[部品実装装置の構成]
図1は、本発明が適用された部品実装装置を平面図で示している。なお、図面中には、各図の方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸を示している。X方向は水平面と平行な方向であり、Y方向は水平面上でX方向と直交する方向であり、Z方向はX、Y両方向に直交する方向である。
部品実装装置1は、平面視矩形の基台1aと、この基台1a上でプリント配線板等の基板Pを搬送する基板搬送機構2と、部品供給ユニット4と、ヘッドユニット6と、このヘッドユニット6を駆動するヘッドユニット駆動機構とを備えている。
基板搬送機構2は、基板PをX方向に搬送する一対のコンベア3と、当該コンベア3によって搬送される基板Pを位置決めする図外の位置決め機構とを備えている。コンベア3は、いわゆるベルトコンベアであり、その一方側(図1の右側)から基板Pを受け入れて所定の実装作業位置(同図に示す基板Pの位置)に搬送し、実装作業後、基板Pを他方側(図1の左側)に搬出する。位置決め機構は、バックアップピンを備えたリフトアップ機構である。位置決め機構は、基板Pをコンベア3から持ち上げて図外の搬送ガイド等の下面に押し当てることで、当該基板Pを上記実装作業位置に位置決めする。
部品供給ユニット4は、基板搬送機構2の両側(Y方向の両側)に設けられている。当例では、各部品供給ユニット4は、基台1aに対して一体的に、つまり、分離不能に組み込まれたものである。
部品供給ユニット4には、コンベア3に沿って複数のテープフィーダ5が着脱可能に配置されている。テープフィーダ5は、テープを担体(キャリア)として、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の電子部品(以下、単に部品と称す)を供給するものである。テープフィーダ5の構成については後に詳細に説明する。
前記ヘッドユニット6は、部品供給ユニット4の各テープフィーダ5から部品を取り出して基板P上に実装するものであり、ヘッドユニット駆動機構の作動により一定の領域内でX方向およびY方向に移動する。ヘッドユニット駆動機構は、高架フレーム上に各々固定されてY方向に延びる一対の固定レール10と、各固定レール10に移動可能に支持されてX方向に延びるユニット支持部材11と、ユニット支持部材11に螺合挿入されてY軸サーボモータ13により駆動されるボールねじ軸12とを含む。また、ヘッドユニット駆動機構は、ユニット支持部材11に固定されてヘッドユニット6をX方向に移動可能に支持する固定レール14と、ヘッドユニット6に螺合挿入されてX軸サーボモータ16により駆動されるボールねじ軸15とを含む。つまり、ヘッドユニット駆動機構は、X軸サーボモータ16によるボールねじ軸15の駆動によりヘッドユニット6をX方向に移動させる一方、Y軸サーボモータ13によるボールねじ軸12の駆動によりユニット支持部材11をY方向に移動させる。その結果、ヘッドユニット6が一定の領域内でX方向およびY方向に移動する。
なお、ヘッドユニット駆動機構は、当例では、回転モータ(サーボモータ13,16)によりボールねじ軸12,15を介してユニット支持部材11およびヘッドユニット6を移動させる構成である。しかし、ヘッドユニット駆動機構は、例えばリニアモータを駆動源としてユニット支持部材11やヘッドユニット6をダイレクトに駆動する構成であってもよい。
ヘッドユニット6は、複数本の軸状のヘッド20と、これらヘッド20を駆動するヘッド駆動機構とを備えている。当例では、ヘッドユニット6は、X方向に一列に並ぶ、合計5本のヘッド20を備えている。
ヘッド駆動機構は、各ヘッド20にそれぞれ対応するZ軸サーボモータ24を備え、各ヘッド20を個別に昇降(Z方向に移動)させる昇降駆動機構と、各ヘッド20に共通する一つのR軸サーボモータ25(図9に示す)を備え、各ヘッド20を同時にヘッド中心軸回り(R方向)に回転させる回転駆動機構とを含む。
各ヘッド20の先端には、それぞれ部品吸着用のノズルが備えられている。各ノズルは、電動切替弁を介して負圧発生装置にそれぞれ連通しており、当該負圧発生装置からノズル先端に負圧が供給されることにより、部品の吸着を行う。
ヘッドユニット6は、さらに基板認識カメラ26を備えている。基板認識カメラ26は、基板Pの品種の識別や位置決めのために、ヘッドユニット6と共に移動して、基板Pの上面に記された各種マークを上方から撮像するものである。
前記部品認識カメラ7は、図1に示すように、基台1a上の各部品供給ユニット4と基板搬送機構2との間の位置にそれぞれ配設されている。部品認識カメラ7は、ヘッド20によってテープフィーダ5から取り出された部品の吸着状態を認識するために、当該部品を下側から撮像するものである。
[テープフィーダ5の全体構成]
図2は、部品供給ユニット4及びテープフィーダ5の側面視の全体模式図であり、図3は、テープフィーダの側面視の模式図(図2の要部拡大図)である。なお、以下のテープフィーダ5および部品供給ユニット4の説明については、便宜上、基板搬送機構2に近い側(図2、図3では右側)を前(前側)、これと反対側を後(後側)とする。
テープフィーダ5は、部品供給ユニット4に設けられたフィーダ取付部32に取り付けられている。詳しくは、部品供給ユニット4には、フィーダ取付部32と、リール支持部36とが設けられている。フィーダ取付部32には、X方向に一定間隔で並びかつY方向に互いに平行に延びる複数のスロット34と、これらスロット34よりも前側の位置でX方向に伸びる固定台35とが設けられている。そして、各スロット34にテープフィーダ5がセットされ、各テープフィーダ5がクランプ機構42により固定台35に固定されている。これにより、部品供給ユニット4に、複数のテープフィーダ5がX方向に横並びに整列して配置されている。
リール支持部36には、スロット34毎に、部品供給テープ60が巻回されたリール65が支持されており、当該リール65からテープフィーダ5に部品供給テープ60が引き出されている。リール支持部36は、フィーダ取付部32の後方下側に位置しており、リール65を回転可能に支持するリールホルダ37を上下2段に備えている。なお、図2及び図3中の符号38は、リール65から引き出された部品供給テープ60をテープフィーダ5へ導くためのガイドローラであり、フィーダ取付部32の後端部に各スロット34に対応して備えられている。
テープフィーダ5は、前後方向(Y方向)に細長い形状をなすフィーダ本体部41と、その前側下部に設けられた前記クランプ機構42とを備えている。テープフィーダ5は、前記スロット34にフィーダ本体部41が挿入(セット)された状態で、クランプ機構42により固定台35に固定されている。
テープフィーダ5は、さらに、フィーダ本体部41の前端部分に備えられた前側送出部44と、フィーダ本体部41の後端部分に備えられた後側送出部45と、フィーダ本体部41に設けられたテープ通路46と、テープガイド47と、第1、第2テープ検知センサ48a、48bと、フィーダ制御部49(図9参照)と、フィーダ本体部41の後端部に着脱可能に固定されたテープ支持部材50と、フィーダ本体部41の後部上面に配置された操作部51とを備えている。
前記テープ通路46は、部品供給テープ60を案内するための通路である。テープ通路46は、フィーダ本体部41の後端部から前側上部に向かって斜め上方に延びている。図3に示すように、部品供給テープ60は、フィーダ本体部41の後端部からその内部に導入され、テープ通路46を通じてフィーダ本体部41の上面前部に案内されている。
部品供給テープ60は、図4に示すように、テープ本体62とカバーテープ64とで構成された長尺のテープである。テープ本体62には、上部に開口した多数の部品収納部62a(凹部)が長手方向に一定間隔で形成されており、各部品収納部62aに部品C1が収納されている。テープ本体62の上面には、前記カバーテープ64が接着されており、これにより各部品収納部62aがカバーテープ64により閉鎖されている。また、テープ本体62のうち部品収納部62aの側方には、長手方向に一定間隔で並びかつテープ本体62をその厚み方向に貫通する複数の係合孔62bが設けられている。
