JP6705834B2 - 冷凍機油 - Google Patents

冷凍機油 Download PDF

Info

Publication number
JP6705834B2
JP6705834B2 JP2017551836A JP2017551836A JP6705834B2 JP 6705834 B2 JP6705834 B2 JP 6705834B2 JP 2017551836 A JP2017551836 A JP 2017551836A JP 2017551836 A JP2017551836 A JP 2017551836A JP 6705834 B2 JP6705834 B2 JP 6705834B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
less
formula
carbon atoms
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017551836A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017086221A1 (ja
Inventor
健太郎 山口
健太郎 山口
武 大城戸
武 大城戸
英俊 尾形
英俊 尾形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JXTG Nippon Oil and Energy Corp filed Critical JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Publication of JPWO2017086221A1 publication Critical patent/JPWO2017086221A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6705834B2 publication Critical patent/JP6705834B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M129/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen
    • C10M129/02Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen having a carbon chain of less than 30 atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M129/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen
    • C10M129/02Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen having a carbon chain of less than 30 atoms
    • C10M129/16Ethers
    • C10M129/18Epoxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M129/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen
    • C10M129/02Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen having a carbon chain of less than 30 atoms
    • C10M129/66Epoxidised acids or esters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

本発明は、冷凍機油に関する。
冷蔵庫、カーエアコン、ルームエアコン、自動販売機などの冷凍機は、冷媒を冷凍サイクル内に循環させるためのコンプレッサを備える。そして、コンプレッサには、摺動部材を潤滑するための冷凍機油が充填される。一般的に、冷凍機油は、所望の特性に応じて配合される基油及び添加剤を含有する。添加剤としては、例えば冷凍機油の安定性を向上させるために添加される酸捕捉剤が知られている(例えば特許文献1)。
特開2008−266423号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、酸捕捉剤として知られている化合物を冷凍機油に添加した場合、冷凍機油の使用に伴って夾雑物が生じるおそれがあることが判明した。このような現象は、特に酸捕捉剤の添加量が多い場合に生じやすい。
そこで、本発明の目的は、夾雑物の量を低減することが可能な冷凍機油を提供することにある。
本発明者らは、酸捕捉剤として知られている化合物のうち特定の2種類のエポキシ化合物を組み合わせて用いることにより、酸捕捉剤の添加量が多い場合であっても、冷凍機油における夾雑物の発生を抑制できることを見出した。なお、ここでいう夾雑物とは、冷凍機油の劣化に伴い生成した不溶成分である。
すなわち、本発明は、潤滑油基油と、下記式(A)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物と、下記式(B)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物と、を含有する冷凍機油を提供する。
Figure 0006705834
[式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。]
Figure 0006705834
[式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。]
式(A)におけるRは、好ましくは炭素数15以下のアルキル基である。
本発明によれば、夾雑物の量を低減することが可能な冷凍機油を提供することができる。
本実施形態に係る冷凍機油は、潤滑油基油と、下記式(A)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物(以下、単に「グリシジルエステル型エポキシ化合物」ともいう)と、下記式(B)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物(以下、単に「グリシジルエーテル型エポキシ化合物」ともいう)と、を含有する。
Figure 0006705834
式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。
Figure 0006705834
式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。
潤滑油基油としては、炭化水素油、含酸素油などを用いることができる。炭化水素油としては、鉱油系炭化水素油、合成系炭化水素油が例示される。含酸素油としては、エステル、エーテル、カーボネート、ケトン、シリコーン、ポリシロキサンが例示される。基油は、好ましくは含酸素油、より好ましくエステル又はエーテル、更に好ましくはエステルを含有する。
