JP2017065071A - ハードコート積層体、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦傷性、剛性、及び硬度に優れたハードコート積層体を好適に製造可能なハードコート積層体の製造方法の提供。
【解決手段】第一のハードコート層3を備える第一の樹脂基材層2と、第二のハードコート層5を備える第二の樹脂基材層4とを準備する工程と、第一の樹脂基材層2と、第二の樹脂基材層4とを、接着剤層を介して積層する工程とを有し、第一のハードコート層3及び第二のハードコート層5の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、接着剤層1が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物である、ハードコート積層体10の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードコート積層体、及びその製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画像表示装置における画像表示面は、取り扱い時に傷がつかないように、硬度や耐擦傷性を付与することが要求される。このような要求に対して、基板上にハードコート層を設けたハードコートフィルムを利用することにより、画像表示装置の画像表示面の耐擦傷性を向上させることが一般になされている。
また、入力手段として、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、前記の画像表示装置等と共に組み込まれ、例えば、券売機、ATM装置、携帯型端末、ゲーム機等における入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置において、タッチパネルは表示装置の表示面上に配置され、これにより、タッチパネルは表示装置に対する極めて直接的な入力を可能にする。このようなことから、ハードコートフィルムに要求される性能は、近年益々高くなってきており、硬度および耐擦傷性にさらに優れたものが求められている。
また、携帯型端末等においては、意匠性の観点から、画像表示面とは反対側の面(裏面)等、当該携帯型端末の筐体表面においても、透明度の高いガラス板や、透明樹脂フィルム等が用いられているものも上市されている。このような筐体に配置された透明樹脂フィルムにおいても、画像表示面側と同様の硬度や耐擦傷性が求められている。
特許文献1には、高透明、高表面硬度、高耐熱性及び剛性に優れ、光学用途に適した透明樹脂積層体として、透明樹脂フィルムの両面に、紫外線硬化型樹脂組成物、ポリエステル樹脂フィルム及びハードコート層を順に有する透明樹脂積層体が開示されている。
特許文献2には、指紋視認性、指紋拭き取り性、耐摩耗性に優れたタック性が低いハードコート形成用積層体として、プラスチックフィルムの少なくとも一面に、無機酸化物粒子を特定量含む硬化性組成物により形成された硬化性組成物層を有するハードコート形成用積層体が開示されている。
特許文献3には、耐衝撃性、剛性、及び耐熱性に優れた透明多層合成樹脂シート基材として、曲げ弾性率が2.5GPa以上である透明硬質樹脂層の両面にポリカーボネート樹脂層を有する、透明導電性膜基材用の透明多層合成樹脂シートが開示されている。
特開2012−183822号公報 特開2012−148484号公報 特開2011−201093号公報
ハードコートフィルムの性能に対する要求は、近年ますます高まっており、特許文献1〜3の手法では耐擦傷性、剛性、硬度が不十分なものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐擦傷性、剛性、及び硬度に優れたハードコート積層体、及び、当該ハードコート積層体を好適に製造可能なハードコート積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るハードコート積層体の製造方法は、第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とを準備する工程と、
前記第一の樹脂基材層上に、接着剤層形成用樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜上に前記第二の樹脂基材層を配置した後、当該塗膜を硬化する工程とを有し、
前記第一のハードコート層及び前記第二のハードコート層の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、
前記接着剤層形成用樹脂組成物が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有することを特徴とする。
本発明に係るハードコート積層体は、第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とが、接着剤層を介して積層する、ハードコート積層体であって、
前記第一のハードコート層及び前記第二のハードコート層の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、
前記接着剤層が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明のハードコート積層体の製造方法、及び本発明のハードコート積層体においては、前記第一の樹脂基材層と前記第一のハードコート層との間、及び、前記第二の樹脂基材層と前記第二のハードコート層との間、の少なくとも一方に、アクリル樹脂層を有することが、ハードコート層形成時の取扱いが容易な点から好ましい。
本発明によれば、耐擦傷性、剛性、及び硬度に優れたハードコート積層体を提供することができる。
図1は、本発明に係るハードコート積層体の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明に係るハードコート積層体の別の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係るハードコート積層体、及び、本発明に係るハードコート積層体の製造方法について、順に詳細に説明する。
なお、本明細書において、アクリル樹脂はメタクリル樹脂を含むものとし、アクリレートはメタクリレートを含むものとする。
また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表わす。
[ハードコート積層体]
本発明に係るハードコート積層体は、第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とが、接着剤層を介して積層する、ハードコート積層体であって、
前記第一のハードコート層及び前記第二のハードコート層の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、
前記接着剤層が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明のハードコート積層体について、図を参照して説明する。図1は、本発明に係るハードコート積層体の一例を示す概略断面図である。図1の例に示されるように、本発明のハードコート積層体10は、第一のハードコート層3を備える第一の樹脂基材層2と、第二のハードコート層5を備える第二の樹脂基材層4とが、接着剤層1を介して積層している。本発明においては、第一のハードコート層と第二のハードコート層のうち少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層であり、前記接着層がウレタンアクリレートと多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物である。
