JP5634109B2 - 減速機付モータ、およびサンルーフ駆動装置 - Google Patents
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Description
一対のブラシは、それぞれブラシホルダに収納された形でギヤケーシングに取り付けられている。ブラシホルダは樹脂により形成されたものであって、各ブラシに対応するように2つ設けられている。そして、それぞれギヤケーシングに対して着脱自在に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、モータ全体を大型化することなく、ブラシを組み付けるための部品を大型化できる。これに加え、ホルダステーごとブラシホルダに対応して別々に構成されている。
このため、組み付け作業性を向上することができる。
また、部品を大型化する分、部品の寸法管理が容易となり、ブラシホルダの組み付け精度を高めることができる。
さらに、収納凹部、ホルダステー、およびブラシホルダの加工精度を緩和した場合であっても収納凹部と、ホルダステー、およびブラシホルダとの間隙からの塵埃の侵入を防止できる。このため、製造コストを低減しつつ、塵埃の侵入による影響を抑制することが可能になる。
しかしながら、ホルダステーの外側に電磁シールドを設けることによって、電磁ノイズによる影響を抑制することができる。
すなわち、モータ全体を大型化することなく、ギヤケーシングに組み付け部品を大型化できる。これに加え、ホルダステーごとブラシホルダに対応して別々に構成されている。
このため、組み付け作業性を向上することができる。
また、部品を大型化する分、部品の寸法管理が容易となり、ブラシホルダの組み付け精度を高めることができる。
さらに、収納凹部、ホルダステー、およびブラシホルダの加工精度を緩和した場合であっても収納凹部と、ホルダステー、およびブラシホルダとの間隙からの塵埃の侵入を防止できる。このため、製造コストを低減しつつ、塵埃の侵入による影響を抑制することが可能になる。
(サンルーフ駆動装置)
次に、この発明の第一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1は、サンルーフ駆動装置500の概略構成図である。
同図に示すように、サンルーフ駆動装置500は、車両501のルーフ502に取り付けられ、ルーフ502に設けられているルーフパネル503を駆動するためのものであって、減速機付モータ1を備えている。ルーフ502には、開口部502aが形成されており、この開口部502aを開閉可能にルーフパネル503が設けられている。ルーフパネル503には、ケーブル504a,504bの一端が連結されている。ケーブル504a,504bの他端は減速機付モータ1に連結されており、減速機付モータ1が駆動することによって、ルーフパネル503が開口部502aを開閉するようになっている。減速機付モータ1は、ルーフ502の開口部502aとフロントガラス505との間に配置されている。
図2は、減速機付モータ1の斜視図、図3は、減速機付モータ1の分解斜視図である。
図2、図3に示すように、減速機付モータ1は、電動モータ2と、減速機構20が収納されたギヤケーシング3とを備え、ギヤケーシング3にブラシユニット4が取り付けられている。
減速機構20は、電動モータ2の動力が伝達されるウォーム軸と、このウォーム軸に噛合うウォームホイール(何れも不図示)と、ウォームホイールに連結された出力軸20aとにより構成されている。そして、出力軸20aにケーブル504a,504bの他端が連結されている。
一方、下ケース32には、電動モータ2を駆動するための回路基板33が収納されている。回路基板33には、ブラシユニット4と接続可能な雌端子35aが実装されている。この他、下ケース32には、不図示の外部コネクタを嵌着可能なコネクタ部34が設けられている。コネクタ部34と回路基板33は、互いに電気的に接続されている。
ヨークハウジング6は、この開口部6aをギヤケーシング3側に向けた状態で取り付けられるようになっている。ヨークハウジング6の周壁6bには、開口部6a側にナット8を挿入可能なスリット9が2箇所形成されている。
また、ヨークハウジング6の周壁6bには、内面側に永久磁石13が設けられている。さらに、ヨークハウジング6の底壁6cには、アーマチュア7の回転軸11の一端を回転自在に支持するための軸受部12が軸方向外側に向かって突設されている。
図4は、ブラシユニット4の分解斜視図、図5は、ブラシユニット4を構成する第1ユニット41の縦断面図である。
図3〜図5に示すように、ブラシユニット4は、一対のブラシ5,5に対応するように、第1ユニット41、および第2ユニット42の2つのユニット41,42により構成されている。
第1ユニット41は、ブラシ5を収納するためのブラシホルダ43が一体成形されているホルダステー44aを有している。
