JP6711510B2 - 嵌合部材及びこれを備えた軸受装置 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、軸受に固定されるセンサユニットの環状の固定部材の圧入部に、外輪の外径面に設けられた周溝に折り曲げて係合される係合爪を設けた軸受装置が開示されている。
また、下記特許文献2及び下記特許文献3には、軸受の外方部材に固定される外部シールの芯金や保護カバーの嵌合部を外方部材に圧入させた後に、嵌合部の端部を、外方部材の外周に設けられた環状溝に向かって塑性変形させて加締部とした軸受装置が開示されている。
また、下記特許文献4には、軸受の外方部材の外周に環状溝を設け、この外方部材に固定される保護カバーの嵌合部に、内径側に突出し、外方部材の環状溝に係合する係止部を設けた軸受装置が開示されている。
本発明によれば、被嵌合部材に対して嵌合部材を圧入することで、嵌合部材の円筒部の抜止片部が径方向に折り曲げられて被嵌合部材の凹所に挿入されるので、圧入後における被嵌合部材に対する嵌合部材の軸方向への位置ずれや抜けを効果的に抑制することができる。つまり、凹所に挿入された抜止片部が凹所に引っ掛かるように係止し、嵌合部材の被嵌合部材に対する軸方向への移動を抑制することができる。また、被嵌合部材に対して嵌合部材を圧入させれば、抜止片部が段部に当接し、凹所に入り込むように折り曲げられるので、つまりは、嵌合部材を被嵌合部材に圧入させる際の荷重(圧入力)によって抜止片部が折り曲げられるので、圧入させた後に、折り曲げや加締等の工程を要さず、組付工程が複雑化するようなことを抑制することができる。
本発明によれば、抜止片部における周面に対向する面の反対面と段部とが直交状とされたものと比べて、段部に当接した抜止片部が凹所側に折り曲げられ易くなり、抜止片部を円滑に凹所に挿入させることができる。
本発明によれば、抜止片部の厚さ寸法を円筒部の厚さ寸法と同寸法としたものと比べて、抜止片部が折曲変形し易くなり、嵌合部材を被嵌合部材に圧入させる際に要する荷重が過大となるようなことを抑制することができる。
本発明によれば、このような切欠状部を設けていないものと比べて、抜止片部が折曲変形し易くなり、嵌合部材を被嵌合部材に圧入させる際に要する荷重が過大となるようなことを抑制することができる。また、切欠状部を設ける個数や周方向に沿う寸法を適宜、調整することで、嵌合部材を被嵌合部材に圧入させる際に要する荷重や、折り曲げられて凹所に挿入された抜止片部による抜止力を調整することも可能となる。
本発明によれば、嵌合部材を被嵌合部材に圧入させる際に、抜止片部が周方向の全体に亘って被嵌合部材の周面に摺るように接触するようなものと比べて、抜止片部が圧入の妨げとなるようなことを抑制することができ、嵌合部材を被嵌合部材に円滑に圧入することができる。
本発明によれば、圧入させる際に嵌合部材が拡開する方向に変形し易くなるが、抜止片部によって圧入後における被嵌合部材に対する嵌合部材の軸方向への位置ずれや抜けを効果的に抑制することができる。
本発明によれば、抜止片部によって圧入後における被嵌合部材に対する嵌合部材の軸方向への位置ずれや抜けを効果的に抑制することができる。
本発明によれば、上記同様、嵌合部材の組付工程を複雑化させることなく軸方向への位置ずれや抜けを抑制することができる。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、軸L方向一方側(図1における紙面右側)を車体側、軸L方向他方側(図1における紙面左側)を車輪側として説明する。
図1〜図5は、第1実施形態に係る嵌合部材の一例及びこれを備えた軸受装置(軸受部)の一例を模式的に示す図である。
図1では、自動車の車輪(従動輪)を軸回転可能に支持する軸受装置1の一例としてのハブベアリングを示している。この軸受装置1は、外輪2と、ハブ輪4と、このハブ輪4の車体側に嵌合一体とされる内輪部材5と、外輪2とハブ輪4及び内輪部材5との間に介装される2列の転動体(ボール)8,8・・・と、を備えている。この例では、ハブ輪4及び内輪部材5が内輪3を構成する。
