JP3217933U - 酸化被膜(黒錆)仕様の鉄鋳物調理器具 - Google Patents

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【課題】コーティングされた調理器具に代わり、鉄分を含んだ美味しい食品・飲料を作出する防錆処理を施した調理器具を提供する。【解決手段】煮炊きに使用する容器形状の鉄製調理器具3であって、主として鋳造により作製され、鉄壁・鉄底の鉄材1の表面の一部又は全部に強固な黒錆の酸化被膜2を有する。強い防錆効果のみならず、使用により調理品の味をまろやかにおいしくし、かつ鉄分の補給も可能とする。【選択図】図1

Description

本考案は、鋳抜き、金気抜手法を利用した酸化被膜(強固黒錆)仕様の鉄鋳物調理器具に関する。
鉄につく錆には、赤錆(酸化第二鉄Fe2O3)と黒錆(四酸化三鉄Fe3O4)がある。赤錆は鉄を腐食させ徐々に破壊していく性質を有する。このため、近年の調理器具の鉄製品(鋼、鉄板加工品、鋳造品)には、テフロン(登録商標)、ホーロー加工、ダイヤモンドコーティング、窒化処理コーチング、塗装などが施され、赤錆の発生と調理品の焼き付きを防止している。
一方、黒錆は鉄の表面にできる酸化被膜であって、酸素や水から鉄本体を守り、赤錆の発生を抑える性質を有する。黒錆は自然発生することはなく、高温で熱することにより鉄の表面に膜として出現する。かつての鉄製フライパンや中華鍋の一部は、バーナーなどで熱し、冷却することによって発生する黒錆を赤錆防止として使用している。
テフロン(登録商標)、ホーロー加工、ダイヤモンドコーティング、窒化処理コーチング、塗装等、表面がコーティングされている調理器具は、赤錆と焼き付きを防止するが、使用した料理は、鉄器具から鉄分が溶け出さないため、鉄分補給ができず、美味しさに欠ける。一方、高級鉄瓶は内面を黒錆にすることにより、お湯の中に鉄分が溶け出すようになり、美味しいお茶を作ることができる。
上述の問題に鑑み、本考案においては、コーティングされた調理器具に代わり、鉄分を含んだ美味しい食品・飲料を作出する防錆処理を施した調理器具を提供することを課題とする。
鉄瓶の内部に使用される鋳抜き、金気抜き手法による黒錆は、かつて、フライパンに使用された黒錆よりも、厚く、強固に生成され、より強い防錆効果を有する。また、湯に鉄分を供給し、茶の味を高める。本考案に係る調理器具は、この原理を利用したものであって、主として鋳造により作製される。本調理器具は、鉄製の表面の一部又は全部に強固な黒錆の酸化被膜を有することを特徴とし、強い防錆効果のみならず、使用により調理品の味をまろやかにおいしくし、かつ鉄分の補給も可能とする。
黒錆の酸化被膜を有する調理器具の提供により、防錆のためのコーティングや塗装が不要となる。
鋳抜き、金気抜き手法による黒錆により、調理品の味をまろやかにおいしくし、かつ鉄分の補給も可能となる。
本考案に係る調理品の酸化被膜は強固で厚い黒錆のため、油等の浸透性がよく、コーティングや塗装のものと比較して、より確実な焼き付き防止が実現する。
本実施形態の調理器具の一例であるフライパンの写真である。円内はフライパンの表面に形成された黒錆による酸化被膜の模式図である。 本実施形態の調理器具の一例である炊飯具の写真である。 本実施形態の調理器具の一例である鍋の写真である。
以下、本考案に係る調理器具の実施形態について説明する。
本実施形態の調理器具は、鋳造による鉄製品であって、鋳込み、型開け後の表面処理を行うことにより、酸化被膜(黒錆)が形成される。
図1は、鋳造されたフライパンである。表面処理を摂氏500度から700度で行うことにより、表面に黒錆の酸化被膜が形成されている(図1円内)。
図2は、同じ手法で製造された小型の炊飯具である。表面処理の温度を摂氏700度から1000度とすることにより、黒錆の酸化被膜が形成されている。
図3は、同じく、表面処理の温度を摂氏700度から1000度とすることにより形成された黒錆の酸化被膜を有する鍋である(蓋部分は別方法により製造)。
1 鉄材
2 酸化被膜(黒錆)
3 鋳造フライパン
4 鋳造炊飯具
5 鋳造鍋

Claims (1)

  1. 表面の一部又は全部に黒錆の酸化被膜を有する鉄製の調理器具。
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