JP2014079944A - 電子機器用の保護パネル、その製造方法及び電子機器 - Google Patents

電子機器用の保護パネル、その製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光、非可視光の透過窓を有し、この透過窓において、対象とする光に対する反射率を下げて透過率を向上させつつ、透過窓部分以外の領域には光沢のある加飾を施した電子機器用の保護パネル、その製造方法及び電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器用の保護パネル10であって、透明な基材1と、基材1の電子機器が配置される側の面に形成され、基材1側から入射する可視光及び非可視光の反射を防止する誘電体層2と、誘電体層2上に、一部の領域を除いて形成された印刷層3と、を備える。印刷層3が形成されていない一部の領域は、可視光及び非可視光の双方を透過する透過窓部12をなし、印刷層3が形成された加飾部11は、面の逆側の面から見たときに、発色する波長領域で光沢感のある色調を示す。
【選択図】図2

Description

本発明は、部分的に光沢を有する加飾を施した電子機器用の保護パネル及びその製造方法、該保護パネルを用いた電子機器に関する。
近年、携帯電話等の電子機器の筐体として、種々のデザインのものが市場に供給されている。その中で、デザインに対する要求が増し、デザインの一つの流行として、高級感のある、適度な光沢感の色付けのものが求められている。
電子機器の筐体に用いられる無色透明の樹脂性保護パネルに光沢感を与える技術としては、基板上に所望の色調の塗装層を形成し、この塗装層上に金属微細片を分散散布した後、透明塗料の上塗り塗装を施す方法(例えば特許文献1)、いわゆるメタリックインクを用いた印刷を行う方法や、金属薄膜形成による方法が、一般的である。
これらの方法のうち、塗装による方法は、金属微細片を散布するために均一になりにくく、また、金属薄膜形成による方法は、製造工程が多くコストが嵩む。出願人は先に、透明な可視光用窓を有する保護パネルであって、可視光の透過率を上げる誘電体多層膜を利用し、一般的な印刷インクを用いて光沢感を付与した保護パネルを提案している(特許文献2)。
一方、電子機器の多機能化により、電子機器の筐体内部には、カメラ、赤外線通信等のための赤外センサ、紫外線量測定等のための紫外線センサ等が搭載されるようになり、筐体の保護パネルのうち、これらの装置やセンサを覆う部分には、それぞれ、可視光、赤外光、紫外光の透過率が高い窓が必要になる。
そこで、電子機器のディスプレイ部分を覆う保護パネルに、背面に配置される液晶パネルなどを透視可能な透明窓部分と、装飾用の図柄部分と、赤外線を透過させるための赤外線透過窓部分とを有する保護パネルが提案されている(例えば、特許文献3)。赤外線透過窓は、他の電子機器の制御、他の電子機器とのデータのやり取り等に用いられる赤外線受光素子を覆うために、用いることができる。
特許文献3記載の方法によれば、基体シート上に、部分的な赤外線透過層が形成された加飾シートを、基体シートがキャビティ面に接するように、金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出して加飾シートと樹脂からなる透明基板との一体化物を得、次いで基体シートを剥離し、次いで低反射層を全面的に積層することにより、反射防止成形品を一体的に形成することができる。
特開2001−347796号公報 特開2011−013546号公報 特開2002−6105号公報(請求項1、3、図1、図2)
しかし、特許文献3のように、電子機器用の保護パネルに、部分的な図柄層と、赤外線透過窓とを設けるものは知られていたが、可視光及び非可視光の双方を透過する窓を有し、且つ高級な光沢感のある加飾部を有する保護パネルは、知られていなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、可視光、非可視光の透過窓を有し、この透過窓において、対象とする光に対する反射率を下げて透過率を向上させつつ、透過窓部分以外の領域には光沢のある加飾を施した電子機器用の保護パネル、その製造方法及び電子機器を提供することにある。
前記課題は、請求項1の電子機器用の保護パネルによれば、透明な基材と、該基材の前記電子機器が配置される側の面に形成され、前記基材側から入射する可視光及び非可視光の反射を防止する誘電体層と、該誘電体層上に、一部の領域を除いて形成された印刷層と、を備え、該印刷層が形成されていない前記一部の領域は、可視光及び非可視光の双方を透過する透過窓部をなし、前記印刷層が形成された加飾部は、前記面の逆側の面から見たときに、発色する波長領域で光沢感のある色調を示すこと、により解決される。
