JP6700734B2 - 肌荒れ防止光硬化性組成物 - Google Patents

肌荒れ防止光硬化性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6700734B2
JP6700734B2 JP2015224830A JP2015224830A JP6700734B2 JP 6700734 B2 JP6700734 B2 JP 6700734B2 JP 2015224830 A JP2015224830 A JP 2015224830A JP 2015224830 A JP2015224830 A JP 2015224830A JP 6700734 B2 JP6700734 B2 JP 6700734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
component
meth
glyceryl ether
photocurable composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015224830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017088827A (ja
Inventor
萩原 浩二
浩二 萩原
Original Assignee
カナヱ塗料株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カナヱ塗料株式会社 filed Critical カナヱ塗料株式会社
Priority to JP2015224830A priority Critical patent/JP6700734B2/ja
Publication of JP2017088827A publication Critical patent/JP2017088827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6700734B2 publication Critical patent/JP6700734B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、肌荒れ防止光硬化性組成物に関する。
近年、携帯電話又はスマートフォン、タブレット型端末、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機などの電子機器において、タッチパネル搭載型のものが増加している。主なタッチパネルの動作方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波方式、電磁誘導方式などがあげられ、なかでも2点同時押しを可能にした静電容量方式タッチパネルの需要が拡大している。静電容量方式のタッチパネルでは、画面に指で触れると発生する微弱な電流、つまり静電容量(電荷)の変化をセンサーで感知し、タッチした位置を把握する。指の表面上の水分(汗等)が電極となるため、水分の不足した指では静電容量(電荷)の変化が小さく、センサーが感知できないという課題が生じる。特に、タッチパネル画面上でタッチ動作を繰り返すことが皮脂膜を減少させ、指先が乾燥することで、さらにタッチ感度が低下すると考えられる。
指先の乾燥を防ぐために、指先にハンドクリーム等の皮膚外用剤を塗布することが考えられる。しかし、指先に塗り広げた後に、皮膚外用剤が衣服に拭い去られることにより、期待した効果が得られない場合がある。さらに、その皮膚外用剤がタッチパネル操作時に画面上で汚染物となり、視認性が低下する恐れがある。
従来より、タッチパネルの表面には、傷付き防止のためにハードコート層を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)、分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート(B−1)及び/又はエポキシ(メタ)アクリレート(B−2)及び一次粒径が1nm以上200nm以下のコロイダルシリカ(C)を含有する紫外線硬化型ハードコート樹脂組成物を用いてハードコート層を形成することが記載されている。しかしながら、特許文献1には、当該ハードコート樹脂組成物の硬化塗膜がタッチパネル使用時の指先の潤いを保てるかどうかについて何ら記載されていない。
特開2009−024168号公報
本発明の目的は、硬度及び耐擦傷性が良好で、操作時に発生する指先の乾燥を抑制して肌荒れを防止するコーティング膜を形成することができる光硬化性組成物を提供することにある。
本発明者が、硬度及び耐擦傷性が良好で、操作時に発生する指先の乾燥を抑制して肌荒れを防止するコーティング膜を形成することができる光硬化性組成物を開発すべく鋭意検討を行った結果、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテルとトリマー酸とイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとを構成成分とする光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを肌荒れ防止光硬化性組成物として利用することにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記項1〜項に示す肌荒れ防止光硬化性組成物に係る。
項1. 3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)、トリマー酸成分(a2)、及びイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)の反応物である光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を含有し、
前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)と前記トリマー酸成分(a2)と前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)の構成比率が、(a1):(a2):(a3)=2〜3モル:1モル:2〜12モルである、
肌荒れ防止光硬化性組成物。
. 前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)が、グリセリルエーテル1モルに対して、オキシプロピレン基が4〜52モル、オキシエチレン基が3〜32モル付加されたポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである、上記項に記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
. 前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)が、グリセリルエーテル1モルに対して、オキシプロピレン基が2〜8モル、オキシエチレン基が5〜11モル、オキシブチレン基が1〜3モル付加されたポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである、上記項に記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
. さらに光重合性化合物(B)を含有し、その重量比率が、(A):(B)=0.1〜50:50〜99.9である、上記項1〜のいずれかに記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