内輪3(ハブ輪4及び内輪部材5)は、外輪2に対して、軸L回りに回転可能とされ、外輪2と内輪3とにより、相対的に回転する2部材が構成され、これら2部材間に被密封空間となる環状空間6が形成され、この環状空間6には、転動体8,8・・・の転動を円滑にするためのグリース等の潤滑剤が充填される。
環状空間6内には、2列の転動体8,8・・・がリテーナ7に保持された状態で、外輪2の軌道輪2a,2a、ハブ輪4及び内輪部材5の軌道輪4a,5aを転動可能に介装されている。ハブ輪4は、円筒状(円柱状)のハブ輪本体と、ハブ輪本体より立上基部を介して径方向外側に延出するよう形成されたハブフランジと、を有し、ハブフランジにボルト及びナットによって車輪(従動輪)が取り付けられ固定される。ハブ輪4と内輪部材5とは、ハブ輪4の車体側の端部を内輪部材5にかしめることによって一体とされる。
このキャップ10は、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板などの鋼板から形成された金属製とされ、プレス加工等によって形成されている。
本実施形態では、外輪2の周面を外周面2bとし、このキャップ10の円筒部12が外輪2の車体側端部2eに外嵌される構成としている。つまり、円筒部12の内周面が外輪2の外周面2bに対面する構成とされている。この円筒部12の内径は、締り嵌めとなるよう、外輪2の車体側端部2eの外径よりも僅かに小さい径とされている(図2(b)参照)。
凹所2dは、径方向外側に向けて開口するように設けられている。この凹所2dは、外周面2bにおける段部2cとの隅部を掘り下げるように形成され、車体側に向く一方の内側面が段部2cに面一状に連なるように形成されている。また、この凹所2dを、周方向に延びるように、かつ外周面2bの全周に亘って溝状に設けている。図例では、この凹所2dを、周方向に見て(縦断面視して)、径方向外側に向く溝底面が凹湾曲面状とされた略U字溝状としているが、矩形溝状や台形溝状等としてもよい。この凹所2dの径方向に沿う深さ寸法や軸L方向に沿う幅寸法は、抜止片部13の受け入れが可能なように、また、挿入された抜止片部13によってキャップ10の軸L方向への移動の抑制が可能なように適宜の寸法としてもよい。
また、この抜止片部13の厚さ寸法を、円筒部12の厚さ寸法よりも小としている。本実施形態では、抜止片部13における外輪2の外周面2bに対向する側となる内周側に、円筒部12の内周面から段下がり状となる凹段部を設けて抜止片部13を円筒部12よりも薄くしている。
また、本実施形態では、幅方向の全体に亘って概ね一様な厚さとされた抜止片部13自体を、円筒部12に対して傾斜状、つまり、円筒部12から離れるに従い縮径状(先細り状)のテーパ筒状となるように設けた構成としている。
また、図例では、抜止片部13が円筒部12に対して概ね直交状に折り曲げられたように示しているが、折り曲げられて凹所2dに挿入された抜止片部13が凹所2dに引っ掛かるように係止すればよく、折り曲げられた状態で円筒部12に対して傾斜状となるような態様としてもよい。
支持リング15は、図4に示すように、被嵌合部材としての内輪3に嵌合される金属製の円筒部17を有している。また、支持リング15は、車体側の面に磁性環16Aが設けられた鍔状部16を有している。鍔状部16は、円筒部17の車体側端部17aに一連状に全周に亘って円輪状に設けられている。この支持リング15は、キャップ10と同様、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板などの鋼板から形成された金属製とされ、プレス加工等によって形成されている。
鍔状部16に設けられた磁性環16Aの車体側に、キャップ10の円板部11の外周側部位を介して対峙するように磁気センサ9(図1参照)が車体に設置される。この磁気センサ9を車体に設置した状態で、内輪3(ハブ輪4及び内輪部材5)が軸L回りに回転すれば、磁性環16Aによる磁気変化が磁気センサ9によって検出され、この磁気変化の検出によって、ハブ輪4に取付けられる車輪の回転数等の回転状態のデータを得ることができる。
また、内輪部材5の凹所5dは、外輪2の凹所2dと概ね同様、径方向外側に向けて開口するように設けられ、かつ、周方向に延びるように外周面5bの全周に亘って溝状に設けられている。
