JP6704286B2 - 炊飯器、炊飯器の内釜、及び炊飯器の内釜の製造方法 - Google Patents

炊飯器、炊飯器の内釜、及び炊飯器の内釜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炊飯器、炊飯器の内釜、及び炊飯器の内釜の製造方法に関する。
電磁誘導加熱式の炊飯器は、内釜の素材として、外側に誘導加熱コイルにより誘導加熱される磁性材料を用い、内側には誘導加熱により発熱した磁性材料からの熱が内釜内部の米に均一に伝えられるように熱伝導性の良い材料を用いることが一般的である。
それらの素材として、特許文献1に示すように、外側を磁性材料であるステンレス板、内側をアルミニウム板としたクラッド材を内釜形状に絞り加工したものが多く用いられている。
また、特許文献2に示すように、内釜形状をなす外型の底面に磁性金属材料である皿状のステンレス板等を敷き、その上に非磁性金属材料である溶融アルミニウムを注入し、その上から押型により高圧で加圧して内釜を成形したものもある。
また、特許文献3に示すように、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料で内釜形状に加工した内釜基材における誘導加熱コイルに対向する部分に、磁性金属の鉄の微粒子を溶かして打ち付ける溶射製法により鉄の微粒子を結合させたものもある。
特開平5−199934号公報 特開平8−24123号公報 特開平11−276341号公報
しかしながら、近年は炊飯器の内釜も軽量化が求められる。また、炊き上げた米飯の味を向上させるために、内釜の磁性材料も低製造コストで部分的に厚みを可変できるようにしたい。さらには、前記の溶射製法では、磁性金属の鉄の微粒子を内釜基材に強い結合強度で形成することができないという問題もあった。
そこで、本発明は、内釜の軽量化が可能で、部分的な磁性材料の厚みの可変もでき、且つ、磁性金属と内釜基材との結合強度が強い炊飯器、炊飯器の内釜、及び炊飯器の内釜の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、本体と、前記本体内に収納される内釜と、前記本体に設けられ前記内釜を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備え、前記内釜は、内釜基材と、前記内釜基材の外表面に磁性体粉の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該磁性体粉が当該内釜基材に食い込んで当該内釜基材の上に積層していて、前記誘導加熱コイルにより誘導加熱するものである第1の皮膜部と、前記第1の皮膜部の表面全体を覆うように設けられた防錆皮膜であって、非磁性体の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該非磁性体が前記第1の被膜部に食い込んで当該第1の被膜部の上に積層しているか、又は溶射製法により打ち付けられて当該第1の被膜部の上に積層している第3の皮膜部とを備える。
別の本発明は、内釜基材と、前記内釜基材の外表面に磁性体粉の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該磁性体粉が当該内釜基材に食い込んで当該内釜基材の上に積層していて、誘導加熱コイルにより誘導加熱するものである第1の皮膜部と、前記第1の皮膜部の表面全体を覆うように設けられた防錆皮膜であって、非磁性体の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該非磁性体が前記第1の被膜部に食い込んで当該第1の被膜部の上に積層しているか、又は溶射製法により打ち付けられて当該第1の被膜部の上に積層している第3の皮膜部とを備える。
別の本発明は、内釜基材の外表面にコールドスプレー製法により磁性体粉の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該磁性体粉が当該内釜基材に食い込んで当該内釜基材の上に積層していて、誘導加熱コイルにより誘導加熱するものである第1の皮膜部を形成する第1の皮膜部形成工程と、第1の皮膜部形成工程後、前記第1の皮膜部の表面全体を覆うように、防錆皮膜あって、非磁性体の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該非磁性体が前記第1の被膜部に食い込んで当該第1の被膜部の上に積層しているか、又は溶射製法により打ち付けられて当該第1の被膜部の上に積層している第3の皮膜部を形成する第3の皮膜部形成工程とを備える。
