JP2004262192A - 遊技機用装飾フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】視角や光の当る角度によって干渉作用により微妙に色彩が変化して多彩な色彩効果を得ることができる遊技機用装飾フィルムを提供する。
【解決手段】干渉性顔料14が混合された印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層2を透明フィルム1の裏面に形成し、干渉性印刷層2の裏面には絵柄のある不透明印刷層3を形成し、さらにこの裏面に裏打ち紙4を積層する。不透明印刷層3の絵柄の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層とするのが望ましい。また、絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層2を透明フィルム1の裏面に形成し、この裏面には明度7以下の不透明印刷層3を形成することもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】干渉性顔料14が混合された印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層2を透明フィルム1の裏面に形成し、干渉性印刷層2の裏面には絵柄のある不透明印刷層3を形成し、さらにこの裏面に裏打ち紙4を積層する。不透明印刷層3の絵柄の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層とするのが望ましい。また、絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層2を透明フィルム1の裏面に形成し、この裏面には明度7以下の不透明印刷層3を形成することもできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンの盤面や装飾品に貼り付けて用いられる遊技機用装飾フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機用装飾フィルムとしては、セルロイド板等の表面に絵柄印刷層を形成したものが広く用いられている。この絵柄印刷層はセルロイド板等の表側に形成されているために、十分な光沢を持たせることが困難であり、盤面に設けられた発光器からの光線を反射させて美的効果を高めることは困難であった。
【0003】
そこで、光線を反射させて美的効果を高める装飾用フィルムとして、特開平10−99490号公報に開示されている如く、印刷が施されたシート状基体の印刷面にポリエステルなどの透明フィルムが積層されているパチンコ遊技機の台板装飾シートを先に発明した。しかしながら、この台板装飾シートにおける印刷層は、皮膜形成用樹脂、有機溶剤などからなる印刷インキを用いて絵柄を印刷したものであるので、絵柄が入射光線を単純に反射させるだけであって、装飾効果が単純であった。すなわち、反射効果は入射光にのみ依存するからであって、例えば、白色光が入射した場合には、白色の反射光しか得られない。従って、絵柄の色彩が見る角度によって真珠のように変化する干渉性のあるものではなかったので、きらびやかさや豪華さなどの装飾効果において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平10−99490号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、視角や光の当る角度によって干渉作用により微妙に色彩が変化して多彩な色彩効果を得ることができる遊技機用装飾フィルムを提供するためになされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の遊技機用装飾フィルムは、干渉性顔料が混合された印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には絵柄印刷層が形成されていることを特徴とするものであり、絵柄印刷層の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層とすることができる。また、本発明の遊技機用装飾フィルムは、干渉性顔料が混合された印刷インキにより絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には明度7以下の暗色印刷層が形成されていることを特徴とするものであり、干渉性印刷層の絵柄形状に対応させて暗色印刷層を形成することができる。以上のような遊技機用装飾フィルムにおいて、干渉性印刷層の前面又は裏面に透明絵具による絵柄印刷層を介在させることができ、また、干渉性顔料として、金属酸化物からなる基板の上に、この基板より屈折率の高い金属酸化物が積層されたフレークからなるものを用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の遊技機用装飾フィルムの断面構造を示す図であって、1はセルロイド等からなる透明フィルム、2はその裏面に形成された干渉性印刷層、3は不透明印刷層3であり、さらにその裏面に裏打ち紙4が積層されている。ここで、干渉性印刷層2は、図2に示すように干渉性顔料14が混合された印刷インキ(以下、干渉性印刷インキと記す)を用いてスクリーン印刷、オフセット印刷等により形成されたものであり、不透明印刷層3は、図3に示すような絵柄5が不透明絵具により描かれた絵柄印刷層である。
【0008】
