JP6701547B2 - ディスプレイ用保護部材及びこれを用いた携帯端末 - Google Patents

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本発明は、ディスプレイ用保護部材及びこれを用いた携帯端末に関し、具体的には、赤外線センサーを動作させるための貫通孔を有するディスプレイ用保護部材及びこれを用いた携帯端末に関する。
携帯電話、デジタルカメラ、携帯端末等のデバイスは、広く使用されており、ますます普及する傾向にある。従来、これらの用途では、ディスプレイを保護するための保護部材として、アクリル等の樹脂基板が用いられていた。しかし、アクリル樹脂基板は、ヤング率が低いため、ペンや人の指等でディスプレイの表示面が押された場合に撓み易く、樹脂基板が内部のディスプレイに接触して表示不良が発生することがあった。またアクリル樹脂基板は、表面に傷が付き易く、視認性が低下し易いという問題もあった。これらの問題を解決する一つの方法は、保護部材としてガラス板を用いることである。このガラス板(カバーガラス)には、(1)高い機械的強度を有すること、(2)低密度で軽量であること、(3)安価で多量に供給できること、(4)泡品位に優れること、(5)可視域において高い光透過率を有すること、(6)ペンや指等で表面を押した際に撓み難いように高いヤング率を有すること、が要求される。特に(1)の要件を満たさない場合は、保護部材としての用をなさなくなるため、従来からイオン交換処理等で強化処理したガラス板(所謂、強化ガラス板)が好適に用いられている(例えば特許文献1参照)。
ところで近年、人の動きを検知してON/OFFを制御する赤外線センサーが研究開発されている。このような赤外線センサーでは、人体から発せられる僅かな赤外線の有無を検知することでON/OFFの制御が可能になる。この検知技術の応用として、デバイスの消費電力を低下させるために、画面の前に人が居る/居ないを赤外線センサーで判定し、この判定に基づきデバイスの電源のON/OFFを自動制御することが検討されている。
しかし、この赤外線センサーを上記のような携帯端末に用いると、波長5〜20μmの赤外線の検知が問題になる。具体的には、携帯端末のディスプレイを保護するために、強化ガラスからなる保護部材を使用した場合、この保護部材は、波長5〜20μmの赤外線を透過させないため、赤外線の検知の障害となる。
そこで、保護部材の表面に赤外線透過部を設けることが考えられる。具体的には、保護部材を構成する透光性基板において、赤外線センサーに対応する位置に貫通孔を形成し、当該貫通孔に赤外線透過部材を配置することが考えられる(例えば特許文献2参照)。
特開2006−83045号公報 特開2015−91739号公報
透光性基板に形成された貫通孔に赤外線透過部材を配置した場合、透光性基板と赤外線透過部材の材質の相違に起因して、外観上の美しさに劣るという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、表面に貫通孔を有する透光性基板と、貫通孔内に固定された赤外線透過部材と、を備えたディスプレイ用保護部材であって、赤外線透過部材の存在が外部から目立ちにくく、外観上の美しさを備えたディスプレイ用保護部材を創案することである。
本発明のディスプレイ用保護部材は、表面に貫通孔を有する透光性基板と、貫通孔内に固定された赤外線透過部材と、を備えたディスプレイ用保護部材であって、赤外線透過部材の表面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする。
ディスプレイ用保護部材において、透光性基板の貫通孔内に配置された赤外線透過部材の存在が目立つ理由は、両部材の表面における反射率、さらに言えば反射率に影響を与える両部材の屈折率の相違が原因であると考えられる。例えば、透光性基板としてSiOを主成分として含有する強化ガラス基板、赤外線透過部材としてTeOを主成分として含有するガラス部材を用いた場合、各部材の屈折率(nd)はそれぞれ約1.4〜1.6(より具体的には約1.45〜1.55)及び約1.8以上(より具体的には1.9以上、さらには2以上)と大きく異なるため、赤外線透過部材の反射率が透光性基板よりも高くなり、外部から目立ちやすくなる。
本発明者らが鋭意検討した結果、赤外線透過部材の表面に可視域の反射率を低減する反射防止膜を形成することで、透光性基板部分と赤外線透過部材部分における反射率の相違を小さくし、上記の問題を解消できることを見出した。
なお、「透光性基板」とは、画像表示装置のディスプレイの前面に配置され、実用上、画像を十分に視認できる程度の可視光透過性を有する基板をいう。また、「赤外線透過部材」とは、波長5〜20μmにおける透過率(厚み方向)が10%以上の部材を指す。