. さらに光重合開始剤を含有する、上記項1〜のいずれかに記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物は、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)とトリマー酸成分(a2)とイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)とを構成成分とする光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を含んでいるので、硬度及び耐擦傷性が良好で、操作時に発生する指先の乾燥を抑制して肌荒れを防止するコーティング膜を形成することができる。本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物により得られるコーティング膜は、透明性にも優れており、指先で操作する際に発生する指先の乾燥を抑制してタッチ感度の低下を防ぐことができるので、タッチパネルの表面保護膜として使用することに適している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物は、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)(以下、「(a1)成分」という場合もある)、トリマー酸成分(a2)(以下、「(a2)成分」という場合もある)、及びイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)(以下、「(a3)成分」という場合もある)の反応物である光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を含有する肌荒れ防止光硬化性組成物を含有することを特徴としている。光硬化性組成物にこのような光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)が含まれることにより、硬度及び耐擦傷性が良好で、操作時に発生する指先の乾燥を抑制して肌荒れを防止するコーティング膜を形成することが可能となる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)として、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等が挙げられる。(a1)成分として、これらの化合物のいずれか一方を使用することができ、又は両方の化合物を併用することも可能である。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、グリセリルエーテル1モルに対して、オキシプロピレン基が4〜52モル、オキシエチレン基が3〜32モル付加されたものであることが好ましい。また、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、グリセリルエーテル1モルに対して、オキシプロピレン基が2〜8モル、オキシエチレン基が5〜11モル、オキシブチレン基が1〜3モル付加されたものであることが好ましい。
本発明で用いられる(a1)成分は、公知の方法により製造することが可能である。(a1)成分がポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである場合には、例えば、グリセリンに、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドを共重合することにより得ることができる。各成分の配合割合は、グリセリン1モルに対して、プロピレンオキサイド4〜52モル程度、エチレンオキサイド3〜32モル程度であることが好ましい。(a1)成分がポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである場合には、例えば、グリセリンに、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドを共重合した後、さらにブチレンオキサイドを付加重合することにより得ることができる。各成分の配合割合は、グリセリン1モルに対して、プロピレンオキサイド2〜8モル程度、エチレンオキサイド5〜11モル程度、ブチレンオキサイド1〜3モル程度であることが好ましい。アルキレンオキサイドはランダム状に付加してもブロック状に付加してもよい。ランダム状に付加されているものが好ましい。
(a1)成分として、市販品を使用することもできる。市販品として、例えば、株式会社日油製のウィルブライド(登録商標)S−753(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)、数平均分子量950)、株式会社日油製のユニルーブ50TG−32(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24EO)(24PO)、数平均分子量2540)等を挙げることができる。なお、BOはオキシブチレン基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。
前記トリマー酸成分(a2)には、不飽和脂肪酸の三量体からなるトリカルボン酸でありトリマー酸、及び該トリマー酸が通常有する不飽和結合を還元した水素化トリマー酸が含まれる。トリマー酸及び水素化トリマー酸は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
トリマー酸は、不飽和脂肪酸の三量体からなるトリカルボン酸である。トリマー酸を構成する不飽和脂肪酸としては、炭素数10以上のものが好ましく、炭素数が18のものがより好ましい。炭素数18の不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸等が挙げられる。トリマー酸は、これらの不飽和脂肪酸を三量化することにより調製することができる。例えば、上記の炭素数18の不飽和脂肪酸をモンモリロナイト等の粘土触媒を用いて重合することにより、炭素数54のトリマー酸、炭素数36のダイマー酸、炭素数18のモノマー酸を含む混合物が得られ、この混合物を、真空蒸留、分子蒸留等を行い、トリマー酸だけを分離することによりトリマー酸を得ることができる。
一般に入手可能なトリマー酸は、菜種油、大豆油及びトール油等の植物由来の原料から生成され、不飽和脂肪酸の低重合体からトリマーを分離することにより得られるものである。精製の度合いに応じて、任意量のダイマー酸又はモノマー酸を含有する。一般に、トリマー酸の含有量が70重量%程度を超えるものが、トリマー酸として流通している。
トリマー酸は、1種類のトリマー酸を使用することもできるし、2種以上のトリマー酸を混合して使用することもできる。
水素化トリマー酸とは、トリマー酸に水素添加することにより、トリマー酸が通常有する不飽和二重結合を還元したトリマー酸をいう。本発明で使用する水素化トリマー酸は、上述したトリマー酸をそれぞれ水素添加して還元したものを使用することができる。
特に、トリマー酸を構成する不飽和脂肪酸の炭素数が18であるトリマー酸を水素添加して還元したものが好ましく、トリマー酸を構成する不飽和脂肪酸がオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸であるトリマー酸を水素添加して還元したものがより好ましい。
