以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、電子機器の一例として、モータを制御するモータ制御装置について説明するが、電子機器をモータ制御装置に限定するものではない。また、モータ制御装置の構成の説明の便宜上、上下左右前後等の方向を適宜使用する場合があるが、各構成の位置関係を限定するものではない。
<1.モータ制御装置の全体構成>
まず、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るモータ制御装置1の全体構成の一例について説明する。なお、図1及び図2では各部品を結合させるねじの図示を省略している。
図1及び図2に示すように、モータ制御装置1は、筐体2と、メイン基板3と、回生抵抗4と、ヒートシンク5と、インターフェースモジュール6と、インバータモジュール7と、コンバータモジュール8とを有する。なお、説明の便宜上、各モジュールを区別する必要がない場合は、基板モジュール6,7,8ともいう。
筐体2は、例えばステンレス等の金属で構成されており、底板9と、底板9に垂直な複数(この例では4つ)の側板10,11,12,13とを有する。側板10は底板9の左端部に立設され、側板11は底板9の右端部に立設され、側板12は底板9の後端部に立設され、側板13は底板9の前端部に立設されている。側板10,11は左右方向に対向して配置され、側板12,13は前後方向に対向して配置されている。側板10,11,12は、底板9と一体的に構成されているが、底板9と別部品として構成してもよい。側板13は、底板9と別部品として構成されており、側板10,11に対して着脱することが可能である。なお、説明の便宜上、側板10,11,12,13をそれぞれ、左側板10、右側板11、後側板12、前側板13ともいう。
底板9には、筐体2の内側(上方)に向けて突出した複数(この例では9つ)のボス14が設けられている。各ボス14にはそれぞれねじ穴が形成されており、メイン基板3がねじ140(後述の図9参照)により固定されている。また、底板9は前端部の下方側に前方に向けて突出した張り出し部15を有している。この張り出し部15には、複数の基板モジュール6,7,8の各々に対応する位置に、各基板モジュール6,7,8をねじ143(後述の図11参照)により固定するためのねじ穴16が形成されている。
左側板10及び右側板11のそれぞれには、上端部と前端部に、前側板13をねじ148(後述の図16参照)により固定するための複数のねじ穴17が形成されている。なお、右側板11の内側には、回生抵抗4及びヒートシンク5を取り付けるための、筐体2の内側(左方)に向けて突出した複数(この例では4つ)のボス46が設けられている(後述の図10参照)。
後側板12には、左右方向において複数の基板モジュール6,7,8に亘るように開口部18が設けられている。開口部18は、モータ制御装置1の外部に設けられた冷却ファン19(図1参照)により前から後に向けて送風される冷却風20の通風口として機能する。なお、モータ制御装置1が冷却ファン19を一体的に備えてもよい。また、冷却風20は後から前に向けて送風されてもよい。
また、後側板12には、複数の基板モジュール6,7,8の各々に対応する位置に、筐体2の内側(前方)に向けて突出した複数(この例では5つ)の突出部21が設けられている。突出部21は、各基板モジュール6,7,8の穴部と係合する(詳細は後述)。また、後側板12には、複数の基板モジュール6,7,8の各々に対応する位置に、各基板モジュール6,7,8をねじ142(後述の図11参照)により固定するための貫通穴22が形成されている。
前側板13は、前側パネル23と上側パネル24とを有する。前側パネル23と上側パネル24とは、例えば1枚のパネルを直角に屈曲させることにより形成されているが、両パネルを別部品として構成してもよい。前側パネル23には、メイン基板3や各基板モジュール6,7,8のコネクタを前方に露出させるための複数の開口25,26,27や、冷却風20の通風口である複数の開口28,29,30が形成されている。前側パネル23と上側パネル24には、左側板10及び右側板11をねじにより固定するための複数の貫通穴31が形成されている。また、上側パネル24には、複数の基板モジュール6,7,8の各々に対応する位置に、各基板モジュール6,7,8をねじ149(後述の図16参照)により固定するための貫通穴32が形成されている。
メイン基板3(第1基板の一例)は、いわゆるマザーボードであり、筐体2の底板9に平行に設置されている。メイン基板3には、インターフェースモジュール6が接続されるコネクタ33(第1コネクタの一例)と、インバータモジュール7が接続される複数(この例では4つ)のコネクタ35,36,37,38(第1コネクタの一例)と、コンバータモジュール8が接続される複数(この例では3つ)のコネクタ39,40,41(第1コネクタの一例)が設けられている。また、メイン基板3には、上記コネクタの他、複数の電子部品42が設けられている。また、メイン基板3には、底板9の各ボス14に対応する位置に貫通穴43が形成されている。
回生抵抗4には、複数(この例では4つ)の貫通穴44が形成されており、筐体2の右側板11の内側にねじ141により固定されている(後述の図10参照)。また、ヒートシンク5には、複数(この例では4つ)の貫通穴45が形成されており、回生抵抗4にねじ141により固定されている(後述の図10参照)。上述した前側パネル23の開口30は、ヒートシンク5に対応する位置に形成されており、ヒートシンク5への冷却風20の風量を増加させて回生抵抗4を効率的に冷却することができる。
