JP6709181B2 - 遮熱コーティングの補修方法および耐熱性部品 - Google Patents

遮熱コーティングの補修方法および耐熱性部品 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、遮熱コーティングの補修方法およびこの補修方法によって補修された耐熱性部品に関するものである。
発電用ガスタービンのような高温機器においては、例えば、燃焼器、動翼、静翼等の表面にコーティングを施すことが行われている。コーティングを施すことで、外部から受ける熱の遮断や耐酸化性の向上を図っている。
このコーティングは、高温、高圧の条件下で長時間使用されることによる劣化や密着力が低下すること等を考慮して、3〜4年毎に実施している定期検査に合わせて除去し、新たなコーティングを施して再使用することが行われている。また、場合によっては、使用中において局所的にコーティングが剥離するなどの現象が生じている。
特に、高温・高圧タービンに代表されるCOタービン等においては、蒸気タービンまたはガスタービンと比較してエネルギ密度が高く、熱効率およびプラント効率が高い。このようなCOタービン等の高温部品は、ガスタービンの高温部品と同様に過酷な温度にさらされることから、Ni基超合金、Co基超合金等から構成されている。温度的に最も過酷となる第一段の動翼および静翼では、外面側に1000℃程度の高温のCOが流れる。
これらのCOタービン等の高温部品に代表される燃焼器、動翼、静翼等では、通常、外面にセラミックからなる遮熱コーティングを施すことで遮熱性または耐酸化性を確保している。しかし、長時間の使用により劣化または基材との界面での密着力が低下することから、遮熱コーティングを定期的に除去し、新たなコーティングを施すことが想定される。長時間の使用による劣化の程度にもよるが、使用中において局所的にコーティングが剥離することも想定される。
このようにコーティングの本来の機能が低下またはコーティングが剥離した場合、補修技術の開発が課題となる。
特許第4651970号公報
本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法は、前記課題を解決するために、例えばCOタービンやガスタービンの高温部品に生じる遮熱コーティングの劣化および剥離等の損傷を補修する遮熱コーティングの補修方法および補修された耐熱部品を提供することを目的とする。
実施形態による遮熱コーティングの補修方法は、基材上に形成された、ボンドコート層およびトップコート層を含んでなる遮熱コーティングを補修する方法であって、
前記トップコート層、ならびに前記トップコート層と前記ボンドコート層との間に酸化物層が介在する場合にはこの酸化物層を除去して前記ボンドコート層を露出させ、この露出部分にトップコート層を形成して遮熱コーティングを再形成することを特徴とするものである。
本発明に係る遮熱コーティングの補修方法および補修したタービン部品において、使用により劣化、剥離等の損傷が生じた遮熱コーティングの補修が達成できる。
また、特別な設備を用いることなく、簡単な手法で補修が可能になる。
本発明の実施形態の補修方法の流れの模式図。 本発明の実施例1の燃焼器の補修工程毎の断面模式図。 本発明の実施例2の動翼の補修工程毎の断面模式図。 本発明の実施例3の動翼の補修工程毎の断面模式図。 本発明の実施例4の動翼の補修工程毎の断面模式図。 本発明の実施例5の動翼の補修工程毎の断面模式図。 本発明の実施例4の動翼の密着力評価試験の結果図。
実施形態に係る遮熱コーティングの補修方法の好ましい幾つかの実施例について、図面を参照して説明する。
〔遮熱コーティングの補修方法〕
以下、本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法の好ましい一具体的について、必要に応じて、図1〜7を参照して説明する。
< 補修対象 >
本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法は、各種の機械ないし器具等に形成された遮熱コーティングを補修する際に適用することができる。
したがって、基材としては、例えば、好ましくは各種の耐熱性基材、特にタービンや燃焼器等、特に好ましくはCOタービン等またはガスタービン、ならびにそれらの部品が対象になる。より具体的には、例えば、タービンの動翼、静翼、燃焼器などが対象になる。ここで、「COタービン等」とは、「CO、特に超臨界状態のCOを作動流体とするタービンおよび燃焼器」を意味し、ここでの「超臨界状態」とは、「気体と液体の境界がなくなり、気体と液体の中間的な性質を持つ状態」を言うものである。なお、COの場合、31℃、74気圧より高温、高圧の領域で超臨界状態となる。
