JP6712418B2 - 非破壊検査装置と方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検査対象物にパルス中性子線を入射させ、検査対象物から戻って来た中性子に基づいて、検査対象物の内部における欠陥の有無を検査するための非破壊検査装置と方法に関する。
空港の滑走路、自動車の道路(例えば高速道路)、トンネル、橋などのインフラ構造物は、その使用や経年劣化により欠陥が生じる場合がある。例えば、欠陥として、インフラ構造物の内部に、水が溜まっている部分や空洞が生じる場合がある。
そのため、インフラ構造物の検査を行うことにより、インフラ構造物に欠陥が生じていないかを確認することが行われている。検査方法として、路面の性状を測定し、その測定値に基づいて路面が正常かどうかを検査する方法がある(例えば下記特許文献1を参照)。例えば、レーザスキャナを用いて路面に対してレーザ光をスキャンさせることにより、ひび割れ率とわだち掘れ(横断方向の凹凸の標準偏差)と平坦性(縦断方向の凹凸の標準偏差)を求め、これらの関数により得られる値を算出する。算出した値に基づいて路面が正常かどうかを判断する。
特開2005−227249号公報 特開平06−074920号公報
しかし、上述の検査方法では、路面の内部における欠陥の有無を直接検査できない。
一方、中性子を用いて検査対象物の内部における欠陥の有無を検査することも提案されている。この方法では、中性子線を検査対象物に入射させ、検査対象物を透過した中性子を検出し、検出した中性子に基づいて透過画像を生成し、この画像に基づいて検査対象物の内部の状態(例えば欠陥の有無)を検査する(例えば、上記の特許文献2を参照)。
しかし、路面やトンネル内壁に対しては、中性子線の透過画像を得ることができない。中性子線を入射させる側(例えば路面の表側)の反対側(例えば路面の内側)に中性子検出器を配置できないからである。
そこで、本発明の目的は、中性子線を入射させる側(例えば路面の表側)の反対側(例えば路面の内側)に中性子検出器を配置しなくても、中性子を利用して検査対象物の内部における欠陥の有無を検査できる非破壊検査装置と方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明によると、検査対象物の表面へパルス中性子線を放出する中性子源と、
検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子を検出する中性子検出装置と、
中性子検出装置による前記散乱中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成する計測装置と、を備える、ことを特徴とする非破壊検査装置が提供される。
この非破壊検査装置は、例えば以下のように構成することができる。
前記検出数データは、各計測時点と該計測時点の前記検出数とを互いに対応づけたデータである。
この場合、中性子源が検査対象物へパルス中性子線を放出した時点を第1時点とし、第1時点から設定時間だけ経過した時点を第2時点として、非破壊検査装置は、好ましくは、前記検出数データに基づいて、第2時点以降の検出数の積算値を求める演算装置を備える。
代わりに、前記検出数データは、中性子源が検査対象物へパルス中性子線を放出した第1時点から設定時間だけ経過した第2時点以降の検出数の積算値であってもよい。
第1時点で検査対象物に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物で散乱して戻ってくる散乱中性子のうち、設定値よりも大きいエネルギーを有する散乱中性子の所定の割合以上が、第1時点から第2時点までの期間において生じるように、第2時点が設定されている。
これにより、第2時点以降において、検出される前記散乱中性子の大部分は、エネルギーが低い中性子(一例では熱中性子)になるようにすることができる。
中性子は水と反応しやすいので、検査対象物の内部に水が存在している部分がある場合には、この部分からの前記散乱中性子の多くは、低エネルギー中性子になる。低エネルギー中性子は、戻って来るのに要する時間が高エネルギー中性子よりも長くなるので、上述の積算値が基準値よりも大きい場合には、検査対象物の内部に水が存在している欠陥部分があると判断できる。ここで、基準値は、検査対象物の内部に水も空洞も存在しない場合に得られる上述の積算値である。
一方、検査対象物の内部に空洞が存在している部分がある場合には、この部分から戻ってくる低エネルギー中性子は少なくなる。したがって、上述の積算値が上記基準値よりも小さい場合には、検査対象物の内部に空洞が存在している欠陥部分があると判断できる。
第1時点で検査対象物に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物で散乱して戻ってくる散乱中性子のうち、設定値以下の小さいエネルギーを有する散乱中性子の所定の割合以上が、前記第2時点以降において生じるように、前記第2時点が設定されている。
前記中性子検出装置は、検査対象物の表面に対向する入射面における各位置毎に、散乱中性子を検出し、
前記計測装置は、前記入射面における各位置毎に、前記検出数データを生成する。
また、上述の目的を達成するため、本発明によると、検査対象物の表面へパルス中性子線を入射させ、これにより検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子を検出し、
前記散乱中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成する、ことを特徴とする非破壊検査方法が提供される。
上述した本発明によると、検査対象物にパルス中性子線を入射させた場合に、検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子の数を時間に対して表した検出数データは、検査対象物の内部における欠陥の有無に応じて変化する。したがって、生成した検出数データに基づいて、検査対象物内部における欠陥の有無を判断できる。
よって、検査対象物を透過した中性子を検出することなく、検査対象物の内部欠陥の有無を判断できる。
本発明の実施形態による非破壊検査装置の構成を示す。 本発明の実施形態による非破壊検査装置の構成例を示す。 本発明の実施形態による非破壊検査装置の別の構成を示す。 時間に対する反射中性子の検出数を示す。 複数の光検出素子に対応する複数の積算値を2次元の座標範囲に表わしたデータを示す。 シミュレーションにより求めた反射中性子の数の積算値を示すデータである。 シミュレーションにより求めた反射中性子の数の積算値を示す別のデータである。 パルス中性子線と検査対象物とシンチレータとの位置関係を示す。 パルス中性子線と検査対象物とシンチレータとの別の位置関係を示す。 パルス中性子線と検査対象物とシンチレータとの別の位置関係を示す。 図7の場合について求めた反射中性子の数の積算値を示すデータである。 実験による実施例1の構成を示す。 実施例1の計測結果を示す。 実験による実施例2の構成を示す。 実施例2の計測結果を示す。 実験による実施例3の構成を示す。 図11AのB−B矢視図であり、中性子検出器を示す。 実施例3の計測結果を示す。 実施例3の別の計測結果を示す。 実験による実施例4の構成を示す。 実施例4の計測結果を示す。 図15の縦軸を拡大した場合を示す。 実施例4の別の計測結果を示す。 水または空洞の深さを検出する機能を有する非破壊検査装置の構成を示す。 実験による実施例5の構成を示す。 実施例5の別の配置を示す。 実施例5の別の配置を示す。 実施例5の別の配置を示す。 実施例5の計測結果を示す。
