JP6702908B2 - 渋味抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、渋味抑制剤に関する。
飲食品の渋味は、その飲食品の嗜好性を特徴付ける要素となる一方、強過ぎると不快感ないし嫌悪感を伴うことがある。ここで、渋味とは、味覚受容体で知覚される苦味とは異なり、味蕾や味細胞以外の、口腔内全体の粘膜の収縮によって知覚される口中がしびれるような感覚であり、「味覚」には含まれない感覚である。そして、渋味は、渋味物質を連続的に経口摂取すると、口腔中の渋味の感覚が蓄積して強くなっていく。一方、苦味は、苦味物質を連続的に経口摂取しても、このような蓄積は起こらない。このように、渋味と苦味が全く異なる感覚であることは当業者にとっては通常知られていることである。
近年、健康増進等を目的として植物由来の機能性成分が注目されているが、これらの成分には渋味が強いものが多い。例えば、ポリフェノールは、抗酸化作用を始め様々な生理作用を有することが知られているが、十分な量を摂取しようとすると、渋味が強くなりその摂取量が制限されてしまう。そのため、このような不快な渋味を抑制するために、多くの試みが報告されている。例えば、リンゴポリフェノール由来の渋味の抑制には、グレープフルーツ果汁又はライム果汁が有効であり、洋ナシ果汁では効果がないとの報告がある(特許文献1)。
特開2002−95450号公報
本発明の課題は、不快な渋味を有効に抑制し得る渋味抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み種々検討した結果、バラ科植物果実果汁が不快な渋味の抑制に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、バラ科植物果実果汁を有効成分とする渋味抑制剤、バラ科植物果実果汁を有効成分とし、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて渋味物質を含有する経口製品へ配合するための、渋味抑制剤を提供するものである。
本発明はまた、バラ科植物果実果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて渋味物質を含有する経口製品へ配合することを特徴とする、経口製品の渋味抑制方法、又は渋味の抑制された経口製品の製造方法を提供するものである。
本発明は更に、下記の成分(A)及び(B)を含有する、ポリフェノール含有飲料を提供するものである。
(A)フラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸から選択される1種又は2種以上のポリフェノール:0.001〜0.8質量%
(B)バラ科植物果実果汁
本発明によれば、不快な渋味を有効に抑制することができるため、例えば、渋味が抑制された、飲食品、医薬品、医薬部外品等の経口製品を提供することができる。
〔渋味抑制剤〕
本発明の渋味抑制剤は、バラ科植物果実果汁を有効成分として含有するものである。本発明の渋味抑制剤は、通常渋味物質を含有する経口製品に適用されるが、渋味物質を含有する経口製品を連続的に経口摂取したときの渋味の蓄積の抑制に有用である。
(バラ科植物果実)
バラ科植物果実としては、例えば、サクラ亜科、バラ亜科、ナシ亜科、シモツケ亜科の植物果実が挙げられ、具体例としては、例えば、洋梨、和梨、梅、桃、林檎、杏、スモモ、カリン、枇杷、イチゴ、木イチゴ、蛇イチゴ、プルーン等を挙げることができる。バラ科植物果実は、1種又は2種以上含有することが可能であり、2種以上を含有する場合、それらの割合は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
バラ科植物果実果汁は、常法により製造されたものであれば特に限定されず、バラ科植物果実を、例えば、磨砕器、ミキサー、搾汁器、おろし器、2軸式エクストルダー等の装置を用いて破砕又は圧搾し搾汁として得ても、裏ごしにより皮、種子等を除去して得てもよい。また、バラ科植物果実果汁は、常法により製造されたものを、そのまま使用しても、濃縮、乾燥又は水希釈して使用してもよく、また遠心分離、濾過等の手段により清澄果汁としてもよい。更に、市販のバラ科植物果実果汁を用いることもできる。
中でも、バラ科植物果実としては、渋味抑制の観点から、サクラ亜科植物果実が好ましく、洋梨、和梨、梅、桃、杏、スモモ、プルーン、枇杷、リンゴ及びカリンから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。また、サクラ亜科植物果実の中では、ナシ連植物果実が好ましく、洋梨及び和梨から選択される少なくとも1種が更に好ましい。
(渋味物質)
渋味物質としては、渋味を有するものであれば特に限定されないが、渋味を有する機能性素材が好ましく、例えば、ポリフェノールが挙げられる。
ポリフェノールとしては、本発明の効果を享受しやすい点で、フラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸から選択される1種又は2種以上のポリフェノールが好ましく、フラボン糖付加物、フラボノール糖付加物、デヒドロフラボノール糖付加物、フラバノン糖付加物及びフェノール酸から選択される1種又は2種以上がより好ましく、イソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
フラボンとしては、例えば、アピゲニン、ルテオリン、バイカレイン、スクテラレイン、トリセチン、ジオスメチン、クリソエリオール等を挙げることができる。
フラボノールとしては、例えば、ミリセチン、ケルセチン、ケンフェロール等が挙げられる。
デヒドロフラボノールとしては、例えば、アロマデンドリン、タキシフォリン、フスチン等を挙げることができる。
フラバノンとしては、例えば、ヘスペレチン、ナリゲニン、エリオジクチオールが挙げられる。
