JP6705385B2 - 回転電機のロータ - Google Patents

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本開示は、回転電機のロータに係り、特に、ロータコアに設けられる磁石孔に、永久磁石が挿入され磁石固定部材が充填される回転電機のロータに関する。
回転電機として、ロータコアの磁石孔に永久磁石が挿入され磁石固定部材が充填されるIPM(埋め込み磁石型モータ)が用いられる。この場合、ロータが回転するときの遠心力等で永久磁石が飛び出さないように、ロータの軸方向端面に端板またはエンドプレートと呼ばれる円板状部材が設けられることが多い。エンドプレートとしては、金属エンドプレートの他に、磁石固定部材と同じ樹脂を用いて磁石固定の働きも兼ねる一体化型の樹脂エンドプレートが知られている。
特許文献1では、樹脂エンドプレートにおいて、ロータコアの軸方向に沿った永久磁石の位置決めのための位置決めピン跡の小孔が残ると、そこから亀裂が発生することを指摘している。そして、ロータコアの両端面のそれぞれにおいて、周方向に連続する円環部と、磁石孔における長辺の端部を覆う舌辺部とを有する樹脂エンドプレートが開示されている。ここでは、磁石孔における永久磁石の長辺の一部分を樹脂で覆わない露出部分としてここで永久磁石の位置決めを行うので、樹脂部に位置決めピン跡の小孔がない。
特開2010−142038号公報
ロータコアの磁石孔には挿入された永久磁石を固定する磁石固定部材が充填されるので、エンドプレートを用いなくても済みそうである。しかし、永久磁石と磁石固定部材との間で熱膨張係数が異なるので、ロータの動作中における温度履歴による冷熱サイクル等によって磁石固定部材が破損して、永久磁石との間の固定力の低下や、破損した部分が外部に飛散する可能性がある。エンドプレートを用いる場合でも、エンドプレートで覆われていない磁石孔の部分があると、磁石固定部材が外部へ飛散する可能性が同様に生じ得る。そこで、磁石固定部材の外部への飛散を抑制できる回転電機のロータが要望される。
本開示に係る回転電機のロータは、コア外周側に周方向に沿って配置されている複数の磁石孔を有するロータコアと、複数の磁石孔のそれぞれに挿入されている永久磁石と、複数の磁石孔のそれぞれについて、永久磁石の全部の外周面と磁石孔の内壁面との間に形成されている隙間に配置されている磁石固定部材と、ロータコアの軸方向両端部に配置されている樹脂蓋部と、を備え、樹脂蓋部は、永久磁石及び磁石固定部材がそれぞれ配置された状態の複数の磁石孔に対応する複数の樹脂充填孔を有しロータコアの外径と同じ外径を有する磁性体薄板と、磁性体薄板に一体化成形された状態の樹脂部と、を含み、樹脂部は、磁性体薄板の上面側に環状形状に形成されている上樹脂部と、複数の樹脂充填孔にそれぞれ充填された状態であり、且つ、上樹脂部に覆われた状態で上樹脂部と一体化されている複数の充填樹脂部と、を有する。
上記構成に係る回転電機のロータによれば、樹脂蓋部を有するので、磁石固定部材の外部への飛散を抑制できる。
実施の形態に係る回転電機のロータの断面図である。 図1において、ロータの軸方向端面について、磁石孔、磁石固定部材、永久磁石、及び、樹脂蓋部の配置関係を示す平面図である。 樹脂蓋部について図2とは別の配置関係の例を示す図である。 他の実施の形態における樹脂蓋部を示す図である。 図4の樹脂蓋部の詳細図である。図5(a)は平面図であり、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。 1つの磁極について2つの永久磁石を用いるロータについて、磁石孔、磁石固定部材、永久磁石、及び、樹脂蓋部との配置関係を示す平面図である。 