部品供給テープ60は、図2に示すように、リール65に巻回されている。リール65は、前記リールホルダ37に回転可能に支持されており、部品供給テープ60は、リール65から引き出され、前記テープ通路46を通じてフィーダ本体部41の上面前部に導出されている。
前記テープガイド47は、図3に示すように、フィーダ本体部41の前部上面に設けられている。テープガイド47は、テープ通路46を通過した部品供給テープ60を覆い、当該部品供給テープ60をフィーダ本体部41の上面に沿って略水平に部品供給位置P1まで案内するものである。部品供給位置P1は、前記ヘッド20に部品の取り出しを行わせる位置であり、フィーダ本体部41の上面前端に近い位置に設定されている。
テープガイド47のうち、部品供給位置P1に対応する位置には図外の開口部が設けられ、この開口部よりも後方側の位置には、さらに前記カバーテープ64をカットする図外のカット機構が設けられている。カット機構は、図4に示すように、カバーテープ64をその幅方向中央で長手方向に沿ってカットしながら外側に折り返すように構成されている。これにより、前記開口部を通じてヘッド20による部品吸着が可能となるように、部品供給位置P1において、部品収納部62aに収納された部品C1を露出させる。
前記前側送出部44は、テープガイド47の下方に配置される前側スプロケット52と、前側モータ53と、前側モータ53の駆動力を前側スプロケット52に伝達する、複数枚の伝動ギヤからなる前側ギヤ群54とを備えている。前側スプロケット52は、テープガイド47に沿って案内される部品供給テープ60の前記係合孔62bに係合する歯を有している。つまり、前側送出部44は、前側スプロケット52を前側モータ53により回転駆動することにより、部品供給テープ60を部品供給位置P1に向かって送出する。
前記後側送出部45は、フィーダ本体部41の後端部に配置される後側スプロケット56と、後側モータ57と、後側モータ57の駆動力を後側スプロケット56に伝達する、複数枚の伝動ギヤからなる後側ギヤ群58とを備えている。後側スプロケット56は、上方から前記テープ通路46内に臨んでおり、当該テープ通路46に沿って案内される部品供給テープ60の係合孔62bに係合する歯を有している。つまり、後側送出部45は、後側スプロケット56を後側モータ57により回転駆動することにより、部品供給テープ60を前方(部品供給位置P1)に向かって送出する。
部品供給テープ60は、各送出部44、45により部品供給位置P1に向かって送出され、部品供給位置P1で前記開口部を通じて部品の取り出しが行われる。前記リール支持部36の前方には、図外のテープ回収容器が配置されている。部品取り出し後の部品供給テープ60は、図3に示すように、フィーダ本体部41の前端から下方に向かって案内され、図外のカッタで細断されながら前記テープ回収容器に回収される。
前記テープ支持部材50は、図3に示すように、テープ通路46の後端部分を上下二つの通路(上側通路46a、下側通路46b)に分けるとともに、上側通路46aを通過する部品供給テープ60を下側から支持するものである。詳しくは、テープ通路46の後端部分は、その前方から後方に向かって上下方向に広がる形状とされている。前記テープ支持部材50は、フィーダ本体部41の後方からテープ通路46内に挿入され、当該フィーダ本体部41に着脱可能に固定されている。これにより、テープ通路46の後端部分が、テープ支持部材50によって上側通路46aと下側通路46bとに分けられている。
前記後側スプロケット56は、上述の通り、上側通路46a内に臨んでおり、当該上側通路46aを通過する部品供給テープ60の係合孔62bに係合している。なお、テープ支持部材50は、上下方向に弾性変位可能な支持片50aを備えており、上側通路46aを通過する部品供給テープ60は、前記支持片50aにより上向きに付勢される。これにより、後側スプロケット56に部品供給テープ60が押し付けられている。
第1テープ検知センサ48a及び第2テープ検知センサ48bは、テープ通路46に臨む状態で設けられており、テープ通路46を通過する部品供給テープ60の有無を検出する。より具体的には、第1テープ検知センサ48aは、上側通路46aと下側通路46bとの合流地点よりも前方(図3では右側)であってテープ通路46に下方から臨む位置に設けられている。一方、第2テープ検知センサ48bは、上側通路46aに上方から臨む位置に設けられており、これにより、上側通路46aにおける部品供給テープ60の有無を検知する。
前記操作部51は、オペレータが必要に応じて部品供給テープ60の送出および逆送を行うものである。操作部51は、テープ送出用及びテープ逆送用の操作ボタン51aと、テープフィーダ5の作動状態などを示すLED表示部51b(図9参照)を備えている。
前記フィーダ制御部49は、テープフィーダ5の駆動を制御するものである。具体的には、フィーダ制御部49は、前記操作ボタン51aの操作に基づき、前側モータ53及び後側モータ57の駆動を制御する。また、フィーダ制御部49は、テープフィーダ5の作動状態などを報知すべくLED表示部51bを制御する。図示を省略するが、前記フィーダ取付部32には、各テープフィーダ5と部品実装装置1の後記制御装置70とを電気的に接続するためのコネクタが備えられており、フィーダ制御部49は、当該コネクタ等を介して制御装置70に電気的に接続されている。つまり、フィーダ制御部49は、上記操作部51が操作を受けることにより当該操作に応じてテープフィーダ5の駆動を制御するとともに、制御装置70からの制御信号の入力に基づきテープフィーダ5の駆動を制御する。なお、当実施形態では、第2テープ検知センサ48bが本発明の「センサ」に相当し、LED表示部51bが、本発明の表示部及び報知部に相当する。
[部品供給テープ60の装着方法]
上述したテープフィーダ5は、いわゆるスプライシングレス方式のテープフィーダである。つまり、テープフィーダ5は、部品供給テープ60の先端を前記上側通路46aにセットして操作ボタン51aを操作すると、部品供給テープ60が自動的に部品取出位置P1にローディングされ、また、部品補充用の部品供給テープ60を前記上側通路46aにセットしておけば、先行してテープフィーダ5に装着されている部品供給テープ60が全て送出された後、後続する部品供給テープ60が自動的に部品供給位置P1にローディングされるものである。以下、テープフィーダ5に対する部品供給テープ60の装着方法について説明する。
まず、先行する部品供給テープ60の装着方法について説明する。
オペレータは、テープ支持部材50をフィーダ本体部41に固定し、リール支持部36の下段のリールホルダ37にリール65を取り付ける。この際、オペレータは、部品照合を行うために、後記バーコードリーダ84によりリール65に貼られた後記バーコード66(部品ID)を読み取る。この点については後に詳述する。
そして、このリール65から部品供給テープ60を引き出し、その先端部をフィーダ本体部41の後方から上側通路46aに挿入する。これにより、部品供給テープ60の先端部を後側スプロケット56に係合させた状態で、当該先端部をテープ支持部材50(支持片50a)により支持させる。
次に、オペレータは、操作ボタン51a(テープ送出用ボタン)を押圧操作し、部品供給テープ60をローディングさせる。具体的には、図2及び図3に示すように、部品供給テープ60の先端部が前側スプロケット52に係合する位置まで当該部品供給テープ60を送出させる。これにより、先行する部品供給テープ60のテープフィーダ5への装着が完了する。