干渉性印刷層2は、無色又は薄い黄色や水色、肌色などの単色で透明のものとすることができるが、透明とは必ずしも完全な透明である必要はなく半透明であっても裏が透けて見えるので差し支えはない。また、不透明印刷層3の絵柄5の一部又は下地51を含む全部をマンセル体系で明度7以下として、これらを図4に示すように積層することにより、よりきらびやか感が発揮されて装飾効果を大幅に高めることができる。不透明印刷層3の色が明度7を超えて明るい場合には装飾効果を発揮させる程度が弱いので明度を7以下とするのが望ましい。なお、明度を6以下とするのがさらに望ましく、明度を5以下とするのが特別に望ましい。しかし、色相、彩度は特に限定されるものではない。
【0009】
また、干渉性印刷層2を図5に示すような絵柄5が描かれた多色で透明のものとし、不透明印刷層3を図6に示すような単色又は多色で明度7以下の暗色印刷層を有するように形成する。そして、これらを積層すれば図7に示すような装飾用フィルムを形成することができる。この場合において、暗色印刷層は図柄5に対応させて図柄の裏のみに形成することによっても、図柄5を効果的に引き立てることができる。
【0010】
また、本発明の遊技機用装飾フィルムは、図8、9に示すように干渉性印刷層2の前面又は裏面に透明絵具による絵柄印刷層7を介在させることができる。すなわち、この絵柄印刷層7の介在によって装飾に大きな変化を付けることができてより一層豪華さを増すことができる。
【0011】
なお、例えば図8に示す実施形態の装飾フィルムは、透明フィルム1の裏面に絵柄印刷層7を印刷し、裏打ち紙4に形成した不透明印刷層3の上に干渉性印刷層2を印刷したうえでこれらを貼り合わせることによって製造することができるし、また、透明フィルム1の裏面に絵柄印刷層7を印刷し、さらにその裏面に干渉性印刷層2を印刷したうえで、不透明印刷層3を形成した裏打ち紙4を接着することによっても製造することができる。したがって、本発明における装飾フィルムは印刷の仕方や積層の順序によって何ら限定されるものではない。
【0012】
装飾フィルムは遊技盤全面をカバーする大きさとすることもできるし、図10に示すように、遊技盤の所要部に貼り付け可能な小シート8とすることもできる。
【0013】
以下に干渉性顔料について説明する。
本発明において、干渉性顔料として細かく裁断したポリエステル製などのホログラムフィルムを用いることができ、また、鉱物製の基板に酸化物が積層されたものを用いることができる。例えば、干渉性顔料14は、図11に示すような構造であって、厚みが100〜5000nmの鉱物など金属酸化物の薄片状基板41の上に、この基板41を構成する物質よりも屈折率の高い金属酸化物の層42が10〜500nmの厚みで被覆されており、X−Y2方向の寸法が1〜250μmであるフレークからなるものとすることができる。屈折率の高い金属酸化物の層42と、屈折率の低い基板41及びその周辺の媒体との境界で反射した光が真珠状の光沢を造り出す。また、金属酸化物層42の厚みを増加することにより特定の波長の光が増強又は減衰されて色調が変化する。
【0014】
基板41として、雲母、SiO2、Al2O3、などの金属酸化物を用いることができる。また、屈折率の高い金属酸化物として、TiO2、Fe2O3、SnO2、Cr2O3、ZnOなどを単独で、又は混合して使用することができるが、これらの酸化物は求める色合いや質感の違いにより適宜選択して使用される。本発明においては基板41として、透明度の高いSiO2層を用い、これに薄いFe2O3層が積層されたもの、或いはSiO2層に薄いTiO2層が積層されたものを用いるのが特に好ましい。なお、TiO2にはSnO2を混合するとより変化に富んだ色彩効果を引き出すことができる。SiO2層の上にFe2O3層を積層したものは、視角によって赤からゴールド系、ブロンズ系、緑へと色調が変化する。また、SiO2層の上にTiO2とSnO2との混合層を積層したものは、視角によって強い紫からシルバー、緑系、青へと色調が変化する。
【0015】
インキビヒクルは、例えば、皮膜形成成分である樹脂と、インキに流動性を与える溶剤と、助剤とからなる。樹脂としてアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエステル系などのUV硬化性樹脂などを適宜用いることができ、溶剤として脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、グリコールエーテルなどを用いることができ、また、助剤としては、分散剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、硬化促進剤などが必要に応じて使用される。
【0016】
上記したような干渉性顔料14をインキビヒクルに5〜60質量%混合して干渉性印刷インキとして用いる。干渉性印刷インキにより、図2に示したような干渉性印刷層2を印刷すると、干渉性顔料14、即ちフレークは印刷面に分散されて光の反射点となる。印刷された各フレークはある方向からみた場合、反射光の波長は同一ではなく、各フレークごとに異なる波長の反射光を増幅させて反射する。従って、各反射点からの反射光の色は様々であって、装飾フィルムは見る角度によって色調が変化する多彩な色合いを呈することができる。そして、本発明に置いては、干渉性印刷層2の裏側に不透明絵具による暗色印刷層を形成するので、その装飾効果をより高めることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の遊技機用装飾フィルムは、干渉性印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には絵柄印刷層が形成されたものであるので、干渉性顔料により見る角度によって色調が変化する多彩な色合いを呈することができる。そして、絵柄印刷層の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層としたので、装飾効果をより高めることができる。また、遊技機用装飾フィルムを、干渉性印刷インキにより絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には明度7以下の暗色印刷層が形成されたものとすることによっても多彩な色彩効果を発揮させることができる。
