JP6711540B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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本発明はエナメル質表層の再石灰化を誘導することができるリン酸カルシウムを配合したペースト状、ムース状、ジェル状、クリーム状、液体状の口腔用組成物に関する。より具体的には特定の性質を有した増粘性シリカ微粒子とリン酸カルシウムを組み合わせて口腔用組成物に配合することにより、長期保存後においても口腔用組成物性状が変化しない優れた保存安定性を有した口腔用組成物に関する。
近年、歯磨剤などの口腔用組成物にはプラークの付着防止、歯周病の予防、再石灰化誘導等を期待して、研磨剤以外に様々な成分が配合されるようになってきている。その中でもハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムは脱灰したエナメル質表層の再石灰化を誘導する効果が認められることから、歯磨剤を含む様々な口腔用組成物に広く応用されてきており、それに関する多くの先行技術が開示されている。
例えば、特許文献1ではリン酸カルシウムを歯磨剤に配合することにより、エナメル質表面の微少なキズを速やかに充填しつつ脱灰したエナメル質表面の再石灰化を誘導するとの報告がある。さらに、低結晶及び非晶質のリン酸カルシウムを歯磨剤等に配合することで、歯質への吸収性が高まり、再石灰化誘導能が向上する技術についても開示されている(特許文献2,3)。
このリン酸カルシウムは粒子径が小さくなるにつれて表面積が増大するために、塩基性が強くなる傾向が認められる。そのため、リン酸カルシウムと酸性を示す成分、例えば増粘性シリカ等を組み合わせて口腔用組成物に配合すると、それら両者の相互作用により口腔用組成物が増粘したり又は分離したりする等の経時的な性状変化が起こり、その結果操作性やリン酸カルシウムの効果に悪影響を及ぼすことがあった。これまでリン酸カルシウムを口腔用組成物に配合する技術は数多く開示されているものの、粒子径が小さく表面積が大きいリン酸カルシウムを配合した口腔用組成物の性状を長期的に安定化させる技術に関する検討は行われていなかった。
近年、リン酸カルシウムを含んだ口腔用組成物の保存安定性を維持する技術が、特許文献4及び特許文献5に開示されている。特許文献4においては、カチオン性殺菌剤を含む歯磨組成物において、研磨剤としてリン酸カルシウムもしくは炭酸カルシウムと増粘剤として増粘性無水ケイ酸を配合することで液分離安定性を示す技術について開示されている。また、特許文献5では、高エーテル化度のカルボキシメチルセルロースと微粒子シリカの組み合わせることにより、リン酸カルシウムを配合した際においても保存安定性が向上する技術が開示されている。しかしながら、特許文献4においては配合するリン酸カルシウムは研磨剤としての効果を期待しているために、10μm以上の大きい粒子径サイズに限定されている。また、特許文献5においては、リン酸カルシウムを配合した場合の具体的な実施例が記載されていない。いずれの特許文献においても、研磨剤としての効果をリン酸カルシウムに期待していることから、比較的大きな粒子径のリン酸カルシウムを使用しているのが現状であった。
以上のことから、10μm未満の小さな粒子径のリン酸カルシウムを配合した口腔用組成物の性状が経時的に変化することなく、長期的に安定な状態を維持できる成分的な観点からの技術確立が大きな課題であった。
特開平09−202717 特開2001−122748 特開2008−260702 特開2012−056868 特開2010−111647
従来からリン酸カルシウムは脱灰したエナメル質表面の再石灰化を誘導することから、歯磨剤を含めて様々な口腔用組成物に応用されてきている。また、そのリン酸カルシウムの効果はリン酸カルシウムの粒子径に影響を受け、粒子径が小さい程これらの効果が高いレベルで発現できることから、粒子径の小さい、特に10μm未満のリン酸カルシウムの口腔用組成物への応用がより有効である。しかし、リン酸カルシウムは粒子径が小さい程、塩基性も強くなることから、そのリン酸カルシウムを配合した口腔用組成物の性状が経時的に変化して増粘や液分離などを引き起こす等、長期的に安定な口腔用組成物性状を維持できないことが課題であった。