本発明のディスプレイ用保護部材において、赤外線透過部材の視認側となるべき表面及び/または視認側とは逆側の表面に反射防止膜が形成されていることが好ましい。
本発明のディスプレイ用保護部材において、反射防止膜が高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された多層膜からなることが好ましい。
本発明のディスプレイ用保護部材において、反射防止膜が、酸化物及びフッ化物の少なくとも1種からなることが好ましい。
本発明のディスプレイ用保護部材において、透光性基板が、強化ガラス、無アルカリガラスまたはサファイアからなることが好ましい。
本発明のディスプレイ用保護部材において、赤外線透過部材が、酸化物系ガラス、カルコゲナイド系ガラス、ハロゲン系ガラス、シリコン、ゲルマニウム、ZnSe、ZnSまたはポリエチレンからなることが好ましい。
本発明の携帯端末は、上記のディスプレイ用保護部材を備えることを特徴とする。
本発明の携帯端末において、貫通孔の位置に対応するように、赤外線センサーが配置されていることが好ましい。
透光性基板の表面に貫通孔を形成し、その貫通孔の下方に赤外線センサーを配置すると、人体から発せられる僅かな赤外線が貫通孔を透過して、赤外線センサーで検知可能になり、結果として、画面の前に人が居る/居ないを赤外線センサーで判定し、この判定に基づきデバイスの電源のON/OFFを自動制御することが可能になる。
(a)は本発明の一実施形態に係るディスプレイ用保護部材の模式的平面図である。(b)は(a)で示されるディスプレイ用保護部材の模式的断面図である。 実施例における試料No.1で形成したSiO−Nb多層膜の構成を示す模式図である。
以下に、本発明のディスプレイ用保護部材の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明のディスプレイ用保護部材は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
(本発明の実施形態に係るディスプレイ用保護部材)
図1(a)は本発明の一実施形態に係るディスプレイ用保護部材の模式的平面図であり、図1(b)は(a)で示されるディスプレイ用保護部材の模式的断面図である。図1(a)及び(b)に示すように、ディスプレイ用保護部材1において、透光性基板2の表面には貫通孔3が形成されており、貫通孔3内に赤外線透過部材4が接着剤5により固定されている(図1(a)では接着剤5を図示せず)。貫通孔3の位置に対応するように赤外線センサー6が下方に配置されている。なお、本実施形態においては、透光性基板2の視認側とは逆側になるべき表面の少なくとも貫通孔3周辺には遮蔽部材7が配置されている。具体的には、本実施形態では、遮蔽部材7は画面Dの周囲を覆うように形成されている。遮蔽部材7は、赤外線センサーの周辺部材(図示せず)が視認側から透視されることを防止するために設けられている。
赤外線透過部材4の視認側になるべき表面4a及び視認側とは逆側の表面4bには、それぞれ反射防止膜8が形成されている。反射防止膜8を形成しない場合、透光性基板2及び赤外線透過部材4の屈折率差に起因する反射率差が原因となって、赤外線透過部材4の存在が外部から視認されやすくなる。一方、本実施形態では、赤外線透過部材4の表面に反射防止膜8が形成されているため、赤外線透過部材4の表面における反射率が低減されて、透光性基板2の表面における反射率との差が小さくなり、赤外線透過部材4の存在が外部から目立ちにくくなる。なお、反射防止膜8は、赤外線透過部材4の表面4a及び表面4bのいずれか一方のみに形成されていても良い。
以下、各構成部材について説明する。
透光性基板2としては、画像表示装置のディスプレイの前面に配置され、画像を十分に視認できる程度の可視光透過性を有する基板であれば特に限定されない。例えば、透光性基板2の可視光波長域(約400〜800nm)における直線透過率は80%以上、85%以上、特に90%以上であることが好ましい。具体的には、強化ガラス、無アルカリガラス等のガラスや、サファイア等からなる基板が挙げられる。
透光性基板2の板厚は、好ましくは2mm以下、1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、0.9mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、特に0.05〜0.3mmである。板厚が小さい程、ディスプレイ用保護部材1を軽量化することできる。ただし、板厚が小さすぎると、機械的強度が低下しやすくなる。