基材は、Ni基超合金あるいはCo基超合金等であり。これらの超合金は、NiあるいはCoの他に、例えばCr、W、Mo、Ta、Al、Ti、Re、Hf等を含むことができる。
ボンドコート層は、Ni、Coのいずれかまたは両方を主成分とし、これとCr、Al、Yを含むことができる。このボンドコート層の厚さは、例えば、好ましくは50〜200μm、特に好ましくは100〜150μmである。
トップコートは耐熱性材料、好ましくはセラミックス材料、特に好ましくはジルコニアを含んでなる材料によって形成されている。このトップコート層の厚さは、例えば、好ましくは100〜1500μm、特に好ましくは200〜1000μmである。
<第一の形態>
実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行う際には、図1の(a)に示されるように、先ず、必要に応じて、損傷検査を行って、トップコート層(8)の損傷箇所、損傷の程度、内容等を検査するのが普通である。この損傷検査は目視にて行うことができるし、また各種の検査装置等を用いて行うことができる。
次いで、図1〜3の各図の(b)に示されるように、トップコート層(8)を除去する。この時、トップコートの損傷部位を含む領域のトップコート層(8)を除去する。すなわち、例えば、トップコート層(8)の損傷部位のみ、あるいは損傷部位を含むトップコート層(8)の一部の領域、あるいはトップコート(8)の全領域を除去する。トップコート層の除去方法は、トップコート材料や、損傷の程度、基材の大きさ、形態等に応じて適宜定めることができる。例えば、アルミナ、NiCr等の粒子や、水の中に砥粒を混ぜ、その粒子を高速で吹き付けることからなるブラスト処理や、ウォータージェットなどの処理によって行うことができる。これらの中では、特にアルミナ粒子によるブラスト処理が好ましい。
次いで、図1〜3の各図の(c)に示されるように、補修対象物において、トップコート層(8)とボンドコート層(10)との間に酸化物層(9)が介在していた場合(すなわち、トップコート層(8)の除去後、そこに酸化物層(9)が存在している場合)には、その酸化物層(9)を除去する。酸化物層の除去方法も適宜定めることができる。例えば前述のトップコート層の除去と同様に、アルミナ、NiCrの粒子や、水の中に砥粒を混ぜた物を高速で吹き付けることからなるブラスト処理や、ウォータージェットなどの処理によって行うことができる。これらの中では、特にアルミナ粒子によるブラスト処理が好ましい。
次いで、図1の(f)および図2〜図3の各図の(d)に示されるように、損傷したトップコート層(8)および酸化物層(9)が除去されてボンドコート層が露出した部分の上に、トップコート層(8)を形成して遮熱コーティングを再形成する。
遮熱コーティングを再形成する前には、図1の(e)に示されるように、洗浄処理を行うことが好ましい。これによって、トップコート層や酸化物層の残渣、ならびに例えばブラスト処理に用いたアルミナ粒子等を除去することができる。洗浄は、例えば水、または無機あるいは有機の溶剤等を用いることができる。また、高圧気体の吹きつけによっても洗浄を行うことができる。
補修に際に形成するトップコート層(8)は、補修前のトップコート層と同じ材料で形成するのが一般的であるが、異なる材料で形成することも可能である。また、トップコート層の形成方法は、トップコート層の形成材料に応じて適宜定めることができる。
本発明の好ましい実施形態では、イットリアで安定化させたジルコニウム粉末等を用いた溶射処理によって、トップコート層を形成することができる。
また、本発明の他の好ましい実施形態では、ジルコニウム粉末を含む接着剤を塗工し、その後に焼成することによって、トップコート層を形成することができる。
ここで、トップコート層(8)の形成は、ボンドコート層(10)が露出した部分についてはその露出部分が覆われるように行なう必要があるが、ボンドコート層(10)が露出していない部分(例えば、前述のトップコート層の除去が行われずに、既にトップコートが存在している部分)には、その既に存在しているトップコート層の上に重ねてトップコート層を形成することまでは要しない。しかし、このように既に存在しているトップコート層の上に重ねてトップコート層を形成することは可能であり、そしてそのような場合でも所定の効果を得ることが可能である。