ブラシホルダ43は、樹脂により形成されたものであって、ブラシ5の断面形状に対応するように四角筒状に形成されており、両端に小開口部としての開口部443を有している。そして、ブラシホルダ43内に、ブラシ5がコンミテータ15に対して進退自在に収納されている。すなわち、ブラシホルダ43は、ブラシ5の進退方向両端に開口部443が形成されていることになる。ブラシホルダ43は、ギヤケーシング3にブラシユニット4を取り付けた際、ギヤケーシング3内に収納される。
図4〜図6に示すように、ホルダステー44aは樹脂により形成されたものであって、ギヤケーシング3の外面に配置されるように、ブラシホルダ43の上面43aに一体成形されている。そして、ホルダステー44aは、上ケース31の凹部38に沿って、ブラシホルダ43から第2ユニット42側(図4における左側)に向かって突出形成されている。この第2ユニット42側に向かって突出した部位には、外側に大開口部としての開口部445を有する箱状の雑防素子収納部45が形成されている。
チョークコイル46の巻回方向は、チョークコイル46の一端側、つまり、心棒48の一端側(図6における右側)から他端側(図6における左側)に向かって左回り方向(図6における矢印Y1参照)に設定されている。つまり、チョークコイル46は、第2ユニット42側である内側から外側に向かう方向に巻回されながら、心棒48の一端から他端に向かうように形成されている。
さらに、コンデンサ47の他端は、GNDターミナル61aに接続されている。これにより、チョークコイル46は、ブラシ5と雄端子49との間の給電ライン上に直列に接続された状態になる。一方、チョークコイル46と並列に、コンデンサ47が設けられた状態になる。このように、チョークコイル46、およびコンデンサ47が収納されたホルダステー44aには、この外側を閉塞するカバー51aが取り付けられている。
一方、外フランジ部37の周縁には、鉤部54の内側に臨まされる凸条部55が形成されている。そして、ギヤケーシング3にブラシユニット4を取り付けた状態において、鉤部54と、凸条部55とにより、カバー本体52とギヤケーシング3との間隙に、ラビリンス部56aが形成さる。
さらに、第1ユニット41のY端子部64と、第2ユニット42のY端子部64は、それぞれギヤケーシング3に取り付けた状態でY端子部64,64間に隙間Sが形成されるようになっている(図2参照)。
また、ターミナル本体62の第2ユニット42とは反対側の側縁62aは、カバー本体52の側縁52bを覆うように側縁52bよりも下側に向かって延出するように形成されている。この延出した部分がラビリンス部56bの一部を構成する。
まず、第1ユニット41のホルダステー44aでは、収納部本体40aの底壁45aにおけるピグテール収納部40b近傍に、雄端子49が立設されている。これに対し、第2ユニット42のホルダステー44bでは、収納部本体40aの底壁45aにおけるピグテール収納部40bとは反対側に立設されている。
次に、図3〜図6に基づいて、ブラシユニット4の組み付け方法について説明する。なお、以下の説明において、ブラシユニット4を構成する第1ユニット41、および第2ユニット42の組み付け方法は両者とも同じであるので、第1ユニット41の組み付け方法についてのみ説明し、第2ユニット42の組み付け方法についての説明を省略する。
まず、ホルダステー44aに雄端子49を組み付ける。そして、チョークコイル46の一端に、ピグテール50の他端をスポット溶接等により接続する。その後、雑防素子収納部45にチョークコイル46を収納すると共に、ブラシホルダ43にブラシ5を収納する。
ここで、ギヤケーシング3に、第1ユニット41、および第2ユニット42をそれぞれ別個に組み付けることができる。このため、ギヤケーシング3の製作精度によらず、各ユニット41,42をスムーズに組み付けることができる。
しかしながら、本第一実施形態においては、ギヤケーシング3に第1ユニット41、および第2ユニット42をそれぞれ別個に組み付けるように構成されている。また、第1ユニット41のY端子部64と、第2ユニット42のY端子部64は、それぞれギヤケーシング3に取り付けた状態でY端子部64,64間に隙間Sが形成されるようになっている(図2参照)。このため、Y端子部64同士が互いに干渉することなく、各ユニット41,42の寸法誤差を吸収し、確実に、かつ精度よく組み付けることができる。
巻線16に電流が供給されると、アーマチュアコア14に磁界が発生し、ヨークハウジング6に設けられている永久磁石13との間で磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、アーマチュア7が回転する。
図7は、モータ駆動時の電磁ノイズのグラフであり、縦軸は電磁ノイズの強度[dBμB]を表し、横軸は周波数[Hz]を表している。(a)は、チョークコイル46を本第一実施形態のように巻回した場合を示し、(b)は、(a)とは反対方向にチョークコイル46を巻回した場合を示す。