貫通孔3は、一つである場合に限られず、赤外線の透過性を高める目的等のために、複数であってもよい。以下において、「貫通孔の面積」は、貫通孔が複数である場合は、その面積の合計を指す。なお、貫通孔の面積は、視認側またはその逆側の開口部面積の少なくともいずれかが下記範囲を満たすことが好ましい。
透光性基板2の一方の表面における貫通孔3の面積は、200mm以下、150mm以下、100mm以下、50mm以下、30mm以下、20mm以下、15mm以下、10mm以下、5mm以下、2mm以下、1mm以下、特に0.5mm以下であることが好ましい。貫通孔3の面積が小さい程、貫通孔3が視認され難くなるため、携帯端末等のデザイン性が損なわれ難くなるとともに、埃や水分等が貫通孔3からデバイス内に入り込み難くなるため、携帯端末等の信頼性が向上する。一方、貫通孔3の面積が小さ過ぎると、赤外線が透過し難くなる。よって、貫通孔3の面積は0.1mm以上、0.2mm以上、特に0.3mm以上であることが好ましい。
一方の表面における貫通孔3の面積は、他方の表面における貫通孔3の面積と異なっていてもよい。例えば、貫通孔3の厚み方向の断面をテーパー状にして、面積が大きくなる方を赤外線センサー6側とし、面積が小さくなる方を視認側(外側)としてもよい。このようにすれば、携帯端末等のデザイン性が損なわれ難くなるとともに、埃や水分等が貫通孔3からデバイス内に入り込み難くなる。また、貫通孔3の厚み方向の断面をテーパー状にして、面積が小さくなる方を赤外線センサー6側とし、面積が大きくなる方を視認側としてもよい。このようにすれば、貫通孔3内に赤外線を効率良く透過させることができる。なお、テーパー角(90°からのズレ角度)は、0.1〜20°、0.5〜15°、特に1〜10°であることが好ましい。
透光性基板2において、[一方の表面における貫通孔の面積(mm)]/[厚み(mm)]の比率は、0.5以上、1以上、3以上、5以上、10以上、特に15以上であることが好ましい。当該比率が小さ過ぎると、赤外線が貫通孔3を透過し難くなる。一方、当該比率は、800以下、600以下、500以下、300以下、200以下、特に100以下であることが好ましい。当該比率が大き過ぎると、貫通孔3が視認され易くなるため、携帯端末等のデザイン性が損なわれ易くなる。さらに埃や水分等が貫通孔3からデバイス内に入り込み易くなるため、携帯端末等の信頼性が低下し易くなる。
赤外線透過部材4として、酸化物系ガラス、カルコゲナイド系ガラス、ハロゲン系ガラス等のガラス、シリコン、ゲルマニウム等の金属、ZnSe、ZnS等の結晶、ポリエチレン等の樹脂を用いることができる。その中でも、酸化物系ガラスは、外観と機械的強度の観点から好ましい。酸化物系ガラスは、ガラス組成として、TeO、Bi、Al、TiOの一種または二種以上を主要成分とすることが好ましく、上記成分の合量は20モル%以上、特に30モル%以上であることが好ましい。上記成分以外にも、ガラス化を促進するためにアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、希土類酸化物等を添加することができる。なお、SiO、B、Pは、ガラス化を促進するが、赤外線透過率を低下させる成分である。よって、これらの成分の合量は5モル%未満、特に1モル%未満であることが好ましい。
赤外線透過部材4は、透光性基板2の視認側になるべき表面と同一の高さ位置で配置することが好ましく、また赤外線透過部材4の破損を防止するために、透光性基板2の視認側になるべき表面よりも低い高さ位置(望ましくは10μm以上下方、特に100μm以上下方)で配置することも好ましい。
反射防止膜8としては高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された多層膜が挙げられる。低屈折率層としては酸化ケイ素等が挙げられる。高屈折率層としては酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム等の酸化物;フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等のフッ素化物;窒化珪素等の;窒化物等が挙げられる。反射防止膜8としては多層膜以外にも酸化ケイ素等からなる単層膜も使用できる。反射防止膜8の厚みは特に限定されないが、大きすぎると剥離しやすくなるため、500nm以下、特に200nm以下であることが好ましい。
