JP2018173023A - タービン部品の補修方法 - Google Patents

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斎藤 大蔵
Daizo Saito
大蔵 斎藤
日野 武久
Takehisa Hino
武久 日野
北山 和弘
Kazuhiro Kitayama
和弘 北山
和義 高橋
Kazuyoshi Takahashi
和義 高橋
吉田 耕平
Kohei Yoshida
耕平 吉田
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Abstract

【課題】タービン部品の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出する。
【解決手段】実施形態におけるタービン部品の補修方法は、タービン部品を補修する、タービン部品の補修方法であって、前記タービン部品の使用後に前記タービン部品を受入れて、前記タービン部品の損傷検査を行う受入検査工程と、前記損傷検査を終えた前記タービン部品の基材の表面上に形成された遮熱コーティングを除去するコーティング除去工程と、前記遮熱コーティングを除去した前記基材の表面のき裂を検査する検査工程と、前記遮熱コーティングを除去した前記基材の組織観察を行なう工程と、前記検査工程による検査および前記組織観察の結果、前記き裂が無い前記基材の表面上に新たな遮熱コーティングを施す工程と、を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、タービン部品の補修方法およびタービン部品に関する。
発電用ガスタービンのような高温機器において、燃焼器、動翼、静翼等のタービン高温部品(以下、タービン部品、または部品と称することがある)の外面について、例えばセラミックからなる遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)を施すことで遮熱性または耐酸化性を確保している。一方、タービン高温部品の内面、例えば動翼や静翼の内部に設けられる冷却口の内面には、物理的にコーティングを施すことが容易でない。このため、この内面にコーティングを施さないで使用するか、気相を用いて化学的にアルミコーティング等の耐酸化コーティングを施して耐酸化性の向上を図っている。
タービン高温部品の外面に施された遮熱コーティング(以下、コーティングと称することがある)は、タービンの長時間にわたる使用後に劣化または密着力が低下する。このため、タービン高温部品については、3〜4年毎に実施している定期検査に合わせてコーティングを除去し、新たなコーティングを施して再使用している。
また、場合によっては、タービンの使用中において、局所的にコーティングが剥離するなどの現象も生じている。従って、コーティングの本来の機能が低下または剥離したことによる、定期検査後の再使用するための補修にあたり、(1)タービンの使用後の受入検査、(2)劣化や損傷したコーティングの除去、(3)き裂の検査、(4)新しいコーティングの施工(リコーティング)、(5)出荷前検査を行っている。
特開2017−020421号公報
近年、メンテナンス費用の削減の観点から、タービン高温部品の当初の交換時間を延長してタービンを使用する運用が増え、使用後の検査が非常に重要になっている。従来の検査は、部品の表面に発生したき裂を確認するため目視および蛍光浸透探傷検査を中心として実施されてきた。しかし、これらの検査では部品の巨視的なき裂を検出するに留まり、目視では確認できない、部品の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出することはできない。
本発明が解決しようとする課題は、タービン部品の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出することが可能なタービン部品の補修方法およびタービン部品を提供することである。
実施形態におけるタービン部品の補修方法は、タービン部品を補修する、タービン部品の補修方法であって、前記タービン部品の使用後に前記タービン部品を受入れて、前記タービン部品の損傷検査を行う受入検査工程と、前記損傷検査を終えた前記タービン部品の基材の表面上に形成された遮熱コーティングを除去するコーティング除去工程と、前記遮熱コーティングを除去した前記基材の表面のき裂を検査する検査工程と、前記遮熱コーティングを除去した前記基材の組織観察を行なう工程と、前記検査工程による検査および前記組織観察の結果、前記き裂が無い前記基材の表面上に新たな遮熱コーティングを施す工程と、を有する。
本発明によれば、タービン部品の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出することができる。