インターフェースモジュール6(基板モジュールの一例)、複数(この例では3つ)のインバータモジュール7(基板モジュールの一例)、及びコンバータモジュール8(基板モジュールの一例)は、メイン基板3にそれぞれ立設されている。各基板モジュール6,7,8は、互いに平行に配置されており、回生抵抗4に近い側からコンバータモジュール8、3つのインバータモジュール7、インターフェースモジュール6の順に配置されている。各基板モジュール6,7,8の詳細については後述する。なお、インバータモジュール7の数は3以外(例えば1つ又は2つ)としてもよい。
なお、上述したモータ制御装置1の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。例えば、筐体2に天板を設けて上側の全体を覆ってもよい。また、例えば側板10,11にも適宜の開口を形成し、更なる軽量化及び放熱性の向上を図ってもよい。また、冷却ファン19を設けずに自然対流のみで放熱してもよい。この場合、後側板12や前側板13に通風口となる開口は設けなくともよい。
<2.インターフェースモジュールの構成>
次に、図3及び図4を参照しつつ、インターフェースモジュール6の構成の一例について説明する。インターフェースモジュール6は、モータ制御装置1と外部機器とを電気的に接続するための基板モジュールである。
図3及び図4に示すように、インターフェースモジュール6は、インターフェース基板50(第2基板の一例)と、インターフェース用プレート51(基板固定部材の一例)とを有する。インターフェース基板50のインターフェース用プレート51とは反対側(左側)の部品面52における前端部には、外部機器と接続するためのコネクタ53が設けられている。また、部品面52の下端部には、メイン基板3のコネクタ33と接続されるコネクタ54(第2コネクタの一例)が設けられている。なお、インターフェース基板50の上記以外の電子部品については図示を省略している。また、インターフェース基板50の端部の近傍には、インターフェース用プレート51の各ボス56に対応する位置に貫通穴55が形成されている。
インターフェース用プレート51は、例えばステンレス等の金属で構成されている。インターフェース用プレート51の基板側の表面の前方側には、インターフェース基板50側(左側)に向けて突出した複数(この例では3つ)のボス56が設けられている。各ボス56にはそれぞれねじ穴が形成されており、インターフェース基板50がねじ57により固定される。
インターフェース用プレート51の上端部の前方側には、前側板13の上側パネル24の貫通穴32に対応する位置にねじ穴58が形成されており、インターフェース用プレート51がねじ149(図16参照)により上側パネル24に固定される。また、インターフェース用プレート51は、前端部の下方側に前方に向けて突出した脚部59を有している。この脚部59には、底板9の張り出し部15のねじ穴16に対応する位置に貫通穴60が形成されており、インターフェース用プレート51がねじ143(図11参照)により底板9に固定される。
また、インターフェース用プレート51は、後端部にインターフェース基板50側(左側)に向けて突出し、筐体2の後側板12と対向する係合板部61を有している。係合板部61は、例えばインターフェース用プレート51を直角に屈曲させることにより形成されているが、インターフェース用プレート51とは別部品として構成してもよい。係合板部61の下端部には、後側板12に設けられた突出部21と係合する穴部62が設けられている。穴部62は、インターフェース基板50に垂直な方向(左右方向)において突出部21の移動を規制可能な幅Wを有する。つまり、穴部62の左右方向の幅Wは、円柱状の突出部21の直径と略同一である。但し、突出部21が穴部62の内部で円滑にスライド可能なように、若干の隙間が生じる寸法に設定されている。また、穴部62は、メイン基板3に垂直な方向(上下方向)において幅Wよりも長くなるように長穴状に形成されており、穴部62の下端部は開口している。また、穴部62の上端部は、突出部21の側面形状に合致した円弧状の曲面となっており、メイン基板3のコネクタ33とインターフェース基板50のコネクタ54との接続が完了した際に、突出部21の側面に突き当たる突き当たり部63を構成している。
係合板部61の上端部の近傍には、後側板12の貫通穴22に対応する位置にねじ穴64が形成されており、インターフェース用プレート51がねじ142(図11参照)により後側板12に固定される。また、係合板部61の穴部62とねじ穴64の間における、後側板12の開口部18に対応する位置には、冷却風20の通風口として機能する長穴状の開口部65が形成されている。
なお、上述したインターフェースモジュール6の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。
<3.インバータモジュールの構成>
次に、図5及び図6を参照しつつ、インバータモジュール7の構成の一例について説明する。インバータモジュール7は、コンバータモジュール8により交流電力から変換された直流電力を交流電力に変換してモータに供給するための基板モジュールである。
図5及び図6に示すように、インバータモジュール7は、インバータパワー基板70(第2基板の一例)と、インバータ制御基板71(第2基板の一例)と、ヒートシンク72と、インバータ用プレート73(基板固定部材の一例)とを有する。インバータパワー基板70は、直流電力を交流電力に変換してモータに供給する。インバータ制御基板71は、インバータパワー基板70による電力変換を制御する。インバータパワー基板70とインバータ制御基板71は、インバータ用プレート73の一方側と他方側に分けて配置されている。