従って、本発明は遊技盤の装飾効果を大幅に高めることができるものとして極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の装飾フィルムの断面図である。
【図2】第1の実施形態の干渉性印刷層の正面図である。
【図3】第1の実施形態の不透明印刷層の正面図である。
【図4】第1の実施形態の装飾フィルムの正面図である。
【図5】第2の実施形態の干渉性印刷層の正面図である。
【図6】第2の実施形態の不透明印刷層の正面図である。
【図7】第2の実施形態の装飾フィルムの正面図である。
【図8】第3の実施形態の装飾フィルムの断面図である。
【図9】第4の実施形態の装飾フィルムの断面図である。
【図10】小シートの正面図である。
【図11】干渉性顔料による光の干渉を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 透明フィルム
2 干渉性印刷層
3 不透明印刷層
4 裏打ち紙
14 干渉性顔料
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンの盤面や装飾品に貼り付けて用いられる遊技機用装飾フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機用装飾フィルムとしては、セルロイド板等の表面に絵柄印刷層を形成したものが広く用いられている。この絵柄印刷層はセルロイド板等の表側に形成されているために、十分な光沢を持たせることが困難であり、盤面に設けられた発光器からの光線を反射させて美的効果を高めることは困難であった。
【0003】
そこで、光線を反射させて美的効果を高める装飾用フィルムとして、特開平10−99490号公報に開示されている如く、印刷が施されたシート状基体の印刷面にポリエステルなどの透明フィルムが積層されているパチンコ遊技機の台板装飾シートを先に発明した。しかしながら、この台板装飾シートにおける印刷層は、皮膜形成用樹脂、有機溶剤などからなる印刷インキを用いて絵柄を印刷したものであるので、絵柄が入射光線を単純に反射させるだけであって、装飾効果が単純であった。すなわち、反射効果は入射光にのみ依存するからであって、例えば、白色光が入射した場合には、白色の反射光しか得られない。従って、絵柄の色彩が見る角度によって真珠のように変化する干渉性のあるものではなかったので、きらびやかさや豪華さなどの装飾効果において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平10−99490号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、視角や光の当る角度によって干渉作用により微妙に色彩が変化して多彩な色彩効果を得ることができる遊技機用装飾フィルムを提供するためになされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の遊技機用装飾フィルムは、干渉性顔料が混合された印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には絵柄印刷層が形成されていることを特徴とするものであり、絵柄印刷層の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層とすることができる。また、本発明の遊技機用装飾フィルムは、干渉性顔料が混合された印刷インキにより絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には明度7以下の暗色印刷層が形成されていることを特徴とするものであり、干渉性印刷層の絵柄形状に対応させて暗色印刷層を形成することができる。以上のような遊技機用装飾フィルムにおいて、干渉性印刷層の前面又は裏面に透明絵具による絵柄印刷層を介在させることができ、また、干渉性顔料として、金属酸化物からなる基板の上に、この基板より屈折率の高い金属酸化物が積層されたフレークからなるものを用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の遊技機用装飾フィルムの断面構造を示す図であって、1はセルロイド等からなる透明フィルム、2はその裏面に形成された干渉性印刷層、3は不透明印刷層3であり、さらにその裏面に裏打ち紙4が積層されている。ここで、干渉性印刷層2は、図2に示すように干渉性顔料14が混合された印刷インキ(以下、干渉性印刷インキと記す)を用いてスクリーン印刷、オフセット印刷等により形成されたものであり、不透明印刷層3は、図3に示すような絵柄5が不透明絵具により描かれた絵柄印刷層である。
【0008】