また、図2は、本発明に係るハードコート積層体の別の一例を示す概略断面図である。図2のハードコート積層体10の例では、第一の樹脂基材層2と第一のハードコート層3とが、第一のアクリル樹脂層6を介して積層し、他方、第二の樹脂基材層4と第二のハードコート層5とが、第二のアクリル樹脂層7を介して積層しており、当該第一の樹脂基材層2と、当該第二の樹脂基材層4とが、接着剤層1を介して積層している。
本発明のハードコート積層体は、ハードコート層のうち少なくとも一方がシリカ粒子を含有するハードコート層であるため、硬度が高く耐擦傷性に優れるものと推定される。さらに本発明においては、接着剤層が、ウレタンアクリレートと多官能アクリレートとが、架橋反応を経て硬化した硬化物を接着剤層として有しているため、柔軟性と剛性とを併せ持っているものと推定される。そのため、ハードコート積層体の一部に力がかかっても当該接着剤層が積層体全体に生じる歪みを緩和すると推定される。また、第一の樹脂基材層2と第一のハードコート層3、及び第二の樹脂基材層4と第二のハードコート層5は、単体ではハードコート層形成時の硬化収縮によりハードコート側に反りが発生する。しかし、接着剤層1を介して積層することによって反りが相殺され、平坦なハードコート積層体が得られる。また、接着剤層が、ウレタンアクリレートと多官能アクリレートとが、架橋反応を経て硬化した硬化物を接着剤層として有しているため剛性が高く、積層後も基材の応力による変形を抑えることが可能となる。これらのことから、本発明のハードコート積層体は、耐擦傷性、剛性、高度に優れた積層体となる。
本発明のハードコート積層体は、少なくとも、接着剤層と、樹脂基材層と、ハードコート層等を有するものであり、アクリル樹脂層を有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の層を有していてもよいものである。このような本発明のハードコート積層体を構成する各層について順に詳細に説明する。
<接着剤層>
本発明のハードコート層において接着剤層は、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物である。ウレタンアクリレートと多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物を硬化させることにより、柔軟性と剛性とを併せ持つ接着剤層を形成することができ、当該接着剤層を用いて2枚の樹脂基材層を積層することにより、同等の厚みを有する1枚の樹脂基材層と比較して、柔軟性と剛性とを併せ持つ積層体を得ることができる。
本発明において接着剤層を形成するための接着剤層形成用樹脂組成物は、少なくとも、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の成分を含有してもよいものである。このような接着剤層形成用樹脂組成物の各成分について順に説明する。
なお、本発明においては、ウレタンアクリレートとも、多官能アクリレートとも捉えうる化合物については、ウレタンアクリレートとして扱うものとする。即ち、本発明において多官能アクリレートとは、ウレタンアクリレートとは異なる多官能アクリレートであり、ウレタン結合(−NH(CO)−O−)を有しない多官能アクリレートをいうものとする。
1.ウレタンアクリレート
本発明においてウレタンアクリレートは分子鎖中にウレタン結合と、アクリロイル基及びメタクリロイル基より選択される1種以上の基を有するものをいう。当該ウレタンアクリレートは、アクリロイル基及びメタクリロイル基より選択される1種以上の基を2つ以上有することが好ましい。本発明においては、ウレタンアクリレート同士、又は、ウレタンアクリレートと後述する多官能アクリレートとが重合して硬化することにより、硬度が高く、剛性に優れている。
上記ウレタンアクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ポリイソシアネートとヒドロキシアクリレートとの反応によって得ることができる。
上記多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメチロール、ビス−[ヒドロキシメチル]−シクロヘキサン等;上記多価アルコールと多塩基酸(例えば、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等)との反応によって得られるポリエステルポリオール;上記多価アルコールとε−カプロラクトンとの反応によって得られるポリカプロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネートとの反応によって得られるポリカーボネートジオール等);及び、ポリエーテルポリオールを挙げられる。上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA等を挙げられる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルイソシアネート等のイソシアネート化合物、これらイソシアネート化合物の付加体、或いはこれらイソシアネートの多量体等が挙げられる。
上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチロールシクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであることが硬度の面から好ましい。
ウレタンアクリレートの質量平均分子量は、特に限定されないが、樹脂基材との密着性の点から、600〜10000であることが好ましく、1000〜8000あることがより好ましく、更に1500〜6000であることがより好ましい。
なお、上記質量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン換算値である。
ウレタンアクリレートはウレタン樹脂等として市販されているものがあり、本発明においては、当該市販品を用いてもよい。本発明において使用できる市販品としては、例えば、日本合成化学工業社製:UV1700B(重量平均分子量2000、10官能)、UV7600B(重量平均分子量1500、6官能)、日本化薬社製:DPHA40H(重量平均分子量7000、10官能)、UX5003(重量平均分子量700、6官能)、根上工業社製:UN3320HS(重量平均分子量5000、15官能)、UN904(重量平均分子量4900、15官能)、UN3320HC(重量平均分子量1500、10官能)、UN3320HA(重量平均分子量1500、6官能)、荒川化学工業社製:BS577(重量平均分子量1000、6官能)、及び、新中村化学工業社製:U15HA(重量平均分子量2300、15官能)等を挙げることができる。
本発明においてウレタンアクリレートは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2.多官能アクリレート
本発明において多官能アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものである。本発明においては、多官能アクリレートと、前記ウレタンアクリレートとを組み合わせて用いることにより硬度が高く、剛性に優れた接着剤層が得られる。
このような多官能アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、無水コハク酸変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、無水コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上のモノマーが挙げられる。
多官能アクリレートとしては、中でも、(メタ)アクリレート基を3つ(三官能)以上有するものが好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(PETTA)がより好ましい。