インバータパワー基板70のインバータ用プレート73側(右側)の部品面74における前端部には、外部機器と接続するためのコネクタ75が設けられている。また、部品面74の下端部には、メイン基板3のコネクタ35,36,37とそれぞれ接続されるコネクタ76,77,78(第2コネクタの一例)が設けられている。また、部品面74の後方側には、スイッチング素子を備えた例えば2つのパワーモジュール79が設けられている。また、部品面74の前方側には、他の電子部品よりも背の高い例えば2つの電子部品80が設けられている。なお、インバータパワー基板70の上記以外の電子部品については図示を省略している。また、インバータパワー基板70の例えば四隅の近傍には、インバータ用プレート73の各ボス89に対応する位置に貫通穴81が形成されている。
ヒートシンク72は、ベース82と、複数のフィン83とを有しており、インバータパワー基板70に配置された発熱部品である2つのパワーモジュール79(電子部品の一例)を冷却する。ベース82のインバータパワー基板70側(左側)の表面は、例えばサーマルグリス等の熱伝導促進材を介してパワーモジュール79に接触する。ベース82の例えば四隅の近傍には、インバータ用プレート73の各ねじ穴94に対応する位置に貫通穴84が形成されている。
インバータ制御基板71のインバータ用プレート73側(左側)の部品面85における前端部の下方側には、外部機器と接続するためのコネクタ86が設けられている。また、部品面85の下端部には、メイン基板3のコネクタ38と接続されるコネクタ87(第2コネクタの一例)が設けられている。なお、インバータ制御基板71の上記以外の電子部品については図示を省略している。また、インバータ制御基板71の例えば四隅の近傍には、インバータ用プレート73の各ボス91に対応する位置に貫通穴88が形成されている。
インバータ用プレート73は、例えばステンレス等の金属で構成されている。インバータ用プレート73のインバータパワー基板70側の表面の例えば四隅近傍には、インバータパワー基板70側(左側)に向けて突出した複数(この例では4つ)のボス89が設けられている。各ボス89にはそれぞれねじ穴が形成されており、インバータパワー基板70がねじ90により固定される。また、インバータ用プレート73のインバータ制御基板71側の表面の前方側には、インバータ制御基板71側(右側)に向けて突出した複数(この例では4つ)のボス91が設けられている。各ボス91にはそれぞれねじ穴が形成されており、インバータ制御基板71がねじ92により固定される。
インバータ用プレート73の後方側には、ヒートシンク72のフィン83が挿通される開口93が形成されている。開口93の周囲には、複数(この例では4つ)のねじ穴94が形成されており、ヒートシンク72がねじ95により固定される。図6に示すように、ヒートシンク72のフィン83は、インバータ制御基板71と干渉しない位置(後側に隣接する位置)において、インバータ用プレート73のインバータ制御基板71側(右側)に向けて突出して配置される。上述した前側パネル23の開口28は、ヒートシンク72のフィン83に対応する位置に形成されており、フィン83への冷却風20の風量を増加させてパワーモジュール79を効率的に冷却することができる。
インバータ用プレート73の前方側には、上述した背の高い電子部品80等が挿通される開口部96が形成されている。この開口部96に電子部品80等を挿通させることにより、インバータモジュール7の左右方向の厚みを低減できる。
インバータ用プレート73の上端部の前方側には、前側板13の上側パネル24の貫通穴32に対応する位置にねじ穴97が形成されており、インバータ用プレート73がねじ149(図16参照)により上側パネル24に固定される。
また、インバータ用プレート73は、前端部にインバータ制御基板71側(右側)に向けて突出し、前側板13の前側パネル23と対向する固定板部98を有している。固定板部98は、例えばインバータ用プレート73を直角に屈曲させることにより形成されているが、インバータ用プレート73とは別部品として構成してもよい。固定板部98は、下端部に前方に向けて突出した脚部99を有している。この脚部99には、底板9の張り出し部15のねじ穴16に対応する位置に貫通穴100が形成されており、インバータ用プレート73がねじ143(図11参照)により底板9に固定される。また、固定板部98には、開口部106,107が形成されている。開口部106は、冷却風20の通風口として機能する。開口部107は、開口部96と連通しており、冷却風20の通風口として機能すると共に、インバータ制御基板71のコネクタ86を前方に露出させる。
また、インバータ用プレート73は、後端部にインバータ制御基板71側(右側)に向けて突出し、筐体2の後側板12と対向する係合板部101を有している。係合板部101は、例えばインバータ用プレート73を直角に屈曲させることにより形成されているが、インバータ用プレート73とは別部品として構成してもよい。係合板部101の下端部には、後側板12に設けられた突出部21と係合する穴部102が設けられている。穴部102は、インバータパワー基板70及びインバータ制御基板71に垂直な方向(左右方向)において突出部21の移動を規制可能な幅Wを有する。つまり、穴部102の左右方向の幅Wは、円柱状の突出部21の直径と略同一である。但し、突出部21が穴部102の内部で円滑にスライド可能なように、若干の隙間が生じる寸法に設定されている。また、穴部102は、メイン基板3に垂直な方向(上下方向)において幅Wよりも長くなるように長穴状に形成されており、穴部102の下端部は開口している。また、穴部102の上端部は、突出部21の側面形状に合致した円弧状の曲面となっており、メイン基板3のコネクタ35,36,37とインバータパワー基板70のコネクタ76,77,78、及び、メイン基板3のコネクタ38とインバータ制御基板71のコネクタ87との接続が完了した際に、突出部21の側面に突き当たる突き当たり部103を構成している。
