JP6711701B2 - 減速機付モータ、及び減速機付モータの組立方法 - Google Patents
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Description
ここで、ウォームホイールやドライブギアは、ケーシングに形成された収容凹部に対し、ウォームホイールやドライブギアの中心軸の方向に沿って収容凹部の開口側から組み込まれる。
一方、ウォーム軸は、ケーシングに形成された軸挿入孔に、ウォーム軸の中心軸に沿った方向から挿入される。軸挿入孔には、収容凹部に連通する開口部が形成され、ウォーム軸に形成されたウォームギアは、この開口部から収容凹部内に露出し、ウォームホイールが噛み合う。
すなわち、本発明の減速機付モータは、ウォームギアが設けられ、複数の軸受を介して中心軸回りに回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸を中心軸回りに回転駆動するモータ部と、第1軸に支持され前記ウォームギアに噛み合うウォームホイール、及び前記第1軸の軸方向と同一方向に沿う第2軸に支持され前記ウォームホイールの回転が伝達されて外部に回転力を伝達する出力ギアを備えた減速機部と、前記回転軸を収容する軸収容凹部、前記軸受を収容する軸受収容凹部、及び前記減速機部を収容する減速機収容凹部が形成されたケーシングと、を備え、前記軸収容凹部と、前記軸受収容凹部と、前記減速機収容凹部とが、前記ケーシングの一面側に開口しており、前記第1軸及び前記第2軸は、前記軸収容凹部を挟んで一方の側と他方の側に配置されており、前記ウォームホイール及び前記出力ギアは、前記第1軸及び前記第2軸の軸方向において重なるように配置されていることを特徴とする。
また、回転軸を、軸受を介してケーシングに組み込めるため、減速機付モータの動作効率を向上させることができる。
図1は、減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。図2は、減速機付モータ1の部品構成を示す斜視展開図である。図3は、減速機付モータ1を構成するケーシング10を示す斜視図である。図4は、ケーシング10の平面図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば、車両のパワーウィンドウ装置等に用いられるものであって、ケーシング10と、ケーシング10の一端側に設けられたモータ部30と、モータ部30に連結され、ケーシング10内に収容された減速機部60と、を備えている。
図2、図3、図4に示すように、ケーシング10は、その一面側に、減速機部60を収容する収容凹部11が形成されている。収容凹部11は、ケーシング10の天面部(一面)10tから天面部10tに対向する背面部10bに向かって窪んでいる。収容凹部11は、その底面11bに、後述する回転軸61を収容する軸収容溝(軸収容凹部)12と、ウォームホイール63(図2参照)等を支持する第1軸13と、ドライブギア66(図2参照)等を支持する第2軸14と、を備えている。
ここで、各凸部18は、軸収容溝12の他方の端部12bの近傍位置と、軸収容溝12の一方の端部12a側において軸収容溝12を挟んだ一方の側と他方の側との、合計3個所に形成されている。
図1に示すように、この段部19には、略板状のカバー8が嵌め込まれる。カバー8の外周部には、カバー8の一方の側に延びる複数のフック部8fが形成されている。そして、各フック部8fを、ケーシング10の外周面の複数個所に形成された係合突起10aに係合させることで、カバー8がケーシング10に固定される。
図5は、減速機付モータ1のカバーを取り外した状態を示す斜視図である。図6は、ケーシング10に、アーマチュア32、コンミテータ35、軸受67A,67Bが設けられた回転軸61を組み込んだ状態を示す平面図である。
図2、図5、図6に示すように、モータ部30としては、例えば、ブラシ付直流モータなどが用いられている。モータ部30は、ヨーク31と、アーマチュア32と、コンミテータ35と、一対のブラシ43,43を保持したブラシホルダ40と、コネクタ部材50(図1参照)と、を備えている。
アーマチュアコア33は、回転軸61の一端61aに外嵌固定されている。アーマチュアコア33は、略リング状の金属板33mを軸方向に複数枚積層したもので、巻線を巻装するための複数のスロット33sが形成されている。
これらスロット間に挿通させたエナメル被覆の巻線が巻装されることで、アーマチュアコア33の外周に複数のアーマチュアコイル34が形成される。