これらの多官能アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明において、接着剤層形成用樹脂組成物において用いられる多官能アクリレート単体での硬化物は、ガラス転移温度が250℃以上であることが好ましい。なお、当該硬化物のガラス転移温度は、上記多官能アクリレートを選択することにより適宜調整することができる。
3.その他の成分
本発明において接着剤層形成用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、後述する重合開始剤、溶剤の他、重合禁止剤、酸素に対する変化を抑制するための酸化防止剤、光に対する変化を抑制するための光安定化剤、紫外性を吸収する紫外線吸収剤、粘度を調整するための粘度調節剤、屈折率を調整するための屈折率調整剤、その他、界面活性剤等を含有してもよい。これらは従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。
本発明の接着剤層形成用樹脂組成物は、前記ウレタンアクリレート、及び前記多官能アクリレートの硬化を促進する点から、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、紫外性等の光の照射により、前記ウレタンアクリレートや多官能アクリレートの硬化を促進する、光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、従来公知の物の中から適宜選択して用いることができる。このような光重合開始剤の具体例としては、例えば、チオキサントン等を含む芳香族ケトン類、α−アミノアルキルフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、芳香族オニウム塩類、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物等が好適に挙げられ、中でも、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系重合開始剤が好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド類としては、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−フォスフィンオキサイド(例えば、商品名:イルガキュア819、BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:Lucirin TPO:BASF社製等)等が挙げられる。
また、α−ヒドロキシケトン類としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(例えば、商品名:イルガキュア127、BASF社製等)、2−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシ−2−メチルプロピオフェノン(例えば、商品名:イルガキュア2959、BASF社製等)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(例えば、商品名:イルガキュア184、BASF社製等)、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}(例えば、商品名:ESACURE ONE、Lamberti社製等)等が挙げられる。
本発明において重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の接着剤層形成用樹脂組成物は、塗工性の点から、必要に応じて溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、接着剤層形成用樹脂組成物に含まれる各成分を溶解乃至分散し得る従来公知の溶剤の中から適宜選択すればよい。具体的には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。
一方、後述する樹脂基材がポリカーボネート系の樹脂基材の場合には、当該基材の溶解等を抑制する点から、接着剤層形成用樹脂組成物中の溶剤の含有割合は1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、更に溶剤を実質的に含有しないことがより好ましい。
(接着剤層形成用樹脂組成物における配合割合)
接着剤層形成用樹脂組成物におけるウレタンアクリレートの含有割合は、硬度及び剛性に優れる点から、前記接着剤層形成用樹脂組成物の固形分に対し、80質量%以上95質量%以下であることが好ましく、85質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
接着剤層形成用樹脂組成物における多官能アクリレートの含有割合は、硬度及び剛性に優れる点から、前記接着剤層形成用樹脂組成物の固形分に対し、4.5質量%以上19.5質量%以下であることが好ましく、4.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
また、接着剤層形成用樹脂組成物において好ましく用いられる重合開始剤の含有割合は、重合反応を促進し、硬度及び剛性に優れる点から、前記接着剤層形成用樹脂組成物の固形分に対し、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以上2.5質量%以下であることが更により好ましい。
なお、本発明において固形分とは、溶剤を除く各成分を表す。
本発明のハードコート積層体において、接着剤層が接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物であることは、当該接着剤層を、ガスクロマトグラフ質量分析計により、公知の測定方法に従って測定することにより、ウレタンアクリレート及び多官能アクリレートのモノマーをそれぞれ検出することによって、確認することができる。
本発明において接着剤層の厚みは、用途に応じて適宜調整すればよい。ハードコート積層体の硬度及び剛性の点から、1〜160μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。
<樹脂基材層>
本発明に係るハードコート積層体は、少なくとも2つの樹脂基材層を有するものである。本発明のハードコート積層体は前記接着剤層を介して2つの樹脂基材層を有することにより、柔軟性と剛性とを併せ持つ積層体を得ることができる。
樹脂基材層に用いられる樹脂基材は、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、光学用途に用いられる透明樹脂基材を使用することができる。樹脂基材を構成する樹脂材料の好適な具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン等のポリシクロオレフィン、硬度、剛性及び透明性の点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂であることが好ましく、中でもポリカーボネート樹脂であることがより好ましい。
樹脂基材の厚みは特に限定されないが、通常、50〜350μm程度であり、200〜300μmであることが好ましい。
本発明において、第一の樹脂基材層と、第二の樹脂基材層は、同様の樹脂基材を用いてもよく、第一の樹脂基材層と、第二の樹脂基材層とが、互いに異なる樹脂や、異なる厚みを有する樹脂基材を用いてもよい。
<ハードコート層>
本発明に係るハードコート積層体は、少なくとも2つのハードコート層を有するものであり、2つのハードコート層のうち少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物である。ハードコート層のうち少なくとも一方がシリカ粒子を含有することにより、優れた硬度、剛性及び耐擦傷性を有するハードコート積層体が得られる。
