JP6709357B2 - 表面塗布剤およびそれを用いた方法 - Google Patents

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Description

本発明は硬化性組成物の表面塗布剤およびそれを用いた方法に関する。
建築物や土木構造物等の防水性や表面保護を目的として、ポリウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂等の硬化性樹脂を含有するシーリング材組成物、防水材組成物、コーティング材組成物等の硬化性組成物が広く使用されている。これらの硬化性組成物を施工箇所に打設または塗布した後、硬化途中で塵や埃等が付着するとその表面が汚染し意匠上の不具合を生じる。また、建築物や土木構造物等の部材には、落ち着いた質感を出すため艶を消した部材が用いられたり、高級感を出すためサンド調(砂まき調、砂岩調)の部材が用いられることも多い。このような部材に艶のある硬化性組成物を使用するとその箇所が艶で目立ってしまい意匠上の不具合を生じることがある。この問題を解決するため、硬化性組成物の表面に塗布剤を塗布または噴霧し、硬化性組成物の表面のべたつき(タック)を改善する手法がある(例えば、特許文献1、2)。また、硬化性組成物の表面の艶を低減させるため、硬化性組成物にアミン化合物を配合する手法がある(例えば、特許文献3)。
一方、硬化性組成物を打設または塗布した後、その表面あるいはその周辺部材に上塗り塗料を塗布する場合は、施工工期を短縮するため、硬化性組成物が硬化途中であっても養生シートを硬化性組成物の表面に貼付することがある。この場合、養生シートが硬化性組成物の表面に付着してしまい、上塗り塗料を塗布した後に養生シートを剥がすと硬化性組成物の表層部が養生シートに引っ張られて剥離することがある。硬化性組成物の表層部が剥離した場合には、その箇所を補修しなければならず、硬化性組成物の硬化を促進し、硬化性組成物に養生シート付着防止性を付与する塗布剤が求められている。
特開平1−201386号公報 特開2013−76065号公報 特開2003−89742号公報
本発明の目的は、硬化性組成物の表面塗布剤を塗布または噴霧することで、硬化性組成物の表面のべたつきを改善し塵や埃等による汚染を防止するとともに、養生シート付着防止性、自浄性に優れる表面塗布剤を提供することである。また、硬化性組成物の表面に艶消し性を付与することで意匠上の不具合を解消する表面塗布剤を提供することである。
上記課題に鑑み、本発明者が鋭意検討した結果、水と非イオン性界面活性剤と硬化触媒を含有し、硬化触媒が有機金属化合物およびアミン化合物を含む表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧することで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の(1)〜(10)に示すものである。
(1)水と、非イオン性界面活性剤と、硬化触媒を含有し、前記硬化触媒が、有機金属化合物およびアミン化合物を含むことを特徴とする硬化性組成物の表面塗布剤。
(2)前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレン化合物であることを特徴とする(1)に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(3)前記ポリオキシアルキレン化合物が、水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物であることを特徴とする(2)に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(4)前記ポリオキシアルキレン化合物が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよび/またはポリオキシアルキレンアルケニルエーテルであることを特徴とする(2)または(3)に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(5)前記アミン化合物が、第3級アミン化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(6)さらに有機溶剤を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(7)さらに消泡剤を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(8)前記硬化性組成物が、シーリング材組成物、防水材組成物またはコーティング剤組成物であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(9)前記表面塗布剤が、建築用または土木用の表面塗布剤であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧することを特徴とする方法。
本発明の表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧することで、硬化性組成物の表面のべたつきを改善し塵や埃等による汚染を防止するとともに、硬化性組成物が養生シート付着防止性、自浄性に優れるものとなる。また、硬化性組成物の表面に艶消し性を付与することで意匠上の不具合を解消することができる。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の表面塗布剤は、水と非イオン性界面活性剤と硬化触媒を含有し、硬化触媒が有機金属化合物およびアミン化合物を含むことを特徴とする硬化性組成物の表面塗布剤である。以下、各成分について詳細に説明する。
まず、水について説明する。水は、非イオン性界面活性剤を溶解させて表面塗布剤の貯蔵安定性を高めるものである。また、表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧した際に、後述する硬化触媒(有機金属化合物およびアミン化合物を含む)と併用することで、硬化性組成物の表面硬化を速めることができ、硬化性組成物が硬化途中であってもその表面のべたつきを防止することができる。
水は、特に制限なく使用することができる。具体的には、水道水、地下水、蒸留水、イオン交換水を挙げることができる。
水の配合量としては、塗工性・噴霧性とべたつき防止等の上記効果とのバランスの点から、表面塗布剤の全体量に対し1〜90質量%が好ましく、後述する有機溶剤を表面塗布剤に配合する場合には、上記点から、表面塗布剤の全体量に対し1〜60質量%が好ましく、さらに3〜40質量%が好ましく、特に5〜30質量%が好ましい。また、有機溶剤を表面塗布剤に配合しない場合には、水の配合量は、上記点から、表面塗布剤の全体量に対し40〜90質量%が好ましい。
非イオン性界面活性剤について説明する。非イオン性界面活性剤は、表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧した際に、硬化性組成物の表面に水をなじませ表面硬化を速めるとともに、硬化性組成物の表面のべたつきを改善し、養生シート付着防止性を向上させるものである。また、表面塗布剤に非イオン性界面活性剤を配合することにより、硬化性組成物の表面に艶消し性を付与することができる。非イオン性界面活性剤とともにカチオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤を併用することもできるが、表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧し乾燥させた後、それらが結晶化物となり美観上の不具合となることもあるので、使用しないか、あるいは美観上の影響が出ない程度に少量使用することが好ましい。