部品実装作業中は、実装プログラムに従って制御装置70から出力される制御信号に基づき、フィーダ制御部49によって前側モータ53の駆動が制御される。これにより、ヘッド20による部品の取り出しに伴い間歇的に部品供給テープ60の送出が行われる。なお、後側スプロケット56は、部品実装に伴う部品供給テープ60の送出に伴い空転可能に構成されており、よって、部品供給テープ60のローディング時以外は、原則、後側モータ57は停止される。
次に、後続する部品供給テープ60の装着方法について、図5〜図8を用いて説明する。なお、図5〜図8では、テープの区別のため、先行する部品供給テープ60の符号に文字「P」を添付し、後続する部品供給テープ60の符号に文字「F」を添付している。
まず、オペレータは、フィーダ本体部41からテープ支持部材50を取り外す。テープ支持部材50を取り外すと、図5に示すように、先行する部品供給テープ60Pがその自重によってテープ通路46の底面部に変位する。これにより、先行する部品供給テープ60Pが後側スプロケット56から離れ、これらの係合が解除される。
次に、オペレータは、テープ支持部材50をフィーダ本体部41に装着し、図6に示すように、先行する部品供給テープ60Pが巻回されたリール65を下段のリールホルダ37から上段のリールホルダ37に移し替える。
その後、図7に示すように、後続する部品供給テープ60Fが巻回されたリール65を下段のリールホルダ37に取り付け、このリール65から部品供給テープ60Fを引き出し、その先端部をフィーダ本体部41の後方から上側通路46aにセットする。すなわち、部品供給テープ60Fの先端部を上側通路46aに挿入し、当該先端部を後側スプロケット56に係合させた状態で、当該先端部を支持片50aにより支持させる。これにより、後続する部品供給テープ60Fのテープフィーダ5への装着が完了する。なお、後続する部品供給テープ60Fをセットする際も、先行する部品供給テープ60Pの場合と同様に、部品照合のために、後記バーコードリーダ84によりリール65に貼られた後記バーコード66(部品ID)を読み取る。
後続する部品供給テープ60Fのテープフィーダ5への装着は、先行する部品供給テープ60Pの送出を何ら阻害しない。そのため、後続する部品供給テープ60Fのテープフィーダ5への装着は、先行する部品供給テープ60Pがテープフィーダ5に装着されたままの状態で支障無く行うことができる。
なお、部品実装作業中、先行する部品供給テープ60Pが全てリール65から引き出され、図8に示すように、その後端が前記第1テープ検知センサ48aの位置を通過して、先行する部品供給テープ60Pが無いことが検知されると、フィーダ制御部49により後側モータ57が駆動されて、後続する部品供給テープ60Fが部品供給位置P1にローディングされる。つまり、後側スプロケット56が回転し、当該回転に伴い、前側スプロケット52に係合する位置まで後続する部品供給テープ60Fが送出される。これにより、先行する部品供給テープ60Pから後続する部品供給テープ60Fへの移行が自動的に行われる。
これ以降は、上段のリールホルダ37からリール65を取り外し、現在の部品供給テープ60Fを先行する部品供給テープ60Pとして、上記と同様の手順で、後続する部品供給テープ60Fをテープフィーダ5に装着することにより、テープフィーダ5による部品の供給を継続的に、連続して行うことが可能となる。
[部品実装装置1の制御系]
次に、部品実装装置1の制御系について図9のブロック図を用いて説明する。
部品実装装置1は、図9に示すような制御装置70を備えている。この制御装置70は、部品実装装置1の動作を統括的に制御する演算処理部71と、実装プログラム等が格納された記憶部72と、X、Y、Z及びR軸の各サーボモータ13、16、24、25の駆動を制御するモータ制御部73と、部品認識カメラ7及び基板認識カメラ26から出力される画像データに所定の処理を施す画像処理部74と、外部入出力部75と、フィーダ通信部76とを含む。
演算処理部71は、CPUやメモリで構成されたコンピュータであり、バス78を介して記憶部72、モータ制御部73、画像処理部74、外部入出力部75及びフィーダ通信部76と接続されている。
演算処理部71は、部品実装部71a、部品照合部71b、テープ誤装着検知部71c、及びタイマー部71dを含む。部品実装部71aは、所定の部品実装処理を実行するとともに、これに伴う各種演算処理を実行する。部品照合部71bは、後記バーコードリーダ84により部品ID(部品の識別情報)が読み取られたときに所定の部品照合処理を実行する。テープ誤装着検知部71cは、部品供給テープ60がテープフィーダ5に装着されたか否かを監視するとともに、部品供給テープ60の誤装着が発生した場合にこれを検知して報知するテープ監視処理を実行する。タイマー部71dは、上記部品照合処理において、所定の設定時間を計時するものである。なお、部品照合処理およびテープ監視処理については、後に詳述することにする。
記憶部72には、実装プログラム及びこれを実行するために必要なデータを記録した各データベースが格納されている。データベースには、さらに、上記部品照合処理に必要な各種データも格納されている。具体的には、図10に概念的に示すように、部品供給ユニット4における各テープフィーダ5のセット位置(セット位置情報)、すなわちフィーダ取付部32におけるスロット34の位置と、そこに配置される部品の識別情報(部品ID)とを関連付けた部品照合データ(本発明の「部品照合情報」に相当する)が格納されている。各スロット34には、互いに異なるスロット番号が割り当てられており、このスロット番号によって各スロット34の位置、すなわちセット位置が特定されるようになっている。なお、部品照合データには、部品IDに対応する部品の名称、種類、製造ロット等の情報も含まれる。前記ヘッドユニット6は、図10の部品照合データに基づき、所望の部品IDの部品を供給するテープフィーダ5がセットされているセット位置のテープフィーダ5から部品を取り出すように制御される。
フィーダ通信部76は、フィーダ専用インターフェースであり、部品供給ユニット4に配置されるテープフィーダ5は全て、固定台35の前記コネクタを介してこのフィーダ通信部76に接続されている。
外部入出力部75は、テープフィーダ以外の機器のインターフェースである。この外部入出力部75には、各種情報を表示するための液晶表示装置などの表示装置81、キーボードなどの入力装置82、部品実装装置1やテープフィーダ5に異常が発生した場合にオペレータに報知するための警告灯83、およびバーコードリーダ84等が接続されている。なお、表示装置81は、本発明の報知部に相当する。
バーコードリーダ84は、部品供給テープ60が巻回されたリール65に付された部品識別用バーコード66(図2参照/本発明の記録部に相当する)を読み取るものである。部品識別用バーコード66(以下、バーコード66と略す)は、当該リール65に巻回された部品供給テープ60に収納された部品の部品ID、その他、当該部品に関する各種情報をコード化して記録したものであり、例えばリール側面に設けられている。オペレータは、テープフィーダ5に部品供給テープ60をセットする際には、リール65に設けられたバーコード66をバーコードリーダ84で読み取るようになっている。
当例では、テープフィーダ5の第2テープ検知センサ48b、LED表示部51b、バーコードリーダ84、演算処理部71(部品照合部71b、テープ誤装着検知部71c、タイマー部71d)及び記憶部72等により本発明のテープ誤装着検知システムが構成されている。