フェノール酸としては、例えば、ロスマリン酸、クロロゲン酸類、クマリン酸、没食子酸、バニリン酸、プロトカテキュ酸を挙げることができる。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。クロロゲン酸類の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。本発明においては、上記9種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよいが、9種すべてを含有することが好ましい。
本明細書において「糖付加物」とは、アグリコンである、フラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール又はフラバノンに糖がグルコシド結合したものをいう。グルコシド結合は、O−グリコシドでも、C−グリコシドであってもよく、特に限定されない。グルコシド結合する糖は、アグリコンの種類により一様ではないが、例えば、グルコース、ガラクトース、ラムノース、キシロース、アラビノース、アピオース等の単糖、ルチノース、ネオヘスペリドース、ソフォロース、サンブビオース、ラミナリビオース等の二糖、ゲンチオトリオース、グルコシルルチノース、グルコシルネオヘスペリドース等の三糖、又はこれらの混合物が挙げられる。また、糖付加物には、アグリコンに糖が前記のとおり付加したものと、該糖付加物に更に糖が付加したものがあり、これらの混合物であってもよい。糖を付加する反応は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、フラボノール糖付加物を糖化合物の存在下、糖転移酵素を作用させてグルコシル化する方法が挙げられる。具体的な操作方法として、例えば、国際公開第2006/070883号を参照することができる。
フラボン糖付加物としては、例えば、アピイン、オリエンチン、イソオリエンチン、バイカリン、スクテラリン等を挙げることができる。
フラボノール糖付加物としては、例えば、ケンフェロール、ケルセチン又はミリセチン等のアグリコンに糖が付加したものが挙げられ、その具体例としては、イソクエルシトリン、ルチン、クエルシトリン等の他、更にこれらに糖が付加したもの、例えば、イソクエルシトリン糖付加物、ルチン糖付加物等を挙げることができる。イソクエルシトリン糖付加物は、例えば、イソクエルシトリンのグルコース残基に、1以上のグルコースがα−1,4結合した化合物であり、グルコースの結合数は、1〜15が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜7が更に好ましい。
デヒドロフラボノール糖付加物としては、例えば、タキシフォリンに糖が付加したものが挙げられ、その具体例としては、タキシフォリン−3−o−グルコシド等を挙げることができる。
フラバノン糖付加物としては、例えば、ヘスペレチン、ナリゲニン、エリオジクチオール等のアグリコンに糖が付加したものが挙げられ、その具体例としては、ヘスぺリジン、ナリンギン、エリオシトリン等の他、更にこれらに糖が付加したもの、例えば、ヘスペリジン糖付加物等物等を挙げることができる。ヘスペリジン糖付加物は、例えば、ヘスペリジンのルチノース残基に、1以上のグルコースがα−1,4結合した化合物であり、グルコースの結合数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1が更に好ましい。
フラバノール糖付加物の具体例としては、例えば、特開平6−40883号公報に記載の化合物を挙げることができる。
ポリフェノールは、市販の試薬でも、ポリフェノールを含有する植物抽出物に由来するものでもよい。例えば、ポリフェノールがクロロゲン酸類である場合、クロロゲン酸類を含有する植物抽出物としては、例えば、ヒマワリ種子、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等より得られる抽出物から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。中でも、クロロゲン酸類含量等の観点から、コーヒー豆の抽出物が好ましく、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる1種又は2種のコーヒー豆の抽出物がより好ましく、生コーヒー豆の抽出物が更に好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、クロロゲン酸類含量等の観点から、好ましくは27以上62未満、より好ましくは27〜60、更に好ましくは29〜55である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。なお、コーヒー豆の種類及び産地は任意であり、抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。また、生コーヒー豆抽出物として市販品を使用してもよく、例えば、長谷川香料(株)の「フレーバーホルダーFH1041」、オリザ油化(株)の「生コーヒー豆エキスP」、東洋発酵(株)の「OXCH100」等が挙げられる。なお、植物抽出物は常法により製造されたものを、そのまま使用しても、濃縮又は水希釈して使用してもよく、更に精製してポリフェノール純度を高めたものを使用しても構わない。
(経口製品)
経口製品としては、渋味を有し、かつ経口摂取可能なものであれば特に限定されず、液状でも、固体状でもよい。例えば、渋味を有する、医薬品、医薬部外品又は飲食品等を挙げることができる。
医薬品及び医薬部外品の剤型は特に限定されず、例えば、経口投与用製剤が挙げられ、例えば、カプセル剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、シロップ剤等の公知の剤型を採用することができる。また、製剤化の際は、賦形剤等の公知の添加剤を配合することができる。なお、医薬品及び医薬部外品は、常法にしたがって製造することができる。
飲食品としては、例えば、渋味物質を含有する食品や飲料、渋味物質が添加された食品や飲料を挙げることができる。なお、飲食品は、飲食品の種類に応じて、常法にしたがって製造することができる。