非イオン界面活性剤を配合することにより、これらの効果が得られる理由は、必ずしも明確ではないが、表面塗布剤と硬化性組成物の表面の濡れ性が向上することによるものと考えられる。表面塗布剤と硬化性組成物の表面の濡れ性が向上すると、表面塗布剤を硬化性組成物の表面に均一に塗布または噴霧することができ、さらに、表面塗布剤の乾燥途中でも表面塗布剤の成分が硬化性組成物の表面上で斑状にならず均一に乾燥していくと考えられる。これについて詳述すれば、硬化性組成物の表面に水を含む表面塗布剤を塗布または噴霧すると、表面塗布剤の乾燥とともに、表面塗布剤が斑状になりながら徐々に乾燥していく傾向があり、そのまま乾燥すると硬化性組成物の表面に残る成分が不均一状態となる場合がある。特に乾燥時の温度が高いと表面塗布剤の乾燥が速く、斑状となりやすい傾向があり、硬化性組成物の表面の艶消し性が不十分になると考えられる。水と非イオン性界面活性剤を併用すると、表面塗布剤の乾燥時に水が斑状にならず均一に乾燥していくため、表面塗布剤の乾燥後も硬化性組成物に残る成分が均一になり、艶消し性や養生シート付着防止性に優れる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン化合物が挙げられる。ポリオキシアルキレン化合物は、その化合物中に水酸基を有してもよい。ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキレンエステル等のポリオキシアルキルアルキレンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンエーテル等のポリオキシアルキルアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン誘導体等のポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等のポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドが挙げられる。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上述の非イオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(N1)〜(N6)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006709357
[式(N1)中のRは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜30の炭化水素基またはアシル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 0006709357
[式(N2)中のRは水素またはメチル基を表し、R、R、およびRは同一または異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、平均付加モル数n、m、およびlは0〜40であって、(n+m+l)が3〜40となる数を表す。]
Figure 0006709357
[式(N3)中のRは水素またはメチル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜30の炭化水素基またはアシル基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 0006709357
[式(N4)中のRおよびRは同一または異なって、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは水素またはプロペニル基を表し、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]
Figure 0006709357
[式(N5)中のRおよびRは同一または異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、RおよびRは同一または異なって、水素、炭素数1〜30の炭化水素基、またはアシル基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 0006709357
[式(N6)中のR、R、およびRは同一または異なって、水素またはメチル基を表し、Rは炭素数0〜30の炭化水素基(炭素数0の場合はRがないことを示す)を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
非イオン性界面活性剤の市販品としては、具体的に例えば、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマー50POEP−800B(以上、日油社製)、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、ラテムルPD−430S、ラテムルPD−450(以上、花王社製)、アデカリアソープER−10、アデカリアソープNE−10(以上、ADEKA社製)が挙げられる。
これらのうち、水との相溶性に優れることから、水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物が好ましい。特に硬化性組成物の硬化樹脂が水酸基と反応性を有する官能基(例えば、イソシアネート基)を有すると、表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧した際に、前記水酸基と前記官能基が反応し、硬化物表面に定着しやすい。
さらに、硬化性組成物の表面の艶消し性、養生シート付着防止性に優れることから、ポリオキシアルキレン化合物としては、ポリオキシアルキルアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが好ましく、さらにポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルアルキレンエーテルが好ましい。
非イオン性界面活性剤の配合量は、塗工・噴霧の均一化と艶消し性、乾燥後における表面塗布剤成分の均一性等の上記非イオン性界面活性剤の効果とのバランスの点から、水100質量部に対し10〜100質量部が好ましく、さらに15〜80質量部が好ましく、特に15〜50質量部が好ましい。
硬化触媒について説明する。本発明における硬化触媒は有機金属化合物とアミン化合物を併用したものを含む。硬化触媒を水と併用すると、硬化性組成物の表面硬化を速め、硬化途中や硬化後の硬化性組成物の表面のべたつきを防止する。また、硬化触媒を非イオン性界面活性剤とも併用することで硬化性組成物の表面の艶消し性、養生シート付着防止性が向上する。
有機金属化合物としては、具体的には、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス化合物、有機ジルコニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機鉄化合物、有機マンガン化合物、有機アルミニウム化合物、有機銅化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機錫化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ネオデカン酸錫、ステアリン酸錫、ナフテン酸錫等の錫と有機酸との塩、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカネート等の有機錫と有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)等の錫キレート化合物が挙げられる。
有機ビスマス化合物としては、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ビスマストリアセテート、ビスマストリプロピオネート、ビスマストリヘプタネート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカネート)、ビスマストリラウレート、ビスマストリオレート、ビスマストリステアレートが挙げられる。