本発明によれば、内釜の軽量化が可能で、部分的な磁性材料の厚みの可変もでき、且つ、磁性金属と内釜基材との結合強度が強い炊飯器、炊飯器の内釜、及び炊飯器の内釜の製造方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の実施例1である炊飯器の縦断面図である。 図2は、本発明の一実施例である炊飯器の内釜の縦断面図である。 図3は、本発明の一実施例である内釜の製造方法にかかる内釜の製造工程を示すフローチャートである。 図4は、本発明の一実施例である炊飯器の内釜の内釜基材、第1の皮膜部、第2の皮膜部、及び第3の皮膜部の積層構造の拡大断面図となる図面代用写真(a)、そのA部分の拡大図となる図面代用写真(b)、さらに内釜基材と第1の皮膜部の境界部の拡大図となる図面代用写真(c)である。 図5は、本発明の一実施例である内釜の内釜基材に食い込んだ第1の皮膜部をなす鉄の微粒子を示す平面図となる図面代用写真(a)と、その断面図となる図面代用写真である(b)。 図6は、本発明の一実施例である内釜の引き剥がし試験を行ったときの拡大断面図に相当する図面代用写真(a)と、比較例となる内釜の引き剥がし試験を行ったときの拡大断面図に相当する図面代用写真である(b)。 図7は、本発明の実施例2である炊飯器の内釜の縦断面図である。 図8は、本発明の実施例2である内釜の製造方法にかかる内釜の製造工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
[炊飯器及びその内釜の構造]
図1は、本実施例の炊飯器の縦断面図である。
図1において、炊飯器(ジャー炊飯器)1の本体2の内側には本体2の内壁を構成する上面が開口した保護枠3が設けられ、その保護枠3内には内釜4が着脱自在に収納されている。
本体2の上面には、外蓋5が開閉自在に取付けられ、本体2と内釜4の上面開口部を塞ぐことができる。保護枠3の底面部には、内釜4を誘導加熱する誘導加熱コイル6が設けられている。
ところで、近年、炊飯器の内釜は電磁誘導加熱による発熱の良さと、その熱の伝わりの良さに加えて、軽さが求められる。
前記した特許文献1に示す技術は、外側を磁性材料であるステンレス板、内側を熱伝導性の良いアルミニウム板としたクラッド材を用いて内鍋形状に絞り加工したものである。この形態では誘導加熱コイルと対向しない部分も含め、内釜の外側全ての部分がステンレス板となり、電磁誘導加熱のために磁性金属を必要としない部分もステンレスで覆われ、もって内釜の重量が増大するという問題があった。
また、内釜の厚さは板材の加工のため全ての部分で同等になり、例えば底の部分だけ厚くするといった部分的に厚みを変えることは出来ず、米飯を美味に仕上げるために内釜の厚さを部分的に変えて熱伝導特性を調整することは出来なかった。
特許文献2に示す内釜は、磁性材料であるステンレスなどで皿状に加工したものと、熱伝導の良いアルミニウムを高圧溶融鍛造で接合したものである。外側の磁性材料は誘導加熱コイルに対抗する部分だけ設ければよく、アルミ部分の厚さは、溶かしたアルミニウムを高圧加圧する金型の形状によって部分的に変えることが出来、この点は、特許文献1の課題を解決している。
しかし、その製造は工程が多く、溶融鍛造の大きな設備も必要で、製造コストが高額となり、内釜を安価に提供できない課題がある。具体的には、ステンレスとアルミニウムを強固に結合させるためには、磁性金属の皿状の形状はある程度の深さを要し、その内底面、内側面に鉄を溶かした微粒子を打ち付ける溶射製法で凸凹形状となる溶射層を形成し、この凸凹に溶かしたアルミニウムが入り込ませることで両者を結合させるという工程が必要である。
特許文献3に示す技術は、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料で内釜形状に加工した内釜基材において、誘導加熱コイルに対向する部分に磁性金属の鉄の微粒子を溶かして打ち付ける溶射製法により当該鉄の微粒子を内釜基材に結合させたものである。溶射製法により鉄の溶射皮膜を形成する部分は任意に選択出来、例えば底面だけにすることも出来る。また、底面中央程厚くするなど溶射箇所と溶射時間で任意な厚さの変化のある形状が可能であり、内釜の熱伝導特性を調整して美味な米飯に仕上げることが出来る。
しかし、アルミニウムなどの内釜基材と、溶射製法により生成した鉄層の結合強度が他の従来例の製法よりも弱い課題があった。この対策として、内釜基材にブラスト処理を施し、内釜基材と鉄層との結合強度を向上させることが考えられる。しかしながら、アルミと鉄の熱膨張差、収縮差により、この両者はかなり強固に結合させる必要があり、ブラスト処理に高いコストを要し、高度の技術も必要となる。
そこで、本実施例の内釜4は、軽量化が可能で、部分的な磁性材料の厚みの可変もでき、且つ、磁性金属と内釜基材との結合強度が強くなるように以下の構成としている。
