JP7078421B2 - 歯磨組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、歯磨組成物に関する。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患であり、歯と歯肉の境目にある歯肉溝に細菌が停滞し(歯垢の蓄積)、歯肉の辺縁が炎症を帯びて赤くなったり、腫れたりする。そして、歯肉から炎症が広がると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、次いで歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は歯を抜かなければならなくなる。
歯周病は、歯垢の除去だけでは対応し難く、歯肉溝や歯周ポケット等の局所部位に直接薬効成分を送達させる必要があることが知られ、従来、歯肉溝等への薬効成分の送達性を改善する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、マンニトール、グルコピラノシルソルビトール、グルコピラノシルマンニトール及び還元パラチノース等の糖アルコール、油溶性薬効成分、水及び粘結剤を含有し、局所部位に到達したときに直ちに粘度を低下させて速やかな薬効成分の放出・作用を可能にする口腔用組成物が開示されている。また、特許文献2には、薬効成分を含有させたハイドロゲル粒子、粘結剤及び水を含有する歯周病用歯磨組成物が開示され、ハイドロゲル粒子を歯肉溝へ送達させて薬効成分の効率的な作用を図っている。歯周病に対する薬効成分としては、グリチルレチン酸類やアラントイン類等の抗炎症剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、止血剤、抗酸化剤等が用いられている。
一方、歯磨組成物では、キサンタンガムは、粘結剤として組成物の粘性付与に使用されることが知られている(例えば、特許文献3)。
特開2014-62049号公報 特開2016-94468号公報 特開2011-68599号公報
しかしながら、歯磨組成物の実使用時においては使用中に唾液により徐々に希釈されるため、従来の歯磨組成物では高希釈下で薬効成分の送達性が大きく低下してしまう結果、十分な薬効が得られ難く、改善の余地があった。
また、歯磨組成物において、キサンタンガムを高濃度配合することは口腔内での滞留を向上させる点で優位性があるものの、糸曳が強いために、使用時の歯ブラシへの取りやすさや口腔内への広がり等の使用性の観点から、キサンタンガムの使用量は抑えざるを得ず、他の粘結剤量を増やして使用されるのが実状であった。
本発明は、希釈下でも歯肉での滞留性に優れ、薬効成分を歯肉溝等へ送達させながら、糸曳を抑えた歯磨組成物を提供することに関する。
本発明者は、アラントイン類及び水とともに所定量のエリスリトール及びキサンタンガムを含有し、キサンタンガムを粘結剤の総量に対して所定量以上として、且つエリスリトールとキサンタンガムとの質量比を所定の範囲内とすることにより、希釈下でも歯磨組成物の歯肉での滞留性が高く、歯肉溝や歯周ポケットへアラントイン類をより多く送達させることができること、また、キサンタンガムの糸曳が抑えられるため使用性の良好な歯磨組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)アラントイン類
(B)エリスリトール 20~60質量%
(C)キサンタンガム(c1)を粘結剤中に55質量%以上含む粘結剤 0.3~2質量%
(D)水 3~30質量%
を含有し、成分(B)と成分(c1)との質量比[(B)/(c1)]が25~250である歯磨組成物を提供するものである。
本発明の歯磨組成物によれば、使用中に唾液により希釈されてもアラントイン類の送達性を担保し、より多くのアラントイン類を歯肉溝や歯周ポケットへ送達させることができる。また、キサンタンガムを多く含有するなかでも糸曳が抑えられ、使用性が良好である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の歯磨組成物は、成分(A)として、アラントイン類を含有する。アラントインは5-ウレイドヒダントインとも称される分子式C4643で表される化合物であり、抗炎症作用、抗潰瘍作用等を有することが知られている。
アラントイン類は、アラントイン、及びアラントインとアルミニウムとの縮合物を含む。なかでも、アラントインアルミニウム塩は、収斂作用を奏することにより歯肉の引き締まり感をもたらすことから好ましい成分である。より好ましくは、アラントインヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムであり、更に好ましくはアラントインジヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムである。なお、以下、「ALCA」との表記はアラントインクロルヒドロキシアルミニウムを意味している。
本発明の歯磨組成物中、成分(A)の含有量は、歯肉溝や歯周ポケット等の局所部位にて効果的に薬効をもたらす観点から、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上であり、更に好ましくは0.07質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、異味や苦味等を抑制する観点から好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以下であり、更に好ましくは0.3質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、歯磨組成物中に、好ましくは0.01~1質量%であり、より好ましくは0.03~0.7質量%であり、更に好ましくは0.07~0.3質量%である。
