JP2020056517A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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板倉 俊二
Shunji Itakura
俊二 板倉
健治 小峰
Kenji Komine
健治 小峰
田中 順也
Junya Tanaka
順也 田中
将弘 近藤
Masahiro Kondo
将弘 近藤
和也 船田
Kazuya Funada
和也 船田
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Abstract

【課題】エステル系油の加水分解と、エステル系油の分解時に生成された酸による冷媒回路の腐食とを抑制する。【解決手段】空気調和装置1に設けられた冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機21と、圧縮機21を潤滑する冷凍機油とを備えている。冷凍機油は、エステル系油から形成される基油と、水分を除去する水分除去添加剤と、酸を除去する酸除去添加剤とを含有している。冷凍機油における水分除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい。冷凍機油における酸除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
例えば、空気調和機、冷蔵機器、給湯器等の冷凍サイクル装置には、冷媒が循環する冷媒回路に、圧縮機及びアキュムレータが接続されたものがある。このような冷凍サイクル装置で使用する冷媒は、GWP(Global Warming Potential:地球温暖化係数)がより一層低い冷媒へ切り替えられている。
特開2015−14395号公報 特開2016−23902号公報
GWPが低い冷媒との相溶性が高い冷凍機油としてエステル系油が挙げられる。エステル系油は、冷媒回路に残留する水分や酸素と反応することで酸化や分解を起こしたときに、酸が発生するおそれがある。冷凍サイクル装置内で酸が発生した場合には、その酸によって冷凍機油の分解が促進され、また、その酸で金属部品が酸で腐食するなどにより、冷凍サイクル装置の損傷を招くおそれがある。これに対して、冷凍機油に酸除去剤が含有され、冷凍機油の加水分解を抑制する空気調和機が知られている(特許文献1、2)。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、エステル系油の加水分解と、エステル系油の分解時に生成された酸による冷媒回路の腐食とを抑制する冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本願が開示する冷凍サイクル装置の一態様は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機を潤滑する冷凍機油とを備えている。前記冷凍機油は、エステル系油から形成される基油と、酸を除去する酸除去添加剤と、水分を除去する水分除去添加剤とを含有している。前記冷凍機油における前記水分除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい。前記冷凍機油における前記酸除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい。
開示の冷凍サイクル装置は、エステル系油の加水分解と、エステル系油の分解時に生成された酸による冷媒回路の腐食とを抑制することができる。
図1は、実施例の冷凍サイクル装置が設けられた空気調和装置を示す冷媒回路図である。 図2は、実施例の冷凍サイクル装置の圧縮機を示す断面図である。
以下に、本願の開示する冷凍サイクル装置の実施例として空気調和装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する空気調和装置が限定されるものではない。
[空気調和装置の構成]
図1は、実施例の冷凍サイクル装置が設けられた空気調和装置1を示す冷媒回路図である。空気調和装置1は、図1に示すように、一つの室外機2と、一つの室内機5とを備えた、シングルタイプである。詳細な説明は省略するが、シングルタイプの他に、一つの室外機に対して複数の室内機が接続された、マルチタイプがある。室外機2と室内機5が液管6a及びガス管6bにより接続されて冷媒が循環する冷媒回路1aを形成している。室外機2は、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、絞り装置24、液側閉鎖弁61、ガス側閉鎖弁62及び室外機制御部200を備えている。