中でも、経口製品としては、本発明の効果を享受しやすい点で、飲食品が好ましく、飲料が更に好ましい。
(バラ科植物果実果汁の使用量)
バラ科植物果実果汁の使用量は、当該果汁の味が知覚されない量であり且つ渋味を抑制するための有効量であれば特に限定されず、渋味物質や経口製品の種類、渋味強度に応じて適宜設定することができる。例えば、渋味物質がフラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸から選択される1種又は2種以上のポリフェノール(以下、「成分(A)」とも称する)である場合、バラ科植物果実果汁(以下、「成分(B)」とも称する)の使用量は、成分(A)に対する質量比[(B)/(A)]として、好ましくは0.5〜500であり、より好ましくは3〜300であり、更に好ましくは10〜200であり、殊更に好ましくは20〜100である。この場合、経口製品中の成分(A)の含有量は、好ましくは0.001〜0.8質量%、より好ましくは0.005〜0.7質量%であり、更に好ましくは0.008〜0.6質量%であり、殊更に好ましくは0.03〜0.4質量%である。また、経口製品中の成分(B)の含有量は、渋味抑制の観点から、ストレート換算で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜12質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。ここで、成分(A)の含有量は、ポリフェノールの種類に適した方法にて測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。また、本明細書において「ストレート換算」とは、濃縮も、希釈も行っていない状態に換算した値を意味し、例えば、バラ科植物果実果汁を2倍に濃縮した濃縮物50質量部をストレート換算すると100質量部となる。
また、経口製品には成分(A)及び(B)以外の他の成分を本発明の効果を毀損しない範囲において添加することができる。例えば、甘味料、酸味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を添加することが可能である。また、経口製品が飲料等の液状である場合、pHは酸性であることが好ましく、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜6、更に好ましくは3〜6、より更に好ましくは3〜5.5である。なお、本明細書において、pHは、20℃に温度調整しpHメータにより測定するものとする。
〔渋味物質を含有する経口製品の渋味抑制方法又は製造方法〕
本発明の渋味の抑制された経口製品の渋味抑制方法又は製造方法は、バラ科植物果実果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、渋味物質を含有する経口製品へ配合するものである。そして、本発明の方法は、渋味物質を含有する経口製品を連続的に経口摂取したときの渋味の蓄積の抑制に有用である。
経口製品へのバラ科植物果実果汁の配合方法は、経口製品の種類に応じて適宜選択可能であり、最終製品中にバラ科植物果実果汁が含まれていれば特に限定されない。
バラ科植物果実としては、渋味抑制の観点から、サクラ亜科植物果実が好ましく、洋梨、和梨、梅、桃、杏、スモモ、プルーン、枇杷、リンゴ及びカリンから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。また、サクラ亜科植物果実の中では、ナシ連植物果実が好ましく、洋梨及び和梨から選択される少なくとも1種が更に好ましい。なお、バラ科植物果実の具体的構成は、前述したとおりである。
渋味物質としては、本発明の効果を享受しやすい点で、フラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸から選択される1種又は2種以上のポリフェノールが好ましく、フラボン糖付加物、フラボノール糖付加物、デヒドロフラボノール糖付加物、フラバノン糖付加物及びフェノール酸から選択される1種又は2種以上がより好ましく、イソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上が更に好ましい。なお、フラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸の具体的構成は、前述したとおりである。
経口製品としては、本発明の効果を享受しやすい点で、飲食品が好ましく、飲料が更に好ましい。なお、経口製品の具体的構成は、前述したとおりである。
バラ科植物果実果汁の使用量は、果汁の味が知覚されない量であり且つ渋味を抑制するための有効量であれば特に限定されず、渋味物質や経口製品の種類、渋味強度に応じて適宜設定することができる。例えば、渋味物質が成分(A)である場合、バラ科植物果実果汁(成分(B))の使用量は、成分(A)に対する質量比[(B)/(A)]として、好ましくは0.5〜500であり、より好ましくは3〜300であり、更に好ましくは10〜200であり、殊更に好ましくは20〜100である。この場合、経口製品中の成分(A)の含有量は、好ましくは0.001〜0.8質量%、より好ましくは0.005〜0.7質量%であり、更に好ましくは0.008〜0.6質量%であり、殊更に好ましくは0.03〜0.4質量%である。また、経口製品中の成分(B)の含有量は、渋味抑制の観点から、ストレート換算で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜12質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%であり、より更に好ましくは0.1〜1.5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.8質量%である。