本発明の歯磨組成物は、成分(B)として、エリスリトールを20~60質量%含有する。かかる所定量でエリスリトールを含有することにより、キサンタンガムの糸曳を抑えつつ、希釈下でも歯磨組成物の歯肉での滞留性を高く保ち、歯肉溝や歯周ポケットへ成分(A)をより多く送達させることができる。また、前述したアラントインアルミニウム塩は金属味を有するが、エリスリトールによって当該金属味を有効に抑制することもできる。
エリスリトールの構造としては、L-エリスリトール、D-エリスリトール、meso-エリスリトールの3種の異性体が存在するが、本発明はこれらいずれの構造も使用できる。エリスリトールとしては、通常入手可能なものを使用でき、市販品としては、Jumgbunzlauer 社製、日研化学(株)、三菱化学フーズ(株)、セレスター社製等のものが入手可能である。粒径の大きなエリスリトールは粉砕して粒子径を調整したものを使用することもできる。エリスリトールの粉砕には、ローラミル、ハンマーミル、高速度粉砕機、パルベライザー等を使用するのが一般的であるが、粒度の調整が簡便で、かつ、生産効率にも優れる高速度粉砕機、ハンマーミルによる粉砕が好ましい。
エリスリトールの粒子径は、使用時に口腔内で良好な冷涼感の持続をもたらす観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上、よりさらに好ましくは10μm以上が好ましく、また、キサンタンガムの糸曳を有効に抑制する観点、成分(A)の歯肉溝等への送達性を維持する観点、及びアラントインアルミニウム塩に由来する金属味を有効に抑制する観点から、好ましくは355μm未満、より好ましくは300μm未満、さらに好ましくは250μm未満が好ましく、よりさらに好ましくは45μm未満である。
エリスリトールの粒子径は以下のように測定することができるが、あくまで一例であり、以下の測定方法に限られるわけではない。
篩:JIS標準篩 φ75mm
目開き:上段より、それぞれ500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、90μm、45μmおよび10μmの目開きを有する篩の下に受器を有する。
振盪機:ミクロ型電磁振動機M-2型(筒井理化学器機(株))
方法:試料15gを500μm篩上に載せ、電磁振動機にて5分間分級する。355μm、250μm、180μm、125μm、90μm、45μmおよび10μmの目開きを有する篩上に存在するエリスリトールの合計量を粒子径10μm以上355μm未満のエリスリトールとする。
本発明の歯磨組成物中、成分(B)の含有量は、キサンタンガムの糸曳を有効に抑制する観点、成分(A)の歯肉溝等への送達性を維持する観点から、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは27質量%以上であり、さらに好ましくは32質量%以上である。また、成分(B)の含有量は組成物の安定性を担保する観点から、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは45質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、歯磨組成物中に、好ましくは20~60質量%であり、より好ましくは27~50質量%であり、更に好ましくは32~45質量%である。
本発明の歯磨組成物は、成分(C)として、粘結剤を0.3~2質量%含有する。通常、粘結剤は、歯磨組成物の形態に応じて、ゲル化用、粘結用として配合される。
本発明の歯磨組成物においては、成分(C)中に、成分(c1)としてキサンタンガムを55質量%以上含有する。かかる高濃度でキサンタンガムを含有することにより、希釈下でも歯磨組成物の歯肉での滞留性を高く保ち、歯肉溝や歯周ポケットへ成分(A)をより多く送達させることができる。
キサンタンガムは、歯磨組成物の粘結剤として用いられていればよく、分子量及び分子量分布は、特に限定されない。
成分(C)中の成分(c1)の含有量は、成分(A)の歯肉溝等への送達性を維持する観点から、55質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは62質量%以上であり、よりさらに好ましくは64質量%以上である。また、成分(C)中の成分(c1)の含有量は、組成物の粘度安定性を担保し、かつ糸曳を抑制する観点から、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下である。さらに、成分(C)中の成分(c1)の含有量は、好ましくは55~90質量%であり、より好ましくは60~85質量%であり、さらに好ましくは62~80質量%であり、よりさらに好ましくは64~80質量%である。
キサンタンガム以外の粘結剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。その中でも、適度な粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させる観点からカルボキシメチルセルロースナトリウム、並びにヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース系粘結剤が好ましく、カルボキシメチルセルロースナトリウムがさらに好ましい。また、粘結剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
