JP2019155636A - 積層体、梱包体および表示装置 - Google Patents

積層体、梱包体および表示装置 Download PDF

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健輔 藤井
Kensuke Fujii
健輔 藤井
文徳 後藤
Ayanori Goto
文徳 後藤
興一 諸橋
Koichi Morohashi
興一 諸橋
徹 遠藤
Toru Endo
徹 遠藤
佐々木 浩
Hiroshi Sasaki
浩 佐々木
賢一 志柿
Kenichi Shigaki
賢一 志柿
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Abstract

【課題】板状基体へのパーティクルの付着を防止できる積層体を提供すること。【解決手段】積層体1は、第1の主面21および第2の主面22および端面23を有する板状基体2と、第1の主面21に配置された第1の保護フィルム3と、第2の主面22に配置された第2の保護フィルム4とを備え、第1の主面21側から見たときに、第1の保護フィルム3の外縁33および第2の保護フィルム4の外縁43が、その全周にわたって板状基体2の外縁の外側に位置し、第1の保護フィルム3の端部領域34は、第2の保護フィルム4の端部領域44と接触している。【選択図】図2

Description

本発明は、積層体、梱包体および表示装置に関する。
従来、長方形のガラス板の主面上に、保護フィルムを積層した積層体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の積層体を構成する保護フィルムは、ガラス板の平面視において、ガラス板の対向する一対の第1の辺と重なるまたは当該第1の辺よりも内側に位置する第1の端縁と、ガラス板の対向する他の一対の第2の辺よりも外側に位置する第2の端縁とを備えている。特許文献1には、上述の保護フィルムをガラス板の両方の主面上に設け、第2の端縁を含む端部領域同士を粘着させてもよいことが開示されている。
特開2017−171372号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように第2の端縁を含む端部領域同士を粘着させても、ガラス板の第1の辺を構成する端面は常に露出しているため、例えば積層体をビニール袋に入れて梱包した場合、梱包中や搬送中に、端面とビニール袋との擦れにより発生したパーティクルが端面に付着し、後工程に影響を与えるおそれがある。
本発明の目的は、板状基体へのパーティクルの付着を防止できる積層体、梱包体および前記積層体を用いて得られる表示装置を提供することにある。
本発明の積層体は、第1の主面および第2の主面および端面を有する板状基体と、前記第1の主面に配置された第1の保護フィルムと、前記第2の主面に配置された第2の保護フィルムとを備え、前記第1の主面側から見たときに、前記第1の保護フィルムの外縁および前記第2の保護フィルムの外縁が、その全周にわたって前記板状基体の外縁の外側に位置し、前記第1の保護フィルムの端部領域は、前記第2の保護フィルムの端部領域と接触していることを特徴とする。
本発明によれば、第1の保護フィルムおよび第2の保護フィルムの端部領域同士が接触しているため、板状基体の端面が第1,第2の保護フィルムによって外部から遮断される。したがって、例えば積層体とビニール袋との擦れにより発生したパーティクルが板状基体に付着することを抑制できる。
なお、第1の保護フィルムおよび第2の保護フィルムのうち少なくとも一方の端部領域は、保護フィルムの端縁のみで構成された線状の領域でもよく、端縁を含んで構成された所定幅の領域でもよく、端縁から所定距離内側に入った所定幅の領域でもよい。また、端部領域同士の接触形態は同じであってもよいし、一部で異なっていてもよい。
本発明の積層体において、前記板状基体の厚さ方向の断面視において、前記第1の保護フィルムおよび前記第2の保護フィルムは、前記板状基体における厚さ方向の中点を含み前記第1の主面と平行な第1の基準線に対して非線対称に配置されていることが好ましい。
本発明のこの態様では、第1,第2の保護フィルムの接触領域が第1の基準線上に位置する場合には、例えば第1の保護フィルムの端縁が第2の保護フィルムの端縁よりも外側に位置することになるため、板状基体の端面側から見たときに、第1の主面や第2の主面を容易に認識できる。
本発明の積層体において、前記板状基体の厚さ方向の断面視において、前記板状基体の端面の接線のうち前記厚さ方向と平行な接線を第2の基準線とし、前記第2の基準線と前記第1の保護フィルムとの第1の交点から、前記第1の保護フィルムにおける前記第2の保護フィルムとの接触領域の前記板状基体側の第1の端部までの長さをL、前記第2の基準線と前記第2の保護フィルムとの第2の交点から、前記第2の保護フィルムにおける前記第1の保護フィルムとの接触領域の前記板状基体側の第2の端部までの長さをMとした場合、LとMとが異なることが好ましい。
本発明のこの態様では、板状基体の端面側から見たときのL,Mの差に基づいて、第1の主面や第2の主面を容易に認識できる。
本発明の積層体において、前記長さMおよび前記長さLは、L<Mを満たし、前記第2の保護フィルムは、前記第1の保護フィルムと前記第2の保護フィルムとの接触領域において第1の保護フィルムの外縁より、外方に向かって突出した突出部分を少なくとも一部に備えていることが好ましい。
本発明のこの態様では、突出部分を把持して第2の保護フィルムを第1の保護フィルムおよび板状基体から容易に剥離できる。
本発明の積層体において、前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の方法により測定)は、前記第2の保護フィルムの弾性率よりも大きいことが好ましい。
本発明のこの態様では、第1の保護フィルムおよび第2の保護フィルムを非線対称の形状となるよう容易に形成できる。
本発明の積層体において、前記第2の保護フィルムの前記突出部分は、前記突出部分に対応する前記第1の保護フィルムの前記外縁を覆うことが好ましい。
本発明のこの態様では、前記外縁を覆うことにより、異物が第1および第2の保護フィルム間に進入することを防止できる。
本発明の積層体において、前記長さMおよび前記長さLは、L>Mを満たし、前記第1の保護フィルムは、前記第1の保護フィルムと前記第2の保護フィルムとの接触領域において第2の保護フィルムの外縁より、外方に向かって突出した突出部分を少なくとも一部に備えていることが好ましい。
本発明のこの態様では、突出部分を把持して第1の保護フィルムを第2の保護フィルムおよび板状基体から容易に剥離できる。
本発明の積層体において、前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の方法により測定)は、前記第2の保護フィルムの弾性率よりも小さいことが好ましい。
本発明のこの態様では、第1の保護フィルムおよび第2の保護フィルムを非線対称の形状となるよう容易に形成できる。
本発明の積層体において、前記第1の保護フィルムの前記突出部分は、前記突出部分に対応する前記第2の保護フィルムの前記外縁を覆うことが好ましい。
本発明のこの態様では、前記外縁を覆うことにより、異物が前記第1および第2の保護フィルム間に進入することを防止できる。
本発明の積層体において、前記板状基体の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の方法により測定)が0.5GPa以上5GPa以下であり、第1の保護フィルムの厚さが10μm以上75μm以下であり、前記厚さ方向の断面視において、前記第1の端部から前記第1の保護フィルムの外縁までの長さをC、前記第2の端部から前記第2の保護フィルムの外縁までの長さをDとした場合、L+Cは0mm超10mm未満、M+Dは5mm以上15mm未満が好ましい。
本発明のこの態様では、第1の保護フィルムの弾性率を0.5GPa以上5GPa以下とし、L+Cを0mm超10mm未満とすることで、第2の保護フィルムを板状基体から剥離した後、第1の保護フィルムが上側になるように積層体を被載置面上に載置した場合において、第1の保護フィルムの端部領域が自重で垂れることを抑制できる。したがって、第1の保護フィルムが板状基体と被載置面との間に挟まれたりすることを抑制でき、積層体のハンドリング性が向上する。また、M+Dを5mm以上にすることで、第1の保護フィルムの端縁が垂れていない状態で第1の保護フィルムと第2の保護フィルムとを接触させられ、15mm未満にすることで積層体のサイズを最小限に抑制でき、第2の保護フィルムの使用量も減らせる。
本発明の積層体において、前記板状基体の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の手法により測定)が0.5GPa以上5GPa以下であり、第1の保護フィルムの厚さが5μm以上30μm以下であり、前記厚さ方向の断面視において、前記第1の端部から前記第1の保護フィルムの外縁までの長さをC、前記第2の端部から前記第2の保護フィルムの外縁までの長さをDとした場合、L+Cは2mm超15mm以下、M+Dは2mm以上10mm以下が好ましい。
本発明のこの態様では、第1の保護フィルムの弾性率を0.5GPa以上5GPa以下とし、L+Cを2mm超にすることで、第1の保護フィルムが上側になるように積層体を置いたときに、第1の保護フィルムの端縁が自重で垂れ易くなり、第1の保護フィルムと第2の保護フィルムとが容易に接触し、板状基体を容易に包める。また、L+Cを15mm以下にしたり、M+Dを10mm以下することで、積層体のサイズを最小限に抑制でき、第1,第2の保護フィルムの使用量も減らせる。
本発明の積層体において、前記厚さ方向の断面視において、前記第1の保護フィルムと前記第2の保護フィルムとの接触領域の長さEは0.5mm以上5mm以下が好ましい。
本発明のこの態様では、長さEを0.5mm以上にすることで、第1,第2の保護フィルムの接触を維持し易くなる。また、長さEを5mm以下にすることで、第1の保護フィルムから第2の保護フィルムを離間し易くなる。