反射防止膜8の形成方法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。反射防止膜8は、所定形状(円柱状や円錐台形状)に加工された赤外線透過部材4に対して形成してもよく、赤外線透過部材4を得るための原板の表面に反射防止膜8を形成した後、所定形状に加工してもよい。ただし、後者の場合は加工工程において反射防止膜8の剥離が生じやすくなるため、前者の方が好ましい。
なお、反射防止膜8が形成された赤外線透過部材4の可視光波長域(例えば400〜800nm)における反射率は15%以下、特に10%以下であることが好ましい。また、赤外域(例えば5μm)における直線透過率は60%以上であることが好ましい。
接着剤5としては、2液混合系、UV硬化系等の有機系樹脂や、低融点ガラス、セラミック等の無機系材料を用いることが好ましい。有機系樹脂の具体例としては、アクリル系、シリコン系、ウレタン系、ポリアミド系、酢酸ビニル系、エステル系、スチレン系、シリコン系、シアノアクリレート系、PVA系、PP系、PC系、PET系、PMMA系、PES系、PEN系、セルロース系が挙げられる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。なお、有機系樹脂を用いると、接着作業が容易になる。無機系材料を用いると、気密性が向上するため、水分等が貫通孔からデバイス内に入り込み難くなる。
なお、接着剤5は顔料等を含有することにより着色していてもよい。例えば、接着剤5の色が遮蔽部材7と略同一であると、接着剤5が外部から目立ちにくくなるため、外観上好ましくなる。具体的には、遮蔽部材7が黒色である場合は、接着剤5も黒色であることが好ましく、遮蔽部材7が白色である場合は、接着剤5も白色であることが好ましい。顔料としては公知のものが使用でき、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック等の有機黒顔料、Cu、Fe、Cr、Mn、Co等を含有した無機系ブラック、チタンブラック等の顔料が挙げられる。
遮蔽部材7の材質は特に限定されず、樹脂、金属、セラミックス等が挙げられる。遮蔽部材7により、少なくとも赤外線センサーの周辺部材を遮蔽することができる。なお、遮蔽部材7は独立した部材(例えば遮蔽板)であっても良いが、透光性基板2表面に形成された膜(遮蔽膜)であっても良い。この場合、遮蔽膜は例えば接着剤5の具体例として挙げた材料を用いて、公知の印刷法(例えばスクリーン印刷法)により形成することができる。
(本発明の実施形態に係る携帯端末)
本発明の携帯端末は、上記のディスプレイ用保護部材を備えることを特徴とする。本発明の携帯端末の技術的特徴の一部は、本発明のディスプレイ用保護部材の説明欄に記載済みであり、ここでは、その説明を省略する。
本発明の携帯端末は、透光性基板の表面に形成された貫通孔の位置に対応するように、赤外線センサーが配置されていることが好ましい。このようにすれば、人体から発せられる僅かな赤外線が貫通孔を透過して、赤外線センサーで検知可能になる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。以下の実施例は単なる例示である。
表1は本発明の実施例(No.1〜2)及び比較例(No.3)をそれぞれ示している。
(1)透光性基板の作製
質量%で、SiO 61.6%、Al 18%、B 0.5%、NaO 14.5%、KO 2%、MgO 3%、SnO 0.4%のガラス組成になるように原料を調合して原料バッチを作製した。原料バッチを1580℃で8時間溶融し、清澄した後、オーバーフローダウンドロー法により成形、さらに切断することにより0.7mm厚のガラス板を得た。このガラス板について、所定のドリルを用いて、表面にφ5mmの貫通孔を形成した後、貫通孔の内周面について研磨加工を行うとともに、ガラス板の切断面についてコーナーカット(表面方向)、面取り加工(厚み方向)を行った。このガラス板を430℃に保持されたKNO槽に4時間浸漬し、イオン交換処理を行うことにより透光性基板(屈折率nd=1.5)を得た。
(2)赤外線透過部材の作製
モル%で、TeO 80%、ZnO 20%のガラス組成となるように原料を調合して原料バッチを作製した。原料バッチを800〜1000℃で30分〜2時間撹拌しながら溶融し、溶融ガラスをカーボン板上に流し出すことにより板状に成形した。得られた板状ガラスを直径φ4.9mm、厚み0.5mmの円盤形状に加工し、両表面を鏡面仕上げした。両表面にスパッタリング法により表1に記載の反射防止膜を形成した。なお、試料No.1で形成したSiO−Nb多層膜の構成を図2に示す。
反射防止膜を形成した赤外線透過部材(No.3については反射防止膜を形成せず)について、可視域(波長400〜800nm)における光反射率を測定した。また赤外域(波長5μm)における透過率を測定した。結果を表1に示す。