有機ジルコニウム化合物としては、例えば、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)が挙げられる。
有機亜鉛化合物としては、例えば、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、亜鉛ビス(アセチルアセトナート)が挙げられる。
有機鉄化合物としては、例えば、オクチル酸鉄、ナフテン酸鉄、第二鉄トリス(アセチルアセトナート)が挙げられる。
有機マンガン化合物としては、例えば、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、マンガンビス(アセチルアセトナート)が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)が挙げられる。
有機銅化合物としては、例えば、アセチルアセトン銅が挙げられる。
有機チタン化合物としては、例えば、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)が挙げられる。
これらのうち、硬化性組成物の表面硬化を促進させる点から、有機錫化合物、有機ビスマス化合物、有機鉄化合物、有機亜鉛化合物が好ましく、特に有機錫化合物、有機ビスマス化合物、有機鉄化合物が好ましい。
有機金属化合物の配合量は、硬化性組成物の速やかな表面硬化の点から、水100質量部に対し10〜500質量部が好ましく、さらに15〜80質量部が好ましく、特に15〜50質量部が好ましい。
アミン化合物としては、3級アミン化合物を使用するのが好ましい。1級アミン化合物または2級アミン化合物を使用すると、硬化性組成物の硬化成分がそれらと反応する官能基(例えば、イソシアネート基)を有する場合、硬化性組成物が硬化不良となる場合もある。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミスチリルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン(DABCO)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、テトラメチルプロパンジアミン、1−イソブチル−2−メチル−1H−イミダゾール、N,N,N′,N′,−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N′,N′,−テトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アミン化合物の配合量は、艶消し性や塗工・噴霧の均一化と硬化性組成物の速やかな表面硬化とのバランスの点から、水100質量部に対し10〜500質量部が好ましく、さらに15〜80質量部が好ましく、特に15〜50質量部が好ましい。
有機金属化合物とアミン化合物の配合割合は、艶消し性と硬化性組成物の表面硬化の促進の点から、質量比(有機金属化合物/アミン化合物)で0.2〜5が好ましく、0.5〜2が特に好ましい。
本発明の表面塗布剤は、さらに有機溶剤を配合することができる。有機溶剤は、硬化性組成物と反応せず、水との混和性があり、非イオン性界面活性剤、硬化触媒を溶解させるものであれば制限なく使用することができる。本発明の表面塗布剤に有機溶剤を配合することで表面塗布剤の濃度調整や粘度調整が容易となり、表面塗布剤を塗布または噴霧する際の作業性を向上させることができる。
有機溶剤としては、具体的には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ステアリン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、マロン酸ジエチル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート等のアセテート系溶剤;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤等の有機溶剤が挙げられる。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの有機溶剤に加えて、さらに、例えば、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ナフタレン、テトラリン、ビフェニル等の芳香族炭化水素系溶剤、石油ナフサ、コールタールナフサ、ソルベントナフサ等の有機溶剤を併用することができる。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、水との混和性、硬化触媒との溶解性に優れることから、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、カーボネート系溶剤が好ましい。さらに炭素数2〜10のエステル系溶剤、炭素数2〜10のケトン系溶剤、炭素数2〜10のカーボネート系溶剤が好ましい。特に表面塗布剤を塗布または噴霧した後の揮発性に優れることから、炭素数2〜6のエステル系溶剤、炭素数2〜6のケトン系溶剤、炭素数2〜6のカーボネート系溶剤が好ましい。
有機溶剤の配合量は、表面塗布剤の全体量に対し、30〜95質量%が好ましく、さらに50〜90質量%が好ましい。
本発明の表面塗布剤は、さらに消泡剤を配合することができる。消泡剤は、表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧した際に発生した泡を低減するために使用する。消泡剤としては、例えば、シリコン系消泡剤、アクリル系消泡剤、アルコール系消泡剤が挙げられる。泡の低減効果が高い点でシリコン系消泡剤が好ましい。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
シリコン系消泡剤の市販品としては、例えば、ビックケミー社製のBYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−093、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1770が挙げられる。これらのシリコン系消泡剤はいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
消泡剤の配合量は、表面塗布剤の全体量に対し0.1〜10質量%が好ましく、さらに0.3〜5質量%が好ましい。
本発明の表面塗布剤を塗布または噴霧する硬化性組成物について説明する。硬化性組成物には、例えば、活性水素含有化合物と反応して硬化する樹脂を含有する硬化性組成物が挙げられる。
硬化性組成物としては、具体的には、例えば、シリコーン系硬化性組成物、変成シリコーン系硬化性組成物、ポリウレタン系硬化性組成物、ポリサルファイド系硬化性組成物が挙げられる。
これらのうち、硬化後のモジュラス、伸び、引張り強度等の物性のバランスに優れることから、変成シリコーン系硬化性組成物、ポリウレタン系硬化性組成物、ポリサルファイド系硬化性組成物が好ましく、さらに変成シリコーン系硬化性組成物、ポリウレタン系硬化性組成物が好ましい。
これらの硬化性組成物は、空気中の湿気等の水と反応させて硬化する1成分形の湿気硬化性組成物と、主剤と硬化剤を反応させて硬化する2成分形の反応型硬化性組成物がある。本発明の表面塗布剤は、1成分形の湿気硬化性組成物および2成分形の反応型硬化性組成物のいずれにも使用することができる。
1成分形の湿気硬化性組成物は、2成分形の反応型硬化性組成物と比べて硬化が遅い場合が多いため、硬化途中にその表面が塵や埃等で汚染しやすい。1成分形の湿気硬化性組成物の表面に本発明の表面塗布剤を塗布または噴霧すると、硬化性組成物の硬化を速めることができ、また硬化途中から表面のべたつきが低減できるため特に有用である。
ポリウレタン系硬化性組成物は、硬化性樹脂としてイソシアネート基含有化合物を用いた組成物である。イソシアネート基含有化合物としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(以下、単に「ウレタンプレポリマー」という場合もある。)を好適に使用することができる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られる。
具体的には、有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物とをイソシアネート基/活性水素(基)のモル比が1.2〜10/1、好ましくは1.2〜5/1となる範囲で同時あるいは逐次に反応させて、ウレタンプレポリマー中にイソシアネート基が残存するようにして製造することができる。モル比が1.2/1を下回るとウレタンプレポリマーの粘度が高くなり、硬化性組成物の作業性が悪くなる。また、前記モル比が10/1を超えると、イソシアネート基が空気中の湿気等の水と反応したときに発生する炭酸ガスの量が多くなり、硬化時の発泡の原因となる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基含有量は0.3〜15質量%が好ましく、特に0.5〜5質量%が好ましい。イソシアネート基含有量が0.3質量%未満の場合は、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり、硬化性組成物の作業性が悪くなる。また、イソシアネート基含有量が15質量%を超える場合は、イソシアネート基が空気中の湿気等の水と反応したときに発生する炭酸ガスの量が多くなり、硬化時の発泡の原因となる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの製造方法としては、ガラス製やステンレス製等の反応容器に有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物を仕込み、反応触媒や有機溶剤の存在下あるいは不存在下に、50〜120℃で攪拌しながら反応させる方法が挙げられる。この際、イソシアネート基が湿気等の水と反応すると得られるウレタンプレポリマーが増粘するため、事前に容器内を窒素ガスで置換することや窒素ガス気流下で反応を行うことが好ましい。
有機イソシアネート化合物としては、有機ポリイソシアネートを挙げることができる。
有機ポリイソシアネートは、その化合物中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的には、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンポリイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンポリイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチルフェニル−1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニル−1,3−ジイソシアネート等のフェニレンポリイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンポリイソシアネート、その他の芳香族ポリイソシアネートとして、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートが挙げられる。また、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。さらに、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネート等のポリメリックイソシアネートが挙げられる。またさらに、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合またはウレア結合を1つ以上有する変性イソシアネートが挙げられる。これらは、いずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、硬化性組成物の耐候性に優れることから、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、およびこれらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる変性イソシアネートが好ましい。
また、有機ポリイソシアネートとともに、有機モノイソシアネートを用いることができる。すなわち、有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートの混合物を、上記有機イソシアネート化合物として用いることができる。有機モノイソシアネートは、その化合物中に1個のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的には、例えば、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートが挙げられる。
活性水素含有化合物は、その化合物中に1つ以上の活性水素(基)を有する化合物である。
活性水素含有化合物としては、具体的には、高分子ポリオールや高分子ポリアミンの他、場合により鎖延長剤として用いる低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、低分子ポリアミンや、ウレタンプレポリマーの変性用として用いる高分子や低分子のモノオールが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、炭化水素系ポリオール、ポリ(メタ)アクリレート系ポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオールが挙げられる。本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。また、本発明において、「高分子」とは、数平均分子量1,000以上を意味し、「低分子」とは、数平均分子量1,000未満を意味する。
高分子ポリオールの数平均分子量は、1,000〜20,000が好ましい。
なお、本発明において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸;これら酸の無水物あるいはメチルエステルやエチルエステル等のアルキルエステルの1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種以上との反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。また、これらのポリカルボン酸および酸無水物、低分子のポリオール類に加えてさらにブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との反応で得られるポリエステルアミドポリオールも挙げられる。
さらに、低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールも挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられるのと同様の低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類、ポリカルボン酸の他; ソルビトール、マンニトール、ショ糖(スクロース)、グルコース等の糖類系低分子多価アルコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類の1種以上を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の1種以上を開環付加重合あるいは共重合(以下、「重合あるいは共重合」を(共)重合という。)させた、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリオキシブチレン系ポリオール、ポリオキシテトラメチレン系ポリオール、ポリ−(オキシエチレン)−(オキシプロピレン)−ランダムあるいはブロック共重合系ポリオール、さらに、前述のポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートエーテルポリオール等が挙げられる。また、これらの各種ポリオールと有機イソシアネート化合物とを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたポリオールも挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールのアルコール性水酸基の数は、1分子中に平均して2個以上であり、さらに2〜4個が好ましく、特に2〜3個が好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系モノオール等のポリオキシアルキレン系モノオールを使用することもできる。
なお、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールあるいはポリオキシアルキレン系モノオール等の「系」とは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン等で変性されていてもよいことを意味する。なお、分子1モル中の水酸基を除いた部分のうちのポリオキシアルキレンで構成された部分は、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上である。
ポリ(メタ)アクリレート系ポリオールとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する(メタ)アクリレート単量体類と他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下あるいは不存在下に共重合させたものが挙げられる。
炭化水素系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;水素添加ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール;塩素化ポリプロピレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール等のハロゲン化ポリアルキレンポリオールが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ポリオール、絹フィブロインが挙げられる。
上述の活性水素含有化合物は、いずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、得られる硬化性組成物のゴム物性や接着性が良好な点で、高分子ポリオールが好ましく、さらにポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリ(メタ)アクリレート系ポリオールが好ましく、特にポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましい。
ポリウレタン系硬化性組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに加えて、水と反応して活性水素(基)を生成する化合物(以下、潜在性硬化剤という場合もある。)を配合することもできる。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが湿気等の水と接触したとき、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基が水と反応し尿素結合を形成して硬化するが、この反応の際、炭酸ガスが発生し硬化物中に炭酸ガスによる発泡が生じ、硬化物の外観悪化や接着性の低下等の不具合を生じることがある。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに加え、さらに潜在性硬化剤を配合すると、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基が水と反応して炭酸ガスを発生する前に、潜在性硬化剤が水と反応して加水分解しアルコール性水酸基、1級アミノ基または2級アミノ基等の活性水素(基)を生成する。この活性水素(基)が優先的にウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応し架橋硬化するため、硬化性組成物は炭酸ガスによる発泡を生じることなく硬化し、外観や接着性の良好な硬化物となる。
水分と反応して活性水素(基)を生成する化合物としては、具体的には、例えば、ポリオールのケイ酸エステル、第1級および/または第2級アミノ基を有する化合物のケチミン化合物、アルジミン化合物、オキサゾリジン化合物を挙げることができる。これらのうち、硬化性組成物の貯蔵安定性と発泡防止性に優れている点で、ポリオールのケイ酸エステル、オキサゾリジン化合物が好ましい。
変成シリコーン系硬化性組成物は、硬化性樹脂として変成シリコーン樹脂を用いた組成物である。
変成シリコーン樹脂は、湿気等の水と反応してシロキサン結合を形成することにより架橋してゴム状硬化物を形成する分子内に架橋性シリル基を1個以上含有する樹脂である。
変成シリコーン樹脂としては、例えば、特開昭52−73998号公報、特開昭55−9669号公報、特開昭59−122541号公報、特開昭60−6747号公報、特開昭61−233043号公報、特開昭63−112642号公報、特開平3−79627号公報、特開平4−283259号公報、特開平5−70531号公報、特開平5−287186号公報、特開平11−80571号公報、特開平11−116763号公報、特開平11−130931号公報中に開示されているものを挙げることができる。具体的には、例えば、分子内に1個以上の架橋性シリル基を含有する主鎖がポリオキシアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル系重合体、ポリイソプレンやポリブタンジエン等のジエン系重合体、ポリエステル系重合体、アクリルおよび/またはメタクリル(以下、(メタ)アクリルという。)酸エステル系重合体、ポリサルファイド重合体、これらの共重合体、任意の2種以上の混合物等が挙げられる。
変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラス等の物性の点から、ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体が好ましく、さらにポリオキシプロピレン系重合体、(メタ)アクリル変性ポリオキシプロピレン系重合体が好ましい。ここにおいて、変性とは共重合や反応で変性するだけでなくブレンドも含まれる。
架橋性シリル基は、硬化性組成物の硬化性や硬化後のゴム物性等の点から、1分子内に1〜5個含有することが好ましく、さらに1〜3個含有することが好ましい。
さらに架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 0006709357
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基およびアミノオキシ基より選ばれる基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が最も好ましい。aは0、1または2の整数であり、0または1が最も好ましい。)
架橋性シリル基の主鎖への導入は、例えば、以下の公知の方法で行うことができる。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)末端に水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
この反応性官能基および架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、ビニル型不飽和結合含有シラン類、塩素原子含有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロシラン類が挙げられる。
(3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合物(例えばCH=CHSi(OCH33)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させる。
(4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合させ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH33基を有する化合物)と反応させる。
変成シリコーン樹脂の数平均分子量は、1,000以上、特に6,000〜30,000で分子量分布の狭いものが、硬化性組成物の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラス等の物性が優れているので好適である。
ポリサルファイド系硬化性組成物は、硬化性樹脂としてポリサルファイド樹脂を用いた組成物である。ポリサルファイド樹脂は、ポリサルファイド骨格と末端にメルカプト基を有する重合体である。メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂としては、一般式:HS−(R′/−Sy)z−R″−SHで示される構造のものが好ましい。この一般式中のyは1〜4の整数であり、その平均値は1.5〜2.5である。zは1〜120であり、好ましくは6〜50である。また、この一般式中のR ′およびR ″は2価の脂肪族炭化水素基であり、具体的には、例えば、−C−、−C− 、−C−が挙げられる。特にエーテル結合を有するものが好ましく、具体的に、例えば、以下のものが挙げられる。
−C−O−C
−C−O−C
−C−O−C
−C−O−CH−O−C
−C−O−CH−O−C
−C−O−CH−O−C
上記メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂の数平均分子量は、200〜20,000が好ましく、特に1,000〜8,000の範囲が好ましい。ポリサルファイド樹脂は、過酸化カルシウムなどの金属酸化物を配合したものを大気中に暴露することにより、湿気により過酸化水素が生成し、樹脂を常温で酸化、硬化させる1成分形の硬化性組成物として使用できる。また、ポリサルファイド樹脂を主剤とし、二酸化カルシウム、二酸化バリウム、ポリイソシアネート等を硬化剤とし、硬化させる2成分形の硬化性組成物としても使用できる。
硬化性組成物は、硬化性樹脂等の他に添加剤を配合することができる。添加剤は、硬化性組成物に配合して硬化性組成物の硬化促進や接着性等の各種の性能を向上させるために使用する。具体的には、硬化促進触媒、可塑剤、耐候性安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性向上剤(脱水剤)、着色剤および有機溶剤を挙げることができる。これらはいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げて作業性を向上させるとともに、硬化後の引張応力、伸び等のゴム物性を調節するために使用するものである。
可塑剤としては、数平均分子量が1,000未満の低分子量の可塑剤、数平均分子量が1,000以上の高分子量の可塑剤が挙げられる。低分子量の可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;塩素化パラフィン等が挙げられる。高分子量の可塑剤としては、例えば、ジカルボン酸類とグルコール類とからのポリエステル系樹脂;ポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテル化誘導体やアルキルエステル化誘導体;前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成において挙げたのと同様のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンモノオールと、有機モノイソシアネートまたは有機ポリイソシアネートとを反応して得られる、分子内にイソシアネート基と活性水素基を有しない液状高分子ウレタン系可塑剤;低粘度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂;ポリブタジエンやポリイソプレン等のポリオレフィン樹脂、水添ポリブタジエンや水添ポリイソプレン等のポリアルキレン樹脂が挙げられる。
耐候安定剤は、硬化性組成物の酸化、光劣化、熱劣化を防止して耐候性や耐熱性を向上させるために使用する。耐候安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカ等の合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤;ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン状充填剤等の無機系充填剤;あるいはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤;木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン粉末等の有機系粉末状充填剤;ポリエチレン中空体、サランマイクロバルーン等の有機系バルーン状充填剤等の有機系充填剤、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤が挙げられる。充填剤の平均粒子径は、0.01〜1,000μmが好ましい。
揺変性付与剤としては、例えば、コロイダルシリカ、脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機揺変性付与剤、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド等の有機揺変性付与剤が挙げられる。
接着性向上剤としては、カップリング剤が挙げられる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系等の各種カップリング剤またはその部分加水分解縮合物を挙げることができる。このうちシラン系カップリング剤またはその部分加水分解縮合物が接着性に優れているため好ましい。
貯蔵安定性向上剤(脱水剤)としては、例えば、湿気硬化性組成物中に存在する水分と反応するビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートが挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化チタンや酸化鉄等の無機系顔料、銅フタロシアニン等の有機系顔料、カーボンブラックが挙げられる。
本発明の表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧する方法について説明する。
まず、硬化性組成物を建築物、土木構造物等の下地や目地等の被着面に打設または塗布する。硬化性組成物を被着面に打設または塗布する前に、被着面との接着性を向上させるため予めプライマーを被着面に塗布してもよい。プライマーを塗布した場合は、乾燥硬化する所定の時間まで養生する。
硬化性組成物を打設または塗布した後、ヘラやローラー等を用いて硬化性組成物の表面をならし所望の形状に仕上げる。硬化性組成物を打設または塗布する際に、硬化性組成物を被着面以外の箇所に付着させないため、必要に応じて養生テープ(マスキングテープ)や養生シート(ポリマスカー)を用いてもよい。次いで、本発明の表面塗布剤を硬化性組成物の表面に塗布または噴霧(吹付)する。表面塗布剤を塗布する用具としては、刷毛等、噴霧する用具としては、スプレーガン、エアーブラシ、エアゾールスプレー等を挙げることができる。表面塗布剤の塗布量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限されないが、100〜1,000g/mが好ましく、さらに100〜500g/mが好ましい。表面塗布剤を塗布または噴霧した後は、そのまま乾燥させる。養生テープや養生シートを用いた場合には、硬化性組成物を所望の形状に仕上げた後、または、本発明の表面処理剤を塗布した後に、剥がす。
本発明の表面塗布剤は、塗布または噴霧(吹付)した際に発生する泡を低減させるため、消泡剤を添加することができる。エアゾールスプレーを使用する際の噴射剤としては、通常公知の液化ガス噴射剤や圧縮ガス噴射剤を使用することができる。液化ガス噴射剤としては、プロパン、ブタン等のLPG、ジメチルエーテル(DME)、HFC134a、HFC152a、HF01234Ze等の代替フロンガスが挙げられる。圧縮ガス噴射剤としては、窒素、炭酸ガス、圧縮空気、酸素、アルゴン、ヘリウム、亜酸化窒素ガスが挙げられる。これらの中でも、利便性を考慮すると、プロパン、窒素、ジメチルエーテルを用いることが好ましい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明が実施例に限定されて解釈されるものではない。
[実施例1]
攪拌機付きの混合容器に水を30g、酢酸エチルを150g、アセトンを150g仕込み、攪拌しながら非イオン性界面活性剤であるポリオキシアルキレン化合物(水酸基を有するポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ラテムルPD−450、花王社製)を10g、硬化触媒である有機金属化合物(ジブチル錫ジラウレート、ネオスタンU−100、日東化成社製)を10g、アミン化合物(N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサンジアミン、カオライザーNo.1、花王社製)を10g、消泡剤(BYK−028、ビックケミー社製)を2g仕込み、室温で1時間混合して表面塗布剤を得た。次いで、エアゾール缶に表面塗布剤を300gとジメチルエーテルを60g仕込み、加圧封入した。
[実施例2]
実施例1において、有機金属化合物を15g、アミン化合物を15g仕込んだ以外は同様の操作を行い、表面塗布剤を得た。次いで、エアゾール缶に表面塗布剤を300gとジメチルエーテルを60g仕込み、加圧封入した。
[比較例1]
実施例1において、水を仕込まなかった以外は同様の操作を行い、表面塗布剤を得た。
[比較例2]
実施例1において、有機金属化合物を仕込まなかった以外は同様の操作を行い、表面塗布剤を得た。次いで、エアゾール缶に表面塗布剤を300gとジメチルエーテルを60g仕込み、加圧封入した。
[比較例3]
実施例1において、アミン化合物を仕込まなかった以外は同様の操作を行い、表面塗布剤を得た。次いで、エアゾール缶に表面塗布剤を300gとジメチルエーテルを60g仕込み、加圧封入した。
[比較例4]
実施例1において、非イオン性界面活性剤を仕込まなかった以外は同様の操作を行い、表面塗布剤を得た。次いで、エアゾール缶に表面塗布剤を300gとジメチルエーテルを60g仕込み、加圧封入した。
[比較例5]
攪拌機、温度計、窒素導入管、加熱冷却装置の付いた反応容器に、窒素ガスを流しながら酢酸エチルを270g、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量400のポリエーテルトリオール(エクセノール430、旭硝子社製)を11.2g、イソホロンジイソシアネート(分子量222、エボニックジャパン社製)を18.6g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート(ネオスタンU−100、日東化成社製)を0.15g仕込み、75℃で3時間反応させてイソシアネート基濃度1.12%のウレタンプレポリマー溶液U−1を得た。次いで、エアゾール缶に表面塗布剤を300gとジメチルエーテルを60g仕込み、加圧封入した。
上記した実施例1〜2と比較例1〜4の表面塗布剤について、各構成成分とその配合割合を下記表1に示す。なお、表1の配合割合のうち、空欄部は配合なしを意味する。
[調製例1]
撹拌機、温度計、窒素シール管、加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量5,040、エクセノール5030、旭硝子社製)を143.2g、ポリオキシプロピレンモノオール(数平均分子量3,080、PML−1003、旭硝子社製)を238.7g仕込み、撹拌しながらイソホロンジイソシアネート(分子量222、エボニックジャパン社製)を41.9g仕込み、さらに反応触媒としてジブチル錫ジラウレート(ネオスタンU−100、日東化成社製)を0.1g加え、70〜80℃で4時間撹拌し、滴定によるイソシアネート基含有量が理論値2.1質量%以下になった時点で反応を終了し(実測値2.0質量%)、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−2を合成した。
[調製例2]
攪拌機、温度計、窒素シール管、加温・冷却装置の付いた反応容器に、ジエタノールアミン(分子量105)を435.0g入れた後、トルエンを183.3g加えた。この中に攪拌しながらイソブチルアルデヒド(分子量72.1)を328.3g加えたのち、加温して110〜150℃で3時間脱水反応を続けて、エステル管により水を74.5g系外に除いた。次いで加熱減圧して、未反応のイソブチルアルデヒドおよびトルエンを除去して、水酸基含有オキサゾリジン化合物を得た。水酸基含有オキサゾリジン化合物658.9g中にヘキサメチレンジイソシアネート(分子量168)を341.0g加え、80℃で8時間加熱し、NCO濃度が0.01質量%以下となった時点をウレタン化反応の終点(実測NCO濃度0.0質量%)として、ウレタン基含有オキサゾリジン化合物を合成した。
[調製例3]
加熱、冷却装置、窒素シール管付き混練容器に、窒素ガスを流しながら、調製例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−2を100g、重質炭酸カルシウム(ホワイトンB、白石カルシウム社)を25.5g、酸化チタンを13.7g、表面処理炭酸カルシウム(白艶華CCR、白石工業社製)を81.0g仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。次に、ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA−63P、ADEKA社製)を1.0g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX245、BASF社製)を1.0g、調製例2で得たウレタン基含有オキサゾリジン化合物を6.9g仕込み、20〜30℃で撹拌、混合し、次いで鉄(III)アセチルアセトナート(和光純薬工業社製)を0.01g添加し、さらに30分間混合した後、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填密封して、1成分形のポリウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
<試験方法>
実施例1〜2と比較例1〜5の表面塗布剤を用いて下記に示す試験評価を行った。なお、表面塗布剤を使用しない場合の試験評価を比較例6とした。
[塗布剤性状(貯蔵安定性)]
エアゾール缶に加圧封入する前の表面塗布剤200gを300mlの透明なガラス容器に入れ密閉した。表面塗布剤の入ったガラス容器を5℃40%RHまたは23℃50%RHの環境下に3日間置いた後、表面塗布剤の状態を目視で観察し、下記の通り評価した。
評価:
○:表面塗布剤に析出物なし
×:表面塗布剤に析出物あり
[艶消し性]
スレート板上に厚さ10mmの角バッカーを用いて縦50mm×横50mmの四角形の枠を作製し、枠内に調製例3のポリウレタン系湿気硬化性組成物を打設した。次いで余分の硬化性組成物をヘラで取り除きその表面を平らにならし、直ちに表面塗布剤を硬化性組成物の表面に300g/mの塗布量で塗布し試験体を作製した。この試験体を5℃40%RH、23℃50%RHまたは35℃70%RHで1日間養生した後、硬化性組成物の表面の艶の状態を目視で観察し、下記の通り評価した。なお、このとき硬化性組成物の表面を指触したところ、表面は硬化していたが、内部は硬化していなかった。
評価:
○:硬化性組成物の表面の艶が全体的に消えている
△:硬化性組成物の表面の艶が部分的に消えているかまたは半艶で見る角度によっては艶がある
×:硬化性組成物の表面の艶が消えておらず全体的に艶がある
[タックフリータイム(表面硬化性)]
スレート板上に10mmの角バッカーを用いて縦50mm×横50mmの四角形の枠を作製し、枠内に調製例3のポリウレタン系湿気硬化性組成物を打設した。次いで余分の硬化性組成物をヘラで取り除きその表面を平らにならし、直ちに表面塗布剤を硬化性組成物の表面に300g/mの塗布量で塗布し試験体を作製した。この試験体を5℃40%RHまたは23℃50%RHの環境下で養生しながら硬化性組成物の表面を指触し、硬化性組成物が指に付着しないまでの時間を測定した。
[アフタータック]
スレート板上に10mmの角バッカーを用いて縦50mm×横50mmの四角形の枠を作製し、枠内に調製例3のポリウレタン系湿気硬化性組成物を打設した。次いで余分の硬化性組成物をヘラで取り除きその表面を平らにならし、直ちに表面塗布剤を硬化性組成物の表面に300g/mの塗布量で塗布し試験体を作製した。この試験体を5℃40%RHで3日間養生した後、または、23℃50%RHで1日間養生した後、硬化物表面を指触し、硬化物表面のアフタータックを下記の通り評価した。なお、このとき硬化性組成物の表面を指触したところ、表面は硬化していたが、内部は硬化していなかった。
評価:
○:硬化物表面にべたつき(タック)がない
×:硬化物表面にべたつき(タック)が全体的にある
[養生シート付着防止性]
厚さ5mmのスレート板上に10mmの角バッカーを用いて幅20mm×深さ10mm×長さ100mmの目地を作製した。この目地に調製例3のポリウレタン系湿気硬化性組成物を打設した。次いで余分の硬化性組成物をヘラで取り除きその表面を平らにならし、直ちに表面塗布剤を硬化性組成物の表面に300g/mの塗布量で塗布し試験体を作製した。この試験体を40%RHで1日間または3日間養生した後、硬化性組成物の表面に養生シート(ポリマスカー(布テープ+ポリエチレンシート)、大塚刷毛製造社製)を目地の長手方向に直交するように貼付した。貼付から1日後に養生シートを剥がして、剥がした際の状況を目視で観察し下記の通り評価した。なお、このとき硬化性組成物の表面を指触したところ、表面は硬化していたが、内部は硬化していなかった。
評価:
○:養生シートが容易に剥がれる
△:養生シートを強く引っ張ると剥がれる
×:養生シートを剥がすと硬化性組成物の表層部も剥がれ意匠上の不具合あり
[自浄性]
スレート板上に10mmの角バッカーを用いて縦50mm×横50mmの四角形の枠を作製し、枠内に調製例3のポリウレタン系湿気硬化性組成物を打設した。次いで余分の硬化性組成物をヘラで取り除きその表面を平らにならし、直ちに表面塗布剤を硬化性組成物の表面に300g/mの塗布量で噴霧し試験体を作製した。この試験体を水平に置き硬化性組成物の表面にスポイトで5質量%のカーボン水を5滴垂らした後、試験体を立て掛けて余分のカーボン水を落とした。試験体を立て掛けた状態で、硬化性組成物の表面から10cm離れた位置でスプレーボトルを用いて水を50ml噴霧し水が流れ落ちた後、硬化性組成物の表面の状態を目視で観察し、下記の通り評価した。
評価:
○:硬化性組成物の表面のカーボンが多く洗い流され、硬化性組成物の表面にカーボンが残っていない、または、少し残っている状態
×:硬化性組成物の表面のカーボンが洗い流されているが、硬化性組成物の表面にカーボンが多く残っている状態
上記評価の結果を下記表1に示す。
Figure 0006709357
上記表1の結果のうち、タックフリータイムとアフタータックの結果から、実施例1〜2の表面塗布剤を使用すると、硬化性組成物の硬化性を速め、硬化性組成物の硬化途中から表面のべたつきを改善できることが分かる。また、実施例1〜2の表面塗布剤を使用すると、硬化性組成物の表面が、5℃40%RH、23℃50%RH、35℃70%RHのいずれの環境下でも艶消し性に優れるものとなった。さらに、実施例1〜2の表面塗布剤を使用すると、硬化性組成物の養生シート付着防止性に優れ、優れた自浄性も得られた。
したがって、本発明の表面塗布剤は、時季による使い分けを必要とせず1年を通して安定した艶消し性を付与でき実用性が高いことが分かった。さらには、本発明の表面塗布剤は、硬化性組成物の表面に塵や埃等の汚染物質が付着しても、流水(雨水等)によって洗い流され易いことが分かった。
これに対し、水を配合しなかった比較例1の表面塗布剤は、貯蔵安定性が悪く、塗布試験を実施できなかった。また、有機金属化合物を配合しなかった比較例2では、タックフリータイムが長期化し、硬化性組成物の表面のべたつきを改善できず(アフタータックの結果参照)、艶消し性も養生シート付着防止性も得られなかった。また、アミン化合物を配合しなかった比較例3では、艶消し性が得られず、非イオン性界面活性剤を配合しなかった比較例4では、高温高湿度(35℃70%RH)の環境下で艶消し性が得られず、また、試験体の1日間の養生では養生シート付着防止性も得られなかった。さらに、表面塗布剤としてウレタンプレポリマー溶液を使用した比較例5では、艶消し性も養生シート付着防止性も得られなかった。さらに、表面塗布剤を使用しなかった比較例6では、艶消し性、タックフリータイム、アフタータック、養生シート付着防止性、自浄性のいずれも、良好な評価結果が得られなかった。
本発明の表面塗布剤は、硬化性組成物の表面のべたつきを改善し、塵や埃等による汚染を防止するとともに、優れた養生シート付着防止性、艶消し性及び自浄性を示すから、シーリング材組成物、防水材組成物、コーティング材組成物等の硬化性組成物に好適に使用することができる。また、本発明の表面塗布剤は、建築用、土木用に好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. 水と、非イオン性界面活性剤と、硬化触媒を含有し、前記硬化触媒が、有機金属化合物およびアミン化合物を含むことを特徴とするイソシアネート基含有化合物を含有する硬化性組成物の表面塗布剤。
  2. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  3. 前記ポリオキシアルキレン化合物が、水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  4. 前記ポリオキシアルキレン化合物が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよび/またはポリオキシアルキレンアルケニルエーテルであることを特徴とする請求項2または3に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  5. 前記アミン化合物が、3級アミン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  6. さらに有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  7. さらに消泡剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  8. 前記硬化性組成物が、シーリング材組成物、防水材組成物またはコーティング剤組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  9. 前記表面塗布剤が、建築用または土木用の表面塗布剤であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物の表面塗布剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の表面塗布剤を、イソシアネート基含有化合物を含有する硬化性組成物の表面に塗布または噴霧することを特徴とする方法。
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