係合板部101の上端部の近傍には、後側板12の貫通穴22に対応する位置にねじ穴104が形成されており、インバータ用プレート73がねじ142(図11参照)により後側板12に固定される。また、係合板部101の穴部102とねじ穴104の間における、後側板12の開口部18に対応する位置には、冷却風20の通風口として機能する長穴状の開口部105が形成されている。
なお、上述したインバータモジュール7の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。
<4.コンバータモジュールの構成>
次に、図7及び図8を参照しつつ、コンバータモジュール8の構成の一例について説明する。コンバータモジュール8は、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するための基板モジュールである。
図7及び図8に示すように、コンバータモジュール8は、コンバータ基板110(第2基板の一例)と、ヒートシンク111と、コンバータ用プレート112(基板固定部材の一例)とを有する。
コンバータ基板110のヒートシンク111側(左側)の部品面113における下端部には、メイン基板3のコネクタ39,40,41とそれぞれ接続されるコネクタ114,115,116(第2コネクタの一例)が設けられている。また、部品面113の上方における前方側には、通電時に発熱する発熱部品117(電子部品の一例)が設けられている。また、部品面113の後方側には、切り欠き部118の近傍に電子部品119が設けられている。なお、コンバータ基板110の上記以外の電子部品については図示を省略している。また、コンバータ基板110の端部の近傍には、コンバータ用プレート112の各ボス124に対応する位置に貫通穴120が形成されている。
ヒートシンク111は、ベース121と、複数のフィン122とを有しており、コンバータ基板110に配置された発熱部品117(電子部品の一例)を冷却する。ベース121のコンバータ基板110側(右側)の表面は、例えばサーマルグリス等の熱伝導促進材を介して発熱部品117に接触する。ベース121の端部の近傍には、コンバータ用プレート112の一部(この例では3つ)のボス124に対応する位置に貫通穴123が形成されている。上述した前側パネル23の開口29は、ヒートシンク111に対応する位置に形成されており、ヒートシンク111へ流入する冷却風20の風量を増加させて発熱部品117を効率的に冷却することができる。
コンバータ用プレート112は、例えばステンレス等の金属で構成されている。コンバータ用プレート112のコンバータ基板110側の表面には、コンバータ基板110側(左側)に向けて突出した複数(この例では6つ)のボス124が設けられている。各ボス124にはそれぞれねじ穴が形成されており、コンバータ基板110がねじ125により固定される。なお、ヒートシンク111に対応する例えば3つのボス124に対しては、ねじ126がヒートシンク111、スリーブ127、及びコンバータ基板110を貫通して締結されており、ヒートシンク111とコンバータ基板110とが共締めされている。
コンバータ用プレート112の上端部における後方側には、コンバータ基板110の切り欠き部118に対応する位置に、クランプ部材128が設けられている。クランプ部材128には、1又は複数のケーブルが挿通されて保持され、筐体2内のケーブルの振動やバタつきを防止できるとともにケーブルを整理、整頓できる。また、コンバータ用プレート112の上端部近傍における前方側には、コンバータ基板110とは反対側(右側)に突出したコネクタ保持部材129が設けられている。コネクタ保持部材129には、例えばクランプ部材128に挿通されたケーブルの先端のコネクタが保持される(後述の図15参照)。コネクタ保持部材129は、例えばコンバータ用プレート112を直角に切り起こすことにより形成されているが、コンバータ用プレート112とは別部品として構成してもよい。
コンバータ用プレート112の上端部の前方側には、前側板13の上側パネル24の貫通穴32に対応する位置にねじ穴130が形成されており、コンバータ用プレート112がねじ149(図16参照)により上側パネル24に固定される。また、コンバータ用プレート112は、前端部の下方側に前方に向けて突出した脚部131を有している。この脚部131には、底板9の張り出し部15のねじ穴16に対応する位置に貫通穴132が形成されており、コンバータ用プレート112がねじ143(図11参照)により底板9に固定される。
また、コンバータ用プレート112は、後端部にコンバータ基板110側(左側)に向けて突出し、筐体2の後側板12と対向する係合板部133を有している。係合板部133は、例えばコンバータ用プレート112を直角に屈曲させることにより形成されているが、コンバータ用プレート112とは別部品として構成してもよい。係合板部133の下端部には、後側板12に設けられた突出部21と係合する穴部134が設けられている。穴部134は、コンバータ基板110に垂直な方向(左右方向)において突出部21の移動を規制可能な幅Wを有する。つまり、穴部134の左右方向の幅Wは、円柱状の突出部21の直径と略同一である。但し、突出部21が穴部134の内部で円滑にスライド可能なように、若干の隙間が生じる寸法に設定されている。また、穴部134は、メイン基板3に垂直な方向(上下方向)において幅Wよりも長くなるように長穴状に形成されており、穴部134の下端部は開口している。また、穴部134の上端部は、突出部21の側面形状に合致した円弧状の曲面となっており、メイン基板3のコネクタ39,40,41とコンバータ基板110のコネクタ114,115,116との接続が完了した際に、突出部21の側面に突き当たる突き当たり部135を構成している。