このように構成しているため、可視光、非可視光の双方を透過可能な透過窓部を備えると同時に、インクの色に関わらず任意の色調で、高級感のある光沢感を有する加飾部とを備えた電子機器用の保護パネルを提供できる。
また、透過窓部が、非可視光だけでなく、可視光も透過可能であるため、電子機器の透過窓部の内側に、赤外線センサ、紫外線センサや、カメラ等、受光した非可視光を利用する装置や、受光した可視光を利用する装置などを設置することができる。また、透過窓部では、可視光及び非可視光の減衰が少ないため、透過窓部の内側に設置されたセンサの測定精度や、カメラの撮影画像の品質を上げることができる。
このとき、前記加飾部の反射率が8〜20%であってもよい。
このように構成しているため、加飾部に、高級感のある、落ち着いた光沢感を付与できる。
このとき、前記非可視光は、赤外光であり、前記透過窓部は前記可視光の透過率が、前記可視光域平均で91%以上であり、前記赤外光の透過率が、875nmにおいて92%以上であってもよい。
このように構成しているため、可視光及び赤外光の透過率を、実用上要求される範囲に調整できる。
このとき、前記基材は、ガラスからなり、前記誘電体層は、主たる構成材料が、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ニオブ酸化物、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、イットリウム酸化物、ランタン酸化物、フッ化マグネシウムまたはそれらの混合物を含む群より選ばれる材料であり、前記印刷層は、黒インクからなっていてもよい。
このように、印刷層は、黒インクからなるため、加飾部の発色を容易に調整できる。また、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ニオブ酸化物、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、イットリウム酸化物、ランタン酸化物、フッ化マグネシウムを含む群より選ばれる材料またはそれらの混合物は、加飾部に光沢を付するために、適当な屈折率を有する材料であり、これらの材料を用いることにより、高級感のある、落ち着いた光沢感を付与できる。
このとき、前記誘電体層は、4層以上の多層膜から形成されていてもよい。
このように構成されることにより、請求項1の保護パネルを、より広い選択枝の中から構成することが可能となる。つまり、透過窓部を、可視光のみでなく、可視光及び非可視光の双方が透過するものとし、かつ、誘電体層上に印刷層を施した加飾部を、発色する波長領域及び、所望の光沢感を有するようにする反射率共に、より広い範囲の中から調整することができ、ユーザーニーズに応じた所望の色、光沢感を実現できる。
前記課題は、請求項6の電子機器用の保護パネルの製造方法によれば、透明な基材の前記電子機器が配置される側の面に、前記基材側から入射する可視光及び非可視光の反射を防止する誘電体層を成膜する工程と、可視光及び非可視光の双方を透過する透過窓部以外の領域である加飾部に該当する領域に、開口を有するスクリーンを用いて、前記誘電体層上の前記加飾部に該当する領域に、印刷層を形成する工程と、を備え、前記加飾部が、前記基材の前記電子機器逆側の面から見たときに、発色する波長領域で光沢感のある色調を示す前記保護パネルを製造すること、により解決される。
このように構成しているため、可視光、非可視光の双方を透過可能な透過窓部を備えると同時に、インクの色に関わらず任意の色調で、高級感のある光沢感を有する加飾部とを備えた電子機器用の保護パネルを提供できる。
また、透過窓部以外の領域である加飾部に、エッチングやマスキング等の手法を使わず、スクリーン印刷法によって装飾を施すことができるため、簡便に、かつ低コストで、加飾部を形成できる。
前記課題は、請求項7の電子機器によれば、前記透過窓部を複数有する請求項1又は2記載の保護パネルを筐体に用い、複数の前記透過窓部は、それぞれ1以上の可視光透過窓部と非可視光透過窓部とされていること、により解決される。
このように構成しているため、カメラあるいはフラッシュ用の可視光透過窓と、赤外又は紫外センサ用の透過窓を同時に備え、加飾部が赤、緑、青の落ち着いた趣のある光沢を有する保護パネルを筐体として備えた電子機器を提供できる。
前記課題は、請求項8の電子機器によれば、前記透過窓部を複数有する請求項3記載の保護パネルを筐体に用い、複数の前記透過窓部は、それぞれ1以上の可視光透過窓部と赤外光透過窓部とされていること、により解決される。
このように構成しているため、カメラあるいはフラッシュ用の透過率が良好な可視光透過窓と、感知感度を高められる赤外センサ用の透過窓を同時に備え、加飾部が光沢を有する保護パネルを筐体として備えた電子機器を提供できる。
