JP6709431B2 - 鋼管杭のチャック装置 - Google Patents
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Description
このチャック装置は、駆動軸を上面に有しカム軸を下面に有する上部フランジと、該上部フランジに回動可能に連結され上記カム軸の周囲を囲む内筒と鋼管杭の挿入間隙を存して該内筒の外方に設けた外筒を有する下部フランジを具備し、該下部フランジの内筒に窓孔を形成し、上記上部フランジが回転した際上記カム軸のカム面により半径方向に押し出されるよう押圧コマを上記窓孔に挿入した構成が採用されている(請求項1)。
しかしながら、特許文献1:特開2007−169890号公報のチャック装置では、下部フランジに対して上部フランジを回転させる構成、および下部フランジ下面側に外筒と内筒の二重筒を設ける構成を採用し、さらに、内筒に窓孔を設け、この窓孔内に押圧コマを配置する構成となっているので、構造が複雑となり、その製造が厄介で、コスト高となる課題がある。
すなわち、本発明に係る鋼管杭のチャック装置は、天板を有する筒状をなし、前記天板に透孔を有する受筒と、該受筒の前記天板の透孔を挿通して上下動自在に設けられ、下部に下方に向けてすぼまる錐体部を有し、上部にて、回転・圧入装置に連結可能な拡開部材と、該拡開部材の前記錐体部の壁面たるテーパー面と前記受筒内壁面との間に、前記拡開部材が押し下げられた際、前記テーパー面に押圧されることによって前記受筒の径方向外方に移動可能に配置され、外側面が、前記受筒内壁面との間に先端が挿入されるチャックすべき鋼管杭の内壁面に食い込み可能な凹凸面に形成された複数のクサビ部材と、前記拡開部材の下部に設けられ、前記クサビ部材を下側から保持する保持部材と、前記各クサビ部材を吊り下げ状態に保持すると共に、前記クサビ部材の前記受筒の径方向への移動をガイドするガイド部材と、該ガイド部材と前記受筒の天板下面との間に配設された緩衝部材とを具備することを特徴とする。
前記クサビ部材の外側面を、前記内側面のテーパー面よりも幅広に形成するとチャック力を増大でき好適である。
前記受筒および前記クサビ部材を、チャックすべき鋼管杭の直径に合わせて交換可能に形成できる。
前記各クサビ部材の外周に凹溝を形成し、複数の前記クサビ部材の凹溝に亘って、伸縮可能なOリングを掛け渡すようにすると好適である。
前記受筒の天板の透孔を角孔に形成し、該角孔を挿通する前記拡開部材の部位を角柱に形成することができる。
前記クサビ部材を前記ガイド部材に吊り下げボルトを介して保持するようにすることができる。
また、部材を交換することで径の異なる鋼管に対応できるので利便性も高い。
図1は本実施の形態における、鋼管杭チャック前のチャック装置10の断面図、図2は鋼管杭チャック後のチャック装置10の断面図である。
図1、図2において、12は受筒であり、天板13を有する筒状をなし、天板13には四角形等の角孔からなる透孔14が形成されている。
16は拡開部材であり、角柱状をなし、天板13の透孔14を挿通して上下動自在に設けられている。拡開部材16は、上部は、透孔14を挿通する角柱部16aに形成され、下部に下方に向けてすぼまる角錐部(錐体部)16bを有し、上端部に、チャック装置10にチャックされた鋼管杭18を地中に打ち込むための回転・圧入装置(図示せず)のアダプター20(図2)に連結される連結部(連結フランジ)16cを有する。
なお、拡開部材16は円柱材を用いても良く、この場合には天板13の透孔14を円形孔とすれば同様である。
図4、図5に示すように、拡開部材16における角錐部16は、角柱(四角柱)部材の各壁面を溝状に削ってテーパー面17(17a、17b、17c、17d)に形成することで角錐台状に形成されている。テーパー面17のテーパーの角度は図3に示すように5〜10°程度が好適である。
この凹凸面23に形成されたクサビ部材22の外側面を、基部側よりも幅広に形成している。これにより、鋼管杭18の内壁面に広い範囲で食い込むので、鋼管杭18のチャック効果が増大する。
クサビ部材22は、硬質材料(例えばSKD11)を用いて、例えばロストワックス鋳造法により製造するのがコスト的に有利である。
すなわち、各クサビ部材22上部には、頭部付きボルト31が固定されると共に、この頭部付きボルト31のボルト部が、ガイド部材30の、段付き溝32内を移動自在に案内されることで、各クサビ部材22は、ガイド部材30によって吊り下げ状態に保持されると共に、受筒12の径方向に移動可能とされている。
なお、頭部付きボルト31の頭部は、段付き溝32の段部に支持される。