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態による非破壊検査装置10の構成を示す。 非破壊検査装置10は、中性子の後方散乱を利用して検査対象物1の内部における欠陥の有無を検査するための装置である。検査対象物1は、空港の滑走路、自動車の道路(例えば高速道路)、トンネル、橋などのインフラ構造物であってよい。
非破壊検査装置10は、検査対象物1の表面1aへ微小な時間幅にわたってパルス中性子線を放出する中性子源3と、検査対象物1において散乱して戻って来た散乱中性子を検出する中性子検出装置5と、中性子検出装置5による散乱中性子の検出数を計測し、この検出数を時間に対して表した検出数データを生成する計測装置7とを備える。
パルス中性子線のパルスの上記時間幅は、0.1ミリ秒よりも小さいことが好ましいが、欠陥の検出を妨げない限りで、これに限定されない。また、パルス中性子線の放出時点を示す同期信号が中性子源3から計測装置7へ出力されてよい。この同期信号に基づいて計測装置7は、パルス中性子線の放出時点以降の検出数データを生成してよい。
図2Aは、本発明の実施形態による非破壊検査装置10の構成例を示す。図2Aでは、非破壊検査装置10は、さらに演算装置9を備える。以下、非破壊検査装置10について詳しく説明する。
中性子源3は、検査対象物1の表面1aへパルス中性子線を放出し、パルス中性子線を検査対象物1に入射させる。中性子源3は、図2Aでは、荷電粒子源3aと加速装置3bとビーム調整器3cとターゲット3dと容器3eと管状遮蔽部材3fを有する。
荷電粒子源3aは、陽子を生成する。加速装置3bは、荷電粒子源3aで生成された陽子を順次加速する複数の加速器3b1,3b2を有する。好ましい例では、加速装置3bにより加速された陽子は、1MeV以上のエネルギーを有する。ビーム調整器3cは、加速装置3bにより加速された陽子ビームの方向や広がりを、ターゲット3dに合わせて調整する複数の磁場コイルを有する。ビーム調整器3cを経た陽子ビームは、ターゲット3dに入射する。これにより、陽子とターゲット3d(例えばベリリウム)との反応により中性子が発生する。ターゲット3dは、中性子が透過し難い材料で形成された容器3e内に配置されている。容器3eには、容器3eの外面から内部まで貫通する穴が形成されている。この穴には、中性子放出用の管状遮蔽部材3fが取り付けられている。管状遮蔽部材3fは、中性子が透過し難い材料で形成されている。ターゲット3dで発生した中性子は、管状遮蔽部材3fの内部を通ることによりパルス中性子線となって検査対象物1に入射する。この時、パルス中性子線の各中性子のエネルギーは、例えば、0.1〜5.0MeVであるが、検査対象物1の種類に応じて適宜の値に設定されてよい。
中性子検出装置5は、中性子源3から検査対象物1の表面1aに入射したパルス中性子線のうち、検査対象物1の表面1aと内部において散乱して表面1aから戻って来た散乱中性子(以下で反射中性子ともいう)を検出する。
以下において使用される用語「散乱」、「反射」、および「反射中性子」は、次のように定義される。
散乱はパルス中性子線(ビーム・粒子)の進行方向の変化であり、透過と反射とでは、被入射物質(検査対象物1)から見た場合に、パルス中性子線の進行方向が、パルス中性子線の入射側の反対側へ出ていく(進行していく)方向と、パルス中性子線の入射側へ出ていく方向とで違う。本願では、散乱の結果として反射した中性子を利用・検出している。
反射とは、一回または複数回の散乱の結果として、中性子の進行方向が入射方向とは反対側になったものである。したがって、反射現象には、散乱現象が基本的にともなっており、散乱現象の結果の特定の場合が反射現象に相当する。詳述すれば、以下の通りである。
散乱とは、中性子源3から検査対象物1へ入射した中性子が、検査対象物1の物質と相互作用することにより、進行方向と速度を変えることを意味する。
反射とは、中性子源3から検査対象物1の表面1aへ入射した中性子が、検査対象物1で散乱することにより、この入射前の当該中性子の位置と同じ側へ表面1aから戻って来ることを意味する。
反射中性子とは、中性子源3から検査対象物1へ入射したパルス中性子線(すなわち、パルス中性子線を構成する多数の中性子)のうち、検査対象物1における散乱(後方散乱)により、この入射前の当該パルス中性子線の位置と同じ側へ表面1aから戻って来た中性子を意味する。
なお、中性子源3から検査対象物1へ入射したパルス中性子線のうち、他の一部は、検査対象物1との相互作用により吸収されて(すなわち、熱に変わり又は別の放射線になり)消失する。
また、中性子源3から検査対象物1へ入射したパルス中性子線のうち、さらに他の一部は、検査対象物1において吸収されずに、検査対象物1を透過して、検査対象物1の、表面1aと反対側の面(図示せず)から検査対象物1の外部へ出ていく。
したがって、中性子源3から検査対象物1へ入射した中性子の数Nと、反射中性子の数Nと、検査対象物1との相互作用により検査対象物1に吸収された中性子の数Nと、検査対象物1を透過した中性子の数Nとの間には、次の関係式が成り立つ。

=N+N+N

ただし、ここでは、簡単のため、検査対象物1内において、表面1aと平行な方向に進行していく中性子は検査対象物1において吸収されるとする。すなわち、検査対象物1は、表面1aと平行な方向に無限に延びているとする。
中性子検出装置5は、図2Aでは、シンチレータである中性子検出器5aと光検出器5bを備える。
シンチレータ5aは、中性子源3から放出されたパルス中性子線が入射する検査対象物1の表面1aに対向する位置に設けられる。シンチレータ5aは、表面1aからの反射中性子が入射する入射面5a1を有し、入射した反射中性子により発光する。
光検出器5bは、入射面5a1の各位置に入射した反射中性子による発光を検出する。
本実施形態によると、光検出器5bは、複数(好ましくは多数)の光ファイバー5b1と複数(好ましくは多数)の光検出素子5b2を有する。複数の光ファイバー5b1は、それぞれ、入射面5a1の複数の位置に対応して設けられている。複数の光検出素子5b2は、それぞれ、複数の光ファイバー5b1に対応して設けられている。すなわち、入射面5a1の各位置に入射した反射中性子によるシンチレータ5aの発光は、この位置に対応する光ファイバー5b1を介して、この光ファイバー5b1に対応する光検出素子5b2により検出される。この構成では、検査対象物1へ入射するパルス中性子線と反射中性子とが、光検出素子5b2にほとんど入射しないようにすることができるので、中性子により光検出器5bが損傷することを回避できる。
一例では、各光ファイバー5b1の一端部は、入射面5a1と反対側の面に取り付けられている。この場合、入射面5a1に直交する方向から見た場合に、各光ファイバー5b1の一端部は、この光ファイバー5b1に対応する入射面5a1の位置と同じ位置にある。入射面5a1は、好ましくは平面である。
シンチレータ5aは、図2Aのように、中性子源3から検査対象物1へ向かってパルス中性子線が通過する領域(以下、通過領域という)内に配置されていてよい。この場合、中性子源3からのパルス中性子線は、シンチレータ5aを透過して検査対象物1に入射する。