また、上記同様、抜止片部18の少なくとも先端部に、反円筒部17側(車輪側)に開口するように厚さ方向の全体に亘って切欠状とされた切欠状部19を周方向に間隔を空けて複数箇所に設けた構成としている。これら切欠状部19の開口方向に沿う寸法(抜止片部18の幅方向に沿う寸法)や周方向に沿う寸法、切欠状部19を設ける個数等は、上記同様、適宜の寸法や個数としてもよい。
このハブ用スリンガ25は、キャップ10と同様、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板などの鋼板から形成された金属製とされ、プレス加工等によって形成されている。また、ハブ用スリンガ25は、各リップ22,23,24が摺接されるスリンガ本体26と、このスリンガ本体26の圧入方向先端側に設けられ円筒部を構成する先側円筒部27と、を備えている。
スリンガ本体26は、ハブ輪4の二段状に形成された立上基部4eの環状空間6側部位の外周面4fに締り嵌め状に嵌合される円筒部26aと、環状空間6側部位の外周面4fに連なるように設けられ周方向に見て凹湾曲面状とされたフランジ面4gに沿って延出するように車輪側に向かうに従い拡開状に形成され、フランジ面4gに当接される鍔状部26bと、を有している。
また、この先側円筒部27における圧入方向先端部には、図5に示すように、内輪3を構成するハブ輪4の周面4bから径方向外側(径方向一方側)に段状に形成された段部4cに当接されることで径方向内側(径方向他方側)に折曲変形可能とされ、かつ折り曲げられた状態で、段部4cと周面4bとの隅部に形成された径方向外側(径方向一方側)に向けて開口する凹所4dに挿入される、上記したキャップ10の抜止片部13と概ね同様な抜止片部28が設けられている。また、上記同様、ハブ輪4の周面を外周面4bとし、この先側円筒部27がハブ輪4の立上基部4eのハブフランジ側部位に外嵌される構成としている。
また、ハブ輪4の凹所4dは、外輪2の凹所2dと概ね同様、径方向外側に向けて開口するように設けられ、かつ、周方向に延びるように外周面4bの全周に亘って溝状に設けられている。
また、上記同様、抜止片部28の少なくとも先端部に、反先側円筒部27側(車輪側)に開口するように厚さ方向の全体に亘って切欠状とされた切欠状部29を周方向に間隔を空けて複数箇所に設けた構成としている。これら切欠状部29の開口方向に沿う寸法(抜止片部28の幅方向に沿う寸法)や周方向に沿う寸法、切欠状部29を設ける個数等は、上記同様、適宜の寸法や個数としてもよい。
つまり、円筒部(先側円筒部)12,17,27における圧入方向先端部に、被嵌合部材2,5,4の周面2b,5b,4bから径方向一方側に段状に形成された段部2c,5c,4cに当接されることで径方向他方側に折曲変形可能とされ、かつ折り曲げられた状態で、段部2c,5c,4cと周面2b,5b,4bとの隅部に形成された径方向一方側に向けて開口する凹所2d,5d,4dに挿入される抜止片部13,18,28を設けた構成としている。従って、被嵌合部材2,5,4に対して嵌合部材10,15,25を圧入することで、嵌合部材10,15,25の円筒部12,17,27の抜止片部13,18,28が径方向に折り曲げられて被嵌合部材2,5,4の凹所2d,5d,4dに挿入されるので、圧入後における被嵌合部材2,5,4に対する嵌合部材10,15,25の軸L方向への位置ずれや抜けを効果的に抑制することができる。つまりは、凹所2d,5d,4dに挿入された抜止片部13,18,28が凹所2d,5d,4dに引っ掛かるように係止し、嵌合部材10,15,25の被嵌合部材2,5,4に対する軸L方向への移動を抑制することができる。また、被嵌合部材2,5,4に対して嵌合部材10,15,25を圧入させれば、抜止片部13,18,28が段部2c,5c,4cに当接し、凹所2d,5d,4dに入り込むように折り曲げられるので、つまりは、嵌合部材10,15,25を被嵌合部材2,5,4に圧入させる際の荷重(圧入力)によって抜止片部13,18,28が折り曲げられるので、圧入させた後に、折り曲げや加締等の工程を要さず、組付工程が複雑化するようなことを抑制することができる。
また、本実施形態では、円筒部12,17,27における被嵌合部材2,5,4の周面2b,5b,4bに対向する面側に凹段部を設けて抜止片部13,18,28を円筒部12,17,27よりも薄くした構造としているので、嵌合部材10,15,25を圧入させる際における抜止片部13,18,28の被嵌合部材2,5,4の周面2b,5b,4bへの接触を効果的に抑制することができる。