図7、図8に示すように、ブラシホルダ40は、略板状のサポートプレート41と、サーミスタ42と、コンミテータ35のセグメント35sに摺接する一対のブラシ43,43と、を備えている。
サーミスタ42は、サポートプレート41の連結部41bに固定されている。
スプリング44は、鋼線が螺旋状に巻き回されたコイル部44aと、コイル部44aを形成する鋼線の両端部がコイル部44aから接線方向に延びる延設部44b,44cとを有している。スプリング44は、コイル部44aを、各アーム部41aの表面に直交して延びるよう設けられた支持ポスト45に挿通させて設けられている。
同図に示すように、ブラシホルダ40は、ケーシング10の外周面に設けられたモータ収容部16内に設けられている。
図10に示すように、ブラシホルダ40は、各アーム部41aの先端が、係止ブロック16kとケーシング10の外側面10sとの間に挿入される。
この状態で、接続端子49,49は、軸収容溝12(図3参照)の中心軸と平行な方向に延びるよう設けられている。
図11、図12に示すように、コネクタ部材50は、フレーム部51と、コネクタ受け部52と、を一体に備えている。
コネクタ部材50のフレーム部51の開口部51aは、ヨーク31(図1参照)が装着されることで覆われる。
図1に示したように、フード52a内には、コネクタに設けられたハーネス側端子(図示無し)に電気的に接続される端子部材54の一端部が保持されている。
このようなコネクタ部材50のコネクタ受け部52に不図示の外部電源に接続されたハーネスのコネクタ(図示無し)を接続することにより、外部電源の電力をモータ部30に供給できる。
また、各突起55には、ブラシホルダ40の支持ポスト45に対向する部分に凹溝55mが形成されている。この凹溝55mは、支持ポスト45の外周面に対し、スプリング44のコイル部44aを形成する線材の線径よりも小さい間隔を隔てて対向するよう形成されている。
図2、図5に示すように、減速機部60は、回転軸61と、ウォームギア62と、ウォームホイール(ギア)63と、ピニオンギア(ギア)64と、スパーギア(ギア)65と、ドライブギア(ギア)66と、を備えている。
図4に示すように、ベアリング収容凹部15A,15Bには、軸収容溝12の中心軸に対して直交する径方向の両側に、ケーシング10の天面部10t側からベアリング収容凹部15A,15Bの底面15cに向かって延びる弾性変形可能な二本一対のリブ15rがそれぞれ突設されている。軸受67A,67Bは、ベアリング収容凹部15A,15Aの底面15cに突き当たるとともに、これらのリブ15r,15rに径方向両側を挟持されることで、径方向への移動が拘束されている。
図4、図14に示すように、モータ収容部16側のベアリング収容凹部15Aには、収容凹部11に近い側に、軸収容溝12の中心軸方向に直交する位置決め面15kが形成されている。また、ベアリング収容凹部15Aにおいて、位置決め面15kに対向する面には、位置決め面15kに対向する面から位置決め面15kに向けて突出して形成された位置決めリブ(押圧部)15sが、ケーシング10の天面部10t側とベアリング収容凹部15A,15Bの底面15cとの間に形成されている。
ここで、軸収容溝12における回転軸61に直交する方向の幅寸法W1は、ベアリング収容凹部15A,15Bにおける幅寸法W2よりも小さく設定されている。
係合プレート部64aの外周部には、径方向外側に突出する略扇形状の係合凸部64kが、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
このピニオンギア64には、ケーシング10に形成された第1軸13が挿入される軸挿入孔64hが形成されている。ピニオンギア64は、第1軸13を軸挿入孔64hに挿入することで、第1軸13回りに回転自在に支持される。
ウォームホイール63の径方向中央には、その中心軸方向に貫通する挿通孔63hが形成されている。さらに、挿通孔63hの周囲には、径方向外側に向かって窪み、ピニオンギア64の係合凸部64kが係合する略扇形状の係合凹部63kが、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
ウォームホイール63は、ピニオンギア64が挿通孔63hに挿入されることで、ピニオンギア64と一体に第1軸13回りに回転自在に支持されている。