水素化トリマー酸は、1種類の水素化トリマー酸を使用することもできるし、2種以上の水素化トリマー酸を混合して使用することもできる。
(a2)成分として、市販品を使用することもできる。市販品として、例えば、クローダジャパン社製の「PRIPOL 1040」、築野食品工業株式会社製の「ツノダイム(登録商標)346」などが挙げられる。
前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)は、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基とを有するものであれば、その構造は特に限定されない。(a3)成分として、例えば、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−(イソシアナトエチルオキシ)チルアクリレート、2−(イソシアナトエチルオキシ)チルメタクリレート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。
(a3)成分として、市販品を使用することもできる。市販品として、「カレンズBEI(登録商標)」、「カレンズMOI(登録商標)」、「カレンズAOI(登録商標)」(いずれも昭和電工株式会社製)等を挙げることができる。
光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)とトリマー酸成分(a2)とイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)の構成比率が、(a1):(a2):(a3)=2〜3モル:1モル:2〜12モルであることが好ましく、(a1):(a2):(a3)=3モル:1モル:6モルがより好ましい。
光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、例えば、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)とトリマー酸成分(a2)とのエステル化によりポリエステルポリオール化合物を製造し、得られたポリエステルポリオール化合物をイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)でウレタン化することにより製造することができる。エステル化反応は、(a2)成分1モルに対して、(a1)成分を2〜3モル使用し、窒素気流下で行うことが好ましい。この反応は、必要に応じて、溶媒還流下で行うことができる。溶媒として、キシレン、トルエン等を使用することができる。反応温度は、通常200〜250℃程度、好ましくは230〜250℃程度である。反応時間は、通常4〜12時間程度、好ましくは8〜12時間程度である。エステル化反応は、固形分酸価が1以下になったときを終了とする。固形分酸価は、JIS K5601−2−1に従って滴定法により測定する。エステル化が終了した後、反応液を冷却し、(a3)成分を混合して、ウレタン化反応を行う。反応温度は、通常20〜60℃程度、好ましくは40℃程度である。反応時間は、通常4〜48時間程度、好ましくは16〜24時間程度である。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物において、上記光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の使用量は、肌荒れ防止光硬化性組成物の固形分を100重量部とした場合、通常0.01〜100重量部(固形分重量比)程度、好ましくは0.1〜50重量部(固形分重量比)程度である。光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の使用量を上記範囲とすることにより、形成されるコーティング膜の硬度及び耐擦傷性が良好になるとともに、タッチパネル等の操作時に発生する指先の乾燥を抑制して潤いを維持し、肌荒れを防止することができる。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物は、さらに光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)以外の他の光重合性化合物(B)を含むことが好ましい。他の光重合性化合物(B)を含むことによって、肌荒れ防止光硬化性組成物の光硬化性が向上し、得られるコーティング膜の機械的強度を向上させることができる。他の光重合性化合物(B)として、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。なお2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、モノマーであってもオリゴマーであってもよい。
他の光重合性化合物(B)として、具体的には、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ化)ビスフェノールAジアクリレート、(プロポキシ化)ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(エトキシ化)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、(プロポキシ化)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、(エトキシ化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、(プロポキシ化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキッドポリ(メタ)アクリレート、ポリエポキシポリ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの他の光重合性化合物(B)は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。他の光重合性化合物(B)として、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。これは、形成されるハードコート層の物性のバランスを容易にとることが可能となるからである。多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得ることができる。具体的には、共栄社化学株式会社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等;日本合成化学工業株式会社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等;新中村化学工業株式会社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等;根上工業株式会社製、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS等を挙げることができるがこの限りではない。