本発明者らは、上記課題を克服するために鋭意検討を重ねた結果、リン酸カルシウムを配合した口腔用組成物は経時的に増粘や液分離等の性状変化を引き起こす原因が口腔用組成物の粘度調整や研磨剤などのフィラー成分の沈降抑制等を目的として配合している増粘性シリカ微粒子との相互作用によることを解明したのである。つまり、増粘性シリカ微粒子は水との共存下において酸性を示すものが多く、塩基性を示すリン酸カルシウムとの組み合わせで口腔用組成物に配合した場合、口腔用組成物中に配合されている水の影響から相互作用が起こり、その結果口腔用組成物の性状変化をもたらすのであった。そこで検討をさらに進めた結果、水存在下でpHが6〜11の範囲を示す増粘性シリカ微粒子とリン酸カルシウムを組み合わせて口腔用組成物に配合することにより、長期的に安定な口腔用組成物の性状を維持できることを見出し、本発明を完成させたのである。
即ち本発明はリン酸カルシウム(A)、水に分散させた際のpHが6〜11を示す増粘性シリカ微粒子(B)、水(C)を含む口腔用組成物を提供する。
前記口腔用組成物において、リン酸カルシウム(A)の平均粒子径は10均粒未満であることが好ましい。
また、前期口腔用組成物において、リン酸カルシウム(A):5〜20wt%及び増粘性シリカ微粒子(B):3〜9wt%の範囲で配合されていることが好ましい。
さらに前記口腔用組成物において、リン酸カルシウム(A)がハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウムもしくはリン酸八カルシウムのいずれかであることが好ましい。
本発明を用いることで、エナメル質表層の再石灰化を誘導することができるリン酸カルシウムを配合した口腔用組成物において、水に分散した際のpHが6~11の範囲を示す特定の増粘性シリカ微粒子とリン酸カルシウムを組み合わせて配合することにより、長期保存後においても口腔用組成物性状が変化しない優れた保存安定性を示すことが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の口腔用組成物はペースト状、ムース状、ジェル状、クリーム状、液体状の歯磨き剤として応用されるものであり、特にペースト性状の歯磨き剤に好適に応用される。
本発明の口腔用組成物は、(A)リン酸カルシウム、(B)水に分散した際のpHが6~11の範囲を示す増粘性シリカ微粒子、(C)水を含むことが特徴である。
本発明の口腔用組成物に含まれるリン酸カルシウムは、結晶性の有無、結晶性の種類、Ca/P比等にも限定されず、いずれのリン酸カルシウムでも用いることができる。このリン酸カルシウムを具体的に例示すると、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸八カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、フルオロアパタイト等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらリン酸カルシウムは単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることができる。これらのリン酸カルシウムの中でも、高い再石灰化誘導を期待する観点から、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸八カルシウムを用いることが好ましい。
本発明の口腔用組成物に含まれるリン酸カルシウムの平均粒子径は特に限定されるものではなく、いずれの平均粒子径のものでも用いることができるが、10μm未満の平均粒子径を有するリン酸カルシウムを用いることが好ましい。リン酸カルシウムの平均粒子径が10μm以上のものを用いた場合は前述した本発明の効果の有用性が顕著に認められにくくなる。また、平均粒子径が10μm以上のリン酸カルシウムを配合した口腔用組成物は使用時においてザラツキ感を感じる等、操作性に問題が生じることがある。
本発明の口腔用組成物に含まれるリン酸カルシウムの配合量は、特に制限はなく均一な口腔用組成物性状を維持できるのであれば、いずれの配合量においても口腔用組成物を調製することができる。その中でも口腔用組成物の性状が操作性や使用感に影響を与えることから、口腔用組成全体に対して5~20wt%の範囲で配合量を設定することが望ましく、より好ましくは10~20wt%の範囲で配合量を設定することである。リン酸カルシウムの配合量が5wt%未満の場合は口腔用組成物の他成分との関係もあるが、口腔用組成物の粘度が低下して液分離が生じやすくなったりして使用感が悪くなることがある。またリン酸カルシウムの効果も得られにくいことがある。また配合量が20wt%を超えると、口腔用組成物の他成分との関係もあるが、口腔用組成物の粘度が上昇し容器からの押出性が低下することがある。
本発明の口腔用組成物に含まれるリン酸カルシウムの形状も特に制限はなく、破砕型や球状、さらに凝集体のいずれの形状であっても何等制限なく用いることができる。また、リン酸カルシウムの製造方法も特に限定されず、いずれの製造方法で製造されたものでも用いることができる。