係合板部133の上端部の近傍には、後側板12の貫通穴22に対応する位置にねじ穴136が形成されており、コンバータ用プレート112がねじ142(図11参照)により後側板12に固定される。また、係合板部133の穴部134とねじ穴136の間における、後側板12の開口部18に対応する位置には、冷却風20の通風口として機能する長穴状の開口部137が形成されている。
なお、上述したコンバータモジュール8の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。
<5.モータ制御装置の組み立て手順>
次に、図9〜図16を参照しつつ、モータ制御装置1の組み立て手順(製造方法)の一例について説明する。なお、図9〜図16では各部品を結合させた後のねじの図示を適宜省略している。また、各基板モジュール6,7,8については予め組み立てておくものとする。
まず、図9に示すように、複数(この例では9つ)のねじ140を、メイン基板3の貫通穴43に挿通させて底板9のボス14にそれぞれねじ込むことにより、メイン基板3を筐体2の底板9に取り付ける。
次に、図10に示すように、複数(この例では4つ)のねじ141を、ヒートシンク5の貫通穴45及び回生抵抗4の貫通穴44に挿通させて、右側板11のボス46にそれぞれねじ込むことにより、ヒートシンク5及び回生抵抗4を共締めにより筐体2の右側板11の内側に取り付ける。
次に、図11に示すように、インターフェースモジュール6、3つのインバータモジュール7、及びコンバータモジュール8のそれぞれを、筐体2内に挿入してメイン基板3に立設させ、ねじ142及びねじ143により筐体2に固定する。このとき、図12に示す(一例としてインターフェースモジュール6を取り付ける場合を示す)ように、筐体2の後側板12に設けられた突出部21を、インターフェース用プレート51の係合板部61の穴部62に係合させつつインターフェースモジュール6をメイン基板3に向けて移動させる。突出部21が穴部62に係合して当該穴部62内をスライドすることにより、インターフェースモジュール6はメイン基板3のコネクタ33とインターフェース基板50のコネクタ54が適正に接続される位置にガイドされる。なお、インターフェースモジュール6の前後方向の位置決めは、インターフェース用プレート51の係合板部61を筐体2の後側板12に接触させることで行う。そして、図13に示すように、コネクタ33とコネクタ54との接続が完了した際に、穴部62の突き当たり部63が突出部21の側面に突き当たり、インターフェースモジュール6のメイン基板3側への移動が規制される。なおこのとき、インターフェース用プレート51の脚部59も底板9の張り出し部15に当接する。
この状態で、ねじ142を、後側板12の貫通穴22に挿通させてインターフェース用プレート51のねじ穴64にねじ込むことにより、インターフェース用プレート51を後側板12に固定する。また、ねじ143を、インターフェース用プレート51の脚部59の貫通穴60に挿通させて底板9の張り出し部15のねじ穴16にねじ込むことにより、インターフェース用プレート51を底板9に固定する。このようにして、インターフェースモジュール6を筐体2に取り付ける。
なお、図12及び図13では、一例としてインターフェースモジュール6を取り付ける場合を示したが、その他のインバータモジュール7及びコンバータモジュール8についても同様の組み立て手順となる。
次に、図14に示すように、回生抵抗ケーブル144を、コンバータモジュール8のクランプ部材128に挿通し、一端を回生抵抗4に、他端をコンバータ基板110の電子部品119に接続する。
次に、図15に示すように、メイン基板ケーブル145を、コンバータモジュール8のクランプ部材128に挿通すると共に、コンバータ用プレート112のコンバータ基板110側とは反対側の表面に設けたクランプ部材146に取り付ける。そして、メイン基板ケーブル145の一端のコネクタ147を、コンバータ用プレート112のコネクタ保持部材129に取り付けると共に、メイン基板ケーブル145の他端の図示しないコネクタをメイン基板3の対応する電子部品に接続する。
次に、図16に示すように、複数(この例では6つ)のねじ148を、前側板13の前側パネル23及び上側パネル24の貫通穴31にそれぞれ挿通させて、左側板10及び右側板11のねじ穴17にそれぞれねじ込むことにより、前側板13を左側板10及び右側板11に取り付ける。さらに、複数(この例では5つ)のねじ149を、前側板13の上側パネル24の貫通穴32にそれぞれ挿通させて、各基板モジュール6,7,8のねじ穴58,97,130にそれぞれねじ込むことにより、前側板13を各基板モジュール6,7,8の上端部に取り付ける。以上のようにして、モータ制御装置1が組み立てられる。
<6.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のモータ制御装置1は、底板9及び当該底板9に垂直な複数の側板10,11,12,13を備えた筐体2と、底板9に平行に設置されたメイン基板3と、インターフェース基板50及び当該インターフェース基板50が固定されるインターフェース用プレート51を備え、メイン基板3に立設されたインターフェースモジュール6と、インバータパワー基板70及びインバータ制御基板71並びにこれら基板70,71が固定されるインバータ用プレート73を備え、メイン基板3に立設されたインバータモジュール7と、コンバータ基板110及び当該コンバータ基板110が固定されるコンバータ用プレート112を備え、メイン基板3に立設されたコンバータモジュール8と、を有し、複数の側板10,11,12,13のうち後側板12は、筐体2の内側に向けて突出した突出部21を有し、インターフェース用プレート51、インバータ用プレート73、及びコンバータ用プレート112は、突出部21と係合する穴部62,102,134を有する。