以下、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物を、単にハードコート層用樹脂組成物ということがあり、シリカ粒子を含有しないハードコート層用樹脂組成物を他のハードコート層用樹脂組成物ということがある。
本発明においてハードコート層用樹脂組成物は、少なくとも硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有し、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。以下、ハードコート層用樹脂組成物の各成分について説明する。
1.硬化性樹脂
本発明において、硬化性樹脂は、熱又は光等により重合硬化する従来公知の樹脂の中から適宜選択することができ、光硬化性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物が挙げられ、当該熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、エチレン性不飽和結合等が挙げられる。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
ハードコート層用樹脂組成物が、硬化性樹脂として、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物を含有する場合、通常、硬化剤として多価カルボン酸無水物又は多価カルボン酸を含有し、更に酸とエポキシ基との熱硬化反応を促進する触媒を含有してもよい。
一方、本発明においてハードコート層用樹脂組成物は、硬度や製造時の取り扱い性の点から、光硬化性樹脂を用いることが好ましく、中でも、多官能アクリレートを用いることが好ましい。
多官能アクリレートとしては、前記接着剤層における多官能アクリレートと同様のものが挙げられ、中でも、(メタ)アクリレート基を3つ(三官能)以上有するものが好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(PETTA)がより好ましい。
これらの多官能アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2.シリカ粒子
本発明においてシリカ粒子は、ハードコート層の硬度や耐擦傷性を向上するために用いられるものであり、従来公知のシリカ粒子の中から適宜選択して用いることができる。本発明においてシリカ粒子は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、例えば、後述する略球状のシリカ粒子と、鎖状のシリカ粒子とを組み合わせて用いてもよい。
前記シリカ粒子の形状としては、略球状、鎖状、針状、板状、片状、棒状、繊維状のいずれであってもよい。中でもハードコート層の硬度を向上する点からは、略球状、又は鎖状であることが好ましく、楕円球状シリカ粒子、又は鎖状シリカ粒子であることがより好ましい。
また、ハードコート層の硬度を向上する点から、平均粒径が1〜100nmの略球状のシリカ粒子2〜20個が無機の化学結合により結合した異形シリカ粒子であることがより好ましい。
上記異形シリカ粒子における無機の化学結合としては、例えば、イオン結合、金属結合、配位結合及び共有結合が挙げられる。中でも、上記異形シリカ粒子を極性溶媒中に加えても、結合した微粒子が分散しない結合、具体的には、金属結合、配位結合及び共有結合が好ましく、さらに、共有結合が好ましい。シリカ粒子の凝集体では、物理的な外力によって、凝集体が分離するおそれがある。シリカ粒子の凝集体では、物理的な外力以外に化学的にも、凝集を崩す溶剤、バインダー成分又は界面活性剤等の成分によって凝集体が分離するおそれがある。また、保護層が形成された後でも、物理的な外力(尖ったもの等による接触)によって、凝集体が分離し、保護層の傷となるおそれがある。これに対して、異形シリカ粒子を構成しているシリカ粒子が共有結合により結合してれば、物理的及び化学的な力による分解が起こりにくく、安定している。
上記異形シリカ粒子の粒子状態としては、2〜20個のシリカ粒子が無機の化学結合により結合し、凝集した状態の粒子(凝集粒子)、及び2〜20個のシリカ粒子が無機の化学結合により結合し、鎖状に結合した鎖状粒子が挙げられる。特に、低屈折率層の硬度を高める点から、当該異形シリカ粒子の粒子状態としては、鎖状であることが好ましい。
このような異形シリカ粒子としては、例えば、触媒化成社製V−8803等の市販品を用いることができる。
シリカ粒子の平均粒径は、好ましくは1nm〜100nmであり、更に好ましくは10nm〜60nmである。平均粒径が上記上限値以下であれば、透明性に優れている。また、平均粒径が上記下限値以上であれば、高硬度の低屈折率層となる。上記異形シリカ粒子については、このようなシリカ粒子が結合したものであることが好ましい。
本発明においてシリカ粒子は、当該シリカ粒子表面に反応性官能基を有する反応性シリカ粒子であることが好ましい。反応性シリカ粒子を用いることにより、ハードコート層の硬度がより向上する。
反応性シリカ粒子が有する反応性官能基は、硬度、剛性及び耐擦傷性の点から、前記硬化性樹脂と反応し得る官能基であることが好ましい。
具体的には、例えば、前記硬化性樹脂が1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である場合には、反応性シリカ粒子が有する反応性官能基として、カルボン酸、カルボン酸無水物、又はエポキシ基を有することが好ましい。また、例えば前記硬化性樹脂が多官能アクリレートである場合には、反応性シリカ粒子が有する反応性官能基として、エチレン性不飽和二重結合を有する基を有することが好ましく、中でも、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が好ましい。
反応性シリカ粒子は、所望の形状を有するシリカ粒子の表面に、公知の方法により所望の反応性官能基を導入することにより得ることができる。例えば、所望の置換基を有するシランカップリング剤や、所望の置換基とイソシアネート基とを有する化合物をシリカ粒子表面に被覆することにより、反応性シリカ粒子を得ることができる。
3.その他の成分
本発明においてハードコート層用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、溶剤、重合開始剤、重合禁止剤、酸素に対する変化を抑制するための酸化防止剤、光に対する変化を抑制するための光安定化剤、紫外性を吸収する紫外線吸収剤、粘度を調整するための粘度調節剤、屈折率を調整するための屈折率調整剤、界面活性剤、その他、硬度と柔軟性とを付与するためのポリマー等を含有してもよい。これらは従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。
硬化性樹脂として多官能アクリレートを用いる場合、前記ポリマーとしては、硬度の向上の点、及び多官能アクリレートとの相溶性の点から、エチレン性不飽和結合含有基を有するアクリル系ポリマーが好ましい。エチレン性不飽和結合含有基を有するアクリル系ポリマーを用いることにより、多官能アクリレートと重合するため、より耐擦傷性、剛性、及び硬度に優れたハードコート層を得ることができる。
エチレン性不飽和結合含有基を有するアクリル系ポリマーは、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。エチレン性不飽和結合含有基は、アクリル系ポリマーの末端にあっても側鎖にあってもよい。