本発明によれば、可視光、非可視光の双方を透過可能な透過窓部を備えると同時に、インクの色に関わらず任意の色調で、高級感のある光沢感を有する加飾部とを備えた電子機器用の保護パネルを提供できる。
また、透過窓部が、非可視光だけでなく、可視光も透過可能であるため、電子機器の透過窓部の内側に、赤外線センサ、紫外線センサや、カメラ等、受光した非可視光を利用する装置や、受光した可視光を利用する装置などを設置することができる。また、透過窓部では、可視光及び非可視光の減衰が少ないため、透過窓部の内側に設置されたセンサの測定精度や、カメラの撮影画像の品質を上げることができる。
本発明の一実施形態に係る保護パネルの概略正面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の他の実施形態に係る保護パネルにおける図1のA−A断面図である。 実施例1の加飾部における分光反射率を示すグラフである。 実施例1の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。 実施例2の加飾部における分光反射率を示すグラフである。 実施例2の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。 実施例3の加飾部における分光反射率を示すグラフである。 実施例3の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。 実施例4の加飾部における分光反射率を示すグラフである。 実施例4の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。 実施例5の加飾部における分光反射率を示すグラフである。 実施例5の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。 実施例6の加飾部における分光反射率を示すグラフである。 実施例6の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る保護パネル10について、図1〜図15を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る保護パネルの概略正面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、本発明の他の実施形態に係る保護パネルにおける図1のA−A断面図である。図4は、実施例1の加飾部における分光反射率を示すグラフである。図5は、実施例1の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。図6は、実施例2の加飾部における分光反射率を示すグラフである。図7は、実施例2の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。図8は、実施例3の加飾部における分光反射率を示すグラフである。図9は、実施例3の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。図10は、実施例4の加飾部における分光反射率を示すグラフである。図11は、実施例4の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。図12は、実施例5の加飾部における分光反射率を示すグラフである。図13は、実施例5の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。図14は、実施例6の加飾部における分光反射率を示すグラフである。図15は、実施例6の透過窓部における分光透過率を示すグラフである。
本実施形態の保護パネル10は、携帯電話等の電子機器の外装パネルとして用いられ、図1で示すように、光沢のある色調の装飾が施された加飾部11と、装飾が施されていない透過窓部12と、機器内部に設けられたスピーカー、マイク、操作用の押ボタン等を保護パネル10の外側に露出したり、カメラのレンズを嵌め込んだりするための孔13と、を備えている。
図1の保護パネル10は、携帯電話の背面側であって、液晶画面が表示される正面側とは反対の面の保護パネルであるが、液晶画面が表示される正面側の保護パネルとして構成してもよい。
加飾部11は、保護パネル10の透過窓部12及び孔13以外の領域で、基板1上に誘電体層2と印刷層3が積層された部分であり、黒色で、電子機器の外側から見たときに、高級感のある落ち着いた光沢感を備えた外観となっている。
