JP6704501B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、インジェクション逆止弁機構を有するスクロール圧縮機に関するものである。
スクロール圧縮機には、例えば特許文献1に開示されているように、インジェクション冷媒を圧縮室内に注入するために、固定スクロールの固定台板に流入孔とインジェクションポートとが形成された構成がある。インジェクションポートには、インジェクションポートの流入孔側に配置された逆止弁体と、インジェクションポートの圧縮室側に配置され、逆止弁体を流入孔側に付勢するばねと、を有するインジェクション逆止弁機構が設けられている。このスクロール圧縮機は、インジェクション圧力が圧縮室内の圧力よりも高い場合、逆止弁体が開いてインジェクション冷媒が圧縮室内に注入される。また、このスクロール圧縮機は、インジェクション圧力が圧縮室内の圧力よりも低い場合、逆止弁体を閉じて圧縮室内の冷媒がインジェクション回路に逆流することを防ぐ。
特開2016−11620号公報
特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、インジェクション運転を行っていない状態において、インジェクション逆止弁機構の下流側(圧縮室側)の圧力が変動するのに対し、インジェクション逆止弁機構の上流側(流入孔側)の圧力は一定である。そのため、このスクロール圧縮機は、インジェクション逆止弁機構の上流側の圧力に対し、インジェクション逆止弁機構の下流側の圧力が大きくなったり、小さくなったりすることで、インジェクション逆止弁機構が微振動を起こす問題がある。スクロール圧縮機は、インジェクション逆止弁機構が微振動を起こすと、インジェクション逆止弁機構の隙間からインジェクション回路へ冷媒が漏れる虞がある。そのため、このスクロール圧縮機は、漏れた冷媒を再び圧縮させる必要が生じて運転能力が低下する虞がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、インジェクション運転を行っていない状態において、インジェクション逆止弁機構の微振動を抑制して、インジェクション逆止弁機構の隙間からインジェクション回路へ冷媒が漏れる事態を防止できる、スクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係るスクロール圧縮機は、密閉容器と、前記密閉容器内に設けられ、固定台板と、前記固定台板の一方の面に設けられた固定渦巻歯と、を有する固定スクロールと、前記密閉容器内に設けられ、揺動台板と、前記揺動台板の一方の面に設けられた揺動渦巻歯と、を有し、前記固定スクロールとの間に冷媒を圧縮する圧縮室を形成する揺動スクロールと、前記固定スクロールに対して前記揺動スクロールを回転駆動させる電動機と、を備え、前記固定台板には、前記密閉容器の外部からインジェクションパイプを介してインジェクション冷媒が流入する流入孔と、前記流入孔から流入した前記インジェクション冷媒を前記圧縮室へ注入させるインジェクションポートと、前記流入孔と前記密閉容器内の冷媒吸入空間とを連通させる吸入連通穴と、が形成されており、前記固定台板には、前記流入孔側に配置された逆止弁体と、圧縮室側に配置され、前記逆止弁体を流入孔側に付勢するばねと、で構成されたインジェクション逆止弁機構が設けられており、前記流入孔と前記冷媒吸入空間とが前記吸入連通穴を介して連通していることにより、インジェクション運転を行っていない状態において、前記インジェクション逆止弁機構の上流側の圧力が、前記圧縮室の変動する圧力よりも小さくなる構成である。
本発明に係るスクロール圧縮機によれば、固定スクロールの固定台板に、流入孔と冷媒吸入空間とを連通させる吸入連通穴が形成されているので、インジェクション運転を行っていない状態において、連通した冷媒吸入空間によってインジェクション逆止弁機構の上流側の圧力を、圧縮室の変動する圧力よりも小さくすることができる。よって、このスクロール圧縮機は、インジェクション逆止弁機構の上流側と下流側との圧力差と、インジェクション逆止弁機構のばね力とによって、インジェクション逆止弁機構の微振動を抑制することができ、インジェクション逆止弁機構の隙間からインジェクション回路へ冷媒が漏れる事態を防止できる。
本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成を示した縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の固定スクロールとこれに取り付けられる部品との関係を示す平面図である。 図5に示すA−A線断面であって、非インジェクション運転時のインジェクション逆止弁機構を拡大して示した説明図である。 図5に示すA−A線断面であって、インジェクション運転時のインジェクション逆止弁機構を拡大して示した説明図である。 本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機であって、揺動スクロールの回転に伴い吸入連通穴に対して揺動台板の突起部が変位する様子を平面的に示した説明図である。
以下、図に基づき、この発明の実施の形態について説明する。