第1の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャート。 第1の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図。 第2の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図。 第3の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャート。 第3の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図。 第4の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図。 第5の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャート。 第5の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図。
以下、実施形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
ここでは第1の実施形態に係るガスタービン動翼の補修方法および補修したタービン高温部品の一例について述べる。図1は、第1の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャートである。図2は、第1の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
この補修方法では、受入検査(S1)と、コーティング除去(S2)と、表面のき裂検査(S3)と、表面の組織観察(S4)と、コーティング施工(S5)と、出荷前検査(S6)の流れとなっている。
ここでは、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第1段動翼であって、用いられている材料が図2に示すように一方向凝固材(柱状晶)を対象とした例を以下に示す。
ガスタービン第1段動翼の外面には、高温の燃焼ガスから第1段動翼の基材10を保護するために、この基材10の表面に遮熱コーティング(以下、コーティングと称することがある)が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず、基材10に中間層となるボンドコート(ボンド層と称することもある)9が遮熱コーティングの一層目として施されており、この上に、ジルコニア(例えばイットリア安定化ジルコニア:YSZ)を主成分とする、熱伝導性の小さいセラミックス製のトップコート7が遮熱コーティングの二層目として施されている。上記のボンドコート9は、Ni、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティングであり、基材10との間の熱膨張差を緩和して密着性を向上させるものである。
ここで、タービンを長時間にわたり実使用することにより遮熱コーティングが劣化し、特にボンドコート9が酸化して、当該ボンドコート9とトップコート7の界面に酸化スケール(酸化層と称することもある)8が形成されることにより、ボンドコート9とトップコート7との間の密着力が低下し、コーティングの剥離が促進されてしまう。
タービン部品について定期的に実施する一般的な補修においては、新しいコーティングを施工するために、劣化したトップコート7およびボンドコート9をあらかじめ全て除去する必要がある。
次に、補修工程について説明する。
第1の実施形態では、まず、S1の受入検査を行なう。この受入検査では、使用後のタービン部品を受け入れて、このタービン部品の損傷状態の検査を実施する。
そして、S2のコーティング除去として、タービンの長時間使用により劣化したトップコート7を、機械的な手法であるアルミナを用いたブラスト(アルミナブラスト)により除去する。なお、上記のように、ボンドコート9が酸化し、このボンドコート9とトップコート7との界面に酸化スケール8が生成されているときは、続いて、この酸化スケール8も同じ手法で除去する。上記の機械的な手法としては、回転または往復運動する砥石を用いてトップコート7を除去してもよいし、酸化物の粒子を吹き付けてトップコート7を除去してもよい。
この後、ボンドコート9を除去する。ただし、上記のように、このボンドコート9は、Ni、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティングであるため、上記のアルミナブラストでは完全に除去できない。このため、ボンドコート9に対しては、酸性の液体による浸漬等の、化学的に溶融させる手法により除去する。この処理により、基材10の組織、特に結晶粒界(結晶と結晶の境界)12を観察することができる。
次に、S3の表面のき裂検査として、基材10の表面の目視を行なう。ここで、基材10に巨視的にき裂11が生じている場合は、目視で十分に検出できるが、基材10の結晶粒界12に発生した、目視では検出できないき裂については、S3では検査できない。
そこで、S4の表面の組織観察として、拡大鏡などを用いて、基材10のき裂の有無を確認する。