従って、本実施形態による遮熱コーティングの補修方法は、このようなボンドコート層が露出した部分に加えて既に存在しているトップコート層の上に重ねてトップコート層を形成する態様をも包含する。
以上の通りにして、第一の実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行うことができる。
遮熱コーティングが補修された補修品は、必要に応じて、図1の(g)に示されるように、完成検査に付すことができる。
<第二の形態>
以下、本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法の他の好ましい一具体的について、必要に応じて図面を参照して説明する。
この第二の形態は、上記の第一の形態において、トップコート層の除去部分に存在するボンドコート層に細孔を穿ち、その後トップコート層を形成して遮熱コーティングを再形成する形態である。この第二の形態では、ボンドコート層を貫通しない程度の深さの細孔を穿つことが好ましい。前記のように、ボンドコート層の厚さは、好ましくは50〜200μm、特に好ましくは100〜150μmであるから、細孔の深さはボンドコート層の厚さを考慮して定めることができる。細孔の深さは、ボンドコートの厚さに対して、好ましくは50〜95%、特に好ましくは80〜90%(ボンドコート層の厚さ100%とする)とすることができる。
そして、この細孔は、細孔の内部空間が円柱形状、円錐形状、角柱形状であるものが好ましい。細孔の平均直径は、好ましくは50〜500μm、特に好ましくは100〜300μmである。細孔の平均直径が上記の好ましい範囲内である場合、細孔の存在密度は、好ましくは1〜100個/mm、好ましくは2〜25個/mmである。このような細孔は、好ましくは、例えば、放電加工、ドリル加工等によって形成することができる。細孔を、放電加工によって穿つ場合、細孔の大きさ、深さ、形状等は、放電加工の電極の径、電圧、電流等の条件を適宜変更することによって制御することができる。
このような第二の形態では、トップコート層形成材料がボンドコート層に穿かれた細孔内に充填されると共に、ボンドコート層上に層状に積層されることによって、ボンドコート層とトップコート層との間の密着力を向上させることができる。
このような第二の実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行う際には、図1の(a)に示されるように、先ず、必要に応じて、損傷検査を行って、トップコート層(8)の損傷箇所、損傷の程度、内容等を検査するのが普通である。この損傷検査は目視にて行うことができるし、また各種の検査装置等を用いて行うことができる。
次いで、図1の(b)、図4〜6の各図の(b)に示されるように、トップコート層(8)を除去する。この時、トップコートの損傷部位を少なくとも含む領域のトップコート層(8)を除去する。すなわち、例えば、トップコート層(8)の損傷部位のみ、あるいは損傷部位を含むトップコート層(8)の一部の領域、あるいはトップコート(8)の全領域を除去する。トップコート層の除去方法は、トップコート材料や、損傷の程度、基材の大きさ、形態等に応じて適宜定めることができる。アルミナ、NiCr等の粒子や、水の中に砥粒を混ぜ、その粒子を高速で吹き付けることからなるブラスト処理や、ウォータージェットなどの処理によって行うことができる。これらの中では、特にアルミナ粒子によるブラスト処理が好ましい。
次いで、図1の(c)、図4〜6の各図の(c)に示されるように、補修対象物において、トップコート層(8)とボンドコート層(10)との間に酸化物層(9)が介在していた場合(すなわち、トップコート層(8)の除去後、そこに酸化物層(9)が存在している場合)には、その酸化物層(9)を除去する。酸化物層の除去方法も適宜定めることができる。例えば前述のトップコート層の除去と同様に、アルミナ、NiCr等の粒子や、水の中に砥粒を混ぜ、その粒子を高速で吹き付けることからなるブラスト処理や、ウォータージェットなどの処理によって行うことができる。これらの中では、特にアルミナ粒子によるブラスト処理が好ましい。
次いで、図1の(d)、図4〜6の各図の(d)に示されるように、損傷したトップコート層(8)および酸化物層(9)が除去されてボンドコート層が露出した部分に、円柱形状の細孔(12)、円錐形状の細孔(13)、角柱形状の細孔(14)あるいは他の形状の細孔を、例えば放電加工によって形成する。