鉱油系炭化水素油は、パラフィン系、ナフテン系などの原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤精製、水素化精製、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化脱ろう、白土処理、硫酸洗浄などの方法で精製することによって得ることができる。これらの精製方法は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
合成系炭化水素油としては、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリα−オレフィン(PAO)、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
エステルとしては、芳香族エステル、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、炭酸エステル及びこれらの混合物などが例示される。エステルは、好ましくはポリオールエステルである。
ポリオールエステルは、多価アルコールと脂肪酸とのエステルである。脂肪酸としては、飽和脂肪酸が好ましく用いられる。脂肪酸の炭素数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18、更に好ましくは4〜9、特に好ましくは5〜9である。ポリオールエステルは、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化されずに水酸基のまま残っている部分エステルであってもよく、全ての水酸基がエステル化された完全エステルであってもよく、また部分エステルと完全エステルとの混合物であってもよい。ポリオールエステルの水酸基価は、好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは5mgKOH/g以下、更に好ましくは3mgKOH/g以下である。
ポリオールエステルを構成する脂肪酸のうち、炭素数4〜20の脂肪酸の割合は、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。
炭素数4〜20の脂肪酸としては、具体的には、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸が挙げられる。これらの脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。さらに具体的には、α位及び/又はβ位に分岐を有する脂肪酸が好ましく、2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサデカン酸などがより好ましく、中でも2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が更に好ましい。
脂肪酸は、炭素数4〜20の脂肪酸以外の脂肪酸を更に含んでいてもよい。炭素数4〜20の脂肪酸以外の脂肪酸は、例えば炭素数21〜24の脂肪酸であってよい。具体的には、ヘンイコ酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
ポリオールエステルを構成する多価アルコールとしては、2〜6個の水酸基を有する多価アルコールが好ましく用いられる。多価アルコールの炭素数は、好ましくは4〜12、より好ましくは5〜10である。多価アルコールは、好ましくは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのヒンダードアルコールである。多価アルコールは、冷媒との相溶性及び加水分解安定性に特に優れることから、好ましくは、ペンタエリスリトール、又はペンタエリスリトールとジペンタエリスリトール)との混合エステルである。
エーテルとしては、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、パーフルオロエーテル及びこれらの混合物などが例示される。エーテルは、好ましくはポリビニルエーテル又はポリアルキレングリコール、より好ましくはポリビニルエーテルである。
ポリビニルエーテルは、例えば下記式(1)で表される構造単位を有する。
Figure 0006705834
式(1)中、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭化水素基を表し、Rは二価の炭化水素基又は二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を表し、Rは炭化水素基を表し、mは0以上の整数を表す。mが2以上である場合には、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
、R及びRで表される炭化水素基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、また、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下である。R、R及びRの少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、R、R及びRの全てが水素原子であることがより好ましい。
で表される二価の炭化水素基及びエーテル結合酸素含有炭化水素基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下である。Rで示される二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基は、例えばエーテル結合を形成する酸素を側鎖に有する炭化水素基であってもよい。
は、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。この炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、アリール基、アリールアルキル基などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。
mは、好ましくは0以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは2以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。ポリビニルエーテルを構成する全構造単位におけるmの平均値は、好ましくは0〜10である。
ポリビニルエーテルは、式(1)で表される構造単位から選ばれる1種で構成される単独重合体であってもよく、式(1)で表される構造単位から選ばれる2種以上で構成される共重合体であってもよく、式(1)で表される構造単位と他の構造単位とで構成される共重合体であってもよい。ポリビニルエーテルが共重合体であることにより、冷凍機油の冷媒との相溶性を満足しつつ、潤滑性、絶縁性、吸湿性等を一層向上させることができる。この際、原料となるモノマーの種類、開始剤の種類、共重合体における構造単位の比率等を適宜選択することにより、上記の冷凍機油の諸特性を所望のものとすることが可能となる。共重合体は、ブロック共重合体又はランダム共重合体のいずれであってもよい。