本発明の積層体において、前記板状基体の前記第1の主面には、防汚層が設けられていることが好ましい。
本発明のこの態様では、第1の保護フィルムに付着した汚れが板状基体に付着し難くなる。また、第1の保護フィルムの剥離後も、板状基体に指紋や汚れが付着し難くなる。
本発明の積層体において、前記第1の保護フィルムは、第1のフィルムと、第1の粘着層とを備え、前記第1の粘着層と前記防汚層との粘着力が、JIS Z 0237:2009に規定の方法で測定したときに、0.01N/10mm以上0.05N/10mm以下が好ましい。
本発明のこの態様では、粘着力を0.01N/10mm以上にすることによって、第1の保護フィルムを剥離したときに、第1の粘着層を形成する粘着剤が、防汚層の少なくとも一部に残留しないようにできる。また、粘着力を0.05N/10mm以下にすることによって、第1の保護フィルムを剥離したときに、粘着剤によって、防汚層の少なくとも一部が剥がれないようにできる。
本発明の積層体において、前記第1の粘着層は、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂を主成分とした粘着剤からなることが好ましい。
本発明のこの態様では、板状基体に対する適切な接着性や剥離性を得られる。特に、ポリウレタン系樹脂を主成分する場合には、第1の保護フィルムを第1の主面に貼合したときに、これらの間に気泡が発生し難くなる。
本発明の積層体において、前記第1のフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタラート)またはPE(ポリエチレン)からなることが好ましい。
本発明のこの態様では、入手し易いPETまたはPEからなる第1のフィルムを用いて、板状基体へのパーティクルの付着を防止できる。
本発明の積層体において、前記第1のフィルムの厚さは5μm以上100μm以下が好ましい。
本発明のこの態様では、第1のフィルムの厚さを5μm以上にすることで、板状基体を十分に保護でき、100μm以下にすることで、コストの増大を抑制できる。
本発明の積層体において、前記板状基体の前記第2の主面には、印刷層が設けられていることが好ましい。
本発明のこの態様では、印刷層が加飾層の場合には、板状基体の意匠性を高められ、印刷層が隠蔽層の場合には、板状基体に設けられる例えば表示パネルの配線を隠蔽できる。
本発明の積層体において、前記第2の保護フィルムは、第2のフィルムと、第2の粘着層とを備え、前記第2の粘着層と前記印刷層との粘着力が、JIS Z 0237:2009に規定の方法で測定したときに、0.02N/10mm以上0.15N/10mm以下が好ましい。
本発明のこの態様では、0.02N/10mm以上であることで、輸送時の印刷部とフィルムの剥がれを防止できる。0.15N/10mm以下であることで、印刷部への粘着剤の残留を防止できる。
本発明の積層体において、前記第2の粘着層は、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂を主成分とした粘着剤からなることが好ましい。
本発明のこの態様では、板状基体に対する適切な接着性や剥離性を得られる。特に、ポリウレタン系樹脂を主成分する場合には、第2の保護フィルムと第2の主面との間に気泡が発生し難くなる。
本発明の積層体において、前記第2のフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタラート)またはPE(ポリエチレン)からなることが好ましい。
本発明のこの態様では、入手し易いPETまたはPEからなる第2のフィルムを用いて、板状基体へのパーティクルの付着を防止できる。
本発明の積層体において、前記第2のフィルムの厚さは5μm以上100μm以下が好ましい。
本発明のこの態様では、第2のフィルムの厚さを5μm以上にすることで、板状基体を十分に保護でき、100μm以下にすることで、コストの増大を抑制できる。
本発明の積層体において、前記板状基体はガラスであることが好ましい。
本発明のこの態様では、高い強度と良好な質感とを兼ね備えたガラスを有する積層体を提供できる。
本発明の積層体において、前記ガラスは強化ガラスであることが好ましい。
本発明のこの態様では、強度と耐擦傷性に優れた強化ガラスを有する積層体を提供できる。
本発明の梱包体は、前述の積層体と、前記積層体を収容する収容部材とを備えている。
本発明のこの態様では、収容部材を人手や搬送機器で保持することで、積層体に触れることなく当該積層体を搬送できる。
本発明の表示装置は、前述の積層体と、前記積層体から前記第2の保護フィルムが剥離された前記第2の主面に対向して配置された表示パネルとを備え、前記積層体の前記板状基体は、透明基体である。
本発明の表示装置は、前述の積層体と、前記積層体から前記第2の保護フィルムが剥離された前記第2の主面に対向して配置された表示パネルとを備えている。
本発明のこれらの態様では、例えば、第1の主面上に第1の保護フィルムを設けたままで積層体を表示パネルに貼合できる。
本発明の一実施形態に係る積層体の平面図。 図1におけるII−II線に沿った積層体の要部の断面図。 前記積層体の製造方法の説明図であり、(A)は斜視図、(B)は板状基体の搬送方向側方から見た図、(C)は搬送方向前方から見た図。 本発明の表示装置の要部の断面図。 本発明の第1の変形例における積層体の要部の断面図。 本発明の第2の変形例における積層体の要部の断面図。 本発明の第3の変形例における積層体の要部の断面図。 本発明の第4の変形例における積層体の平面図。 図8におけるIX−IX線に沿った積層体の要部の断面図。 図8におけるX−X線に沿った積層体の要部の断面図。 図8におけるXI−XI線に沿った積層体の要部の断面図。 本発明の第5の変形例における積層体の要部の断面図。 本発明の第6の変形例における積層体の要部の断面図。 本発明の第7の変形例における積層体の要部の断面図。 本発明の梱包体の縦断面図。
[積層体]
〔積層体の構成〕
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1,2に示すように、積層体1は、第1の主面21および第2の主面22および端面23を有し、全体が平坦状の板状基体2と、第1の主面21に配置された第1の保護フィルム3と、第2の主面22に配置された第2の保護フィルム4とを備えている。
板状基体2の厚さTは、0.5mm以上2.0mm以下が好ましい。板状基体2は、透明基体であり可視光を透過することが好ましい。板状基体2は、高い強度と良好な質感とを兼ね備えたガラスが好ましい。板状基体2がガラスの場合、強度と耐擦傷性に優れた強化ガラスが好ましい。
板状基体2の第1の主面21には、反射防止層5が設けられていることが好ましい。反射防止層5は、第1の主面21全体に設けられていることが好ましい。
また、板状基体2の第1の主面21には、反射防止層5を挟んでまたは挟まずに、防汚層6が設けられていることが好ましい。防汚層6は、第1の主面21全体に設けられていることが好ましい。
なお、第1の主面21に、反射防止層5および防汚層6のうち少なくとも一方に加えてまたは、反射防止層5および防汚層6の代わりに、防眩処理層、防曇層等の機能層を設けてもよい。
板状基体2の第2の主面22には、印刷層7が設けられていることが好ましい。印刷層7は、板状基体2が表示パネルのカバーガラスとして用いられる場合、第2の主面22の外縁を含む所定幅の枠状に設けられていることが好ましい。印刷層7は、板状基体2が設けられる表示パネルの配線を隠蔽する隠蔽層であってもよいし、板状基体2の意匠性を高める加飾層であってもよい。
板状基体2の端面23は、面取りされていることが好ましい。
第1の保護フィルム3は、第1のフィルム31と、第1の粘着層32とを備えることが好ましい。
第1のフィルム31は、材料の入手のし易さの観点から、PETまたはPEからなることが好ましい。第1のフィルム31の厚さTf1は、5μm以上100μm以下が好ましい。
第1の粘着層32の主成分は、接着性や剥離性の観点から、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂が好ましく、第1の保護フィルム3と第1の主面21との間の気泡の発生が抑制されるという観点から、アクリル系樹脂であることがより好ましい。第1の粘着層32は、防汚層6との粘着力が、JIS Z 0237:2009に規定の方法で測定したときに、0.01N/10mm以上0.05N/10mm以下が好ましい。
第1の保護フィルム3全体の弾性率は、0.5GPa以上5GPa以下が好ましい。
第2の保護フィルム4は、コストの観点から第1の保護フィルム3と同じ構成が好ましい。第2の保護フィルム4は、第2のフィルム41と、第2の粘着層42とを備えることが好ましい。
第2のフィルム41は、PETまたはPEからなることが好ましい。第2のフィルム41の厚さTf2は、5μm以上100μm以下が好ましい。
第2の粘着層42の主成分は、第1の粘着層32と同様の理由から、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂がより好ましい。第2の粘着層42は、印刷層7との粘着力が、JIS Z 0237:2009に規定の方法で測定したときに、0.02N/10mm以上0.15N/10mm以下が好ましい。
第2の保護フィルム4全体の弾性率は、0.5GPa以上5GPa以下が好ましい。
図1および図2に示すように、第1の主面21側から見たときに、第1の保護フィルム3の外縁33および第2の保護フィルム4の外縁43は、その全周にわたって板状基体2の外縁の外側に位置している。第1の保護フィルム3の端部領域34は第2の保護フィルム4の端部領域44と接触している。本実施形態では、第1の保護フィルム3の端部領域34に位置する第1の粘着層32が、第2の保護フィルム4の端部領域44に位置する第2の粘着層42に粘着している。第1の保護フィルム3の端部領域34は、当該第1の保護フィルム3の全周にわたって第2の保護フィルム4の端部領域44と接触することが好ましい。