干渉性印刷層2は、無色又は薄い黄色や水色、肌色などの単色で透明のものとすることができるが、透明とは必ずしも完全な透明である必要はなく半透明であっても裏が透けて見えるので差し支えはない。また、不透明印刷層3の絵柄5の一部又は下地51を含む全部をマンセル体系で明度7以下として、これらを図4に示すように積層することにより、よりきらびやか感が発揮されて装飾効果を大幅に高めることができる。不透明印刷層3の色が明度7を超えて明るい場合には装飾効果を発揮させる程度が弱いので明度を7以下とするのが望ましい。なお、明度を6以下とするのがさらに望ましく、明度を5以下とするのが特別に望ましい。しかし、色相、彩度は特に限定されるものではない。
【0009】
また、干渉性印刷層2を図5に示すような絵柄5が描かれた多色で透明のものとし、不透明印刷層3を図6に示すような単色又は多色で明度7以下の暗色印刷層を有するように形成する。そして、これらを積層すれば図7に示すような装飾用フィルムを形成することができる。この場合において、暗色印刷層は図柄5に対応させて図柄の裏のみに形成することによっても、図柄5を効果的に引き立てることができる。
【0010】
また、本発明の遊技機用装飾フィルムは、図8、9に示すように干渉性印刷層2の前面又は裏面に透明絵具による絵柄印刷層7を介在させることができる。すなわち、この絵柄印刷層7の介在によって装飾に大きな変化を付けることができてより一層豪華さを増すことができる。
【0011】
なお、例えば図8に示す実施形態の装飾フィルムは、透明フィルム1の裏面に絵柄印刷層7を印刷し、裏打ち紙4に形成した不透明印刷層3の上に干渉性印刷層2を印刷したうえでこれらを貼り合わせることによって製造することができるし、また、透明フィルム1の裏面に絵柄印刷層7を印刷し、さらにその裏面に干渉性印刷層2を印刷したうえで、不透明印刷層3を形成した裏打ち紙4を接着することによっても製造することができる。したがって、本発明における装飾フィルムは印刷の仕方や積層の順序によって何ら限定されるものではない。
【0012】
装飾フィルムは遊技盤全面をカバーする大きさとすることもできるし、図10に示すように、遊技盤の所要部に貼り付け可能な小シート8とすることもできる。
【0013】
以下に干渉性顔料について説明する。
本発明において、干渉性顔料として細かく裁断したポリエステル製などのホログラムフィルムを用いることができ、また、鉱物製の基板に酸化物が積層されたものを用いることができる。例えば、干渉性顔料14は、図11に示すような構造であって、厚みが100〜5000nmの鉱物など金属酸化物の薄片状基板41の上に、この基板41を構成する物質よりも屈折率の高い金属酸化物の層42が10〜500nmの厚みで被覆されており、X−Y2方向の寸法が1〜250μmであるフレークからなるものとすることができる。屈折率の高い金属酸化物の層42と、屈折率の低い基板41及びその周辺の媒体との境界で反射した光が真珠状の光沢を造り出す。また、金属酸化物層42の厚みを増加することにより特定の波長の光が増強又は減衰されて色調が変化する。
【0014】
基板41として、雲母、SiO2、Al2O3、などの金属酸化物を用いることができる。また、屈折率の高い金属酸化物として、TiO2、Fe2O3、SnO2、Cr2O3、ZnOなどを単独で、又は混合して使用することができるが、これらの酸化物は求める色合いや質感の違いにより適宜選択して使用される。本発明においては基板41として、透明度の高いSiO2層を用い、これに薄いFe2O3層が積層されたもの、或いはSiO2層に薄いTiO2層が積層されたものを用いるのが特に好ましい。なお、TiO2にはSnO2を混合するとより変化に富んだ色彩効果を引き出すことができる。SiO2層の上にFe2O3層を積層したものは、視角によって赤からゴールド系、ブロンズ系、緑へと色調が変化する。また、SiO2層の上にTiO2とSnO2との混合層を積層したものは、視角によって強い紫からシルバー、緑系、青へと色調が変化する。
【0015】
インキビヒクルは、例えば、皮膜形成成分である樹脂と、インキに流動性を与える溶剤と、助剤とからなる。樹脂としてアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエステル系などのUV硬化性樹脂などを適宜用いることができ、溶剤として脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、グリコールエーテルなどを用いることができ、また、助剤としては、分散剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、硬化促進剤などが必要に応じて使用される。
【0016】
上記したような干渉性顔料14をインキビヒクルに5〜60質量%混合して干渉性印刷インキとして用いる。干渉性印刷インキにより、図2に示したような干渉性印刷層2を印刷すると、干渉性顔料14、即ちフレークは印刷面に分散されて光の反射点となる。印刷された各フレークはある方向からみた場合、反射光の波長は同一ではなく、各フレークごとに異なる波長の反射光を増幅させて反射する。従って、各反射点からの反射光の色は様々であって、装飾フィルムは見る角度によって色調が変化する多彩な色合いを呈することができる。そして、本発明に置いては、干渉性印刷層2の裏側に不透明絵具による暗色印刷層を形成するので、その装飾効果をより高めることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の遊技機用装飾フィルムは、干渉性印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には絵柄印刷層が形成されたものであるので、干渉性顔料により見る角度によって色調が変化する多彩な色合いを呈することができる。そして、絵柄印刷層の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層としたので、装飾効果をより高めることができる。また、遊技機用装飾フィルムを、干渉性印刷インキにより絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には明度7以下の暗色印刷層が形成されたものとすることによっても多彩な色彩効果を発揮させることができる。