また、クサビ部材22は頭部付きボルト31と一体化した形状で作成されたものでも良い。
この場合、例えば、各クサビ部材22の下部外周部にテーパー部(図示せず)を形成して、鋼管杭18先端がこのテーパー部に当接してクサビ部材22を内方に押動することによって、鋼管杭18を受筒12内に挿入可能なようにしてもよい。
次に、34は緩衝部材たるコイルスプリングであり、ガイド部材30と受筒12の天板13下面との間に配設されている。緩衝部材34は、施工中に回転・圧入装置から衝撃力が加わった場合に、ガイド部材、頭部付きボルト31への衝撃力を軽減する作用をし、これら部材の破損を防止している。なお、緩衝部材は、ゴム板(図示せず)等の弾性部材を用いることができる。
本実施の形態に係るチャック装置10では、鋼管杭18の大きさに合わせて、受筒12および各クサビ部材22を5種類用意することで、対応する鋼管杭18用のチャック装置10を容易に組み立てて使用することが可能である。
次に、図10に示すように、4つのクサビ部材22の凹溝36にOリング37を掛け渡して、4つのクサビ部材22の集合物を形成する。
一方、図11に示すように、用いる受筒12として所要大きさの受筒12を選択し、この受筒12に、拡開部材16を挿通する。
そして、図13に示すように、拡開部材16の下部に保持部材25をボルトナット24等の固定部材によって取り付けることでチャック装置10に組み立てることができる。
このチャック装置10により鋼管杭18をチャックするには、まず、チャック装置10をボルト21等の固定具によって、アダプター20を介して回転・圧入装置に取り付ける。
次いで、図2に示すように、受筒12内壁面とクサビ部材22の外側面との間の間隙Sに、鋼管杭18の先端がガイド部材30に当接するまで挿入する。
次に、回転・圧入装置の油圧機構(図示せず)によって拡開部材16を押し下げる。このときガイド部材30と鋼管杭18の先端とが当接しているので、クサビ部材の位置が保持されるので拡開部材16だけが押し込まれることとになり、各テーパー面17によって、各クサビ部材22がガイド部材30によって吊り下げられた状態のまま、受筒12の径方向外方に押動され、その外側面の凹凸面が鋼管杭18の内壁面に食い込み、また鋼管杭18はその状態で受筒12の内壁面に押圧されることから、鋼管杭18はチャック装置10によりチャックされることになる。
作業終了後、鋼管杭18のチャックを外すには、回転・圧入装置により拡開部材16を上昇させればよい。これにより、図1に示すように、拡開部材16からのクサビ部材22への押動力が解除され、保持部材25によってクサビ部材22が受けられ、緩衝部材34、受筒12を含むチャック装置10全体が鋼管杭18から外れることになる。
Claims (4)
- 天板を有する筒状をなし、前記天板に透孔を有する受筒と、
該受筒の前記天板の透孔を挿通して上下動自在に設けられ、下部に下方に向けてすぼまる錐体部を有し、上部にて、回転・圧入装置に連結可能な拡開部材と、
該拡開部材の前記錐体部の壁面たる各テーパー面と前記受筒内壁面との間に、前記拡開部材が押し下げられた際、前記テーパー面に押圧されることによって前記受筒の径方向外方に移動可能に配置され、外側面が、前記受筒内壁面との間に先端が挿入されるチャックすべき鋼管杭の内壁面に食い込み可能な凹凸面に形成された複数のクサビ部材と、
前記拡開部材の下部に設けられ、前記クサビ部材を下側から保持する保持部材と、
前記各クサビ部材を吊り下げ状態に保持すると共に、前記クサビ部材の前記受筒の径方向への移動をガイドするガイド部材と、
該ガイド部材と前記受筒の天板下面との間に配設された緩衝部材とを具備することを特徴とする鋼管杭のチャック装置。 - 前記各クサビ部材に対応する前記錐体部のテーパー面が、前記錐体部の外壁面に溝状に形成されており、前記クサビ部材の内側面が、前記拡開部材のテーパー面に対応するテーパー面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭のチャック装置。
- 前記クサビ部材の外側面が、前記内側面のテーパー面よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項2記載の鋼管杭のチャック装置。
- 前記受筒および前記クサビ部材が、チャックすべき鋼管杭の直径に合わせて交換可能になっていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の鋼管杭のチャック装置。
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