次いで、図1の(f)および図4〜6の各図の(e)に示されるように、損傷したトップコート層(8)および酸化物層(9)が除去されてボンドコート層が露出した部分の上に、トップコート層(8)を形成して遮熱コーティングを再形成する。
遮熱コーティングを再形成する前には、図1の(e)に示されるように、洗浄処理を行うことが好ましい。これによって、トップコート層や酸化物層の残渣、ならびに例えばブラスト処理に用いたアルミナ粒子等を除去することができる。洗浄は、例えば水、または無機あるいは有機の溶剤等を用いることができる。また、高圧気体の吹きつけによっても洗浄を行うことができる。
補修に際に形成するトップコート層(8)は、補修前のトップコート層と同じ材料で形成するのが一般的であるが、異なる材料で形成することも可能である。また、トップコート層の形成方法は、トップコート層の形成材料に応じて適宜定めることができる。
本発明の好ましい実施形態では、イットリアで安定化させたジルコニウム粉末を用いた溶射処理によって、トップコート層を形成することができる。
また、本発明の他の好ましい実施形態では、ジルコニウム粉末を含む接着剤を塗工し、その後に焼成することによって、トップコート層を形成することができる。
ここで、トップコート層(8)の形成は、ボンドコート層(10)が露出した部分についてはその露出部分が覆われるように行なう必要があるが、ボンドコート層(10)が露出していない部分(例えば、前述のトップコート層の除去が行われずに、既にトップコートが存在している部分)には、その既に存在しているトップコート層の上に重ねてトップコート層を形成することまでは要しない。しかし、このように既に存在しているトップコート層の上に重ねてトップコート層を形成することは可能であり、そしてそのような場合でも所定の効果を得ることが可能である。
従って、本実施形態による遮熱コーティングの補修方法は、このようなボンドコート層が露出した部分に加えて既に存在しているトップコート層の上に重ねてトップコート層を形成する態様をも包含する。
以上の通りにして、第二の実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行うことができる。
遮熱コーティングが補修された補修品は、必要に応じて、図1の(g)に示されるように、完成検査に付すことができる。
〔耐熱性部品〕
本発明の実施形態による耐熱性部品は、上記の補修方法を採用して遮熱コーティングの損傷が補修されたことを特徴とするものである。
このような耐熱性部品には、遮熱コーティングの一部の領域あるいは全部の領域が、1回ないし複数回補修された耐熱性部品が包含される。
本発明の実施形態による耐熱性部品は、好ましくは、基材上に形成された、ボンドコート層およびトップコート層を含んでなる遮熱コーティングが補修された耐熱性部品であって、前記ボンドコート層に穿かれた細孔内に前記トップコート層の形成材料が充填されるとともに、前記ボンドコート層が前記トップコート層に被覆されてなることを特徴とするものである。
そして、このような耐熱性部品には、例えば、遮熱コーティングが補修された、タービン部品、特に好ましくはCOタービン部品およびガスタービン部品が包含される。
<実施例1>
ここでは、Ni基超合金を用いた燃焼器ライナを対象とした実施例を以下に示す。
図2は、本発明の実施例1に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
図2の(a)に示されるように、燃焼器ライナの内面には、高温の燃焼ガスから基材(11)を保護するために遮熱コーティング(ボンドコート層(10)およびトップコート層(8))が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず基材(11)に中間層となるボンドコート層(10)が施されており、その上にジルコニアを主成分とするトップコート層(8)が施されている。長時間の実使用によりコーティングが劣化し、特にボンドコート層(10)が酸化することによりボンドコート層(10)とトップコート層(8)との密着力が低下し、剥離を促進すると推測されている。
定期的に実施する一般的な補修においては、劣化したトップコート層(8)およびボンドコート層(10)を全て除去し、新しいコーティングを施工するため、劣化したコーティングをあらかじめ除去する必要がある。しかしながら、ボンドコート層(10)を除去するためには化学的にボンドコート層(10)を溶解させるなどの大規模な設備が必要になっている。
本実施例では特別な設備を用いることなく、簡単な手法で補修が可能となる手法を試みている。その補修工程の模式図を図2に示す。