なお、以下の説明において、インジェクションとは、凝縮器を出た後の(高圧側の)液冷媒または二相冷媒またはガス冷媒を圧縮機の圧縮室の途中に戻して、再圧縮することである。また、凝縮器を出た後の(高圧側の)液冷媒または二相冷媒またはガス冷媒をインジェクション冷媒と呼ぶ。なお、凝縮器を出た後とは、凝縮器を出た直後でなく、所定の膨張弁又は所定の熱交換器等を通った後の冷媒であってもよい。また、凝縮器とは、放熱器、負荷側に熱を与える熱交換器またはガスクーラーと読み替えてもよい。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成を示した縦断面図である。図2〜図4は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図であり、いずれも同じ部分を示している。図2は、特に固定スクロール1を説明するものである。図3は、特に揺動スクロール2を説明するものである。図4は、特にコンプライアントフレーム3とガイドフレーム4とを説明するものである。
まず、スクロール圧縮機100の全体構成について説明する。図1に示すように、スクロール圧縮機100は、固定スクロール1、揺動スクロール2、コンプライアントフレーム3、ガイドフレーム4、電動機5、サブフレーム6、軸7、オルダム機構8が密閉容器10内に収納されて形成される。なお、固定スクロール1と揺動スクロール2とを総称して圧縮部と呼ぶ。スクロール圧縮機100は、冷媒回路と接続されており、冷媒回路からの冷媒ガスを取り込むための吸入パイプ42が密閉容器10に接続されている。吸入パイプ42から密閉容器10の冷媒吸入空間9に取り込まれた冷媒ガスは、揺動スクロール2の駆動により圧縮部に吸入される。
(固定スクロール)
次に、図1及び図2に基づき、固定スクロール1について説明する。固定スクロール1の固定台板1aの下側には、板状の渦巻歯である固定渦巻歯1bが形成されている。スクロール圧縮機100には、固定スクロール1の固定渦巻歯1bと、後述する揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bとが噛み合うことにより、圧縮室20が形成されている。固定台板1aの下側の外周部には、オルダム案内溝1cがほぼ一直線上に2個形成されている。オルダム案内溝1cには、オルダム機構8の爪8bが往復自在に係合されている。
固定台板1aのほぼ中心部には、吐出ポート1dが固定台板1aを貫通して形成されている。固定台板1aの吐出ポート1dよりも外側には、リリーフポート1eが固定台板1aを貫通して形成されている。固定台板1aのリリーフポート1eよりも外側には、インジェクションポート1fが固定台板1aの圧縮室20側とその反対側を連通するように形成されている。インジェクションポート1fには、圧縮室20内の冷媒がインジェクション回路へ逆流すること防止するインジェクション逆止弁機構35が設けられている。
また、固定台板1aには、板の厚みに相当する側部から上部までを貫通する流入孔1gが形成されている。流入孔1gの側部の開口には、インジェクションパイプ41が挿入されている。また、固定台板1aには、固定台板1aを厚み方向に貫通し、流入孔1gと冷媒吸入空間9とを連通させる吸入連通穴1jが形成されている。つまり、インジェクション空間と冷媒吸入空間9とが連通している。
(揺動スクロール)
次に、図1及び図3に基づき、揺動スクロール2について説明する。揺動スクロール2の揺動台板2aの上側には、固定スクロール1の固定渦巻歯1bと実質的に同一形状の板状の渦巻歯である揺動渦巻歯2bが形成されている。上述したように、固定スクロール1の固定渦巻歯1bと、揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bとが噛み合うことにより、圧縮室20が形成される。
揺動台板2aの下側における外周部には、固定スクロール1のオルダム案内溝1cとほぼ90度の位相差を持つオルダム案内溝2eがほぼ一直線上に2個形成されている。オルダム案内溝2eには、オルダム機構8の爪8aが往復自在に係合されている。
また、揺動台板2aの下側における中心部には、中空円筒状のボス部2fが形成されており、そのボス部2fの内側が揺動軸受2cとなる。揺動軸受2cには、軸7の上端の揺動軸部7bが係合されている。なお、揺動軸受2cと揺動軸部7bとの間の空間をボス部内部空間15aと呼ぶ。
また、ボス部2fの外径側には、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。なお、ボス部2fの外径側において、揺動スクロール2のスラスト面2dとコンプライアントフレーム3との間に形成された空間をボス部外部空間15bと呼ぶ。また、スラスト軸受3aの外径側において、揺動スクロール2の揺動台板2aとコンプライアントフレーム3との間に形成された空間を台板外径部空間15cと呼ぶ。台板外径部空間15cは、吸入ガス雰囲気圧(吸入圧力)低圧空間となっている。
また、揺動台板2aには、上側の面から下側の面までを貫通する抽気孔2jが設けられる。つまり、抽気孔2jは、圧縮室20とスラスト面2d側の空間とを連通する。なお、抽気孔2jは、抽気孔2jのコンプライアントフレーム3側の開口部(下開口部2k)が通常運転時に描く円軌跡が、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの内部に常時収まるように配置されている。そのため、抽気孔2jからボス部外部空間15b及び台板外径部空間15cへ冷媒が漏れることはない。