かかるカルボキシメチルセルロースナトリウムとしては、エーテル化度が0.95~1.5のカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。かかるカルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、適度な粘度を付与して歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させる観点から、好ましくは0.95以上であり、より好ましくは1.0以上であり、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.15以下である。
なお、カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度とは、グルコース単位あたりのカルボキシメチル基の置換度をいう。エーテル化度は、例えばCMC工業会分析法(灰化法)に従い得ることができる。カルボキシメチルセルロースナトリウム1gを精秤し、磁性ルツボに入れて600℃で灰化し、灰化によって生成した酸化ナトリウムをN/10硫酸でフェノールフタレインを指示薬として滴定し、カルボキシメチルセルロースナトリウム1gあたりの滴定量YmLを次式に入れて計算し、求めたエーテル化度を示すことができる。
エーテル化度=(162×Y)/(10,000-80×Y)
本発明の歯磨組成物中、成分(C)の含有量は、歯磨組成物の保存安定性、粘性の観点から、0.3質量%以上であり、好ましくは0.32質量%以上であり、より好ましくは0.35質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、歯磨組成物の保存安定性の観点から、2質量%以下であり、より好ましくは1.4質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、歯磨組成物中に、0.3~2質量%であり、より好ましくは0.32~1.4質量%であり、さらに好ましくは0.35~0.8質量%である。
本発明の歯磨組成物において、成分(B)と成分(c1)の質量比[(B)/(c1)]は25~250である。成分(B)と成分(c1)がかかる質量比を保持することにより、成分(c1)の糸曳を抑えつつ、成分(c1)の高濃度化を図ることができる。
成分(B)と成分(c1)の質量比[(B)/(c1)]は、成分(c1)の糸曳を抑制し、かつ歯肉溝や歯周ポケットへ成分(A)を高送達させる観点から、25以上であり、好ましくは40以上であり、より好ましくは60以上であり、さらに好ましくは75以上である。また、成分(B)と成分(c1)の質量比[(B)/(c1)]は、成分(c1)の糸曳を抑制し、かつ歯肉溝や歯周ポケットへ成分(A)を高送達させる観点から、250以下であり、好ましくは200以下であり、より好ましくは170以下であり、さらに好ましくは150以下である。さらに、成分(B)と成分(c1)の質量比[(B)/(c1)]は、25~250であり、好ましくは40~200であり、より好ましくは60~170であり、さらに好ましくは75~150である。
本発明の歯磨組成物において、より良好な成分(A)の送達性および組成物の泡立ち性を発揮させる観点から、成分(C)とともに、さらに吸油量が200mL/100g以上400mL/100g以下の増粘性シリカを含有するのが好ましい。増粘性シリカは、吸油量の多いシリカであり、研磨剤として用いられるシリカとは相違する。ここで、吸油量とは、シリカが担持できる油量を示したものであり、測定方法はJIS K5101-13-2(2004年制定)の方法により、吸収される煮あまに油の量により特定される値を意味する。増粘性シリカとしては、サイリシア、サイロピュア(富士シリシア化学社製)、ソルボシル(イネオスシリカ社製)、ファインシール(トクヤマ社製)、カープレックス(EVONIC社製)、ニップジェル(東ソー・シリカ社製)等の市販品を用いることができる。かかる増粘性シリカの吸油量は、好ましくは200~380mL/100gであり、より好ましくは230~260mL/100gである。
増粘性シリカの含有量は、成分(C)とも相まってより良好な成分(A)の送達性および組成物の泡立ち性を発揮させる観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下である。
本発明の歯磨組成物は、成分(D)として、水を3~30質量%含有する。歯磨組成物中の水とは、歯磨組成物に配合した精製水等だけでなく、各成分に含まれる水分をも含む全水分を意味する。歯磨組成物における水は、適度な粘度を保持しつつ、各成分を良好に分散又は溶解させて組成物を良好に拡散させることができる。
本発明の歯磨組成物中、成分(D)の含有量は、歯磨組成物の良好な粘性を担保する観点から、3質量%以上であり、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、歯磨組成物の保存安定性を担保する観点から、30質量%以下であり、好ましくは27質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。さらに、成分(D)の含有量は、歯磨組成物中に、3~30質量%であり、好ましくは8~27質量%であり、より好ましくは15~25質量%である。なお、成分(D)の含有量は、配合した水分量及び配合した他の各成分中の水分量から算出することができ、また、例えば、カールフィッシャー水分計で測定することもできる。
本発明の歯磨組成物は、さらに成分(E)として、アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。アニオン界面活性剤を含有することにより、前述したアラントインアルミニウム塩を用いても良好な泡立ちをもたらすことができる。また、唾液により希釈されても歯磨組成物を泡状態で歯肉に留めることができる。