樹脂蓋部について図5とは別の配置関係の例を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、回転電機として、車両に搭載される回転電機を述べるが、これは説明のための例示であって、車両搭載以外の用途の回転電機であってもよい。以下に述べる寸法、形状、材質、磁極数、1つの磁極を構成する永久磁石の数と配置方法等は、説明のための例示であって、回転電機のロータの仕様等により、適宜変更が可能である。また、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、車両搭載用の回転電機のロータ10の断面図であり、図2は、回転電機のロータ10の上面図である。回転電機は、車両が力行するときは電動機として機能し、車両が制動時にあるときは発電機として機能するモータ・ジェネレータで、三相同期型回転電機である。以下では、回転電機のロータ10を特に断らない限り、ロータ10と呼ぶ。
ロータ10は、出力軸12が設けられるロータコア14を含んで構成される。ロータコア14と一体化された出力軸12は、その軸方向の両端がモータケースの軸受によって回転自在に支持され、図示しない円環状のステータがロータコア14の外周側に所定の隙間を隔ててモータケースに固定して配置され、回転電機を構成する。ステータコアに巻回された巻線コイルに駆動電流が供給されると、ステータとロータコア14との間の電磁的協働によってロータコア14及びこれと一体化した出力軸12が回転する。このように、回転電機においては、ロータコア14に一体化された出力軸12がトルクを出力する。図1、図2ではステータの図示を省略した。
図1,2に、ロータ10の軸方向、周方向、径方向を示す。軸方向は、ロータ10の出力軸12の中心軸CLが延びる方向である。以下において、軸方向の両方向を区別するときは、紙面上において上方側を軸方向の上面側とし、下方側の軸方向の下面側と呼ぶ。径方向は、軸方向に垂直な面内で中心軸CLを通る放射状の方向であり、周方向は、中心軸CLを中心として円周方向に沿った方向である。図2は、軸方向の上面側から見た上面図であり、図1は、図2のA−A線に沿った断面図に相当する。
ロータコア14には、周方向に予め定められた数の磁極Pが設けられる。図2の例では、磁極数は8である。ロータコア14を磁極数で区分した扇型の部分には、磁石孔16と、磁石孔16に挿入され磁極Pを形成する永久磁石20と、永久磁石20を磁石孔16に固定する磁石固定部材22とが配置される。
ロータコア14は、所定枚数の磁性体薄板15を積層した積層体である。磁性体薄板15としては、電磁鋼板を用いることができる。磁性体薄板15は、出力軸12の外形を通す中心穴13と、複数の磁石孔16とを含んで、磁性体の薄板シートを打ち抜き加工等で所定の形状に成形したものが用いられる。
磁石孔16は、ロータコア14の外周側に周方向に沿って複数配置され、軸方向に貫通して永久磁石20をロータコア14に埋め込んで配置するための孔である。図2に示すように、磁石孔16の数は、磁極数と同じ8つである。磁石孔16は、平面図で略矩形形状を有する。図1に示すように、磁石孔16の軸方向の長さは、ロータコア14の軸方向の長さH0と同じで、永久磁石20の軸方向の長さよりも長く設定される。
永久磁石20は、軸方向に延びる棒状磁石で、各磁石孔16に1つずつ配置され、それぞれがロータコア14の1つの磁極Pを形成する。永久磁石20は、平面図で磁石孔16よりも一回り小さい略矩形形状を有する。永久磁石20の着磁は、平面図における略矩形形状の長辺面について行われ、一方側の長辺面がN極のとき他方側の長辺面がS極になるように着磁される。着磁された各永久磁石20は、ロータコア14の8つの磁石孔16に配置されるときに、ロータコア14の径方向に沿って隣接する磁極Pの間では、着磁方向が互いに逆になるように配置される。すなわち、外周側を向く磁極の極性は、周方向に沿ってN,S,N,S,N,S,N,Sの順に配置されて一周する。