スパーギア65の径方向中央には、ウォームホイール63と同様、その中心軸方向に貫通する挿通孔(図示無し)が形成され、挿通孔の周囲に、略扇形状の係合凹部(図示無し)が、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
プレート部66aにおいて、ギア部66gと反対側には、スパーギア65の係合凹部(図示無し)に係合する係合突起(図示無し)が突設されている。
また、ドライブギア66には、ケーシング10に形成された第2軸14が挿入される軸挿入孔66hが形成されている。これにより、スパーギア65及びドライブギア66は、第2軸14回りに回転自在に設けられている。
減速機付モータ1のモータ部30を駆動させると、回転軸61、及びウォームギア62を介してウォームホイール63が回転する。すると、ウォームホイール63とともに、ドライブギア66が回転し、ドライブギア66のギア部66gから、車両用窓を昇降動作させる駆動力を出力することができる。
ここで、減速機部60は、ウォームギア62とウォームホイール63との噛み合い、ピニオンギア64とスパーギア65との噛み合いによって、2段階に減速される。
次に、上記したような構成の減速機付モータ1の組み立て方法について説明する。
図16は、ケーシング10に回転軸61を組み付ける前の状態を示す斜視図である。図17は、回転軸61をケーシング10に組み込んだ状態を示す斜視図である。図18は、ブラシホルダ40をケーシング10に組み付ける前の状態を示す斜視図である。図19は、ブラシホルダ40をカバー8と一体に設けた場合の構成を示す斜視図である。
上記したような構成の減速機付モータ1を組み立てるには、まず、図16に示すように、回転軸61に、アーマチュア32及びコンミテータ35と、軸受67A,67Bとを組み付けておく。
図6に示すように、ベアリング収容凹部15A,15Bには、リブ15r,15rが形成されているので、回転軸61の径方向位置が容易かつ確実に位置決めされる。また、図14に示すように、ベアリング収容凹部15Aには、位置決め面15k及び位置決めリブ15sが形成されている。このため、回転軸61の軸方向位置が、軸受67Aと位置決め面15kとを基準として、容易かつ確実に位置決めされる。
このとき、図10に示すように、ブラシホルダ40は、サポートプレート41をモータ収容部16内のケーシング10の外側面10sに沿わせながら挿入し、凸部41t,41tを、モータ収容部16の側壁部16b,16bに形成された段部16d,16dに係合させる。そして、アーム部41a,41aの先端を、係止ブロック16k,16kとケーシング10の外側面10sとの間に挿入する。
ここで、図19に示すように、ブラシホルダ40を、カバー8と一体に取り付けておき、カバー8とブラシホルダ40とを同時に組み付けることもできる。
この後、モータ収容部16の端部にヨーク31を装着する。
ところで、上記コネクタ部材50の組み付け時には、ブラシホルダ40のスプリング44の組付けを同時に行うことができる。これには、図20に示すように、ブラシホルダ40をモータ収容部16に組み付けるに先立ち、各支持ポスト45に、スプリング44のコイル部44aを挿通させておく。このとき、スプリング44は、コイル部44aを支持ポスト45の先端部45sにのみ挿入しておけばよい。また、スプリング44の一方の延設部44bは、壁部46に沿わせ、他方の延設部44cは壁部46の側端部46bに沿わせておく。
また、コネクタ部材50を組み付けるに際しては、各突起55が、支持ポスト45の先端部45sに仮組みされたスプリング44のコイル部44aに当たるようになっている。
このようにして、スプリング44,44のセットを容易かつ確実に行うことができる。
さらに、ブラシホルダ40は、モータ収容部16に固定される。これにより、ブラシホルダ40も、回転軸61、軸受67A,67B、減速機部60と同様に、同じ方向からケーシング10部に組み込むことが可能となる。
このような構成によれば、回転軸61を支持する軸受67A,67Bをベアリング収容凹部15A,15Bに圧入すれば、リブ15r,15rによって軸受67A,67Bを径方向において拘束することができる。
このような構成によれば、軸受67A,67Bに充填されたグリース等の潤滑剤が軸受67A,67Bから流れ出してきても、軸収容溝12の幅寸法W1がベアリング収容凹部15A,15Bよりも小さいので、回転軸61の回転によって潤滑剤が飛散して潤滑不足になるのを抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では本発明の減速機付モータの組立方法について説明したが、例えば、ウォームホイール63やドライブギア66等と、ブラシホルダ40やコネクタ部材50等との組み付け順序は適宜変更してもよい。