代わりに、シンチレータ5aは、図2Bのように、パルス中性子線の通過領域の近傍に位置するように(好ましくは、通過領域に隣接するように)、この通過領域から外れて配置されていてもよい。この場合、非破壊検査装置10の他の点は、図2Aの場合と同じであってよい。図2Bについて、中性子源3から放出され検査対象物1へ入射する前の中性子は高いエネルギーを有している。シンチレータ5aは、このような中性子からなるパルス中性子線の通過領域から外れているので、シンチレータ5aがパルス中性子線により損傷することを抑制できる(ただし、このような損傷が生じる可能性が低い場合には、図2Aの配置でよい)。
この場合、シンチレータ5aは、通過領域の近傍に(例えば通過領域に隣接して)配置されるので、シンチレータ5aには十分な数の反射中性子が入射する。したがって、シンチレータ5aにより検出した反射中性子の数を時間に対して表した検出数データに基づいて、検査対象物1の内部の欠陥の有無を検査できる。
計測装置7は、経過時間を計測しながら、(例えば連続する各計測時点で)中性子検出装置5による、反射中性子の検出数(以下で単に検出数ともいう)を計測する。より詳しくは、計測装置7は、経過時間を計測しながら、光検出素子5b2毎に、光検出素子5b2が検出した発光の回数を、反射中性子の検出数として計測し、この検出数を、計測した経過時間に対して表した検出数データを生成する。すなわち、検出数データは、光検出素子5b2毎に生成される。
ここでは、検出数データは、中性子源3が検査対象物1へパルス中性子線を放出し始めた第1時点以降の各計測時点と、該計測時点の検出数とを互いに対応づけたデータである。本願において、各計測時点は、経過時間に関して間を空けることなく互いに連続する微小時間を意味する。各微小時間は、100マイクロ秒より小さい時間(例えば50マイクロ秒)であることが好ましいが、欠陥の検出を妨げない限りで、これに限定されない。
このように、時間分解能を持つ計測装置7により得る検出データにより、位置分解能の高い欠陥検出が可能となる。
本実施形態では、中性子検出装置5は、中性子検出器5a(例えばシンチレータまたは後述のPSD)を用いて、検査対象物1の表面1aに向かうパルス中性子線の進行方向と交差(例えば直交)する2次元入射面5a1(例えば表面1aに沿った面)における各位置毎に、反射中性子を検出する。その上で、計測装置7は、この2次元座標平面における各位置毎に上述の検出数データを生成する。以下において、検出数データとは、この2次元座標平面における各位置についての検出数データを意味してよい。
なお、中性子源3は、第1時点でパルス中性子線の放出を開始し、好ましくは、第1時点から後述の第2時点までの設定時間よりも短い時間幅(例えば、上記設定時間の三分一以下の時間)の間に中性子線の放出をほとんど(または完全に)終了する。この時間幅は、例えば上述のように0.1ミリ秒よりも小さい。また、検出数データは、欠陥の有無の判断に影響が無くなる程度に検出数が十分に小さくなる(例えばゼロになる)時点までのデータであるのがよい。
演算装置9は、計測装置7が生成した検出数データに基づいて、中性子源3が検査対象物1へパルス中性子線を放出し始めた第1時点から設定時間だけ経過した第2時点以降の検出数の積算値を求める。第2時点は、後述のように設定される。なお、積算値は、欠陥の有無の判断に影響が無くなる程度に検出数が十分に小さくなる(例えばゼロになる)時点までの積算値である。
上述した光検出素子5b2毎に、検出数データが計測装置7により生成され、該検出数データに基づいて、演算装置9により、該光検出素子5b2に対応する積算値が求められる。このように求めた光検出素子5b2毎の積算値は、記憶装置に記憶されてよい。光検出素子5b2毎の積算値は、演算装置9から直接または上記の記憶装置を介して、ディスプレイに表示され、または、用紙に印刷されてよい。
図3は、第2時点の設定を説明するための図である。図3のグラフは、時間に対する反射中性子の数を示す。図3は、シミュレーションにより得られたものである。図3において、横軸は経過時間を示し、この経過時間の計測開始時点(すなわち、横軸の原点)は、中性子源3が検査対象物1へパルス中性子線を放出し始めた第1時点である。図3において、縦軸は、表面1aから戻って来た反射中性子の数を示す。図3において、一点鎖線の曲線Aは、中性子源3が検査対象物1へ放出した中性子の数を示す。図3において、実線の曲線Bは、設定値(ここでは、2×10−1eV)より高いエネルギーを持つ反射中性子の発生数を示し、破線の曲線Cは、上記設定値以下のエネルギーを持つ反射中性子の発生数を示す。
図3に示すように、上記設定値より高いエネルギーの反射中性子は、その大部分(50%〜90%以内の割合、例えば80%)以上が、第1時点から所定時間(例えば30マイクロ秒)だけ経過した第2時点までに検出される。すなわち、検査対象物1に入射した多数の中性子は、検査対象物1における欠陥の無い領域の硬い物質(例えばアスファルト、コンクリート、金属など)で散乱すると、その多くが、第2時点までの早い段階で戻ってくる性質を有する。
一方、この第2時点以降において、エネルギーが上記設定値以下の反射中性子(例えば熱中性子)の大部分が検出される。
なお、上記設定値は、1.0×10−3eV〜1.0×10eVの範囲内の一定値であってよく、好ましくは、1.0×10−2eV〜1.0×10eVの範囲内の一定値であってよく、より好ましくは、0.5×10−1eV〜1.0×10eVの範囲内の一定値(例えば、2×10−1eV)である。
これにより、次のように、検査対象物1の内部における欠陥(水の部分や空洞)の有無を判断できる。
第2時点以降において、検出される反射中性子の大部分は、エネルギーが相対的に低い低エネルギー中性子(例えば熱中性子)になる。中性子は水と反応しやすいので、検査対象物1の内部に水が存在している部分がある場合には、この部分からの反射中性子の多くは、低エネルギー中性子になる。したがって、上述の積算値が上述の基準値よりも大きい場合には、検査対象物1の内部に水が存在している欠陥部分があると判断できる。
一方、検査対象物1の内部に空洞が存在する場合について、中性子は、空洞によってはエネルギーを失い難い。したがって、第2時点以降の反射中性子(例えば低エネルギーの熱中性子)の検出数の積算値が、上述の基準値よりも小さい場合には、その位置に空洞が存在すると判断できる。
したがって、次の方法(1)(2)または(3)により第2時点が設定される。なお、検査対象物1の種類毎に、方法(1)〜(3)で、第2時点が実験的に又はシミュレーションにより設定されてよい。演算装置9は、方法(1)(2)または(3)で設定された第2時点以降において中性子検出装置5が検出した反射中性子の数の積算値(合計値)を求める。
(1)第1時点で検査対象物1に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物1で散乱して戻ってくる反射中性子のうち、上記設定値以下のエネルギーを有する反射中性子の数をSとし、上記設定値よりも大きいエネルギーを有する反射中性子の数をNとする。S/Nが、最大値になるように、または、最大値に近い値になるように第2時点が設定される。
(2)第1時点で検査対象物1に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物1で散乱して戻ってくる反射中性子のうち、上記設定値よりも大きいエネルギーを有する反射中性子(例えば、熱中性子よりも高いエネルギーを有する反射中性子)の所定の割合以上が、第1時点から第2時点までの期間において生じるように、第2時点が設定されている。ここで、所定の割合は、50%〜100%の範囲内の一定割合であってよく、好ましくは、60%〜100%の範囲内の一定割合であり、より好ましくは、70%〜98%の範囲内の一定割合である。