かかる永久磁石20の材質としては、ネオジムと鉄とホウ素を主成分とするネオジム磁石、サマリウムとコバルトを主成分とするサマリウムコバルト磁石等の希土類磁石が用いられる。これ以外にフェライト磁石、アルニコ磁石等を用いてもよい。
磁石固定部材22は、それぞれの磁石孔16において、永久磁石20との隙間に充填して配置され、永久磁石20をロータコア14に固定する働きをする。磁石固定部材22は、平面図において、磁石孔16の略矩形形状よりも一回り小さい略矩形形状の永久磁石20と磁石孔16の内壁面との間に形成される隙間としての略矩形形状の長辺と短辺に沿った枠状の隙間に充填される。さらに、軸方向に沿ってロータコア14の長さH0と同じ長さを有する磁石孔16に対して軸方向の長さが短い永久磁石20の軸方向の両端部と、ロータコア14の両端面との間に形成される軸方向の隙間空間にも充填される。すなわち、図1の断面に示すように、磁石固定部材22は、磁石孔16の内部空間において、永久磁石20の六面の全側面を覆って、磁石孔16と永久磁石20との間の隙間に充填される。
かかる磁石固定部材22としては、成形性と耐熱性に優れた熱硬化樹脂が用いられる。熱硬化樹脂としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等を用いることができる。
ロータ10は、さらに、樹脂蓋部30を備える。樹脂蓋部30は、8つの磁石孔16のそれぞれについて、磁石固定部材22の露出部分を覆って配置される部材である。具体的には、樹脂蓋部30は、ロータコア14の軸方向の両端面上において、それぞれの磁石孔16の開口部の全体を覆い、永久磁石20及び磁石固定部材22がロータコア14の軸方向の両端に露出しないように蓋をする。樹脂蓋部30は、図2に示すように、ロータコア14の両端面において、8つの磁石孔16の全てを覆うように、環状形状に形成される。
磁石固定部材22にも樹脂が用いられるが、樹脂蓋部30は、磁石固定部材22とは別の樹脂部材である。別の樹脂部材とは、材質の相違よりも、磁石固定部材22が形成される工程と全く別の工程によって樹脂蓋部30が形成され、磁石固定部材22と一体化成形されないことを意味する。従来技術の一体化型の樹脂エンドプレートは、ロータコア14の両端部を挟み持つ働きをさせるために、磁石固定部材22に用いられる樹脂と同じ樹脂を用い、射出成技術等によって、磁石固定部材22と一体化成形される。これに対し、図1、図2の磁石固定部材22と樹脂蓋部30とは互いに独立の部材で、一体化されていない。
かかるロータ10の製造方法としては、以下の処理手順が用いられる。最初に磁性体薄板15の積層体であるロータコア14を準備する(ロータコアの準備工程)。次に、ロータコア14の8つの磁石孔16のそれぞれに、永久磁石20を挿入する。挿入に際しては、隣接する磁極Pの間で、永久磁石20の磁極の極性の向きが互いに逆向きとなるようにする。(永久磁石の挿入工程)。次に、磁石固定部材22を各磁石孔16に順次充填する。充填に際しては、磁石孔16の内壁面と、これに向い合う永久磁石20の側面のそれぞれとの間が、ほぼ同じ隙間となるように、適当な位置決め治具等を用いることがよい。特に、永久磁石20の軸方向の両端部と、ロータコア14の両端面との間に形成される軸方向の隙間空間にも磁石固定部材22が充填されるようにする(磁石固定部材の充填工程)。続いて、永久磁石20の周りに磁石固定部材22が充填された状態のロータコア14の全体を所定の熱硬化条件の下で加熱して磁石固定部材22を硬化させる(磁石固定部材の硬化処理)。硬化処理が終了すると、加熱を止め、適当な冷却条件の下で冷却する。これによって、各磁石孔16に永久磁石20が磁石固定部材22によって固定された状態のロータコア14を得る。次に、樹脂蓋部形成が行われる。