本発明の口腔用組成物に含まれる増粘性シリカ微粒子は、増粘性シリカ微粒子を水に分散した際にpHが6~11の範囲を示すものであれば、1次粒子径及び/又は二次粒子径、粒度分布、形状、結晶系の有無等に関係なく、いずれの増粘性シリカ微粒子でも用いることができる。また、増粘性シリカ微粒子の製造方法にも制限はなく、液体沈降法、気層燃焼法、ゾルゲル法等、いずれの製造方法で製造された増粘性シリカ微粒子でも用いることができる。これらの増粘性シリカ微粒子を具体的に例示するとEVONIK社のSipernat50S等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。またこれらの増粘性シリカ微粒子は単独だけでなく複数を組み合わせ用いることもできる。
本発明の口腔用組成物に含まれる増粘性シリカ微粒子は、増粘性シリカ微粒子を水に分散した際にpHが6~11の範囲を示すものしか用いることができないが、より好ましくは7.5〜10.5の範囲を示す増粘性シリカ微粒子を用いることである。pHが6未満を示す増粘性シリカ微粒子を用いた場合は、口腔用組成物中でリン酸カルシウムとの相互作用により口腔用組成物の性状が増粘するために用いることができない。一方、pHが11を超える範囲を示す増粘性シリカ微粒子を用いた場合は、口腔用組成物の保形性が低下して使用感が著しく悪くなるために用いることができない。
なお、水に分散させた増粘性シリカ微粒子のpHを以下の方法によって確認することで、本発明の口腔用組成物として用いることができる増粘性シリカ微粒子か否かを判断することができる。
水48gと増粘性シリカ微粒子2gを混合後、超音波洗浄機を用いて5分間均一分散させて、pHメーターを用いてそのスラリーのpHを測定した時、そのpHが6〜11の範囲内でなければならない。
本発明の口腔用組成物に含まれる増粘性シリカ微粒子の配合量は口腔用組成物の性状に悪影響を与えない範囲であれば何等制限なく配合することができるが、3~9wt%の範囲で配合することが好ましい。3wt%未満の配合においては口腔用組成物中において研磨剤の沈降や組成物の液分離が生じるようになり、一方9wt%を超える配合においては口腔用組成物の粘度上昇が著しく、容器からの押出性が低下する恐れがある。
本発明の口腔用組成物に含まれる水は均一な口腔用組成物の製造及び安定な口腔用組成物の性状を維持する為には必須の成分であり、本発明の効果を損なわない範囲内で必要量を配合することができる。また、本発明の口腔用組成物に含まれる水は医療用成分として臨床上受容され、有害な不純物を本質的に含まないものが好ましく、蒸留水、精製水、イオン交換水等が用いることができる。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を妨げることがない範囲で研磨剤、増粘剤、湿潤剤、可溶化剤、発泡剤、香料、甘味料、着色剤、pH調整剤、防腐剤及び薬効成分等を適宜配合することができる。また、これらの成分は複数を組み合わせて配合することが出来る。
本発明の口腔用組成物には歯面からプラークやヤニ等を機械的に除去することを目的として研磨剤を配合することが出来る。これら研磨剤を具体的に例示すると、含水ケイ酸、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、アルミナ、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、乳酸アルミニウムなどが挙げられる。これらの研磨剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には口腔内適用後、口腔内に口腔用組成物の各種成分を速やかに拡散させる効果のある発泡剤を配合することが出来る。それら発泡剤を具体的に例示するとラウリル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。これらの発泡剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には粉成分と液成分を一体化させ、適度な粘性を与えるために増粘剤を配合することが出来る。それら増粘剤を具体的に例示するとカルボキシルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、微結晶セルロース、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、カラギーナン、ケイ酸塩等が挙げられ、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ケイ酸塩が挙げられる。