(3)第1時点で検査対象物1に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物1で散乱して戻ってくる反射中性子のうち、上記設定値以下のエネルギーを有する反射中性子(例えば熱中性子)の所定の割合以上が、第2時点以降において生じるように、第2時点が設定されている。ここで、所定の割合は、10%〜98%の範囲内の一定割合であってよく、好ましくは、20%〜98%の範囲内の一定割合であり、より好ましくは、50%〜98%の範囲内の一定割合であり、さらに好ましくは、70%〜98%の範囲内の一定割合である。
図4は、複数の光検出素子5b2に対応する複数の積算値を2次元の座標範囲に表わしたデータを示す。好ましくは、複数の光検出素子5b2による発光検出回数に基づく積算値は、例えば図4のように、それぞれ、2次元の座標範囲の複数の位置(この図における小さな各正方形)において、その数値、または、その値に応じた色の濃淡、色もしくは模様など(図4では、施された斜線の密度)によって表わしたデータとして、ディスプレイに表示されたり、用紙に印刷されてよい。なお、2次元の座標範囲の複数の位置の配列は、これらの複数の位置にそれぞれ対応する複数の光検出素子5b2の配列と同じであるのがよい。複数の光検出素子5b2の配列は、これらの複数の光検出素子5b2に対応する検査対象物1の入射面(表面1a)の複数の位置の配列と同じである。図4では、施された斜線の密度が高い位置(小さな正方形)ほど積算値が大きいことを示しており、当該密度が最も高い部分は、検査対象物1内の水部分に対応する。非破壊検査装置10は、図4のように複数の光検出素子5b2に対応する複数の積算値を2次元の座標範囲に表わしたデータを生成するデータ処理装置11を備えていてよい。
上述した中性子源3は、トラックのような車両に積載できる程度に小型に構成することができる。したがって、上述の非破壊検査装置10を、例えばトラックのような車両に積載した状態で、車両が移動しながら、例えば、検査対象物1としての空港の滑走路、自動車の道路、または、トンネル構造物(トンネルを形成する構造物)の内部に欠陥が存在するかどうかを、非破壊検査装置10により検査することができる。
なお、本実施形態による非破壊検査装置10を用いた非破壊検査方法では、中性子源3により、検査対象物1の表面1aへパルス中性子線を入射させ、これにより検査対象物1において散乱して戻って来た反射中性子(散乱中性子)を中性子検出装置5により検出する。計測装置7により、これらの反射中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成する。
[シミュレーションによる実施例]
図5は、シミュレーションにより求めた反射中性子の数の積算値を示す。図5(A)〜(F)において、横軸と縦軸は、パルス中性子線の方向と直交する座標軸である。この例では、図5(A)〜(F)に示す2次元の座標範囲の各領域に示す数値または数値範囲は、検査対象物1へ中性子源3から放射状にパルス中性子線を入射させた場合、その領域内の各位置で検出される反射中性子の数の積算値またはその範囲を示す。各数値範囲は、欠陥が無い検査対象物1へパルス中性子線を入射させた場合の積算値を1として規格化されている。
より詳しくは、図5(A)〜(C)では、各領域に示す数値または数値範囲は、中性子源3から検査対象物1にパルス中性子線を第1時点で入射させることにより第1時点以降に生じた反射中性子のうち、エネルギーが2×10−1eV以下の反射中性子の数の積算値またはその範囲である。
図5(D)〜(F)では、各領域に示す数値または数値範囲は、中性子源3から検査対象物1にパルス中性子線を第1時点で入射させることにより第2時点以降に生じた反射中性子の数の積算値またはその範囲である。
図5(A)〜(F)の2次元の座標範囲の中央は、検査対象物1へ入射するパルス中性子線の位置に相当する。
図5(A)(D)は、欠陥が無い検査対象物1へパルス中性子線を入射させた場合を示す。したがって、図5(A)では、各位置での積算値は同じ値の1.0になっている。
図5(B)(E)は、検査対象物1における、水が存在する欠陥部分へパルス中性子線を入射させた場合を示す。図5(B)(E)では、その中央の領域では積算値が、同じ図の他の領域の積算値および図5(A)(D)の各位置での積算値よりも大きくなっている。したがって、図5(B)(E)の中央の領域には、水が存在する欠陥部分があることが分かる。
図5(C)(F)は、検査対象物1における、空洞が存在する欠陥部分へパルス中性子線を入射させた場合を示す。図5(C)(F)では、その中央の領域では積算値が、同じ図の他の領域の積算値および図5(A)(D)の積算値よりも小さくなっている。したがって、図5(C)(F)の中央の領域には、空洞が存在する欠陥部分があることが分かる。
図6は、シミュレーションにより求めた反射中性子の数の積算値を示すが、検査対象物1へのパルス中性子線の入射位置が検査対象物1における欠陥部分からずれている場合を示す。図5について以下で説明しない点は、図5の場合と同じである。
図6(A)〜(C)では、これらの図の2次元の座標範囲における各領域に示す数値または数値範囲は、中性子源3から検査対象物1にパルス中性子線を第1時点で入射させることにより第1時点以降に生じた反射中性子のうち、エネルギーが2×10−1eV以下の反射中性子の数の積算値またはその範囲である。
図6(D)〜(F)では、これらの図の2次元の座標範囲における各領域に示す数値または数値範囲は、中性子源3から検査対象物1にパルス中性子線を第1時点で入射させることにより第2時点以降に生じた反射中性子の数の積算値またはその範囲である。
各数値範囲は、欠陥が無い検査対象物1へパルス中性子線を入射させた場合の積算値を1として規格化されている。
図6(A)〜(F)において、2次元の座標範囲の中央は、パルス中性子線の位置に相当するが、図6(B)(C)(E)(F)において、2次元の座標範囲の中央から左側に少しずれた位置に対応する部分が、検査対象物1内の欠陥部分の位置となっている。
図6(A)(D)は、欠陥が無い検査対象物1へパルス中性子線を入射させた場合を示す。したがって、図6(A)では、各位置での積算値は同じ値の1.0になっている。
図6(B)(E)は、その中央部から左側に少しずれた領域での積算値が、同じ図の他の領域の積算値および図6(A)(D)の各位置での積算値よりも大きくなっている。したがって、図6(B)(E)の中央部から左側に少しずれた領域に、水が存在する欠陥部分があることが分かる。
図6(C)(F)では、その中央部から左側にずれた領域での積算値が、同じ図の他の領域の積算値および図6(A)(D)の積算値よりも小さくなっている。したがって、図6(C)(F)の中央部から左側にずれた領域に、空洞が存在する欠陥部分があることが分かる。
[シミュレーション]
図7A〜図7Cは、上述した非破壊検査装置10によるパルス中性子線と検査対象物1とシンチレータ5aとの位置関係を示す。図7A〜図7Cでは、シンチレータ5aは、中性子源3から検査対象物1へのパルス中性子線の通過領域に隣接するように配置されている。図7A〜図7Cでは、3つのコンクリート製ブロック2により検査対象物1が構成されている。各ブロック2は、30cmの厚みを有する。図7Aでは、欠陥の無い検査対象物1をブロック2により形成し、図7Bでは、内部に空洞がある検査対象物1をブロック2により形成し、図7Cでは、水を充填したポリタンクを2つのブロック2で挟むことにより、内部に水の部分がある検査対象物1をブロック2で形成している。