本実施形態によれば、各基板モジュール6,7,8をメイン基板3に取り付ける際に、後側板12の突出部21を各基板モジュール6,7,8の穴部62,102,134にそれぞれ係合させることにより、各基板モジュール6,7,8を所望の位置(メイン基板3の各コネクタと各基板モジュール6,7,8の各コネクタが適正に接続される位置)にガイドすることができる。特に、インバータモジュール7やコンバータモジュール8のように複数のコネクタが前後方向に並設されていたり、さらにはインバータモジュール7のように複数の基板が左右方向に並設されている基板モジュールにおいては、メイン基板3の各コネクタと基板モジュール7,8の各コネクタとの位置合わせをするのが大変である。このため、突出部21と穴部102,134との係合によるガイド機能が極めて有効である。また、各基板モジュール6,7,8をメイン基板3から取り外す際にも、各基板モジュール6,7,8を引き抜く方向をガイドすることができる。これにより、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性を向上できる。その結果、筐体2の側板10,11,12,13の内側にガイド部材(ガイド溝を備えたプレートやガイドレール等)を設ける必要がなくなるので、モータ制御装置1を小型化及び軽量化することができると共に、コストも削減できる。
また、本実施形態では特に、穴部62,102,134は、各基板50,70,71,110に垂直な方向において突出部21の移動を規制可能な幅Wを有し、メイン基板3に垂直な方向において幅Wよりも長くなるように形成されている。
これにより、各基板モジュール6,7,8をメイン基板3に対して取り付け又は取り外す際に、各基板50,70,71,110に垂直な方向に移動するのを防止して位置決めしつつ、メイン基板3に垂直な方向にガイドすることができる。したがって、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、メイン基板3は、コネクタ33,35,36,37,38,39,40,41を有し、各基板モジュール6,7,8の各基板50,70,71,110は、コネクタ33,35,36,37,38,39,40,41にそれぞれ接続されるコネクタ54,76,77,78,87,114,115,116を有し、穴部62,102,134は、コネクタ33,35,36,37,38,39,40,41とコネクタ54,76,77,78,87,114,115,116との接続がそれぞれ完了した際に突出部21の側面に突き当たる突き当たり部63,103,135を有する。
これにより、各基板モジュール6,7,8をメイン基板3に取り付ける際に、穴部62,102,134をストッパとして機能させることができる。その結果、各基板モジュール6,7,8の押し込み過ぎ等によるコネクタ、電子部品、基板等の破損、損傷等を防止できる。
また、本実施形態では特に、インターフェース用プレート51、インバータ用プレート73、及びコンバータ用プレート112は、突き当たり部63,103,135が突出部21の側面に突き当たった状態で、底板9と、後側板12に、ねじ143,142により固定される。
これにより、各プレート51,73,112が筐体2の互いに直交する2つの面にそれぞれ固定されることとなり、各プレート51,73,112を強度部材として機能させることができる。その結果、筐体2の剛性を高めることができるので、振動を低減できる。さらに、本実施形態では各プレート51,73,112の上端部を前側板13の上側パネル24にねじ149により固定するので、各プレート51,73,112が筐体2の互いに直交する3つの面にそれぞれ固定されることとなり、さらに筐体2の剛性を高め、振動を低減することができる。
また、本実施形態では特に、インバータモジュール7は、インバータ用プレート73に固定され、インバータパワー基板70に配置されたパワーモジュール79を冷却するためのヒートシンク72を有し、コンバータモジュール8は、コンバータ用プレート112に固定され、コンバータ基板110に配置された発熱部品117を冷却するためのヒートシンク111を有する。
これにより、各基板70,110上の発熱する電子部品79,117を効率的に冷却できる。また、各基板70,110とともにヒートシンク72,111を各プレート73,112に固定してそれぞれモジュール化するので、予め基板モジュール7,8を組み立てておいてモジュールごとに筐体2に対して着脱することができる。したがって、取扱い性が向上し、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、インバータモジュール7は、インバータパワー基板70とインバータ制御基板71とを有しており、これら基板70,71は、インバータ用プレート73の一方側と他方側に分けて配置されている。
これにより、インバータパワー基板70の表面と裏面の固定スペースを有効活用できるので、インバータモジュール7をコンパクト化できる。また、インバータパワー基板70とインバータ制御基板71との間にインバータ用プレート73が位置するので、両基板70,71を離間して配置できると共に、例えば金属製のインバータ用プレート73をシールド部材として機能させることが可能となり、インバータパワー基板70から放射される電磁波等によるインバータ制御基板71へのノイズの影響を低減できる。