図2の(b)に示されるように、長時間使用により劣化したトップコート層(8)をアルミナブラストにより除去した。なお、ボンドコート層(10)が酸化し、トップコート層(8)との界面に酸化物層(9)が生成しているため、図2の(c)に示されるように、続いてこの酸化物層(9)も同じ手法で除去した。その後、表面を有機溶剤等にて洗浄し、図2の(d)に示されるように、ジルコニアを主成分とする粉末を溶射設備にてトップコート層(8)として施工した。
上記実施例はCOタービンの燃焼器ライナについて述べたが、ガスタービンの燃焼器ライナにも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
<実施例2>
実施例2では、Ni基超合金を用いた動翼を対象とした実施例を示す。
図3は、本発明の実施例2に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
図3の(a)に示されるように、第1段動翼の外面には高温の燃焼ガスから基材(11)を保護するために遮熱コーティング(ボンドコート層(10)およびトップコート層(8))が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず基材(11)に中間層となるボンドコート層(10)が施されており、その上にジルコニアを主成分とするトップコート層(8)が施されている。長時間の実使用によりコーティングが劣化し、特にボンドコート層(10)が酸化することによりボンドコート層(10)とトップコート層(8)との密着力が低下し、剥離を促進すると推測されている。
定期的に実施する一般的な補修においては劣化したトップコート層(8)およびボンドコート層(10)を全て除去し、新しいコーティングを施工するため、劣化したコーティングはあらかじめ除去する必要がある。一方で、局部的にトップコート層(8)が剥離する場合があり、ここでは局部的な補修について述べる。
その補修工程の模式図を図3に示す。図3の(b)に示されるように、局部的にトップコート層(8)が剥離した状態ではその領域を中心にボンドコート層(10)が顕著に酸化されており、図3の(c)に示されるように、この酸化物層(9)をアルミナブラストにより除去した。その後、表面を有機溶剤等にて洗浄し、図3の(d)に示されるように、トップコート層(8)が剥離した領域を中心にジルコニアを主成分とする粉末を溶射設備にてトップコート層(8)として施工した。
上記実施例はCOタービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
<実施例3>
実施例3では、Ni基超合金を用いた動翼を対象とし、トップコート層の密着力をより向上させた実施例を示す。
図4は、本発明の実施例3に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
図4の(a)に示されるように、第1段動翼の外面には高温の燃焼ガスから基材(11)を保護するために遮熱コーティング(ボンドコート層(10)およびトップコート層(8))が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず基材(11)に中間層となるボンドコート層(10)が施されており、その上にジルコニアを主成分とするトップコート層(8)が施されている。長時間の実使用によりコーティングが劣化し、特にボンドコート層(8)が酸化することによりボンドコート層(10)とトップコート層(8)との密着力が低下し、剥離を促進すると推測されている。
定期的に実施する一般的な補修においては劣化したトップコート層(8)およびボンドコート層(10)を全て除去し、新しいコーティングを施工するため、劣化したコーティングはあらかじめ除去する必要がある。一方で、局部的にトップコート層(8)が剥離する場合があり、ここでは局部的な補修について述べる。
その補修工程の模式図を図4に示す。図4の(b)に示されるように、局部的にトップコート層(8)が剥離した状態ではその領域を中心にボンドコート層(10)が顕著に酸化されており、図4の(c)に示されるように、この酸化物層(9)をアルミナブラストにより除去した。その後、図4の(d)に示されるように、ボンドコート層(10)に円筒状の細孔(12)を放電加工機にて複数個設けた。この細孔(12)の深さは基材(11)まで到達することなく、少なくともボンドコート層(10)の厚さに留めた。その後、表面を有機溶剤等にて洗浄し、図4の(e)に示されるように、トップコート層(8)が剥離した領域を中心にジルコニアを主成分とする粉末を溶射設備にてトップコート層(8)として施工した。