図7A〜図7Cの場合について上記積算値をシミュレーションで求めた。その結果を図8に示す。図8(A)〜(C)は、それぞれ図7A〜図7Cの場合に対応する。図8(A)〜(C)において、横軸と縦軸は、図7A〜図7Cのパルス中性子線と直交する座標軸である。図8(A)〜(C)に示す2次元の座標範囲の各領域に示す数値または数値範囲は、この領域内の各位置で検出される反射中性子の数の積算値またはその範囲を示す。各数値範囲は、欠陥が無い検査対象物1へパルス中性子線を入射させた場合の積算値を1として規格化されている。
図8(A)〜(C)の2次元の座標範囲の中央は、シンチレータ5aの位置に相当する。
図8(A)は、欠陥が無い図7Aの場合であるので、図8(A)における各位置での積算値は同じ値の1.0になっている。
図8(B)は、空洞がある図7Bの場合であるので、図8(B)では各領域の積算値が、図8(A)の各領域での積算値以下になっている。
図8(C)は、水の部分がある図7Cの場合であるので、図8(C)では各領域の積算値が、図8(A)の各位置での積算値以上になっている。
[実験による実施例1]
図9Aは、実施例1における非破壊検査装置10の中性子源3およびシンチレータ5aと検査対象物1との位置関係を示す。図9Aのように、検査対象物1として2つの直方体のコンクリート製ブロック2を用意した。
図9Aにおいて、XYZ座標系は検査対象物1の寸法を表すためのものである。図9Aにおいて、各ブロック2のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、100mmである。
2つのブロック2の間に、Z軸方向の寸法が100mmの空間6を設け、次の場合1〜4について検査を行った。
(場合1)空間6に何も配置しない。
(場合2)空間6を、コンクリート製ブロックで完全に埋める。このブロックのX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、100mmである。
(場合3)空間6に、水が充填されたポリタンクを配置する。このポリタンクのX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、75mm〜80mm程度である。
(場合4)空間6を、アクリル製ブロックで完全に埋める。このブロックのX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、100mmである。
図9Bは、場合1〜4の各々について計測した上述の積算値を示す。ここで、積算値は、特定の光検出素子5b2で検出した反射中性子の検出数を、第2時点以降で積算した値である。この積算を行った時間範囲は、第2時点(パルス中性子線の放出時点である第1時点から0.31ミリ秒後の時点)から、計測終了時点(第1時点から0.62ミリ秒後の時点)までの範囲である。図9Bの縦軸は、場合1の積算値を1として正規化した値を示している。図9Bにおいて、棒グラフA〜Dは、それぞれ場合1〜4を示す。
図9Bのように、コンクリートの内部に空洞が存在する場合1では、内部に空洞が存在しないコンクリートの場合2よりも、積算値が小さくなっている。
内部に水が溜まっているコンクリートの場合3では、場合2よりも、積算値が大きくなっている。
したがって、計測した積算値に基づいて、コンクリートの内部における空洞や水の存在を検出できることが分かる。
場合4について、アクリルの水素密度は、水の水素密度とほぼ同じであり、水素に中性子は反応しやすい。したがって、アクリル製ブロックを用いた場合4は、積算値が、水が存在する場合3とほぼ同じになっている。すなわち、アクリルを水とみなせる。
[実験による実施例2]
図10Aは、実施例2における非破壊検査装置10の中性子源3およびシンチレータ5aと検査対象物1との位置関係を示す。図10Aのように、検査対象物1として2つの直方体のコンクリート製ブロック2を用意した。
図10Aにおいて、XYZ座標系は検査対象物1の寸法を表すためのものである。図10Aにおいて、各ブロック2のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、100mmである。
2つのブロック2の間に、Z軸方向の寸法が100mmの空間6を設けた、この空間6に、上述のように水とみなせるアクリル製ブロック4を配置した。アクリル製ブロック4のX軸方向とY軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mmであり、このアクリル製ブロック4の厚み(すなわちZ軸方向の寸法)を変えて検査を行った。
図10Bにおいて、横軸はアクリル製ブロック4の厚みを示し、縦軸は計測した積算値を示す。ここで、縦軸の積算値は、空洞6に何も存在しない場合の積算値を1として規格化されている。また、積算値は、特定の光検出素子5b2で検出した反射中性子の検出数を、第2時点以降で積算した値である。この積算を行った時間範囲は、第2時点(第1時点から0.31ミリ秒後の時点)から、計測終了時点(第1時点から0.62ミリ秒後の時点)までの範囲である。図10Bにおいて、黒丸が計測した積算値を示す。
図10Bから分かるように、コンクリート内の空洞に水が溜まっている場合に、空洞に対する水の体積割合に応じて積算値が変化する。したがって、例えば空洞の大きさが予め分かっている場合には、空洞内の水量を知ることができる。
[実験による実施例3]
図11Aは、実施例3における非破壊検査装置10の中性子源3および中性子検出器5aと検査対象物1との位置関係を示す。検査対象物1は、図11Aのように6つの直方体のコンクリート製ブロック2を組み合わせたものである。検査対象物1の内部に空間6を形成した。この空間6を空洞とし、あるいは、この空間6に、空間6とほぼ同じ寸法の直方体のアクリル製ブロック4(後述の図12を参照)を配置した。このような検査対象物1へパルス中性子線を中性子源3から入射させて、その反射中性子を中性子検出装置5により検出して、第2時点以降における反射中性子の検出数を積算した積算値を計測した。
図11Aにおいて、XYZ座標系は検査対象物1の寸法を表すためのものである。図11Aにおいて、各コンクリート製ブロック2のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、60mmであり、アクリル製ブロック4(図12)のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法(図12を参照)は、それぞれ300mm、100mm、55mmである。
この実験では、中性子検出器5aとして、位置敏感型検出器(PSD:Position Sensitive Detector)を用いた。図11Bは、図11AのB−B矢視図であり、PSD5aを示す。PSD5aは、X軸方向を向きY軸方向に配列された複数の管15を有する。各管15の内部には、中性子に反応するガス(例えばヘリウム3ガス)が封入されている。また、各管15内には、X軸方向に延びる芯線16が配置され、芯線16には1000V〜2000Vの電圧が印加される。中性子が管15に到達すると、その位置でガスがイオン化する。芯線16の長さがLであり、X軸方向における中性子の到達位置が芯線16の一端を原点としてXであり、芯線16の両端に生じる電荷(電圧変化)がQ1,Q2である場合、X/L=Q2/(Q1+Q2)の関係がある。