圧縮機21は、室外機制御部200によって制御される。これにより、吸入管42を介して供給される冷媒を圧縮する。圧縮された冷媒は、吐出管41を介して四方弁22へ供給する。
四方弁22は、吐出管41及び吸入管42と接続されると共に、冷媒配管43を介して室外熱交換器23に、冷媒配管44、ガス側閉鎖弁62を介して室内機5にそれぞれ接続されている。室内機5と室外熱交換器23は、液側閉鎖弁61、冷媒配管45を介して接続されている。四方弁22は室外機制御部200に制御されることにより、空気調和装置1を暖房モードまたは冷房モードのどちらかに切り替える。冷房モードに切り替えられたとき四方弁22は、吐出管41を介して圧縮機21から吐出された冷媒を室外熱交換器23に供給し、室内機5から流出した冷媒を圧縮機21に吸入管42を介して供給する。暖房モードに切り替えられたとき四方弁22は、吐出管41を介して圧縮機21から吐出された冷媒を室内機5に供給し、室外熱交換器23から流出した冷媒を圧縮機21に吸入管42を介して供給する。
室外熱交換器23は、冷媒配管45を介して絞り装置24に接続されている。室外熱交換器23の近傍には、室外ファン27が配置されている。室外ファン27は、ファンモータ(図示せず)によって回転されることで、室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器23によって冷媒と熱交換した外気を室外機2の外部へ放出する。室外熱交換器23は、冷房モードの場合凝縮器として動作し、四方弁22から供給された冷媒と、室外機2の内部に取り込まれた外気とを熱交換させ、その熱交換された冷媒を絞り装置24に供給する。室外熱交換器23は、暖房モードの場合蒸発器として動作し、絞り装置24から供給された冷媒と、室外機2の内部に取り込まれた外気とを熱交換させ、その熱交換された冷媒を四方弁22に供給する。
絞り装置24は、冷媒配管45、液側閉鎖弁61を介して室内機5に接続されている。絞り装置24は、冷房モードの場合に、室外熱交換器23から供給された冷媒を断熱膨張させることにより減圧し、低温低圧となった二相冷媒を室内機5に供給する。
室内機5は、室内熱交換器51、室内ファン55及び室内機制御部500を有する。室内ファン55は、室内熱交換器51の近傍に配置されており、ファンモータ(図示せず)によって回転されることで、室内機5の内部へ室内空気を取り込み、室内熱交換器51によって冷媒と熱交換した室内空気を室内へ放出する。室内熱交換器51は、ガス側閉鎖弁62、冷媒配管44を介して四方弁22に、冷媒配管45を介して室外機2の絞り装置24にそれぞれ接続されている。室内熱交換器51は、空気調和装置1が冷房モードに切り替えられたときに蒸発器として機能し、空気調和装置1が暖房モードに切り替えられたときに凝縮器として機能する。すなわち、室内熱交換器51は、冷房モードの場合に、絞り装置24から供給された低温低圧となった二相冷媒と、室内機5の内部に取り込まれた室内空気とを熱交換させ、その熱交換された室内空気を室内へ放出し、その熱交換された冷媒を四方弁22に供給する。室内熱交換器51は、暖房モードの場合に、四方弁22から供給された冷媒と、室内機5の内部に取り込まれた室内空気とを熱交換させ、その熱交換された室内空気を室内へ放出し、その熱交換された冷媒を絞り装置24に供給する。
[圧縮機]
図2は、実施例の冷凍サイクル装置の圧縮機21を示す断面図である。圧縮機21は、図2に示されているように、圧縮機筐体10とシャフト15とモータ部11と圧縮部12とを備えた内部高圧式のロータリ圧縮機である。圧縮機筐体10は、概ね円筒形に形成され、密閉された内部空間16を形成している。内部空間16は、概ね円柱状に形成されている。圧縮機筐体10は、圧縮機筐体10を水平面上に垂直に置いたとき内部空間16の円柱の軸が鉛直方向に平行になるように、配置されている。圧縮機筐体10は、内部空間16の下部に油溜め17が形成されている。油溜め17には、冷凍機油が貯留される。
冷凍機油は、基油と水分除去添加剤と酸除去添加剤とを含有している。基油は、エステル系油から形成されている。エステル系油は、エステル結合を有する化合物から形成されている。このため、エステル系油は、水分と熱とにより加水分解され、アルコールと酸とを生成する。
水分除去添加剤は、基油に溶解している。冷凍機油における水分除去添加剤の濃度は、水分除去添加剤の質量を冷凍機油の質量で除算した重量%で表され、0.1重量%〜10重量%の範囲に含まれている。水分除去添加剤は、グリシジルエステルから形成されている。グリシジルエステルとしては、酪酸グリシジルエステル、ヘキサン酸グリシジルエステル、2−エチルヘキサン酸グリシジルエステル、ピバル酸グリシジルエステル、デカン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、安息香酸グリシジルエステル、フタル酸グリシジルエステル、メチルオキサシクロヘキシルカルボン酸エステルが例示される。