ポリビニルエーテルが共重合体である場合、当該共重合体は、上記式(1)で表され且つRが炭素数1〜3のアルキル基である構造単位(1−1)と、上記式(1)で表され且つRが炭素数3〜20、好ましくは3〜10、更に好ましくは3〜8のアルキル基である構造単位(1−2)と、を有することが好ましい。構造単位(1−1)におけるRは好ましくはエチル基であり、構造単位(1−2)におけるRは好ましくはイソブチル基である。ポリビニルエーテルが上記の構造単位(1−1)及び(1−2)を有する共重合体である場合、構造単位(1−1)と構造単位(1−2)とのモル比は、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは20:80〜90:10、更に好ましくは70:30〜90:10である。当該モル比が上記範囲内であると、冷媒との相溶性をより向上させることができ、吸湿性を低くすることができる傾向にある。
ポリビニルエーテルは、上記式(1)で表される構造単位のみで構成される重合体であってもよいが、下記式(2)で表される構造単位を更に有する共重合体であってもよい。この場合、共重合体は、ブロック共重合体又はランダム共重合体のいずれであってもよい。
Figure 0006705834
式(2)中、R〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
ポリビニルエーテルは、式(1)で表される構造単位に対応するビニルエーテル系モノマーの重合、又は、式(1)で表される構造単位に対応するビニルエーテル系モノマーと式(2)で表される構造単位に対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとの共重合により製造することができる。式(1)で表される構造単位に対応するビニルエーテル系モノマーとしては、下記式(3)で表されるモノマーが好適である。
Figure 0006705834
[式中、R、R、R、R、R及びmは、それぞれ式(1)中のR、R、R、R、R及びmと同一の定義内容を示す。]
ポリビニルエーテルは、好ましくは、以下の末端構造(A)又は(B)を有する。
(A)一方の末端が、式(4)又は(5)で表され、かつ他方の末端が式(6)又は(7)で表される構造。
Figure 0006705834
式(4)中、R11、R21及びR31は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R41は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を示し、R51は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、mは式(1)中のmと同一の定義内容を示す。mが2以上の場合には、複数のR41は互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006705834
式(5)中、R61、R71、R81及びR91は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
Figure 0006705834
式(6)中、R12,R22及びR32は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R42は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を示し、R52は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、mは式(1)中のmと同一の定義内容を示す。mが2以上の場合には、複数のR41は同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006705834
式(7)中、R62、R72、R82及びR92は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
(B)一方の末端が上記式(4)又は(5)で表され、かつ他方の末端が下記式(8)で表される構造。
Figure 0006705834
式(8)中、R13、R23及びR33は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。
このようなポリビニルエーテルの中でも、以下に挙げる(a),(b),(c),(d)及び(e)のポリビニルエーテルが基油として特に好適である。
(a)一方の末端が式(4)又は(5)で表され、かつ他方の末端が式(6)又は(7)で表される構造を有し、式(1)におけるR、R及びRがいずれも水素原子、mが0〜4の整数、Rが炭素数2〜4の二価の炭化水素基、Rが炭素数1〜20の炭化水素基であるポリビニルエーテル。
(b)式(1)で表される構造単位のみを有するものであって、一方の末端が式(4)で表され、かつ他方の末端が式(6)で表される構造を有し、式(1)におけるR、R及びRがいずれも水素原子、mが0〜4の整数、Rが炭素数2〜4の二価の炭化水素基、Rが炭素数1〜20の炭化水素基であるポリビニルエーテル。
(c)一方の末端が式(4)又は(5)で表され、かつ他方の末端が式(8)で表される構造を有し、式(1)におけるR、R及びRがいずれも水素原子、mが0〜4の整数、Rが炭素数2〜4の二価の炭化水素基、Rが炭素数1〜20の炭化水素基であるポリビニルエーテル。
(d)式(1)で表される構造単位のみを有するものであって、一方の末端が式(5)で表され、かつ他方の末端が式(8)で表される構造を有し、式(1)におけるR、R及びRがいずれも水素原子、mが0〜4の整数、Rが炭素数2〜4の二価の炭化水素基、Rが炭素数1〜20の炭化水素基であるポリビニルエーテル。
(e)上記(a),(b),(c)及び(d)のいずれかであって、式(1)におけるRが炭素数1〜3の炭化水素基である構造単位と該Rが炭素数3〜20の炭化水素基である構造単位とを有するポリビニルエーテル。
ポリビニルエーテルの不飽和度は、好ましくは0.04meq/g以下、より好ましくは0.03meq/g以下、更に好ましくは0.02meq/g以下である。ポリビニルエーテルの過酸化物価は、好ましくは10.0meq/kg以下、より好ましくは5.0meq/kg以下、更に好ましくは1.0meq/kgである。ポリビニルエーテルのカルボニル価は、好ましくは100重量ppm以下、より好ましくは50重量ppm以下、更に好ましくは20重量ppm以下である。ポリビニルエーテルの水酸基価は、好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは5mgKOH/g以下、更に好ましくは3mgKOH/g以下である。
本発明における不飽和度、過酸化物価及びカルボニル価は、それぞれ日本油化学会制定の基準油脂分析試験法により測定した値をいう。すなわち、本発明における不飽和度は、試料にウィス液(ICl−酢酸溶液)を反応させ、暗所に放置し、その後、過剰のIClをヨウ素に還元し、ヨウ素分をチオ硫酸ナトリウムで滴定してヨウ素価を算出し、このヨウ素価をビニル当量に換算した値(meq/g)をいう。本発明における過酸化物価は、試料にヨウ化カリウムを加え、生じた遊離のヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定し、この遊離のヨウ素を試料1kgに対するミリ当量数に換算した値(meq/kg)をいう。本発明におけるカルボニル価は、試料に2,4−ジニトロフェニルヒドラジンを作用させ、発色性あるキノイドイオンを生ぜしめ、この試料の480nmにおける吸光度を測定し、予めシンナムアルデヒドを標準物質として求めた検量線を基に、カルボニル量に換算した値(重量ppm)をいう。本発明における水酸基価は、JIS K0070:1992に準拠して測定された水酸基価を意味する。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが例示される。ポリアルキレングリコールは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等を構造単位として有する。これらの構造単位を有するポリアルキレングリコールは、それぞれモノマーであるエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドを原料として、開環重合により得ることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、例えば下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