なお、演算処理部71(部品実装部71a)の制御に基づく部品実装装置1の部品実装動作は次の通りである。まず、ヘッドユニット6が部品供給ユニット4上に移動し、各ヘッド20によりテープフィーダ5から部品の取り出しが行われる。その後、ヘッドユニット6が最寄りの部品認識カメラ7上を通過することにより、各ヘッド20に吸着された部品が当該部品認識カメラ7に撮像され、部品の吸着状態が認識される。そして、ヘッドユニット6が基板P上に移動し、各ヘッド20の吸着部品が順次基板Pに実装される。このとき、部品認識結果に応じてヘッドユニット6の位置及びヘッド20の回転角度等が制御されることで、基板Pの各搭載点に部品が適切に実装される。これにより実装動作の一サイクルが終了し、必要に応じてこの動作が繰り返されることで所要の部品が基板Pに実装される。
[演算処理部71による各種処理制御]
部品実装装置1に搭載されるテープフィーダ5は、上述の通りスプライシングレス方式のテープフィーダである。このテープフィーダ5では、予め部品供給テープ60をセットしておけば、部品実装作業の開始に伴い自動的にテープ送出動作が開始され、また、後続する部品供給テープ60については、テープ繋ぎ合わせ作業を伴うことなく連続的に部品を供給できるというメリットがある。しかし、部品供給テープ60が対象外のテープフィーダ5に誤装着されたまま放置されると、当該テープフィーダ5において部品の供給不良や故障を誘発したり、間違った部品が基板Pに搭載されること考えられる。そのため、この部品実装装置1では、このようなトラブルを回避すべく、バーコードリーダ84により前記部品IDが読み取られたときに、部品照合部71bにより所定の部品照合処理が実行される。また、部品供給テープ60がテープフィーダ5に装着されたか否かを監視するとともに、部品供給テープ60の誤装着が発生した場合にこれを検知して報知するテープ監視処理がテープ誤装着検知部71cによって実行される。以下、これらの処理について詳しく説明する。
なお、演算処理部71は、部品照合処理の結果、テープフィーダ5(のセット位置情報)と部品IDとが適合した場合にのみ、部品供給テープ60のローディングを許容するようにフィーダ制御部49に制御信号を出力する。すなわち、演算処理部71は、テープフィーダ5と部品IDとが不適合である場合には、部品供給テープ60のローディングを禁止する。従って、テープフィーダ5と部品IDとが不適合である場合には、部品供給テープ60がテープフィーダ5に装填されて操作ボタン51aが操作された場合でも、当該部品供給テープ60のローディングは実行されず、また、後続する部品供給テープ60については、先行する部品供給テープ60が全て送出された場合でも(部品供給テープ60の後端が第1テープ検知センサ48aの位置を通過して先行する部品供給テープ60が無いことが検知された場合でも)、当該後続する部品供給テープ60のローディングは実行されない。
1.部品照合処理
以下の説明では、便宜上、部品供給テープ60を「テープ60P」と略す。
図11は、部品照合処理を示すフローチャートである。
部品照合処理は、リール65のバーコード66(部品ID)がバーコードリーダ84で読み取られることにより実質的にスタートする。すなわち、テープフィーダ5にテープ60Fを装着する際には、オペレータにより、バーコードリーダ84によるバーコード66の読み取り作業が行われるため、部品照合部71bは、部品IDの読み込みを待って(ステップS1)、部品IDが読み込まれると、部品照合処理フラグを設定する(ステップS3)。
次に、部品照合部71bは、読み込まれた部品IDとデータベースの前記部品照合データ(図10参照)とに基づき、当該部品IDに対応する部品を装着すべきテープフィーダ5のセット位置、つまりスロット番号を特定し、さらに当該セット位置(以下、対象セット位置という)にセットされたテープフィーダ5(以下、対象フィーダ5という)に制御信号を出力することにより、当該テープフィーダ5の前記LED表示部51bを点灯(若しくは点滅)させ(ステップS5、S7)、その後、タイマー部71dを作動させる(ステップS9)。このように対象テープフィーダ5のLED表示部51bを点灯させることで、オペレータによる対象フィーダ5の特定を容易にさせる。
なお、タイマー部71dは、所定の設定時間を計時する。この設定時間は、前記LED表示部51bの点灯後、オペレータがテープ60をテープフィーダ5に装着し、さらに当該装着したテープ60を直ちに一乃至複数回、テープフィーダ5に対して装着し直すことが可能な時間(30秒程度)に設定されている。
次に、部品照合部71bは、対象フィーダ5の前記第2テープ検知センサ48bからの出力信号を参照し(ステップS11)、当該対象フィーダ5にテープ60が装着されたか否かを判断する(ステップS13)。当例では、例えば第2テープ検知センサ48bからの信号はフィーダ制御部49を介して制御装置70に出力される。この際、テープ60が無い場合にはレベル「0」、テープ60が有る場合にはレベル「1」の信号が制御装置70に出力される。従って、部品照合部71bは、その信号レベルに基づきテープ60が装着されたか否かを判断する。
ステップS13でYesと判断した場合には、部品照合部71bは、テープ有無データ(本発明の「テープ有無情報」に相当する)のうち、対象セット位置におけるテープ60のデータを「無」から「有」に変更し、当該テープ有無データを更新的に記憶する(ステップS15)。テープ有無データとは、各セット位置におけるテープ60の有無を示すデータであり、当該テープ有無データは、上記データベースに更新的に格納される。
ステップS13でYesと判断されたことにより、部品照合が正しくできたこと、すなわち所望の部品IDの部品を供給するテープ60が正しいセット位置にセットされたことが部品照合部71bにより確認されることとなる。部品照合部71bは記憶部72にこのことを記憶し、先行するテープ60の部品切れの検出や操作ボタン51aの操作等によるテープ60のローディング指令が発せられた時にテープ60のローディングを実施することになる。
そして、部品照合部71bは、対象フィーダ5に制御信号を出力してLED表示部51bを消灯させ、さらに部品照合処理フラグを解除した後(ステップS17、S19)、当該部品照合処理を終了する。
一方、ステップS13でNoと判断した場合、すなわち、対象フィーダ5にテープ60が装着されていないと判断した場合には、部品照合部71bは、タイムアウトか否か、すなわち、タイマー部71dによる上記設定時間の計時が完了したか否かを判断する(ステップS21)。ここで、Noの場合には、部品照合部71bは、ステップS11に処理を移行し、Yesの場合には、ステップS17に処理を移行する。
つまり、部品照合部71bは、上記設定時間内に対象フィーダ5にテープ60が装着された場合には、対象セット位置のテープ有無データを更新したうえで、部品照合処理フラグを解除する。一方、部品照合部71bは、上記設定時間内に対象フィーダ5にテープ60が装着されなかった場合には、対象セット位置のテープ有無データを更新することなく、部品照合処理フラグを解除する。
なお、当実施形態では、部品照合処理中の主にステップS11〜S15の処理が、本発明の「照合更新処理」に相当する。
2.テープ監視処理
図12は、テープ監視処理を示すフローチャートである。
上記部品照合処理がバーコードリーダ84によるバーコード66の読み取りによって実質的に実行されるのに対して、テープ監視処理は、例えば部品実装装置1が起動された時点から継続的に実行される。
テープ監視処理がスタートすると、テープ誤装着検知部71cは、セット位置カウンタのカウンタ値に初期値「1」をセットし(ステップS31)、何れかのテープフィーダ5について部品照合処理が実行中か否か、すなわち部品照合処理フラグ(図11のステップS3)が設定されているか否かを判断する(ステップS33)。