例えば、S3の目視ではき裂11が十分に確認できなかったが、S4の表面の組織観察において、基材10の表面を拡大鏡で観察した結果、結晶粒界12に微細なき裂11、または、き裂が発生する直前の損傷が生じていたとする。
この場合、当該第1段動翼は再使用することなく、そのまま廃却することになる。
また、S4の表面の組織観察において、拡大鏡でもき裂が確認できなかった第1段動翼の基材10に対しては、S5のコーティング施工を行なう。この施工では、新しいコーティングとして、基材10の外面に新たなボンドコート9および新たなトップコート7を順番に施す。そして、S6の出荷前検査にて検査を受け、合格すれば再使用に供される。
以上のように、第1の実施形態におけるタービン補修方法では、表面の組織観察を行なうことで、タービン高温部品の基材の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。以下の各実施形態において、第1の実施形態と同様の構成や手順の説明は省略することがある。
第2の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第2段動翼で、この動翼の材料は図3に示すように普通凝固材(等軸晶)である。この第2段動翼の外面には、高温の燃焼ガスから基材10を保護するためにNi、Co、Cr、Al、Yなどの、つまりボンドコート9と同様の材質の金属コーティング13が施工される。この金属コーティング13は、Ni−Co−CrマトリックスにCoAl相を析出させることで耐酸化性を向上させており、動翼の長時間の使用により、外表面側よりCoAl相が消失し、耐酸化性が低下する。
タービン部品について定期的に実施する一般的な補修においては、新しいコーティングを施工するために、劣化した金属コーティング13をあらかじめ除去する必要がある。
次に補修工程について説明する。
第2の実施形態では、まず、S1の受入検査の後、S2として、動翼の長時間使用により劣化した金属コーティング13(金属コーティング13上に形成された酸化スケール8を含む)をアルミナブラストにより可能な限り除去する。
その後、基材10の表面の組織を観察するために、第2の実施形態では、応力的に最も厳しい翼前縁部および後縁部を、酸性の液体である10%過酸化水素塩酸溶液を用いてエッチングする。ここで用いる溶液は、これに限らず、例えば、塩酸とリン酸との混合酸溶液であってもよい。この処理により、後のS4にて基材10の組織、特に結晶粒界12を観察することができる。このエッチング後に、S3の表面のき裂検査として、基材10の表面の目視を行なう。ここで、基材10に巨視的にき裂11が生じている場合は目視で十分に検出できるが、基材10の結晶粒界12に発生した、目視では検出できないき裂については、S3では検査できない。
そこで、S4の表面の組織観察として、拡大鏡などを用いて、基材10のき裂の有無を確認する。
例えば、S3の目視ではき裂11が十分に確認できなかったが、拡大鏡で観察した結果、結晶粒界12に微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷が生じていたとする。この場合、当該第2段動翼は再使用することなく、そのまま廃却することになる。
また、S4において、拡大鏡でもき裂が確認できなかった第2段動翼の基材10に対しては、S5のコーティング施工を行なう。このS5では、基材10の外面に新しいコーティングとして、新たな金属コーティング13を施す。そして、S6の出荷前検査にて検査を受け、合格すれば再使用に供される。
以上のように、第2の実施形態におけるタービン補修方法では、第1の実施形態と同様に、表面の組織観察を行なうことで、タービン高温部品の基材の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出することができる。
なお、ここではコーティングの除去を、アルミナブラストにて行なったが、これに限らず、化学的な手法のみでコーティングを除去し、同時にき裂および組織観察を行って再使用することもできる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャートである。図5は、第3の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
第3の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第2段動翼で、この動翼の材料は第2の実施形態と同じく図5に示すように普通凝固材である。第2の実施形態と同様に、第2段動翼の外面には、高温の燃焼ガスから基材10を保護するためにNi、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティング13が施工される。
タービン部品について定期的に実施する一般的な補修においては、新しいコーティングを施工するため、劣化した金属コーティング13をあらかじめ除去する必要がある。