また、本実施形態では特に、突出部21が設けられた後側板12は、複数の基板モジュール6,7,8に亘るように形成された開口部18を有する。
本実施形態のモータ制御装置1によれば、筐体2にガイド部材を設けないので、このように複数の基板モジュール6,7,8に亘る大きな開口部18を設けることができる。これにより、モータ制御装置1をさらに軽量化できると共に、開口部18を冷却風20の通風口として機能させることにより放熱性(冷却性能)を向上できる。
また、本実施形態では特に、モータ制御装置1は、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ基板110を備えたコンバータモジュール8と、直流電力を交流電力に変換してモータに供給するインバータパワー基板70及び当該インバータパワー基板70による電力変換を制御するインバータ制御基板71を備えたインバータモジュール7と、インターフェース基板50を備えたインターフェースモジュール6と、を有する。
これにより、小型化、軽量化、及びコスト削減が可能であると共に、組み立て時やメンテナンス時の作業性を向上可能なモータ制御装置を実現できる。
また、本実施形態のモータ制御装置1の製造方法は、メイン基板3を筐体2の底板9に平行に設置することと、各基板モジュール6,7,8を、筐体2の後側板12に設けられた突出部21を各基板モジュール6,7,8の穴部62,102,134に係合させつつ底板9に垂直な方向に移動させて、メイン基板3に立設させることと、を有する。
これにより、各基板モジュール6,7,8を所望の位置(メイン基板3の各コネクタと各基板モジュール6,7,8の各コネクタが適正に接続される位置)にガイドすることができる。また、各基板モジュール6,7,8をメイン基板3から取り外す際にも、各基板モジュール6,7,8を引き抜く方向をガイドすることができる。これにより、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性を向上できる。
<7.変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について説明する。
(7−1.突出部と穴部を前後方向の両側に設ける場合)
上記実施形態では、筐体2の後側板12にのみ突出部21を設け、各基板モジュール6,7,8の後側において穴部62,102,134と突出部21とが係合する構成としたが、筐体2の前側板にも突出部21を設け、各基板モジュール6,7,8の前後両側において穴部と突出部21とが係合する構成としてもよい。図17を参照しつつ、本変形例の構成の一例について説明する。
図17に示す(一例としてインバータモジュールを取り付ける場合を示す)ように、本変形例のインバータモジュール7Aでは、インバータ用プレート73が、前端部にインバータ制御基板71側(右側)に向けて突出し、筐体2の前側板13Aと対向する係合板部150を有している。
係合板部150は、後側の係合板部101と同様の構成を有する。すなわち、係合板部150の下端部には、前側板13Aに設けられた突出部21と係合する穴部151が設けられている。穴部151の形状は、穴部102と同様であり、上端部に突き当たり部152を有している。係合板部150の上端部の近傍には、前側板13Aの貫通穴153に対応する位置にねじ穴154が形成されており、インバータ用プレート73がねじ155により前側板13Aに固定される。また、係合板部150の穴部151とねじ穴154の間には、冷却風20の通風口として機能する長穴状の開口部156が形成されている。
なお、本変形例では、筐体2の前側板13Aは、例えば左側板10及び右側板11に固定的に設けられている。また、図示は省略するが、インバータモジュール7A以外の他の基板モジュールも同様の構成を有する。上記以外の構成は前述の実施形態と同様である。
本変形例によれば、インバータモジュール7A(他の基板モジュールも同様)を後端部に加えて前端部についてもガイドすることができるので、インバータモジュール7Aの前方側の左右方向のぶれや位置ずれを防止でき、ガイドによる位置精度をさらに高めることができる。したがって、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性をさらに向上できる。
(7−2.1つの穴部が複数の突出部に係合する場合)
図18及び図19を参照しつつ、本変形例の構成の一例について説明する。
図18及び図19に示すように、本変形例のインターフェースモジュール6Aでは、インターフェース用プレート51の係合板部61に穴部62Aが設けられている。穴部62Aは、係合板部61の下端部からねじ穴64の近傍に到るまで上下方向に延設されている。一方、筐体2の後側板12には、開口部18の上下方向両側に複数(この例では2つ)の突出部21が設けられている。なお、突出部21を上下方向に3つ以上設けてもよい。
図18に示すように、後側板12の上側に設けられた突出部21を穴部62Aに係合させつつインターフェースモジュール6Aをメイン基板3に向けて移動させる。その後、下側の突出部21も穴部62Aに係合し、2つの突出部21が穴部62A内をスライドする。これにより、インターフェースモジュール6Aはメイン基板3のコネクタ33とインターフェース基板50のコネクタ54が適正に接続される位置に精度良くガイドされる。そして、図19に示すように、コネクタ33とコネクタ54との接続が完了した際に、穴部62Aの突き当たり部63Aが上側の突出部21の側面に突き当たり、インターフェースモジュール6Aのメイン基板3側への移動が規制される。この状態で、ねじ142,143によりインターフェース用プレート51を後側板12及び底板9に固定する。