他の光重合性化合物(B)は、肌荒れ防止光硬化性組成物の固形分を100重量部とした場合、50〜99.9重量部(固形分重量比)程度を用いるのが好ましい。他の光重合性化合物(B)の量が50重量部より少ない場合は、耐擦傷性、表面の膜硬度などの物理的強度が劣るおそれがある。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物は、目的に応じて、光重合開始剤(C)を添加することができる。光重合開始剤(C)としては、従来から公知のものを広く使用することができる。光重合開始剤(C)の例として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤などが挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどが挙げられる。さらには、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノンなどの水素引き抜き型開始剤を用いることもできる。これらの光重合開始剤(C)は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤(C)のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどがより好ましく用いられる。
光重合開始剤(C)は、光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(A)及び他の光重合性化合物(B)の合計固形分を100重量部とした場合、0.01〜20重量部程度を用いるのが好ましい。光重合開始剤(C)の量が上記範囲を外れる場合は、物理的強度が低下するおそれがある。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物はさらに、必要に応じて、希釈溶媒としての有機溶媒を含んでもよい。このような有機溶媒として、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリットなどの脂肪族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、などのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また混合して用いてもよい。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物にはさらに、必要に応じて、抗菌剤、帯電防止剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、金属ナノ粒子、シリカナノ粒子、有機系微粒子、無機系微粒子、顔料などの通常用いられる添加剤を添加し、それぞれ目的とする機能性を付与することも可能である。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物は、上記光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、並びに必要に応じて、他の光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、希釈溶媒及びその他の任意成分を、任意の順序で混合することにより得ることができる。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物からコーティング膜を形成する方法として、例えば、上述した肌荒れ防止光硬化性組成物を基材又は基板上に塗布し、必要により乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法が挙げられる。
基材又は基板は、用途に応じて選択することができる。例えば、木材等の多孔質体;アルミニウム、銅等の金属;ガラス、石英等のセラミックス;ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物は、透明性が高いため、光学用途に適しており、上記基材のうち、透明フィルムの上にコーティングすることにより、透明基材又は透明フィルムとの積層体として利用することが好ましい。透明フィルムとしては、透明性に優れ、肌荒れ防止光硬化性組成物との密着性に優れる点から、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィン系ポリマーなどのフィルムが挙げられる。使用するフィルムは、柄又は易接着層を設けたもの、コロナ処理等の表面処理をしたもの、離型処理をしたもの等を用いることもできる。
肌荒れ防止光硬化性組成物の塗工方法は、特に制限されない。例えばスプレーコート法、フローコート法、カーテンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの公知の方法を用いることができる。塗工は、肌荒れ防止光硬化性組成物を、基材の表裏両面又は片面に、直接又はプライマー層を介して、上記方法を用いることができる。
肌荒れ防止光硬化性組成物は、塗布した後、乾燥してもよく、例えば、40〜150℃程度で乾燥することができる。例えば、肌荒れ防止光硬化性組成物が希釈溶剤を含む場合には、基材上に塗布した後、基材及び雰囲気の温度を上げて十分に希釈溶剤を除去することが好ましい。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物を塗布した後、硬化させるために、活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線として、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線及び電子線等が挙げられる。これらの中で、紫外線が好ましい。活性エネルギー線の照射方法として、通常の光硬化性組成物の硬化方法と同様の方法を用いることができる。活性エネルギー線照射装置として、紫外線を用いる場合には、波長が200〜450nmの領域にスペクトル分布を有するフュージョンUVシステムズ社製Hバルブ、Dバルブ等の無電極ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ等を使用することができる。活性エネルギー線の照射量は、積算光量として通常10〜3000mJ/cmであり、好ましくは50〜2000mJ/cmである。照射するときの雰囲気は、空気中、又は窒素、アルゴンなどの不活性ガス中のいずれでもよい。
肌荒れ防止光硬化性組成物の塗膜の厚みは特に制限されない。コーティング膜として実用的な性能を得るためには硬化後の膜厚が1μm以上、100μm以下であることが好ましい。タッチパネル用肌荒れ防止光硬化性組成物の塗膜の厚みが、上記範囲内であることにより、活性エネルギー線の照射によって内部まで均一に硬化させることができ、また、コーティング膜と基材との密着性が良好になり、塗膜の硬化収縮によるクラックなどが発生しにくくなる。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物から形成されたコーティング膜は、硬度が高く表示面の保護に有効であるだけでなく、指先で操作した際に発生する皮脂膜の減少を防ぎ、指先の肌荒れを防止することができる。そのため、表示面(例えば、タッチパネル面等)に配設して表面を保護するとともに、表示面及び/又は操作面での指先の皮脂膜の減少を防ぐためのフィルムとして有用である。
本発明の肌荒れ防止光硬化性組成物から形成されたコーティング膜は、例えば、タッチパネル、液晶表示装置(LCD)、有機ELディスプレイ、PDP、FED、CRT等のディスプレイに用いることができる。特に指先で入出力操作がなされるタッチパネル方式の表示面又は操作面、タッチパネルを搭載した車載機器、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビ、パソコン、携帯用ゲーム機等に上記コーティング膜を配設して表面を保護するのに適している。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