また、基材10にも材料劣化が生じる。この材料劣化は基材10の結晶粒界12に生じやすく、動翼を長時間使用することにより、結晶粒界12から炭化物15やガンマプライム相14の析出が認められる。これらの析出は、特に靱性の低下をきたす。
次に、補修工程について説明する。
第3の実施形態では、S1の受入検査の後、S2として、動翼の長時間使用により劣化した金属コーティング13(金属コーティング13上に形成された酸化スケール8を含む)をアルミナブラストにより可能な限り除去する。
その後、S11として、基材10に生じた材料劣化、特に結晶粒界12に生じた炭化物15やガンマプライム相14を固溶させるため溶体化熱処理を施す。その結果、靱性の低下に寄与してしまう炭化物15やガンマプライム相14が固溶して結晶粒界12の組織が回復する。この熱処理は、S4における表面の組織観察の前に行われれば、そのタイミングは特に限られない。
さらに、基材10の表面の組織を観察するため、ここでは、応力的に最も厳しい翼前縁部および後縁部を10%過酸化水素塩酸溶液を用いてエッチングする。ここで用いる溶液は、これに限らず、例えば、塩酸とリン酸との混合酸溶液であってもよい。この処理により、後のS4にて基材10の組織、特に結晶粒界12を観察することができる。この後の手順は、第2の実施形態で説明したS3以降と同様である。
以上のように、第3の実施形態では、基材の結晶粒界に生じた炭化物やガンマプライム相を固溶させるための熱処理を施すことで、基材の表面の組織観察では、その後の使用に支障をきたす、製造時やこれまでの補修により不可避的に生じた再結晶、湯境やフレッケルなどの欠陥も検出できるため、信頼性が向上する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図6は、第4の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
第4の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第2段動翼で、この動翼の材料は、第1の実施形態と同じく図6に示すように一方向凝固材である。第2および第3の実施形態と同様に、第2段動翼の外面には高温の燃焼ガスから基材10を保護するためにNi、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティング13が施工される。
第4の実施形態における補修方法の手順は、補修対象のタービン部品である第2段動翼の材料が一方向凝固材である他は、第3の実施形態と同様である。
以上のように、第4の実施形態では、第3の実施形態と同様に、基材の結晶粒界に生じた炭化物やガンマプライム相を固溶させるための熱処理を施すことで、基材の表面の組織観察では、その後の使用に支障をきたす、製造時やこれまでの補修により不可避的に生じた再結晶、湯境やフレッケルなどの欠陥も検出できるため、信頼性が向上する。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。図7は第5の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャートである。図8は、第5の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
第5の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第3段動翼で、この動翼材料は、第2および第3の実施形態と同じく図8に示すように普通凝固材である。
第5の実施形態では、第3段動翼の外面にはコーティングが施されていないため、補修における除去は、基材10上に形成される酸化スケール8のみをアルミナブラストで除去することに留まる。また、第3および第4の実施形態で説明したように、基材10の材料劣化は結晶粒界12に生じやすく、長時間使用により、炭化物15やガンマプライム相14の析出が認められる。これらの結晶粒界の析出は特に靱性の低下をきたす。
次に、補修工程について説明する。
第5の実施形態では、S1の受入検査の後、S21として、動翼の長時間使用により生成した、基材10上の酸化スケール8をアルミナブラストにより除去する。
その後、上記のS11と同様に、基材10に生じた材料劣化、特に結晶粒界に生じた炭化物15やガンマプライム相14を固溶させるため溶体化熱処理を施す。その結果、靱性の低下に寄与してしまう、炭化物15やガンマプライム相14が固溶する。
さらに、基材10の表面の組織を観察するため、ここでは、応力的に最も厳しい翼前縁部および後縁部を10%過酸化水素塩酸溶液を用いてエッチングする。ここで用いる溶液は、これに限らず、例えば、塩酸とリン酸との混合酸溶液であってもよい。この処理により、後のS4で基材10の組織、特に結晶粒界12を観察することができる。この後は、動翼は、第2の実施形態などで説明した、表面のき裂検査(S3)、表面の組織観察(S4)、出荷前検査(S6)を経て、廃却または再利用に供される。