中性子検出器5aとしてPSDを用いる場合には、中性子検出装置5は位置検出部5cを有する、位置検出部5cは、上述の電荷Q1,Q2を検出し、検出した電荷Q1,Q2と既知の上記長さLに基づいて到達位置Xを求め、かつ、当該電荷Q1,Qが生じた配管15を特定することにより、反射中性子の二次元座標位置を求める。なお、このような二次元座標位置毎の反射中性子の検出に基づいて、計測装置7は、二次元座標位置毎に、検出数データを求めることができる。
(アクリル製ブロックの場合)
図11Aにおいて、空間6にアクリル製ブロック4を配置し、Z軸方向の中間に配置したブロック2とブロック4のみの位置をY軸方向に変えて計測を行った。図12は、その計測結果を示す。図12(A)〜(E)において、上側部分は、空間6にブロック4を配置した場合の図11Aの部分拡大図であり、各ブロック2とブロック4を示す。図12(A)〜(E)において、下側部分は、Y軸方向の位置が上側部分と整合した2次元座標範囲の各領域A〜Hを示し、右端のA〜Hの数値範囲は、各領域A〜Hにおける積算値の範囲を示す。
なお、6つのブロック2をY軸方向に2列に且つX軸方向に3列に整列させることにより、検査対象物1の内部に空間6もアクリル製ブロック4も存在しない状態で計測された積算値を1として、図12(A)〜(E)および後述の図13(A)〜(E)の積算値は規格化されている。
図12(A)〜(E)から分かるように、アクリル製ブロック4の位置に相当する2次元座標位置において、積算値が大きくなっている。このように、積算値から、コンクリート内のアクリル製ブロック4(すなわち水)の2次元的位置を特定できることが確かめられた。
(空洞の場合)
図11Aにおいて、空間6を空洞に保って、Z軸方向の中間に配置したブロック2のみの位置をY軸方向に変えて計測を行った。図13は、その計測結果を示す。図13(A)〜(E)において、上側部分は、図11Aの部分拡大図であり、各ブロック2と空間6を示す。図13(A)〜(E)において、下側部分は、Y軸方向の位置が上側部分と整合した2次元座標範囲の各領域A〜Hを示し、右端のA〜Hの数値範囲は、各領域A〜Hにおける積算値の範囲を示す。
図13(A)〜(E)から分かるように、空洞の位置に相当する2次元座標位置において、積算値が小さくなっている。このように、積算値から、空洞の2次元的位置を特定できることが確かめられた。
[実験による実施例4]
図14〜図17は、非破壊検査装置10の実施例4を示す。図14は、非破壊検査装置10の中性子源3および中性子検出器5aと検査対象物1との位置関係を示す。図14において、検査対象物1は、5つのコンクリート製ブロック2と、1つのアクリル製ブロック4(または空洞)とを組み合わせたものである。各コンクリート製ブロック2は、図14において、XYZ座標系は検査対象物1の寸法を表すためのものである。図14では、中性子検出器5aとして上述のPSDを用いた。
(アクリル製ブロックの場合)
図14において、各コンクリート製ブロック2のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、60mmであり、アクリル製ブロック4のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法(図11Aを参照)は、それぞれ300mm、300mm、55mmである。図14のように、これらのブロックをその厚み方向に隙間なく配列し、アクリル製ブロック4のZ軸方向位置(すなわち検査対象物1の表面1aからの深さ)を変え、アクリル製ブロック4の深さ毎に、中性子源3からZ軸方向に検査対象物1へパルス中性子線を放出し、PSD5aを用いて、上述の検出数を計測した。
図15は、計測結果を示す。図15において、横軸は、上述の第1時点を原点とする時間を示し、縦軸は、XY座標系における特定の位置において中性子検出器5aが検出した反射中性子の数を示す。この縦軸の検出数は、検査対象物1においてアクリル製ブロック4を追加のコンクリート製ブロック2に置き換えた基準状態で得られた検出数の時間分布で規格化されている。すなわち、縦軸の検出数は、横軸の各時点毎に、基準状態で得られた検出数を1として規格化されている。したがって、検査対象物1に空洞も水も存在しない場合には、図15において、縦軸の検出数は、横軸の全時点で1となる。
図15において、三角形、正方形、黒丸、バツ印、白丸および十字印は、それぞれ、アクリル製ブロック4の深さが、0mm、60mm、120mm、180mm、240mm、および300mmの場合の検出数を示す。
図15において、破線a,b,c,dは、それぞれ三角形、正方形、黒丸、バツ印のピークの時点を示す。破線a,b,c,dから分かるように、アクリル製ブロック4(すなわち水)の位置が深くなるにつれて、検出数のピーク時点が遅れる。したがって、第1時点以降の各計測時点と、該計測時点の検出数とを互いに対応づけた上述の検出数データにおける検出数のピーク時点から水が存在する深さを検出できる。
図16は、図15において縦軸の目盛りを拡大した場合の白丸と十字印を示す。図16から分かるように、アクリル製ブロック4の深さが240mmと300mmの場合であっても、検出数は1よりも多くなっているので、これらの深さに存在する水も検出できることが分かる。
(空洞の場合)
図14において、アクリル製ブロック4を、これと同じ寸法の空洞に置き換えて実験を行った。すなわち、空洞のZ軸方向位置(すなわち検査対象物1の表面1aからの深さ)を変えて空洞の深さ毎に、中性子源3からZ軸方向に検査対象物1へパルス中性子線を放出し、PSD5aを用いて、上述の検出数を計測した。
図17は、計測結果を示す。図17において、横軸は、上述の第1時点(すなわち、中性子源3からのパルス中性子線の放出時点)を原点とする時間を示し、縦軸は、XY座標系における特定の位置において中性子検出器5aが検出した反射中性子の数を示す。この縦軸の検出数は、図15と同じ方法で規格化されている。図17において、三角形、正方形、黒丸、バツ印、白丸および十字印は、それぞれ、空洞の深さが、0mm、60mm、120mm、180mm、240mm、および300mmの場合の検出数を示す。
図17において、破線a,b,c,dは、それぞれ三角形、正方形、黒丸、バツ印のボトム時点(最低時点)を示す。破線a,b,c,dから分かるように、空洞の位置が深くなるにつれて、検出数のボトム時点が遅れる。したがって、第1時点以降の各計測時点と、該計測時点の検出数とを互いに対応づけた上述の検出数データにおける検出数のボトム時点から空洞が存在する深さを検出できる。
図18は、水または空洞の深さを検出する機能を有する上述の非破壊検査装置10の構成を示す。この場合、非破壊検査装置10は、さらに記憶装置12とデータ処理装置13を備える。図18の例では、中性子検出装置5は、上述したPSD5aと位置検出部5cを有する。
記憶装置12は、検査対象物1と同じ材質の試験物体の内部において、水が存在する位置の該試験物体の表面からの深さ(以下で単に深さという)と、(入射面5a1の特定の位置の)検出数のピーク時点とを互いに対応づけた第1対応データを記憶する。第1対応データにおけるピーク時点は、第1時点以降の各時点毎に検出数を参照値に対する比率で表わした場合に得られた検出数の時間分布におけるピーク時点である。ここで、参照値は、各時点毎に定められており、内部に水も空洞も存在しない基準状態の試験物体について当該時点で得られた(入射面5a1の特定の位置の)検出数である。この第1対応データでは、水が存在する位置の各深さ毎に、この深さに水が存在する場合に、試験物体の表面へ非破壊検査装置10によりパルス中性子線を入射したときに計測される検出数の上記ピーク時点が表わされている。このような第1対応データは、内部にアクリル製ブロックまたは水を設けた試験物体に対して非破壊検査装置10を用いて実験を行うことにより得られる。