α−[(ORβ−ORγ (9)
式(9)中、Rαは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアシル基又は2〜8個の水酸基を有する化合物の残基を表し、Rβは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rγは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基を表し、fは1〜80の整数を表し、gは1〜8の整数を表す。
α、Rγで表されるアルキル基は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。当該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。アルキル基の炭素数が10を超えると、冷媒との相溶性が低下する傾向にある。
α、Rγで表されるアシル基のアルキル基部分は直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。アシル基の炭素数は、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜6である。当該アシル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。
α、Rγで表される基が、ともにアルキル基である場合、あるいはともにアシル基である場合、Rα、Rγで表される基は同一でも異なっていてもよい。gが2以上の場合、同一分子中の複数のRα、Rγで表される基は同一でも異なっていてもよい。
αで表される基が2〜8個の水酸基を有する化合物の残基である場合、この化合物は鎖状であっても環状であってもよい。
α、Rγのうちの少なくとも1つは、相溶性に優れる観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、更に好ましくはメチル基である。熱・化学安定性に優れる観点からは、RαとRγとの両方が、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、更に好ましくはメチル基である。製造容易性及びコストの観点からは、Rα及びRγのいずれか一方がアルキル基(より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)であり、他方が水素原子であることが好ましく、一方がメチル基であり、他方が水素原子であることがより好ましい。潤滑性及びスラッジ溶解性に優れる観点からは、Rα及びRγの双方が水素原子であることが好ましい。
βは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、このようなアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。また、ORβで表される繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。(ORβで表されるオキシアルキレン基は、1種のオキシアルキレン基で構成されていてもよく、2種以上のオキシアルキレン基で構成されていてもよい。
式(9)で表されるポリアルキレングリコールの中でも、冷媒との相溶性及び粘度−温度特性に優れる観点からは、オキシエチレン基(EO)とオキシプロピレン基(PO)とを含む共重合体が好ましい。この場合、焼付荷重、粘度−温度特性に優れる観点から、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との総和に占めるオキシエチレン基の割合(EO/(PO+EO))が0.1〜0.8であることが好ましく、0.3〜0.6であることがより好ましい。吸湿性や熱・酸化安定性に優れる観点からは、EO/(PO+EO)は、0〜0.5であることが好ましく、0〜0.2であることがより好ましく、0(すなわちプロピレンオキサイド単独重合体)であることが最も好ましい。
fは、オキシアルキレン基ORβの繰り返し数(重合度)を表し、1〜80の整数である。gは1〜8の整数である。例えばRαがアルキル基又はアシル基である場合、gは1である。Rαが2〜8個の水酸基を有する化合物の残基である場合、gは当該化合物が有する水酸基の数となる。
式(9)で表されるポリアルキレングリコールにおいて、fとgとの積(f×g)の平均値は、冷凍機油としての要求性能をバランスよく満たす観点から、好ましくは6〜80である。
式(9)で表されるポリアルキレングリコールの数平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは600以上であり、また、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下、更に好ましくは1500以下である。f及びgは、好ましくは、当該ポリアルキレングリコールの数平均分子量が上記の条件を満たすような数である。ポリアルキレングリコールの数平均分子量が上記下限値以上である場合には、冷媒共存下での潤滑性がより良好となる。数平均分子量が上記上限値以下である場合には、低温条件下で冷媒に対して相溶性を示す組成範囲が広くなり、冷媒圧縮機の潤滑不良や蒸発器における熱交換の阻害が起こりにくくなる。
ポリアルキレングリコールの水酸基価は、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下、最も好ましくは10mgKOH/g以下である。
ポリアルキレングリコールは、公知の方法を用いて合成することができる(「アルキレンオキシド重合体」、柴田満太他、海文堂、平成2年11月20日発行)。例えば、アルコール(RαOH;Rαは式(9)中のRαと同一の定義内容を表す)に所定のアルキレンオキサイドの1種以上を付加重合させ、さらに末端水酸基をエーテル化もしくはエステル化することによって、式(9)で表されるポリアルキレングリコールが得られる。上記の製造工程において2種以上のアルキレンオキサイドを使用する場合、得られるポリアルキレングリコールは、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよいが、酸化安定性及び潤滑性により優れる傾向にある点からは、好ましくはブロック共重合体であり、より低温流動性に優れる傾向にある点からは好ましくはランダム共重合体である。