アニオン界面活性剤としては、N-アシルタウリン塩、N-メチル長鎖アシルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、及びN-ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルアミノ酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、及びミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;アルキルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩;イセチオン酸塩等の脂肪酸エステル塩;ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩等のポリオキシアルキルリン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリルスルホ酢酸ナトリウム等のアルキルスルホ酢酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が好ましい。なかでも、良好な泡立ちを歯磨組成物に付与する観点から、N-アシルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、N-ラウロイルサルコシン塩、ラウリル硫酸ナトリウムがより好ましく、またこれらのアニオン界面活性剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用しても良く、その中でもN-アシルタウリン塩とアニオン界面活性剤を併用して用いることがさらに好ましい。
本発明の歯磨組成物中、成分(E)アニオン界面活性剤の含有量は、歯磨組成物の良好な泡立ちを実現する観点から、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、口腔内への為害性を抑制する観点から、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.2質量%以下である。さらに、成分(E)の含有量は、歯磨組成物中に、好ましくは0.1~2質量%であり、より好ましくは0.3~1.5質量%であり、さらに好ましくは0.5~1.2質量%である。
本発明の歯磨組成物は、組成物の安定性を担保し、成分(A)をより良好に歯肉溝等へ送達させる観点から、水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが好ましくは4.0以上であって、より好ましくは4.5以上であり、さらに好ましくは5.0以上であり、好ましくは6.5以下であり、より好ましくは6.2以下であり、さらに好ましくは5.9以下である。
本発明の歯磨組成物のpHは、例えば練歯磨剤のように粘度の高い組成物の場合に正確にpHを測定できないことから、組成物を水で30質量%に希釈したものを本発明の歯磨組成物のpHとしている。
また、本発明の歯磨組成物には、上記成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、アラントイン類以外の薬効成分、アニオン界面活性剤以外の発泡剤、研磨剤、抗酸化剤、湿潤剤、甘味剤、香料、pH調整剤、保存剤等を適宜配合してもよい。
かかる薬効成分としては、歯周病に対して予防又は改善効果を有するものであれば油溶性でも水溶性でもよく、例えば、アズレン類、トコフェロール類、グリチルレチン酸類、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、フッ素イオン供給化合物、第4級アンモニウム化合物等が挙げられる。
研磨剤としては、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、グルコノシリケート等のシリカの他、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。本発明の歯磨組成物中、研磨剤の含有量は、0~15質量%が好ましく、さらに1~12質量%がより好ましい。
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
香料としては、例えば、メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、オシメン、n-アミルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、メチルサリチレート、メチルアセテート、シトロネオールアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、カンファー、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、セージクラリーオイル、レモンオイル、シナモンオイル、オレンジオイル、セージオイル、タイムオイル、フェンネルオイル、ローズマリーオイル、ケイヒオイル、チョウジオイル、ナツメグオイル、ユーカリオイル、ハッカオイル、アニスオイル、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニソール等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸及びその塩、リン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、アスパラギン酸及びその塩、コハク酸及びその塩、グルクロン酸及びその塩、フマル酸及びその塩、グルタミン酸及びその塩、アジピン酸及びその塩、塩酸、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
本発明の歯磨組成物は、通常の歯磨き操作、すなわちブラッシングにより、歯磨組成物中の成分(A)が歯肉溝等の局所部位に多く送達される。従って、本発明の歯磨組成物は、歯周病の予防及び/又は改善用の歯磨組成物として有用である。