図2に示すように、第1,第2の保護フィルム3,4は、板状基体2の厚さ方向の断面視(以下、「縦断面視」という)において、板状基体2における厚さ方向の中点Bを含み第1の主面21と平行な第1の基準線K1に対して非線対称に配置されていることが好ましい。このように非線対称構造にすることで、積層体1を板状基体2の端面23側から見たときに、第1の主面21と第2の主面22との識別が容易になる。本実施形態では、板状基体2が平坦状のため、第1の基準線K1は第1の主面21と平行になる。なお、板状基体2の全体が湾曲していたり、一部に屈曲部を有する場合は、板状基体2の縦断面視において、板状基体2の端面における厚さ方向の中点での接線と直交する線を第1の基準線K1とすればよい。
縦断面視において、板状基体2の端面23の接線のうち、厚さ方向と平行な接線を第2の基準線K2とした場合、第2の基準線K2と第1の保護フィルム3との第1の交点P1から、第1の保護フィルム3における第2の保護フィルム4との接触領域R1の板状基体2側の第1の端部P2までの長さをL1、第2の基準線K2と第2の保護フィルム4との第2の交点P3から、第2の保護フィルム4における接触領域R1の板状基体2側の第2の端部P4までの長さをM1とした場合、L1とM1とが異なることが好ましい。
図2の形態では、本発明の一例として、第2の保護フィルム4における長さM1と、第1の保護フィルム3におけるL1との関係を、L1<M1とする。すなわち、第2の保護フィルム4の長さM1を第1の保護フィルム3におけるL1よりも長く設定する。また、第1の保護フィルム3の弾性率(ASTM−D−882に規定の方法により測定)は、第2の保護フィルム4の弾性率よりも大きいものを使用する。本構成により、第2の保護フィルム4を第1の保護フィルム3の外縁33に配置させて接触領域R1を容易に形成できる。
縦断面視において、板状基体2の厚さTが0.5mm以上2.0mm以下、第1の保護フィルム3全体の弾性率(ASTM−D−882に規定の手法により測定)が0.5GPa以上5GPa以下、第1の端部P2から第1の保護フィルム3の外縁33までの長さをC1、第2の端部P4から第2の保護フィルム4の外縁43までの長さをD1とした場合、L1+C1は0mm超10mm未満、M1+D1は5mm以上15mm未満が好ましい。このようにすれば、第1の保護フィルム3がほぼ屈曲せず、第2の保護フィルム4が上方(第1の主面21側)に屈曲することで、接触領域R1が第1の基準線K1よりも上方に位置することが好ましい。このような構成により、第2の保護フィルム4が板状基体2および第1の保護フィルム3から剥離された状態で、第1の主面21が上になったときに、第1の保護フィルム3の板状基体2の端面23よりも外縁33側の部分(以下、「外側部分」という)が自重で垂れることが抑制される。
縦断面視において、接触領域R1の長さE1は、0.5mm以上5mm以下が好ましい。第2の保護フィルム4の長さD1を第1の保護フィルム3の長さC1よりも長くすることで、当該第2の保護フィルム4に第1の保護フィルム3から突出する突出部分45が設けられることが好ましい。
縦断面視において、第1の交点P1から第1の保護フィルム3の外縁33までの長さ、つまりL1+C1は、板状基体2の厚さTよりも短いことが好ましい。
図2に示す第1の保護フィルム3と第2の保護フィルム4と接触状態は、積層体1の全周にわたって同じであることが好ましい。
〔積層体の製造方法〕
次に、積層体1の製造方法について説明する。
図3(A)に示すように、上下方向(Z方向)に配置された上ニップロール91および下ニップロール92の隙間を、積層体1の厚さよりも若干小さく設定した後、これらの間に、図1に示すような形状の第1の保護フィルム3、板状基体2、第2の保護フィルム4を通過させることで積層体1を製造する。
具体的に、第1の保護フィルム3、板状基体2、第1の保護フィルム3よりも大きい第2の保護フィルム4をそれぞれの中心が一致するように積層し、図示しない搬送装置を用いて上ニップロール91および下ニップロール92の間を通過させる。
この通過の際、搬送方向側方から見たときには、図3(B)に示すように、硬度が下ニップロール92よりも大きい上ニップロール91が変形せずに、第1の保護フィルム3はその全体が屈曲していない状態を保ったまま第1の主面21に貼り付けられる。一方、硬度が上ニップロール91よりも小さい下ニップロール92が変形することで、第2の保護フィルム4の前方部分が板状基体2の端部との接触部分を境にして上方に屈曲し、端部領域44が第1の保護フィルム3の端部領域34に接触して貼り付けられる。
また、板状基体2の搬送方向前方から見たときには、図3(C)に示すように、上ニップロール91が変形せずに、第1の保護フィルム3が屈曲していない状態を保ったまま第1の主面21に貼り付けられる。一方、下ニップロール92が変形することで、第2の保護フィルム4の幅方向の外側部分が板状基体2の端部との接触部分を境にして上方に屈曲し、端部領域44が第1の保護フィルム3の端部領域34に接触して貼り付けられるとともに、上記外側部分よりも内側の部分が第2の主面22に貼り付けられる。
さらに、図示しないが、板状基体2における搬送方向の後方側においても、図3(B)に示す状態と同様に、下ニップロール92が変形することで、第2の保護フィルム4の後方部分が板状基体2の端部との接触部分を境にして上方に屈曲し、端部領域44が第1の保護フィルム3の端部領域34に接触して貼り付けられ、図1,2に示すような積層体1が得られる。
以上のように、第2の保護フィルム4における外側部分が屈曲したときの接触のみによって、端部領域34に端部領域44を貼り付けるため、両者(端部領域34と端部領域44)の接着力は、積極的に両者を互いに押し付ける場合と比べて小さくなる。このため、後工程において、第1の保護フィルム3から第2の保護フィルム4を剥離し易くなる。
なお、各ニップロール91,92の硬度の大小関係を調整し、各ニップロール91,92の変形に伴う第1,第2の保護フィルム3,4の外側部分の屈曲角度を調整することで、接触領域の高さ位置を、板状基体2の厚さ方向の中点Bよりも上側にしたり下側にしたりできる。
〔積層体の使用方法〕
次に、積層体1の使用方法について、積層体1の板状基体2が表示パネルのカバーガラスであって、第2の主面22が表示パネルに貼合される場合を例示して説明する。
まず、積層体1から第2の保護フィルム4を剥離する。例えば、図示しない保持装置が積層体1の第1の保護フィルム3を吸着保持し、図示しない剥離装置が第2の保護フィルム4を板状基体2および第1の保護フィルム3から剥離する。このとき、突出部分45が設けられているため、当該突出部分45を剥離装置が把持することで第2の保護フィルム4を第1の保護フィルム3から容易に剥離できる。また、第1の保護フィルム3の弾性率およびL1+C1を上述の値にしているため、第1の主面21が上になった状態でも、第1の保護フィルム3の外側部分が自重で垂れることが抑制される。その結果、第1の保護フィルム3の第1の粘着層32が板状基体2の端面23に粘着されなくなり、その後の工程のハンドリング性が向上する。
次に、図4に示すように、上面に接着層51が設けられた表示パネル52上に積層体1を搬送し、積層体1の第2の主面22を表示パネル52に対向して上面に貼合して表示装置50を作製する。このとき、上述のように第1の保護フィルム3の外側部分が自重で垂れることが抑制されているため、第1の保護フィルム3が表示パネル52との間に挟まれなくなくなり、その後の工程のハンドリング性が向上する。また、第1の交点P1から第1の保護フィルム3の外縁33までの長さを、板状基体2の厚さTよりも短くすれば、仮に第1の保護フィルム3の外側部分に当該外側部分を垂らすような力が作用しても、第1の保護フィルム3の第1の粘着層32が表示パネル52に粘着されることを確実に防止できる。
また、第1の主面21上に第1の保護フィルム3を設けたままで積層体1を表示パネル52に貼合できるため、第1の主面21の汚染を抑制するための新たな保護フィルムを別途設ける必要がなくなる。
その後、必要に応じて、第1の保護フィルム3が第1の主面21から剥離される。
〔積層体の作用効果〕
第1の保護フィルム3の全周にわたって当該第1の保護フィルム3の端部領域34と、第2の保護フィルム4の端部領域44とを接触させているため、板状基体2の端面23が第1,第2の保護フィルム3,4によって外部から遮断され、板状基体2へのパーティクルの付着を抑制できる。
〔積層体の変形例〕
以下、積層体の変形例について説明する。上記実施形態と同一の構成については同一名称および同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略にする。また、上記実施形態と類似する構成については、同一名称を付し、説明を省略あるいは簡略にする。
{第1〜第3の変形例}
積層体1における図1中上側、下側、左側、右側のうちいずれか1つの第1,第2の保護フィルム3,4の接触形態を、図5,6,7に示すいずれかの形態としてもよい。
第1の変形例である図5の形態と図2の形態との相違点は、図2の形態と同様に、第2の保護フィルム4に突出部分45が設けられているが、図5の形態では、第1の保護フィルム3の外縁33が、第2の保護フィルム4の突出部分45によって、覆われている点である。また、図5の形態では、第2の保護フィルム4の突出部分45は、当該突出部分45に対応する、第1の保護フィルム3の外縁33を覆い、さらに第1の保護フィルム3の第1のフィルム31にまで外縁43が達している。この際、第2の保護フィルム4に設けられた第2の粘着層42を一部削除することで、第2の保護フィルム4を第1の保護フィルム3から容易に剥離でき、粘着層42起因の異物も防止できる。
第2の変形例である図6の形態と図2の形態との相違点は、図2の形態では、第2の保護フィルム4に突出部分45が設けられているのに対し、図6の形態では、第2の保護フィルム4の外縁43と第1の保護フィルム3の外縁33とが同一面上に位置し、突出部分45が設けられていない点である。
第3の変形例である図7の形態と図2の形態との相違点は、図2の形態では、第2の保護フィルム4に突出部分45が設けられているのに対し、図7の形態では、第1の保護フィルム3に第2の保護フィルム4から突出する突出部分35が設けられている点である。なお、図7の形態において、図5の形態と同様に、第2の保護フィルム4の外縁43が、第1の保護フィルム3の突出部分35によって、覆われていてもよい。