ポリアルキレングリコールの不飽和度は、好ましくは0.04meq/g以下、より好ましくは0.03meq/g以下、更に好ましくは0.02meq/g以下である。過酸化物価は、好ましくは10.0meq/kg以下、より好ましくは5.0meq/kg以下、更に好ましくは1.0meq/kg以下である。カルボニル価は、好ましくは100重量ppm以下、より好ましくは50重量ppm以下、更に好ましくは20重量ppm以下である。
コンプレックスエステルは、例えば以下の(a)又は(b)の方法で合成されるエステルである。
(a)多価アルコールと多塩基酸とのモル比を調整して、多塩基酸のカルボキシル基の一部がエステル化されずに残存するエステル中間体を合成し、次いでその残存するカルボキシル基を一価アルコールでエステル化する方法
(b)多価アルコールと多塩基酸とのモル比を調整して、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化されずに残存するエステル中間体を合成し、次いでその残存する水酸基を一価脂肪酸でエステル化する方法
上記(b)の方法により得られるコンプレックスエステルは、冷凍機油としての使用時に加水分解すると比較的強い酸が生成するため、上記(a)の方法により得られるコンプレックスエステルに比べて安定性が若干劣る傾向にある。本実施形態におけるコンプレックスエステルとしては、安定性のより高い、上記(a)の方法により得られるコンプレックスエステルが好ましい。
コンプレックスエステルは、好ましくは、2〜4個のヒドロキシル基を有する多価アルコールから選ばれる少なくとも1種と、炭素数6〜12の多塩基酸から選ばれる少なくとも1種と、炭素数4〜18の一価アルコール及び炭素数2〜12の一価脂肪酸から選ばれる少なくとも1種とから合成されるエステルである。
2〜4個のヒドロキシル基を有する多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。2〜4個のヒドロキシル基を有する多価アルコールとしては、コンプレックスエステルを基油として用いたときに好適な粘度を確保し、良好な低温特性を得られる観点から、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンが好ましく、幅広く粘度調整のできる観点から、ネオペンチルグリコールがより好ましい。
コンプレックスエステルを構成する多価アルコールは、潤滑性に優れる観点から、好ましくは、2〜4個のヒドロキシル基を有する多価アルコールに加えて、ネオペンチルグリコール以外の炭素数2〜10の二価アルコールを更に含有する。ネオペンチルグリコール以外の炭素数2〜10の二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらの中では、潤滑油基油の特性に優れる観点から、ブタンジオールが好ましい。ブタンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなどが挙げられる。これらの中では、良好な特性が得られる観点から、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールがより好ましい。ネオペンチルグリコール以外の炭素数2〜10の二価アルコールの量は、2〜4個のヒドロキシル基を有する多価アルコール1モルに対して、好ましくは1.2モル以下、より好ましくは0.8モル以下、更に好ましくは0.4モル以下である。
炭素数6〜12の多塩基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。これらの中でも、合成されたエステルの特性のバランスに優れ、入手が容易である観点から、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。炭素数6〜12の多塩基酸の量は、2〜4個のヒドロキシル基を有する多価アルコール1モルに対して、好ましくは0.4モル〜4モル、より好ましくは0.5モル〜3モル、更に好ましくは0.6モル〜2.5モルである。
炭素数4〜18の一価アルコールとしては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコールが挙げられる。これらの一価アルコールは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数4〜18の一価アルコールは、特性のバランスの点から、好ましくは炭素数6〜10の一価アルコールであり、より好ましくは炭素数8〜10の一価アルコールである。これらの中でも、合成されたコンプレックスエステルの低温特性が良好になる観点から、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノールが更に好ましい。
炭素数2〜12の一価脂肪酸としては、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸などが挙げられる。これらの一価脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数2〜12の一価脂肪酸は、好ましくは炭素数8〜10の一価脂肪酸であり、これらの中でも低温特性の観点から、より好ましくは2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは4mm/s以上、更に好ましくは5mm/s以上であってよい。潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは400mm/s以下であってよい。潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上であってよい。潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下であってよい。本発明における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された動粘度を意味する。
潤滑油基油の含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
グリシジルエステル型エポキシ化合物は、下記式(A)で表され、具体的には、例えばグリシジルベンゾエート、グリシジルステアレート、グリシジルネオデカノエート、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートであってよい。
Figure 0006705834
式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。
は、夾雑物量を更に低減できる観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは分岐状のアルキル基である。同様の観点から、当該アルキル基の炭素数は、好ましくは18以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは12以下、特に好ましくは10以下である。当該アルキル基の炭素数は、エポキシ化合物の安定性の観点から、例えば5以上であってよい。
グリシジルエーテル型エポキシ化合物は、下記式(B)で表され、具体的には、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルであってよい。
Figure 0006705834
式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。