透過窓部12は、図1に示すように、保護パネル10の面のうち、小さな領域を占めており、可視光域の平均で91%以上の可視光透過率を有し、875nmにおいて92%以上の赤外線透過率を有している。透過窓部12は、電子機器内部の透過窓部12に対向する位置に、赤外線センサ、紫外線センサ、カメラ等を配置し、これらのセンサや機器等と電子機器外部との間で、赤外線、紫外線を含む非可視光と、可視光を透過させるために設けられる。透過窓部12は、基板1上に誘電体層2が形成された部分である。
図2に、本実施形態の保護パネル10の断面を示す。
保護パネル10は、基材としての基板1の電子機器該部側の面に、4層からなる誘電体層2と、誘電体層上の加飾部11に該当する部分に形成された印刷層3と、を備えている。
基板1は、ガラスからなるが、その他樹脂基板等を用いてもよい。樹脂基板としては、PET樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等の汎用樹脂を用いることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、超高分子ポリエチレン系樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いてもよい。また、ガラス素材、上記樹脂素材を複合した素材を用いてもよい。
基板1は、厚さ約0.5mmの板体からなるが、折り曲げが可能な薄いフィルム状から構成してもよい。
誘電体層2は、誘電体膜2a〜2dの異なる物質から形成される薄膜が4層積層されてなり、誘電体膜2a〜2dは、主たる構成材料が、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ニオブ酸化物、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、イットリウム酸化物、ランタン酸化物、フッ化マグネシウムを含む群より選ばれる材料またはそれらの混合物である。
但し、誘電体層2は、1層又は2層以上の複数層であればよいが、4層以上の異なる薄膜からなる多層膜であると特に好適である。つまり、透過窓部12を、可視光のみでなく、可視光及び非可視光の双方が透過するものとし、かつ、誘電体層2上に印刷層3を施した加飾部11を、発色する波長領域、所望の光沢感を有するようにする反射率共に、より広い範囲の中から調整することができ、ユーザーニーズに応じた所望の色、光沢感を実現できる。
印刷層3は、公知の黒色の印刷用黒インクがスクリーン印刷法により印刷されて形成されている。インクとしては、無機顔料、有機顔料、カーボン顔料等の顔料または染料からなる着色剤、として含有する公知の着色インクを用いる。着色インクには、天然樹脂、天然樹脂誘導体、合成樹脂等のバインダー(べヒクル)、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤等の溶剤のほか、必要に応じて界面活性剤、分散剤、増粘剤、反応抑制剤、乾燥促進剤等の補助剤等が添加されている。
印刷法によれば、表面の凹凸を減らし、均一な色調を達成できる。また、着色剤等の含有物として、原料の制約を受け難いため、物性コントロール等が容易である。
また、青色(450〜495nm)、赤色(620〜750nm)、緑色(495〜570nm)等、所定の波長領域の可視光線を反射するインクを用いることにより、加飾部11が、その領域の色、例えば、青、赤、緑等に発色するように構成できる。
なお、本実施形態では、発色の調整が容易な黒インクを用いているが、これに限定されるものではなく、紺色、茶色を始め、種々の色彩のインクを用いることができる。また、単色に限定されず、複数色のインクを用いて模様を描画してもよい。
また、本実施形態では、スクリーン印刷法により印刷層3を形成するため、費用の嵩むエッチングと異なり、安価でかつ量産性の高い方法で印刷層3の形成が可能となる。
なお、図2の例では、透過窓部12は、基板1上に誘電体層2が積層されてなるが、赤外光透過窓として機能させる場合には、図3のように、誘電体層2の上に、更に、黒色の赤外透過インクをスクリーン印刷法により印刷した赤外透過インク層4を形成してもよい。
赤外透過インク層4は、赤外線の透過率が高い層であり、赤外線を透過すると同時に、透過窓部12を通して、内部機器が外側に見えにくくするための目隠しとしての役割を果たす。
次に、保護パネル10の製造方法について説明する。
まず、基板1の内部機器側となる面に、電子ビーム蒸着法により、誘電体膜2a〜2dを順次成膜する。このとき、誘電体膜2a〜2dは、それぞれ異なる物質の膜とするため、誘電体膜2a〜2dごとに異なる蒸着材料を蒸発源に入れて成膜を行う。このとき、誘電体膜2a〜2dは、マスクを用いることなく、基板1全面に成膜する。
なお、本実施形態では、電子ビーム蒸着法により誘電体膜2a〜2dを成膜しているが、抵抗加熱蒸着法、スパッタリング法等、他の真空製膜法により成膜してもよい。