このような手段でトップコート層を施すことで、トップコート層(8)とボンドコート層(10)界面での接合面積が大きくなり、それに伴って密着力が向上する。
上記実施例はCOタービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
<実施例4>
実施例4では、Ni基超合金を用いた動翼を対象とし、トップコート層の密着力をより向上させた実施例を示す。
図5は、本発明の実施例4に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
図5の(a)に示されるように、第1段動翼の外面には高温の燃焼ガスから基材(11)を保護するために遮熱コーティング(ボンドコート層(10)およびトップコート層(8))が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず基材(11)に中間層となるボンドコート層が施されており、その上にジルコニアを主成分とするトップコート層(8)が施されている。長時間の実使用によりコーティングが劣化し、特にボンドコート層(10)が酸化することによりボンドコート層(10)とトップコート層(8)との密着力が低下し、剥離を促進すると推測されている。
定期的に実施する一般的な補修においては劣化したトップコート層(8)およびボンドコート層(10)を全て除去し、新しいコーティングを施工するため、劣化したコーティングをあらかじめ除去する必要がある。一方で、局部的にトップコート層(8)が剥離する場合があり、ここでは局部的な補修について述べる。
その補修工程の模式図を図5に示す。図5の(b)に示されるように、局部的にトップコート層(8)が剥離した状態ではその領域を中心にボンドコート層(10)が顕著に酸化されており、図5の(c)に示されるように、この酸化物層(9)をアルミナブラストにより除去した。その後、図5の(d)に示されるように、ボンドコート層(10)に円錐状の細孔(13)を放電加工機にて複数個設けた。この細孔(13)の深さは基材(11)まで到達することなく、少なくともボンドコート層(10)の厚さに留めた。その後、表面を有機溶剤等にて洗浄し、図5の(e)に示されるように、トップコート層(8)が剥離した領域を中心にジルコニアを主成分とする粉末を溶射設備にてトップコート層(8)として施工した。このような手段でトップコート層(8)を施すことで、トップコート層(8)とボンドコート層(10)界面での接合面積が大きくなり、それに伴って密着力が向上する。
図7に補修後の密着力を評価した結果を示す。補修後の試験片による引張強さを新材と比較して示すが、補修後の引張強さは新材とほぼ同等の値を示した。なお、密着力の向上には接合面積に大きく影響するため、その形状は円錐に限らず、多角柱や三角柱といった形状でも効果がある。
上記実施例はCOタービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
<実施例5>
実施例5ではNi基超合金を用いた動翼を対象とし、トップコート層の密着力をより向上させた実施例を示す。
図6は、本発明の実施例5に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
図6の(a)に示されるように、第1段動翼の外面には高温の燃焼ガスから基材(11)を保護するために遮熱コーティング(ボンドコート層(10)およびトップコート層(8))が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず基材(11)に中間層となるボンドコート層(10)が施されており、その上にジルコニアを主成分とするトップコート層(8)が施されている。長時間の実使用によりコーティングが劣化し、特にボンドコート層(10)が酸化することによりボンドコート層(10)とトップコート層(8)との密着力が低下し、剥離を促進すると推測されている。
定期的に実施する一般的な補修においては劣化したトップコート層(8)およびボンドコート層(10)を全て除去し、新しいコーティングを施工するため、劣化したコーティングはあらかじめ除去する必要がある。一方で、局部的にトップコート層(8)が剥離する場合があり、ここでは局部的な補修について述べる。