図6は、第2実施形態に係る嵌合部材の一例及びこれを備えた軸受装置(軸受部)の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
このキャップ10Aは、上記と概ね同様、被嵌合部材としての外輪2Aに嵌合される金属製の円筒部12Aと、外輪2Aの開口部を封止する円板部11Aと、を有している。本実施形態では、このキャップ10Aを、外輪2Aの内周側に内嵌状に嵌合する構成としている。つまり、図6に示すように、外輪2Aの周面を、内周面2Abとし、キャップ10Aの円筒部12Aにおける圧入方向先端部に設けられた抜止片部13Aを、軸心側に向けて開口する外輪2Aの凹所2Adに挿入される構成としている。つまり、本実施形態では、径方向一方側を、上記第1実施形態とは逆となる径方向内側(軸心側)とし、径方向他方側を、上記第1実施形態とは逆となる径方向外側としている。
外輪2Aの凹所2Adは、径方向内側(軸心側)に向けて開口するように設けられている。この凹所2Adは、上記と概ね同様、周方向に延びるように、かつ内周面2Abの全周に亘って溝状に設けられている。
キャップ10Aの抜止片部13Aは、外輪2Aの段部2Acに当接されることで径方向外側に折り曲げられ、軸心側に向けて開口する外輪2Aの凹所2Adに挿入される。本実施形態においても、上記と概ね同様、抜止片部13Aを、当該キャップ10A(円筒部12A)が外輪2Aに圧入され、かつ抜止片部13Aが段部2Acに当接していない状態で、外輪2Aの内周面2Abに接触しないように設けている。換言すれば、折り曲げられていない状態における抜止片部13Aの外径(最も径方向外側の部位の外径)を、外輪2Aの車体側端部2Aeの内径よりも小としている。
また、この抜止片部13Aの厚さ寸法を、上記と概ね同様、円筒部12Aの厚さ寸法よりも小としている。本実施形態では、抜止片部13Aにおける外輪2Aの内周面2Abに対向する側となる外周側に、円筒部12Aの外周面から段下がり状となる凹段部を設けて抜止片部13Aを円筒部12Aよりも薄くしている。この抜止片部13Aの厚さ寸法や幅寸法は、上記同様な観点から適宜の寸法としてもよい。
また、上記同様、抜止片部13Aの少なくとも先端部に、反円筒部12A側(車輪側)に開口するように厚さ方向の全体に亘って切欠状とされた切欠状部14Aを周方向に間隔を空けて複数箇所に設けた構成としている。これら切欠状部14Aの開口方向に沿う寸法(抜止片部13Aの幅方向に沿う寸法)や周方向に沿う寸法、切欠状部14Aを設ける個数等は、上記同様、適宜の寸法や個数としてもよい。
上記構成とされた本実施形態に係る嵌合部材を構成するキャップ10A及びこれを備えた軸受装置1Aにおいても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、上記各実施形態では、抜止片部13,18,28,13Aの少なくとも先端部に、切欠状部14,19,29,14Aを周方向に間隔を空けて複数箇所に設けた例を示しているが、このような切欠状部14,19,29,14Aを設けていない態様としてもよい。
また、上記各実施形態では、嵌合部材10,15,25,10Aが被嵌合部材2,5,4,2Aに圧入され、かつ抜止片部13,18,28,13Aが段部2c,5c,4c,2Acに当接していない状態で、被嵌合部材2,5,4,2Aの周面2b,5b,4b,2Abに接触しないように抜止片部13,18,28,13Aを設けた例を示しているが、抜止片部13,18,28,13Aが被嵌合部材2,5,4,2Aの周面2b,5b,4b,2Abに摺るように接触するような態様等としてもよい。上記各実施形態に係る嵌合部材10,15,25,10A及びこれらが装着される軸受装置1,1Aとしては、その他、種々の変形が可能である。
2,2A 外輪(外側部材、被嵌合部材)
2b 外周面(周面)
2Ab 内周面(周面)
2c,2Ac 段部
2d,2Ad 凹所
3 内輪(内側部材、被嵌合部材)
4 ハブ輪(内側部材、被嵌合部材)
4b 外周面(周面)
4c 段部
4d 凹所
5 内輪部材(内側部材、被嵌合部材)