図2は、内釜4の縦断面図である。内釜基材11は、アルミニウム製である。この内釜基材11の外表面の誘導加熱が行われる部位、すなわち、底部及び側部下方には、内釜基材11の外表面に磁性体粉、例えば鉄粉の微粒子が食い込んで積層している第1の皮膜部12が形成されている。また、第1の皮膜部12の表面を覆うように当該表面に貼り付けられた磁性体、例えば鉄製の皮膜である第2の皮膜部13が更に形成されている。第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13は、磁性体として誘導加熱コイル6により誘導加熱される。
さらに、第3の皮膜部14が、第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13の表面全体を覆うように設けられている。第3の皮膜部14は、第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13が腐食するのを保護する保護膜である。第3の皮膜部14は、非磁性体、例えば、少なくともアルミニウムを主材料とした材料を用いることができる。より具体的には、アルミニウムに一部シリコンを混入した材料を第3の皮膜部14として用いることができる。
あるいは、非磁性体粉、例えば、ほぼ100%のアルミニウム粉体が第2の皮膜部13に食い込んで積層しているようにして第3の皮膜部14を形成してもよい。
そして、以上のように形成された内釜4の外表面全体には防錆塗装15が施されている。また、内釜4の内周面全体にはフッ素樹脂塗装16が施されている。
なお、第1の皮膜部12、第2の皮膜部13、第3の皮膜部14、防錆塗装15、フッ素樹脂塗装16の厚さは便宜上誇張して図2に図示している。
次に、本実施例の炊飯器1の作用効果について説明する。
図1において、まず、使用者が内釜4内に適量の米と水を入れ、本体2内に収納して外蓋5を閉じる。次に、操作手段(図示せず)を操作して炊飯を開始すると、誘導加熱コイル6に電流が流れ、高周波磁界が発生して誘導加熱コイル6と対向した内釜4の底面の第1、第2の皮膜部12,13内に発生した電流によってジュール熱により発熱する。
この熱は第2の皮膜部13から第1の皮膜部12を介して内釜基材11に伝わり、誘導加熱コイル6直上の米と水に伝わるのと同時に、内釜基材11のアルミニウムの高い熱伝導性により内釜4の側面へと伝わる。内釜4底部からの水の対流に加えて、内釜4の熱伝導で内釜4側面まで熱が伝わって米と水を加熱するため、全体が均一に加熱されて、米飯をムラ無く美味に仕上げることができる。
やがて、米が水を吸って内釜4内の水がなくなると、内釜4の底部の温度が急上昇し、それを温度検知手段(図示せず)が検知して誘導加熱コイル6への通電を停止し、加熱が終了する。その後、一定時間の蒸らしを行って炊飯が終了する。
炊飯中の加熱によって内釜4は内釜基材11のアルミニウムと第2の皮膜部13や第1の皮膜部12の鉄との熱膨張差によって結合面に応力が発生する。
しかし、第1の皮膜部12は内釜基材11に食い込んでいて両者は強固に接合しているので、剥がれを生じることはない。
第1の皮膜部12で鉄を強固に内釜基材11と結合させることが出来るので、内釜基材11の底部や底部側面など任意の箇所に任意の厚さで鉄を接合することが出来、第1の皮膜部12、第2の皮膜部13の厚さを調節して内釜4の熱伝導特性を調整して美味な米飯を炊飯することが出来る。
また、内釜4の側面上部など誘導加熱に寄与しない箇所には鉄を設ける必要がなく、軽量化した内釜4が提供できる。
[内釜の製造方法]
図3は、内釜4の製造工程を示すフローチャートである。
この製造工程では、まず、内釜基材11を製造する(S1)。内釜基材11は、高熱伝導非磁性金属である所定の厚さのアルミニウム板を内釜形状に絞り加工して製造する。
次に、内釜基材11の外表面の底部及び側部下方にコールドスプレー製法により第1の皮膜部12を形成する(S2)(第1の皮膜部形成工程)。すなわち、融点未満の温度で磁性体、例えば鉄粉の微粒子を音速以上(例えば1500km/h以上)の高速で内釜基材11に打ち付け、鉄粉を内釜基材11の外表面にめり込ませて積層し、第1の皮膜部12を形成する。第1の皮膜部12の厚みは、一例を挙げれば100μm程度である。
次に、第1の皮膜部12の上で、当該第1の皮膜部12を設けた内釜基材11の底部及び側部下方の範囲に比べてより底部寄りの少し狭い範囲に、溶射製法によって磁性体、例えば鉄を材料として第2の皮膜部13を形成する(S3)(第2の皮膜部形成工程)。溶射製法は、例えば約2000℃の放電で鉄の線材を溶かし、溶けた粒子を、アーク溶接の場合は圧縮エアーにより例えば300〜400km/hの速度で内釜基材11に打ち付けて積層させる。第2の皮膜部13は一例を挙げれば約400μmの厚さである。