また、経口製品には成分(A)及び(B)以外の他の成分を本発明の効果を毀損しない範囲において添加することができる。なお、添加剤の具体的構成は、前述したとおりであり、また経口製品が飲料等の液状である場合のpHも、前記において説明したとおりである。
〔ポリフェノール含有飲料〕
本発明の飲料は、成分(A)としてフラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸から選択される1種又は2種以上のポリフェノールを含有する。なお、フラボン、フラボノール、デヒドロフラボノール、フラバノン及びそれらの糖付加物、並びにフェノール酸の具体的構成は、前記において説明したとおりである。
中でも、成分(A)としては、生理効果の観点から、フラボン糖付加物、フラボノール糖付加物、デヒドロフラボノール糖付加物、フラバノン糖付加物及びフェノール酸から選択される1種又は2種以上が好ましく、イソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上がより好ましい。
本発明の飲料中の成分(A)の含有量は0.001〜0.8質量%であるが、ポリフェノールの高濃度化や生理効果の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、またより一層の渋味抑制の観点から、0.7質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の飲料中に、好ましくは0.005〜0.7質量%であり、より好ましくは0.008〜0.6質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.4質量%である。
また、本発明の飲料は、ポリフェノールの渋味を抑制するために、成分(B)としてバラ科植物果実果汁を含有する。
バラ科植物果実果汁としては、ポリフェノールの渋味抑制の観点から、サクラ亜科植物果実が好ましく、洋梨、和梨、梅、桃、杏、スモモ、プルーン、枇杷、リンゴ及びカリンから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。また、サクラ亜科植物果実の中では、ナシ連植物果実が好ましく、洋梨及び和梨から選択される少なくとも1種が更に好ましい。なお、バラ科植物果実果汁の具体的構成は、前記において説明したとおりである
本発明の飲料中の成分(B)の含有量は、ポリフェノールの渋味抑制の観点から、ストレート換算で0.01質量以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、20質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1.5質量%以下がより更に好ましく、0.8質量%以下が殊更に好ましい。成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の飲料中に、ストレート換算で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜12質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%であり、より更に好ましくは0.1〜1.5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.8質量%である。この範囲であれば、バラ科植物果実果汁の風味はさほど呈されることなく、ポリフェノールの渋味を抑制することができる。
本発明の飲料は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、ポリフェノールの渋味抑制の観点から、0.5以上が好ましく、3以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、20以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、500以下が好ましく、300以下がより好ましく、200以下が更に好ましく、100以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.5〜500であり、より好ましくは3〜300であり、更に好ましくは10〜200であり、殊更に好ましくは20〜100である。この範囲であれば、バラ科植物果実果汁の風味は呈されることなく、ポリフェノールの渋味を抑制することができる。
更に、本発明の飲料は、ポリフェノールの渋味抑制、風味バランスの観点から、成分(C)として有機酸、無機酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を含有することができる。成分(C)としては、飲食品に使用されるものであれば特に限定されないが、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。なお、有機酸及び無機酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
本発明の飲料中の成分(C)の含有量は、ポリフェノールの渋味抑制、風味バランスの観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の飲料中に、好ましくは0.001〜2質量%であり、より好ましくは0.005〜1質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。なお、成分(C)が塩の形態である場合、成分(C)の含有量はその遊離酸量に換算した値とする。成分(C)の分析は、例えば、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の有機酸の分析法を挙げることができる。