5b 外周面(周面)
5c 段部
5d 凹所
10,10A キャップ(嵌合部材)
12,12A 円筒部
13,13A 抜止片部
13a 外周側面(周面に対向する面の反対面)
13Aa 内周側面(周面に対向する面の反対面)
14,14A 切欠状部
15 支持リング(嵌合部材)
17 円筒部
18 抜止片部
18a 外周側面(周面に対向する面の反対面)
19 切欠状部
25 ハブ用スリンガ(嵌合部材)
27 先端円筒部(円筒部)
28 抜止片部
28a 外周側面(周面に対向する面の反対面)
29 切欠状部
θ 傾斜角度(抜止片部における周面に対向する面の反対面と段部とのなす角度のうち凹所とは反対側のなす角度)
Claims (8)
- 相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材で構成される軸受部における前記内側部材及び前記外側部材のうちのいずれかの被嵌合部材に嵌合される金属製の円筒部を有した嵌合部材であって、
前記円筒部における圧入方向先端部には、前記被嵌合部材の周面から径方向一方側に段状に形成された段部に当接されることで径方向他方側に折曲変形可能とされ、かつ折り曲げられた状態で、該段部と前記周面との隅部に形成された径方向一方側に向けて開口する凹所に挿入される抜止片部が設けられており、
前記抜止片部の少なくとも先端部には、反円筒部側に開口するように厚さ方向の全体に亘って切欠状とされた切欠状部が周方向に間隔を空けて複数箇所に設けられていることを特徴とする嵌合部材。 - 相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材で構成される軸受部における前記内側部材及び前記外側部材のうちのいずれかの被嵌合部材に嵌合される金属製の円筒部を有した嵌合部材であって、
前記円筒部における圧入方向先端部には、前記被嵌合部材の周面から径方向一方側に段状に形成された段部に当接されることで径方向他方側に折曲変形可能とされ、かつ折り曲げられた状態で、該段部と前記周面との隅部に形成された径方向一方側に向けて開口する凹所に挿入される抜止片部が設けられており、
前記抜止片部は、当該嵌合部材が前記被嵌合部材に圧入され、かつ前記抜止片部が前記段部に当接していない状態で、前記周面に接触しないように設けられていることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1において、
前記抜止片部は、当該嵌合部材が前記被嵌合部材に圧入され、かつ前記抜止片部が前記段部に当接していない状態で、前記周面に接触しないように設けられていることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
当該嵌合部材が前記被嵌合部材に圧入され、かつ前記抜止片部が前記段部に当接していない状態で、前記抜止片部における前記周面に対向する面の反対面と前記段部とのなす角度のうち前記凹所とは反対側のなす角度が鋭角となる構成とされていることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記抜止片部は、厚さ寸法が前記円筒部の厚さ寸法よりも小とされていることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記周面は、前記被嵌合部材の外周面とされ、前記抜止片部は、径方向外側に向けて開口する前記凹所に挿入されることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記周面は、前記被嵌合部材の内周面とされ、前記抜止片部は、軸心側に向けて開口する前記凹所に挿入されることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の嵌合部材と、相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材と、を備えており、
前記嵌合部材が嵌合される前記内側部材及び前記外側部材のうちのいずれかの被嵌合部材には、前記段部と前記凹所とが設けられていることを特徴とする軸受装置。
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