図31を参照するようにLCD用カバー3の本体部3cの表面は、表ケース27の表側面101に沿う形状であるとともに、中央部が上部と下部よりも表側に膨らむ曲面を有する。したがって本体部3cが力を受けた場合、その力は曲面によって上下方向へ分散される。図28に示すように表ケース27は、開口窓27aの外周に沿って表側へ突出する突状部27bを有する。したがって突状部27bは、LCD用カバー3よりも先に外力を受けることでLCD用カバー3に外力が加わることを軽減させ得る。
図28,図29に示すようにLCD用カバー3のフランジ部3aは、本体部3cよりも裏側に位置し、本体部3cに沿って環状である。フランジ部3aの表面には、本体部3cの外周縁に隣接する位置決め突部3dが形成される。突部3dは、表ケース27の裏面に開口窓27aに沿って形成された凹部27gに設置される。突部3dの表面が凹部27gの底面に当接または隣接されることで、LCD用カバー3と表ケース27の表裏方向の位置を決定する。突部3dの外周端が凹部27gの周壁に当接または隣接されることで、LCD用カバー3の表ケース27に対する上下方向および左右方向の位置を決定する。
図28,図29に示すようにLCD用カバー3は、LCD用ケース2に取り付くための複数の爪3eを有する。爪3eは、それぞれLCD用カバー3の上縁左部と上縁右部と下縁中央部から裏側へ延出する。各爪3eは、外方へ突出する先端部を有する。爪3eは、LCD用ケース2の掛け止部2cに表側から裏側へ挿入される際に弾性変形し、弾性戻りすることで先端部が掛け止部2cに掛かる。爪3eは、LCD用カバー3がLCD用ケース2に対して表側へ外れることを防止する。また爪3eは、上下方向に弾性変形可能であて、LCD用カバー3をLCD用ケース2に対して上下方向に弾性的に保持する。一方、爪3eは、左右方向に弾性変形し難く、LCD用カバー3をLCD用ケース2に対して左右方向に移動する量を規制する。
図28,図29を参照するようにLCD用カバー3のフランジ部3aの裏面は、LCD用ケース2の壁部2bの表端に当接する。したがってLCD用ケース2がLCD用カバー3を裏側から支持する。そのためLCD用カバー3が表側から外力を受けた場合、LCD用カバー3がLCD用ケース2の壁部2bによって裏側から支持される。
図33に示すように回路基板6は、基板本体6aとコントローラ6bと放電回路6cを有する。コントローラ6bは、例えばマイクロコントロールユニット(MCU)であって、バッテリチェッカ10に装着された図2に示すバッテリBと通信可能に連結される。コントローラ6bは、バッテリBから発信された通信信号に基づいてバッテリBの状態を診断するプログラム(ファームウェア)、アルゴリズム等を記憶するフラッシュメモリを有する。放電回路6cは、バッテリBと接続され、バッテリBを放電させる。コントローラ6bは、放電時におけるバッテリBの放電容量を測定することでバッテリBを診断することも可能である。
図33,図36に示すように基板本体6aにコネクタ6dが装着され、コネクタ6dにマイクロUSB等のケーブルが接続される。ケーブルによって回路基板6とコンピュータ(PC)が接続され、コントローラ6bがコンピュータにバッテリBの診断結果等を信号として発信する。コンピュータは、バッテリBの診断結果を受信して、表示等をすることができる。また、ケーブルによって、回路基板6とプリンタを接続してもよい。このプリンタで、バッテリBの診断結果等を印刷してもよい。
図33,図36に示すように基板本体6aにカードリーダー6eが装着され、カードリーダー6eにSDカード等のメモリカードが挿入される。カードリーダー6eによってメモリカードとコントローラ6bが通信可能に接続される。したがってメモリカードに記憶された情報に基づいてコントローラ6bに記憶されたプログラム(ファームウェア)がアップデートされ得る。あるいはコントローラ6bに記憶されているバッテリBの診断結果等がメモリカードに送信されて記録され得る。バッテリBの診断結果等を記録したメモリカードをコンピュータに接続し、コンピュータでバッテリBの診断結果等を読み取り、ディスプレイで表示したり、プリントアウトすることも可能である。
図34,図35に示すようにケース20には、コネクタ6dとカードリーダー6eを開口する開口部20a,20bが形成される。ケース20には、開口部20a,20bを覆うための蓋7a,7bが着脱可能に取り付けられる。
図36に示すようにコントローラ6bは、液晶表示パネル1と図28に示すケーブル4を経由して通信可能に接続される。液晶表示パネル1は、コントローラ6bから発信された信号を受信して、バッテリBの診断結果等を表示する。
図33,図36に示すように基板本体6aには、操作部(操作ボタン)18と電源ボタン19が取り付けられる。操作部18は、押しボタンである戻しスイッチSW1と、押しボタンである送りスイッチSW2を有する。送りスイッチSW2は、押されることで信号をコントローラ6bに発信し、コントローラ6bは、液晶表示パネル1の表示画面を次の画面となるように液晶表示パネル1に表示信号を発信する。戻しスイッチSW1は、押されることで信号をコントローラ6bに発信し、コントローラ6bは、液晶表示パネル1の表示画面が前の表示画面になるように液晶表示パネル1に表示信号を発信する。電源ボタン19は、押しボタンであって、押されることで信号をコントローラ6bに発信する。コントローラ6bは、電源ボタン19からの信号に基づいて駆動用乾電池からの電力をコントローラ6bと液晶表示パネル1へ供給するON状態と遮断するOFF状態に切替える。
図31,図32に示すように操作部18と電源ボタン19は、脚部18a,19aと頭部18c,19cを有する。脚部18a,19aの先端に回路基板6と電気的に接続されるスイッチ機構18b,19bを有し、操作部18と電源ボタン19の操作がスイッチ機構18b,19bによって電気信号に変換される。
図31,図32に示すように操作部18と電源ボタン19の頭部18c,19cは、表ケース27の表側面101に沿う形状であり、かつ表側面101よりもやや奥側に位置する。したがって操作部18と電源ボタン19が誤って操作されることが抑制される。操作部18の頭部18cの表面は、他の操作部18に近い部分から遠くなるほど裏側に傾斜する。さらに操作部18の頭部18cの表面は、上部から下方に向けて裏側に傾斜する。電源ボタン19の頭部19cは、中央部分が外周部分よりも表側に位置する曲面形状を有する。
図29,図31に示すように表ケース27は、裏面から突出するボス27fを有し、ボス27fが裏ケース21に当接される。裏ケース21の裏側からねじが挿入されて、ねじの先端がボス27fに螺合される。これにより裏ケース21に表ケース27が取り付けられる。
LCD用ケース2は、図28,図29に示す本体板2aに代えて、液晶表示パネル1を裏から支持する他の構造、例えば網状、外周部分のみを有する環状であっても良い。LCD用ケース2とLCD用カバー3は、上述するようにLCD用ケース2に形成された掛け止部2cと、LCD用カバー3に形成された爪3eによって装着される。これに代えて、LCD用ケース2とLCD用カバー3は、LCD用ケース2に形成された爪と、LCD用カバー3に形成された掛け止部によって装着されても良い。あるいは、LCD用ケース2とLCD用カバー3は、ねじ等の他の取付構造によって装着されても良い。
上述する液晶表示パネル1は、バッテリチェッカ10によって診断されたバッテリBの診断結果を表示する。これに代えて、電動工具用バッテリがバッテリチェッカ10とは異なる装置に装着され、液晶表示パネル1が、前記装置に装着されたバッテリBの状態、例えば充電状態等をコントローラから受信して表示しても良い。