樹脂蓋部形成の手順は以下の通りである。各磁石孔16に永久磁石20が磁石固定部材22によって固定された状態のロータコア14について、樹脂の塗膜処理が行われる(塗膜工程)。塗膜処理は、粉体樹脂または液状樹脂のスプレー塗装、または、樹脂接着材の塗布によって行われる。塗膜処理が行われる領域は、図1、図2に示すように、ロータコア14の軸方向の両端面において、8つの磁石孔16の全てを覆う環状領域である。塗膜処理に用いる粉体樹脂、液状樹脂、樹脂接着材の材質としては、ロータコア14を構成する磁性体薄板15の表面と密着性が良好なものがよい。かかる材質としては、エポキシ樹脂を用いることができる。環状に塗膜処理が行われると、引き続き、所定の熱硬化条件の下で加熱処理が行われ、塗膜を硬化させる(塗膜硬化工程)。このようにして、ロータ10の軸方向の両端面に、樹脂蓋部30,32が形成される。
形成された樹脂蓋部30,32は、磁石固定部材22と一体化成形されたものではないが、ロータコア14の両端面に密着しているので、例えば、ロータ10が回転動作しても遠心力で飛ぶことがない。これによって、仮に、磁石固定部材22が熱履歴等で破損した場合でも、外部への飛散が抑制される。また、樹脂蓋部30,32は非磁性体である樹脂で構成されているので、ロータ10が回転電機に組み込まれたとき、磁性体のエンドプレートの場合に生じる漏れ磁束の発生がなく、回転電機のトルク低下が生じない。
上記では、樹脂蓋部30,32は、ロータコア14の両端面のそれぞれにおいて、8つの磁石孔16の全てを覆う1つの環状形状としたので、1つのロータコア14の軸方向の両端面にそれぞれ1つずつ、合計で2つの樹脂蓋部30、32が形成される。ここで、樹脂蓋部30,32は、各磁石孔16のそれぞれの磁石固定部材22が露出しないように覆えばよいので、ロータコア14の各端面にそれぞれ複数の樹脂蓋部を設けてもよい。
図3は、図2に対応する上面図において、8つの磁石孔16のそれぞれに1つずつの樹脂蓋部31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31hを設ける例である。各樹脂蓋部31a〜31hは、それぞれに対応する磁石固定部材22が露出しないように配置される。ロータコア14の軸方向の下面側の端面においても、同様に8つの樹脂蓋部31a〜31hが設けられる。
図3では1つの磁石孔16毎に1つの樹脂蓋部31a等を用いたが、これに代えて、2つの磁石孔16を1つにまとめて覆う樹脂蓋部、4つの磁石孔16を1つにまとめて覆う樹脂蓋部としてもよい。
図2、図3では、樹脂蓋部30等の形成として、樹脂の塗膜処理と、塗膜を硬化させる処理とを行った。これに代えて、各磁石孔16に所定の形状の樹脂テープを貼付してもよい。樹脂テープとしては、基材の一方側の面に磁性体薄板15と密着性のよい接着材を有するものを用いる。例えば、エポキシ系樹脂の接着材が片面に設けられた粘着テープを用いることができる。接着材は1層構造でもよいが、基材との間の密着性と磁性体薄板15との間の密着性等を考慮した多層構造としてもよい。また、必要に応じて、貼付工程の後に硬化工程を付加してもよい。樹脂テープの形状は、図2のように8個の磁石孔16の全てを覆う1つの環状形状としてもよく、図3のように、各磁石孔16毎に1つの樹脂テープとしてもよい。予め所定の形状に成形された樹脂テープを準備することで、樹脂の塗膜処理が不要になり、樹脂蓋部30等の形成を効率的に行える。
図1から図3における樹脂蓋部30等は、ロータコア14の両端面に樹脂の塗膜または樹脂テープを密着させる構成であるが、磁性体薄板と一体化された樹脂蓋部を用いることもできる。図4にその例を示す。図4は、図1に対応する断面図であるが、ロータ40は、ロータコア14と、磁石孔16と、永久磁石20と、磁石固定部材22と、樹脂蓋部42,44とを含む。樹脂蓋部42,44以外の要素の内容は、図1、図2で述べたものと同様であるので、詳細な説明を省略する。樹脂蓋部42,44は、ロータコア14の軸方向に沿った長さH0の外側にそれぞれ配置される。したがって、ロータ10の軸方向に沿った長さは、H0よりも長くなる。樹脂蓋部42,44は、ロータコア14の軸方向に沿った上面側か下面側かのいずれの側に配置されるかが相違し、それに伴って断面形状の上下方向が逆になるのみで他の構成は同じであるので、以下では、樹脂蓋部42について述べる。