上記エチレン性不飽和結合含有基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられ、中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が好ましく、アクリロイル基、又はメタクリロイル基がより好ましい。
エチレン性不飽和結合含有基を有するアクリル系ポリマーとしては、中でも、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリマーが好ましい。
(一般式(I)中、R、R、及びRは、水素原子又はメチル基、Lは、2価の連結基、又は直接結合である。Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rである。R及びRは、水素原子又はメチル基であり、Rは水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。Aは構成単位(I−1)及び構成単位(I−2)以外の任意のビニルモノマーの構成単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、y及びzは各構成単位のモル%であり、y及びzは0であってもよい。)
Lにおける2価の連結基としては、炭素数1〜10の2価の連結基であることが好ましく、炭素数1〜6の2価の連結基であることがより好ましい。当該2価の連結基は、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していてもよい。
置換基Lの好ましい例としては、*−R−NHC(=O)O−**、*−R−NHC(=O)O−R’−O−C(=O)−**、*−R−OC(=O)NH−**、*−R−OC(=O)NH−R’−O−C(=O)−**、*−R−CH(OH)−CH−O−**、*−R−CH(OH)−CH−O−R’−OC(=O)−**、*−R−O−CH−CH(OH)−**、*−R−O−CH2−CH(OH)−R’−OC(=O)−**、*−R−O−C(=O)−**等が挙げられる。ここで、*はポリマー主鎖側の連結部位を、**はエチレン性不飽和結合含有基側の連結部位を表し、R及びR’は、置換基を有していてもよい炭化水素基である。
R及びR’における炭化水素基としては、炭素数が1〜5の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが更により好ましい。炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
及びRにおける炭化水素基としては、炭素数が1〜18の炭化水素基が好ましく、炭素数が1〜18のアルキル基であることがより好ましい。炭素数が1〜18のアルキル基としては、中でも、直鎖状又は分枝状のアルキル基であることが好ましい。炭素数が1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、エチルヘキシル基等が挙げられる。
前記炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。
構成単位(I−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
一般式(I)中、Aは構成単位(I−1)及び構成単位(I−2)以外の任意のビニルモノマーの構成単位を表し、溶媒への溶解性、硬化物の硬度や透明性等、目的に応じて適宜選択して用いればよい。前記ビニルモノマーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記Aに属するビニルモノマーの具体例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン及びその誘導体;クロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びその誘導体等が挙げられる。
一般式(I)においては、アクリル樹脂基材との密着性の点から、x+yが大きいことが好ましく、zは20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。中でも、z=0、即ちx+y=100であるようなアクリル酸誘導体からなるポリマーであることが、アクリル樹脂基材との密着性の点から好ましい。
xとyとzの比は、溶媒への溶解性、硬化物の硬度や透明性等、目的に応じて適宜設定すればよい。中でも、基材との密着性、及び位相差層との密着性に優れ、且つ、配向層用原版との離型性に優れる点から、xが、3〜40モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがより好ましく、10〜20モル%であることが更により好ましい。
エチレン性不飽和結合含有基を有するアクリル系ポリマーの質量平均分子量は、特に限定されないが、アクリル樹脂基材との密着性の点から、5000〜30000であることが好ましく、6000〜20000あることがより好ましく、更に8000〜15000であることがより好ましい。
なお、上記質量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン換算値である。
エチレン性不飽和結合含有基を有するアクリル系ポリマー中の、エチレン性不飽和結合含有基の含有量は、適宜調整すればよい。中でも、アクリル樹脂基材との密着性の点から、アクリル系ポリマーの二重結合当量が、200〜2000であることが好ましく、500〜1500であることがより好ましい。
ここで、二重結合当量は、二重結合1mol当たりのポリマーの質量平均分子量(g/mol)をいう。
また、硬化性樹脂として多官能アクリレートを用いる場合、本発明のハードコート層用樹脂組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。当該重合開始剤の具体例としては、前記接着剤層形成用樹脂組成物と同様のものを用いることができる。
本発明においてハードコート層用樹脂組成物は、塗工性の点から、必要に応じて溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、ハードコート層用樹脂組成物に含まれる各成分を溶解乃至分散し得る従来公知の溶剤の中から適宜選択すればよい。具体的には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。
ハードコート層用樹脂組成物における溶剤の含有割合は、塗工性の点から、溶剤を含むハードコート層用樹脂組成物全量に対して、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。
(ハードコート層用樹脂組成物における配合割合)
ハードコート層用樹脂組成物における硬化性樹脂の含有割合は、硬度及び剛性に優れる点から、前記ハードコート層用樹脂組成物の固形分に対し、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることが更により好ましい。
ハードコート層用樹脂組成物におけるシリカ粒子の含有割合の含有割合は、硬度及び剛性に優れる点から、前記接ハードコート層用樹脂組成物の固形分に対し、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることが更により好ましい。
ハードコート層用樹脂組成物において好ましく用いられるポリマーの含有割合の含有割合は、硬度及び剛性に優れる点から、前記接着剤層形成用樹脂組成物の固形分に対し、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上25質量%以下であることが更により好ましい。
ハードコート層用樹脂組成物において好ましく用いられる重合開始剤の含有割合は、重合反応を促進し、硬度及び剛性に優れる点から、前記接着剤層形成用樹脂組成物の固形分に対し、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以上2.5質量%以下であることが更により好ましい。