誘電体膜2a〜2dの成膜が完了した後、誘電体膜2d上であって、加飾部11の部分に、スクリーン印刷法により印刷層3を形成する。この工程では、ナイロン、テトロン、ステンレス等の織物からなる不図示のスクリーンであって、加飾部11の位置に開口部のパターンをレジストで形成したものを用い、黒色インクで、スクリーン印刷を行う。これにより、基板1のうち誘電体膜2d上の透過窓部12を除いた部分である加飾部11に印刷層3が形成される。
また、図3のように、透過窓部12に赤外透過インク層4を形成する場合には、印刷層3を形成した後、誘電体膜2d上であって、透過窓部12の部分に、スクリーン印刷法により、赤外透過インク層4を形成する。この工程では、透過窓部12の位置に開口部のパターンをレジストで形成したものを用い、黒色の赤外透過インクで、スクリーン印刷を行う。
必要に応じ、印刷層3上に、不図示の防汚膜等を形成してもよい。
以上で、本実施形態の保護パネル10を完成する。
<実施例>
以下、本発明の実施例についてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜3)
本例では、縦120mm、横60mm、厚さ0.5mm、波長875nmにおける反射率7.92%、可視域平均(400〜700nmの平均)の反射率8.14%で、屈折率1.52のガラス基板1上に、全面にわたって電子ビーム蒸着法により誘電体膜2a〜2dを順次成膜して積層した。
本例では、加飾部11が青色の可視光線を反射して青色に発色する実施例1の保護パネル10と、加飾部11が緑色の可視光線を反射して緑色に発色する実施例2の保護パネル10と、加飾部11が赤色の可視光線を反射して赤色に発色する実施例3の保護パネル10とを作製した。
実施例1〜3の誘電体膜2a〜2dの材料と膜厚は、表1の通りとした。
Figure 2014079944
誘電体膜2a〜2dの成膜条件は材料により若干異なるが、概略以下のような範囲である。
成膜時圧力:1×10−2〜9×10−2 Pa
導入酸素量:10〜60cc
電子ビーム電流:150〜250mA
なお、誘電体膜2a〜2dで用いたNbの屈折率は、2.2、TiOの屈折率は、2.3、Taの屈折率は、2.11、SiOの屈折率は、1.47、Yの屈折率は、1.7であった。
次いで、誘電体膜2d上の全面にスクリーン印刷を行い、加飾部11の領域に、屈折率1.5の黒色インクからなる印刷層3を形成して、図1、図2のような保護パネル10を得た。
実施例1〜3の保護パネル10の分光反射率、分光透過率をシミュレーションした結果を、図4〜図9にそれぞれ示す。
また、基板1及び実施例1〜3の透過窓部12の波長875nm(近赤外領域)と、可視域平均(400〜700nmの平均)における透過率を表2に示す。
Figure 2014079944
基板1及び実施例1〜3の加飾部11のピーク波長と、ピーク波長における最大反射率を表3に示す。
Figure 2014079944
図4〜図9及び表1〜表3より、本実施例1〜3では、加飾部11における可視光反射率を12〜13%の範囲内に維持して、加飾部11に高級感のある光沢感を付与しながら、透過窓部12では、波長875nmの近赤外線の透過率が93%以上、可視光平均の透過率が91%以上であり、近赤外線と可視光線との双方の透過率が高い近赤外線及び可視光線の透過窓としての機能を果たし得ることが分かった。
なお、基板1の波長875nm及び可視光平均(400〜700nmの平均)における反射率は、それぞれ7.92%及び8.14%であり、基板1よりも加飾部11の反射率が高められて、加飾部11に高級感のある光沢感が付与されたことが分かった。
(実施例4〜6)
本例では、縦120mm、横60mm、厚さ0.5mm、波長875nmにおける反射率7.92%、可視域平均(400〜700nmの平均)の反射率8.14%で、屈折率1.52のガラス基板1上に、全面にわたって電子ビーム蒸着法により誘電体膜2a〜2dを順次成膜して積層した。
本例では、加飾部11が青色の可視光線を反射して青色に発色する実施例4の保護パネル10と、加飾部11が緑色の可視光線を反射して緑色に発色する実施例5の保護パネル10と、加飾部11が赤色の可視光線を反射して赤色に発色する実施例6の保護パネル10とを作製した。
実施例4〜6の誘電体膜2a〜2dの材料と膜厚は、表4の通りとした。
Figure 2014079944
ここで、Zr−Tiは、ZrOとTiOの混合物に対して通常用いられる表記である。
誘電体膜2a〜2dの成膜条件は材料により若干異なるが、概略以下のような範囲である。
成膜時圧力:1×10−2〜9×10−2 Pa
導入酸素量:10〜60cc
電子ビーム電流:150〜250mA
なお、誘電体膜2a〜2dで用いたZrOの屈折率は、2.03、Zr−Tiの屈折率は、2.25、Yの屈折率は、1.7、TaOの屈折率は、2.11、SiOの屈折率は、1.47であった。