これらの増粘剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には凝固や分離を防ぎ、口腔用組成物の保湿性を保つために、湿潤剤を配合することが出来る。これら湿潤剤を具体的に例示するとグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、プロパンジオール、トレハロースなどが挙げられる。これらの中でもグリセリン又はソルビトールが好ましい。これらの湿潤剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物のpHを調製する必要性がある場合にはpH調整剤を配合することが出来る。それらのpH調整剤を具体的に例示すると水酸化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸、コハク酸、炭酸水素ナトリウム、フタル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸等が挙げられる。 これらのpH調整剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には油性成分を可溶化するため可溶化剤を配合することが出来る。それら可溶化剤を具体的に例示すると、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール等が挙げられる。これらの可溶化剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物の変質防止の為、防腐剤を配合することが出来る。それら防腐剤を具体的に例示すると、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。これらの防腐剤は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には使用時の爽快感と香りの付与等を目的として香料を配合することが出来る。それら香料を具体的に例示すると、ユズ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、オレンジ油、ハッカ油、レモン油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズ油、レモングラス油、などの天然香料、及びこれらの天然香料を加工処理した香料、及びメントール、アネトール、イソアミルアセテート、サリチル酸メチル、チモール、エチルアルコール、プロピレンアルコール等の単品香料、及びユズフレーバー、オレンジフレーバー、ストロベリーフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、シトラスフレーバー、ヨーグルトフレーバーなどの調合香料等が挙げられる。また、上記香料は1wt%未満で配合することが好ましい。これらの香料は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には、嗜好性を持たせるために甘味料を配合することができる。特に非齲蝕性甘味料である人工甘味料が好ましい。それら甘味料を具体的に例示するとキシリトール、マルチトール、アスパルテーム、ソルビトール、サッカリンナトリウム、スクラロース、還元パラチノース、パラチノース、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、シクロデキストリン、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。これらの甘味料は単独又は複数で使用することができる。
本発明の口腔用組成物には口腔用組成物の見た目を変える為、必要に応じて着色剤を配合することが出来る。着色剤としては、酸化チタン、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号などが挙げられる。
本発明の口腔用組成物には使用目的に応じて薬効成分を配合することが出来る。それらの薬効成分を具体的に例示すると塩化ナトリウム、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム、塩化ストロンチウム、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、トラネキサム酸、ゼオライト、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、酢酸トコフェロールなどが挙げられる。これらの薬効成分は単独だけでなく、薬効作用に悪影響を与えない範囲であれば複数を組み合わせて使用することができる。