また、本発明の飲料は、成分(D)として炭酸ガスを含有することができる。圧入する炭酸ガスは、ポリフェノールの渋味抑制、風味バランスの観点から、本発明の飲料中に、ガス容量(GV)で1v/v以上が好ましく、1.4v/v以上がより好ましく、1.5v/v以上が更に好ましく、そして3v/v以下が好ましく、2.8v/v以下がより好ましく、2.6v/v以下が更に好ましい。本発明の飲料中の成分(D)の含有量の範囲としては、ガス容量比で、好ましくは1〜3v/vであり、より好ましくは1.4〜2.8v/vであり、更に好ましくは1.5〜2.6v/vである。ここで、本明細書において「ガス容量(GV)」とは、1気圧、0℃における飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比を表す。成分(D)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
更に、本発明の飲料は、所望により、甘味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有してもよい。なお、添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
本発明の飲料のpHは、ポリフェノールの渋味抑制、風味バランスの観点から、2以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、またポリフェノールの渋味抑制の観点から、7以下が好ましく、6以下がより好ましく、5.5以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜6、更に好ましくは3〜6、より更に好ましくは3〜5.5である。なお、pHは、20℃に温度調整しpHメータにより測定するものとする。また、飲料中に炭酸ガスが含まれる場合は、飲料約100mLを300mLのビーカーに測りとり、スターラーピースを入れてスターラーで20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、20℃に温度調整をして測定するものとする。
本発明の飲料は、非アルコール飲料でも、アルコール飲料であってもよい。ここで、本明細書において「非アルコール飲料」とは、アルコール濃度が1v/v%未満のものをいい、アルコールが全く含まれていない飲料、アルコール濃度が0.00v/v%である飲料も包含される。なお、本明細書において「アルコール」とは特に明記しない限り、エタノールを意味する。
非アルコール飲料としては、例えば、炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等を挙げることができる。アルコール飲料としては、例えば、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等が挙げられる。なお、飲料の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
本発明の飲料は、容器詰飲料とすることができる。容器としては通常の包装容器であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等が挙げられる。
また、本発明の飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)、充填後殺菌法(パストリゼーション)等を挙げることができる。
また、加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶、瓶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌(例えば60〜140℃、1〜60分)できる場合にあってはレトルト殺菌や充填後殺菌法(パストリゼーション)を採用することができる。充填後殺菌法(パストリゼーション)の場合、例えば65℃で1〜60分間、好ましくは65℃で5〜30分間、更に好ましくは65℃で10〜20分間で加熱殺菌することができる。
一方、PETボトルのようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件(例えば65〜140℃で0.1秒〜30分間、好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間)で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
本発明の飲料は、例えば、成分(A)及び(B)、必要により他の成分を配合することにより製造することができる。また、成分(A)として、成分(A)を含む植物抽出物を用いても、市販のポリフェノール製剤を用いてもよい。
1.ポリフェノールの分析
(1)クロロゲン酸類の分析
クロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。
装置の構成ユニットの型番は次の通り。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・フェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
・ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
(2)ヘスペリジン及びその糖付加物の分析
ヘスペリジン及びその糖付加物の分析は、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相C液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、D液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相C 移動相D
0.0分 97% 3%
5.0分 97% 3%
37.0分 80% 20%
43.0分 80% 20%
48.0分 0% 100%
53.0分 0% 100%
53.1分 97% 3%
63.0分 97% 3%
試料注入量は10μL、検出は波長283nmの吸光度により定量する。
(3)イソクエルシトリン及びその糖付加物の分析