{第4の変形例}
第4の変形例の積層体1Aは、図8〜11に示すような構成を有している。図8中右側における第1,第2の保護フィルム3,4の接触形態は図9に示す形態であり、上側および下側における接触形態は図10に示す形態であり、左側における接触形態は図11に示す形態である点で積層体1と相違する。
図8に示すように、第1の主面21側から見たときに、第1,第2の保護フィルム3,4の外縁33,43は、その全周にわたって板状基体2の外縁の外側に位置し、第1の保護フィルム3の端部領域34は、当該第1の保護フィルム3の全周にわたって第2の保護フィルム4の端部領域44と接触している。
図9に示すように、図8中右側の第1,第2の保護フィルム3,4は、縦断面視において、板状基体2における厚さ方向の中点を含み第1の主面21と平行な第1の基準線K1に対して非線対称に配置されていることが好ましい。
縦断面視において、第1の交点P11から第1の端部P12までの長さをL2、第1の端部P12から第1の保護フィルム3の外縁33までの長さをC2とした場合、L2+C2は0mm超10mm未満が好ましい。このような構成により、第1の主面21が上になった状態で第2の保護フィルム4が板状基体2および第1の保護フィルム3から剥離されたときに、第1の保護フィルム3の外側部分が自重で垂れることが抑制される。
第2の交点P13から第2の端部P14までの長さをM2とした場合、M2はL2と同じ長さであってもよい。
縦断面視において、第2の端部P14から第2の保護フィルム4の外縁43までの長さをD2とした場合、長さD2を第1の保護フィルム3の長さC2よりも長くすることで、当該第2の保護フィルム4に第1の保護フィルム3から突出する突出部分45Aが設けられることが好ましい。なお、図9の形態において、図5の形態と同様に、第1の保護フィルム3の外縁33が、第2の保護フィルム4の突出部分45Aによって、覆われていてもよい。
縦断面視において、接触領域R2の長さE2は、0.5mm以上5mm以下が好ましく、第1の交点P11から第1の保護フィルム3の外縁33までの長さ、つまりL2+C2は、板状基体2の厚さTよりも短いことが好ましい。
図10の形態と図9の形態との相違点は、図9の形態では、第2の保護フィルム4に突出部分45Aが設けられているのに対し、図10の形態では、第2の保護フィルム4の外縁43と第1の保護フィルム3の外縁33とが同一面上に位置し、突出部分45Aが設けられていない点である。
図11の形態と図9の形態との相違点は、図9の形態では、第2の保護フィルム4に突出部分45Aが設けられているのに対し、図11の形態では、第1の保護フィルム3の長さC2を第2の保護フィルム4の長さD2をよりも長くすることで、第1の保護フィルム3に第2の保護フィルム4から突出する突出部分35Aが設けられている点である。
なお、図9〜11の形態において、それぞれの接触領域R2の長さE2は、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、図11の形態において、図5の形態と同様に、第2の保護フィルム4の外縁43が、第1の保護フィルム3の突出部分35Aによって、覆われていてもよい。
そして、積層体1Aは、例えば、図3(A)〜(C)に示す方法と同様の方法によって製造できる。まず、同じ硬度の上ニップロール91および下ニップロール92と、同じ大きさの第1,第2の保護フィルム3,4とを準備する。そして、上方から見たときに、搬送方向前方側および後方側においては、第1の保護フィルム3の外縁33と第2の保護フィルム4の外縁43とが重なり、一側方側(−Y方向側)においては、第2の保護フィルム4の外縁43が第1の保護フィルム3の外縁33よりも外側に位置し、他側方側(+Y方向側)においては、第1の保護フィルム3の外縁33が第2の保護フィルム4の外縁43よりも外側に位置するように、第1の保護フィルム3、板状基体2、第2の保護フィルム4を積層し、上ニップロール91および下ニップロール92の間を通過させればよい。
{第5〜第7の変形例}
例えば、積層体1,1Aにおける図1,3中上側、下側、左側、右側のうちいずれか1つの第1,第2の保護フィルムの接触形態を、図12〜14に示すいずれかの形態としてもよい。
図12に示す第5の変形例における第1の保護フィルム3Bは、第1のフィルム31Bと、第1の粘着層32とを備えることが好ましい。第1のフィルム31Bは、PETまたはPEからなることが好ましい。第1のフィルム31の厚さTf11は、5μm以上100μm以下が好ましい。第1の保護フィルム3B全体の弾性率は、0.5GPa以上5GPa以下が好ましい。
第2の保護フィルム4Bは、第1の保護フィルム3Bと同じ構成が好ましい。第2の保護フィルム4Bは、第2のフィルム41Bと、第2の粘着層42とを備えることが好ましい。第2のフィルム41は、PETまたはPEからなることが好ましい。第2のフィルム41の厚さTf12は、5μm以上100μm以下が好ましい。第2の保護フィルム4B全体の弾性率は、0.5GPa以上5GPa以下が好ましい。
第1,第2の保護フィルム3B,4Bは、縦断面視において、第1の基準線K1に対して非線対称に配置されていることが好ましい。
縦断面視において、第1の交点P21から第1の端部P22までの長さをL3、第2の交点P23から第2の端部P24までの長さをM3とした場合、L3とM3とが異なることが好ましい。
図12に示すように、本発明の一例として、第2の保護フィルム4Bにおける長さM3と、第1の保護フィルム3BにおけるL3との関係を、L3>M3とする。すなわち、第2の保護フィルム4Bの長さM3を第1の保護フィルム3BにおけるL3よりも短く設定する。
縦断面視において、板状基体2の厚さTを0.5mm以上2.0mm以下、第1の保護フィルム3B全体の弾性率を0.5GPa以上5GPa以下、第1の保護フィルム3Bの厚さが5μm以上30μm以下、第1の端部P22から第1の保護フィルム3Bの外縁33までの長さをC3、第2の端部P24から第2の保護フィルム4Bの外縁43までの長さをD3とした場合、L3+C3は2mm超15mm以下、M3+D3は2mm以上10mm以下が好ましい。第2の保護フィルム4Bが屈曲せず、第1の保護フィルム3Bが下方に屈曲することで、接触領域R3が第1の基準線K1よりも下方に位置することが好ましい。このような構成により、第1の主面21が上になった状態において、第1の保護フィルム3Bの端部領域34が自重で垂れ易くなり、第1の保護フィルム3Bと第2の保護フィルム4Bとが容易に接触し、板状基体2の密閉性を容易に維持できる。
縦断面視において、接触領域R3の長さE3は、0.5mm以上5mm以下が好ましい。第1の保護フィルム3Bの長さC3を第2の保護フィルム4Bの長さD3よりも長くすることで、当該第1の保護フィルム3Bに第2の保護フィルム4Bから突出する突出部分35Bが設けられることが好ましい。なお、図12の形態において、図5の形態と同様に、第2の保護フィルム4の外縁43が、第1の保護フィルム3の突出部分35Bによって、覆われていてもよい。
第6の変形例である図13の形態と図12の形態との相違点は、図12の形態では、第1の保護フィルム3Bに突出部分35Bが設けられているのに対し、図13の形態では、第2の保護フィルム4Bの外縁43と第1の保護フィルム3Bの外縁33とが同一面上に位置し、突出部分35Bが設けられていない点である。
第7の変形例である図14の形態と図12の形態との相違点は、図12の形態では、第1の保護フィルム3Bに突出部分35Bが設けられているのに対し、図14の形態では、第2の保護フィルム4Bに第1の保護フィルム3Bから突出する突出部分45Bが設けられている点である。なお、図14の形態において、図5の形態と同様に、第1の保護フィルム3の外縁33が、第2の保護フィルム4の突出部分45Bによって、覆われていてもよい。
{その他の変形例}
第1の保護フィルム3,3Bに第1の粘着層32がなくてもよいし、第2の保護フィルム4,4Bに第2の粘着層42がなくてもよい。第1の保護フィルム3,3Bが第1のフィルム31,31Bのみで構成され、かつ、第2の保護フィルム4,4Bが第2のフィルム41,41Bのみで構成されている場合、接触領域R1,R2,R3は、第1のフィルム31,31Bや第2のフィルム41,41Bの自重のみによって接触を維持してもよいし、静電気や、レーザや加熱による融着あるいは液体の濡れ性等適宜な方法によって接触を維持してもよい。
接触領域R1,R2,R3は、端部領域34と端部領域44とが面接触している領域に限らず、線接触している領域であってもよい。
<板状基体>
本発明の板状基体の用途としては、特に限定されない。具体例としては、車両用透明部品(ヘッドライトカバー、サイドミラー、フロント透明基板、サイド透明基板、リア透明基板、インスツルメントパネル表面等。)、メータ、建築窓、ショーウインドウ、建築用内装部材、建築用外装部材、ディスプレイ(ノート型パソコン、モニタ、LCD、PDP、ELD、CRT、PDA等)、LCDカラーフィルタ、タッチパネル用基板、ピックアップレンズ、光学レンズ、眼鏡レンズ、カメラ部品、ビデオ部品、CCD用カバー基板、光ファイバ端面、プロジェクタ部品、複写機部品、太陽電池用透明基板(カバーガラス等。)、携帯電話窓、バックライトユニット部品(導光板、冷陰極管等。)、バックライトユニット部品液晶輝度向上フィルム(プリズム、半透過フィルム等。)、液晶輝度向上フィルム、有機EL発光素子部品、無機EL発光素子部品、蛍光体発光素子部品、光学フィルタ、光学部品の端面、照明ランプ、照明器具のカバー、増幅レーザ光源、反射防止フィルム、偏光フィルム、農業用フィルム等が挙げられる。
板状基体の形状としては、特に限定されず、円板、楕円板、三角形や五角形の多角形板、あるいは少なくとも一部が屈曲している形状等が挙げられる。板状基体が屈曲している場合、第1の基準線は第1の主面と平行にならない。
板状基体としては、例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の一般的なガラス板や、種々の組成の無機材料からなる無機ガラス、または透明樹脂板が挙げられる。