(コンプライアントフレームとガイドフレーム)
次に、図1及び図4に基づき、コンプライアントフレーム3およびガイドフレーム4について説明する。コンプライアントフレーム3は、外周部に設けられた上下2つの円筒面である上嵌合円筒面3d及び下嵌合円筒面3eを、ガイドフレーム4の内周部に設けた円筒面である上嵌合円筒面4a及び下嵌合円筒面4bにより半径方向で支持されている。コンプライアントフレーム3の中心部には、電動機5により回転駆動される軸7を半径方向に支持する主軸受3cと補助主軸受3hとが形成されている。
ここで、ガイドフレーム4とコンプライアントフレーム3との間に形成され、上下をリング状の上シール材16a及び下シール材16bで仕切られた空間をフレーム空間15dと呼ぶ。なお、ガイドフレーム4の内周面には、上シール材16a及び下シール材16bを収納するリング状のシール溝が2ヶ所に形成されている。このシール溝は、コンプライアントフレーム3の外周側に形成されていてもよい。
コンプライアントフレーム3には、抽気孔2jの下開口部2kと対峙する位置に、スラスト軸受3a側からフレーム空間15dまでを貫通して、常時もしくは間欠的に抽気孔2jとフレーム空間15dとを連通する連通孔3sが形成されている。
また、コンプライアントフレーム3には、ボス部外部空間15bの圧力を調整する弁、弁押さえ、中間圧調整スプリング3mを備えた中間圧調整弁機構3pが設けられている。中間圧調整スプリング3mは、中間圧調整弁機構3pに自然長より縮められた状態で収納されている。
また、コンプライアントフレーム3には、スラスト軸受3aの外周側に、オルダム機構環状部8cが往復摺動運度する往復摺動部3xが形成されている。往復摺動部3xには、台板外径部空間15c(図3参照)と冷媒吸入空間9とを連通する連通孔3nが形成されている。
ガイドフレーム4は、外周部が焼き嵌め又は溶接などによって、密閉容器10に固定されている。しかし、ガイドフレーム4の外周部には切り欠きが設けられており、圧縮室20から密閉容器10内へ吐出された冷媒が、吐出パイプ43へ流れる流路は確保されている。
(軸)
次に、図1、図3及び図4に基づき、軸7について説明する。軸7の上側には、揺動スクロール2の揺動軸受2c(図3参照)と回転自在に係合する揺動軸部7bが形成されている。揺動軸部7bの下側には、コンプライアントフレーム3の主軸受3c(図4参照)および補助主軸受3h(図4参照)と回転自在に係合する主軸部7cが形成されている。
軸7の下側には、サブフレーム6の副軸受6aと回転自在に係合する副軸部7dが形成されている。副軸部7dと主軸部7cとの間には、電動機5の回転子5aが焼嵌され、その周囲に固定子5bが設けられている。
また、軸7の内部には、高圧油の給油穴7gが軸方向に貫通して設けられている。さらに、軸7の下端面には、給油穴7gと連通するオイルパイプ7fが圧入されている。
次に、固定スクロール1と固定スクロール1に取付けられる部品とについて、図5〜図7に基づき図1〜図4を参照しながら詳しく説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の固定スクロールとこれに取り付けられる部品との関係を示す平面図である。図6は、図5に示すA−A線断面であって、非インジェクション運転時のインジェクション逆止弁機構を拡大して示した説明図である。図7は、図5に示すA−A線断面であって、インジェクション運転時のインジェクション逆止弁機構を拡大して示した説明図である。なお、図5では、本来見えない構成要素を破線で示す。
固定台板1aの上側には、固定台板1aの概ね全体を覆うバックプレート31が設けられている。バックプレート31は、周囲数箇所が固定台板1aにボルト(図示せず)によって固定される。これにより、固定台板1aとバックプレート31は、密着した状態となる。なお、固定台板1aにバックプレート31を直接固定するのではなく、固定台板1aとバックプレート31との接合面の間に、ゴム素材で形成されたパッキンを介在させてもよい。これにより、固定台板1aとバックプレート31との接合面のシール性を向上させることができる。
バックプレート31には、図2に示すように、吐出ポート1dと重なる部分に吐出孔31dが形成され、リリーフポート1eと重なる部分にリリーフ孔31eが形成されている。したがって、圧縮室20とバックプレート31の上側の空間(密閉容器10内の空間)とは、吐出ポート1d及び吐出孔31dを介して連通する。同様に、圧縮室20とバックプレート31の上側の空間とは、リリーフポート1e及びリリーフ孔31eを介して連通する。
また、バックプレート31には、流入孔1gの上側の開口と重なる位置からインジェクションポート1fと重なる位置まで連続した溝が形成されている。この溝により、固定台板1aとバックプレート31との間に、流入孔1gの上側の開口からインジェクションポート1fまでを繋ぐインジェクション流路31aが形成される。
インジェクション逆止弁機構35は、図6及び図7に示すように、流入孔1g側に配置された逆止弁体35aと、圧縮室20側に配置され、逆止弁体35aを流入孔1g側に付勢するばね35bと、で構成されている。インジェクション逆止弁機構35は、逆止弁体35aの中心軸が、インジェクションポート1fの流出孔の中心軸に対してオフセットされて配置されている。これにより、逆止弁体35aの外径を変形することなく、インジェクション流量を増加させることができる。但し、詳細に図示することは省略したが、インジェクション逆止弁機構35は、逆止弁体35aの中心軸を、インジェクションポート1fの流出孔の中心軸に対してオフセットすることなく、同じ位置に配置した構成でもよい。