イソクエルシトリン及びその糖付加物の分析は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)法により、次に示す方法にしたがって行う。分析機器は、LC−20AD(島津製作所製)を使用する。分析機器の装置構成は次の通りである。
・検出器 :紫外可視吸光光度計 SPD−20A(島津製作所製)
・カラム :YMC-Pack ODS-A AA12S05-1506WT、φ6mm×150mm(ワイエムシィ製)
分析条件は次の通りである。
・カラム温度:40℃
・移動相 :水、アセトニトリル、2−プロパノール及び酢酸の混液(200:38: 2:1)
・流量 :1.0mL/min
・試料注入量:10μL
・測定波長 :360nm
以下の手順にて分析用試料を調製する。
検体1gを量りとり、メタノール1mL加え、更にメタノール及び水の混液(1:1)を加えて10mLに定容し、試料溶液とする。調製した試料溶液を高速液体クロマトグラフ分析に供する。また、イソクエルシトリンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマトグラフ分析に供することにより検量線を作成し、イソクエルシトリンを指標として、前記試料溶液中のイソクエルシトリン及びその糖付加物の定量を行う。即ち、前記検量線から、前記試料溶液のHPLC分析におけるイソクエルシトリン及びその糖付加物についてそれぞれモル濃度を求め、更に各物質の分子量からその含有量(質量%)を計算し、試料中のイソクエルシトリン及びその糖付加物の定量を行う。
(4)ルチン及びその糖付加物の分析
ルチン及びその糖付加物の分析は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)法により、次に示す方法にしたがって行う。分析機器は、LC−20AD(島津製作所製)を使用する。分析機器の装置構成は次の通りである。
・検出器 :紫外可視吸光光度計 SPD−20A(島津製作所製)
・カラム :L-column ODS、φ4.6mm×250mm(化学物質評価研究機構製)
分析条件は次の通りである。
・カラム温度:40℃
・移動相 :E:5%メタノール(2.5%酢酸含む)、F:95%メタノール(2.5%酢酸含む)
・グラジエント:E:F=100:0→20:80(60分)
・流量 :1.0mL/min
・試料注入量:10μL
・測定波長 :350nm
以下の手順にて分析用試料を調製する。
検体1gを量りとり、5%メタノール(2.5%酢酸含む)を加えて10mLに定容し、試料溶液とする。調製した試料溶液を高速液体クロマトグラフ分析に供する。また、ルチンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマトグラフ分析に供することにより検量線を作成し、ルチンを指標として、前記試料溶液中のルチン及びその糖付加物の定量を行う。即ち、前記検量線から、前記試料溶液のHPLC分析におけるルチン及びその糖付加物についてそれぞれモル濃度を求め、更に各物質の分子量からその含有量(質量%)を計算し、試料中のルチン及びその糖付加物の定量を行う。
2.有機酸の分析
試料10gに5%過塩酸5mLを加え、水で50mLに定容する。これを必要に応じて 各種有機酸の検量線の範囲内に入るように水で希釈したものを試験溶液とする。試験溶液を高速液体クロマトグラフに注入し、電気伝導度を測定し、各種有機酸を検量線より算出する。
・分離カラム:Shim-pack SCR-102H(島津製作所製)
・移動相:5mmol/L p−トルエンスルホン酸
・検出試薬:5mmol/L p−トルエンスルホン酸、 100μmol/L EDTA、 20mmol/L Bis−Tris緩衝液
・注入量:10μL
・流量:0.8mL/分
・電気伝導度検出器:CDD−10AVP(島津製作所製)
・温度:40℃
3.pHの測定
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。なお、飲料中に炭酸ガスが含まれる場合は、飲料約100mLを300mLのビーカーに測りとり、スターラーピースを入れてスターラーで20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定した。
4.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃まで温め、液温を均一にした。
2)製品を測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行った。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
5.渋味強度の測定
被験飲料中のポリフェノールの含有量を基準に、製造例1で得られたクロロゲン酸類含有製剤又は市販のポリフェノール製剤を用いて等間隔で10段階に予め濃度調整した標準水溶液を作製した。そして、専門パネラーが標準水溶液の中から被験飲料と同等の渋味の強さと認識された標準水溶液の渋味強度を決定し、その数値の平均値を求めた。各実施例において渋味強度の測定に用いた標準水溶液を下記の表1〜4に示す。
Figure 0006702908
Figure 0006702908
Figure 0006702908
Figure 0006702908
製造例1
クロロゲン酸類含有製剤の製造
原料クロロゲン酸類含有組成物を粉砕してクロロゲン酸類を抽出した後、溶剤抽出、活性炭処理を行い、次いでクロロゲン酸類を濃縮する操作を行うことで、精製クロロゲン酸類含有製剤を製造した。
製造例2
洋梨果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理してろ過した後、濃縮操作を行うことで6倍濃縮洋梨果汁を得た。
実施例1、2及び比較例1
表5に示す各成分を配合して飲料を調製した後、容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した(ポストミックス方式)。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表5に併せて示す。