最適なガラス板の材料としては、ソーダライムガラス、石英ガラス、水晶ガラス、サファイアガラス等のガラス材料が挙げられ、鉄分がより低く、青味の少ない高透過ガラスがより好ましい。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料が好ましく、透明樹脂板としては、
例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
板状基体としては、透明性が高いこと、耐光性、耐熱性、低屈折率性、高い平面精度、耐表面擦傷性、および、高い機械的強度を有する点からも、ガラス板が最も好ましい。
ガラス板の安全性を高めるために、機械的強度を高めてもよい。ガラス板の機械的強度を高めるには、ガラス板に予め強化処理を施す。
強化処理としては、ガラス板を高温化に晒した後に風冷する物理強化、または、ガラス板を、アルカリ金属を含む溶融塩中に浸漬させ、ガラス板の最表面に存在する原子径の小さなアルカリ金属(イオン)を、溶融塩中に存在する原子系の大きなアルカリ金属(イオン)と置換する化学強化が挙げられる。
特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板(以下「化学強化ガラス」ともいう。)を用いることが好ましい。
板状基体としての化学強化ガラスは、以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、ガラス基板の表面圧縮応力(以下、CSという)は、400MPa以上1200MPa以下が好ましく、700MPa以上900MPa以下がより好ましい。CSが400MPa以上であれば、実用上の強度として十分である。また、CSが1200MPa以下であれば、自身の圧縮応力に耐えられ、自然に破壊してしまう懸念が無い。本発明の板状基体をディスプレイ装置等の前面板(カバーガラス)として使用する場合、ガラス基板のCSは700MPa以上850MPa以下が好ましい。
さらに、ガラス基板の応力値の深さ(以下、DOLという)は、15μm〜50μmが好ましく、20μm〜40μmがより好ましい。DOLが15μm以上であれば、容易に傷がついて破壊する懸念が無いので好ましい。DOLが40μm以下であれば、基板自身の圧縮応力に耐えられ、自然に破壊する懸念が無いので好ましい。本発明の板状基体をディスプレイ装置等の前面板(カバーガラス)として使用する場合、ガラス基板のDOLは25μm以上35μm以下が好ましい。
また、機械的強度の点から、サファイアガラスも好ましい。
板状基体の形状は、通常、平滑かつ矩形な形状である。板状基体の形状は、表示装置の表示パネルの形状や、表示装置の意匠、表示装置の取り付け位置等に応じて必要とされる形状は適宜変更される。
すなわち、板状基体の形状は平滑形状や矩形形状に限定されるものではない。例えば、表面に凹凸を有する型板ガラスであってもよく、多角形状や円形状、楕円形状であってもよい。また、平板状のガラスのみではなく曲面形状を有するガラスでもよい。
板状基体の大きさは、表示パネルの大きさや表示装置の用途により適宜決定される。例えば、モバイル機器のカバーガラスとして使用する場合は、30mm×50mm〜300mm×400mmで、厚さが0.1mm以上2.5mm以下であり、ディスプレイ装置、カーナビゲーション、コンソールパネル、計器盤などの表示装置の場合、50mm×100mm〜2000mm×1500mmで、厚さは0.5mm以上4mm以下が好ましい。
板状基体の厚さは、厚さが薄いほど光の吸収を抑制できる点から、また特に、車載用表示装置で使用する場合は、板状基体には安全性が求められるため機械的強度の点から、0.5mm以上2mm以下が好ましい。耐候性、視認性向上や透明性向上の点から、ガラス板を用いることが好ましい。なお、板状基体は、必ずしも単一の層から構成される単層構造に限られず、合わせガラスといった複数の層から構成される多層構造でもよい。
<保護フィルム>
フィルムの片面に粘着層を備えることで、保護フィルムが形成される。
製造過程や製品搬送において、表示装置に組み付けられた表示パネルを保護するために、第1の保護フィルムを板状基体に貼り付けておき、板状基体を保護する。
表示装置の使用時において、第1の保護フィルムを板状基体から剥離して利用する。
第1の粘着層を形成する粘着剤の粘着力を調整することにより、粘着剤が板状基体の最表面(第1の主面または反射防止層または防汚層またはその他の機能層)の少なくとも一部に残留することや、反射防止層や防汚層の少なくとも一部が剥れることを抑制できる。
さらに、保護フィルムの剥離容易性を高めるために、フィルムの端部を掴み易くするためのタブ部を設けること、または、保護フィルムの外周縁の少なくとも一部に粘着層を形成しない部分を設けることによっても、第1の保護フィルムを第2の保護フィルムや板状基体から容易に剥離できる。なお、上記した剥離性を容易にするための目的のため作成されたタブ部分は、ハンドリング性を損なわない範囲で外周部にはみ出していてもよい。
反射防止層や防汚層を備える板状基体と保護フィルムを貼り合せる際は、手作業で行ってもよいが、ロール状の巻物として供給される保護フィルムを、ゴムロール等を用いて貼合させる方法や、保護フィルムを板状基体の寸法に合わせて事前に裁断し枚葉フィルムとしておき、ラベル貼り機やシール貼り機により貼合する方法が製造効率の観点から好ましい。
<フィルム>
フィルムとしては、樹脂製のフィルム状のものであれば特に制限されない。また、フィルムは単層構造であってもよく、帯電防止層、ハードコート層、易接着層等、複数の層が積層された多層構造であってもよい。また、板状基体から保護フィルムを剥し忘れることを防止するために、フィルムに色を付けてもよい。
フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルムやポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等を使用できる。これらの中でも、粘着層との付着性の点、耐久性や光学特性の点から、ポリエステル系フィルムが好ましい。
フィルムの厚さは5μm以上75μm以下であると、剥離する際にフィルムが撓み易く剥離しやすいので、好ましい。5μm未満であると、板状基体を十分に保護できないことがあり、75μmを超えると、コストの増大を招くことがある。
<粘着層>
粘着層の粘着剤は、保護フィルムを板状基体から剥離する際に、板状基体の最表面の少なくとも一部に粘着剤が残留しにくい粘着性を有するものが好ましい。粘着層の粘着剤は、保護フィルムを板状基体から剥離する際に、反射防止層や防汚層の少なくとも一部の剥れを抑える粘着度を有するものが好ましい。
このような粘着剤として、アクリル系、ポリウレタン系の粘着剤等が、接着性や、剥離性の観点から好ましく用いられる。
粘着層の粘着力が0.01N/10mm以上であれば、粘着剤が、板状基体の最表面に均一に付着できるので、反射防止層や防汚層と均一に付着させられる。また、搬送中にフィルムが板状基体から剥がれるなど、フィルムとしての機能を損なうおそれがない。粘着層の粘着力が0.3N/10mm以下であれば、粘着層の粘着力が適度であり、保護フィルムを剥離する際に、反射防止層や防汚層の少なくとも一部が必要以上に剥がれたり、粘着剤が板状基体の最表面の少なくとも一部に残留することに起因する視認性の低下や汚れなどの不良を生じるおそれがない。
反射防止層に、保護フィルムを貼り付ける場合、粘着層と反射防止層の間の粘着力は0.03〜0.3N/10mmが好ましく、0.05〜0.15N/10mmがより好ましい。粘着力が好ましい数値に調整されることにより、粘着剤の残留や、反射防止層が粘着剤によって剥離されることを抑制できる。
また、防汚層に保護フィルムを貼り付ける場合、粘着層と防汚層の間の粘着力は0.01〜0.05N/10mmが好ましく、0.02〜0.04N/10mmがより好ましい。粘着力が好ましい数値に調整されることにより、粘着剤の残留や、防汚層を形成する材料が粘着剤によって剥離されることを抑制できる。
粘着層の厚さは、反射防止層や防汚層と、保護フィルムに形成される粘着層との粘着性、剥離性の観点から、3μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上25μm以下がより好ましい。
<反射防止層>
反射防止層は、外光による反射を抑え表示画像の表示品質を高めるために形成される層であり、通常、板状基体の第1の主面に形成される。板状基体の第1の主面に防眩処理を施した場合は、防眩層上に反射防止層を形成することが好ましい。
反射防止層の構成としては、光の反射を所定範囲に抑制できる構成であれば特に制限はないが、例えば、高屈折率層と低屈折率層とを積層した構成とできる。ここで、高屈折率層は、例えば、波長550nmの光の屈折率が1.9以上の層をいい、低屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.6以下の層をいう。
反射防止層における高屈折率層と低屈折率層との層数は、それぞれを1層ずつ含む形態でもよいが、それぞれを2層以上含む構成でもよい。高屈折率層と低屈折率層をそれぞれ1層含む構成の場合は、板状基体の主面に、高屈折率層、低屈折率層の順に積層したものが好ましい。また、高屈折率層と低屈折率層をそれぞれ2層以上含む構成の場合は、高屈折率層、低屈折率層の順に交互に積層した形態が好ましい。
反射防止性能を高めるためには、反射防止層は複数の層が積層された積層体が好ましく、該積層体は、例えば、全体で2層以上8層以下の積層が好ましく、2層以上6層以下の積層がより好ましく、2層以上4層以下の積層がさらに好ましい。ここでの積層体は、上記のように、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものが好ましく、高屈折率層と低屈折率層との層数の合計が上記範囲にあることが好ましい。また、光学特性を損なわない範囲での層の追加を行ってもよい。例えば、ガラス基体からのNa拡散を防ぐために、ガラスと反射防止層の第1層との間にSiO膜を挿入しても良い。