また、減速機付モータを、車両のウィンドウレギュレータ等の駆動源に適用した場合について説明したが、本発明は、ワイパーモータ、サンルーフ、電動シートなどの駆動源、さらには、車両以外の電装品など、さまざまな装置にも適用可能である。
8…カバー
10…ケーシング
10t…天面部(一面)
11…収容凹部
12…軸収容溝(軸収容凹部)
13…第1軸
14…第2軸
15A,15B…ベアリング収容凹部(軸受収容凹部)
15k…位置決め面
15r…リブ
15s…位置決めリブ(押圧部)
16…モータ収容部
30…モータ部
32…アーマチュア
35…コンミテータ
40…ブラシホルダ
43…ブラシ
50…コネクタ部材
60…減速機部
61…回転軸
61a…一端
61b…他端
62…ウォームギア
63…ウォームホイール(ギア)
64…ピニオンギア(ギア)
65…スパーギア(出力ギア)
66…ドライブギア(出力ギア)
67A,67B…軸受
Claims (8)
- ウォームギアが設けられ、複数の軸受を介して中心軸回りに回転自在に支持された回転軸と、
前記回転軸を中心軸回りに回転駆動するモータ部と、
第1軸に支持され前記ウォームギアに噛み合うウォームホイール、及び前記第1軸の軸方向と同一方向に沿う第2軸に支持され前記ウォームホイールの回転が伝達されて外部に回転力を伝達する出力ギアを備えた減速機部と、
前記回転軸を収容する軸収容凹部、前記軸受を収容する軸受収容凹部、及び前記減速機部を収容する減速機収容凹部が形成されたケーシングと、を備え、
前記軸収容凹部と、前記軸受収容凹部と、前記減速機収容凹部とが、前記ケーシングの一面側に開口しており、
前記第1軸及び前記第2軸は、前記軸収容凹部を挟んで一方の側と他方の側に配置されており、
前記ウォームホイール及び前記出力ギアは、前記第1軸及び前記第2軸の軸方向において重なるように配置されていることを特徴とする減速機付モータ。 - 前記回転軸に、前記モータ部を構成するコンミテータが設けられ、
前記ケーシングに、前記モータ部の前記コンミテータを収容するモータ収容部が前記一面側に開口して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の減速機付モータ。 - 前記コンミテータの外周面に摺接するブラシを保持するブラシホルダをさらに備え、
前記ブラシホルダは、前記モータ収容部に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の減速機付モータ。 - 前記ケーシングの一面側に、前記軸収容凹部、前記軸受収容凹部、前記減速機収容凹部、及び前記モータ収容部を覆うカバーが設けられ、
前記ブラシホルダは、前記カバーに一体に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の減速機付モータ。 - 前記軸受収容凹部は、前記一面側に直交し、前記軸受の径方向外側に対向する位置に、前記軸受側に突出する弾性変形可能なリブを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の減速機付モータ。
- 前記軸受は、前記回転軸の中心軸方向に間隔をあけて少なくとも2つが設けられ、
一方の前記軸受を収容する前記軸受収容凹部は、前記回転軸方向一方の側に形成され、前記軸受の一面が突き当たる位置決め面と、
前記回転軸方向他方の側に形成され、前記軸受を前記位置決め面側に押圧する押圧部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の減速機付モータ。 - 前記軸受収容凹部における前記回転軸に直交する方向の幅寸法よりも、前記軸収容凹部における幅寸法が小さいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の減速機付モータ。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の減速機付モータの組立方法であって、
前記ケーシングの一面側に開口した前記軸収容凹部、前記軸受収容凹部、及び前記減速機収容凹部に対し、前記回転軸、前記軸受、前記減速機部を構成する前記ウォームホイール及び前記出力ギアを、前記一面側から組み込むことを特徴とする減速機付モータの組立方法。
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