インジェクション冷媒は、密閉容器10の外部からインジェクションパイプ41を介して流入孔1gに流入する。流入孔1gに流入したインジェクション冷媒は、図7に示すように、インジェクション流路31aを経て、インジェクション逆止弁機構35の逆止弁体35aを押し下げながらインジェクションポート1fを介し圧縮室20へ注入される。非インジェクション運転時において、逆止弁体35aは、図6に示すように、ばね35bによって押し上げられ、バックプレート31を弁押さえとしてインジェクションポート1fとインジェクション流路31aとを遮断することができる。また、インジェクションポート1fの中心軸と、インジェクション逆止弁機構35の中心軸とが異なるため、インジェクションポート幅1hを調節することができ、用途に合ったインジェクション流路を形成することができる。
なお、ここでは、バックプレート31に溝が形成され、インジェクション流路31aが形成される構成としたが、バックプレート31の代わりに固定台板1aに溝が形成され、インジェクション流路31aが形成される構成でもよい。但し、バックプレート31を用いてインジェクション流路31aを形成することにより、インジェクションポート1fを複数形成することができ、各インジェクションポート1fから揺動スクロール2の内向面と固定スクロール1の外向面によって形成される圧縮室と、揺動スクロール2の外向面と固定スクロール1の内向面によって形成される圧縮室とに、効率良くインジェクション冷媒を注入することができる。
バックプレート31の上側には、図2及び図5に示すように、開閉弁33と弁押さえ34とがボルト(図示せず)により、バックプレート31及び固定台板1aに固定される。開閉弁33は、吐出孔31dとリリーフ孔31eを個別に開閉するリード弁である。開閉弁33は、圧縮室20内の冷媒の圧力と、密閉容器10内の冷媒の圧力(吐出圧力)との圧力差により開閉する。弁押さえ34は、開閉弁33のリフト量を制限する。なお、実施の形態1では、吐出孔31dとリリーフ孔31eとを開閉する1つの開閉弁33が設けられる構成とした。しかし、開閉弁33は、吐出孔31dとリリーフ孔31eとをそれぞれ個別に設けられた構成でもよい。
次に、図1から図4に基づき、スクロール圧縮機100の動作について説明する。低圧の吸入冷媒は、吸入パイプ42から固定スクロール1の固定渦巻歯1bと揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bとにより形成される圧縮室20に流入する。また、外部からインジェクションパイプ41を介して流入孔1gに流入したインジェクション冷媒が、インジェクション流路31aを経て、インジェクションポート1fから圧縮室20へ注入される。なお、インジェクション運転を行わない場合には、図6に示すように、インジェクション逆止弁機構35の逆止弁体35aが閉じられて、圧縮室20へインジェクション冷媒が注入されない。
そして、スクロール圧縮機100は、電動機5により軸7が駆動され、揺動スクロール2が固定スクロール1に対して回転駆動する。揺動スクロール2は、オルダム機構8によって自転運転せず、公転運動(偏心旋回運動)して、圧縮室20の容積を徐々に減少させる圧縮動作をする。この圧縮動作により、圧縮室20内の冷媒は、高圧となり、固定スクロール1の吐出ポート1dを介して密閉容器10内に吐出される。吐出された冷媒は、吐出パイプ43から密閉容器10外に放出される。つまり、密閉容器10内は、高圧となる。
上述したように、定常運転時には、密閉容器10内が高圧となる。この圧力により、密閉容器10の底部に溜まった冷凍機油11は、オイルパイプ7fと給油穴7gとを上側に向かって流れる。そして、高圧の冷凍機油は、ボス部内部空間15a(図3参照)に導かれ、吸入圧力より高く吐出圧力以下の中間圧Pm1まで減圧され、ボス部外部空間15b(図3参照)へ流れる。
また、給油穴7gを流れる高圧油は、軸7に設けられた横穴から主軸受3cと主軸部7cとの間(図1及び図4参照)に導かれる。主軸受3cと主軸部7cとの間に導かれた冷凍機油は、主軸受3cと主軸部7cとの間で吸入圧力より高く吐出圧力以下の中間圧Pm1まで減圧され、ボス部外部空間15b(図3参照)へ流れる。
なお、ボス部外部空間15bの中間圧Pm1となった冷凍機油は、冷凍機油に溶解していた冷媒の発泡で、一般にはガス冷媒と冷凍機油の2相になっている。
ボス部外部空間15bの中間圧Pm1となった冷凍機油は、中間圧調整弁機構3pを通って台板外径部空間15c(図3参照)に流れる。台板外径部空間15cへ流れた冷凍機油は、連通孔3n(図4参照)を通ってオルダム機構環状部8c(図4参照)の内側へ排出される。ここで、冷凍機油は、中間圧調整弁機構3pを通る際、中間圧調整スプリング3m(図4参照)によって付加される力に打ち勝って、中間圧調整弁機構3pの弁を押し上げて台板外径部空間15c(図3参照)に流れる。