図7(a)に示すように、本第一実施形態のようにチョークコイル46を巻回すると、高周波数域での電磁ノイズが低減される(図7(a)におけるA部参照)。一方、中間周波数域での電磁ノイズがやや増大する(図7(a)におけるB部参照)。
これらのことから、減速機付モータ1を使用する状況に応じて、チョークコイル46の巻回方向を変えることも可能である。
したがって、上述の第一実施形態によれば、各ブラシホルダ43に、それぞれ対応するホルダステー44a,44bを一体形成するので、従来のようにブラシホルダ43のみをギヤケーシング3に対して組み付ける場合と比較して、ブラシホルダ43の組み付け作業性を向上することができる。
すなわち、ホルダステー44a,44bの機能をギヤケーシング3側に持たせず、ブラシホルダ43側に持たせることにより、減速機付モータ1全体を大型化することなく、ブラシ5を組み付けるための部品を大型化できる。これに加え、ホルダステー44a,44bが一対のブラシ5に対応するように、それぞれ別個に形成されている。このため、ブラシホルダ43の組み付け作業性を向上することができる。
さらに、ギヤケーシング3の上ケース31に形成されている凹部38の周縁と、各ユニット41,42のカバー本体52の周縁との間隙に、ラビリンス部56a,56bを形成することにより、上ケース31と各ユニット41,42との間にガタツキを持たせることができる。すなわち、上ケース31の凹部38、各ユニット41,42のカバー本体52の加工精度を緩和し、製造コストを低減しつつ、ギヤケーシング3内への塵埃の侵入を防止できる。
また、ブラシ5、ブラシホルダ43、ホルダステー44a,44b、および電磁シールド61a,61bを一対のブラシ5ごとに一体化させた状態でギヤケーシング3に組みつけている。このため、これらブラシ5、ブラシホルダ43、ホルダステー44a,44b、および電磁シールド61a,61bを纏めて組み付けることができる分、さらに組み付け作業性を向上することができる。
次に、この発明の第二実施形態を、図1を援用し、図8〜図11に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図8は、第二実施形態における減速機付モータ100の斜視図、図9は、第二実施形態におけるブラシユニット104の分解斜視図である。
ここで、第二実施形態と第一実施形態との相違点は、第一実施形態のブラシユニット4には、チョークコイル46、およびコンデンサ47が設けられているのに対し、第二実施形態のブラシユニット104には、チョークコイル46、およびコンデンサ47が設けられていない点にある。
図8、図9に示すように、ブラシユニット104は、一対のブラシ5,5に対応するように、第1ユニット141、および第2ユニット142の2つのユニット141,142により構成されている。
ここで、2つのユニット141,142の基本的構成は同一であり、各構成部品はコンミテータ15を挟んでほぼ対称に形成されている。このため、以下の説明においては、第1ユニット141のみ詳細に説明する一方、第2ユニット142については、第1ユニット141と形状が異なる部位のみ説明し、第1ユニット141と共通の構成については第1ユニット141と同一符号を付して説明を省略する。
図8〜図11に示すように、第1ユニット141のホルダステー144aは、樹脂により形成されたものであって、ギヤケーシング3の外面に配置されるように、ブラシホルダ143の上部に一体成形されている。そして、ホルダステー144aは、上ケース31の凹部38に沿うように形成されたベース部145aを有している。
前壁146の周縁には、断面略L字状の鉤部54が電動モータ2側に向かって延出形成されている。また、鉤部54は、ギヤケーシング3の外フランジ部37の周縁を取り囲むように形成されている。そして、鉤部54と、外フランジ部37に形成されている凸条部55とにより、ホルダステー144aとギヤケーシング3との間隙に、ラビリンス部56aが形成さる。
さらに、ベース部145aの上面には、GNDターミナル161aを取り付けるための係合部130が一体成形されている。
また、ブラシホルダ143の舌片部152に対応する部位には、舌片部152を受け入れ可能な切り欠き部147が形成されている。この切り欠き部147と舌片部152とが係合し、かつ爪部153がブラシホルダ143の下面143bに係合することにより、ブラシホルダ143の開口部143aにスプリングストッパ151が取り付けられる。
この前壁シールド部163には、Y端子部64が一体形成されている。この第二実施形態におけるY端子部64も第一実施形態と同様、ギヤケーシング3に各ユニット141,142を取り付けた状態でY端子部64,64間に隙間Sが形成されるようになっている(図8参照)。