ここで、Noの場合には、テープ誤装着検知部71cは、カウンタ値「n」に対応するセット位置の第2テープ検知センサ48b、つまりスロット番号「n」のスロット34にセットされたテープフィーダ5の第2テープ検知センサ48bの出力信号を参照し(ステップS35)、当該テープフィーダ5からテープ60が取り外されたか否かを判断する(ステップS37)。具体的には、テープ誤装着検知部71cは、第2テープ検知センサ48bからの信号レベルに基づきテープ60の有無を判断し、さらにその結果とテープ有無データとに基づき、テープ60が取り外されたか否かを判断する。つまり、テープ有無データのうち、セット位置「n」のデータが「有」で、かつ、第2テープ検知センサ48bからの信号レベルが「0」の場合には、テープ誤装着検知部71cは、テープ60が取り外されたと判断する。従って、テープ誤装着検知部71cは、テープ60が前記上側通路46aから抜かれた(抜けた)場合の他、支持部材50の抜き差しにより先行テープ60Fが上側通路46aから下側通路46bに移され、これにより第2テープ検知センサ48bからの信号レベルが「0」となっている場合も、テープ60が取り外されたと判断する。
ステップS37でYesの場合には、テープ誤装着検知部71cは、テープ有無データのうち、セット位置「n」のデータを「有」から「無」に変更し、当該テープ有無データを更新的に記憶する(ステップS49)。さらに、テープ誤装着検知部71cは、当該セット位置「n」のテープフィーダ5について後記警告処理が実行されているか否かを判断し(ステップS51)、実行されていると判断した場合には当該警告処理を停止し(ステップS53)、その後、処理をステップS41に移行する。
一方、ステップS37でNoの場合には、テープ誤装着検知部71cは、セット位置「n」のテープフィーダ5にテープ60が装着されたか否かを判断する(ステップS39)。具体的には、テープ有無データのうち、セット位置「n」のデータが「無」で、かつ、第2テープ検知センサ48bからの信号レベルが「1」の場合には、テープ誤装着検知部71cは、テープ60が装着されたと判断する。
ステップS39でNoの場合には、テープ誤装着検知部71cは、ステップS41に処理を移行する。一方、ステップS39でYesの場合には、テープ誤装着検知部71cは、テープ60の誤装着が発生したとして警告処理を実行する(ステップS45)。例えば、テープ誤装着検知部71cは、制御信号を出力することにより、テープ60に誤装着が発生した旨及びそのセット位置「n」を表示装置81に表示させるとともに警告灯83を作動させる。さらに、テープ誤装着検知部71cは、セット位置「n」にセットされたテープフィーダ5に制御信号を出力することにより、前記LED表示部51bを点灯(若しくは点滅)させる。これにより、テープ60に誤装着が発生した事実と該当するセット位置及びテープフィーダ5をオペレータに報知する。そして、テープ誤装着検知部71cは、テープ有無データのうち、セット位置「n」におけるテープ60のデータを「無」から「有」に変更し、当該テープ有無データを更新的に記憶し(ステップS47)、処理をステップS41に移行する。
ステップS35〜S39およびステップS45〜S49の処理は、ステップS33でNoと判断された場合に実行される。すなわち、部品照合処理の実行期間以外の期間に実行される。そのため、バーコードリーダ84によるバーコード66の読み取りが行われることなくテープ60が対象フィーダ5に装着された場合、すなわち部品照合処理をすることなくテープ60が対象フィーダ5に装着された場合や、対象外のテープフィーダ5にテープ60が装着された場合には、ステップS39でYesと判断され、それらのテープ60は全て誤装着として検知され、警告処理の対象となる。
なお、ステップS33でYesと判断した場合、すなわち、何れかのテープフィーダ5について部品照合処理が実行中の場合には、テープ誤装着検知部71cは、ステップS35〜S39およびステップS45〜S49の処理をスキップしてステップS41に処理を移行する。
ステップS41では、テープ誤装着検知部71cは、セット位置カウンタのカウンタ値がセット位置の総数Nに等しいか否かを判断し、ここでNoの場合には、カウンタ値を「1」だけインクリメントしてステップS33に処理を移行する(ステップS55)。一方、Yesの場合には、カウンタ値を「0」にリセットした後(ステップS43)、ステップS1にリターンする。
このように、テープ誤装着検知部71cは、部品照合処理の実行期間以外の期間に、第2テープ検知センサ48bから出力される信号に基づき、各テープフィーダ5におけるテープ60の有無を検知しつつ各セット位置のテープ有無データを更新するとともに、テープ60が「無」から「有」へ変更するセット位置が発生した場合には、テープ60の誤装着が発生したものとして検知し、警告処理を実行する。つまり、当実施形態では、部品照合処理の実行期間以外の期間に実行される上記テープ監視処理が本発明の「誤装着検知処理」に相当する。
[作用効果]
この部品実装装置1では、何れかのテープフィーダ5にテープ60を装着する場合には、オペレータが、リール65に設けられたバーコード66をバーコードリーダ84で読み取り、部品IDを演算処理部71に読み込む必要がある。
オペレータがバーコード66の読み取りを適切に行った場合には、当該テープ60を装着すべき対象フィーダ5のLED表示部51bが点灯される(図11のステップS7)。そのため、オペレータは、このLED表示部51bの点灯を手掛かりにテープ60を対象フィーダ5に速やかに装着することができる。
そして、テープ60が対象フィーダ5に適切に装着された場合には、テープ有無データのうち、対象セット位置のデータが更新され、LED表示部51bが消灯する(図11のステップS13〜S17)。そのため、オペレータは、対象フィーダ5にテープ60が装着されたことを認識することができる。
一方、バーコード66の読み取りを行うことなくオペレータがテープ60をテープフィーダ5に装着した場合(以下、第1事例という)や、バーコード66の読み取りは行ったが、対象外のテープフィーダ5にテープ60を装着したことにオペレータが気づかず放置された場合(以下、第2事例という)には、警告処理が実行される(図12のステップS45)。
これは、第1事例の場合には、バーコード66の読み取りが行われないため(図11のステップS1でNo)、部品照合処理フラグが設定されない、つまり部品照合処理が実行されないことが理由である。従って、テープ監視処理において、部品照合処理の実行期間以外の期間にテープフィーダ5にテープ60が装着されたと判断され(図12のステップS39でYes)、その結果、警告処理が実行される。この場合には、テープ60とこれが装着されたテープフィーダ5(セット位置)との関係が正しいか否かに拘わらず警告処理が実行される。
一方、第2事例の場合には、テープ60が対象フィーダ5以外のテープフィーダ5に誤装着されたまま放置されることで、部品照合処理においてテープ有無データが更新されないことが理由である。すなわち、テープ有無データのうち、対象セット位置のデータが「無」のままでタイムアウトとなることで(図11のステップS21でYes)、結局、第1事例と同様に、テープ監視処理において、部品照合処理の実行期間以外の期間に、テープフィーダ5にテープ60が装着されたと判断される(図12のステップS39でYes)。その結果、警告処理が実行されることとなる。
従って、この部品実装装置1によれば、上記第1事例のような誤作業や上記第2事例のようなテープ60の誤装着が発生した場合でも、その状態を検知することができ、この状態が放置されることに起因してテープフィーダ5に部品供給不良などのトラブルが発生することを抑制することが可能となる。
警告処理が実行された場合には、オペレータは、テープ60を一旦テープフィーダ5から取り外し、適切な手順でテープ60を装着し直せばよい。すなわち、バーコードリーダ84でバーコード66を読み取り、その後、テープ60を対象フィーダ5に装着し直せばよい。テープ60を一旦取り外せば、警告灯83及びLED表示部51bの点灯(点滅)が停止され、テープ有無データのうち、該当するセット位置のデータが「有」から「無」に変更されるため(図12のステップS37、S49〜S53)、その後の部品照合処理は支障なく実行されることとなる。