撹拌機付き四つ口フラスコに、トリマー酸成分(a2)としてPRIPOL1040(トリマー酸75%及びダイマー酸25%、クローダジャパン社製)を0.1モル(84重量部)、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)としてウィルブライド(登録商標)S−753(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)、日本油脂株式会社製)を0.3モル(285重量部)、還流溶媒としてキシレンを50重量部仕込み、窒素気流下で徐々に昇温し、240℃で10時間反応させ、固形分酸価が1以下になったところで40℃まで冷却した。そこへ滴下装置を用いてイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)としてカレンズAOIを0.6モル(85重量部)、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを400重量部仕込み、40℃の温度条件で加熱撹拌を行った。同温度で24時間撹拌を行い、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを仕込み、固形分が50重量%になるように調整した数平均分子量4300の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液1を得た。
なお、固形分酸価の測定は、以下のように行った。試料10gを共栓フラスコに精密に量り採り、エタノール・トルエン混液(50:50)100mLを加えて溶解した。これに、数滴のフェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する淡紅色を呈するまで0.1mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定した。固形分酸価は、滴定に要した0.1mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液の液量から、下式により算出した。
固形分酸価=a×F×5.611×100/m×NV
a:0.1mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液の量(mL)
F:0.1mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液の力価
m:試料の質量(g)
NV:加熱残分(%)、JIS K5601−1−2によって測定
(合成例2)
(a3)成分としてカレンズBEIを使用した以外は、合成例1と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液2を得た。
(合成例3)
(a1)成分として、以下の方法で製造したものを使用した以外は、合成例1と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液3を得た。
グリセリン92g(1モル)、及び触媒として水酸化カリウム6gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃ で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド11モル(484g)及びプロピレンオキシド8モル(464g)の混合物を滴下させ、2時間攪拌した。さらに滴下装置により1,2−ブチレンオキシド1モル(72g)を滴下させ、2時間攪拌し反応させた。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸を加えて中和してpH6〜7とした。含有する水分を除去するため50mmHgに減圧し、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシエチレン基が11モル、ポリオキシプロピレン基が8モル、ポリオキシブチレン基が1モル付加した数平均分子量1110の3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル(a1)を得た。
(合成例4〜10)
(a1)成分として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び1,2−ブチレンオキシドを表1に記載されているモル数使用した以外は合成例3と同様にして製造したものを使用し、それ以外は合成例1と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液4〜10を得た。
(合成例11)
撹拌機付き四つ口フラスコに、(a2)成分としてPRIPOL1040を0.1モル(84重量部)、(a1)成分としてユニルーブ50TG−32(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24EO)(24PO)、日本油脂株式会社製)を0.3モル(762重量部)、還流溶媒としてキシレン50重量部仕込み、窒素気流下で徐々に昇温し240℃で10時間反応させ固形分酸価が1以下になったところで40℃まで冷却し、滴下装置を用いて(a3)成分としてカレンズAOIを0.6モル(85重量部)、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを870重量部仕込み、40℃の温度条件で加熱撹拌をおこなった。同温度で24時間撹拌を行い、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを仕込み固形分が50重量%になるように調整した数平均分子量9100の光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(A)溶液11を得た。
(合成例12〜18)
(a1)成分としてユニルーブ50TG−32を表1に記載のモル数で用い、(a3)成分として表1に記載の化合物を表1に記載のモル数で用いて、合成例11と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液12〜18を得た。
(合成例19)
(a1)成分として、以下の方法で製造したものを使用した以外は、合成例11と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液19を得た。
グリセリン92g(1モル)及び触媒として水酸化カリウム6gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド3モル(132g)及びプロピレンオキシド52モル(3016g)の混合物を滴下させ、2時間攪拌し反応させた。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸を加えて中和してpH6〜7とした。含有する水分を除去するため50mmHgに減圧し、100℃ で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシエチレン基が3モル、ポリオキシプロピレン基が52モル付加した数平均分子量3240の3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル(a1)を得た。