なお、図示は省略するが、インターフェースモジュール6A以外の他の基板モジュールも同様の構成を有する。また、上記以外の構成は前述の実施形態と同様である。
本変形例によれば、穴部62Aを比較的長く形成するので、インターフェースモジュール6A(他の基板モジュールも同様)を長い距離ガイドすることができる。また、穴部62Aが上下方向に並設された2つの突出部21に係合することにより、インターフェースモジュール6Aの着脱方向を精度良くガイドできる。さらに、インターフェースモジュール6Aの回転方向(例えば突出部21を通り前後方向に平行な軸を中心とする回転方向)のぶれや位置ずれを防止でき、ガイドによる位置精度をさらに高めることができる。したがって、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性をさらに向上できる。
(7−3.複数の穴部が複数の突出部に係合する場合)
図20及び図21を参照しつつ、本変形例の構成の一例について説明する。
図20及び図21に示すように、本変形例のインターフェースモジュール6Bでは、インターフェース用プレート51が、後端部に2つの係合板部61A,61Bを有している。2つの係合板部61A,61Bは、例えば後側板12の開口部18の上下方向の寸法と略同じ距離だけ上下方向に離間して配置されている。係合板部61Aには穴部62aが設けられ、係合板部61Bには穴部62bが設けられている。穴部62a,62bの形状は、前述の実施形態の穴部62と同様であり、上端部に突き当たり部63a,63bをそれぞれ有している。一方、筐体2の後側板12には、開口部18の上下方向両側に複数(この例では2つ)の突出部21が設けられている。なお、突出部21を上下方向に3つ以上設けてもよい。
図20に示すように、後側板12の2つの突出部21を穴部62a,62bにそれぞれ係合させつつインターフェースモジュール6Bをメイン基板3に向けて移動させる。これにより、インターフェースモジュール6Bはメイン基板3のコネクタ33とインターフェース基板50のコネクタ54が適正に接続される位置に精度良くガイドされる。そして、図21に示すように、コネクタ33とコネクタ54との接続が完了した際に、穴部62a,62bの突き当たり部63a,63bが2つの突出部21の側面にそれぞれ突き当たり、インターフェースモジュール6Bのメイン基板3側への移動が規制される。この状態で、ねじ142,143によりインターフェース用プレート51を後側板12及び底板9に固定する。
なお、図示は省略するが、インターフェースモジュール6B以外の他の基板モジュールも同様の構成を有する。また、上記以外の構成は前述の実施形態と同様である。
本変形例によれば、穴部62a,62bが上下方向に並設された2つの突出部21にそれぞれ係合することにより、インターフェースモジュール6B(他の基板モジュールも同様)の着脱方向を精度良くガイドできる。さらに、インターフェースモジュール6Bの回転方向(例えば突出部21を通り前後方向に平行な軸を中心とする回転方向)のぶれや位置ずれを防止でき、ガイドによる位置精度をさらに高めることができる。したがって、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性をさらに向上できる。
(7−4.穴部と突出部の他の形状)
以上では、突出部21が円柱状である場合を一例として説明したが、他の形状としてもよい。例えば図22に示すように、穴部62の幅方向(左右方向)における両側に平坦部160を有する突出部21Aとしてもよい。穴部62の左右方向の幅Wは、突出部21Aの平坦部160部分の幅と略同一である。但し、突出部21Aが穴部62の内部で円滑にスライド可能なように、平坦部160との間に若干の隙間が生じる寸法に設定されている。なお、突出部21Aの上下方向の両端は、穴部62の突き当たり部63の形状に合致した円弧状の曲面となっている。
また、例えば図23に示すように、穴部62の幅方向(左右方向)における両側に平坦部161を有する四角柱状の突出部21Bとしてもよい。穴部62の左右方向の幅Wは、突出部21Bの幅と略同一である。但し、突出部21Bが穴部62の内部で円滑にスライド可能なように、平坦部161との間に若干の隙間が生じる寸法に設定されている。なお、穴部62の突き当たり部63の形状は、突出部21Bの上端部に合致した平面状となっている。
本変形例によれば、突出部21A,21Bの平坦部160,161が穴部62の内側の平面にそれぞれ係合することにより、基板モジュール6,7,8の着脱方向を精度良くガイドできる。さらに、基板モジュール6,7,8の回転方向(例えば突出部21A,21Bを通り前後方向に平行な軸を中心とする回転方向)のぶれや位置ずれを防止でき、ガイドによる位置精度をさらに高めることができる。したがって、モータ制御装置1の組み立て時やメンテナンス時の作業性をさらに向上できる。
(7−5.穴部が凹部の場合)
以上では、穴部62等が貫通穴である場合を一例として説明したが、例えば係合板部の厚さが厚い場合や、係合板部を設けずに各基板モジュール6,7,8の基板固定部材の後側面に直接穴部を設ける場合等には、例えば図24に示すように穴部を突出部21と係合可能な凹部162として形成してもよい。この場合にも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(7−6.その他)
以上では、本発明をモータ制御装置に適用した場合を一例として説明したが、モータ以外の機械を制御する制御装置に適用してもよいし、さらには、基板及び当該基板が固定される基板固定部材を備えた基板モジュールを筐体に内蔵する電子機器であれば、本発明はそのような電子機器にも適用可能である。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。