次に、第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13の全体を覆うように、非磁性体を材料として第3の皮膜部14を形成する(S4)(第3の皮膜部形成工程)。第3の皮膜部14は、例えばアルミニウムを主成分とした材料で溶射製法により形成することができる。これは例えばアルミニウムにシリコンを一部混入させた材料である。溶射製法ではアルミニウムの融点以上の温度で溶かしたアルミニウムを主成分とする材料を第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13の上に打ち付ける。
また、第3の皮膜部14は、非磁性体、例えばほぼ100%アルミニウムを使用した材料(アルミニウム粉体の微粒子)でコールドスプレー製法により形成することもできる。すなわち、アルミニウムの融点未満の温度のアルミニウム粉体の微粒子を、露出している第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13の上に高圧ガス噴射にて音速以上の高速で打ち付ける。
次に、第3の皮膜部14形成後の内釜基材11の外表面全体に防錆塗装15を施し、また、内釜基材11の内周面全体にフッ素樹脂塗装16を施す(S5)。以上の工程で、内釜4が完成する。
図4は、以上の製造方法で形成された内釜基材11、第1の皮膜部12、第2の皮膜部13、及び第3の皮膜部14の積層構造の拡大断面図となる図面代用写真である。なお、第3の皮膜部14は、前記の溶射製法を用いた例である。図4(a)からは第2の皮膜部13は、鉄の粒子が積層して形成されている様子が分かる。図4(b)は、図4(a)のA部分における内釜基材11、第1の皮膜部12、及び第2の皮膜部13の部分拡大図となる図面代用写真であり、符号21で示す内釜基材11と第1の皮膜部12の境界部においては、平坦なはずの内釜基材11の表面が凹凸をなしている。これは、前記S2の工程で鉄の微粒子が音速で内釜基材11に打ち付けられて内釜基材11の中に食い込んだためである。図4(c)は、さらに内釜基材11と第1の皮膜部12との境界部分の拡大図となる図面代用写真であり、内釜基材11の表面の凹凸がはっきりとわかる。
図5(a)は、内釜基材11に食い込んだ第1の皮膜部12をなす鉄の微粒子を示す平面図となる図面代用写真、図5(b)は、その断面図となる図面代用写真である。第1の皮膜部12は白矢印の方向に食い込んでいる。
図6(b)は、内釜基材111(内釜基材11と同様の材料)に前記のブラスト処理(符号112が処理表面)を施した上で、第2の皮膜部13と同様に溶射製法で鉄皮膜113を内釜基材111に形成した場合の拡大断面図に相当する図面代用写真である。これは本実施例に対する比較例となるもので、内釜基材111から鉄皮膜113を引き剥がす引き剥がし試験を行ったときのものである。内釜基材111から鉄皮膜113が引き剥がされ、符号114は、そのときに当該両者の間に出来た空間である。
これに対し、図6(a)は、本実施例の場合に引き剥がし試験を行ったときの拡大断面図に相当する図面台用写真である。第1の皮膜部12と第2の皮膜部13との間が引き剥がされて、空間41が出来ている。
図6(a)の本実施例では、図6(b)の引き剥がしを行った引き剥がし試験の3倍程度の力でも内釜基材11と第1の皮膜部12との間は剥がれず、第1の皮膜部12と第2の皮膜部13との間が剥がれる結果となった(符号41はその時できた空間)。
すなわち、図6(b)の比較例に比べて、図6(a)の本実施例の場合は、磁性体(第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13)と内釜基材11との結合強度を高めることができる。
また、コールドスプレー製法により第1の皮膜部12を形成し、溶射製法により第2の皮膜部13を形成するので、第1の皮膜部12、第2の皮膜部13を部分的に厚くしたり、薄くしたりすることも容易に行うことができる。すなわち、内釜4の軽量化が可能で、部分的な磁性材料の厚みの可変も可能となる。
さらに、第3の皮膜部14の製造にコールドスプレー製法を用いた場合は、第3の皮膜部14の厚みも制御し易くなる。
その上、内釜4の外表面には防錆塗装15がされているが、摩耗や傷で防錆塗装15の一部が剥がれても第3の皮膜部14で覆われているため、第1の皮膜部12及び第2の皮膜部13が錆びることを防止することができる。
本実施例において実施例1と同様の部材等には同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
[炊飯器及びその内釜の構造]