酸除去添加剤は、基油に溶解している。冷凍機油における酸除去添加剤の濃度は、水分除去添加剤の質量を冷凍機油の質量で除算した重量%で表され、0.1重量%〜10重量%の範囲に含まれている。酸除去添加剤は、グリシジルエーテルから形成されている。グリシジルエーテルとしては、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、オレイルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、トルイルグリシジルエーテル、キシレニルグリシジルエーテル、ターシャリーブチルフェニルグリシジルエーテル、オキサシクロヘキシルが例示される。
水分除去添加剤と酸除去添加剤を併せて添加剤と呼び、冷凍機油におけるこの添加剤濃度は、水分除去添加剤の質量と酸除去添加剤の質量との和を冷凍機油の質量で除算した重量%で表される。冷凍機油は、さらに、添加剤濃度が1重量%〜12重量%の範囲に含まれるように調製されている。
圧縮機筐体10は、内部空間16に吸入管42と吐出管41が接続されている。吸入管42は、第1吸入管421と第2吸入管422とを含んでいる。シャフト15は、棒状に形成され、圧縮機筐体10の内部空間16に配置されている。シャフト15は、内部空間16が形成する円柱の軸と同軸である回転軸を中心に回転可能に圧縮機筐体10に支持されている。
[モータ部]
モータ部11は、内部空間16のうちの上部に配置されている。モータ部11は、ロータ112とステータ111とを備えている。ロータ112は、概ね円柱状に形成され、シャフト15に固定されている。ステータ111は、概ね円筒状に形成されている。ステータ111は、ロータ112を囲むように配置され、圧縮機筐体10に固定されている。ステータ111は、ステータコア113と複数の巻き線114を備えている。複数の巻き線114は、ステータコア113に形成される複数のティース部にそれぞれ巻かれている。また、シャフト15は、上端と下端がそれぞれ軸受140によって回転自在に固定されている。
なお、モータ部11はブラシレスDCモータで構成されると共に、リラクタンストルクによって駆動するように構成されている。さらに、ロータ112の永久磁石が希土類磁石、若しくは、フェライト磁石である。
[圧縮部]
圧縮部12は、第1の圧縮部12Sと第2の圧縮部12Tとを備えている。第1の圧縮部12Sは、第1シリンダ121Sと第1環状ピストン125Sとを備え、図示されていない第1ベーンを備えている。第1シリンダ121Sは、第1シリンダ室130Sを形成している。第1環状ピストン125Sは、第1シリンダ室130Sに配置され、シャフト15に固定されている。第1ベーンは、移動可能に第1シリンダ室130Sに支持され、第1シリンダ121Sと第1環状ピストン125Sとの間に形成される作動室を吸入室と圧縮室とに区画している。吸入室は、第1シリンダ121Sと第1環状ピストン125Sと第1ベーンで区画され、且つ、吸入管42のうちの第1吸入管421に接続された空間である。圧縮室は、第1シリンダ121Sと第1環状ピストン125Sと第1ベーンで区画され、且つ、圧縮機筐体10の内部空間16に接続された空間である。吸入室は、シャフト15が回転することにより、容積が拡張し、所定の容積(排除容積)まで拡張する吸入工程の後に、圧縮室に遷移する。圧縮室は、シャフト15が回転することにより、容積が縮小し、所定の容積まで縮小した後に、吸入室に遷移する。
第2の圧縮部12Tは、第1の圧縮部12Sと概ね同様に形成され、第1の圧縮部12Sの上部に配置されている。第2の圧縮部12Tは、第2シリンダ121Tと第2環状ピストン125Tとを備え、図示されていない第2ベーンを備えている。第2シリンダ121Tは、第2シリンダ室130Tを形成している。第2環状ピストン125Tは、第2シリンダ室130Tに配置され、シャフト15に対して第2環状ピストン125Tと180°の位相差が形成されるように、シャフト15に固定されている。第2ベーンは、移動可能に第2シリンダ室130Tに支持され、第2シリンダ121Tと第2環状ピストン125Tとの間に形成される作動室を吸入室と圧縮室とに区画している。吸入室は、第2シリンダ121Tと第2環状ピストン125Tと第2ベーンで区画され、且つ、吸入管42のうちの第2吸入管422に接続された空間である。圧縮室は、第2シリンダ121Tと第2環状ピストン125Tと第2ベーンで区画され、且つ、圧縮機筐体10の内部空間16に接続された空間である。吸入室は、シャフト15が回転することにより、容積を拡張し、所定の容積まで拡張した後に、圧縮室に遷移する。圧縮室は、シャフト15が回転することにより、容積が縮小し、所定の容積まで縮小した後に、吸入室に遷移する。
空気調和装置1は、「炭素原子間の結合として、単結合以外の炭素間結合を持つ冷媒」、「炭素の10倍を超える原子量のハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒」、「エーテル結合を持つ冷媒」のうち、少なくとも一つを含む低GWP冷媒を20重量%以上含む混合冷媒を作動流体として冷媒回路1aに充填されている。炭素原子間に単結合以外の炭素間結合を持つ冷媒は、例えば、炭素原子間の二重結合を有するHFO冷媒や、炭素原子間の三重結合を有するトリフルオロプロピンがある。また、炭素の10倍を超える原子量のハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒としては、トリフルオロヨードメタン(CFI)があり、エーテル結合(HFE冷媒とも言う)を持つ冷媒としてはHFE−143m等が挙げられる。これらの冷媒は、冷凍サイクル装置の中での安定性が低い。また、これらの冷媒は、大気中での安定性も低く、GWPが比較的低い傾向がある。その代わり、当該冷媒は、圧力が比較的低い。圧力の低い冷媒は、空気調和装置の作動流体として用いると、冷媒性能の指標の一つである体積能力(単位はkJ/m)が低くなる。そのため、空気調和装置の作動流体として用いる場合は、他の冷媒性能の高い冷媒(例えば、R32)と混合して用いることが考えられている。本実施例では、炭素原子間に単結合以外の炭素間結合を持つ冷媒の「GWPが低い」という、環境負荷が小さいという特性を十分に発揮するため、炭素原子間の結合として単結合以外の炭素間結合を持つ冷媒を少なくとも20重量%以上含む混合冷媒を作動流体として用いる。
炭素原子間の結合として、単結合を持つ冷媒のうち、空気調和装置で使用された実績があり、不燃性、低毒性、かつ、オゾン層破壊係数(ODP)=0の冷媒でGWPが一番低い単一冷媒はR134a(GWP:1430)である。本実施例の「低GWP冷媒」はR134aよりもGWPが低いものとする。ハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒は、塩素(原子量:35.5)と炭素との結合を有するR12を代表としたクロロフルオロカーボン、臭素(原子量:79.9)と炭素との結合を持つハロン1301、ヨウ素(原子量:126.9)と炭素との結合を持つトリフルオロヨードメタンがある。塩素を含むR12は、GWPが10900である。臭素を含むハロン1301は、GWPが7140である。ヨウ素を含むトリフルオロヨードメタンは、GWPが1以下である。このことからわかるように、ハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒は、ハロゲン族元素の原子量が大きい程、GWPが低い。なお、上記した各冷媒のGWPは、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律施行規則第一条第三項及びフロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第二条第三号の規定に基づき、国際標準化機構の規格八一七等に基づき、環境大臣及び経済産業大臣が定める種類並びにフロン類の種類ごとに地球の温暖化をもたらす程度の二酸化炭素に係る当該程度に対する比を示す数値として国際的に認められた知見に基づき環境大臣及び経済産業大臣が定める係数(フロン類GWP告示)(平成28年経済産業省・環境省告示第2号)」において定められたものである。トリフルオロヨードメタンのGWPは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、略称:NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization)[平成30年8月13日検索]のインターネットサイト<URL:http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201207f_tech/index.html>において定められたものである。
ハロゲン族元素の原子量と、当該ハロゲン族元素を含む代表的な冷媒のGWPの関係は、以下の式で示すことができる。
(原子量)=−4.0×10−8×(GWP)−3.0×10−4×(GWP)+10.58
上記式から、GWPをR134a(GWP:1430)よりも低くするためには、炭素(原子量:12)の10倍を超える原子量のハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒であることが必要だとわかる。
説明の便宜上、以下の説明において単に冷媒と称した場合には、上述した混合冷媒を指す。
[空気調和装置の冷房運転動作]
室外機制御部200は、室内機5が冷房運転を行うときに、四方弁22を制御することにより、吐出管41を冷媒配管43に接続し、冷媒配管44を吸入管42に接続する。冷媒回路1aは、これにより、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに室内熱交換器51が蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。図1における矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを示している。圧縮機21は、四方弁22から供給された低温低圧のガス冷媒を圧縮し、それにより生成された高温高圧のガス冷媒を四方弁22に供給する。四方弁22は、圧縮機21から供給された高温高圧のガス冷媒を室外熱交換器23に供給する。室外熱交換器23は、室外ファン27により室外機2の内部に取り込まれた外気とその高温高圧のガス冷媒とを熱交換させることにより、外気を加熱し、その高温高圧のガス冷媒は凝縮する。室外熱交換器23は、その高温高圧のガス冷媒が凝縮することにより生成された高温高圧の液冷媒を絞り装置24に供給する。
絞り装置24は、室外熱交換器23から供給された高温高圧の液冷媒を断熱膨張させる。絞り装置24は、高温高圧の液冷媒が断熱膨張することにより生成された低温低圧の二相冷媒を室内機5の室内熱交換器51に供給する。室内熱交換器51は、絞り装置24から供給された低温低圧の冷媒と、室内ファン55により室内機5の内部に取り込まれた室内空気とを熱交換させることにより、室内空気を冷却し、その低温低圧の二相冷媒は蒸発する。室内機5が設置された室内は、室内空気が冷却されることにより、冷房される。室内熱交換器51は、低温低圧の液冷媒が蒸発することにより生成された低温低圧のガス冷媒を、四方弁22に供給する。四方弁22は、室内熱交換器51から供給された低温低圧のガス冷媒を圧縮機21に供給する。
[空気調和装置の暖房運転動作]
室外機制御部200は、室内機5が暖房運転を行うときに、四方弁22を制御することにより、吐出管41を冷媒配管44に接続し、冷媒配管43を吸入管42に接続する。冷媒回路1aは、これにより、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに室内熱交換器51が凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。圧縮機21は、四方弁22から供給された低温低圧のガス冷媒を圧縮し、それにより生成された高温高圧のガス冷媒を四方弁22に供給する。四方弁22は、圧縮機21から供給された高温高圧のガス冷媒を室内機5の室内熱交換器51に供給する。室内熱交換器51は、その高温高圧のガス冷媒と、室内ファン55により室内機5の内部に取り込まれた室内空気とを熱交換させることにより、室内空気を加熱し、その高温高圧のガス冷媒は凝縮する。室内機5が設置された室内は、室内空気が加熱されることにより、暖房される。室内熱交換器51は、高温高圧のガス冷媒が凝縮することにより生成された高温高圧の液冷媒を室外機2の絞り装置24に供給する。
絞り装置24は、室内熱交換器51から供給された高温高圧の液冷媒を断熱膨張させる。絞り装置24は、高温高圧の液冷媒を断熱膨張させることにより生成された低温低圧の二相冷媒を室外熱交換器23に供給する。室外熱交換器23は、室外ファン27により室外機2の内部に取り込まれた外気と、絞り装置24から供給された低温低圧の二相冷媒とを熱交換させることにより、外気を冷却し、その低温低圧の液冷媒は蒸発する。室外熱交換器23は、その低温低圧の液冷媒が蒸発することにより生成された低温低圧のガス冷媒を四方弁22に供給する。四方弁22は、室外熱交換器23から供給された低温低圧のガス冷媒を圧縮機21に供給する。
[空気調和装置の設置]
空気調和装置1は、屋外に設置された室外機2と、屋内に設置された室内機5とを液管6aとガス管6bとで接続することにより、設置される。空気調和装置1は、設置された後に、図示されない真空ポンプがガス側閉鎖弁62に接続される。空気調和装置1は、真空ポンプを用いて液管6aとガス管6bとの内部が真空引きされる。真空引きは、冷媒回路1a内の圧力が所定圧力以下になるまで行われる。所定圧力としては、−0.1MPaG(ゲージ圧)が例示される。空気調和装置1は、このような真空引きにより、液管6aとガス管6bとに残存した湿気(水分)や酸素が冷媒回路1aから取り除かれる。空気調和装置1は、冷媒回路1aが真空引きされた後に、冷媒回路1aに所定量の冷媒が充填される。
しかし、冷媒回路1aの内部は、このように真空引きされた場合でも水や酸素が完全には排出されず、少量の水や酸素が残存する。このため、冷媒回路1aに充填された冷媒は、空気調和装置1の運転中に、冷媒回路1aに残存した水や酸素と反応することにより、分解され、酸を生成することがある。生成された酸は、冷媒回路1aに充填された冷媒の分解を促進する。生成された酸は、さらに、冷媒回路1aを形成する金属部材を腐食させることがある。圧縮機21の摺動部が腐食すると、空気調和装置1の信頼性を著しく低下させる。
冷凍機油は、冷媒と相溶性を有している。このため、冷凍機油は、一部が冷媒とともに冷媒回路1aを循環する。冷凍機油は、さらに、摺動部の隙間に油膜を形成し、摺動部の摩擦力や摩耗を低減させ、且つ、摺動部の隙間から冷媒が漏洩しないようにシールする。摺動部としては、圧縮部12の第1シリンダ121Sと第1環状ピストン125Sとの間、第1環状ピストン125Sと第1ベーンとの間、第2シリンダ121Tと第2環状ピストン125Tとの間、第2環状ピストン125Tと第2ベーンとの間が例示される。冷凍機油は、空気調和装置1の運転中に、冷媒回路1aに残存した水と圧縮部12の摺動部の摩擦熱とにより、基油であるエステル系油がアルコールと酸とに加水分解されることがある。
冷凍機油に含有された水分除去添加剤は、冷媒回路1aに残留する水分を除去する。空気調和装置1は、水分除去添加剤が水分を除去することにより、冷媒回路1aに残留する水分の量を減少させ、エステル系油がアルコールと酸とに加水分解されることを抑制することができる。空気調和装置1は、エステル系油の加水分解が抑制されることにより、冷凍機油から冷媒回路1a内で生成される酸の量を低減することができる。
一方、エステル系油は、水分除去添加剤によって除去されなかった水分により加水分解されることがある。また、冷媒回路1aに充填された冷媒は、水分除去添加剤により除去されなかった水分により分解されることがある。このとき、冷凍機油に含有された酸除去添加剤は、エステル系油の加水分解により生成された酸を除去し、冷媒の分解により生成された酸を除去する。空気調和装置1は、酸除去添加剤が酸を除去することにより、冷媒回路1a内の酸の量を低減することができる。空気調和装置1は、冷媒回路1a内の酸の量が低減されることにより、冷媒回路の腐食を抑制することができる。空気調和装置1は、さらに、酸が低減されることにより、冷媒の分解を抑制することができる。空気調和装置1は、冷媒回路の腐食と冷媒の分解とが抑制されることにより、信頼性を確保することができる。
[冷凍サイクル装置の特徴的な構成]
実施例の冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機21と、圧縮機21を潤滑する冷凍機油とを備えている。冷凍機油は、エステル系油から形成される基油と、水分を除去する水分除去添加剤と、酸を除去する酸除去添加剤とを含有している。冷凍機油における水分除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい。冷凍機油における酸除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい。このような冷凍サイクル装置は、水分除去添加剤が水分を除去することにより、水分を低減し、エステル系油がアルコールと酸とに加水分解されることを抑制することができる。酸除去添加剤は、エステル系油の加水分解により生成された酸を除去する。冷凍サイクル装置は、酸除去添加剤が酸を除去することにより、酸を低減することができる。冷凍サイクル装置は、酸が低減されることにより、冷媒回路の腐食を抑制することができる。冷凍サイクル装置は、冷凍機油における水分除去添加剤の濃度が0.1重量%より大きく、酸除去添加剤の濃度が0.1重量%より大きいときに、エステル系油の加水分解をより確実に抑制することができ、冷媒回路の腐食をより確実に抑制することができる。
また、実施例の冷凍サイクル装置は、冷凍機油における水分除去添加剤の濃度が10重量%より小さい。冷凍機油における酸除去添加剤の濃度が10重量%より小さい。このような冷凍サイクル装置は、冷凍機油の潤滑性能の低下を抑制することができ、冷媒回路の内部で水分除去添加剤と酸除去添加剤とが析出することを抑制することができる。冷凍サイクル装置は、冷凍機油の潤滑性能の低下が抑制されることにより、摺動部を適切に潤滑することができ、摺動部の摩擦熱を適切に低減することができる。冷凍サイクル装置は、水分除去添加剤と酸除去添加剤との析出が抑制されることにより、水分除去添加剤の析出物と酸除去添加剤の析出物とにより冷媒回路1aが閉塞されることを防止することができる。