なお、上記部品照合処理では、テープ60が対象外のテープフィーダ5に装着された場合でも、タイマー部71dにより設定時間が計時されるまでは部品照合処理フラグが解除されない(図11のステップS13、S21)。そのため、オペレータがうっかりテープ60を誤装着してしまい、直ぐにそれに気づいた場合にまで一律に誤装着として検知される場合のような煩雑さがない、という利点もある。
つまり、テープ60がテープフィーダ5に誤装着された時点で直ちに警告処理を実行することも考えられるが、これでは、すぐに誤装着に気づいて装着し直せるような場合でも警告処理が実行されることとなり非常に煩雑である。
この点、上記部品実装装置1によれば、対象フィーダ5のLED表示部51bの点灯後、タイマー部71dによる設定時間の計時が完了するまでにテープ60が対象フィーダ5にセットされれば、テープ有無データが更新される。そのため、仮に、テープ60が対象外のテープフィーダ5に誤装着され場合でも、上記設定時間内にオペレータがテープ60を装着し直せば、警告処理が実行されることがない。従って、この部品実装装置1によれば、テープ60の誤装着を適切に検知しながらも、上述のような煩雑さを解消することができる。
特に、上記設定時間は、オペレータがテープ60をテープフィーダ5に装着し、さらに当該装着したテープ60を直ちに一乃至複数回、装着し直すことが可能な時間(30秒程度)に設定されている。そのため、テープ60を誤装着した場合でも、オペレータは、余裕を持って正確かつ確実にテープ60を装着し直すことができるという利点がある。
また、上記部品実装装置1によれば、部品IDの読み取りが行われたテープ60が装着されるべきテープフィーダ5との関係でのみ部品照合が行われるので、テープ60が適切に装着されたときにはその反応が早く、当該テープ60のローディングをより速やかに行うことができるという利点もある。
[部品照合処理の変形例]
次に、部品照合処理の変形例について説明する。
図13は、部品照合処理の変形例を示すフローチャートである。図13に示す部品照合処理は、図11に示した部品照合処理の一つの課題を解決するものである。
具体的には、部品ID(バーコード66)が読み込まれたテープ60がテープフィーダ5に装着された後、タイムアウト前に、部品IDが読み込まれることなく一乃至複数のテープ60が続けて装着された場合に、テープ60の誤装着が見逃される虞がある、という課題を解決するものである。この課題について、以下、図14〜図16を用いてより具体的に説明する。
図14〜図16は、セット位置「Sp1」〜「Sp6」にセットされた各テープフィーダ5の第2テープ検知センサ48bからの出力信号を示すタイミングチャートである。ts時点は、テープ60の部品IDに基づき対象セット位置が特定された時点(図11のステップS5)である。t1時点は、1つ目のテープ60、すなわち部品IDが読み込まれたテープ60が装着された時点である。t2時点は、2つ目のテープ60、すなわち部品IDが読み込まれていないテープ60が装着された時点である。te時点は、タイムアウト(図11のステップS21でYes)の時点である。図14〜図16の何れの例も、対象セット位置は「Sp2」とする(図中に丸印で示す)。
図14の例では、部品IDが読み込まれたテープ60(以下、対象テープ60という)が対象フィーダ5に装着され、その後、他のテープ60がセット位置「Sp4」のテープフィーダ5に装着されている。
図14の例では、対象テープ60が対象フィーダ5に装着されているので、その時点で部品照合処理フラグが解除される(図11のステップS15〜S19)。そのため、2つ目のテープ60は、部品照合処理の実行期間以外の期間にテープフィーダ5に装着されもの、つまり、誤装着されたものとして検知され、警告処理が実行される(図12のステップS39、S45)。従って、図14の例は特に問題はない。
図15の例では、対象テープ60が対象外のテープフィーダ5(セット位置「Sp3」のテープフィーダ5)に装着され、その後、2つ目のテープ60がセット位置「Sp5」のテープフィーダ5に装着されている。
図15の例では、対象テープ60が対象フィーダ5に装着されていないため、テープ有無データが更新されないままタイムアウトを向かえる(図11のステップS21でYes)。よって、セット位置「Sp3」、「Sp5」のテープフィーダ5に装着されたテープ60は、何れも部品照合処理の実行期間以外の期間に誤装着されたものとして警告処理の対象となる(図12のステップS39、S45)。従って、図15の例も特に問題はない。
一方、図16の例では、対象テープ60が対象外のテープフィーダ5(セット位置「Sp4」のテープフィーダ5)に装着され、その後、タイムアウト前に2つ目のテープ60がセット位置「Sp2」のテープフィーダ5、つまり、先に装着された対象テープ60が装着されるべき対象フィーダ5に装着されている。
ここで、部品照合部71bは、単に、対象フィーダ5の第2テープ検知センサ48bの信号レベルに基づいて対象テープ60が装着されたか否かを判断するため、図16の例の場合、部品照合部71bは、t2時点で、対象フィーダ5に対象テープ60が装着されたものと判断する(図11のステップS11〜S15)。そのため、セット位置「Sp4」の誤装着は検知されるが、セット位置「Sp2」については、対象テープ60が装着されていないにも拘わらず、誤装着が検知されないという事態が発生する。
このように、図11の部品照合処理によると、図16の例のようなテープ60の誤装着が看過される虞がある、という課題がある。
図13のフローチャートに示す部品照合処理は、このような図11に示した部品照合処理の課題を解決するものである。
図13に示すフローチャートは、図11に示した部品照合処理のフローチャートにステップS4の処理が追加され、さらにステップS15とステップS17との間にステップS161〜S163の処理が追加されたものである。そのため、図13では、図11と共通するステップについては大部分を省略し、要部のみ示している。
図13に示す部品照合処理では、部品照合部71bは、部品照合処理フラグを設定した後(ステップS3)、全テープフィーダ5の第2テープ検知センサ48bからの出力信号を参照し、テープ60の総数N1を検出する(ステップS4)。
また、テープ有無データを更新した後(ステップS15)、部品照合部71bは、全テープフィーダ5の第2テープ検知センサ48bからの出力信号を参照し、再度、テープ60の総数N2を検出する(ステップS161)。
そして、部品照合部71bは、ステップS161で検出した総数N2とステップS4で検出した総数1との差が2以上か否かを判断し、Noと判断した場合には、ステップS17に処理を移行し、Yesと判断した場合には、ステップS15で更新したテープ有無データを更新前のデータにリセットした上で、ステップS17に処理を移行する。
つまり、対象フィーダ5にテープ60が装着された場合(ステップS13でYes)であっても、装着されたテープ60の総数が2つ以上増えている場合には、図16の例のような事態が発生していると考えられる。
そこで、テープ60の総数が2つ以上増えている場合には、一旦更新したテープ有無データを更新前のデータにリセットする(ステップS162、S163)。このように、テープ有無データが更新前のデータにリセットされると、部品照合処理中に装着されたテープ60は、テープ監視処理において全て誤装着として検知され、警告処理の対象となる(図11のステップS39、S45)。そのため、これを機に、オペレータにより各テープ60が装着し直されることにより、図16の例のようなテープ60の誤装着が看過されることが抑制されることとなる。