(合成例20〜21)
(a1)成分として、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを表1に記載されているモル数使用した以外は合成例19と同様にして製造したものを使用し、それ以外は合成例11と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液20〜21を得た。
(合成例22)
撹拌機付き四つ口フラスコに(a1)成分としてユニルーブ50TG−32(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)を0.1モル(254重量部)仕込み、窒素気流下で徐々に40℃まで昇温し、滴下装置を用いて(a3)成分としてカレンズAOIを0.3モル(42重量部)、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを290重量部仕込み、40℃の温度条件で加熱撹拌をおこなった。同温度で24時間撹拌を行い、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを仕込み固形分が50重量%になるように調整した数平均分子量2800の光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(A)溶液22を得た。
(合成例23)
(a1)成分として、合成例19で製造したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルを0.1モル(324重量部)使用した以外は、合成例22と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液23を得た。
(合成例24)
(a3)成分を使用しなかった以外は、合成例11と同様にして光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液24を得た。
(合成例25)
撹拌機付き四つ口フラスコに、(a2)成分の代わりにダイマー酸を0.1モル(56重量部)、(a1)成分としてユニルーブ50TG−32(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)を0.2モル(508重量部)、還流溶媒としてキシレン50重量部仕込み、窒素気流下で徐々に昇温し240℃で10時間反応させ固形分酸価が1以下になったところで40℃まで冷却し、滴下装置を用いて(a3)成分としてカレンズAOIを0.2モル(28重量部)、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを540重量部仕込み、40℃の温度条件で加熱撹拌をおこなった。同温度で24時間撹拌を行い、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを仕込み固形分が50重量%になるように調整した数平均分子量5600の光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(A)溶液25を得た。
(合成例26)
撹拌機付き四つ口フラスコに、(a2)成分としてPRIPOL1040を0.1モル(84重量部)、(a1)成分の代わりにプロノン#201を0.3モル(675重量部)、還流溶媒としてキシレン50重量部仕込み、窒素気流下で徐々に昇温し240℃で10時間反応させ固形分酸価が1以下になったところで40℃まで冷却し、滴下装置を用いて(a3)成分としてカレンズAOIを0.3モル(42重量部)、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを750重量部仕込み、40℃の温度条件で加熱撹拌をおこなった。同温度で24時間撹拌を行い、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを仕込み固形分が50重量%になるように調整した数平均分子量7600の光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(A)溶液26を得た。
(合成例27)
撹拌機付き四つ口フラスコに、(a1)成分の代わりにプロノン#201を0.1モル(225重量部)仕込み、窒素気流下で徐々に40℃まで昇温し、滴下装置を用いて(a3)成分としてカレンズAOIを0.2モル(28重量部)、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを250重量部仕込み、40℃の温度条件で加熱撹拌をおこなった。同温度で24時間撹拌を行い、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを仕込み固形分が50重量%になるように調整した数平均分子量2400の光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(A)溶液27を得た。
数平均分子量の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;日本分光株式会社製
カラム;Shodex GPC KF−806M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI、UV
実施例1〜27で使用した(a1)、(a2)及び(a3)成分、及びそれらの添加モル数を表1に示す。なお、(a1)成分には、ポリオキシアルキレン部分におけるオキシプロピレン基(PO)、オキシエチレン基(EO)及びオキシブチレン基(BO)の付加モル数を記載した。
Figure 0006700734
表1中の各成分は以下のとおりである。
プロノン#201:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(5EO)(35PO)(数平均分子量2250、日本油脂株式会社製)
ダイマー酸:PRIPOL1009(ダイマー酸99%、クローダジャパン社製)
カレンズBEI(登録商標):1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工株式会社製)
カレンズAOI(登録商標):2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工株式会社製)
カレンズMOI(登録商標):2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製)
(実施例1)肌荒れ防止光硬化性組成物の調製
合成例11で得られた光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液 0.2重量部、光重合性化合物(B)として紫光UV−7605B 99.9重量部、イルガキュア184 5重量部、メチルエチルケトン 50重量部を順次混合してタッチパネル用肌荒れ防止光硬化性組成物を得た。得られた組成物を、易接着処理PETフィルム上に塗膜の厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間加熱して溶剤を除去し、乾燥した。その後、高圧水銀灯(80W/cm)で紫外線を1000mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、硬化させることにより肌荒れ防止コーティング膜を得た。