記憶装置12は、第1対応データの代わりに、または、第1対応データに加えて、第2対応データを記憶する。第2対応データは、検査対象物1と同じ材質の試験物体の内部において、空洞が存在する位置の該試験物体の表面からの深さ(以下で単に深さという)と、(入射面5a1の特定の位置の)検出数のボトム時点とを互いに対応づけたデータである。第2対応データにおけるボトム時点は、第1時点以降の各時点毎に検出数を上記参照値に対する比率で表わした場合に得られた検出数の時間分布におけるボトム時点である。この第2対応データでは、空洞が存在する位置の各深さ毎に、この深さに空洞が存在する場合に、試験物体の表面へ非破壊検査装置10によりパルス中性子線を入射したときに計測される検出数の上記ボトム時点が表わされている。このような第2対応データは、内部に空洞を設けた試験物体に対して非破壊検査装置10を用いて実験を行うことにより得られる。
第1対応データを用いる場合には、次のようにする。データ処理装置13は、計測装置7が計測した(入射面5a1の各位置の)検出数データ(第1時点以降の各計測時点と該計測時点の検出数とを互いに対応づけたデータ)における検出数のピーク時点を特定する。このピーク時点は、第1時点以降の各時点毎に検出数を上記参照値に対する比率で表わした場合に得られた検出数の時間分布におけるピーク時点である。データ処理装置13は、このピーク時点と記憶装置12に記憶された第1対応データとに基づいて、検査対象物1の内部において水が存在する深さを特定する。データ処理装置13は、特定した深さを出力する。出力された深さは、適宜の記憶媒体に記憶され、ディスプレイに表示され、または、用紙に印刷されてよい。
第2対応データを用いる場合には、次のようにする。データ処理装置13は、計測装置7が計測した(入射面5a1の各位置の)検出数データにおける検出数のボトム時点を特定する。このボトム時点は、第1時点以降の各時点毎に検出数を上記参照値に対する比率で表わした場合に得られた検出数の時間分布におけるボトム時点である。データ処理装置13は、このボトム時点と記憶装置12に記憶された第2対応データとに基づいて、検査対象物1の内部において空洞が存在する深さを特定する。データ処理装置13は、特定した深さを出力する。出力された深さは、適宜の記憶媒体に記憶され、ディスプレイに表示され、または、用紙に印刷されてよい。
[実験による実施例5]
図19A〜図19Dは、実施例5における非破壊検査装置10の中性子源3および中性子検出器5aと検査対象物1との位置関係を示す。図19A〜図19Dの例では、中性子検出装置5は、中性子検出器5aとしての上述したPSD5aと位置検出部5cとを有する。検査対象物1は、図19A〜図19Dのように複数の直方体のコンクリート製ブロック2を組み合わせたものである。検査対象物1の内部に空間6を形成した。この空間6を図19Aと図19Bのように空洞とし、あるいは、この空間6に、図19Cと図19Dのように空間6とほぼ同じ寸法の直方体のアクリル製ブロック4を配置した。このような検査対象物1へパルス中性子線を中性子源3から入射させて、y軸方向において検査対象物1の中央から幅100mm範囲で反射中性子の検出数を計測した。
図19A〜図19Dにおいて、XYZ座標系は検査対象物1の寸法を表すためのものである。図19A〜図19Dにおいて、各コンクリート製ブロック2のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、300mm、60mmである。
図19Aにおいて、空間6のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、50mm、60mmである。図19Bにおいて、空間6のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、100mm、60mmである。図19Cにおいて、アクリル製ブロック4のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、50mm、55mmである。図19Dにおいて、アクリル製ブロック4のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の寸法は、それぞれ300mm、100mm、55mmである。
図20は、図19A〜図19Dの各場合の計測結果を示す。図20において、横軸は上述の第1時点を原点とする時間を示し、縦軸は、特定の光検出素子5b2で検出した検出数を示す。縦軸の検出数は、図19Aの空間6がコンクリートで埋められた場合の検出数を1として規格化されている。図20おいて、白い正方形と黒い正方形と白丸と黒丸は、それぞれ図19A〜図19Dの場合の検出数を示す。
図20から分かるように、アクリルの体積が2倍になると、検出数は、ピーク時点において、約3.3倍になる。
また、検査対象物1の内部においてアクリル(水)や空洞の存在を検出するための積算値は、図19A〜図19Dの場合の間で検出数に差が生じている時間範囲Tにわたって検出数を積算した値であってよい。例えば、この時間範囲Tは、図20の横軸において0.03ミリ秒の時点から0.10ミリ秒の時点までの範囲であってよい。ただし、この時間範囲Tは、これに限定されず、別の例では、0.03ミリ秒の時点から0.15ミリ秒の時点までの範囲であってもよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の他の実施形態1〜5のいずれかを採用してもよいし、他の実施形態1〜5の2つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で説明しない点は、上述と同じであってよい。
(他の実施形態1)
上述において、演算装置9を省略してもよい。この場合、計測装置7は、第1時点以降の各計測時点と該計測時点の検出数とを互いに対応づけた検出数データを出力する。出力された検出数データは、記憶装置に記憶されてよい。入射面5a1の各位置毎(例えば光検出素子5b2毎)の検出数データは、計測装置7から直接または上記の記憶装置を介して、ディスプレイに表示され、または、用紙に印刷されてよい。検出数データは、検査対象物1の内部における欠陥の有無に応じて変化するので、人は、表示または印刷された検出数データを見て、検査対象物1の内部における欠陥の有無を判断できる。なお、他の実施形態1では、上述のデータ処理装置11は省略されてもよい。
または、演算装置9を省略する場合に、上述した第1対応データと第2対応データを予め作成しておくこともできる。この場合、計測装置7は、第1時点以降の各時点毎に(入射面5a1の各位置の)検出数を上記参照値に対する比率で表わした場合に得られた検出数の時間分布を表わす時間分布データを生成し、この時間分布データを出力する。出力された時間分布データは、記憶装置に記憶されてよい。時間分布データは、計測装置7から直接または上記の記憶装置を介して、ディスプレイに表示され、または、用紙に印刷されてよい。その上で、人は、計測装置7に生成されて表示または印刷された上述の時間分布データを見て、この時間分布データにおける検出数のピーク時点またはボトム時点を特定し、特定したピーク時点またはボトム時点と第1対応データまたは第2対応データとを比べて、水または空洞の深さを求めることができる。
(他の実施形態2)