Figure 0006702908
実施例3、4及び比較例2
表6に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表6に併せて示す。
Figure 0006702908
実施例5、6及び比較例3
表7に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表7に併せて示す。
Figure 0006702908
実施例7〜11
表8に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表8に併せて示す。
実施例12
表8に示す成分をイオン交換水に混合溶解した後、4℃に冷却したGV=3.1v/vの炭酸水で全量を調製した。次に、この飲料を200mL容PETボトルに充填した後、パストリゼーションにて加熱殺菌した。殺菌は、65℃で20分間行った。得られた容器詰炭酸飲料の分析結果及び官能評価の結果を表8に併せて示す。
Figure 0006702908
実施例13〜17
表9に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表9に併せて示す。
実施例18
表9に示す各成分を配合したこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰炭酸飲料を調製した。得られた容器詰炭酸飲料の分析結果及び官能評価の結果を表9に併せて示す。
Figure 0006702908
実施例19〜23
表10に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表10に併せて示す。
実施例24
表10に示す各成分を配合したこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰炭酸飲料を調製した。得られた容器詰炭酸飲料の分析結果及び官能評価の結果を表10に併せて示す。
Figure 0006702908
実施例25及び比較例4
表11に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表11に併せて示す。
Figure 0006702908
表5〜11から、高濃度の特定ポリフェノールの渋味がバラ科植物果実果汁により抑制されることが分かる。

Claims (16)

  1. 洋梨果汁を有効成分とする、イソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上のポリフェノールの渋味抑制剤。
  2. 渋味の蓄積の抑制剤である、請求項1記載の渋味抑制剤。
  3. 洋梨果汁を有効成分とし、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて渋味物質としてイソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上の(A)ポリフェノールを含有する経口製品へ配合するための、渋味抑制剤。
  4. 渋味の蓄積の抑制剤である、請求項3記載の渋味抑制剤。
  5. 経口製品中の(A)ポリフェノールの含有量が0.001〜0.8質量%である、請求項3又は4記載の渋味抑制剤。
  6. (B)洋梨果汁を、(A)ポリフェノールに対する質量比[(B)/(A)]として0.5〜500となるように配合する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の渋味抑制剤。
  7. 洋梨果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、渋味物質としてイソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上の(A)ポリフェノールを含有する経口製品へ配合することを特徴とする、経口製品の渋味抑制方法。
  8. 経口製品を摂取したときの渋味の蓄積の抑制方法である、請求項7記載の渋味抑制方法。
  9. 経口製品中の(A)ポリフェノールの含有量が0.001〜0.8質量%である、請求項7又は8記載の渋味抑制方法。
  10. (B)洋梨果汁を、(A)ポリフェノールに対する質量比[(B)/(A)]として0.5〜500となるように配合する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の渋味抑制方法。
  11. 洋梨果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、渋味物質としてイソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上の(A)ポリフェノールを含有する経口製品へ配合することを特徴とする、渋味の抑制された経口製品の製造方法。
  12. 経口製品中の(A)ポリフェノールの含有量が0.001〜0.8質量%である、請求項11記載の経口製品の製造方法。
  13. (B)洋梨果汁を、(A)ポリフェノールに対する質量比[(B)/(A)]として0.5〜500となるように配合する、請求項11又は12記載の経口製品の製造方法。
  14. 下記の成分(A)及び(B)を含有し、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.5〜500である、ポリフェノール含有飲料。
    (A)イソクエルシトリン、イソクエルシトリン糖付加物、ヘスぺリジン、ヘスぺリジン糖付加物、ルチン、ルチン糖付加物及びクロロゲン酸類から選択される1種又は2種以上のポリフェノール:0.001〜0.8質量%
    (B)洋梨果汁 :0.01〜20質量%
  15. 更に成分(D)炭酸ガスを含有し、該成分(D)の含有量がガス容量(GV)で1〜3v/vである、請求項14記載の飲料。
  16. pHが2〜7である、請求項14又は15記載の飲料。
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