従って、本発明は遊技盤の装飾効果を大幅に高めることができるものとして極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の装飾フィルムの断面図である。
【図2】第1の実施形態の干渉性印刷層の正面図である。
【図3】第1の実施形態の不透明印刷層の正面図である。
【図4】第1の実施形態の装飾フィルムの正面図である。
【図5】第2の実施形態の干渉性印刷層の正面図である。
【図6】第2の実施形態の不透明印刷層の正面図である。
【図7】第2の実施形態の装飾フィルムの正面図である。
【図8】第3の実施形態の装飾フィルムの断面図である。
【図9】第4の実施形態の装飾フィルムの断面図である。
【図10】小シートの正面図である。
【図11】干渉性顔料による光の干渉を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 透明フィルム
2 干渉性印刷層
3 不透明印刷層
4 裏打ち紙
14 干渉性顔料
Claims (6)
- 干渉性顔料が混合された印刷インキによる無色又は単色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には絵柄印刷層が形成されていることを特徴とする遊技機用装飾フィルム。
- 絵柄印刷層の一部又は全部を明度7以下の暗色印刷層とした請求項1に記載の遊技機用装飾フィルム。
- 干渉性顔料が混合された印刷インキにより絵柄が描かれた多色で透明の干渉性印刷層が透明フィルムの裏面に形成され、干渉性印刷層の裏面には明度7以下の暗色印刷層が形成されていることを特徴とする遊技機用装飾フィルム。
- 干渉性印刷層の絵柄形状に対応させて暗色印刷層を形成した請求項3に記載の遊技機用装飾フィルム。
- 干渉性印刷層の前面又は裏面に透明絵具による絵柄印刷層が介在されている請求項1〜4の何れかに記載の遊技機用装飾フィルム。
- 干渉性顔料が金属酸化物からなる基板の上に、この基板より屈折率の高い金属酸化物が積層されたフレークからなるものである請求項1〜5の何れかに記載の遊技機用装飾フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003057214A JP2004262192A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 遊技機用装飾フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003057214A JP2004262192A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 遊技機用装飾フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004262192A true JP2004262192A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33120692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003057214A Withdrawn JP2004262192A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 遊技機用装飾フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004262192A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007268107A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Samii Kk | 遊技機における装飾部材 |
JP2008525218A (ja) * | 2004-12-24 | 2008-07-17 | バカラ | 二色性の性質の装飾用視覚効果を呈するクリスタルガラスの板 |
CN104070738A (zh) * | 2013-03-26 | 2014-10-01 | 官振国 | 具光反射微结构的保护贴 |
-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003057214A patent/JP2004262192A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008525218A (ja) * | 2004-12-24 | 2008-07-17 | バカラ | 二色性の性質の装飾用視覚効果を呈するクリスタルガラスの板 |
JP2007268107A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Samii Kk | 遊技機における装飾部材 |
CN104070738A (zh) * | 2013-03-26 | 2014-10-01 | 官振国 | 具光反射微结构的保护贴 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |