JP6334966B2 - 電動モータ装置、ワイパ駆動用電動モータ装置 - Google Patents
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Description
電動モータ装置は、電動モータ部、伝達機構及び出力軸を備える。電動モータ部は、車両に搭載されたバッテリなどの電源により作動する。伝達機構は、電動モータ部の回転運動を伝達する。伝達機構には、例えばウォーム減速機構が採用される。出力軸は、伝達機構に接続されてワイパアームを揺動する。
また、電動モータ装置は、電動モータ部を収容するモータハウジング、伝達機構を収容するハウジング、ハウジングから突設させて出力軸を回転可能に支持するスリーブを備える。
しかし、樹脂はアルミニウム等の金属に比べて耐熱性や電磁妨害性が劣るため、モータハウジングやハウジングの樹脂化は実現していない。したがって、ワイパ駆動用電動モータ装置の小型化、軽量化は達成されていないという課題がある。
また、電動モータ部の発熱や電磁ノイズを、ブラシ付DCモータと比較して大幅に軽減できる。このため、ハウジングを樹脂化し、大幅な軽量化を実現できる。さらに、ハウジングに電動モータ部を容易に位置決め、固定できる。また、ハウジングの軽量化を図ることができる。
また、ワイパ駆動用電動モータ装置の軽量化により、車両の燃費向上等に貢献することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電動モータ装置を示す斜視図、図2は、電動モータ装置を示す平面図、図2は、後述するハウジングカバーを取り外した状態を示す。
図1、図2に示すように、電動モータ装置(ワイパ駆動用電動モータ装置)1は、例えばリヤワイパ90等のワイパアームを回動させるリヤワイパ駆動用電動モータ装置として用いられる。電動モータ装置1は、車両のバックドアに設けられる。電動モータ装置1の出力軸60には、車両のリヤウインドウガラスを払拭するリヤワイパ90が取り付けられる。
電動モータ部3は、リヤワイパ90を揺動させる駆動源である。ハウジング30は、伝達機構50を収容すると共に、電動モータ部3及び出力軸60を支持する。伝達機構50は、電動モータ部3に連結されて、電動モータ部3の回転力を伝達する。出力軸60は、伝達機構50に連結されて、電動モータ部3の回転力をリヤワイパ90に伝達する。
図3は、ロータを示す斜視図、図4は、ステータを示す斜視図である。
電動モータ部3は、有底筒状のモータハウジング4を備える。電動モータ部3は、モータハウジング4の内部に、ロータ5、ステータ6及びセンサ搭載回路基板7等を備える。
モータハウジング4の開口端には、フランジ11が形成される。フランジ11の取付孔12に挿通されたボルトにより、モータハウジング4がハウジング30に固定される。
モータシャフト(回転軸)13は、鉄等の金属からなる棒状の部材である。
ロータコア14は、鉄等の金属からなる円筒形の部材であって、モータシャフト13の一端側の外周に配置される。
永久磁石(磁石)15は、リング形の複数の永久磁石であり、ロータコア14の外周面(ロータ表面)に配置される。つまり、ロータ5は、SPM(SPM:Surface Permanent Magnet)モータ用ロータである。
モータシャフト13の一端は、モータハウジング4の底部に支持される。モータシャフト13の先端は、軸受16を介してハウジング30に対して回転自在に支持される。モータシャフト13の先端には、ウォームシャフト52が一体的に形成される。
ステータ6は、ステータコア17、巻線18及びインシュレータ19等を備える。
ステータコア17は、巻線18が巻装されこの巻線18に供給される電流によって磁束を発生するものである。この磁束と、ロータ5からの磁束との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって、ロータ5が回転するようになっている。ステータコア17は、複数の鋼板を積層して形成される。ステータコア17は、円筒形のステータヨークとこのステータヨークからロータ5に向かって立設する複数のティースを有する。
インシュレータ19は、ステータコア17の軸方向の両端にそれぞれ配置される絶縁部材である。インシュレータ19は、ステータコア17に沿って周方向に等間隔に形成され、ティースの軸方向の端面を被覆する複数の被覆部を有する。この被覆部で被覆されたティースに巻線18を巻回することにより、ティースと巻線18の絶縁性が確保される。インシュレータ19によりティースと巻線18を絶縁したので、巻線18に通電してティースに磁力を発生させることができる。
同図に示すように、センサ搭載回路基板(回路基板)7は、ロータ5の回転位置を検出して、このインバータ(不図示)にフィードバックするために設けられる。
センサ搭載回路基板7は、プリント基板20、複数のホール素子23等を備える。
プリント基板20は、例えばガラスを含有するエポキシ系の樹脂からなるガラスエポキシ基板であって、平面視すると長方形に形成される。プリント基板20の一方の長辺には、U字形状の切欠き部21が設けられる。
プリント基板20の切欠き部21には、ロータ5のモータシャフト13が挿通される。プリント基板20は、ステータコア17の軸方向ハウジング30側(モータシャフト13の先端側)に配置される。
複数のホール素子23は、切欠き部21(モータシャフト13)を中心とする同一の円周上において、均等間隔に配置される。
電動モータ部3は、4極6スロット形であるため、3つのホール素子23が、切欠き部21を中心とする同一の円周上において、60°の間隔に配置される。
3つのホール素子23は、ロータ5が回転すると、ロータコア14に配置された永久磁石15の位置(回転位置)に応じて検出信号を出力する。3つのホール素子23からの検出信号は、インバータ(不図示)にフィードバックされて、巻線18に対する通電制御が行われる。
図1、図2に示すように、ハウジング30は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いて樹脂成形した部材である。
ハウジング30は、モータ取付部31、伝達機構収納部34、スリーブ36、基板収容部40を有し、これらが一体的に形成される。
モータ取付部31には、伝達機構収納部34に連通する段付き貫通孔32(図6参照)が形成される。この段付き貫通孔32には、モータシャフト13(ウォームシャフト52)と軸受16が挿通される。そして、ステータ6のステータコア17の外周縁が段付き貫通孔32の段部に当接して位置決めされる。また、段付き貫通孔32の段部には、ステータコア17の外周面が嵌合する。つまり、モータ取付部31(段付き貫通孔32の段部)は、ステータコア17(電動モータ部3)を覆って保持する。
また、モータ取付部31には、軸受16を収容保持する軸受保持部33(図6参照)が形成される。軸受保持部33は、段付き貫通孔32と伝達機構収納部34を連通する貫通孔32と同軸上に配置される。
伝達機構50は、モータシャフト13の先端に形成されたウォームシャフト52、ウォームシャフト52に噛み合うウォームホイール54、ウォームホイール54に接続された第一連結プレート56、第一連結プレート56に接続された第二連結プレート58により構成される。
ウォームシャフト52の基端は、ハウジング30に取り付けられた滑り軸受16を介してハウジング30に対して回転可能に支持される。
電動モータ部3のモータシャフト13の回転速度は、ウォームシャフト52とウォームホイール54とにより減速される。ウォームシャフト52とウォームホイール54とにより、大きな減速比が得られる。また、他の歯車機構に比べてバックラッシュも小さい。
ウォームシャフト52の回転によりウォームホイール54が回転するが、その逆は不可能である。
第一連結プレート56の他端側は、第二連結プレート58の一端側に回動可能に接続(支持)される。
出力軸60がスリーブ36(ハウジング30)に対して回転可能に支持されることにより、第二連結プレート58の他端側もハウジング30に対して回転可能に支持される。
連結軸55は、ウォームホイール54の回転により、ウォームホイール54の周方向に沿って回転移動する。この連結軸55の回転移動により、連結軸55に連結された第一連結プレート56が、第二連結プレート58を揺動させる。これにより、第二連結プレート58に固定された出力軸60が回動(往復回動)する。
出力軸60は、例えば鉄等の金属により形成された棒状部材である。出力軸60は、ハウジング30(伝達機構収納部34)の外側に向かって突設される。
出力軸60の全長は、電動モータ装置1が搭載される車種によって適宜設定されるため、車種毎に異なる。
出力軸60の基端は、伝達機構50に連結される。出力軸60の基端は、第二連結プレート58に接続される。出力軸60と第二連結プレート58は、例えばセレーションにより嵌合されており、相対回転が規制される。
出力軸60は、第二連結プレート58の揺動に対応して往復回動する。出力軸60は、ウォームホイール54が一回転するごとに一往復回動する。出力軸60の往復回動により、出力軸60に取り付けられたリヤワイパ90が揺動する。
図6は、基板収容部を示す斜視図、図7は、スナップフィット連結部を示す斜視図、図8は、スナップフィット連結部でセンサ搭載回路基板を係止した状態を示す斜視図である。
内側面41同士の距離(間隔)は、センサ搭載回路基板7のプリント基板20の長辺の長さよりもやや短い。案内溝42の底部同士の距離は、センサ搭載回路基板7のプリント基板20の長辺の長さとほぼ同一である。案内溝42の幅は、プリント基板20の厚みよりもやや広い。案内溝42の長さは、プリント基板20の短辺の長さとほぼ同じ長さである。
このため、センサ搭載回路基板7のプリント基板20の長辺の周縁を一対の案内溝42に嵌め込むことができる。そして、センサ搭載回路基板7を案内溝42に沿って移動させることにより、センサ搭載回路基板7が基板収容部40に収容される。
そして、プリント基板20を案内溝42の最深部まで押し込むと、切欠き部21の中心が電動モータ部3のロータ5の中心軸に一致するように配置される。これにより、センサ搭載回路基板7の3つのホール素子23が電動モータ部3のロータコア14に配置された永久磁石15にそれぞれ対向配置される。
可撓部47は、案内溝42の底面43から案内溝42に沿うように開口側に向けて立設する。
係止爪48は、可撓部47の先端から貫通孔32に向けて突出する。係止爪48の外周面のうち、開口方向を向く面は、貫通孔32を向く傾斜面49に形成される。係止爪48の外周面のうち、底面方向を向く面は、可撓部47に直交する平面に形成される。
具体的には、センサ搭載回路基板7を案内溝42に沿って挿入すると、プリント基板20の長辺が係止部46の係止爪48の傾斜面49に当接する。これにより、可撓部47がプリント基板20から離間する方向に撓む。
そして、係止爪48は、底面方向を向く面がプリント基板20に対して直交するので、センサ搭載回路基板7の開口方向への移動が抑止される。つまり、センサ搭載回路基板7が基板収容部40から抜け出ないように保持される。
このように、基板収容部40の係止部46とセンサ搭載回路基板7(プリント基板20)の被係止部28により、スナップフィット連結部45が構成される。
また、ロータ5として、SPMモータ用ロータを採用したので、ロータ5の永久磁石の磁束を最大限利用することができ、電動モータ部3のモータ特性を向上できる。
また、基板収容部40の係止部46とセンサ搭載回路基板7(プリント基板20)の被係止部28によりスナップフィット連結部45を構成し、このスナップフィット連結部45を利用して基板収容部40内にセンサ搭載回路基板7を固定している。このため、基板収容部40へのセンサ搭載回路基板7の組み付け性を向上できる。
そして、電動モータ装置1は、主にハウジング30の軽量化により、車両の燃費向上等に貢献できる。
図9は、電動モータ装置の第一変形例を示し、(a)は斜視図、(b)は、電動モータ部を拡大した平面図である。
上述した実施形態では、電動モータ部3のモータハウジング4がロータコア14の全体を覆う場合について説明したが、これに限らない。電動モータ装置1をリヤワイパ駆動用電動モータ装置として用いる場合、リヤパネル内に電動モータ装置1が配置されるので、電動モータ装置1が雨水等により被水することが殆どない。このため、電動モータ装置1をリヤワイパ駆動用電動モータ装置として用いる場合、電動モータ装置1には防水性があまり求められることがなく、ステータ6を露出させてもよい。
図10は、電動モータ装置の第二変形例を示し、(a)は斜視図、(b)は、電動モータ部を拡大した平面図である。
また、同図に示すように、ハウジング30のモータ取付部31に複数のモータキャップ固定片85を設け、このモータキャップ固定片85にモータキャップ84を連結固定してもよい。これにより、モータキャップ固定片85同士の間にステータコア17の一部が露出する。
上述の第一変形例および第二変形例のように構成することにより、ステータコア17が外部に露出するので、電動モータ部3の放熱性を高めることができる。また、電動モータ部3の軽量化を図ることができる。
Claims (5)
- ロータの回転位置を検出するセンサを搭載した回路基板を有し、前記センサからの検出信号に基づいて通電が制御される電動モータ部と、
前記電動モータ部の回転軸に連結された伝達機構と、
前記伝達機構に連結された出力軸と、
前記回転軸及び前記伝達機構を収容する樹脂製のハウジングと、を備える電動モータ装置において、
前記電動モータ部は、前記ロータに複数の磁石を配置し、複数の鋼板を積層して形成されるステータコアに複数の巻線を巻装したステータを配置したインナーロータ型のブラシレスDCモータであり、
前記ハウジングには、伝達機構収納部と、基板収容部と、モータ保持部とが一体成形され、
前記伝達機構収納部は、有底箱形に形成され、前記伝達機構を収容し、
前記基板収容部は、前記回路基板を前記回転軸に直交する方向から案内して収容保持し、
前記モータ保持部には、前記伝達機構収納部に連通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔の内周面には、段部が形成され、
前記貫通孔の前記段部に、前記ステータコアの一端側の外周縁を当接させ、かつ、前記貫通孔の前記段部の内周面に前記ステータコアの前記一端側の外周面を嵌合させることで、前記モータ保持部に前記ステータコアが保持され、
前記回転軸の一端は、前記ステータコアの他端側を覆い、前記ハウジングと別体に設けられたモータキャップの底部に支持され、
前記回転軸の先端は、前記貫通孔に挿通され、軸受を介して前記ハウジングに対して回転自在に支持され、
前記モータ保持部と前記モータキャップとの間から前記ステータコアの外周面の少なくとも一部が露出することを特徴とする電動モータ装置。 - 前記ロータは、前記複数の磁石をロータ外周面に配置したSPMモータ用ロータであることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ装置。
- 前記モータ保持部に前記ステータコアの前記外周面の一部を露出させる複数のモータキャップ固定片が形成されると共に、前記モータキャップ固定片と前記モータキャップが連結固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動モータ装置。
- 前記基板収容部に前記回路基板を係止するスナップフィット連結部を備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の電動モータ装置。
- 車両のウインドウを払拭するワイパと、
前記ワイパを駆動する電動モータ部と、
を備えるワイパ駆動用電動モータ装置において、
前記電動モータ部として、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動モータ装置を用いることを特徴とするワイパ駆動用電動モータ装置。
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