(3)ディスプレイ用保護部材の作製
透光性基板の赤外線センサー側になるべき表面に、黒色顔料を含有するUV硬化系樹脂を用いて印刷処理を行うことにより遮蔽膜を形成した。赤外線透過部材を透光性基板の貫通孔の中心位置に配置した後、貫通孔内における赤外線透過部材と透光性基板の隙間に、接着剤として上記と同様の黒色顔料を含有するUV硬化系樹脂を注入し、UV光(波長360nm、3分間照射)によりUV硬化系樹脂を硬化させることにより、赤外線透過部材を貫通孔内に接着固定した。このようにしてディスプレイ用保護部材を得た。
得られたディスプレイ用保護部材の外観を目視にて確認し、赤外線透過部材を殆ど視認できないものを「◎」、赤外線透過部材を僅かに視認できるものを「○」、赤外線透過部材をはっきりと視認できるものを「×」として評価した。結果を表1に示す。
(4)結果の考察
表1に示すように、実施例であるNo.1、2においては、赤外線透過部材の可視光反射率が15%以下であり、外観に優れていた。特に、No.1の試料は可視光反射率が8.4%であり、透光性基板の反射率とほぼ一致していたため、赤外線透過部材は殆ど視認できなかった。
一方、比較例であるNo.3においては、赤外線透過部材の可視光反射率が20%と高く、赤外線透過部材がはっきりと視認でき、外観に劣っていた。
1 ディスプレイ用保護部材
2 透光性基板
3 貫通孔
4 赤外線透過部材
5 接着剤
6 赤外線センサー
7 遮蔽部材
8 反射防止膜

Claims (11)

  1. 表面に貫通孔を有する透光性基板と、前記貫通孔内に固定された赤外線透過部材と、を備えたディスプレイ用保護部材であって、前記赤外線透過部材の表面に反射防止膜が形成されており、前記透光性基板の表面に前記反射防止膜が形成されていないことを特徴とするディスプレイ用保護部材。
  2. 前記赤外線透過部材の視認側となるべき表面及び/または視認側とは逆側の表面に前記反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用保護部材。
  3. 前記反射防止膜が高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された多層膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用保護部材。
  4. 前記反射防止膜が、酸化物及びフッ化物の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスプレイ用保護部材。
  5. 前記透光性基板が、強化ガラス、無アルカリガラスまたはサファイアからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスプレイ用保護部材。
  6. 前記赤外線透過部材が、酸化物系ガラス、カルコゲナイド系ガラス、ハロゲン系ガラス、シリコン、ゲルマニウム、ZnSe、ZnSまたはポリエチレンからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスプレイ用保護部材。
  7. 前記反射防止膜が形成された前記赤外線透過部材の可視波長域における反射率が15%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスプレイ用保護部材。
  8. 表面に貫通孔を有する透光性基板と、前記貫通孔内に固定された赤外線透過部材と、を備えたディスプレイ用保護部材の製造方法であって、
    前記赤外線透過部材の視認側となるべき表面及び/または視認側とは逆側の表面に反射防止膜を形成する工程、及び、
    前記反射防止膜が形成された前記赤外線透過部材を、前記透光性基板の前記貫通孔内に接着固定する工程、
    を含むことを特徴とするディスプレイ用保護部材の製造方法。
  9. 前記反射防止膜を形成することにより、視認側における前記赤外線透過部材の反射率と、前記透光性基板の反射率の差を小さくしたことを特徴とする、請求項に記載のディスプレイ用保護部材の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のディスプレイ用保護部材を備えることを特徴とする携帯端末。
  11. 前記貫通孔の位置に対応するように、赤外線センサーが配置されていることを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
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