は、夾雑物量を更に低減できる観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは分岐状のアルキル基である。同様の観点から、当該アルキル基の炭素数は、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。当該アルキル基の炭素数は、エポキシ化合物の安定性の観点から、例えば5以上であってよい。
エポキシ化合物の含有量は、安定性の向上の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上である。エポキシ化合物の含有量は、潤滑性の向上の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。
冷凍機油は、潤滑油基油、グリシジルエステル型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル型エポキシ化合物に加えて、その他の添加剤を更に含有していてもよい。添加剤としては、グリシジルエステル型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル型エポキシ化合物以外の酸捕捉剤、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、消泡剤、金属不活性化剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、摩擦調整剤、防錆剤などが挙げられる。その他の添加剤の含有量は、冷凍機油全量基準で、5質量%以下であってよく、2質量%以下であってもよい。
冷凍機油は、その他の添加剤の中でも、好ましくは摩耗防止剤を更に含有する。好適な摩耗防止剤としては、例えばリン酸エステル、チオリン酸エステル、スルフィド化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛が挙げられる。リン酸エステルの中でも、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリクレジルフォスフェート(TCP)が好ましい。チオリン酸エステルの中でも、トリフェニルホスフォロチオネート(TPPT)が好ましい。スルフィド化合物としては、冷凍機油の安定性を確保し、冷凍機器内部に多く使用されている銅の変質を抑制できる点から、モノスルフィド化合物が好ましい。
冷凍機油は、その他の添加剤の中でも、好ましくは酸化防止剤を更に含有する。酸化防止剤としては、ジ−tert.ブチル−p−クレゾール等のフェノール系化合物、アルキルジフェニルアミン等のアミン系化合物などが挙げられる。
冷凍機油は、その他の添加剤の中でも、好ましくは摩擦調整剤、極圧剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤を更に含有する。摩擦調整剤としては、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族イミド、アルコール、エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などが挙げられる。極圧剤としては、硫化オレフィン、硫化油脂などが挙げられる。防錆剤としては、アルケニルコハク酸のエステル又は部分エステルなどが挙げられる。金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられる。消泡剤としては、シリコーン化合物、ポリエステル化合物などが挙げられる。
冷凍機油の40℃における動粘度は、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは4mm/s以上、更に好ましくは5mm/s以上であってよい。冷凍機油の40℃における動粘度は、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは400mm/s以下であってよい。冷凍機油の100℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上であってよい。冷凍機油の100℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下であってよい。
冷凍機油の流動点は、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下であってよい。本発明における流動点は、JIS K2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
冷凍機油の体積抵抗率は、好ましくは1.0×10Ω・m以上、より好ましくは1.0×1010Ω・m以上、更に好ましくは1.0×1011Ω・m以上であってよい。特に、密閉型の冷凍機用に用いる場合には高い電気絶縁性であると好ましい。本発明における体積抵抗率は、JIS C2101:1999に準拠して測定した25℃での体積抵抗率を意味する。
冷凍機油の水分含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下であってよい。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、冷凍機油の熱・化学的安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分含有量が少ないことが好ましい。
冷凍機油の酸価は、冷凍機又は配管に用いられている金属への腐食を防止する観点から、好ましくは1.0mgKOH/g以下、より好ましくは0.1mgKOH/g以下であってよい。本発明における酸価は、JIS K2501:2003に準拠して測定された酸価を意味する。
冷凍機油の灰分は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下であってよい。本発明における灰分は、JIS K2272:1998に準拠して測定された灰分を意味する。
本実施形態に係る冷凍機油は、冷媒と共に用いられる。本実施形態に係る冷凍機用作動流体組成物は、本実施形態に係る冷凍機油と、冷媒とを含有する。かかる冷媒としては、飽和フッ化炭化水素冷媒、不飽和フッ化炭化水素冷媒、炭化水素冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ビス(トリフルオロメチル)サルファイド冷媒、3フッ化ヨウ化メタン冷媒、及び、アンモニア、二酸化炭素等の自然系冷媒が例示される。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは1〜2の飽和フッ化炭化水素が挙げられる。具体的には、ジフルオロメタン(R32)、トリフルオロメタン(R23)、ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)、フルオロエタン(R161)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(R227ea)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(R365mfc)、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの中では、ジフルオロメタン(R32)が好ましい。