実施例1~5及び比較例1~4
表1に示す処方に従って、練歯磨剤である歯磨組成物をそれぞれ調製した。なお、比較例2は各成分が分散せず、ペースト状にならず、練歯磨剤を調製できなかった。次いで、各歯磨組成物を用い、下記方法に従って、歯周ポケットに送達したアラントイン類量と糸曳の長さを求めた。さらに、金属味の評価を行った。
また、実施例1~5、及び比較例1~4では、表2に示す香料を用いた。
結果を表1に示す。
[送達性試験]
歯周病モデルの顎模型(歯周ポケット≧4 mm)の上顎臼歯部(5-7番)に、調製した歯磨組成物約1gを乗せ、希釈倍率2倍となるよう水を添加した。次いで、ブラッシングマシーンに「ディープクリーン 歯ぐきケアハブラシ レギュラー ふつう」を設置し、荷重200gで40ストローク(2Hz)行った。その後、顎模型の歯周ポケット中に入ったALCAを麺棒で回収し、水1mLに浸漬しつつ超音波で60分抽出することで得られた溶液の内、10μLを用いてHPLCにて定量した。なお、別途、ALCAが25、50、100μg/mLとなるように調整し、検量線を作成した。
(HPLC分析条件)
測定機器:LC-2030C 3D, 島津製作所社製
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(測定波長:210 nm)
カラム:内径4.6 mm、長さ250 mmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用強塩基性イオン交換樹脂を充填する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:0.002 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液
流量:毎分0.8 mL
[糸曳性試験]
NEVA METER IMI-0501(株式会社石川鉄工所)を用い、歯磨組成物0.06mLを10 mm/sで垂直に引いた時の歯磨組成物の伸び(mm)を測定した。
[味の評価試験]
専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価では、歯磨組成物約1gで3分間ブラッシング後水で漱いだときの金属味について、次の基準に従って評価し、協議により評点を決定した。
3:金属味がしない
2:やや金属味を感じる
1:金属味を感じる
Figure 0007078421000001
*1 ALCA:Rona Care Aluminium chloride hydroxide allantoin, Merck社製
*2 エリスリトール:粒子径が3μm以上45μm未満82%、45μm以上200μm未満18%の粒度分布を有するエリスリトール、体積平均径30μm
*3 キサンタンガム:ケルデント, 粘度1200~1700mPa・s(25℃0.01質量%水溶液での値), DSP五協社製
*4 CMC・Na:サンローズ F35SH、エーテル化度1.00~1.15, 日本製紙ケミカル社製
*5 研磨性シリカ:ソルボシルAC77, 吸油量=70~130mL/100g, イネオスシリカ社製
*6 増粘性シリカ:カープレックス#80、吸油量=230~260mL/100g, EVONIC社製
Figure 0007078421000002
表1より明らかなように、実施例1~5の歯磨組成物は、歯周ポケットに送達したアラントインクロルヒドロキシアルミニウム量が比較例1~4に比べて多かった。また、キサンタンガムの粘結剤中の割合が多くても糸曳の長さが抑えられた。また、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムに由来する金属味も抑えられた。
これに対して、粘結剤中のキサンタンガムの含有量が55質量%に満たない比較例1はアラントインクロルヒドロキシアルミニウムの送達量が少なく、また、質量比(B)/(c1)が25より小さい比較例3、エリスリトールの代わりにソルビトールを用いた比較例4は、何れもアラントインクロルヒドロキシアルミニウムの送達量が少ない上に、糸曳が強く、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムに由来する金属味も感じられた。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)アラントイン類 0.01~1質量%
    (B)エリスリトール 20~60質量%
    (C)キサンタンガム(c1)を粘結剤中に55質量%以上含む粘結剤 0.3~2質量%
    (D)水 3~30質量%
    を含有し、成分(B)と成分(c1)との質量比[(B)/(c1)]が25~250である歯磨組成物。
  2. 成分(A)が、アラントインアルミニウム塩である請求項1記載の歯磨組成物。
  3. 成分(B)が、粒子径3μm以上355μm未満のエリスリトールである請求項1又は2記載の歯磨組成物。
  4. 成分(B)と成分(c1)との質量比[(B)/(c1)]が25~200である請求項1~3のいずれか1項記載の歯磨組成物。
  5. 更に、吸油量が200mL/100g以上400mL/100g以下の増粘性シリカを含有する請求項1~4のいずれか1項記載の歯磨組成物。
  6. 前記増粘性シリカの含有量が1~8質量%である、請求項5に記載の歯磨組成物。
  7. キサンタンガム以外の粘結剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される1種又は2種以上のセルロース系粘結剤である、請求項1~6のいずれか1項記載の歯磨組成物。
  8. 更に、(E)アニオン界面活性剤を含有する請求項1~のいずれか1項記載の歯磨組成物。
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