また、ボス部外部空間15bの中間圧Pm1となった冷凍機油は、揺動スクロール2のスラスト面2d(図3参照)とコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3a(図3参照)の摺動部へ給油され、オルダム機構環状部8c(図4参照)の内側へ排出される。そして、オルダム機構8の爪8a、8b(図2及び図3参照)の各摺動面に給油された後、台板外径部空間15c(図3参照)へ開放される。
ここで、ボス部外部空間15bの中間圧Pm1は、中間圧調整弁機構3pの中間圧調整スプリング3mのばね力と弁の露出面積とによってほぼ決定される所定の圧力αによって、「Pm1=Ps+α」と表される。なお、Psは、吸入雰囲気圧すなわち低圧である。
また、抽気孔2jの下開口部2k(図4参照)は、コンプライアントフレーム3に設けられた連通孔3sのスラスト軸受3a側の開口部と、常時もしくは間欠的に連通する。このため、圧縮室20からの圧縮途中の冷媒ガスが、揺動スクロール2の抽気孔2j及びコンプライアントフレーム3の連通孔3sを介してフレーム空間15d(図4参照)に導かれる。この冷媒ガスは、圧縮途中であるため、吸入圧より高く吐出圧以下の中間圧Pm2である。
なお、冷媒ガスが導かれるといっても、フレーム空間15dは上シール材16aと下シール材16bとで密閉された閉空間であるため、通常運転時には圧縮室20の圧力変動に呼応して圧縮室20とフレーム空間15dとは双方向に微少な流れを有する。つまり、圧縮室20とフレーム空間15dとは、いわば呼吸しているような状態となる。
ここで、フレーム空間15dの中間圧Pm2は、連通する圧縮室20の位置でほぼ決定される所定の倍率βによって、「Pm2=Ps×β」と表される。なお、Psは、吸入雰囲気圧すなわち低圧である。
ここで、コンプライアントフレーム3には、(A)ボス部外部空間15bの中間圧Pm1に起因する力と、(B)スラスト軸受3aを介した揺動スクロール2からの押付け力との合計(A+B)が下向きの力として作用する。一方、コンプライアントフレーム3には、(C)フレーム空間15dの中間圧Pm2に起因する力と、(D)下端面の高圧雰囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力との合計(C+D)が上向きの力として作用する。そして、通常運転時には、上向きの力(C+D)が下向きの力(A+B)よりも大きくなるように設定されている。
通常運転時には、上向きの力(C+D)が下向きの力(A+B)よりも大きくなるように設定されている。そのため、コンプライアントフレーム3は、固定スクロール1側(図1の上側)に浮き上がった状態となる。つまり、コンプライアントフレーム3は、上嵌合円筒面3dがガイドフレーム4の上嵌合円筒面4aにガイドされるとともに、下嵌合円筒面3eがガイドフレーム4の下嵌合円筒面4bにガイドされて、固定スクロール1側(図1の上側)に浮き上がった状態となる。すなわち、コンプライアントフレーム3は、固定スクロール1側(図1の上側)に浮き上がって、スラスト軸受3aを介して揺動スクロール2に押付けられた状態となる。
コンプライアントフレーム3が揺動スクロール2に押付けられているため、揺動スクロール2もコンプライアントフレーム3と同様に固定スクロール1側(図1の上側)に浮き上がった状態となる。その結果、揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bの歯先と、固定スクロール1の歯底(固定台板1a)とが接触するとともに、固定スクロール1の固定渦巻歯1bの歯先と、揺動スクロール2の歯底(揺動台板2a)とが接触する。
一方、圧縮機の起動時等の過渡期、又は圧縮室20の内圧が異常に上昇したときなどには、上述した(B)のスラスト軸受3aを介しての揺動スクロール2からの押付け力が大きくなる。そのため、下向きの力(A+B)が上向きの力(C+D)よりも大きくなる。その結果、コンプライアントフレーム3がガイドフレーム4側(図1の下側)へ押付けられる。そして、揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bの歯先と、固定スクロール1の歯底(固定台板1a)とが離れるとともに、固定スクロール1の固定渦巻歯1bの歯先と、揺動スクロール2の歯底(揺動台板2a)とが離れる。これにより、圧縮室20内の圧力が下がり、圧縮室20内の圧力が過度に上昇することを防げる。
インジェクション運転時には、外部からのインジェクション冷媒が、インジェクションパイプ41を介して流入孔1gに流入し、インジェクション流路31aを経て、インジェクションポート1fから圧縮室20へ注入される。また、外部からのインジェクション冷媒は、吸入連通穴1jから冷媒吸入空間9へも注入される。このとき、吸入パイプ42から吸入された低圧の冷媒と、吸入連通穴1jを通じて冷媒吸入空間9に注入されたインジェクション冷媒は、圧縮室20に流入して圧縮されている。このとき、インジェクションポート1fと連通するときの圧縮室20内の圧力が、インジェクション圧力よりも小さい場合、図7に示すように、インジェクション逆止弁機構35のばね35bのばね力に打ち勝って、インジェクション冷媒が圧縮室20内へ流入する。インジェクション圧力が、圧縮室20内の圧力よりも小さい場合は、図6に示すように、逆止弁体35aは開かず、インジェクション冷媒が圧縮室20へ流入しない。インジェクション圧力が圧縮室20内の圧力よりも小さい運転条件は、おおむねインジェクションを必要としない条件であり、大抵の場合、インジェクション冷媒をスクロール圧縮機100へ流入させるためのユニット側の弁は閉じている。