図5は、樹脂蓋部42を抜き出して示す図である。図5(a)は上面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B線に沿った断面図である。樹脂蓋部42は、磁性体薄板50と、樹脂部52とを含む。樹脂部52は、磁性体薄板50の上面側の上樹脂部54と、磁性体薄板50に設けられた樹脂充填孔51に充填される充填樹脂部56とを含む。
磁性体薄板50は、ロータコア14の外径と同じ外径と、中心穴13の内径と同じ内径とを有する環状薄板であり、磁石孔16に対応する樹脂充填孔51を有する。樹脂充填孔51は、充填樹脂部56と磁性体薄板50との間を一体化する孔であるが、磁石孔16と同じ形状としてもよい。あるいは、充填樹脂部56と磁性体薄板50との間の一体化を強めるために、孔輪郭線を凹凸形状等にしてアンカー効果を上げる形状としてもよい。以下では、充填樹脂部56の孔形状を磁石孔16の孔形状と同じとする。これによって、ロータコア14に用いられる磁性体薄板15をそのまま磁性体薄板50に用いることができ、特別な形状の磁性体薄板50を準備しなくて済む。
充填樹脂部56は、樹脂部52の内、磁性体薄板50の樹脂充填孔51に充填された樹脂部分である。充填樹脂部56の数は、磁石孔16と同じ数である。図5の例では、磁石孔16の数が8つであるので、充填樹脂部56の数も8つである。樹脂部52を構成する上樹脂部54は、8つの充填樹脂部56の全てを覆い、磁性体薄板50の上面側に配置される環状形状を有する樹脂部分で、8つの充填樹脂部56と一体化成形される。
かかる樹脂蓋部42,44の形成は、ロータコア14において永久磁石20を磁石孔16に挿入して磁石固定部材22で固定する処理工程とは別の工程で行われる。まず、磁性体薄板50を準備する(磁性体薄板の準備工程)。図4、図5の例では、磁性体薄板50を1枚の磁性体薄板15としたが、2枚以上の磁性体薄板15をまとめたものを磁性体薄板50としてもよい。その場合に、予め、各磁性体薄板15について、磁石孔16を合わせてカシメ処理等で一体化しておくことが好ましい。次に、所定の一体化成形用の金型に磁性体薄板50をセットする。所定の一体化成形用の金型としては、磁性体薄板50の上面側に所定の環状形状の上樹脂部54が形成され、磁性体薄板50の8つの樹脂充填孔51のそれぞれに充填樹脂部56が形成されるようにキャビティ等が設定されたものを用いる(金型セット工程)。その状態で、一体化成形用の金型に成形用樹脂を流し込み、所定の温度、圧力の成形条件で一体化成形する(樹脂蓋部の一体化成形工程)。その後所定の冷却条件の下で冷却し、一体化金型を開けて、樹脂蓋部42,44を取り出す。 樹脂蓋部42,44における樹脂部52は、上樹脂部54が磁性体薄板50の上面と環状に密着し、さらに、上樹脂部54と一体化した充填樹脂部56が樹脂充填孔51の内壁面にアンカー効果によって一体化されるので、磁性体薄板50と強固に一体化される。
樹脂蓋部42,44を用いるロータ40の製造方法としては、まず、ロータコア14において永久磁石20を磁石孔16に挿入して磁石固定部材22で固定する処理工程を行い、その後、樹脂蓋部42,44の配置処理が行われる。ロータコア14において永久磁石20を磁石孔16に挿入して磁石固定部材22で固定する処理工程は、図1、図2のロータ10の製造方法の前半部分と同じである。すなわち、磁性体薄板15の積層体であるロータコア14を準備し(ロータコアの準備工程)、ロータコア14の8つの磁石孔16のそれぞれに、永久磁石20を挿入する(永久磁石の挿入工程)。次に、磁石固定部材22を各磁石孔16に順次充填し(磁石固定部材の充填工程)、磁石固定部材22を硬化させ(磁石固定部材の硬化処理)硬化後に加熱を止め、適当な冷却条件の下で冷却する。これによって、各磁石孔16に永久磁石20が磁石固定部材22によって固定された状態のロータコア14が得られる。続いて、予め形成された樹脂蓋部42,44の配置処理が行われる。