本発明においてハードコート層の厚みは、用途に応じて適宜調整すればよい。ハードコート積層体の硬度及び剛性の点から、1〜50μmであることが好ましく、15〜30μmであることがより好ましい。
(その他のハードコート層)
本発明のハードコート積層体は、2つのハードコート層のうち少なくとも一方が上記硬化性樹脂と、シリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であればよく、他方のハードコート層は、シリカ粒子を含有しないものであってもよい。そのようなハードコート層としては、例えば、前記ハードコート層用樹脂組成物における硬化性樹脂と、ポリマーとを含有し、シリカ粒子を含有しない樹脂組成物の硬化物が挙げられる。
<その他の層>
本発明のハードコート積層体は、少なくとも、接着剤層と、樹脂基材層と、ハードコート層等を有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の層を有していてもよいものである。このような他の層としては、例えば、樹脂基材層とハードコート層間に形成されるアクリル樹脂層等が挙げられる。
上記アクリル樹脂層を設けることにより、樹脂基材層とハードコート層との間の密着性を改善したり、ハードコート層形成時において、ハードコート層用樹脂組成物が有する溶媒が、樹脂基材側に浸透するのを抑制することができる。当該アクリル樹脂層としては、従来公知の物の中から適宜選択することができる。具体的には、ポリメタクリル酸メチル層や、ポリアクリル酸メチル層等が挙げられ、中でもポリメタクリル酸メチル層とすることが好ましい。
当該アクリル樹脂層の厚みは特に限定されないが、1μm〜100μm好ましく、30〜80μmとすることがより好ましい。
[ハードコート積層体の製造方法]
本発明に係るハードコート積層体の製造方法は、第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とを準備する工程と、
前記第一の樹脂基材層上に、接着剤層形成用樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜上に前記第二の樹脂基材層を配置した後、当該塗膜を硬化する工程とを有し、
前記第一のハードコート層及び前記第二のハードコート層の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、
前記接着剤層形成用樹脂組成物が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有することを特徴とする。
上記本発明のハードコート積層体の製造方法によれば、耐擦傷性、剛性及び硬度に優れた前記本発明に係るハードコート積層体を好適に製造することができる。
以下、各工程について説明するが、ハードコート層、樹脂基材層、接着剤層形成用樹脂組成物等の組成については、前記ハードコート積層体に記載されたものと同様のものとすることができるため、ここでの説明は省略する。
第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とを準備する方法は、特に限定されず、下記の方法などにより製造することにより準備してもよく、所望の構成を有する市販品により準備してもよい。
樹脂基材層上にハードコート層を形成する方法としては、例えば、樹脂基材層上に、必要に応じてアクリル樹脂層を形成した後、前記樹脂基材層乃至アクリル樹脂層上に、ハードコート層用樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、次いで当該塗膜を硬化してハードコート層とする方法などが挙げられる。
ハードコート層用樹脂組成物の塗布方法は、均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
塗膜の乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、およびこれらの組み合わせ等が挙げられる。常圧で乾燥させる場合、基板が劣化しない温度範囲で乾燥させることが好ましく、例えば30℃〜110℃の範囲内で乾燥させることが好ましい。
前記塗膜の硬化方法としては、光照射および加熱の少なくともいずれかを用いることができる。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線、電離放射線等が使用され、中でも紫外線が好ましく用いられる。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線を使用する。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、例えば50mJ/cm〜5000mJ/cmの範囲内であることが好ましい。
また、加熱する場合、基材が劣化しない温度範囲で加熱することが好ましく、例えば40℃〜120℃の範囲内で加熱することが好ましい。また、25℃程度の室温で24時間以上放置することにより反応を行ってもよい。
次いで、前記第一の樹脂基材層上に、接着剤層形成用樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜上に前記第二の樹脂基材層を配置した後、当該塗膜を硬化することにより、ハードコート積層体が得られる。
接着剤層形成用樹脂組成物の塗膜の形成方法及び当該塗膜の硬化方法は、前記ハードコート層の塗膜の形成方法及び硬化方法と同様の方法とすることができる。
また、接着剤を硬化させる際、基材を曲げて変形させた状態で、紫外線を照射することにより、所望の形状を有するハードコート積層体を形成することもできる。
[ハードコート積層体の用途]
本発明のハードコート積層体は、耐擦傷性、剛性、及び硬度に優れ、又透明性にも優れているため、建築物や自動車等の窓材、照明器具のカバー、防災面、表示装置の表示面上のハードコートフィルム等として好適に用いることができ、また、意匠性の観点から、携帯型端末の筐体表面においても好適に用いることができる。
なお、例えば、本発明のハードコート積層体が、2つのハードコート層のうち一方のみがシリカ粒子を含有するハードコート層である場合であって、表示装置の表示面に配置されるときは、当該シリカ粒子を含有するハードコート層が当該表示装置の観察者側の面(即ち、最表面)に配置され、シリカ粒子を含有しないハードコート層が表示装置側に配置するのが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(調製例1−1:ハードコート層用樹脂組成物1の調製)
反応性異形シリカ粒子として、平均1次粒径55nmの略球状のシリカ粒子3〜10個が無機の化学結合により結合した平均2次粒径100nm〜300nm、反応性官能基として光硬化性不飽和基を有する反応性異形シリカ粒子を用い、固形分濃度40.0質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤の分散液を準備した。
多官能アクリレートとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を用いた。
重合開始剤として、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュア184を準備した。溶剤として、メチルイソブチルケトン(MIBK)を用いた。
ポリマーとして、重量平均分子量70,000、アクリル当量265のアクリル系ポリマーの星光PMC(株)のBL−2002を用いた。なお、星光PMC(株)製のBL−2002の組成は、アクリル系ポリマー30重量部〜40重量部、メチルエチルケトン60重量部〜70重量部、酢酸1重量部未満、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール1重量部未満である。
