JP4861769B2 - 減速機構付き電動モータ - Google Patents

減速機構付き電動モータ Download PDF

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Description

本発明は、回転軸を備えたモータ本体と、回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータに関する。
車両に設けられるワイパ装置やパワーウインド装置、サンルーフ装置等の駆動源としては、通常、車両に搭載されるバッテリ等の電源により作動する電動モータが用いられている。これらの装置に電動モータを適応させるためには、モータの回転数を所用の回転数にまで減速する必要がある。そのため、このような電動モータは、例えば特許文献1に示されるように、減速機構が取り付けられて減速機構付き電動モータとして1つのユニットとされている。
減速機構付き電動モータのモータ本体としてはブラシ付きモータが多く用いられているが、ブラシ付きモータはブラシとコミュテータとの摺接部分からノイズを発生するので、このノイズにより他の電装品等に障害を与えること(ラジオノイズ等)を防止するための対策が必要となる。ノイズの放射を防止する手段としては、チョークコイル等の雑音防止素子を給電回路に設けるようにした技術が知られているが、このような雑音防止素子を設けただけでは、ノイズを十分に低減できない場合がある。
これに対して、モータ本体に設けられる負極側のブラシを減速機構を収容するギヤケースに接地して、ギヤケースやモータヨークにシールド効果を生じさせるようにした技術が知られている。この場合、モータ本体の負極側のブラシには、当該ブラシと給電用のコネクタとを接続するための接続板が接続され、この接続板に設けられる接地端子をねじ等の締結部材を用いてギヤケースに固定することにより、当該ブラシがギヤケースに接地されるようになっている。
実開平6−24373号公報
しかしながら、従来の減速機構付き電動モータでは、モータ本体の負極側のブラシを接地するためには、ねじ等の締結部材を用いて接地端子をギヤケースに固定する作業が必要となるので、この減速機構付き電動モータの部品点数や組立工数が増加することになる。
本発明の目的は、モータ本体の負極側のブラシを容易にギヤケースに接地させ得る減速機構付き電動モータを提供することにある。
本発明の減速機構付き電動モータは、回転軸を備えたモータ本体と、前記回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータであって、前記回転軸に固定されるコミュテータと前記コミュテータに接続されるコイルとを備えたアーマチュアと、内面にマグネットが装着され、前記アーマチュアを回転自在に収容するモータヨークと、前記モータヨークの内部に装着され、前記コミュテータに摺接する一対のブラシを保持するブラシホルダと、前記モータヨークに固定され、前記減速機構を収容するギヤケースと、それぞれ電源に接続される一対の給電端子を備え、前記ギヤケース上に配置されるコネクタと、前記ブラシホルダと一体に設けられ、前記モータヨークの開口部を介して前記ギヤケース側に突出して該ギヤケースの外側面上に配置される収容ケースと、前記収容ケースに収容され、それぞれ一端が前記モータヨークの開口部を介して前記ブラシに接続されるとともに他端が前記給電端子に接続される一対の接続板と、負極側の前記接続板の一部を折り曲げて形成され、前記ギヤケースに設けられる接地用の突起部に弾性変形した状態で接触する接地端子とを有することを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、一対の前記接続板を平行に並べて配置し、負極側の前記接続板の先端部を正極側の前記接続板側に折り曲げて前記接地端子を形成することを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記回転軸の軸心を通り且つ前記外側面に直交する面と前記外側面との交差線上に前記突起部を配置し、一対の前記接続板を前記突起部を挟んで対向させて配置することを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記ブラシと前記給電端子との間に接続され、前記収容ケースに収容される雑音防止手段を有することを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、車両のリヤワイパ装置の駆動源として用いられることを特徴とする。
本発明によれば、収容ケースに収容される負極側の接続板の一部を折り曲げて接地端子を形成し、この接地端子をギヤケースに設けられる接地用の突起部に弾性変形させた状態で接触させるようにしたので、収容ケースをギヤケース上に配置することにより、負極側のブラシを容易にギヤケースに接地させることができる。したがって、ねじ等の締結部材を用いることなく接地端子を確実にギヤケースに接地させることができるので、この減速機構付き電動モータの部品点数や組み付け工数等を低減することができる。狭いスペースにおいても接地端子に十分なたわみ長さを確保することができるので、この減速機構付き電動モータの給電回路を確実にギヤケースに接地させることができる。
また、本発明によれば、回転軸の軸心を通り且つギヤケースの外側面に直交する面が当該外側面と交差する線上に突起部を配置し、一対の接続板をこの突起部を挟んで対向させて配置するようにしたので、この減速機構付き電動モータの車体の取り付け状態等の仕様に応じ、ギヤケースを左右対称の2種類の形状に形成するようにしても、各ギヤケースに対して同一のモータ本体を用いることができる。
さらに、本発明によれば、ブラシと給電端子との間に雑音防止手段を接続するようにしたので、この雑音防止手段により給電回路を流れるノイズを吸収して、この減速機構付き電動モータが放射するノイズを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるワイパモータを示す斜視図であり、図2は図1に示すワイパモータの分解斜視図である。
図1に示すワイパモータ11は車両に設けられるリヤワイパ装置の駆動源として用いられるものであり、モータ本体12と減速機13とが1つのユニットとされた減速機構付き電動モータとなっている。
図2に示すように、モータ本体12は回転軸12aを備えたブラシ付きモータとなっており、この回転軸12aにはコミュテータ14(整流子)とアーマチュアコア(不図示)とが固定されている。アーマチュアコアのスロットには複数の図示しないコイル(電機子巻線)が巻装され、これらのコイル端はそれぞれコミュテータの対応するセグメントに接続されており、コミュテータ14とコイルとによりアーマチュア(電機子)15が構成されている。
モータ本体12は断面小判形状の底付き筒状に形成されたモータヨーク(継鉄)16を備えており、アーマチュア15は回転軸12aの一端がモータヨーク16の底部に回転自在に支持されることにより、モータヨーク16の内部に回転自在に収容されている。また、モータヨーク16の内面には一対のマグネット(不図示)が互いに異なる磁極を対向させて装着されており、コイルが巻装されたアーマチュアコアはこれらのマグネットとモータヨーク16とで形成される磁界内に位置するようになっている。
図3は図1に示すワイパモータの給電回路図であり、図4はモータ本体に設けられるブラシホルダの詳細を示す斜視図である。
このワイパモータ11には、モータ本体12に駆動電流を供給するために、図3に示す給電回路21が設けられている。この給電回路21はコミュテータ14の外周面に摺接する一対のブラシ22a,22bを有しており、これらのブラシ22a,22bを保持するために、図2に示すように、モータヨーク16の内部にはブラシホルダ23が装着されている。
図4に示すように、このブラシホルダ23は樹脂材料により形成され、回転軸12aの軸方向に垂直な本体壁部23aと、モータヨーク16の内面に沿う筒状に形成されて本体壁部23aの外周を覆う外周壁部23bとを備えており、外周壁部23bがモータヨーク16の内面に摺接するようにモータヨーク16の内部に装着されるようになっている。また、本体壁部23aの軸心には貫通孔23cが形成されており、ブラシホルダ23がモータヨーク16に装着されたときには、アーマチュア15のコミュテータ14は貫通孔23cに挿通されて本体壁部23aの内側に配置されるようになっている。
図4に示すように、ブラシホルダ23に保持される一対のブラシ22a,22bは、それぞれくの字に折り曲げられた板ばね24a,24bの一端に固定されており、これらの板ばね24a,24bの他端が締結部材(ボルト)25でブラシホルダ23に固定されることにより、ブラシ22a,22bは板ばね24a,24bに付勢された状態でコミュテータ14の外周面に摺接するようになっている。板ばね24a,24bは銅板等の金属板により形成されており、各板ばね24a,24bに直流電流が供給されると、その電流は板ばね24a,24bを介してブラシ22a,22bに供給されるようになっている。そして、各ブラシ22a,22bに電流が供給されると、その電流はコミュテータ14により転流されて各コイルに供給され、これにより磁界中にあるコイルに通電されてアーマチュア15とともに回転軸12aが回転することになる。
なお、給電回路21を構成する他の素子等については、順次後述する。
図5は図1に示す減速機の内部構造を示す一部切り欠き断面図である。
一方、減速機13はモータヨーク16に固定されるギヤケース26を有している。このギヤケース26はアルミ合金等の導体により形成されており、モータヨーク16に固定されたときには、当該モータヨーク16に電気的に接続されるようになっている。
図5に示すように、このギヤケース26の内部には減速機構28が収容されている。減速機構28はウォーム31とウォーム31に噛み合うウォームホイル32とを備えたウォームギヤ機構となっており、ウォーム31は回転軸12aのギヤケース26内部に突出する外周面に一体的に形成され、ウォームホイル32はギヤケース26に設けられた支持軸33に支持されてギヤケース26の内部で回転自在となっている。したがって、モータ本体12が作動して回転軸12aが回転すると、その回転は減速機構28により所定の回転数にまで減速してウォームホイル32に伝達される。
また、この減速機13には、ウォームホイル32の回転を揺動運動に変換して出力軸27に伝達するために、動力変換機構34が設けられている。動力変換機構34は、動力変換部材35と出力ギヤ36とを有しており、動力変換部材35はアーム部35aとセクタギヤ部35bとを有し、アーム部35aの先端部は連結軸37によりウォームホイル32の回転中心軸から離れた位置に回転自在に連結されている。一方、出力ギヤ36はギヤケース26の内部に突出する出力軸27の基端部に固定されており、動力変換部材35のセクタギヤ部35bに噛み合わされている。また、セクタギヤ部35bの軸心には歯車軸38が設けられ、この歯車軸38と出力軸27とはプレート部材39により揺動自在に連結されており、これにより、セクタギヤ部35bは出力ギヤ36に噛み合わされた状態に保持されるようになっている。
このような構造により、モータ本体12が作動してウォームホイル32が回転すると、その回転によりアーム部35aが往復動されるとともにセクタギヤ部35bが出力ギヤ36に対して揺動運動し、ウォームホイル32の回転運動が揺動運動に変換されて出力軸27から出力される。つまり、このワイパモータ11では、モータ本体12の動力である回転軸12aの回転運動を減速機構28で減速するとともに動力変換機構34により揺動運動に変換して出力軸27から出力するようになっている。
図1に示すように、ギヤケース26には支持軸33と平行に突出するボス部26aが形成されており、出力軸27は支持軸33に平行となってボス部26aに回転自在に支持されている。また、出力軸27の先端はボス部26aから外部に突出しており、その先端にはリヤワイパ装置を構成するリヤワイパアームが取り付けられる。これにより、モータ本体12が作動すると、出力軸27とともにリヤワイパアームが揺動して、リヤワイパ装置による払拭動作が行われることになる。
給電回路21を車載されるバッテリ等の電源41やワイパスイッチ42に接続するために、このワイパモータ11にはコネクタ43が設けられている。図1に示すように、このコネクタ43は独立したユニットとして形成され、ギヤケース26の外側面上に配置されて締結部材(ボルト)44により当該ギヤケース26に固定されている。図3、図5から解るように、コネクタ43には一対の給電端子45a,45bが設けられており、給電端子45aは配線を介して電源41とワイパスイッチ42とに接続され、給電端子45bは図示しない車体側の外部コネクタに接続されて車体にアースされている。そして、ワイパスイッチ42がオンされると、給電端子45aに電源41から給電されるようになっている。
また、コネクタ43にはオートストップ回路用のスイッチ端子46が設けられており、このスイッチ端子46はギヤケース26に設けられた挿通孔(不図示)からギヤケース26の内部に挿通され、ウォームホイル32とともに回転するリレープレート(不図示)に接触している。リヤワイパアームが下反転位置となると、スイッチ端子46とリレープレートとを介してコネクタ43の位置検出用端子47から図示しない制御装置に位置検出信号が出力される。そして、制御装置は、ワイパスイッチ42が無作為に停止操作されても、リヤワイパアームが下反転位置となったときにモータ本体12を停止させるようになっている。