樹脂蓋部42,44の配置処理は、以下のように行われる。すなわち、各磁石孔16に永久磁石20が磁石固定部材22によって固定された状態のロータコア14の軸方向に沿った上面側の端面に樹脂蓋部42を配置し、下面側の端面に樹脂蓋部44を配置する。配置に当たっては、充填樹脂部56がロータコア14の軸方向の端面に向い合い、かつ、磁石孔16の配置位置に合わせる。(樹脂蓋部の配置工程)。次に、樹脂蓋部42,44とロータコア14との一体化処理を行う。一体化処理の方法としては、樹脂蓋部42,44の磁性体薄板50の部分と、ロータコア14の磁性体薄板15の部分とを溶接する。溶接に代えて、カシメ処理を行ってもよい(磁性体薄板の一体化処理工程)。このようにして、ロータ40の軸方向の両端面に、樹脂蓋部42,44が一体化される。
一体化された樹脂蓋部42,44は、磁石固定部材22と一体化成形されたものではないが、ロータコア14の両端面に溶接等によって一体化されているので、例えば、ロータ10が回転動作しても遠心力で飛ぶことがない。これによって、仮に、磁石固定部材22が熱履歴で破損した場合でも、外部への飛散が抑制される。また、樹脂蓋部42,44を構成する樹脂部52は、非磁性体である樹脂で構成されているので、ロータ10が回転電機に組み込まれたとき、磁性体のエンドプレートの場合に生じる漏れ磁束の発生がなく、回転電機のトルク低下が生じない。
図1から図5においては、1つの永久磁石20で1つの磁極Pを形成する例を述べた。図6は、2つの永久磁石で1つの磁極Pを形成するロータ60の上面図である。ロータ60は磁極Pの数が8であるので、永久磁石、磁石孔、及び磁石固定部材の数は、いずれも(2×8=16)である。樹脂蓋部62は、16個の磁石固定部材の全部が露出しないように、環状形状を有する。環状形状の樹脂蓋部62の1つの磁極Pの部分を破断して、1つの磁極Pにおける磁石孔64,65、永久磁石70,71、磁石固定部材72,73を露出させて示す。
図6に示すように、1つの磁極Pにおいて、永久磁石70,71は、磁石固定部材72,73に保持されて磁石孔64,65に挿入配置される。1つの磁極Pでは、2つの磁石孔64,65が略V字形に配置されているので、これに対応して、2つの永久磁石70,71も略V字形に配置される。1つの磁極Pを形成する2つの永久磁石70,71は、図示されていないステータに向かい合う外周側の面の極性が同じで、共にN極かまたは共にS極であり、隣接する磁極Pの間ではその極性が互いに逆になる。例えば、図6において露出して示した永久磁石70,71は、いずれも外径側の側面の極性がN極で、内径側の側面の極性がS極である。したがって、この露出して示した磁極Pは、ステータに対しN極の極性を有する。なお、この露出して示した磁極Pの隣の磁極Pは、S極の極性を有し、それぞれにおいて略V字形に配置される2つの永久磁石70,71は、いずれも外径側の側面の極性がS極、内径側の側面の極性がN極である。
樹脂蓋部62は、ロータコア14の軸方向の両端面上において、それぞれの16個の磁石孔64,65の開口部の全体を覆い、永久磁石70,71、磁石固定部材72,73がロータコア14の軸方向の両端に露出しないように蓋をする。樹脂蓋部62は、図6に示すように、ロータコア14の両端面において、16個の磁石孔64,65の全てを覆うように、環状形状に形成される。