これらの各成分を以下の配合割合で混合し、ハードコート層用樹脂組成物1を調製した。
<ハードコート層用樹脂組成物1の組成>
・反応性異形シリカ粒子分散液:65.0重量部(固形分濃度40質量%)
・多官能アクリレート:19.0重量部
・ポリマー:11.0重量部(固形分濃度30質量%)
・重合開始剤:1.0重量部
・界面活性剤:0.2重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:MIBK):3.8重量部
上記硬化性樹脂組成物の全固形分に対する反応性異形シリカ粒子の含有量は54.6質量%、ポリマーの含有量は6.9質量%、多官能アクリレートの含有量は39.9質量%である。
(調製例1−2:ハードコート層用樹脂組成物2の調製)
調製例1−1の反応性異形シリカ粒子の分散液において、MIBKの代わりに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を用い、溶剤として、MIBKの代わりにPGMEを用いた以外は、調製例1−1と同様として、各成分を以下の配合割合で混合し、ハードコート層用樹脂組成物2を調製した。
<ハードコート層用樹脂組成物2の組成>
・反応性異形シリカ粒子分散液:65.0重量部(固形分濃度40質量%)
・多官能アクリレート:19.0重量部
・ポリマー:11.0重量部(固形分濃度30質量%)
・重合開始剤:1.0重量部
・界面活性剤:0.2重量部
・溶剤(PGME):3.8重量部
(調製例1−3:ハードコート層用樹脂組成物3の調製)
調製例1−3において、反応性異形シリカ粒子分散液を用いず、溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)とした以外は、調製例1−13と同様として、各成分を以下の配合割合で混合し、ハードコート層用樹脂組成物3を調製した。
<ハードコート層用樹脂組成物3の組成>
・多官能アクリレート:50.0重量部
・重合開始剤:1.0重量部
・界面活性剤:0.2重量部
・溶剤(PGME):48.8重量部
(調製例2−1:接着剤層形成用樹脂組成物1の調製)
接着剤として、UV硬化型ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとして、東亞合成(株)製のアロニックス M−408を用いた。重合開始剤として、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュア184を用意した。
これらの各成分を以下の配合割合で混合し、接着剤層形成用樹脂組成物1を調製した。
<接着剤層形成用樹脂組成物1の組成>
・UV硬化型ウレタンアクリレート:89重量部
・多官能アクリレート:10重量部
・重合開始剤:1重量部
(調製例2−2:接着剤層形成用樹脂組成物2の調製)
調製例2−1において多官能アクリレートを、東亞合成(株)製のアロニックス M−305に変更した以外は、調製例2−1と同様にし、各成分を以下の配合割合で混合し、接着剤層形成用樹脂組成物2を調製した。
<接着剤層形成用樹脂組成物2の組成>
・UV硬化型ウレタンアクリレート:89重量部
・多官能アクリレート:10重量部
・重合開始剤:1重量部
(調製例2−3:比較接着剤層形成用樹脂組成物の調製)
調製例2−1において、多官能アクリレートを用いなかった以外は、調製例2−1と同様にし、各成分を以下の配合割合で混合し、比較接着剤層形成用樹脂組成物を調製した。
<比較接着剤層形成用樹脂組成物の組成>
・UV硬化型ウレタンアクリレート:99重量部
・重合開始剤:1重量部
[実施例1]
(1)ハードコート層の形成
予め、厚み70μmのポリメタクリル酸メチル(PMMA)層が形成された、厚み180μmのポリカーボネート(PC)樹脂基材のC001(住化アクリル販売社製)を準備した。当該樹脂基材のPMMA側に、前記ハードコート層用樹脂組成物1をスピンコート法にて塗布し、温度80℃のオーブンで8分間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚20μmのハードコート層を形成した。
(2)ハードコート積層体の形成
作業はクリーンルームで温度23℃、湿度50%環境下で実施した。上記(1)により得られたハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した。一方の樹脂基材のハードコート層とは反対側の面に前記接着剤層形成用樹脂組成物1をディスペンサー法にてパターン塗布して塗膜とし、当該塗膜上に他方のハードコート層が形成された樹脂基材のハードコート層とは反対側の面を当該塗膜と接するように配置し積層体とした。当該積層体をニップローラーで接着剤層が均一に拡がるように押し潰しながら貼り合わせ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、板厚0.6mmのハードコート積層体1を形成した。プロセス時間は、接着剤層形成用樹脂組成物1をディスペンサー法にてパターン塗布してからUV照射までの時間は5分以内であった。
[実施例2]
(1)ハードコート層の形成
厚み250μmのポリカーボネート(PC)樹脂基材を準備した。当該樹脂基材上に、前記ハードコート層用樹脂組成物2をスピンコート法にて塗布し、温度80℃のオーブンで8分間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚20μmのハードコート層を形成した。
(2)ハードコート積層体の形成
作業はクリーンルームで温度23℃、湿度50%環境下で実施した。上記(1)により得られたハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した、一方の樹脂基材のハードコート層とは反対側の面に前記接着剤層形成用樹脂組成物1をディスペンサー法にてパターン塗布して塗膜とし、当該塗膜上に他方のハードコート層が形成された樹脂基材のハードコート層とは反対側の面を当該塗膜と接するように配置し積層体とした。当該積層体をニップローラーで接着剤層が均一に拡がるように押し潰しながら貼り合わせ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、板厚0.6mmのハードコート積層体2を形成した。プロセス時間は、接着剤層形成用樹脂組成物1をディスペンサー法にてパターン塗布してからUV照射までの時間は5分以内であった。
[実施例3]
(1)ハードコート層の形成
実施例1の(1)で得られたハードコート層が形成されたアクリル樹脂層付き樹脂基材層を1枚用意した。もう1枚は、厚み250μmのポリカーボネート(PC)樹脂基材を準備した。当該樹脂基材上に、前記ハードコート層用樹脂組成物3をスピンコート法にて塗布し、温度80℃のオーブンで8分間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmのハードコート層を形成した。
(2)ハードコート積層体の形成
作業はクリーンルームで温度23℃、湿度50%環境下で実施した。上記(1)により得られたハードコート層が形成された2種類の樹脂基材を準備した。一方の樹脂基材のハードコート層とは反対側の面に前記接着剤層形成用樹脂組成物1をディスペンサー法にてパターン塗布して塗膜とし、当該塗膜上に他方のハードコート層が形成された樹脂基材のハードコート層とは反対側の面を当該塗膜と接するように配置し積層体とした。当該積層体をニップローラーで接着剤層が均一に拡がるように押し潰しながら貼り合わせ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、板厚0.6mmのハードコート積層体3を形成した。プロセス時間は、接着剤層形成用樹脂組成物1をディスペンサー法にてパターン塗布してからUV照射までの時間は5分以内であった。