なお、当実施形態では、ステップS4の処理が本発明の「第1検知処理」に相当し、ステップS161の処理が本発明の「第2検知処理」に相当し、ステップS162、S163の処理が本発明の「リセット処理」に相当する。
[その他の変形例]
以上、本発明が適用された部品実装装置1について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成も適用可能である。
(1)上記実施形態では、部品供給ユニット4は、部品実装装置1に一体(着脱不能)に組み込まれている。しかし、部品供給ユニット4は、部品実装装置1の装置本体に着脱可能に合体されるものであってもよい。具体的には、図17に示すように、部品供給ユニット4は、前記フィーダ取付部32、前記固定台35、前記リール支持部36及び前記ガイドローラ38を備えたユニットフレーム39と、当該ユニットフレーム39を移動可能に支持する複数のキャスター39aとを備え、ヘッドユニット6等を備えた、部品実装装置1の装置本体に対して着脱可能に構成されたものであってもよい。この構成によれば、テープフィーダ5が段取りされた部品供給ユニット4を装置本体から離れた場所で事前に準備しておき、当該部品供給ユニット4と先に装置本体にセットされている部品供給ユニット4とを交換することで、複数のテープフィーダ5(部品)を一括交換することができる。そのため、生産基板の品種切り替えなどに速やかに対応できるという利点がある。
この場合には、上記部品照合処理および上記テープ監視処理を実行するためのプログラム及びデータベースが格納されたパーソナルコンピュータ等であって上記部品照合部71b、テープ誤装着検知部71c及びタイマー部71d等の機能を備えた外部制御装置80(図17参照)と、当該外部制御装置80と通信可能なバーコードリーダ(図示省略)とを予め準備しておく。そして、当該部品供給ユニット4へのテープフィーダ5の段取りの際には、部品供給ユニット4に対して外部制御装置80を通信可能に接続し、当該外部制御装置80により上記部品照合処理および上記テープ監視処理を実行するようにする。この構成によれば、装置本体から離れた場所でも、上記部品照合処理及び上記テープ監視処理を実行でき、上記実施形態と同様に、テープ60の誤装着を適切に検知して警告処理を実行することができる。
なお、外部制御装置80がパーソナルコンピュータの場合には、上記警告灯83や表示装置81の代わりに、ディスプレイ画面を通じてテープ60の誤装着が発生した事実と、該当するセット位置及びテープフィーダ5とを報知するようにすればよい。
(2)上記実施形態では、上記テープフィーダ5は、図4に示すように、カバーテープ64をその幅方向中央で長手方向に沿ってカットしながら外側に折り返すことで、部品C1を外部露出させる。しかし、テープフィーダ5は、図18に示すように、カバーテープ64の幅方向一端を長手方向に沿って剥離させつつ幅方向他端に折り返すように構成されたものでもよい。また、テープフィーダ5は、カバーテープ64をテープ本体62から剥ぎ取りながら巻き取るタイプのものであってもよい。テープフィーダ5としては種々のタイプのものが適用可能である。
(3)上記実施形態では、部品ID(部品の識別情報)を記録した記録部としてリール65にバーコード66が設けられているが、記録部は、QRコード(登録商標)等のバーコード66以外の二次元コードやICチップなどであってもよい。また、リール65に記録部を設ける以外に、二次元コードを部品供給テープ60に印刷することにより、部品供給テープ自体に記録部を設けるようにしてもよい。
[参考例]
上記部品照合部71bが実行する部品照合処理、及びテープ誤装着検知部71cが実行する上記テープ監視処理は、図11、図12のフローチャートに示したもの以外に、図19、図20のフローチャートに示すものも適用可能である。
図19、図20の例は、それぞれ、図11、図12の例の変形例であるが、後述する点で本発明からは逸脱する。しかし、テープフィーダに対して部品供給用のテープが適切に装着されなかった場合にこれを検知する、という本発明と共通する課題を解決し得るものである。そのため、ここで参考例として説明する。
1.部品照合処理(参考例)
図19は、部品照合処理の参考例を示すフローチャートである。
まず、部品照合部71bは、バーコードリーダ84による部品ID(バーコード66)の読み込みを待ち(ステップS61)、部品IDが読み込まれると(ステップS61でYes)、部品IDとデータベースの部品照合データ(図10参照)とに基づき対象セット位置を特定し、対象フィーダ5の前記LED表示部51bを点灯(若しくは点滅)させるとともに、タイマー部71dを作動させる(ステップS63〜S66)。
次に、部品照合部71bは、対象セット位置についてテープ装着許可フラグを設定し(ステップS67)、その後、対象フィーダ5の第2テープ検知センサ48bからの出力信号を参照し、当該対象フィーダ5にテープ60が装着されたか否かを判断する(ステップS71)。
ここでYesの場合には、部品照合部71bは、対象フィーダ5のLED表示部51bを消灯させ、さらに、部品装着許可フラグを解除した後(ステップS75、S77)、当該部品照合処理を終了する。一方、ステップS71でNoと判断した場合には、部品照合部71bは、タイムアウトか否か、すなわち、タイマー部71dにより設定時間が計時されたか否かを判断する(ステップS79)。そして、ここでNoの場合には、ステップS69に処理を移行し、Yesの場合には、ステップS75に処理を移行する。
ステップS71でYesと判断されたことにより、部品照合が正しくできたこと、すなわち所望の部品IDの部品を供給するテープ60が正しいセット位置にセットされたことが部品照合部71bにより確認されることとなる。部品照合部71bは記憶部72にこのことを記憶し、先行するテープ60の部品切れの検出や操作ボタン51aの操作等によるテープ60のローディング指令が発せられた時にテープ60のローディングを実施することになる。
2.テープ監視処理(参考例)
図20は、テープ監視処理の参考例を示すフローチャートである。
まず、テープ誤装着検知部71cは、セット位置カウンタのカウンタ値に初期値「1」をセットし(ステップS81)、セット位置「n」の第2テープ検知センサ48bの出力信号を参照して(ステップS83)、当該テープフィーダ5からテープ60が取り外されたか否かを判断する(ステップS85)。ここでYesの場合には、テープ誤装着検知部71cは、テープ有無データのうち、セット位置「n」のデータを「有」から「無」に変更し、当該テープ有無データを更新的に記憶する(ステップS99)。さらに、テープ誤装着検知部71cは、当該セット位置「n」のテープフィーダ5について後記警告処理が実行されているか否かを判断し(ステップS101)、実行されていると判断した場合には当該警告処理を停止し(ステップS103)、その後、ステップS89に処理を移行する。
ステップS85でNoと判断した場合には、テープ誤装着検知部71cは、セット位置「n」のテープフィーダ5にテープ60が装着されたか否かを判断し(ステップS87)、Noの場合には、ステップS89に処理を移行する。
一方、ステップS87でYesと判断した場合には、テープ誤装着検知部71cは、テープ装着許可が有るか否か、すなわち、テープ装着許可フラグ(図19のステップS67)が設定されているか否かを判断する。そして、ここで、Noの場合には、テープ誤装着検知部71cは、警告処理を実行した後(ステップS97)、テープ有無データのうち、セット位置「n」のデータを「無」から「有」に変更し、当該テープ有無データを更新的に記憶し(ステップS95)、ステップS89に処理を移行する。一方、ステップS93でYesと判断した場合には、テープ誤装着検知部71cは、警告処理を実行することなく、ステップS95に処理を移行する。