さらに、ターミナルベース162には、前壁シールド部163とは反対側に、第2ユニット142側に向かって湾曲延出された補助シールド部164が一体成形されている。
次に、図11に基づいて、第二実施形態のブラシユニット104の組み付け方法について説明する。
図11は、ブラシユニット104の組み付け方法を示す説明図である。なお、以下の説明において、ブラシユニット104を構成する第1ユニット141、および第2ユニット142の組み付け方法は両者とも同じであるので、第1ユニット141の組み付け方法についてのみ説明し、第2ユニット142の組み付け方法についての説明を省略する。
続いて、ブラシホルダ143のブラシ5の基端側(図11における右側)からコイルスプリング21(第二実施形態においては不図示)を収納し、スプリングストッパ151を取り付ける。この後、ホルダステー144aにGNDターミナル161aを取り付ける。
このとき、ブラシホルダ143に形成されている切り欠き部147の長手方向の長さL1は、スプリングストッパ151の舌片部152の長手方向の長さL2よりも長く設定されているので、舌片部152がブラシホルダ143の長手方向に沿って、ベース部145a側に僅かにスライド移動する。このため、ブラシホルダ143からスプリングストッパ151が脱落するのを防止できる。
また、前述の第一実施形態のように、チョークコイル46やコンデンサ47を設けない減速機付モータ100を用意することにより、減速機付モータのバリエーションを増大させることができる。このため、ユーザの要望に応じて適切な減速機付モータを提供することが可能になる。
例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1,100は、電動モータ2と、減速機構20が収納されたギヤケーシング3とを備え、ギヤケーシング3の上ケース31にブラシユニット4,104が取り付けられている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、電動モータ2単体に、ブラシユニット4,104を取り付ける構造としてもよい。
2 電動モータ
3 ギヤケーシング
4,104 ブラシユニット
7 アーマチュア
10 ボルト(締結手段)
11 回転軸
15 コンミテータ
20 減速機構
38 凹部(収納凹部)
38a 収納部
43 ブラシホルダ
44a,44b ホルダステー
56a,56b ラビリンス部
61a,61b,161a,161b GNDターミナル(電磁シールド)
500 サンルーフ駆動装置
501 車両
502 ルーフ
503 ルーフパネル
Claims (5)
- 電動モータと、
この電動モータに一体的に取り付けられるギヤケーシングと、
前記ギヤケーシング内に収納され、前記電動モータの回転軸に連結される減速機構とを備え、
前記ギヤケーシングに前記ホルダステー、およびブラシホルダを収納する収納凹部を形成し、この収納凹部に前記ホルダステー、およびブラシホルダを取り付ける減速機付モータであって、
前記電動モータは、
アーマチュアに設けられているコンミテータを挟んで両側に配置され、前記コンミテータに摺接して給電を行う一対のブラシと、
これら一対のブラシをコンミテータに対して進退自在に収納する一対のブラシホルダと、
前記ブラシホルダを支持するホルダステーとを備え、
前記ブラシホルダと前記ホルダステーとを樹脂により一体成形すると共に、
前記ホルダステーを、各ブラシホルダに対応するように分割構成し、
前記収納凹部の周縁と、前記ホルダステーの前記周縁に対応する部位との間に、ラビリンス部を設けたことを特徴とする減速機付モータ。 - 各ホルダステーの外側に、それぞれ電磁ノイズによる影響を抑制するための電磁シールドを設けたことを特徴とする請求項1に記載の減速機付モータ。
- 各ホルダステーに、それぞれ前記電磁シールドを取り付け、前記ホルダステー、ブラシホルダ、および電磁シールドを一体化させた状態で、これらホルダステー、ブラシホルダ、および電磁シールドを前記ギヤケーシングに取り付けることを特徴とする請求項2に記載の減速機付モータ。
- 前記電磁シールドは、各ホルダステーに対応するように分割構成され、各電磁シールドは前記電動モータと前記ギヤケーシングを取り付けるための締結手段により前記ギヤケーシングに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の減速機付モータ。
- 請求項2ないし請求項4の何れかに記載の減速機付モータを車両のルーフに設け、このルーフに設けられているルーフパネルを、前記減速機付モータを用いて駆動するサンルーフ駆動装置であって、
前記減速機付モータは、前記電磁シールドを前記ルーフ側に向けた状態で配置されていることを特徴とするサンルーフ駆動装置。
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