以下に本発明の実施例及び比較例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例示する口腔用組成物としてはペースト状の歯磨き剤とする。また、本実施例及び比較例においてはリン酸カルシウムとして特定の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト粒子を用いた。
<口腔用組成物の調製に用いる各種増粘性シリカ微粒子のpHの測定>
水48gに対して各種増粘性シリカ微粒子2gを超音波洗浄機「ウルトラソニッククリーナー SUC−110(松風製)」にて5分間分散させたスラリーのpHをpHメーターLAQUAtwinB−712(堀場製作所製)を用いて測定した。各種増粘性シリカ微粒子の種類及びpHの測定結果を表1に示す。
表2に示す割合にて各成分を混合することによりペースト状の口腔用組成物をそれぞれ調製し、実施例及び比較例に用いた。
調製した口腔用組成物の性能を評価する試験方法は次の通りである。その評価結果を表2に示した。
<保存安定性の評価>
調製したペースト状の口腔用組成物5gをPPフィルム上にφ20mm以内の円錐になるように乗せる。その上に、さらにフィルムと板とおもりを乗せ1分間放置する。この時、上に乗せるフィルムと板とおもりの総重量は100gとする。 1分間放置後、円状に広がった口腔用組成物の直径を5箇所計測し、その平均値をフロー値(初期値)とする。また、調製後、50℃2ヶ月間保存した口腔用組成物についても同様にフロー値(保存値)を測定する。初期値に対する保存値の変化率を求め、以下に示した3段階の基準により評価を行う。
初期値に対する保存後値の変化率が11%未満:○
初期値に対する保存後値の変化率が11~14%:△
初期値に対する保存後値の変化率が14%以上:×
<液分離の評価>
ラミネートチューブ(口径φ8mm)に充填した口腔用組成物(ペースト状)を練板紙に1cm押し出し、目視にて液分離の有無を確認し、以下に示した3段階の基準により評価を行う。
液分離が観察されない:○
表面にやや液浮きが観察される:△
液分離が観察される:×
<ペーストの押出性の評価>
ラミネートチューブ(口径φ8mm)に充填した口腔用組成物(ペースト状)を押し出す際の押し出し感を以下に示した3段階の基準により評価を行う。
自然に押し出せる場合:○
使用上問題ないがやや力がいる場合:△
強い力を入れてしか押し出せない場合:×


Figure 0006711540
Figure 0006711540
<実施例1〜11>
実施例1〜11の口腔用組成物はリン酸カルシウムと水に分散させた際のpHが6〜11を示す増粘性シリカ微粒子を組み合わせて配合したものであるため、いずれも保存安定性は良好であり、ペースト分離も無く、ペーストの押出感も非常に優れていた。
参考例12〜17>
参考例12、15のように増粘性シリカ微粒子の配合量が2wt%と少ない場合、増粘性シリカ微粒子の沈降防止効果が乏しく、ペースト表面にやや液分離が発生していることが確認された。また、参考例13、14、16、17のように増粘性シリカ微粒子の配合量が10wt%を上回る場合、増粘効果が強く、ペーストの保存安定性及び押出性が若干低下し、上手く排出できないことが確認された。これらの参考例は既述のとおり、参考例1〜11と比較すると劣っていたが、使用上は問題ない範囲であった。
参考例18、19>
参考例18のようにリン酸カルシウムの配合量が4wt%と少ない場合は、組成中のフィラー成分の割合が不足してペースト表面にやや液分離が発生していることが確認された。また、参考例19のようにリン酸カルシウムの配合量が21wt%を上回る場合、ペーストの流動性が低下する影響により押出性が低下しペーストが排出しにくくなった。これらの参考例は既述のとおり、参考例1〜11と比較すると劣っていたが、使用上は問題ない範囲であった。
<比較例1、3、5及び2、4、6>
増粘性シリカ微粒子のpHが低い比較例1、3、5および比較例2、4、6は口腔用組成物の保存安定性が低下した。これは配合したリン酸カルシウムと増粘性シリカ微粒子が相互作用することで、徐々に粘性が増加した結果と考えられる。

Claims (2)

  1. 平均粒子径が10μm未満のリン酸カルシウム(A):5〜20wt%、水に分散させた際のpHが6〜11を示す増粘性シリカ微粒子(B):3〜9wt%、水(C)を含むことを特徴とする口腔用組成物。
  2. 請求項1の口腔用組成物において、リン酸カルシウム(A)がハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウムもしくはリン酸八カルシウムのいずれかであることを特徴とする口腔用組成物。
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