ステップS89では、テープ誤装着検知部71cは、セット位置カウンタのカウンタ値がセット位置の総数Nに等しいか否かを判断し、ここでNoの場合には、カウンタ値を「1」だけインクリメントしてステップS83に処理を移行し(ステップS105)、Yesの場合には、カウンタ値を「0」にリセットした後(ステップS89)、ステップS81にリターンする。
3.参考例の作用効果
参考例の作用効果は、図11、図12の例に基づく作用効果と略同等である。すなわち、オペレータが、リール65に設けられたバーコード66をバーコードリーダ84で読み取ると、対象フィーダ5のLED表示部51bが点灯される。そのため、オペレータは、このLED表示部51bの点灯を手掛かりにテープ60を対象フィーダ5に速やかに装着することができる。そして、テープ60が対象フィーダ5に適切に装着された場合には、LED表示部51bが消灯する。この場合には、テープ有無データのうち、対象セット位置のデータが、テープ監視処理において更新される(図21のステップS95)。
一方、上述した第1、第2事例が発生した場合、すなわち、バーコード66の読み取りを行うことなくオペレータがテープ60をテープフィーダ5に装着した場合や、バーコード66の読み取りは行ったが、テープ60が対象外のテープフィーダ5に装着されたことにオペレータが気づかず放置した場合には、警告処理が実行される(図20のステップS97)。そのため、上記第1事例のような誤作業や上記第2事例のようなテープ60の誤装着が発生した場合でも、その状態を検知することができ、この状態が放置されることに起因してテープフィーダ5に部品供給不良などのトラブルが発生することを抑制することが可能となる。
このように、参考例の作用効果は、図11、図12の例に基づく作用効果と基本的には同様である。しかし、先に説明した図12のテープ監視処理では、テープ60の誤装着を検知するための実質的な処理(図12のステップS35〜S39およびステップS45〜S49の処理)が、部品照合処理の実行期間以外の期間に実行されるのに対して、図20のテープ監視処理では、テープ60の誤装着を検知するための処理(図20のステップS83〜S87およびステップS93〜S99の処理)が、部品照合処理の実行中であるか否かに拘わらず実行される。この点が、上記実施形態と上記参考例との一番の違いである。
以上説明した本発明をまとめると以下の通りである。
本発明は、複数のテープフィーダが配列された部品供給ユニットにおいて、部品供給用のテープが前記テープフィーダに誤装着されたことを検知するテープ誤装着検知システムであって、前記複数のテープフィーダに備えられ、それぞれ、テープを検知するセンサと、収納部品の識別情報が記録された記録部であってテープ又はテープが巻回されたリールに設けられた記録部から前記識別情報を読み取る読み取り装置と、前記部品供給ユニットにおけるテープフィーダのセット位置の情報であるセット位置情報と前記識別情報とを関連付けた部品照合情報が格納された記憶部と、前記読み取り装置により読み取られた識別情報と前記部品照合情報と前記センサからの出力とに基づいて、前記読み取り装置により読み取られた識別情報に対応するセット位置のテープフィーダにテープが装着されたか否かを判断し、装着されたと判断した場合に、当該セット位置におけるテープ有無情報を更新する照合更新処理を実行する部品照合部と、前記照合更新処理の実行期間以外の期間に、前記テープ有無情報と前記センサからの出力とに基づいてテープが装着されたテープフィーダを特定し、当該テープフィーダに装着されたテープを誤装着されたものとして検知する誤装着検知処理を実行するテープ誤装着検知部と、を備えるものである。
このテープ誤装着検知システムによれば、読み取り装置による識別情報の読み取りが行われることなくテープがテープフィーダに装着された場合には、照合更新処理が実行されないため(テープ有無情報が更新されないため)、当該テープは、誤装着検知処理において、照合更新処理の実行期間以外の期間に装着されたもの、つまり、誤装着されたものとして検知される。この場合には、テープは、その識別情報に対応するセット位置のテープフィーダに装着されたか否かに拘わらず、誤装着とされる。そのため、このテープ誤装着検知システムによれば、読み取り装置による識別情報の読み取りが行われることなくテープフィーダに装着されたテープがそのまま放置されることを抑制することが可能となる。
上記テープ誤装着検知システムは、テープの誤装着が発生した場合に、当該誤装着が発生したセット位置又は当該セット位置にセットされたテープフィーダを視覚的に特定することが可能な報知部を備えているのが好適である。
この構成によれば、テープの誤装着が発生したセット位置又は当該セット位置にセットされたテープフィーダを速やかに特定することが可能となる。そのため、テープを速やかに装着し直して、当該誤装着を解消することが可能となる。
上記テープ誤装着検知システムは、前記テープフィーダに対してテープを装着しかつ当該テープを装着し直すことが可能な時間として予め設定された設定時間を、前記読み取り装置による前記識別情報の読み取りに同期して計時するタイマーを備え、前記部品照合部は、タイマーによる前記設定時間の計時が完了するまでの間に、前記読み取り装置により読み取られた識別情報に対応するセット位置のテープフィーダにテープが装着された場合に、テープ有無情報を更新するものであるのが好適である。
この構成によれば、読み取り装置により識別情報が読み取られたテープを、前記識別情報に対応するセット位置以外のテープフィーダに誤って装着した場合でも、前記設定時間内に当該テープを装着し直すことで、誤装着として検知されることが回避される。そのため、オペレータが直ぐに誤装着に気づいてテープを装着し直せるような場合にまで、一律に誤装着として検知されるといった煩雑さを解消することが可能となる。
この場合、前記設定時間は、テープフィーダに対して前記テープを複数回装着し直すことが可能な時間であるのが好適である。
この構成によれば、オペレータは、より余裕をもってテープを装着し直すことで可能となる。そのため、テープの装着し直し作業をより正確かつ確実に行うことが可能となる。
この場合、前記部品照合部は、前記照合更新処理に先立ち、各テープフィーダにおけるテープの有無を検知する第1検知処理を実行するとともに、前記照合更新処理におけるテープ有無情報の更新後に、各テープフィーダにおけるテープの有無を検知する第2検知処理を実行し、前記第2検知処理で検知されたテープの総数が第1検知処理で検知されたテープの総数よりも2つ以上増えている場合には、前記照合更新処理で更新したテープ有無情報を、更新前の情報にリセットするリセット処理を実行するものであるのが好適である。
この構成によれば、上記設定時間内に、読み取り装置により読み取られた識別情報を有するテープが、当該識別情報に対応するセット位置(対象セット位置)のテープフィーダ以外のテープフィーダに装着され、上記設定時間内に、読み取り装置による識別情報の読み取りが行われることなく、別のテープが前記対象セット位置のテープフィーダに装着されたような場合に、当該対象セット位置のテープフィーダに装着されたテープの誤装着が見逃されることを回避することが可能となる。
また、上記テープ誤装着検知システムにおいては、前記読み取り装置により読み取られた識別情報に対応するセット位置又は当該セット位置にセットされたテープフィーダを視覚的に特定することが可能な表示部を備えているのが好適である。
この構成によれば、テープを装着する際に、識別情報に対応するテープフィーダの位置を把握し易くなるため、テープの誤装着の発生低減に寄与するものとなる。
この場合、前記表示部は、前記複数のテープフィーダそれぞれに備えられているのが好適である。
この構成によれば、識別情報に対応するテープフィーダの位置をより把握し易くなる。