[実施例4]
実施例1の(1)と同様にして、ハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した。次いで、実施例1の(2)において、接着剤層形成用樹脂組成物1の代わりに、接着剤層形成用樹脂組成物2を用いた以外は、実施例1の(2)と同様にして、ハードコート積層体4を形成した。
[実施例5]
実施例2の(1)と同様にして、ハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した。次いで、実施例2の(2)において、接着剤層形成用樹脂組成物1の代わりに、接着剤層形成用樹脂組成物2を用いた以外は、実施例2の(2)と同様にして、ハードコート積層体5を形成した。
[実施例6]
実施例3の(1)と同様にして、ハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した。次いで、実施例3の(2)において、接着剤層形成用樹脂組成物1の代わりに、接着剤層形成用樹脂組成物2を用いた以外は、実施例3の(2)と同様にして、ハードコート積層体6を形成した。
[比較例1]
(1)ハードコート層の形成
予め、厚み70μmのポリメタクリル酸メチル(PMMA)層が形成された、厚み180μmのポリカーボネート(PC)樹脂基材のC001(住化アクリル販売社製)を準備した。当該樹脂基材のPMMA側に、前記ハードコート層用樹脂組成物1をスピンコート法にて塗布し、温度80℃のオーブンで8分間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚20μmのハードコート層を形成した。
(2)ハードコート積層体の形成
上記(1)により得られたハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した、一方の樹脂基材のハードコート層とは反対側の面に前記比較接着剤層形成用樹脂組成物をディスペンサー法にてパターン塗布して塗膜とし、当該塗膜上に他方のハードコート層が形成された樹脂基材のハードコート層とは反対側の面を当該塗膜と接するように配置し積層体とした。当該積層体をニップローラーで接着剤層が均一に拡がるように押し潰しながら貼り合わせ、中心波長365nmの紫外線を積算光量が3000mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、板厚0.6mmのハードコート積層体を形成した。プロセス時間は、比較接着剤層形成用樹脂組成物をディスペンサー法にてパターン塗布してからUV照射までの時間は5分以内であった。
[比較例2]
実施例1の(1)と同様にして、ハードコート層が形成された樹脂基材を2枚準備した。次いで、実施例1の(2)において、接着剤層形成用樹脂組成物1の代わりに、比較接着剤層形成用樹脂組成物を用い、比較接着剤層形成用樹脂組成物をディスペンサー法にてパターン塗布してからUV照射までの時間を10分とした以外は、実施例1の(2)と同様にして、ハードコート積層体を形成した。
<評価>
[曲げ弾性率測定]
実施例及び比較例で得られたハードコート積層体を、それぞれ、JIS K7074の試験法に準拠して、曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
<曲げ弾性率測定条件>
装置 : 株式会社エー・アンド・ディ社製のテンシロン万能材料試験機
試験冶具 : 圧縮型曲げ試験冶具(3点曲げ)
サンプルサイズ : 60mm×100mm
支点間距離 : 60mm
試験速度 : 0.5mm/min
10mm押し込んだ時点で測定完了し、曲げ荷重−たわみ曲線の直線部の初期勾配より、下記式(1)に基づき、曲げ弾性率を算出した。
(式(1)中、Eは曲げ弾性率(GPa)、Lは支点間距離(mm)、bは試験片の幅(mm)、hは試験片の厚さ(mm)、ΔFは曲げ荷重の変化量(N)、Δsはたわみの変化量(mm)を表す。ΔF及びΔsは測定により得られた曲げ荷重−たわみ曲線から、任意の2点を取って当該2点間の変化量により求められた値である。)
[落球試験評価]
実施例及び比較例で得られたハードコート積層体を4インチ枠上に固定して水平にし、重量36gの鋼球を落下させてクラックが生じた最小高さを測定し、評価を行った。結果を表1に示す。
(落球試験評価基準)
A:200mmの高さから落球してもクラックが生じなかった。
B:クラックが生じる最小高さが100mm以上200mm以下の範囲であった。
C:クラックが生じる最小高さが100mm未満であった。
[ヘイズ評価]
実施例及び比較例で得られたハードコート積層体のヘイズをヘイズメーターにより測定した。結果を表1に示す。
実施例1、2、4、5はヘイズが0.2であり、曲げ弾性率が3.8GPaであった。落球試験は重量36gの鋼球を4インチ枠上に固定したハードコート積層体に落下させて評価を実施した。その結果、実施例1、4は高さ100mmでクラックが発生し、実施例2、5は高さ150mmでクラックが発生した。実施例3、6はヘイズが0.2であり、曲げ弾性率が3.6GPaであった。落球試験は重量36gの鋼球を4インチ枠上に固定したハードコート積層体に落下させて評価を実施した。その結果、高さ250mmではクラックが発生したが、高さ200mmではクラックが発生せず良好であった。
比較例1は曲げ弾性率が2.3GPaであり剛性が低いことを確認した。落球試験は重量36gの鋼球を4インチ枠上に固定したハードコート積層体に落下させて評価を実施した。その結果、高さ100mmでクラックが発生した。
比較例2はヘイズが2.0で光学特性が悪化していることが確認された。
1 接着剤層
2 第一の樹脂基材層
3 第一のハードコート層
4 第二の樹脂基材層
5 第二のハードコート層
6 第一のアクリル樹脂層
7 第二のアクリル樹脂層
10 ハードコート積層体

Claims (4)

  1. 第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とを準備する工程と、
    前記第一の樹脂基材層上に、接着剤層形成用樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜上に前記第二の樹脂基材層を配置した後、当該塗膜を硬化する工程とを有し、
    前記第一のハードコート層及び前記第二のハードコート層の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、
    前記接着剤層形成用樹脂組成物が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有することを特徴とする、ハードコート積層体の製造方法。
  2. 前記第一の樹脂基材層と前記第一のハードコート層との間、及び、前記第二の樹脂基材層と前記第二のハードコート層との間、の少なくとも一方に、アクリル樹脂層を有する、請求項1に記載のハードコート積層体の製造方法。
  3. 第一のハードコート層を備える第一の樹脂基材層と、第二のハードコート層を備える第二の樹脂基材層とが、接着剤層を介して積層する、ハードコート積層体であって、
    前記第一のハードコート層及び前記第二のハードコート層の少なくとも一方が、硬化性樹脂とシリカ粒子とを含有するハードコート層用樹脂組成物の硬化物であり、
    前記接着剤層が、ウレタンアクリレートと、多官能アクリレートとを含有する接着剤層形成用樹脂組成物の硬化物である、ハードコート積層体。
  4. 前記第一の樹脂基材層と前記第一のハードコート層との間、及び、前記第二の樹脂基材層と前記第二のハードコート層との間、の少なくとも一方に、アクリル樹脂層を有する、請求項3に記載のハードコート積層体。
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