また、実施例の冷凍サイクル装置は、水分除去添加剤の質量と酸除去添加剤の質量との和を冷凍機油の質量で除算した添加剤濃度が12重量%より小さい。このような冷凍サイクル装置は、冷凍機油の潤滑性能の低下をより抑制することができ、冷媒回路の内部で水分除去添加剤と酸除去添加剤とが析出することをより抑制することができる。なお、実施例の冷凍サイクル装置は、添加剤濃度が10重量%より小さくしてもよい。このような冷凍サイクル装置は、添加剤濃度が10重量%より大きいものに比較して、冷凍機油の潤滑性能の低下をより抑制することができ、冷媒回路の内部で水分除去添加剤と酸除去添加剤とが析出することをより抑制することができる。また、実施例の冷凍サイクル装置の冷凍機油は、添加剤濃度が1重量%より大きくなるように形成されてもよい。このような冷凍サイクル装置は、エステル系油の加水分解と冷媒回路の腐食とをより確実に抑制することができる。
また、実施例の冷凍サイクル装置は、炭素原子間の結合として単結合以外の炭素間結合を持つ冷媒、炭素の10倍を超える原子量のハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒、エーテル結合を持つ冷媒、のうち、少なくとも一つを含む低GWP冷媒を20重量%以上含む混合冷媒が利用される。このような混合冷媒は、高温環境下での分解や、冷媒回路に残留する水分や酸素と反応することによる分解が、酸によって促進される。冷凍サイクル装置は、冷凍機油の加水分解より生成される酸の量が低減されることにより、冷媒の酸化や分解を抑制することができる。
ところで、実施例の冷凍サイクル装置は、このような混合冷媒が利用されているが、酸により分解が促進される他の冷媒が利用されてもよい。その冷媒としては、HCFO、HFO、HFE、炭素−炭素間に3重結合を持つ化合物が例示される。HCFOとしては、R1224yd、R1233zdが例示される。HFOとしては、R1123、R1234yf、R1234ze(E,Z)が例示される。HFEとしては、HFE−143m、ペルフルオロジメトキシメタンが例示される。炭素−炭素間に3重結合を持つ化合物としては、トリフルオロプロピンが例示される。実施例の冷凍サイクル装置は、このような冷媒が利用される場合でも、エステル系油の加水分解を抑制することができ、冷媒回路の腐食を抑制することができる。
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1 :空気調和装置
1a :冷媒回路
21 :圧縮機
121S:第1シリンダ
121T:第2シリンダ
125S:第1環状ピストン
125T:第2環状ピストン
130S:第1シリンダ室
130T:第2シリンダ室

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機を潤滑する冷凍機油とを備え、
    前記冷凍機油は、
    エステル系油から形成される基油と、
    水分を除去する水分除去添加剤と、
    酸を除去する酸除去添加剤とを含有し、
    前記冷凍機油における前記水分除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きく、
    前記冷凍機油における前記酸除去添加剤の濃度は、0.1重量%より大きい
    冷凍サイクル装置。
  2. 前記冷凍機油における前記水分除去添加剤の濃度は、10重量%より小さく、
    前記冷凍機油における前記酸除去添加剤の濃度は、10重量%より小さい
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記水分除去添加剤の質量と前記酸除去添加剤の質量との和を前記冷凍機油の質量で除算した添加剤濃度は、12重量%より小さい
    請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記添加剤濃度は、10重量%より小さい
    請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記添加剤濃度は、1重量%より大きい
    請求項3または請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記冷媒は、炭素原子間の結合として単結合以外の炭素間結合を持つ冷媒、炭素の10倍を超える原子量のハロゲン族元素と炭素との単結合を持つ冷媒、エーテル結合を持つ冷媒、のうち、少なくとも一つを含む低GWP冷媒を20重量%以上含む
    請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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