以上のように、第5の実施形態では、第3および第4の実施形態と同様に、基材の結晶粒界に生じた炭化物やガンマプライム相を固溶させるための熱処理を施すことで、基材の表面の組織観察では、その後の使用に支障をきたす、製造時やこれまでの補修により不可避的に生じた再結晶、湯境やフレッケルなどの欠陥も検出できるため、信頼性が向上する。
以上の通り、各実施形態では、ガスタービンの運転および製造時に生じたき裂などの欠陥が広い範囲で検出することが可能となり、再使用が可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
7…トップコート、8…酸化スケール(酸化層)、9…ボンドコート、10…基材、11…き裂、12…結晶粒界、13…金属コーティング、14…結晶粒界に析出したガンマプライム相、15…結晶粒界に析出した炭化物。
本発明の実施形態は、タービン部品の補修方法に関する。
本発明が解決しようとする課題は、タービン部品の微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷を検出することが可能なタービン部品の補修方法を提供することである。
実施形態におけるタービン部品の補修方法は、結晶粒界を有し、かつ、普通凝固材であるタービン部品を補修する、タービン部品の補修方法であって、前記タービン部品の使用後に前記タービン部品を受入れて、前記タービン部品の損傷検査を行う受入検査工程と、前記損傷検査を終えた前記タービン部品の基材の表面上に形成された酸化層を除去する除去工程と、前記酸化層を除去した前記基材の表面のき裂を検査する工程と、前記タービン部品の使用により前記基材の結晶粒界に生じた炭化物又はガンマプライム相の少なくともいずれか一方を固溶させるための溶体化熱処理を施す工程と、前記溶体化熱処理を施した前記基材の組織観察を行なう工程と、を有する。

Claims (10)

  1. タービン部品を補修する、タービン部品の補修方法であって、
    前記タービン部品の使用後に前記タービン部品を受入れて、前記タービン部品の損傷検査を行う受入検査工程と、
    前記損傷検査を終えた前記タービン部品の基材の表面上に形成された遮熱コーティングを除去するコーティング除去工程と、
    前記遮熱コーティングを除去した前記基材の表面のき裂を検査する検査工程と、
    前記遮熱コーティングを除去した前記基材の組織観察を行なう工程と、
    前記検査工程による検査および前記組織観察の結果、前記き裂が無い前記基材の表面上に新たな遮熱コーティングを施す工程と、を有する
    タービン部品の補修方法。
  2. 前記コーティング除去工程は、機械的な手法および化学的な手法の少なくとも一方を使用して、前記遮熱コーティングを除去する
    請求項1に記載のタービン部品の補修方法。
  3. 前記機械的な手法は、回転または往復運動する砥石を用いて前記遮熱コーティングを除去する手法である
    請求項2に記載のタービン部品の補修方法。
  4. 前記機械的な手法は、酸化物の粒子を衝突させて前記遮熱コーティングを除去する手法である
    請求項2に記載のタービン部品の補修方法。
  5. 前記化学的な手法は、酸性の液体を用いて前記遮熱コーティングを除去する手法である
    請求項2に記載のタービン部品の補修方法。
  6. 前記タービン部品の材料は、結晶粒界を有する材料であり、
    前記組織観察の前に、前記結晶粒界の組織を回復させる熱処理を施す工程をさらに有する
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法。
  7. 前記タービン部品の材料翼は、結晶粒界を有し、かつ、普通凝固材であり、
    前記組織観察の前に、前記結晶粒界の組織を回復させる熱処理を施す工程をさらに有する
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法。
  8. 前記タービン部品の材料は、結晶粒界を有し、かつ、一方向凝固の材料であり、
    前記組織観察の前に、前記結晶粒界の組織を回復させる熱処理を施す工程をさらに有する
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法。
  9. 結晶粒界を有するタービン部品を補修するタービン部品の補修方法であって、
    前記タービン部品の使用後に前記タービン部品を受入れて、前記タービン部品の損傷検査を行う受入検査工程と、
    前記損傷検査を終えた前記タービン部品の基材の表面上に形成された酸化層を除去する除去工程と、
    前記酸化層を除去した前記基材の表面のき裂を検査する工程と、
    前記酸化層を除去した前記基材の結晶粒界の組織を回復させる熱処理を施す工程と、
    前記熱処理を施した前記基材の組織観察を行なう工程と、を有する
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法によって補修したタービン部品。
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