図7は、本実施例の炊飯器の内釜の縦断面図である。本実施例の炊飯器は実施例1の炊飯器1と同様である。本実施例と実施例1との相違点は、まず、内釜の構造にあり、図7に示す本実施例の内釜51は、前記の内釜4と異なり、第2の皮膜部13の形成部分にも第2の皮膜部13に代えて第1の皮膜部12が形成されている。すなわち、誘導加熱コイル6で誘導加熱する磁性体は、内釜4の内釜基材11の外表面の底面と側面下方に磁性体粉、例えば鉄粉の微粒子が食い込んで積層された第1の皮膜部12のみで形成されている。
第1の皮膜部12と内釜基材11とは前記のとおり強固に結合されている。そのため、第2の皮膜部13も積層させる実施例1と比較して、本実施例は、内釜基材11と磁性体との結合を更に強固にすることができる。
また、第2の皮膜部13の形成工程を省略できるので、実施例1に比べて製造コストを低減することができる。
[内釜の製造方法]
図8は、本実施例の内釜の製造方法を説明するフローチャートである。本実施例が実施例1の製造方法と異なるのは、S3の第2の皮膜部形成工程を省略している点である。これによって、内釜基材11に形成する磁性体は第1の皮膜部12のみとなる。
前記のとおり、実施例1の比較例図6(b)の例で引き剥がし試験を行った3倍程度の力で引き剥がし試験を行った図6(a)の例でも、第1の皮膜部12は内釜基材11から剥がれなかった。すなわち、誘導加熱コイル6で誘導加熱する磁性体は第1の皮膜部12のみで形成され、実施例1と比較しても内釜基材11から容易には剥がれないことがわかる。
また、S3の第2の皮膜部形成工程を省略したことで、実施例1に比べて製造コストを低減することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1 炊飯器
2 本体
4 内釜
6 誘導加熱コイル
11 内釜基材
12 第1の皮膜部
13 第2の皮膜部
14 第3の皮膜部
S2 第1の皮膜部形成工程
S3 第2の皮膜部形成工程
S4 第3の皮膜部形成工程

Claims (3)

  1. 本体と、
    前記本体内に収納される内釜と、
    前記本体に設けられ前記内釜を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備え、
    前記内釜は、
    内釜基材と、
    前記内釜基材の外表面に磁性体粉の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該磁性体粉が当該内釜基材に食い込んで当該内釜基材の上に積層していて、前記誘導加熱コイルにより誘導加熱するものである第1の皮膜部と、
    前記第1の皮膜部の表面全体を覆うように設けられた防錆皮膜であって、非磁性体の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該非磁性体が前記第1の被膜部に食い込んで当該第1の被膜部の上に積層しているか、又は溶射製法により打ち付けられて当該第1の被膜部の上に積層している第3の皮膜部とを備えることを特徴とする炊飯器。
  2. 内釜基材と、
    前記内釜基材の外表面に磁性体粉の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該磁性体粉が当該内釜基材に食い込んで当該内釜基材の上に積層していて、誘導加熱コイルにより誘導加熱するものである第1の皮膜部と、
    前記第1の皮膜部の表面全体を覆うように設けられた防錆皮膜であって、非磁性体の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該非磁性体が前記第1の被膜部に食い込んで当該第1の被膜部の上に積層しているか、又は溶射製法により打ち付けられて当該第1の被膜部の上に積層している第3の皮膜部とを備えることを特徴とする炊飯器の内釜。
  3. 内釜基材の外表面にコールドスプレー製法により磁性体粉の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該磁性体粉が当該内釜基材に食い込んで当該内釜基材の上に積層していて、誘導加熱コイルにより誘導加熱するものである第1の皮膜部を形成する第1の皮膜部形成工程と、
    第1の皮膜部形成工程後、前記第1の皮膜部の表面全体を覆うように、防錆皮膜あって、非磁性体の微粒子をその融点未満の温度で音速以上で打ち付けることで当該非磁性体が前記第1の被膜部に食い込んで当該第1の被膜部の上に積層しているか、又は溶射製法により打ち付けられて当該第1の被膜部の上に積層している第3の皮膜部を形成する第3の皮膜部形成工程とを備える炊飯器の内釜の製造方法。
JP2016091382A 2016-04-28 2016-04-28 炊飯器、炊飯器の内釜、及び炊飯器の内釜の製造方法 Active JP6704286B2 (ja)

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