次いで、誘電体膜2d上の全面にスクリーン印刷を行い、加飾部11の領域に、屈折率1.5の黒色インクからなる印刷層3を形成して、図1、図2のような保護パネル10を得た。
実施例4〜6の保護パネル10の分光反射率、分光透過率をシミュレーションした結果を、図10〜図15にそれぞれ示す。
また、基板1及び実施例4〜6の透過窓部12の波長875nm(近赤外領域)と、可視域平均(400〜700nmの平均)における透過率を表5に示す。
Figure 2014079944
基板1及び実施例4〜6の加飾部11のピーク波長と、ピーク波長における最大反射率を表6に示す。
Figure 2014079944
図10〜図15及び表4〜表6より、本実施例4〜6では、加飾部11における可視光反射率を9.1〜9.3%の範囲内に維持して、加飾部11に若干控えめな上品さを備えた高級感のある光沢感を付与しながら、透過窓部12では、波長875nmの近赤外線の透過率が92%以上、可視光平均の透過率が92%以上であり、近赤外線と可視光線との双方の透過率が高い近赤外線及び可視光線の透過窓としての機能を果たし得ることが分かった。
なお、基板1の波長875nm及び可視光平均(400〜700nmの平均)における反射率は、それぞれ7.92%及び8.14%であり、基板1よりも加飾部11の反射率が高められて、加飾部11に若干控えめな上品さを備えた高級感のある光沢感が付与されたことが分かった。
1 基板
2 誘電体層
2a、2b、2c、2d 誘電体膜
3 印刷層
4 赤外透過インク層
10 保護パネル
11 加飾部
12 透過窓部
13 孔

Claims (8)

  1. 電子機器用の保護パネルであって、
    透明な基材と、該基材の前記電子機器が配置される側の面に形成され、前記基材側から入射する可視光及び非可視光の反射を防止する誘電体層と、該誘電体層上に、一部の領域を除いて形成された印刷層と、を備え、
    該印刷層が形成されていない前記一部の領域は、可視光及び非可視光の双方を透過する透過窓部をなし、
    前記印刷層が形成された加飾部は、前記面の逆側の面から見たときに、発色する波長領域で光沢感のある色調を示すことを特徴とする電子機器用の保護パネル。
  2. 前記加飾部の反射率が8〜20%であることを特徴とする請求項1記載の電子機器用の保護パネル。
  3. 前記非可視光は、赤外光であり、
    前記透過窓部は、前記可視光の透過率が、前記可視光域平均で91%以上であり、前記赤外光の透過率が、875nmにおいて92%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器用の保護パネル。
  4. 前記基材は、ガラスからなり、
    前記誘電体層は、主たる構成材料が、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ニオブ酸化物、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、イットリウム酸化物、ランタン酸化物、フッ化マグネシウムを含む群より選ばれる材料またはそれらの混合物であり、
    前記印刷層は、黒インクからなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の電子機器用の保護パネル。
  5. 前記誘電体層は、4層以上の多層膜から形成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の電子機器用の保護パネル。
  6. 電子機器用の保護パネルの製造方法であって、
    透明な基材の前記電子機器が配置される側の面に、前記基材側から入射する可視光及び非可視光の反射を防止する誘電体層を成膜する工程と、
    可視光及び非可視光の双方を透過する透過窓部以外の領域である加飾部に該当する領域に、開口を有するスクリーンを用いて、前記誘電体層上の前記加飾部に該当する領域に、印刷層を形成する工程と、を備え、
    前記加飾部が、前記基材の前記電子機器逆側の面から見たときに、発色する波長領域で光沢感のある色調を示す前記保護パネルを製造することを特徴とする電子機器用の保護パネルの製造方法。
  7. 前記透過窓部を複数有する請求項1又は2記載の保護パネルを筐体に用い、
    複数の前記透過窓部は、それぞれ1以上の可視光透過窓部と非可視光透過窓部とされていることを特徴とする電子機器。
  8. 前記透過窓部を複数有する請求項3記載の保護パネルを筐体に用い、
    複数の前記透過窓部は、それぞれ1以上の可視光透過窓部と赤外光透過窓部とされていることを特徴とする電子機器。
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