図6では、樹脂蓋部62は、ロータコア14の端面において、16個の磁石孔64,65の全てを覆う1つの環状形状としたので、1つのロータコア14について軸方向の両端面においてそれぞれ1つずつ樹脂蓋部62が形成される。図3で述べたのと同様に、樹脂蓋部62は、各磁石孔64,65のそれぞれの磁石固定部材72,73が露出しないように覆えばよいので、ロータコア14の各端面のそれぞれに複数の樹脂蓋部を設けてもよい。図は、8つの磁極Pのそれぞれに1つずつの樹脂蓋部63a,63b,63c,63d,63e,63f,63g,63hを設けるロータ61の上面図である。各樹脂蓋部63a〜63hは、それぞれに対応する磁極Pについての2つの磁石孔64,65、2つの永久磁石70,71、及び、2つの磁石固定部材72,73の全てを覆って配置される。
図7では1つの磁極Pの2つの磁石孔64,65毎に1つの樹脂蓋部63a等を用いたが、これに代えて、16個の磁石孔64,65のそれぞれに1つずつ樹脂蓋部を設けてもよい。
図6、図7では、樹脂蓋部63a等は、ロータコア14の両端面に樹脂の塗膜または樹脂テープを密着させる構成としたが、図4、図5で述べた磁性体薄板50と樹脂部52とを組み合させた構成としてもよい。
本実施の形態に係る回転電機のロータ10は、複数の磁石孔16を有するロータコア14と、複数の磁石孔16のそれぞれに挿入された永久磁石20と、複数の磁石孔16のそれぞれについて、永久磁石20の全部の外周面と磁石孔16の内壁面との間に形成される隙間に配置された磁石固定部材22と、ロータコア14の両端面のそれぞれに密着して固定され、複数の磁石孔16のそれぞれについて磁石固定部材22の露出部分を覆って配置された樹脂蓋部30,32と、を備える。
上記構成に係る回転電機のロータ10によれば、磁石固定部材22の露出部分を覆って樹脂蓋部30、32が配置されるので、仮に、磁石固定部材22が破損した場合でも外部への飛散を抑制できる。これにより、ロータコア14と永久磁石20との間の固定力の低下を抑制でき、回転電機としての信頼性が向上する。また、樹脂蓋部30,32は非磁性体である樹脂で構成されているので、ロータ10が回転電機に組み込まれたとき、磁性体のエンドプレートの場合に生じる漏れ磁束の発生がなく、回転電機のトルク低下が生じない。
10,40,60,61(回転電機の)ロータ、12 出力軸、13 中心穴、14 ロータコア、15,50 磁性体薄板、16,64,65 磁石孔、20,70,71 永久磁石、22,72,73 磁石固定部材、30,31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,32,42,44,62,63a,63b,63c,63d,63e,63f,63g,63h 樹脂蓋部、51 樹脂充填孔、52 樹脂部、54 上樹脂部、56 充填樹脂部。

Claims (1)

  1. コア外周側に周方向に沿って配置されている複数の磁石孔を有するロータコアと
    数の前記磁石孔のそれぞれに挿入されている永久磁石と
    数の前記磁石孔のそれぞれについて、前記永久磁石の全部の外周面と前記磁石孔の内壁面との間に形成されている隙間に配置されている磁石固定部材と
    記ロータコアの軸方向両端部に配置されている樹脂蓋部と、
    を備え
    前記樹脂蓋部は、
    前記永久磁石及び前記磁石固定部材がそれぞれ配置された状態の複数の前記磁石孔に対応する複数の樹脂充填孔を有し前記ロータコアの外径と同じ外径を有する磁性体薄板と、
    前記磁性体薄板に一体化成形された状態の樹脂部と、
    を含み、
    前記樹脂部は、
    前記磁性体薄板の上面側に環状形状に形成されている上樹脂部と、
    複数の前記樹脂充填孔にそれぞれ充填された状態であり、且つ、前記上樹脂部に覆われた状態で前記上樹脂部と一体化されている複数の充填樹脂部と、
    を有する、回転電機のロータ。
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