JP6709181B2 - 遮熱コーティングの補修方法および耐熱性部品 - Google Patents
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Description
このようにコーティングの本来の機能が低下またはコーティングが剥離した場合、補修技術の開発が課題となる。
前記トップコート層、ならびに前記トップコート層と前記ボンドコート層との間に酸化物層が介在する場合にはこの酸化物層を除去して前記ボンドコート層を露出させ、この露出部分にトップコート層を形成して遮熱コーティングを再形成することを特徴とするものである。
また、特別な設備を用いることなく、簡単な手法で補修が可能になる。
以下、本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法の好ましい一具体的について、必要に応じて、図1〜7を参照して説明する。
< 補修対象 >
本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法は、各種の機械ないし器具等に形成された遮熱コーティングを補修する際に適用することができる。
実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行う際には、図1の(a)に示されるように、先ず、必要に応じて、損傷検査を行って、トップコート層(8)の損傷箇所、損傷の程度、内容等を検査するのが普通である。この損傷検査は目視にて行うことができるし、また各種の検査装置等を用いて行うことができる。
以上の通りにして、第一の実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行うことができる。
遮熱コーティングが補修された補修品は、必要に応じて、図1の(g)に示されるように、完成検査に付すことができる。
以下、本発明の実施形態による遮熱コーティングの補修方法の他の好ましい一具体的について、必要に応じて図面を参照して説明する。
この第二の形態は、上記の第一の形態において、トップコート層の除去部分に存在するボンドコート層に細孔を穿ち、その後トップコート層を形成して遮熱コーティングを再形成する形態である。この第二の形態では、ボンドコート層を貫通しない程度の深さの細孔を穿つことが好ましい。前記のように、ボンドコート層の厚さは、好ましくは50〜200μm、特に好ましくは100〜150μmであるから、細孔の深さはボンドコート層の厚さを考慮して定めることができる。細孔の深さは、ボンドコートの厚さに対して、好ましくは50〜95%、特に好ましくは80〜90%(ボンドコート層の厚さ100%とする)とすることができる。
本発明の好ましい実施形態では、イットリアで安定化させたジルコニウム粉末を用いた溶射処理によって、トップコート層を形成することができる。
また、本発明の他の好ましい実施形態では、ジルコニウム粉末を含む接着剤を塗工し、その後に焼成することによって、トップコート層を形成することができる。
以上の通りにして、第二の実施形態による遮熱コーティングの補修方法を行うことができる。
遮熱コーティングが補修された補修品は、必要に応じて、図1の(g)に示されるように、完成検査に付すことができる。
本発明の実施形態による耐熱性部品は、上記の補修方法を採用して遮熱コーティングの損傷が補修されたことを特徴とするものである。
このような耐熱性部品には、遮熱コーティングの一部の領域あるいは全部の領域が、1回ないし複数回補修された耐熱性部品が包含される。
そして、このような耐熱性部品には、例えば、遮熱コーティングが補修された、タービン部品、特に好ましくはCO2タービン部品およびガスタービン部品が包含される。
ここでは、Ni基超合金を用いた燃焼器ライナを対象とした実施例を以下に示す。
図2は、本発明の実施例1に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
図2の(b)に示されるように、長時間使用により劣化したトップコート層(8)をアルミナブラストにより除去した。なお、ボンドコート層(10)が酸化し、トップコート層(8)との界面に酸化物層(9)が生成しているため、図2の(c)に示されるように、続いてこの酸化物層(9)も同じ手法で除去した。その後、表面を有機溶剤等にて洗浄し、図2の(d)に示されるように、ジルコニアを主成分とする粉末を溶射設備にてトップコート層(8)として施工した。
上記実施例はCO2タービンの燃焼器ライナについて述べたが、ガスタービンの燃焼器ライナにも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
実施例2では、Ni基超合金を用いた動翼を対象とした実施例を示す。
図3は、本発明の実施例2に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
上記実施例はCO2タービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
実施例3では、Ni基超合金を用いた動翼を対象とし、トップコート層の密着力をより向上させた実施例を示す。
図4は、本発明の実施例3に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
このような手段でトップコート層を施すことで、トップコート層(8)とボンドコート層(10)界面での接合面積が大きくなり、それに伴って密着力が向上する。
上記実施例はCO2タービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
実施例4では、Ni基超合金を用いた動翼を対象とし、トップコート層の密着力をより向上させた実施例を示す。
図5は、本発明の実施例4に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
上記実施例はCO2タービンの動翼について述べたが、ガスタービンの動翼にも同様の補修が可能であり、同等の機能に回復させることができる。
実施例5ではNi基超合金を用いた動翼を対象とし、トップコート層の密着力をより向上させた実施例を示す。
図6は、本発明の実施例5に係る遮熱コーティングの補修方法を説明するための工程図である。
Claims (11)
- 基材上に形成された、ボンドコート層およびトップコート層を含んでなる遮熱コーティングを補修する方法であって、
前記トップコート層、ならびに前記トップコート層と前記ボンドコート層との間に酸化物層が介在する場合にはこの酸化物層、を除去して前記ボンドコート層を露出させ、
前記ボンドコート層の露出部分に、前記ボンドコート層の厚みを100%としたときに、この厚みに対して80〜90%の深さ、平均直径100〜300μmの細孔を穿ち、
その後、この露出部分にトップコート層を形成して遮熱コーティングを再形成することを特徴とする、遮熱コーティングの補修方法。 - 前記細孔を、放電加工またはドリル加工によって形成する、請求項1に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- 前記細孔は、円筒形状、円錐形状または角柱形状である、請求項1または2に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- ジルコニウム粉末を用いた溶射処理に付すことによって、前記トップコート層を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- ジルコニウム粉末を含む接着材を塗工することによって、前記トップコート層を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- 前記基材は、タービン部品である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- 前記基材は、CO2タービン部品またはガスタービン部品である、請求項6に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- 前記の遮熱コーティングの補修方法の補修対象部位は、前記基材の外周面の全領域である、請求項1〜7いずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- 前記の遮熱コーティングの補修方法の補修対象部位は、前記基材の外周面の一部領域である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮熱コーティングの補修方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の補修方法を採用して、遮熱コーティングの損傷が補修されたことを特徴とする、耐熱性部品。
- 基材上に形成された、ボンドコート層およびトップコート層を含んでなる遮熱コーティングが補修された耐熱性部品であって、
前記ボンドコート層に、前記ボンドコート層の厚みを100%としたときに、この厚みに対して80〜90%の深さ、平均直径100〜300μmの細孔が穿かれ、この穿かれた細孔内に前記トップコート層の形成材料が充填されるとともに、前記ボンドコート層が前記トップコート層に被覆されてなることを特徴とする、耐熱性部品。
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