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、上記の中から用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばR32単独;R23単独;R134a単独;R125単独;R134a/R32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;R32/R125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;R125/R143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;R134a/R32/R125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;R134a/R32/R125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;R125/R134a/R143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物などが好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、R134a/R32=70/30質量%の混合物;R32/R125=60/40質量%の混合物;R32/R125=50/50質量%の混合物(R410A);R32/R125=45/55質量%の混合物(R410B);R125/R143a=50/50質量%の混合物(R507C);R32/R125/R134a=30/10/60質量%の混合物;R32/R125/R134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);R32/R125/R134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);R125/R134a/R143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)などを用いることができる。
不飽和フッ化炭化水素(HFO)冷媒は、好ましくは、フッ素数が3〜5のフルオロプロペンであり、より好ましくは、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)、及び3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)のいずれかの1種又は2種以上の混合物である。不飽和フッ化炭化水素(HFO)冷媒は、冷媒物性の観点から、好ましくは、HFO−1225ye、HFO−1234ze及びHFO−1234yfから選ばれる1種又は2種以上である。
炭化水素冷媒は、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素であり、具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン(R290)、シクロプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン、2−メチルブタン、ノルマルペンタン又はこれらの2種以上の混合物である。これらの中でも、25℃、1気圧で気体の炭化水素が好ましく用いられ、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、2−メチルブタン又はこれらの混合物が好ましい。
冷凍機油は、通常、冷凍機において、冷媒と混合された冷凍機用作動流体組成物の形で存在している。冷凍機用作動流体組成物における冷凍機油の含有量は、冷媒100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは2〜400質量部であってよい。
本実施形態に係る冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物は、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を有するエアコン、冷蔵庫、開放型又は密閉型のカーエアコン、除湿機、給湯器、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置、遠心式の圧縮機を有するもの等に好適に用いられる。
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下に示す基油及び添加剤を用いて、表1〜4に示す組成(質量%、冷凍機油全量基準)を有する冷凍機油を調製した。
[基油]
基油a:ペンタエリスリトールと2−メチルプロパン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸(モル比:50/50)とのポリオールエステル(40℃動粘度:56mm/s、100℃動粘度:7.1mm/s、粘度指数:81)
基油b:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸(モル比:50/50)とのポリオールエステル(40℃動粘度:68mm/s、100℃動粘度:8.3mm/s、粘度指数:88)
基油c:エチルビニルエーテル重合体(数平均分子量(Mn):1900、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn):1.29、40℃動粘度:71mm/s、100℃動粘度:8.6mm/s、粘度指数:89)
[添加剤]
A1:グリシジルネオデカノエート(下記式(A1))
A2:グリシジルステアレート(下記式(A2))
B1:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(下記式(B1))
B2:4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(下記式(B2))
C1:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(下記式(C1))
C2:1,2−エポキシテトラデカン(C14α−オレフィンオキシド)
Figure 0006705834
Figure 0006705834
Figure 0006705834
Figure 0006705834
Figure 0006705834
なお、各冷凍機油に共通して、上記の基油及び添加剤に加えて、トリクレジルフォスフェート1.0質量%、及び2,6−ジ−tert.−ブチル−p−クレゾール0.3質量%(いずれも冷凍機油全量基準)を添加した。
各冷凍機油について、以下に示すとおり、夾雑物量の評価を実施した。結果を表1〜4に示す。
[夾雑物量の評価]
JIS K2211:2009(オートクレーブテスト)に準拠して、水分含有量を1000ppmに調整した冷凍機油30gをオートクレーブに秤取し、触媒(鉄、銅、アルミの線、いずれも外径1.6mm×長さ50mm)とジフルオロメタン(R32)冷媒30gとを封入し、200℃で168時間加熱した。次いで、JIS K2276を参考に、加熱後の冷凍機油を孔径0.3μmのセルロースフィルタでろ過し、ろ過物及びフィルタをヘキサンで十分洗浄してヘキサン可溶分を取り除き、乾燥して得られたろ過物の重量から夾雑物量(mg/100g(冷凍機油))を算出した。
Figure 0006705834
Figure 0006705834
Figure 0006705834
Figure 0006705834

Claims (2)

  1. 潤滑油基油と、
    下記式(A)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物と、
    下記式(B)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物と、
    を含有する冷凍機油。
    Figure 0006705834
    [式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。]
    Figure 0006705834
    [式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。]
  2. 前記式(A)におけるRが炭素数15以下のアルキル基である、請求項1に記載の冷凍機油。
JP2017551836A 2015-11-20 2016-11-09 冷凍機油 Active JP6705834B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015227707 2015-11-20
JP2015227707 2015-11-20
PCT/JP2016/083255 WO2017086221A1 (ja) 2015-11-20 2016-11-09 冷凍機油

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017086221A1 JPWO2017086221A1 (ja) 2018-09-06
JP6705834B2 true JP6705834B2 (ja) 2020-06-03

Family

ID=58718796

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016066118A Active JP6581030B2 (ja) 2015-11-20 2016-03-29 冷凍機油
JP2017551836A Active JP6705834B2 (ja) 2015-11-20 2016-11-09 冷凍機油

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016066118A Active JP6581030B2 (ja) 2015-11-20 2016-03-29 冷凍機油

Country Status (3)

Country Link
JP (2) JP6581030B2 (ja)
CN (1) CN108350381B (ja)
WO (1) WO2017086221A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7060287B2 (ja) * 2017-08-08 2022-04-26 出光興産株式会社 冷凍機油組成物
KR20210046673A (ko) 2018-08-28 2021-04-28 에네오스 가부시키가이샤 냉동기유
JP2020056517A (ja) * 2018-09-28 2020-04-09 株式会社富士通ゼネラル 冷凍サイクル装置
JPWO2020204162A1 (ja) * 2019-04-04 2020-10-08
JPWO2021200043A1 (ja) * 2020-04-02 2021-10-07

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06336594A (ja) * 1993-05-28 1994-12-06 Tonen Corp 冷凍機油組成物
JPH09302372A (ja) * 1996-05-10 1997-11-25 Kao Corp 冷凍機油組成物
AU5303399A (en) * 1999-07-05 2001-01-22 Nippon Mitsubishi Oil Corporation Refrigerating machine oil composition
JP2002038174A (ja) * 2000-07-24 2002-02-06 Nippon Mitsubishi Oil Corp 冷凍機油組成物
JP3909743B2 (ja) * 2001-07-09 2007-04-25 株式会社ジャパンエナジー 冷凍機用潤滑油組成物
CN101851546B (zh) * 2009-03-31 2012-05-23 中国石油化工股份有限公司 冷冻机油组合物
EP3553156B1 (en) * 2010-08-24 2023-11-08 JXTG Nippon Oil & Energy Corporation Refrigerating machine oil and working fluid composition for refrigerating machines
JP5399455B2 (ja) * 2011-09-09 2014-01-29 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 冷凍機用潤滑油組成物
JP2015014395A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 日立アプライアンス株式会社 空気調和機
JP2015209441A (ja) * 2014-04-23 2015-11-24 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6581030B2 (ja) 2019-09-25
JP2017101215A (ja) 2017-06-08
WO2017086221A1 (ja) 2017-05-26
CN108350381B (zh) 2021-11-16
JPWO2017086221A1 (ja) 2018-09-06
CN108350381A (zh) 2018-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7065222B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP6262035B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JPWO2018052088A1 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP6705834B2 (ja) 冷凍機油
JP6964586B2 (ja) 冷凍機油
WO2015163072A1 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP6914908B2 (ja) 冷凍機油
JP6679396B2 (ja) 冷凍機油
JP6796423B2 (ja) 冷凍機油
JP6925323B2 (ja) 冷凍機油
JP6685277B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP7455109B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
WO2020171133A1 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP6796438B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP6796439B2 (ja) 潤滑油組成物及び冷凍機用作動流体組成物
JP7470648B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機油の製造方法
JP6641346B2 (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JPWO2020153381A1 (ja) 冷凍機油及び冷凍機油の製造方法
JP2019210484A (ja) 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JPWO2020045452A1 (ja) 冷凍機油

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6705834

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250