次に、インジェクション逆止弁機構35の効果について説明する。逆止弁体35aは主にインジェクション運転を必要としない条件における性能を向上させる効果がある。図5に示す通り、インジェクション冷媒は、インジェクション流路31aを通った後、分岐して2箇所、ないしは3箇所のインジェクションポート1fを通って圧縮室20内へ注入される。分岐したインジェクションポート1fは、圧縮室20のうち、揺動スクロール2の内向面と固定スクロール1の外向面によって形成される圧縮室(以下、圧縮室Aという。)と揺動スクロール2の外向面と固定スクロール1の内向面によって形成される圧縮室(以下、圧縮室Bという。)とに、それぞれ連通している。軸7がある回転角のとき、圧縮室Aと圧縮室Bとにそれぞれインジェクションポート1fが連通するタイミングが異なっている場合、圧縮室Aの圧力と圧縮室Bの圧力が異なる状態でインジェクション流路31aと連通することになる。仮にインジェクション運転を行っていないときには、圧縮室Aと圧縮室Bとで圧力の高い方から低い方へインジェクション流路31aを介して連通し、いわゆる呼吸をしている状態となる。スクロール圧縮機100は、呼吸状態となると圧縮室20で冷媒の再圧縮が起こり、結果として入力の増加、性能低下の原因となる。
実施の形態1のスクロール圧縮機100では、流入孔側に配置された逆止弁体35aと、圧縮室20側に配置され、逆止弁体35aを流入孔1g側に付勢するばね35bと、で構成されたインジェクション逆止弁機構35を、インジェクションポート1fに設けている。よって、このスクロール圧縮機100は、インジェクション逆止弁機構35によって、圧縮室Aと圧縮室Bとがインジェクション流路31aを介して連通することがなくなり、呼吸運動がなくなる。
ここで、スクロール圧縮機100は、インジェクション運転を行っていない状態において、インジェクション逆止弁機構35の下流側(圧縮室20側)の圧力が変動するのに対し、インジェクション逆止弁機構35の上流側(流入孔1g側)の圧力は一定である。そのため、このスクロール圧縮機100は、インジェクション逆止弁機構35の上流側の圧力に対し、インジェクション逆止弁機構35の下流側の圧力が大きくなったり、小さくなったりすることで、インジェクション逆止弁機構35が微振動を起こす問題がある。スクロール圧縮機100は、インジェクション逆止弁機構35が微振動を起こすと、逆止弁体35aの隙間からインジェクション回路へ冷媒が漏れる虞がある。スクロール圧縮機100は、インジェクション回路へ冷媒が漏れると、漏れた冷媒を再び圧縮させる必要が生じて運転能力が低下する虞がある。
実施の形態1のスクロール圧縮機100では、流入孔1gと冷媒吸入空間9とを連通させる吸入連通穴1jが形成されているので、インジェクション運転を行っていない状態において、連通した冷媒吸入空間9によってインジェクション逆止弁機構35の上流側の圧力を、圧縮室20の変動する圧力よりも小さくすることができる。したがって、このスクロール圧縮機100は、インジェクション逆止弁機構35の上流側と下流側との圧力差と、インジェクション逆止弁機構35のばね力によって、インジェクション逆止弁機構35の微振動を抑制することができ、インジェクション逆止弁機構35の隙間からインジェクション回路へ冷媒が漏れる事態を防止できる。よって、このスクロール圧縮機100は、漏れた冷媒を再び圧縮させる必要がないから、運転能力の向上を図ることができる。
また、実施の形態1のスクロール圧縮機100では、インジェクション逆止弁機構35がインジェクションポート1fに設けられているので、上記した圧縮室Aと圧縮室Bとがインジェクション流路31aを介して連通することがなくなり、呼吸運動がなくなる。よって、このスクロール圧縮機100は、圧縮室20で冷媒の再圧縮を抑制することができるので、運転能力の向上を図ることができる。
また、実施の形態1のスクロール圧縮機100は、インジェクション逆止弁機構35のばね35bの中心軸が、インジェクションポート1fの流出孔の中心軸に対してオフセットされて配置されている。これにより、逆止弁体35aの外径を変形することなく、インジェクション流量を増加させることができる。
また、実施の形態1にスクロール圧縮機100は、固定台板1aの上側の面に、インジェクションポート1fと流入孔1gとを繋ぐインジェクション流路31aを形成するバックプレート38が設けられている。よって、実施の形態1にスクロール圧縮機100は、インジェクションポート1fを複数形成することができ、各インジェクションポート1fから揺動スクロール2の内向面と固定スクロール1の外向面によって形成される圧縮室と、揺動スクロール2の外向面と固定スクロール1の内向面によって形成される圧縮室とに、効率良くインジェクション冷媒を注入することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機101を図8に基づいて説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明したスクロール圧縮機100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態2のスクロール圧縮機101は、圧縮室20内の冷媒がインジェクション回路へ逆流することを防止するインジェクション逆止弁機構36を設ける位置が、上述した実施の形態1の構成と異なる。具体的には、固定スクロール1の固定台板1aには、板の厚みに相当する側部から上部に向かう流入孔1gの途中位置に、該流入孔1gとインジェクションポート1fとを繋ぐインジェクション流路31aが形成されている。そして、流入孔1g内であって、流入孔1gとインジェクション流路31aとが交わる位置に、インジェクション逆止弁機構36が設けられている。