(実施例2〜27)肌荒れ防止光硬化組成物の調製
合成例11より得られた光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液の代わりに、合成例1〜10及び合成例12〜21で得られたものを表2に記載された量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合することにより各光硬化組成物を作製した。得られた各組成物を、易接着処理PETフィルム上に塗膜の厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間加熱して溶剤を除去し、乾燥した。その後、高圧水銀灯(80W/cm)で紫外線を1000mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、硬化させることにより肌荒れ防止コーティング膜を得た。
(比較例1〜7)光硬化組成物の調製
合成例11より得られた光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)溶液の代わりに、合成例22〜27で得られたものを表2に記載された量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合することにより光硬化組成物を作製した、得られた各組成物を、易接着処理PETフィルム上に塗膜の厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間加熱して溶剤を除去し、乾燥した。その後、高圧水銀灯(80W/cm)で紫外線を1000mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、硬化させることによりコーティング膜を得た。
上記実施例及び比較例で使用した製品は、以下のとおりである。
紫光UV−7605B:多官能ウレタンアクリレート (日本合成化学工業株式会社製)
イルガキュア184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン (BASFジャパン株式会社製)
易接着処理PETフィルム:コスモシャイン(登録商標)A4300 (東洋紡株式会社製)
Figure 0006700734
このようにして得られた各試験片について、下記に示す評価方法に従って各種物性を評価した。
〔鉛筆硬度〕
JIS K5400−5−4に準拠し、常温(23℃)で三菱鉛筆「ユニ」(登録商標)により塗膜に傷跡を生じない最高硬度を測定した。
〔相溶性〕
塗膜の外観を目視で評価した。評価基準は以下の通りであり、○を合格とした。
○:透明で且つハジキなど外観上の不具合がない。
×:不透明又はハジキなど外観上の不具合がある。
〔耐擦傷性〕
#0000のスチールウールに250gの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/秒で10往復摩擦したあとの塗膜の外観を目視で評価した。評価基準は以下の通りであり、○を合格とした。
○:傷が0〜10本
△:傷が11〜20本
×:傷が21本以上
〔指先肌水分量保持性〕
指先の肌の乾燥に悩むパネラー男女各3名、計6名が、静電容量方式のスマートフォンに試験片を貼り付け、試験片の表面に指先でタッチ動作を20回行い、試験片に付着した汚れを日本薬局方脱脂綿で目視確認できなくなるまで拭き取った。この工程を1サイクルとして、10サイクル繰り返した後に、ロゼンスター株式会社製のSR−101を用いて指先の肌水分量を測定した。あらかじめ測定していた試験前の指先肌水分量を100%として、試験後に何%の肌水分量を保持しているかの割合(指先肌水分量保持率)を下式に基づいて算出した。
指先肌水分量保持率(%)=(試験後の肌水分量/試験前の肌水分量)×100
指先肌水分量保持性の評価基準は以下の通りであり、○を合格とした。
○ :4名以上で指先肌水分量保持率が100%以上だった。
△ :2〜3名で指先肌水分量保持率が100%以上だった。
× :0〜1名で指先肌水分量保持率が100%以上だった。
〔指先肌潤い保持性〕
指先の肌の乾燥に悩むパネラー男女各3名、計6名が、静電容量方式のスマートフォンに試験片を貼り付け、室温(23℃)で1時間使用した後、指先の潤い保持性を以下の基準に基づき評価した。○を合格とした。
○ :4名以上が指先の潤いが良好と評価した。
△ :2〜3名が指先の潤いが良好と評価した。
× :0〜1名が指先の潤いが良好と評価した。
〔タッチ感度性〕
指先の肌の乾燥に悩むパネラー男女各3名、計6名が、静電容量方式のスマートフォンに試験片を貼り付け、室温(23℃)で1時間使用した後、タッチ感度を以下の基準に基づき評価した。○を合格とした。
○ :4名以上がタッチ感度が良好と評価した。
△ :2〜3名がタッチ感度が良好と評価した。
× :0〜1名がタッチ感度が良好と評価した。
〔耐指紋性〕
パネラー男女各3名、計6名が、試験片の表面に指を押し当てて指紋を付着させた後に、試験片の外観を目視で評価した。評価基準は以下の通りであり、○を合格とした。
○ :4名以上が指紋が目立ちにくいと評価した。
△ :2〜3名が指紋が目立ちにくいと評価した。
× :0〜1名が指紋が目立ちにくいと評価した。
Figure 0006700734
表3の実施例1〜27の結果から、3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテルとトリマー酸とイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとを構成成分とするウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する肌荒れ防止光硬化性組成物は、透明性、優れた膜硬度、耐擦傷性、肌水分量保持性、指先肌潤い保持性、及びタッチ感度性を兼ね備えたコーティング膜を形成することができることがわかった。

Claims (5)

  1. 3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)、トリマー酸成分(a2)、及びイソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)の反応物である光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を含有し、
    前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)と前記トリマー酸成分(a2)と前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレート成分(a3)の構成比率が、(a1):(a2):(a3)=2〜3モル:1モル:2〜12モルである、
    肌荒れ防止光硬化性組成物。
  2. 前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)が、グリセリルエーテル1モルに対して、オキシプロピレン基が4〜52モル、オキシエチレン基が3〜32モル付加されたポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである、請求項に記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