図1に示すように、ギヤケース26の外側面上には収容ケース51が配置されている。
図6は図1に示す収容ケースの詳細を示す斜視図であり、この収容ケース51は樹脂材料により縦長のバスタブ状に形成されており、図4に示すように、その一端において外周壁部23bに沿うようにブラシホルダ23に固定されている。つまり、収容ケース51はブラシホルダ23に固定されて当該ブラシホルダ23と一体に設けられており、ブラシホルダ23がモータヨーク16に装着されると収容ケース51はモータヨーク16の内部からその開口部を介してギヤケース26側に突出するようになっている。そして、モータヨーク16にギヤケース26が固定されたときには、収容ケース51はギヤケース26の外側面上に配置されるようになっている。
図6に示すように、収容ケース51のブラシホルダ23側の端部には、一対のブラシ側接続板52a,52bが固定されている。これらのブラシ側接続板52a,52bは、それぞれ銅板等の金属板を折り曲げて形成されており、その一端部はブラシホルダ23に設けられる配線板を介して対応するブラシ22a,22bの板ばね24a,24bに接続され、他端部はモータヨーク16の開口部を介して収容ケース51の内部に平行に並んで突出している。
また、収容ケース51のコネクタ43側の端部には、一対の給電側接続板53a,53bが固定されている。これらの給電側接続板53a,53bは、それぞれ銅板等の金属板を折り曲げて形成され、互いに平行に並べて配置されており、その一端部はコネクタ43の対応する給電端子45a,45bに接続され、他端部は収容ケース51の内部に平行に並んで突出している。
なお、図6においては、収容ケース51の蓋が取り外された状態を示している。
各ブラシ22a,22bと給電端子45a,45bとを接続するとともにブラシ22a,22bとコミュテータ14の摺接部分から生じるノイズを吸収するために、収容ケース51には、雑音防止手段54が収容されている。
雑音防止手段54は一対のチョークコイル55a,55bと、コンデンサとバリスタの機能を有する容量性素子としての双方向性バリスタ56とを有し、一方、収容ケース51には当該収容ケース51内を3つのスペースに区画する隔壁57が設けられており、各チョークコイル55a,55bは収容ケース51に並列に並べて配置されるとともに隔壁57により互いに隔てられ、双方向性バリスタ56は各チョークコイル55a,55bに対してコネクタ43側に並べて収容されるとともに隔壁57により各チョークコイル55a,55bから隔てられている。隔壁57により区画される各スペースはそれぞれチョークコイル55a,55b、双方向性バリスタ56の外形に対応した形状と大きさに設定されており、これにより、各スペースにチョークコイル55a,55bや双方向性バリスタ56を容易に装着できるようになっている。
なお、容量性素子として、コンデンサのみを装着したり、バリスタのみを装着するようにしてもよい。
チョークコイル55aの一端はブラシ側接続板52aに接続され、他端は給電側接続板53aに接続されており、つまり、チョークコイル55aは正極側のブラシ22aと正極側の給電端子45aとの間に直列に接続されている。同様に、チョークコイル55bの一端はブラシ側接続板52bに接続され、他端は給電側接続板53bに接続されており、つまりチョークコイル55bは負極側のブラシ22bと負極側の給電端子45bとの間に直列に接続されている。また、双方向性バリスタ56の一端は給電側接続板53aに接続され、他端は給電側接続板53bに接続されており、つまり双方向性バリスタ56は各チョークコイル55a,55b間に電気的に接続されている。
これにより、ブラシ22a,22bとコミュテータ14との摺接部分からノイズが発生しても、チョークコイル55a,55bおよび双方向性バリスタ56により、給電回路21に流れるノイズを吸収して、モータ外部へのノイズの放射を低減することができる。また、雑音防止手段54は、モータヨーク16からの給電回路21の出口つまり各ブラシ側接続板52a,52bが通る開口部の直後に設けられているので、モータヨーク16の内部から当該開口部を介して外部に放射されるノイズを、他の配線等に伝播する前に雑音防止手段54により除去することができ、これによりモータ外部へのノイズの放射を低減することができる。
このように、このワイパモータ11では、雑音防止手段54をモータヨーク16の外側に配置するようにしたので、モータヨーク16の内部から開口部を介して出てくるノイズを他の配線に伝播する前にまとめて除去して、このワイパモータ11から放射されるノイズを低減することができる。
また、このワイパモータ11では、ブラシホルダ23と一体に設けられた収容ケース51に雑音防止手段54を収容するようにしたので、雑音防止手段54の組み付け作業を容易にすることができる。
さらに、このワイパモータ11では、収容ケース51に隔壁57を設け、この隔壁57により形成される収容スペースにチョークコイル55a,55bや双方向性バリスタ56を収容するようにしたので、雑音防止手段54を構成する各素子の収容ケース51への組み付け作業を容易にすることができる。
さらに、このワイパモータ11では、収容ケース51はモータヨーク16やギヤケース26の外側面上に配置されるので、モータ組み付け工程の最終段階で雑音防止手段54を組み付けることができ、これにより、雑音防止手段54の有無によるワイパモータ11の仕様分けが容易となる。
図7(a)、(b)はそれぞれモータヨーク側接地端子のモータヨークへの接地手順を示す断面図である。
負極側のブラシ22bをモータヨーク16に接地するために、ブラシホルダ23にはモータヨーク側接地端子61が設けられている。このモータヨーク側接地端子61は銅板等の金属板を折り曲げて形成されており、その本体部61aにおいてブラシホルダ23の本体壁部23aに固定され、その端子部61bは本体部61aに対して、くの字に折り曲げられて、図7(a)に示すように、外周壁部23bに形成された切り欠きから外周壁部23bの外側に突出している。また、モータヨーク側接地端子61の本体部61aはブラシホルダ23に設けられる配線板を介して負極側のブラシ22bと負極側のブラシ側接続板52bとに接続されている。
ブラシホルダ23がモータヨーク16の内部に装着されると、図7(b)に示すように、モータヨーク側接地端子61の端子部61bはモータヨーク16の内面に弾性変形した状態で接触し、これにより、負極側のブラシ22bはモータヨーク16に接地される。負極側のブラシ22bがモータヨーク16に接地されると、モータヨーク16がシールド効果を生じ、モータヨーク16を介してモータ外部へノイズが放射されることを防止することができる。
図8はブラシホルダが取り付けられる前のギヤケースを示す斜視図であり、図9は図8に示す突起部と回転軸との位置関係を示す説明図である。また、図10は図9におけるA−A線に沿う断面図であり、図11(a)、(b)はそれぞれ突起部へのギヤケース側接地端子の接続手順を示す正面図である。
図8に示すように、ギヤケース26の外側面上には、接地用の突起部62が設けられている。図10に示すように、この突起部62は、ギヤケース26と一体にアルミ合金等の導体により形成されており、ギヤケース26やモータヨーク16に電気的に接続された状態となっている。また、図9、図10に示すように、この突起部62は、モータ本体12の回転軸12aの軸心を通り且つギヤケース26の外側面に直交する面(図10中に一点鎖線で示す)と当該外側面との交差線(図9中に一点鎖線で示す)上に配置されている。つまり、突起部62は、出力軸27の軸方向から見て、モータ本体12つまり回転軸12aの中心軸線上に配置されている。
一方、図6に示すように、収容ケース51のコネクタ43側の先端部には係止板63が設けられ、図11に示すように、この係止板63に形成された係止溝63aを突起部62に係合させることにより、収容ケース51はギヤケース26上に位置決めされるようになっている。また、収容ケース51に固定される各給電側接続板53a,53bは、収容ケース51が突起部62により位置決めされたときに、互いの中間に突起部62が位置するように当該突起部62を挟んで対向して配置されている。
図6に示すように、負極側の給電側接続板53bには、当該給電側接続板53bをギヤケース26に接地するために、ギヤケース側接地端子64が設けられている。このギヤケース側接地端子64は、収容ケース51からコネクタ43側に突出する給電側接続板53bの一部つまり先端部を正極側の給電側接続板53aの側から収容ケース51に向けて折り返すようにV字形状に折り曲げて形成されており、その曲げ方向つまり給電側接続板53bに接近離反する方向に弾性変形自在となっている。つまり、ギヤケース側接地端子64は、給電側接続板53bと一体に銅板等の金属板により形成されている。そして、収容ケース51が突起部62により位置決めされた状態でギヤケース26上に配置されたときには、図11(b)に示すように、突起部62の側面に弾性変形した状態で接触するようになっている。また、収容ケース51には、突起部62の側面に接触した状態のギヤケース側接地端子64の先端部に当接する当接部65が設けられており、ギヤケース側接地端子64を先端側は突起部62と当接部65との間に挟み込んで、より強固に突起部62に接触させるようになっている。
ギヤケース側接地端子64は雑音防止手段54よりも給電端子45a,45b側においてギヤケース26に接地され、ギヤケース26はモータヨーク16と電気的に接続され、さらに、モータヨーク16はモータヨーク側接地端子61により給電回路21に接続されているので、雑音防止手段54によって吸収しきれなかったノイズはギヤケース26とモータヨーク16とを介してモータ本体12の内部に戻され、これにより、モータ外部に放射されるノイズを低減させることができる。
このように、このワイパモータ11では、モータヨーク側接地端子61によりブラシ22bをモータヨーク16に接地するとともに、ギヤケース側接地端子64により雑音防止手段54よりも給電端子45a,45b側において給電回路21をギヤケース26に接地するようにしたので、雑音防止手段54でとりきれなかったノイズをギヤケース側接地端子64とモータヨーク側接地端子61とを介してモータ本体12の内部に戻して、モータ外部へのノイズの放射を低減させることができる。
また、このワイパモータ11では、給電側接続板53bの先端部をV字形状に折り曲げてギヤケース側接地端子64を形成し、このギヤケース側接地端子64をギヤケース26に設けられる接地用の突起部62に弾性変形させた状態で接触させるようにしたので、ギヤケース側接地端子64を常にばね力が加えられた状態で突起部62に接触させることができる。特に、給電側接続板53bの一部をV字形状に折り曲げてギヤケース側接地端子64を形成することにより、狭いスペースにおいてもギヤケース側接地端子64に十分なたわみ長さを確保することができる。これにより、ギヤケース側接地端子64を確実に突起部62に接触させて給電回路21を確実にギヤケース26に接地させることができる。また、収容ケース51をギヤケース26に装着することにより、容易にギヤケース側接地端子64を突起部62に接地することができる。つまり、ねじ等の締結部材を用いることなくギヤケース側接地端子64を確実にギヤケース26に接地させることができるので、このワイパモータ11の部品点数や組み付け工数等を低減することができる。
さらに、このワイパモータ11では、回転軸12aの軸心を通り且つギヤケース26の外側面に直交する面が当該外側面と交差する線上に突起部62を配置し、一対の給電側接続板53a,53bをこの突起部62を挟んで対向させて配置するようにしたので、このワイパモータ11の車体の取り付け状態等の仕様に応じ、ギヤケース26を左右対称の2種類の形状に形成するようにしても、各ギヤケース26に対して同一のモータ本体12を用いることができる。つまり、ギヤケース26の勝手違いに対するモータ本体12の汎用性を高めて、このワイパモータ11のコストを低減させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、本発明を車両のリヤワイパアームを駆動するワイパモータ11に適用した場合を示しているが、これに限らず、例えば、車両用のパワーウインド装置やサンルーフ装置等の駆動源として用いられるモータ等に本発明を適用してもよい。
また、本実施の形態においては、減速機13には動力変換機構34が設けられているが、これに限らず、減速機構28が設けられていれば、動力変換機構34の有無は問わない。
さらに、本実施の形態においては、ブラシ側接続板52a,52bと給電側接続板53a,53bとが別体に形成され、これらの接続板52a〜53bが雑音防止手段54により接続される構造となっているが、これに限らず、雑音防止手段54を設けず、ブラシ側接続板52a,52bと給電側接続板53a,53bとを一体に形成するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、給電側接続板53bの先端部をV字形状に折り曲げてギヤケース側接地端子64を形成するようにしているが、これに限らず、例えば給電側接続板53bの一部をくの字状に折り曲げるなど、給電側接続板53bの一部を弾性変形した状態で突起部62に接触させることができる形状であれば、他の形状としてもよい。