高屈折率層、低屈折率層を構成する材料は、特に制限されるものではなく、要求される反射防止性の程度や生産性を考慮して選択できる。高屈折率層を構成する材料としては、例えば、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiN)等が挙げられる。これらの材料から選択される1種以上を好ましく使用できる。低屈折率層を構成する材料としては、酸化ケイ素(特に、二酸化ケイ素SiO)、SiとSnとの混合酸化物を含む材料、SiとZrとの混合酸化物を含む材料、SiとAlとの混合酸化物を含む材料等が挙げられる。これら材料から選択される1種以上を好ましく使用できる。
生産性や屈折率の観点から、高屈折率層が、酸化ニオブ、酸化タンタル、窒化ケイ素から選択される1種からなり、低屈折率層が、酸化ケイ素からなる層が好ましい。
反射防止層は、表面に無機薄膜を直接形成する方法、エッチング等の手法により表面処理する方法や、乾式法、例えば、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により好適に形成できる。
板状基体の第1の主表面上に、反射防止層と防汚層とをこの順に形成する形態も取りうる。この場合、反射防止層に防汚層を付与し易くするために、反射防止層は、湿式法により形成されてもよい。湿式法によるものとしては、低屈折率微粒子を含有するもの、具体的には、バインダーとなるマトリックス成分中に低屈折率微粒子を含有させたものが挙げられる。または、反射防止機能を有する透明樹脂フィルムを板状基体に貼合する方法によって反射防止層を設けられる。
反射防止層の厚さは、100nm以上500nm以下が好ましい。反射防止層の厚さを100nm以上とすることで、効果的に外光の反射を抑制できるため好ましい。
<防汚層>
防汚層は、撥油性や親油性の少なくとも一つの特性を持つ。指紋跡のみならず汗や埃など様々な汚れの付着を抑えたり、汚れを拭き取り易したり、汚れを目立ちにくくするといった機能を有し、表示面をきれいに保つ。また、タッチパネル操作の際にひっかかりのないスムーズな指滑り性が得られる。防汚層は、反射防止層の上に防汚層を形成することが、防汚層の特性の観点から好ましい。
防汚層の形成方法には、フッ素含有有機化合物等を真空槽内で蒸発させて、反射防止層の表面に付着させる真空蒸着法(乾式法)や、フッ素含有有機化合物等を有機溶剤に溶解させ所定の濃度に調整し、反射防止層の表面に塗布する方法(湿式法)等を利用できる。
乾式法としては、イオンビームアシスト蒸着法、イオンプレート法、スパッタ法、プラズマCVD法等、湿式法としては、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、スリットコート法、スプレー法等から適宜選択できる。乾式法、湿式法のどちらも使用できる。耐擦傷性の観点からは、乾式の成膜方法を用いることが好ましい。
防汚層の構成材料は、防汚性、撥水性、撥油性を付与できるフッ素含有有機化合物等から適宜選択できる。具体的には、含フッ素有機ケイ素化合物や、含フッ素加水分解性が挙げられる。フッ素含有有機化合物は、防汚性、撥水性および撥油性を付与するものであれば、特に制限されず使用できる。
(含フッ素有機ケイ素化合物被膜)
防汚層を形成する含フッ素有機ケイ素化合物被膜は、板状基体の主面または防眩層の処理面に反射防止層が形成される場合には、当該反射防止層の表面に形成されることが好ましい。また、板状基体として防眩処理、化学強化処理等の表面処理が施され、反射防止層が形成されないガラス基板を用いる場合には、含フッ素有機ケイ素化合物被膜は、これら表面処理の施された面に直接形成されることが好ましい。
含フッ素有機ケイ素化合物被膜を形成する方法としては、パーフルオロアルキル基;パーフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖を含むフルオロアルキル基等のフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤の組成物を、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、スリットコート法、スプレーコート法等により塗布した後加熱処理する方法、または含フッ素有機ケイ素化合物を気相蒸着させた後加熱処理する真空蒸着法等が挙げられる。密着性の高い含フッ素有機ケイ素化合物被膜を得るには、真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法による含フッ素有機ケイ素化合物被膜の形成は、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する被膜形成用組成物を用いて行うことが好ましい。
(含フッ素加水分解性ケイ素化合物)
防汚層において、含フッ素有機ケイ素化合物被膜の形成に用いる含フッ素加水分解性ケイ素化合物は、得られる含フッ素有機ケイ素化合物被膜が、撥水性、撥油性等の防汚性を有するものであれば特に制限されない。
具体的には、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有する含フッ素加水分解性ケイ素化合物が挙げられる。
防汚層は、防汚機能を有する透明樹脂フィルムを貼合する方法によって設けることもできる。
通常、反射防止層の上に形成される防汚層の層厚は、特に制限されないが、2nm以上20nm以下が好ましく、2nm以上15nm以下がより好ましく、3nm以上10nm以下がさらに好ましい。
層厚が2nm以上であれば、防汚層によって反射防止層の表面が均一に覆われた状態となり、耐擦り性の簡単で実用に耐えるものとなるので好ましい。また、層厚が20nm以下であれば、防汚層が積層された状態での視感反射率やヘイズ値等の光学特性が良好であるので好ましい。
<防眩層>
防眩層とは、反射光を散乱させることで、光源の映り込みによる反射光の眩しさを低減する性能を有する層である。板状基体に防眩性を付与するために、板状基体の第1の主面上に防眩層を設けてもよい。防眩性を付与するためには、板状基体の主面に凹凸形状を形成する。凹凸形状を有する主面は、板状基体の少なくとも一方の主面であり、板状基体の第1の主面上に凹凸形状を設けることが好ましい。
凹凸形状を形成する方法として、公知の方法を適用できる。例えば、板状基体としてガラス基板を用いる場合、ガラス基板の主面に化学的または物理的に表面処理を施し、所望の表面粗さの凹凸形状を形成する方法や、ウエットコート等を利用できる。
化学的に防眩処理を行う方法としては、具体的には、フロスト処理を施す方法が挙げられる。フロスト処理は、例えば、フッ化水素とフッ化アンモニウムの混合溶液に、被処理体であるガラス基板を浸漬することで実現可能である。
また、物理的に防眩処理を行う方法としては、例えば、結晶質二酸化ケイ素粉、炭化ケイ素粉等を加圧空気でガラス基板の主面に吹き付けるサンドブラスト処理や、結晶質二酸化ケイ素粉、炭化ケイ素粉等を付着させたブラシを水で湿らせたものを用いて擦る方法等を利用できる。
これらの中で、フロスト処理は、被処理体表面におけるマイクロクラックが生じ難く、機械的強度の低下が生じにくいため、ガラス基板に防眩処理を行う方法として好ましい。
このようにして化学的または物理的に防眩処理を施したガラス基板の主面は、表面形状を整えるため、エッチング処理を行うことが好ましい。エッチング処理としては、例えば、ガラス基板を、フッ化水素の水溶液であるエッチング溶液に浸漬して、化学的にエッチングする方法を利用できる。
このようにして、防眩処理およびエッチング処理が行われた後のガラス基板の主面は、表面粗さ(二乗平均粗さ、RMS)が0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましい。表面粗さ(RMS)は、0.01μm以上0.3μm以下がより好ましく、0.02μm以上0.2μm以下がさらに好ましい。表面粗さ(RMS)を上記範囲とすることで、防眩処理後のガラス基板のヘイズ値を1〜30%に調整できる。なお、ヘイズ値は、JIS K 7136で規定される値である。
防眩層を形成する方法としては、防眩機能を有する透明樹脂フィルムを板状基体に貼合する方法によって設けてもよい。
<印刷層>
板状基体の第2の主面の周縁部の少なくとも一部に印刷層を形成する。印刷層は、表示パネルの周縁部に配置される配線部材などを隠蔽し、表示パネルの画像表示領域以外が、観察者側から視認できないようにすることや、表示装置の意匠性を向上させるために形成され、表示の視認性と美観を高める。
板状基体の周縁部とは、板状基体の中央から離れた端部から板状基体の中央部に向かって、所定の幅を有する帯状領域を意味する。印刷層は、この周縁部の全周、または、周縁部の少なくとも一部に形成される。
印刷層の外周側とは、通常、印刷層は板状基体の外周端に接し、所定の幅を有する帯状領域であり、印刷層が形成される板状基体の第2の主面の外周端と略同一である。
印刷層の内周側とは、所定の幅を有する印刷層領域において、板状基体の中央に近い端辺を意味する。通常、印刷層の形成領域は、板状基体の形状に応じて形成される。板状基体が矩形状である場合は、印刷層の外周側の少なくとも一部は直線で形成される。印刷層の内周側は、直線で形成されていても曲線で形成されていても良い。
また、印刷層の形成領域の一部に、ディスプレイの動作状態を表示する動作状態表示部や、リモコンからの赤外線などの操作光を受光するための、光透過領域が形成されていても良い。
印刷層は、板状基体の第2の主面の周縁部に形成される。印刷層は、板状基体の第2の主面の外周側から、0mmを超え30mm未満の領域に設けられることが好ましい。
印刷層は、黒色インクを印刷する方法で形成される。印刷法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、スクリーン法等があるが、簡便に印刷できるうえ、種々の基材に印刷でき、また基材のサイズに合わせて印刷可能であることから、スクリーン印刷法が好ましい。
印刷層は、通常、黒色で形成されるが、黒色に制限されない。
黒色インクは、特に限定されず利用できる。黒色インクとしては、セラミックス焼成体等を含む無機系インクと、染料または顔料のような色料と有機樹脂を含む有機系インクが使用できる。着色顔料を含むセラミック印刷を用い印刷層を形成すると遮光性が高く好ましい。