  3. 前記3価のポリオキシアルキレングリセリルエーテル成分(a1)が、グリセリルエーテル1モルに対して、オキシプロピレン基が2〜8モル、オキシエチレン基が5〜11モル、オキシブチレン基が1〜3モル付加されたポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである、請求項に記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
  4. さらに光重合性化合物(B)を含有し、その重量比率が、(A):(B)=0.1〜50:50〜99.9である、請求項1〜のいずれかに記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
  5. さらに光重合開始剤を含有する、請求項1〜のいずれかに記載の肌荒れ防止光硬化性組成物。
JP2015224830A 2015-11-17 2015-11-17 肌荒れ防止光硬化性組成物 Active JP6700734B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015224830A JP6700734B2 (ja) 2015-11-17 2015-11-17 肌荒れ防止光硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015224830A JP6700734B2 (ja) 2015-11-17 2015-11-17 肌荒れ防止光硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017088827A JP2017088827A (ja) 2017-05-25
JP6700734B2 true JP6700734B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=58770519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015224830A Active JP6700734B2 (ja) 2015-11-17 2015-11-17 肌荒れ防止光硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6700734B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6460198B1 (ja) * 2017-10-11 2019-01-30 千住金属工業株式会社 フラックス及びソルダペースト
JP6501003B1 (ja) 2018-01-17 2019-04-17 千住金属工業株式会社 はんだ付け用樹脂組成物、やに入りはんだ、フラックスコートはんだ及び液状フラックス

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01223623A (ja) * 1988-03-02 1989-09-06 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体
KR910012809A (ko) * 1989-12-22 1991-08-08 티모시 엔.비숍 광경화성 우레탄-함유 조성물
JP3667385B2 (ja) * 1995-05-25 2005-07-06 ジャパンコンポジット株式会社 硬化性樹脂組成物
JP2010202777A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化性組成物
KR20120044964A (ko) * 2009-07-31 2012-05-08 스미또모 베이크라이트 가부시키가이샤 수지 적층체, 및 화상 표시체
JP2011178982A (ja) * 2009-10-21 2011-09-15 Sanko Kagaku Kogyo Kk 帯電防止性に優れた制電性組成物、それを用いた成型品、塗料、制電性被覆物、粘着剤及びその製造方法
JP5594476B2 (ja) * 2011-01-19 2014-09-24 Jsr株式会社 積層体、タッチパネルおよび組成物
JP5980233B2 (ja) * 2011-12-27 2016-08-31 昭和電工株式会社 重合性組成物、重合物、画像表示装置およびその製造方法
TW201510118A (zh) * 2013-06-28 2015-03-16 Nippon Kayaku Kk 紫外線硬化型硬質塗敷樹脂組合物
JP6519584B2 (ja) * 2014-03-31 2019-05-29 Jnc株式会社 コーティング剤用樹脂組成物、成形体、画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017088827A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6795793B2 (ja) 含ケイ素高分岐ポリマー
TWI513778B (zh) 含氟高分支聚合物之包覆用硬化性組成物
TWI712623B (zh) 含氟丙烯酸組成物及其製造方法、含氟活性能量線硬化性組成物以及物品
JP6280918B2 (ja) ハードコーティング組成物
JP6802528B2 (ja) 耐擦傷性コーティング用硬化性組成物
KR101802215B1 (ko) 활성 에너지선 경화형 수지 조성물, 그 경화물 및 필름
JP2018070683A (ja) 含フッ素アクリル化合物及びその製造方法並びに硬化性組成物及び物品
JP6110494B2 (ja) ハードコーティングフィルム
EP3992215A1 (en) Fluoroacrylic compound, fluorine-containing actinic-ray-curable composition, and article
JP2010260905A (ja) 光硬化性組成物
JP6700734B2 (ja) 肌荒れ防止光硬化性組成物
WO2014054698A1 (ja) 含ケイ素高分岐ポリマーを含む硬化性組成物
JP7255666B2 (ja) 含フッ素硬化性組成物及び物品
WO2018056370A1 (ja) 耐擦傷性ハードコート材
WO2020250665A1 (ja) 含フッ素硬化性組成物及び物品
JPWO2018070446A1 (ja) 高硬度ハードコート積層体
EP4342922A1 (en) Fluoroacrylic composition, fluorochemical actinic-ray-curable composition, and article
JP2012031312A (ja) 光硬化型塗料組成物
JP5605305B2 (ja) 重合性フッ素表面修飾シリカ粒子及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物
KR101339964B1 (ko) 함몰구조의 패턴이 형성된 휴대폰 보호창의 제조방법
KR101294683B1 (ko) 미세함몰구조를 가지는 휴대폰 보호창
JP2018123195A (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP2017065071A (ja) ハードコート積層体、及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6700734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250