その補修工程の模式図を図6に示す。図6の(b)に示されるように、局部的にトップコート層(8)が剥離した状態ではその領域を中心にボンドコート層(10)が顕著に酸化されており、図6の(c)に示されるように、この酸化物層(9)をアルミナブラストにより除去した。その後、図6の(d)に示されるように、ボンドコート層(10)に円角柱形状の細孔(14)を放電加工機にて複数個設けた。この細孔の深さは基材(11)まで到達することなく、少なくともボンドコート層(10)の厚さに留めた。その後、表面を有機溶剤等にて洗浄し、図6の(e)に示されるように、トップコート層(8)が剥離した領域を中心にジルコニアを主成分とする接着剤を大気中にてトップコート層(8)として施工した。その後、接着強度を向上させるため焼結させることが望ましい。このような手段でトップコート層(8)を施すことで、トップコート層(8)とボンドコート層(10)界面での接合面積が大きくなり、それに伴って密着力が向上する。
上記実施例はCOタービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更あるいは付加等を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…損傷検査、2…トップコート層除去、3…酸化物層除去、4…細孔加工、5…洗浄、6…トップコート層形成、7…完成検査、8…トップコート層、9…酸化物層、10…ボンドコート層、11…基材、12…円筒形状の細孔、13…円錐形状の細孔、14…角柱形状の細孔、15…新品の密着力、16…補修品の密着力

Claims (11)

  1. 基材上に形成された、ボンドコート層およびトップコート層を含んでなる遮熱コーティングを補修する方法であって、
    前記トップコート層、ならびに前記トップコート層と前記ボンドコート層との間に酸化物層が介在する場合にはこの酸化物層、を除去して前記ボンドコート層を露出させ、
    前記ボンドコート層の露出部分に、前記ボンドコート層の厚みを100%としたときに、この厚みに対して80〜90%の深さ、平均直径100〜300μmの細孔を穿ち、
    その後、この露出部分にトップコート層を形成して遮熱コーティングを再形成することを特徴とする、遮熱コーティングの補修方法。
  2. 前記細孔を、放電加工またはドリル加工によって形成する、請求項1に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  3. 前記細孔は、円筒形状、円錐形状または角柱形状である、請求項1または2に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  4. ジルコニウム粉末を用いた溶射処理に付すことによって、前記トップコート層を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  5. ジルコニウム粉末を含む接着材を塗工することによって、前記トップコート層を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  6. 前記基材は、タービン部品である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  7. 前記基材は、COタービン部品またはガスタービン部品である、請求項6に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  8. 前記の遮熱コーティングの補修方法の補修対象部位は、前記基材の外周面の全領域である、請求項1〜7いずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  9. 前記の遮熱コーティングの補修方法の補修対象部位は、前記基材の外周面の一部領域である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の補修方法を採用して、遮熱コーティングの損傷が補修されたことを特徴とする、耐熱性部品。
  11. 基材上に形成された、ボンドコート層およびトップコート層を含んでなる遮熱コーティングが補修された耐熱性部品であって、
    前記ボンドコート層に、前記ボンドコート層の厚みを100%としたときに、この厚みに対して80〜90%の深さ、平均直径100〜300μmの細孔が穿かれ、この穿かれた細孔内に前記トップコート層の形成材料が充填されるとともに、前記ボンドコート層が前記トップコート層に被覆されてなることを特徴とする、耐熱性部品。
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