黒色の無機系インクに含有されるセラミックスとしては、酸化クロム、酸化鉄などの酸化物、炭化クロム、炭化タングステン等の炭化物、カーボンブラック、雲母等がある。黒色印刷部は、前記セラミックスとシリカからなるインクを溶融し、所望のパターンで印刷した後、焼成して得られる。この無機系インクは、溶融、焼成工程を必要とし、一般にガラス専用インクとして用いられている。
有機系インクは、黒色の染料または顔料と有機系樹脂を含む組成物である。有機系樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリカーボネート、透明ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニル、ポリビニルブチラール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド等のホモポリマー、およびこれらの樹脂のモノマーと共重合可能なモノマーとのコポリマーからなる樹脂が挙げられる。また、染料あるいは顔料は、黒色のものであれば特に限定なく利用できる。
無機系インクと有機系インクとでは、焼成温度が低いことから、有機系インクの使用が好ましい。また、耐薬品性の観点から、顔料を含む有機系インクが好ましい。
[梱包体]
次に、上述の積層体1を有する梱包体について説明する。
梱包体10は、図13に示すように、複数の積層体1を収容する収容袋11と、この収容袋11を収容する四角箱状の収容部材12と、収容袋11と収容部材12の内面との間に設けられた緩衝材13とを備えている。
収容袋11は、例えば透明なあるいは着色されたビニール袋により構成されている。
収容部材12は、例えば紙段ボールにより構成され、上面が開口した本体12Aと、上面の互いに対向する一対の辺にそれぞれ設けられた一対の蓋12Bとを備えている。
蓋12Bの固定は、粘着テープやバンドによって行ってもよい
なお、収容袋11および緩衝材13のうち少なくとも一方はなくてもよい。
[表示装置]
上述のガラスをはじめとした板状基体と、液晶パネルなどの表示パネルとを備えた表示装置について説明する。
近年、表示装置はさまざまな機器において、観察者への情報表示手段として使用されている。現在は、従来の主流であったブラウン管に代わって、表示パネルとして液晶パネル、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)、FED(Field Emission Display)等を利用した新しい薄型表示装置が登場している。特に、液晶パネルを使用した表示装置(以降、液晶表示パネルと記載。)は、小型から大型の機種まで製造でき、現在の代表的な薄型表示装置となっている。
このような液晶表示装置には、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子が形成されたアレイ基板、液晶、カラーフィルタを備えた液晶パネルに加えて、表示に必要な光源を備えたバックライト機構部を有している。バックライト機構部から出射する光が液晶パネルを透過して、表示装置の外部に至ることにより、画像を表示できる。
他に、バックライト、タッチパネル、赤外線センサー等を包含し支持する筐体をそなえてもよい。
本発明の実施例について説明する。例1〜5は実施例、例6は比較例である。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[積層体の作製]
〔例1〕
板状基体として、厚さが1.3mm、平面視のサイズが150mm×250mmの化学強化ガラス(ドラゴントレイル(登録商標)、旭硝子社製(表1において「DT」と表記する))を準備した。また、第1,第2の保護フィルムとして、第1,第2のフィルムと、第1,第2の粘着層とからなるタイプA(日東電工社製、型番RP−207)を準備した。第1,第2のフィルムの厚さは25μm、材料はPETである。第1,第2の粘着層はアクリル系の粘着剤であり、粘着力は0.01N/10mmである。
次に、板状基体の第1の主面に防汚層を設けた。そして、防汚層上に第1の保護フィルムを貼り合わせ、第2の主面に第2の保護フィルムを貼り合わせ、第1の保護フィルムの端部領域を第2の保護フィルムの端部領域に貼り付けることで、第1,第2の保護フィルムの接触形態が図2に示す形態(接触形態1)の積層体を作製した。
第1の保護フィルムの耳幅(L+C(図2のL1+C1))を5mmとし、第2の保護フィルムの耳幅(M+D(図2のM1+D1))を10mmとし、接触領域Rの長さE(図2のE1)を3mmとし、第2の保護フィルムにおける接触領域の板状基体側端部(図2のP4)からの外縁(図2の43)までの長さD(図2のD1)を7.6mmとした。
貼り付けは、ラミネート装置を(MCK社製、型番KP−630)を用い、押し付け圧力を0.2MPa、積層体の送り速度を3m/minとした。つまり、第1,第2の保護フィルムの端部領域同士を押し付けることで、両者の粘着層同士を貼り付けた。
〔例2〕
第1の保護フィルムの耳幅(L+C)を2mmとし、第2の保護フィルムの耳幅(M+D)を5mmと、接触領域Rの長さE(図2のE1)を1mm、第2の保護フィルムにおける接触領域の板状基体側端部から外縁までの長さD(図2のD1)を3.4mmとしたこと以外は、例1と同じ条件で例2の積層体を作製した。
〔例3〕
第1の保護フィルムとしてタイプB(日東電工社製、型番RB−100S)を用い、第1,第2の保護フィルムの接触形態を図12に示す形態(接触形態2)としたこと以外は、例1と同じ条件で例3の積層体を作製した。
タイプBの第1のフィルムの厚さは10μm、材料はPEである。第1の粘着層はアクリル系の粘着剤であり、粘着力は0.01N/10mmである。
第1の保護フィルムの耳幅(L+C(図12のL3+C3))を5mmとし、第2の保護フィルムの耳幅(M+D(図12のM3+D3))を2mmとし、第1の保護フィルムにおける接触領域の板状基体側端部(図12のP22)から外縁(図12の33)までの長さC(図12のC3)を3.4mmとした。
〔例4〕
第1の保護フィルムの耳幅を10mmとし、第1の保護フィルムにおける接触領域の板状基体側端部から外縁までの長さC(図12のC3)を8.4mmとしたこと以外は、例3と同じ条件で例4の積層体を作製した。
〔例5〕
第1,第2の保護フィルムの接触形態を図10に示す形態(接触形態3)としたこと以外は、例1と同じ条件で例5の積層体を作製した。
第1の保護フィルムの耳幅(L+C(図10のL2+C2))および第2の保護フィルムの耳幅(M+D(図10のM2+D2))を、ともに15mmとした。第1の保護フィルムにおける接触領域の板状基体側端部(図10のP12)から外縁(図10の33)までの長さC(図12のC2)、つまり接触領域Rの長さE(図10のE2)を12mmとした。
〔例6〕
第1,第2の保護フィルムの接触形態を、それぞれの端部領域同士を接触させなかった(非接触形態)こと以外は、例1と同じ条件で例6の積層体を作製した。
第1,第2の保護フィルムの耳幅(平面視における板状基体の端面から第1,第2の保護フィルムの外縁までの長さ)を、ともに2mmとした。
Figure 2019155636
[評価]
〔パーティクル評価〕
例1の積層体を10枚準備して積み重ね、この積み重ねた状態の積層体の外縁部分に、ビニール袋を5回擦りつけた。そして、グリーンランプを積層体の外縁部分に照射し、ビニール袋の擦れに起因するパーティクルが、板状基体の端面に付着しているか否かを目視で確認した。例2〜6の積層体についても、同様の評価を行った。
表1に示すように、第1,第2の保護フィルムの端部領域が接触している例1〜5の積層体では、板状基体の端面にパーティクルが付着していなかった(OK)が、接触していない例6の積層体では、パーティクルが付着していた(NG)。
このことから、第1の保護フィルムの端部領域をその全周にわたって第2の保護フィルムの端部領域と接触させることによって、板状基体へのパーティクルの付着を防止できることが確認できた。
〔易剥離性評価〕
例1の積層体における第2の保護フィルムの端部領域に粘着テープを貼り付け、第1の主面側を上方向、第2の主面側を下方向とした場合、下方向に粘着テープをゆっくり引っ張ったときに、第2の保護フィルムの端部領域が第1の保護フィルムの端部領域から剥離されるか否かを評価した。例2〜5の積層体についても、同様の評価を行った。なお、粘着テープとして、日東電工社製の型番No.3800Aを使用し、粘着力は7.5N/25mmであった。
表1に示すように、例1〜4の積層体では、第2の保護フィルムの端部領域を第1の保護フィルムの端部領域から剥離できた(OK)が、例5の積層体では、第2の保護フィルムの端部領域を第1の保護フィルムの端部領域から剥離できずに、粘着テープが第2の保護フィルムから剥がれてしまった(NG)。
このように剥離性に差が出た理由は、保護フィルムの接着領域の長さEが長く、第1,2保護フィルム同士の密着力が粘着テープの密着力を上回るためと考えられる。
このことから、第1,第2の保護フィルムの接触領域が、板状基体の厚さ方向の中点よりも上側または下側にある方が、上記中点と同じ高さにある場合と比べて、第2の保護フィルムを第1の保護フィルムから剥離し易いことが確認できた。
〔後工程ハンドリング性評価〕
例1の積層体から第2の保護フィルムを剥離した後、第1の主面が上側となるように積層体を載置台に載置し、第1の保護フィルムの外縁と板状基体との位置関係を評価した。第1の保護フィルムの外側部分が自重によって垂れ下がることで、外縁が板状基体の第2の主面よりも下側に位置していたり、外縁が平面視で板状基体の端面よりも10mm以上外側に位置していたりする状態をハンドリング性が悪い(NG)と評価し、それ以外の状態をハンドリング性が良い(OK)と評価した。例2〜5の積層体についても、同様の評価を行った。
表1に示すように、例1〜3の積層体では、ハンドリング性が良かったが、例4,5の積層体では、ハンドリング性が悪かった。例4では10mmの耳幅であるが、弾性率が低いために上ラベルが垂れてしまい、基板より下側まで端部が落ちてしまった。そのため、筐体に組み付けるときに邪魔になったりするなどの難点があった。例5では弾性率は強いが15mmを超えると例4と同様のことが生じ、ハンドリング性は悪かった。