本発明の一実施の形態であるワイパモータを示す斜視図である。 図1に示すワイパモータの分解斜視図である。 図1に示すワイパモータの給電回路図である。 モータ本体に設けられるブラシホルダの詳細を示す斜視図である。 図1に示す減速機の内部構造を示す一部切り欠き断面図である。 図1に示す収容ケースの詳細を示す斜視図である。 (a)、(b)はそれぞれモータヨーク側接地端子のモータヨークへの接地手順を示す断面図である。 ブラシホルダが取り付けられる前のギヤケースを示す斜視図である。 図8に示す突起部と回転軸との位置関係を示す説明図である。 図9におけるA−A線に沿う断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ突起部へのギヤケース側接地端子の接続手順を示す正面図である。
符号の説明
11 ワイパモータ(減速機構付き電動モータ)
12 モータ本体
12a 回転軸
13 減速機
14 コミュテータ
15 アーマチュア
16 モータヨーク
21 給電回路
22a,22b ブラシ
23 ブラシホルダ
23a 本体壁部
23b 外周壁部
23c 貫通孔
24a,24b 板ばね
25 締結部材
26 ギヤケース
26a ボス部
27 出力軸
28 減速機構
31 ウォーム
32 ウォームホイル
33 支持軸
34 動力変換機構
35 動力変換部材
35a アーム部
35b セクタギヤ部
36 出力ギヤ
37 連結軸
38 歯車軸
39 プレート部材
41 電源
42 ワイパスイッチ
43 コネクタ
44 締結部材
45a,45b 給電端子
46 スイッチ端子
47 位置検出用端子
51 収容ケース
52a,52b ブラシ側接続板(接続板)
53a,53b 給電側接続板(接続板)
54 雑音防止手段
55a,55b チョークコイル
56 双方向性バリスタ
57 隔壁
61 モータヨーク側接地端子
61a 本体部
61b 端子部
62 突起部
63 係止板
63a 係止溝
64 ギヤケース側接地端子(接地端子)
65 当接部

Claims (5)

  1. 回転軸を備えたモータ本体と、前記回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータであって、
    前記回転軸に固定されるコミュテータと前記コミュテータに接続されるコイルとを備えたアーマチュアと、
    内面にマグネットが装着され、前記アーマチュアを回転自在に収容するモータヨークと、
    前記モータヨークの内部に装着され、前記コミュテータに摺接する一対のブラシを保持するブラシホルダと、
    前記モータヨークに固定され、前記減速機構を収容するギヤケースと、
    それぞれ電源に接続される一対の給電端子を備え、前記ギヤケース上に配置されるコネクタと、
    前記ブラシホルダと一体に設けられ、前記モータヨークの開口部を介して前記ギヤケース側に突出して該ギヤケースの外側面上に配置される収容ケースと、
    前記収容ケースに収容され、それぞれ一端が前記モータヨークの開口部を介して前記ブラシに接続されるとともに他端が前記給電端子に接続される一対の接続板と、
    負極側の前記接続板の一部を折り曲げて形成され、前記ギヤケースに設けられる接地用の突起部に弾性変形した状態で接触する接地端子とを有することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  2. 請求項1記載の減速機構付き電動モータにおいて、一対の前記接続板を平行に並べて配置し、負極側の前記接続板の先端部を正極側の前記接続板側に折り曲げて前記接地端子を形成することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  3. 請求項2記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記回転軸の軸心を通り且つ前記外側面に直交する面と前記外側面との交差線上に前記突起部を配置し、一対の前記接続板を前記突起部を挟んで対向させて配置することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記ブラシと前記給電端子との間に接続され、前記収容ケースに収容される雑音防止手段を有することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の減速機構付き電動モータにおいて、車両のリヤワイパ装置の駆動源として用いられることを特徴とする減速機構付き電動モータ。
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