実施の形態2のスクロール圧縮機101は、主に小型サイズの機種であり、インジェクションポート1f内に、インジェクション逆止弁機構36を設けるスペースを十分に確保できない場合に好適な構成である。実施の形態2のスクロール圧縮機101は、インジェクション流路31aの長さが構造上短くなるので、流路圧損が低下し、能力改善に繋がる。
実施の形態2のスクロール圧縮機101のインジェクション逆止弁機構36も、流入孔1g側に配置された逆止弁体36aと、圧縮室20側に配置され、逆止弁体36aを流入孔1g側に付勢するばね36bとで構成されている。インジェクション逆止弁機構36のばね36bは、一端が逆止弁体36aに取り付けられ、他端が固定台板1aの上面にボルト37で固定されたバックプレート38に取り付けられている。
インジェクション冷媒は、密閉容器10の外部から、インジェクションパイプ41を介して流入孔1gに流入する。流入孔1gに流入したインジェクション冷媒は、逆止弁体36aを押し上げながら流入孔1gを通り、インジェクション流路31aからインジェクションポート1fを経て圧縮室20へ注入される。実施の形態2のスクロール圧縮機101も、インジェクション逆止弁機構36によって、上記した圧縮室Aと圧縮室Bとがインジェクション流路31aを介して連通することがなくなり、呼吸運動がなくなる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機102を図9及び図10に基づいて説明する。図9は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の上部を拡大して示した縦断面図である。図10は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機であって、揺動スクロールの回転に伴い吸入連通穴に対して揺動台板の突起部が変位する様子を平面的に示した説明図である。なお、実施の形態1及び2で説明したスクロール圧縮機と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、図9に示す実施の形態3のスクロール圧縮機102では、一例として上記実施の形態2で説明したインジェクション逆止弁機構36を設けた構成を示しているが、上記実施の形態1で説明したインジェクション逆止弁機構35を設けた構成でも同様に実施できる。
スクロール圧縮機は、インジェクション運転時において、インジェクション冷媒の一部が吸入連通穴1jを通じて冷媒吸入空間9へ流れることにより、圧縮室20に注入されるインジェクション冷媒が減少し、暖房能力が低下する虞がある。そこで、実施の形態3に係るスクロール圧縮機102では、図9に示すように、上記実施の形態2のスクロール圧縮機101の構成に加えて、吸入連通穴1jの冷媒吸入空間9側の開口部を、揺動スクロール2の回転に伴って間欠に塞ぐ突起部2mが、揺動台板2aの上側の面に設けられている。
ここで、図10に基づいて、揺動スクロール2の回転に伴い吸入連通穴1jに対して揺動台板2aの突起部2mが変位する構成の一例を説明する。吸入連通穴1jは、図10(a)に示すように、揺動スクロール2の回転角度が0°である場合、冷媒吸入空間9側の開口部の全面が突起部2mによって塞がれた状態にある。吸入連通穴1jは、揺動スクロール2の回転に伴って、徐々に冷媒吸入空間9と連通していき、図10(b)に示すように、揺動スクロール2の回転角度が90°である場合に、開口部の一部が冷媒吸入空間9と連通した状態となる。そして、吸入連通穴1jは、図10(c)に示すように、揺動スクロール2の回転角度が180°になると、突起部2mが開口部から完全に外れ、冷媒吸入空間9と完全に連通した状態となる。そして、吸入連通穴1jは、揺動スクロール2の回転に伴って、徐々に開口部が塞がれていき、図10(d)に示すように、揺動スクロール2の回転角度が270°になると、開口部の一部が突起部2mによって塞がれた状態となる。そして、吸入連通穴1jは、揺動スクロール2の回転角度が360°(0°)になると、開口部の全面が突起部2mによって再び塞がれた状態となる。実施の形態3のスクロール圧縮機102は、揺動スクロール2の公転運動によって、図10(a)〜(d)が繰り返される。
したがって、実施の形態3のスクロール圧縮機102は、揺動台板2aの上側の面に、吸入連通穴1jの冷媒吸入空間9側の開口部を、揺動スクロール2の回転に伴って間欠に塞ぐ突起部2mが設けられているので、インジェクション運転時において、吸入連通穴1jから冷媒吸入空間9へ流れるインジェクション冷媒を抑制することができる。よって、スクロール圧縮機102は、圧縮室20にインジェクション冷媒を十分注入することができるから、暖房能力の改善を図ることができる。