計測装置7が生成する検出数データは、上述の第2時点以降の検出数の積算値(合計値)であってもよい。この場合、上述の演算装置9は省略される。計測装置7が生成する光検出素子5b2毎の積算値は、上述と同様に、人が確認できるように表示または印刷されてよい。
(他の実施形態3)
図2Aまたは図2Bの構成において、光ファイバー5b1を省略して、各光検出素子5b2を、シンチレータ5aに直接取り付けてもよい。この場合、シンチレータ5aにおいて入射面5a1と反対側の面の各位置に光検出素子5b2を取り付けてよい。
(他の実施形態4)
中性子源3は、パルス中性子線を検査対象物1に照射できるものであればよい。例えば、図2Aと図2Bでは複数の加速器3b1,3b2が用いているが、中性子発生に十分な陽子のエネルギーが得られれば、単体の加速器を用いてもよい。
検査対象物1の欠陥の有無を検査するのに十分な量の中性子が発生する限りにおいて、加速する粒子とそのエネルギーおよびターゲット3dの組み合わせは上述の内容に制限されない。
(他の実施形態5)
中性子検出装置5による反射中性子の検出に基づいて計測装置7が検出数データを生成できれば、中性子検出装置5の構成は、上述に限定されない。すなわち、中性子検出装置5は、中性子検出器5aとして上述のシンチレータまたはPSDを用いたものであってもよいし、他の構成を有していてもよい。なお、図11Bの中性子検出器5aは、この図と構成が異なる気体比例計測管であってもよい。
なお、上記他の実施形態1〜5においても、非破壊検査装置10は、図4のように、複数の積算値を2次元の座標範囲に表わしたデータを生成する上述のデータ処理装置11を備えていてよい。
1 検査対象物、1a 表面、2 コンクリート製ブロック、2a 入射面、3 中性子源、3a 荷電粒子源、3b 加速装置、3b1,3b2 加速器、3c ビーム調整器、3d ターゲット、3e 容器、3f 管状遮蔽部材、4 アクリル製ブロック、5 中性子検出装置、5a 中性子検出器(シンチレータ、PSD)、5a1 入射面、5b 光検出器、5b1 光ファイバー、5b2 光検出素子、6 空間、7 計測装置、9 演算装置、10 非破壊検査装置、11 データ処理装置、12、記憶装置、13 データ処理装置

Claims (10)

  1. 検査対象物の表面へパルス中性子線を入射させ、これにより検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子を検出し、前記散乱中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成し、前記検出数データに基づいて、中性子源が検査対象物へパルス中性子線を放出した第1時点から設定時間だけ経過した第2時点以降の検出数の積算値を求め、該積算値に基づいて検査対象物の内部における欠陥の有無を非破壊的に検査する方法であって、
    前記第2時点は、
    第1時点で検査対象物に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物で散乱して戻ってくる散乱中性子のうち、設定値以下のエネルギーを有する散乱中性子の所定の割合以上が、前記第2時点以降において生じるように設定されている、ことを特徴とする非破壊検査方法。
  2. 検査対象物の表面へパルス中性子線を入射させ、これにより検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子を検出し、前記散乱中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成し、前記検出数データに基づいて、中性子源が検査対象物へパルス中性子線を放出した第1時点から設定時間だけ経過した第2時点以降の検出数の積算値を求め、該積算値に基づいて検査対象物の内部における欠陥の有無を非破壊的に検査する方法であって、
    前記第2時点は、
    第1時点で検査対象物に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物で散乱して戻ってくる散乱中性子のうち、設定値よりも大きいエネルギーを有する散乱中性子の所定の割合以上が、第1時点から第2時点までの期間において生じるように設定されている、ことを特徴とする非破壊検査方法。
  3. 前記所定の割合は、10%〜98%の範囲内の一定割合である、請求項1に記載の非破壊検査方法。
  4. 前記所定の割合は、50%〜98%の範囲内の一定割合である、請求項2に記載の非破壊検査方法。
  5. 検査対象物の内部における前記欠陥の有無は、空洞の有無であるか、又は、水の有無である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非破壊検査方法
  6. 前記積算値が基準値よりも小さい場合に、検査対象物の内部に空洞が存在していると判断し、又は、前記積算値が基準値よりも大きい場合に、検査対象物の内部に水が存在していると判断する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非破壊検査方法。
  7. パルス中性子線の放出を、第2時点よりも前に終了させる、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の非破壊検査方法。
  8. 第2時点を、実験的に又はシミュレーションにより設定する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の非破壊検査方法。
  9. 検査対象物の表面へパルス中性子線を放出する中性子源と、
    検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子を検出する中性子検出装置と、
    中性子検出装置による前記散乱中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成する計測装置と、
    前記検出数データに基づいて、前記中性子源が検査対象物へパルス中性子線を放出した第1時点から設定時間だけ経過した第2時点以降の検出数の積算値を求める演算装置と、を備え、
    前記第2時点は、
    第1時点で検査対象物に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物で散乱して戻ってくる散乱中性子のうち、設定値以下のエネルギーを有する散乱中性子の所定の割合以上が、前記第2時点以降において生じるように設定されている、ことを特徴とする非破壊検査装置。
  10. 検査対象物の表面へパルス中性子線を放出する中性子源と、
    検査対象物において散乱して戻って来た散乱中性子を検出する中性子検出装置と、
    中性子検出装置による前記散乱中性子の検出数を計測し、該検出数を時間に対して表した検出数データを生成する計測装置と、
    前記検出数データに基づいて、前記中性子源が検査対象物へパルス中性子線を放出した第1時点から設定時間だけ経過した第2時点以降の検出数の積算値を求める演算装置と、を備え、
    前記第2時点は、
    第1時点で検査対象物に放出されたパルス中性子線に含まれている中性子であって検査対象物で散乱して戻ってくる散乱中性子のうち、設定値よりも大きいエネルギーを有する散乱中性子の所定の割合以上が、第1時点から第2時点までの期間において生じるように設定されている、ことを特徴とする非破壊検査装置。
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