このことから、第1の保護フィルムの耳幅(L+C)を10mm未満にすることで、ハンドリング性が向上することが確認できた。
なお、例3,4では、第1の保護フィルムをPEで構成し、第2の保護フィルムをPETで構成している。PEの弾性率はPETよりも小さいため、図12に示すように、第1の保護フィルムは、下方に屈曲して、ほぼ変形していない第2の保護フィルムに貼り付けられる。そして、第2の保護フィルムが剥離されると、第1の保護フィルムは、その剛性によって端部領域が若干上昇することが確認できた。
〔粘着力評価〕
例1の積層体に貼り付けられた第1の保護フィルムを、板状基体上で10mm幅の短冊状に裁断した。次に、そのうちの1枚を使用して90度引き剥がし試験を行った。剥離力測定装置FA PLUS(IMADA社製)を使用して、引き剥がし速度は0.84mm/secとした。これを3回、別の短冊で行い、平均値を求めた。例2〜5の積層体についても、同様の評価を行った。
表1に、例1〜5の粘着力評価結果を示す。例1〜5の全ての実施例において、粘着力が0.01N/10mm以上0.03N/10mm以下となった。粘着力が0.01N/10mm以上になることで、第1の保護フィルムが後工程で自然に剥離することや、これにより生じる気泡の発生を抑制できる。また、粘着力が0.03N/10mm以下になることで、第1の保護フィルムが後工程で剥離しにくくなることや、第1の保護フィルムの粘着剤が板状基体上に残存することを抑制できる。以上より、例1〜5において、第1の保護フィルムの良好な粘着力を有することを確認できた。
1,1A…積層体、2…板状基体、3,3B…第1の保護フィルム、4,4B…第2の保護フィルム、6…防汚層、7…印刷層、10…梱包体、21…第1の主面、22…第2の主面、23…端面、31,31B…第1のフィルム、32…第1の粘着層、33…外縁、34…端部領域、41,41B…第2のフィルム、42…第2の粘着層、43…外縁、44…端部領域、45,45A,45B…突出部分、50…表示装置、52…表示パネル、P1,P11,P21…第1の交点、P2,P12,P22…第1の端部、P3,P13,P23…第2の交点、P4,P14,P24…第2の端部、R1,R2,R3,R4…接触領域。

Claims (27)

  1. 第1の主面および第2の主面および端面を有する板状基体と、
    前記第1の主面に配置された第1の保護フィルムと、
    前記第2の主面に配置された第2の保護フィルムとを備え、
    前記第1の主面側から見たときに、前記第1の保護フィルムの外縁および前記第2の保護フィルムの外縁が、その全周にわたって前記板状基体の外縁の外側に位置し、
    前記第1の保護フィルムの端部領域は、前記第2の保護フィルムの端部領域と接触していることを特徴とする積層体。
  2. 前記板状基体の厚さ方向の断面視において、前記第1の保護フィルムおよび前記第2の保護フィルムは、前記板状基体における厚さ方向の中点を含み前記第1の主面と平行な第1の基準線に対して非線対称に配置されている請求項1に記載の積層体。
  3. 前記板状基体の厚さ方向の断面視において、前記板状基体の端面の接線のうち前記厚さ方向と平行な接線を第2の基準線とし、
    前記第2の基準線と前記第1の保護フィルムとの第1の交点から、前記第1の保護フィルムにおける前記第2の保護フィルムとの接触領域の前記板状基体側の第1の端部までの長さをL、前記第2の基準線と前記第2の保護フィルムとの第2の交点から、前記第2の保護フィルムにおける前記第1の保護フィルムとの接触領域の前記板状基体側の第2の端部までの長さをMとした場合、LとMとが異なる請求項2に記載の積層体。
  4. 前記長さMおよび前記長さLは、L<Mを満たし、前記第2の保護フィルムは、前記第1の保護フィルムと前記第2の保護フィルムとの接触領域において第1の保護フィルムの外縁より、外方に向かって突出した突出部分を少なくとも一部に備えている請求項3に記載の積層体。
  5. 前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の方法により測定)は、前記第2の保護フィルムの弾性率よりも大きい請求項4に記載の積層体。
  6. 前記第2の保護フィルムの前記突出部分は、前記突出部分に対応する前記第1の保護フィルムの前記外縁を覆う請求項4または5に記載の積層体。
  7. 前記長さMおよび前記長さLは、L>Mを満たし、前記第1の保護フィルムは、前記第1の保護フィルムと前記第2の保護フィルムとの接触領域において第2の保護フィルムの外縁より、外方に向かって突出した突出部分を少なくとも一部に備えている請求項3に記載の積層体。
  8. 前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の方法により測定)は、前記第2の保護フィルムの弾性率よりも小さい請求項7に記載の積層体。
  9. 前記第1の保護フィルムの前記突出部分は、前記突出部分に対応する前記第2の保護フィルムの前記外縁を覆う請求項7または8に記載の積層体。
  10. 前記板状基体の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、
    前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の手法により測定)が0.5GPa以上5GPa以下であり、第1の保護フィルムの厚さが10μm以上75μm以下であり、
    前記厚さ方向の断面視において、前記第1の端部から前記第1の保護フィルムの外縁までの長さをC、前記第2の端部から前記第2の保護フィルムの外縁までの長さをDとした場合、L+Cが0mm超10mm未満、M+Dが5mm以上15mm未満である請求項3に記載の積層体。
  11. 前記板状基体の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、
    前記第1の保護フィルムの弾性率(ASTM−D−882に規定の手法により測定)が0.5GPa以上5GPa以下であり、第1の保護フィルムの厚さが5μm以上30μm以下であり、
    前記厚さ方向の断面視において、前記第1の端部から前記第1の保護フィルムの外縁までの長さをC、前記第2の端部から前記第2の保護フィルムの外縁までの長さをDとした場合、L+Cが2mm超15mm以下、M+Dが2mm以上10mm以下である請求項3に記載の積層体。
  12. 前記厚さ方向の断面視において、前記第1の保護フィルムと前記第2の保護フィルムとの接触領域の長さEが0.5mm以上5mm以下である請求項3から11のいずれか一項に記載の積層体。
  13. 前記板状基体の前記第1の主面には、防汚層が設けられている請求項1から12のいずれか一項に記載の積層体。
  14. 前記第1の保護フィルムは、第1のフィルムと、第1の粘着層とを備え、
    前記第1の粘着層と前記防汚層との粘着力が、JIS Z 0237:2009に規定の方法で測定したときに、0.01N/10mm以上0.05N/10mm以下である請求項13に記載の積層体。
  15. 前記第1の粘着層は、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂を主成分とした粘着剤からなる請求項14に記載の積層体。
  16. 前記第1のフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタラート)またはPE(ポリエチレン)からなる請求項14または15に記載の積層体。
  17. 前記第1のフィルムの厚さが5μm以上100μm以下である請求項14から16のいずれか一項に記載の積層体。
  18. 前記板状基体の前記第2の主面には、印刷層が設けられている請求項1から17のいずれか一項に記載の積層体。
  19. 前記第2の保護フィルムは、第2のフィルムと、第2の粘着層とを備え、
    前記第2の粘着層と前記印刷層との粘着力が、JIS Z 0237:2009に規定の方法で測定したときに、0.02N/10mm以上0.15N/10mm以下である請求項18に記載の積層体。
  20. 前記第2の粘着層は、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂を主成分とした粘着剤からなる請求項19に記載の積層体。
  21. 前記第2のフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタラート)またはPE(ポリエチレン)からなる請求項19または20に記載の積層体。
  22. 前記第2のフィルムの厚さが5μm以上100μm以下である請求項19から21のいずれか一項に記載の積層体。
  23. 前記板状基体はガラスである請求項1から22のいずれか一項に記載の積層体。
  24. 前記ガラスは強化ガラスである請求項23に記載の積層体。
  25. 請求項1から24のいずれか一項に記載の積層体と、
    前記積層体を収容する収容部材とを備えている梱包体。
  26. 請求項1から22のいずれか一項に記載の積層体と、
    前記積層体から前記第2の保護フィルムが剥離された前記第2の主面に対向して配置された表示パネルとを備え、
    前記積層体の前記板状基体は、透明基体である表示装置。
  27. 請求項23または24に記載の積層体と、
    前記積層体から前記第2の保護フィルムが剥離された前記第2の主面に対向して配置された表示パネルとを備えている表示装置。
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WO2020059390A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 日本電気硝子株式会社 フレキシブルモールドの製造方法、フレキシブルモールド用の基材、及び光学部品の製造方法

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