また、このスクロール圧縮機102は、インジェクション運転を行っていない状態において、インジェクション逆止弁機構36の上流側と下流側との圧力差と、インジェクション逆止弁機構36のばね力によって、インジェクション逆止弁機構36の微振動を抑制することができ、インジェクション逆止弁機構36の隙間からインジェクション回路へ冷媒が漏れる事態を防止できる。よって、このスクロール圧縮機102は、漏れた冷媒を再び圧縮させる必要がないから、運転能力の向上を図ることができる。
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図示したスクロール圧縮機100の内部構成は、一例であって、上述した内容に限定されるものではなく、他の構成要素を含んだスクロール圧縮機であっても同様に実施することができる。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
1 固定スクロール、1a 固定台板、1b 固定渦巻歯、1c オルダム案内溝、1d 吐出ポート、1e リリーフポート、1f インジェクションポート、1g 流入孔、1h インジェクションポート幅、1j 吸入連通穴、2 揺動スクロール、2a 揺動台板、2b 揺動渦巻歯、2c 揺動軸受、2d スラスト面、2e オルダム案内溝、2f ボス部、2j 抽気孔、2k 下開口部、2m 突起部、3 コンプライアントフレーム、3a スラスト軸受、3c 主軸受、3d 上嵌合円筒面、3e 下嵌合円筒面、3h 補助主軸受、3m 中間圧調整スプリング、3n 連通孔、3p 中間圧調整弁機構、3s 連通孔、3x 往復摺動部、4 ガイドフレーム、4a 上嵌合円筒面、4b 下嵌合円筒面、5 電動機、5a 回転子、5b 固定子、6 サブフレーム、6a 副軸受、7 軸、7b 揺動軸部、7c 主軸部、7d 副軸部、7f オイルパイプ、7g 給油穴、8 オルダム機構、8a、8b 爪、8c オルダム機構環状部、9 冷媒吸入空間、10 密閉容器、11 冷凍機油、15a ボス部内部空間、15b ボス部外部空間、15c 台板外径部空間、15d フレーム空間、16a 上シール材、16b 下シール材、20 圧縮室、31 バックプレート、31a インジェクション流路、31d 吐出孔、31e リリーフ孔、33 開閉弁、34 弁押さえ、35、36 インジェクション逆止弁機構、35a、36a 逆止弁体、35b、36b ばね、37 ボルト、38 バックプレート、41 インジェクションパイプ、42 吸入パイプ、43 吐出パイプ、100、101、102 スクロール圧縮機。

Claims (6)

  1. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に設けられ、固定台板と、前記固定台板の一方の面に設けられた固定渦巻歯と、を有する固定スクロールと、
    前記密閉容器内に設けられ、揺動台板と、前記揺動台板の一方の面に設けられた揺動渦巻歯と、を有し、前記固定スクロールとの間に冷媒を圧縮する圧縮室を形成する揺動スクロールと、
    前記固定スクロールに対して前記揺動スクロールを回転駆動させる電動機と、を備え、
    前記固定台板には、
    前記密閉容器の外部からインジェクションパイプを介してインジェクション冷媒が流入する流入孔と、
    前記流入孔から流入した前記インジェクション冷媒を前記圧縮室へ注入させるインジェクションポートと、
    前記流入孔と前記密閉容器内の冷媒吸入空間とを連通させる吸入連通穴と、が形成されており、
    前記固定台板には、前記流入孔側に配置された逆止弁体と、圧縮室側に配置され、前記逆止弁体を流入孔側に付勢するばねと、で構成されたインジェクション逆止弁機構が設けられており、
    前記流入孔と前記冷媒吸入空間とが前記吸入連通穴を介して連通していることにより、インジェクション運転を行っていない状態において、前記インジェクション逆止弁機構の上流側の圧力が、前記圧縮室の変動する圧力よりも小さくなる構成である、スクロール圧縮機。
  2. 前記インジェクション逆止弁機構は、前記インジェクションポートに設けられている、請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記インジェクション逆止弁機構は、前記逆止弁体の中心軸が、前記インジェクションポートの流出孔の中心軸に対してオフセットされて配置されている、請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記固定台板の他方の面には、前記インジェクションポートと前記流入孔とを繋ぐインジェクション流路を形成するバックプレートが設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記固定台板には、前記インジェクションポートと前記流入孔とを繋ぐインジェクション流路が形成されており、
    前記インジェクション逆止弁機構は、前記流入孔に設けられている、請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記揺動台板の一方の面には、前記吸入連通穴の前記冷媒吸入空間側の開口部を、前記揺動スクロールの回転に伴って間欠に塞ぐ突起部が設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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